「THE LINE」は「滑走路都市」にできるだろう。THE LINE as a super long R/W city.

 NEOMの内陸の方は山地になっているから無理だが、アカバ湾に面した西端から、かなりの距離の地上部を、簡易舗装の滑走路にできるはずだ。
 こうすることで、「THE LINE」の沙漠立地の強みをフルに活かすことができる。
 このリニアシティに暮らす人々は、たんに、地下鉄で移動するだけでなく、小型軽量の飛行機で気軽に高速往来することもできるわけだ。ならば、地下鉄は高速化する必要がないだろう。小型軽量機は電動化可能で、低炭素なのだから。
 トータルでエコシティにすることが、現実的になる。

 げんざい、世界最長級の空港でもランウェイは5000mくらいだろう。
 だが、全長170kmのNEOM地区には、1本の長さ数十kmの滑走路を設定できるはず。

 そのどこに着陸しても、すぐに地下都市への入り口にアクセスできる。核戦争が起きたとき、世界中から自家用ジェットで避難してくることができるわけだ。

 着陸支援システムがぜんぶ破壊されて機能しなくなっても、長さ数十kmの滑走路は上空からすぐに見分けられるだろう。目視でてきとうに着陸すればいいのだ。未熟練パイロットでもオーバーランの心配は要らない。

 これを標榜すれば、ビンサルマン皇太子は、世界中の富豪からあらためて投資を集められるに違いない。

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 ストラテジーペイジの2021-5-11記事。
   サウジアラビアは、トルコ企業製のUAV「カライェル」を「ハボーブ」の名でライセンス生産する。
 ほとんどアッセンブリングだけだが2025年までに40機をロールアウトさせるとしている。

 サウジアラビア人に早く石油以外の産業スキルを身につけさせることがビンサルマン氏の課題意識である。現状は公務員系の仕事だけがすべてサウジアラビア人。
 対照的に、製造業などの民間産業はすべて外国人経営者と外国人従業員が運営しているというありさまなのだ。

 「カライェル」は2016年からトルコ軍によって調達され、シリアやトルコ東部で実戦投入されている。完成品は、機数未公表だがサウジにも輸出されている。

 そのサウジが買った1機がイエメンゲリラによって国境付近で撃墜されている。
 上昇限度の高度6500mで飛んでいれば、落とされることはないはずなのだが……。

 「カラウェル」は自重500kg。20時間滞空可能。無線誘導できる距離は最大200km。プログラム飛行させるなら、もっと遠くまで進出できる。

 ペイロードは190kgまで可能。したがってトルコ製の、1発22.5kgの「マム-L」レーザー誘導ミサイル(ヘルファイアの軽量版)ならば4発を吊下して、短距離ミッションをこなせる。あるいは2発のGPS誘導式の50kg爆弾でもいい。
 偵察ミッションで飛ばすときには、55kgのセンサーを搭載する。

 5月6日、アラビア海で米駆逐艦がダウ船を臨検。12トンの武器を押収した。
 3000梃の中共製の新品だが旧タイプである数種類の小火器類のほか、少数のロシア製ATGM、数百のRPGも。
 このダウ船はイランから来てイエメンへ向かっていた。
 イランが中間ブローカーとなって中共企業から買い付け、イエメンのシーア派ゲリラに送っているのだろう。
 イランにもこれしきの武器の製造力はあるが、シナ人のオファーは格安なのだろう。旧タイプの小火器の製造をいまだに続けている中共内の諸工場としては、ダンピングしてでも売り先を確保していきたい。
 なお国連はイランが武器を輸入することを禁じているので、この製品は、イランの国連制裁違反の証拠である。

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 Joseph Trevithick 記者による2021-5-10記事「Top Russian Submarine Design Bureau Hit By Cyber Attack With Chinese Characteristics」。
   『ボレイ』級のSSBNから、『ロシャリク』深海作業艇、ロボット潜航艇、戦略射程の核魚雷までも建造しているロシアの「ルビン設計局」が、シナ人のハッキングの的になった。

 巧妙なフィッシングメールの罠を探知し報告したのはサイバーセキュリティ企業の「サイバレゾン」社で2021-4-30のこと。犯行がいつ試みられたのかについては伏せられているが、4月前半かもしれない。データブリーチが成功したのかどうかは非公表。

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 Ed Cara 記者による記事「Man Caught Three Whole Diseases From a Single Tick Bite」。
   オレゴン州の救急外来に高熱症状と足の腫れで担ぎこまれてきた70歳の老人患者。1匹のマダニに足首を噛まれたことによって、同時に3種類の奇病に罹ってしまったようだった。

 症状は、赤血球の減る貧血、血小板減少症、急性腎不全。さらに肝臓障害の疑いも。

 噛まれた場所は、旅行した先の米国北東部。噛まれた時期は1ヶ月前だという。

 血液検査の結果、ライム病の病原細菌、エーリキア症の病原リケッチア、バベシア症の病原原虫が血中から見出された。

 さいわいなことに、この3つの病気はいずれも、抗生物質による治療が効く。※ウイルスではないので。

 ライム病を運搬するマダニは気候の温暖化とともに全米に生息域を広げている。メッカは北東部だったが、このごろでは加州のビーチに隣接した草藪中にもいるという。

 ※ライム病の原因マダニは北海道の山地には定着してしまったようなので、これから夏までのシーズン、藪に入るときに皮膚を露出していると危ない。なお、人家の内部で発見されるダニはライム病のキャリアーではないそうなのでパニックになる必要はない。



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