Lauren Roberts 記者による記事「In the midst of the COVID pandemic, India is battling a surge of mucormycosis, or ‘black fungus’」。
インドからの報告。新コロの大流行は、おそろしい黒黴病も増加させている。
くろかび病は、土壌中の真菌がひきおこす病気である。
新コロになって重症化すると、救命目的で肺の免疫抑制剤を投与される。すると、ふつうならば阻止できている真菌症に罹ってしまいやすくなるのである。
免疫不全の人や、糖尿病の人も、真菌症になりやすい。
じつはパンデミック前から、インドでは真菌症が多い。インド以外の地域とくらべると、70倍もあった。
ムコール症は、ミューコルマイコシスという黴のグループによって惹き起こされる。このカビは、土壌や、腐った植物の中に見出される。
人の副鼻腔、脳、肺、皮膚、腎臓などにこのカビがとりつき、増殖してしまう。
たいがいの患者は、鼻づまり、副鼻腔の痛みを訴える。しばしば、頭痛や発熱も。
この真菌が眼窩を冒せば患者は失明する。さらにそこから脳内にカビが広がってしまう。そうなると発作や眩暈、意識障害などを引き起こす。
この真菌が皮膚に定着すると、疱瘡か潰瘍のような外貌を呈し、且つ、皮膚が黒変する。
カビは胞子を数十万単位で放出して空中に浮遊させる。
インドに比較的に真菌症が多いのは、高温且つ多湿だからである。
ふつうの健常人は真菌症をまぬがれているが、たとえば臓器移植手術などを受けると、同時に、強力な免疫抑制剤を投与されるので、ふつうなら阻止できる真菌の侵入を阻止できなくなる。
新コロに罹って治療中の人は、「易感染性」「免疫不全」になっている。だから黒カビ病にやられやすい。
また、カビは糖分を栄養にして育つので、糖尿病患者の高血糖は、真菌症の温床となる。
米国CDCによれば、黒かび病にかかった患者は50%が死ぬ。しかし感染早期に発見ができれば、治療はできるのである。
黒黴病は、伝染病ではない。したがってヒトからヒトにはうつらないし、動物とヒトとの間でうつることもない。
今、新コロに感染していて調子のよくない人や、新コロ治療中である人は、免疫機能が低下している。
新コロで入院している患者は、デキサメタゾンというステロイド剤を投与されている。
このステロイド剤は肺の炎症を抑制してくれるのだが、同時に、免疫反応も抑制する。
※患者の肺が水びたしになるのを防ぐため?
患者が黒カビ病にかかっているかどうかは、先進国の病院ならば、侵襲的検査ですぐわかる。
しかし後進国だと発見が遅れる。
治療薬もある。「アムホテリシンB」や「イサヴコナゾール」といった抗真菌薬。しかし高額だ。
また、真菌症の診断確定のためには、病院外部の、微生物研究所の助けも要るが、今は新コロ対処でその手が塞がっているところが多いだろう。
次。
Tyler Rogoway 記者による2021-5-9記事「Navy SEALs And Army Night Stalkers Captured In Amazing Photos During Virginia Exercise」。
ヴァジニア沖の訓練模様。
米特殊部隊員が水上から敵地に侵入するための「コンバット・クラフト・アサルト」(CCA)ボートのステルス型が写真におさめられた。
「ナイトストーカーズ」の別名で呼ばれる、第160特殊作戦航空連隊が、MH-47ヘリコプターの下に吊るして洋上を運搬することができる。
※どう考えてもAAV7やその類似品よりは、CCAボートの方が、中共の尖閣工作を「伐謀」できる力をもっている。なぜなら、海自と調整する必要なく、九州や沖縄の陸自駐屯地の地先海浜から、即座に尖閣まで直航できるからだ。「スピード感」競争で、後手に回ることがない。日本が落ち目になっている最大の原因が、この「スピード感」の欠如であることに、国会議員が気づくスピードも、遅いよなぁ……。
尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか 他国軍の教訓に学ぶ兵器と戦法