イラクの米軍基地に未明のドローン攻撃。飛行機格納庫に命中した。

 Eric Betz 記者による2021-5-7記事「How will life on Earth end?」
    生命は靭強である。地球上にはいまから40億年も前に登場した。
 隕石が次々に地球を打撃していた期間も、生命は全滅はしなかった。何かは生き残ったのである。

 超新星爆発、巨大噴火、突然の気候変動があれば、地球生物の多くが絶滅に瀕するだろうが、生命はかんたんには全滅せず、また種類を増やして行くだろう。

 6600万年前にメキシコ湾に、1都市サイズの隕石が衝突して、恐竜が滅びた。おかげで人類が在る。もし恐竜の地上支配が続いていたら、哺乳類は驥足を伸ばせなかっただろうから。したがってこの事件こそは、人類史上の最大イベントなのである。

 NASAによれば、地球には平均して100万年に1回、大隕石が命中するらしい。次に大隕石が落ちてくれば、人類は一人残らず死に絶える確率は高い。しかし地球生命が全滅するわけじゃないのだ。

 2017年に『ネイチャー』誌に載ったシミュレーションによると、衝突によって地球全体を沸騰させてしまう、そのくらいのインパクトを与えられる隕石のサイズは、太陽系で最大級の小惑星である「パラス」だとか「ヴェスタ」と同程度である必要があるだろうという。その場合、地球生命はたぶん全滅する。

 地球の大気が大量の酸素を含むようになったのは、いまから25億年近く前のことだ。
 海中のシアノバクテリア=青緑藻 が、その酸素を生産した。
 この酸素のおかげで、多細胞生物が存在できるようになった。

 しかし今から4億5000万年前、こんどは逆の環境変化が……。大気中の酸素濃度がとつじょ、低下したのだ。それが数百万年も続き、その間にかなりの生物が絶滅した。後期オルドヴィス大量絶滅と呼ぶ。

 オルドヴィス期には、地球上にはたったひとつの大陸「ゴンドワナ」が存在した。生命のほとんどは海中に在ったものの、ゴンドワナ大陸の上には植物が進出していた。ところがオルドヴィス期の末期には、この大陸がすべて氷河で覆われてしまったのだ。

 しかしなぜ酸素濃度が急低下したのかの原因論争は決着を見ていない。ひとつの仮説は、氷河によって海面レベルと海表面水温が低下し、それにともなって、酸素を生産する海中植物に異変があったと考える。

 それはともあれ、後期オルドヴィス期には地球生物の8割が死滅した。

 近年の一部の学者いわく。げんざい、また酸素濃度低下が、海洋中において観察されていると。それは気候温暖化のせいであると。そして海中酸素濃度が低下することによって、生存ができなくなる海洋生物種もあるはずだと。

 そもそも、後期オルドヴィス期の地球気温低下は、何が原因で始まったのだろう?
 数年来、複数の学者が唱えている仮説は、「ガンマ線バースト」だ。

 超新星爆発のような天体現象にともなって、ガンマ線が飛び出す。
 まだ現代天文学者は、われわれの銀河系の中で「ガンマ線バースト」を観察したことはない。しかし他の銀河系内では、それが起きていることが観察されている。

 こんご、われわれの銀河系の中のどこかで「ガンマ線バースト」が起きれば、地球ではふたたび、大絶滅が起きるであろう。

 ガンマ線に地球がさらされる時間は、たったの10秒かそこらだ。
 しかしその10秒間で、地球大気のオゾンの半分は、破壊されてしまう。
 オゾン層が除去されると、太陽が放っている紫外線などがモロに地表にまでふりそそぐので、えらいことになる。

 ガンマ線も紫外線も、海中深くまでは到達しないけれども、海面付近は、やられる。それによって浅海中の緑藻類が死滅すれば、現在の地球大気の酸素濃度は、維持できなくなる。

 またガンマ線は、大気中の酸素分子や窒素分子をばらけさせる力がある。ばらけた直後から、大量の二酸化窒素がつくられてしまうだろう。
 1970年代に先進国の大都市部を覆っていた有害なスモッグと同じガスが、地球全体を覆ってしまうようになるかもしれないのだ。
 この半透明のガスは日射を遮るから、地球は急速に寒冷化に突入するはずだ。

 ところで、3月に刊行された『ネイチャー・ジオサイエンス』は、ガンマ線バーストが来ても来なくても、いずれ地球の酸素はなくなる、という論文を載せている。

 いまから10億年経過すると、太陽が高齢化して巨大化するので、その影響で、地球大気中の酸素濃度は、青緑藻が登場する前の初期地球のレベルに、急激に低下するだろうという。

 まず、太陽から来るエネルギーによって、地球大気中の二酸化炭素が分解されるまでになるという。
 そうなると、二酸化炭素をとりこんで光合成によって酸素をつくっている植物は、生存できなくなる。

 この、酸素がなくなって行くイベントは、スタートしてから約1万年がかりの変化である。
 そのときどうすればいいのか。いまから10億年かけて考えるとよいだろう。

 ※「進化の地政学」もあるという気がする。先へ進めば、棲み難く、且つ、狭くなる。そのような地形に追い込まれたら、その生物は絶滅してしまう。先へ進めば、棲みにくいが、広くなる。そのような地形をたどった生物には、サバイバルのチャンスがある。たとえば、深海から海面に突き出ている火山地形。この海中部分(急傾斜)は、深くなるほど住みにくいが、広くなる。したがって、その斜面をすこしずつ下ってけば、誰かは生き残る可能性が高い。環境は深いほど悪いので、天敵は減る。それでシーラカンスも生き残れたのだろう。ぎゃくに、この海上火山の陸上部分はどうか。標高が上がるほど住みにくく、しかも狭くなる。住みにくいので天敵との競争は熾烈になる。天敵もろとも死ぬこともあり。その先には、逃げ場がないのだ。地球の気候が一時的に非常に悪くなり、かつ激変したとき、孤島火山地形の水面下部で生き残っていた種が、再上陸を強いられ、やむをえずして陸棲種になったこともあろう。

 ※究極のサバイバルシティは、深度変化ゼロの砂漠の「THE LINE」ではなく、孤島の海中斜面に、斜めのエスカレーター式に建設した、深度変化が無限である、「傾斜海中トンネル構造」なのではないか。海水温度の変化に応じて、棲息深度(マイナス標高)を、調節して行けばいいのだ。誰かがそのような実験を始めるべきである。



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