電動のモノトラック(mono-track)を前輪部にした、電動バイクを民間ベンチャーは開発するべきだ。低速専用にする。後輪は非駆動のバルーンタイヤ。

 サドルの下方には、折畳式のペダルあり。それは発電機直結。漕げば、気休め程度にバッテリー蓄電もできる。
 こういう乗り物があれば、体力のない人でもクロスカントリーを楽しめるようになる。冬の雪国の地方都市で、貧乏人が自動車無しで暮らせるようになる。
 リアカーをとりつければ、ケッテンクラートの変態バージョンになるだろう。前1輪が装軌、後ろ2輪がタイヤという、前輪駆動式の変則オート三輪だ。

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 William Turton, Michael Riley and Jennifer Jacobs 記者による2021-5-14記事「Colonial Pipeline Paid Hackers Nearly $5 Million in Ransom」。
    米国最大のガソリンと航空用灯油のパイプライン配給サービス会社、コロニアルパイプライン社(本社はジョージア州)は金曜日、ロシア系ハッカーに対して500万ドル弱の身代金を払った。
 今週前半の報道では、そんなカネは払わぬ、と言っていたのだが。

 カネは暗号通貨で支払われた。
 もっと早く(攻撃されてから数時間内)に支払っていたという話もある。
 水曜時点で会社はWP紙とロイターに対し、身代金など支払わん、と豪語していた。

 サイバー保険というものがあり、こんなときに適用される。犯人は、それをかけている大企業を狙ってくる。

 ロックされたのは、運用システムというより、膨大なデータ。
 運用システムはバックアップソフトで再開できるが、データが失われる危機に会社は直面した。

 事情通いわく。これは払うしかないのだ。癌患者の治療費と同じで、死にたくなければね。
 そして今回の500万ドルというのは、破格に安い身代金だという。

 通常、ハッカーは、ランサムウェアの解除代金として、2500万ドルから3500万ドルを要求するのだそうである。

 ランサムウェアにコロニアル社がやられたのは、5月7日頃だと思しい。

 ※米国内のパイプライン地図を確かめると、ニューオリンズからヒューストンにかけて米国燃料供給網の起点や結節点が集中していることがわかる。中共やイランの核ミサイルは、そこに照準をつけることで、全米を脅迫できるわけだな。

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 Joseph Trevithick 記者による2021-5-12記事「Continuous Mass Rocket Attacks Pose New Challenges For Israel’s Iron Dome System」。
  パレスチナ・ゲリラはガザにおいて、2日間で1050発以上のロケット弾をイスラエル領に向けて発射した。
 今回の飽和砲撃の主力となったのは、「アルカサム旅団」といい、ハマスの一派である。別名、PIJ=パレスチナ人のイスラムジハード。

 これに同期して〔作戦の背後にいるイランは〕イスラエル国内のアラブ系住民を一斉蜂起させ、内戦状態を作為せんとしつつあるが如し。

 昨日のイスラエル政府発表によれば、アイアンドームの迎撃ミサイルは480発以上発射され、そのうち200発以上は敵のロケット弾に命中したという。

 アイアンドームはシステム名で、1機動展開ユニットが20発の「タミル」ミサイルを全自動で次々に発射する。各ミサイルは上昇中に下からのコマンドで目標を変更できる。近接信管付き。破片はリング状に放散するようにできている。

 この高射ユニットが3~4個で、1個迎撃大隊を構成するから、1方面に同時に80発以上のロケット弾が飛来すれば、アイアンドームは弾切れ状態に陥る。

 迎撃大隊は15個ある。ということは、「タミル」はイスラエル全土では1200発用意されているはずだが、1方面に限っては、数十~数百発のロケット弾で飽和されてしまう。

 またIDFはこれまで、飛来するロケット弾1発について、2発の「タミル」を指向したことが幾度かある。その念入りな迎撃をこころざした場合、弾切れはもっと早くなる。

 「タミル」1発の値段は過去の報道によれば4万ドルから10万ドルらしい。アップグレードが逐次になされているので最新型の値段は不明である。
 かりに10万ドルだとしても、西側の他のSAMよりは安い。

 しかし、かりに4万ドルだとしても、それを200発発射すれば、800万ドルが消えることになる。1000発の飛来ロケットを迎撃するためには、最低4000万ドルかかってしまう。

 2014年にガザ戦争があった。このときイスラエル財政は危機に陥ったので、米国は2億2500万ドルの軍資金をイスラエルに緊急援助した。そのほとんどは「タミル」の備蓄に回された。

 2014年のガザ戦争ではハマスは7週間に4564発のロケット弾/迫撃砲弾を発射している。

 ハマスが発射する〔イランから運び込まれた〕最低品質の「カサム」ロケット弾は、1発の値段が500ドルから600ドルである。

 イランのハマスに対する資金援助はかつては年額で100万ドルくらいだった。
 しかし2019から、月額30万ドルに増加された。
 イランは2019-11に「タミル」のシーカー部分をガザから回収している。それで飽和攻撃に自信を深めたはずだ。

 2014のガザ戦争では、イスラエル国内では4000万ドルの保険金請求があった。これは直接損害である。その他に、10億ドルの間接的経済損失を蒙っている。
 人命を救っている以上、アイアンドームをコストベースで議論するわけにはいかぬ。

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 ストラテジーペイジの2021-5-13記事。
  ノルウェー政府は禁止した。ロールズロイス社が保有している「ベルゲン・エンジン」社を売却することはまかりならぬと。

 この売却話、買い手が「TMHグループ」といい、本社はスイスにあるが、ロシアの傘下企業なのである。

 NATO諸国に軍艦用の主機を広く供給している「ベルゲン・エンジン」をロシアにくれてやっていいわけがあろうか。

 ノルウェーの法律は、このような国家安全保障にかかわる企業売買を政府が禁ずるオプションを与えている。

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 JOHN VANDIVER 記者による2021-5-13記事「Army to retire older Stryker vehicle variant」。
   米陸軍は、ストライカーの上に自動装填の105ミリ砲を載せた「ストライカー・モビル・ガン・システム M1128」を、お払い箱にする。イラクとアフガンにて、路肩爆弾に対して脆弱だということがわかったので。

 2022-10までに売り払ってしまうという。

 この車両は米陸軍として初の自動装填砲システムとして2000年代前半に採用された。
 だが整備コストは高かった。

 またベース車体がV形断面ではなく、古くからあるフラット底である。これではIEDや対戦車地雷には抗堪し難いのだ。
  ※おい、日本のナントカ式はだいじょうぶなのかよ?

 米陸軍は、浮いた予算で、V断面ストライカーをベースにして近距離防空システムを一式載せた「M-SHORAD」をストライカー旅団に加える。これで露軍のドローンを相手に戦争ができるようになる。



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