「放流テロ」のルーモアは心理戦に使われるだろう。

 Akshita Jain 記者による記事「India installs net across Ganges river to deal with bodies of Covid dead」。
  インドのビハール州政府はガンジス河にネットを横断させて、放流死体をキャッチすることにした。

 焚き木が足りずに生焼けになった死体を家族が川に流している。
 焚き木を買えない貧民も、屍を放流している。

 専門家にいわせると、川の水を介してチャイナウィルスが伝播することはない。

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 Andrew Turner 記者による2021-5-16記事「Using Container Spills to Understand Ocean Currents」。
   コンテナ船は、積荷のコンテナを海に落っことしてしまうことがある。
 その数は、毎年、数千箱にのぼるという。

 コンテナの中身が海底でバラけると残骸はどのくらい残り続けるのだろうか。一部のプラスチックは、1300年も海面を漂い続けるだろうという。

 2014年にニューヨーク沖800海里から、インクジェットプリンター用のプラスチックカートリッヂを放流し、それを海岸で拾った人にインターネットで報告してもらうという実験をしたところ、遠いところではアフリカのヴェルデ岬やノルウェー北部海岸まで達した。

 トナーカートリッヂ実験の結果、これらの漂流物は毎秒4インチの速度で4年弱の間に、4300海里を旅することが判明した。

 ところで、現行の法制度/慣習では、積荷のコンテナを輸送途中で海に転落させてしまっても、それを世界に向けて報告する義務は誰にもない。よほどの汚染物質が入っていた場合は、別だが。

 1997年に貨物船の『Tokyo Express』がイングランド南西端で大波をくらって船体が60度傾き、60個以上のコンテナを海に落下させた。そのひとつには、500万ピース以上のレゴが詰まっていた。しばらくのあいだ、コーンウォール海岸にそれらが流れ着いたものである。

 ※誰かが海水浴場のビーチに意図的におびただしくLEGOを撒いたら、ゆるされないイヤガラセになるな。

 1992年にも、ラバーダッキーなどの子ども用のお風呂オモチャがぎっしり入ったコンテナ1個が北太平洋で落水し、おかげで北太平洋の海流についての知見が増えたという。

 ※魚が口に入れられるサイズのプラスチックペレット(できれば小エビ形)に放射性廃棄物を封入して大西洋のどまんなかでコンテナからぶちまける。するとそのペレットは半永久に海面を漂い、一部は米国東海岸と西欧海岸に漂着するが、多くは途中で魚類の餌となり、欧米漁業は壊滅するだろう。このテロの受益者が誰かは言うまでもないこと。

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 China Defense Blog の2021-5-1記事「GBP12, China Army’s man-portable Mine Clearing Line Charge」。
   中共軍も意外に古めかしいモノを使っていると確認できる報道写真だ。

 歩兵(工兵?)が山伏のように四角い箱を背負って敵陣前に迫る。その箱を地面に設置して、地雷原啓開用の導爆索をロケット投射する。重量15.5kg。幅9m×長さ20mの啓開ができるという。

 これを陸自の「70式地雷原爆破装置」と比べると、陸自のは長さ100m×幅50センチを啓開すると謳っている。重さはロケット弾が24kgで、発射器が18kg。

 しかし今日では、荷物運搬用のマルチコプター型ドローンを使えば、ロケット推進薬の必要がないのだから、同じ幅で、もっと長い導爆索を正確に(且つ安全に)敷設して、点火させられるはずなのである。

 この着眼を支那人が持たないというのが不思議でならない。連中には珍しく、スピード感がない。

 ドローンを飛ばす方法にするなら、大荷物を担いだ工兵がアプローチ中に敵のISRに発見されてしまうこともない。

 なにより、前線のずっと後方から、必要な場所に、奇襲的に地雷原啓開手段を呼び寄せられる。敵の守備兵は、直前まで、FEBAのどこを攻撃されるのか読めない。

 攻め手は、ドローンの数を増やせば、労せずして、2条どころか6条でも12条でも、すきなだけ突入路をひらくことができる。敵に、こちらの企図する主攻口をまったく悟られないで済むのだ。

 陸自も本気で尖閣を守る気があるなら、いますぐこれを実験せよ。

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 Liu Zhen 記者による2021-5-16記事「 US to make greater use of drones to spy on China, experts say」。
   「MQ-4C トライトン」×2機がすでに三沢に2機来ていると金曜日に米海軍は公表した。

 これらの機体は昨年前半からグァムに展開して、南シナ海や台湾海峡を非武装で哨戒飛行しているという。
 偵察対象には沿岸の支那軍基地も含まれている。

 トライトンとは別に、横田にグロホが来ると言ったのは空軍。※いったいいつそんな危ない飛行を外務省は承認したんだ? 三沢なら海に面しているから事故回避のため海に突っ込ませるオプションがあるが、ヨコタは内陸だろう? そんな運用を許す国がどこにある?

 火曜日には南シナ海上にて、1機のトライトン、2機のP-8A、1機のEP-3E、1機のRC-135W(これだけ空軍所属)が同時に哨戒飛行した。
 焦点は台湾海峡の南端だが、汕頭の中共海軍軍港までも視野に入れていた。



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