中共のタンカーが一斉にペルシャ湾へ向かったのは、サウジの方から招かれたのか?

 Chris Flaesch 記者による2020-3-26記事「The Russia-Saudi Oil Price War and U.S. National Security」。
     3月18日、米国の原油価格が、過去18年間で最低の値に下がった。

 陰謀論宣伝機関は叫ぶ。この原因はサウジとロシアが原油ダンピングを仕組んでいるからで、サウジのモハメドビンサルマン王子の狙いは、米国のフラッキング産業を壊滅させて米国が中東からエネルギー面で独立ができないようにすることなのだ――。このまことしやかな説は本当か、検証しよう。

 産油国会合の数週間前にサウジは考えた。新コロ騒ぎで世界の景気は悪くなる。原油価格も下がるだろう。とすれば、油価を維持するためには、産油国全員が一致して、日量150万バレル減産すべきだろう、と。

 ところがロシアだけがこの呼びかけにまったく応じようとしなかった。

 そこでサウジは、手前勝手なロシアに懲罰を加えるために、みずから日量200万バレル増産することによって、ロシアから上得意の中共という顧客を奪ってやろうと決めたのだ。

 3-20にブレント原油価格はバレルあたり26ドル98セントに下がった。この取引価格では、ロシアは、国内での原油の生産コストすら賄うことができない。バレルあたり40ドルだったときでも、ロシアは毎日1億ドル以上を損したと伝えられていた。
 ゴールドマンサックスの予測では、油価はさらにバレルあたり20ドルまで下がるはず。これによりロシア政府は、国家運営に必要な歳入すら得られなくなるであろう。

 ロシア政府が持続するためには、原油価格はバレルあたり40ドル以上でないと困るのである。その価格のときですら、歳出を切り詰め、非常用の貯金を切り崩して、かろうじて凌げる水準なのだ。

 ロシアもまた、アメリカのシェール・オイル企業が壊滅することを望んでいる。なぜなら、そうなったあかつきには、ロシアは西欧をエネルギーの面で思うままに支配できるからだ。

 原油が安くなることは中東平和に寄与する。というのもロシア政府に、シリアで戦争を続けるための資金が尽きてしまうからだ。
 そしてもうひとつ。原油が安くなることで、イランもますます貧乏になって元気をなくし、イエメンへの武器援助などしていられなくなる。これで紅海の通航が安全になる。

 イランは「失敗国家」への道を進んでいる。新コロを理由に国際経済制裁を緩和させようと宣伝攻勢をかけているが、米国は、農産物と人道援助品以外では逆に対イランの制裁を強めるつもりだ。

 サウジも国家予算の支出をすでに5%削減した。しかし彼らには、野心的な国内開発計画をちょっと遅らせることにするだけで、いくらでも予算規模を縮めて行けるだけの余裕があるのだ。このようなサウジと貧窮耐乏の持久戦を戦っても、ロシアやイランには勝ち目はない。

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 ストラテジーペイジの2020-3-26記事。
   サウジのトーネイドを撃墜したイエメンゲリラのSAMは、イランがロシア製のAAM(2種類。旧イエメン空軍のストック)をSAMに改造してやったシロモノらしい。F-15Sには当たらないレベルだが。

 ※サウジが中共をイランからひきはがすために接待攻勢をかけているとすると、アラビア半島には新コロが蔓延してしまうことになるのではないか?

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 CAITLIN DOORNBOS 記者による2020-3-26記事「Yokosuka-based sailor becomes first service member in Japan to test positive for coronavirus」。
      横須賀基地所属の米海軍の者1名、新コロ感染が確認された。在日米軍人として、初の確認例である。

 この水兵〔将校かもしれないが英文では分からない〕は、3-15に米本土から戻ってきていた。
 海軍のお達しにより、米本土から来日した者は全員、一定期間を蟄居しなければならない。その蟄居期間中に、診断結果が出た。

 すでにこの患者の身柄は横須賀の海軍病院に移されている。

 3-25に在日米海軍は通達した。温泉や公衆浴場にも行ってはならんと。※「オンセン」が英語になっていたとは、この記事で初めて承知した。

 もちろんレストラン、バー、街中の室内フィットネスジムの利用もだめ。

 横須賀海軍病院は、先週、新コロ検査設備を導入。もっか、1日40サンプルを検査し続けている。その前は、基地外の施設に頼むしかなかったので、結果が出るのに1週間待たされていた。