DAN LAMOTHE AND ELLEN NAKASHIMA 記者による2019-10-28記事「Tip from disaffected militant set in motion operation that killed ISIS leader al-Baghdadi」。
2019-10-27の未明、イラク北部を8機の米軍ヘリが離陸し、数百マイルの敵地上空を飛翔してシリア北西部のアブバクルアルバグダディの要塞邸宅へ。この邸宅は数日間、米軍が24時間監視していた。
ISに不満を抱いて離反したメンバーが、重要タレコミ人であった。彼はクルド軍に情報を提供するようになった。そしてついにバグダディの居所を通報。
米軍による殺害作戦には「カイラ・ミュラー」という人名が付けられた。カイラは民間の支援団体員だったがISに誘拐されて繰り返しレイプされた上、殺されている。
実施部隊にデルタフォースが含まれていたことは確実だが、それ以上の詳細は、いまのところ何も漏れていない。
トランプ大統領はワシントンDCの某所にて、朝の5時頃に、この作戦の中継動画を視聴したという。
トランプがホワイトハウスに戻ったのは午後4時。それまではゴルフ〔にかこつけた内密の打ち合わせ〕をしていた。
※『ワシントンポスト』は大統領が遊んでたような印象を与えようとしている。これではグーグル社がDoDの巨大サーバーを受注できなくても仕方がない。ベソスはポストを使って何がしたいんだ?
ヘリ編隊の通過経路上でのトラブルを予防するため、米軍は、ある作戦が実行されることを、イラク政府、トルコ政府、ロシア政府のしかるべき相手にあらかじめ伝えていた。このような紛争回避連絡チャンネルは前から構築されている。
部隊は要塞邸宅に到着すると、まず投降勧告した。※これは国際法上、必要。
勧告に応じて、成人2名、子供11名が外に出てきたという。
突入部隊は、ドアにはIEDがあると考えて、外壁を爆破して邸内に入った。
バグダディはトンネルに逃げ込んで自爆ヴェストを炸裂させた。
要塞邸内では敵ゲリラ5人が射殺されている。他に邸外でも何人か射殺した模様。
バグダディは、米東部時間の午後7時15分に死亡確認された。
突入班を指揮した部隊長が「ジャックポットだ」と報告してきたという。100%間違いなく殺った、と。
DNA検証は、日曜日の朝に完了した。
死骸の処理はイスラム流儀に則してなされた。基本的には、24時間以内に葬る。2011のビンラディンの場合は水葬であったが、今回はどうしたのか、それは不明である。
※水葬されたとの続報が出ている。
すくなくも2人のバグダディの妻が死体になっていた。この女たちは自爆ヴェストを着装していたものの、じぶんで点火をせず、射殺されたようである。トランプは、この作戦を実行した部隊員がいかに大きな危険を冒したかを強調した。
米軍側の負傷は、軍犬1匹と、軍人2名。2名の方は軽傷。
エスパー長官によると、直接に敷地内に突入した人数は100名未満である。
ヘリコプターとして複数のCH-47が使われたのは、確実。
作戦開始早々、ヘリコプターに対して地域所在の者たちが先に発砲してきた。だから米軍は自衛のため射ち返した。
殺害後、邸宅は瓦礫と化すまでに破壊された。※デルタが引き揚げたあとに空軍機が1トン爆弾でも叩き込んだのか。
情報協力したシリアのクルド部隊の司令官は、5ヶ月前からバグダディの居場所を絞り込み始めたと。トランプいわく、作戦計画は2週間前にスタートしたと。
次。
新刊『武器が語る日本史』、おたのしみいただいているでしょうか。
ところでクレシーの戦いで英軍弓兵はどうしてロクに照準しないで仰角45度で弓を乱射するなどという戦法を採用して有効であったのか?
これも弓力52kgの和弓を実射してもらう実験でヒントがつかめた。
つがえてひきしぼった状態が時間的に長びくほど、弓兵が甚だしく疲労してしまうのだ。疲労すると、命中もしない。
だから、いさぎよく、精密照準などは捨てて、とにかくサイクルレートで弾幕を構成して勝負する方法が可能であったならば、そっちを採用した方が、合理的だったのだろう。