酸欠に強い南方系の魚を探してそれを養殖するのが、これからは良いのではないか。

 Servet Gunerigok 記者による2021-6-4記事「Low-cost armed Turkish drones shaping future warfare: Report」。
  WSJの記事をもとにした紹介記事。

 トルコのバイカル社製の攻撃型無人機「バイラクタル TB2」は、その実戦場で証明された対戦車攻撃能力と価格の安さで、世界の戦場を変えようとしている。

 すでに昨年7月の「航空宇宙戦力カンファレンス」にて英国のウォレス国防相が、中東~北阿戦域にてトルコ製の無人機がゲームチェンジャーなっていると発言していた。

 ウォレスによるとリビアでは「TB2」が2019年の半ばから活躍していた。われわれはその運用データをもっと調べて戦訓を汲み取らないとダメだ、と。

 「TB2」は米国の「MQ-9 リーパー」と比較される。兵装量やリモコンできる距離ではリーパーが圧倒的に勝るが、「TB2」は4発のレーザー誘導弾を吊るして、飛行場から200マイル以内の近接戦場へ送り込める、最も安価で、しかも有用性を各地戦場で証明済みの、戦術無人機である。

 ※もともと「MQ-1 プレデター」と同じ仕事を、最安値で実現できないかというコンセプトで設計されていること等については、拙著『尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか』で縷説してあるので、詳しく知りたい人はまずこいつを読んでくれ。現実的には地上基地から150km以内までしかリモコンは難しいはずの「TB2」は、先島群島から尖閣上空まで飛ばして作戦させるのに好適なスペックを持っている。福州からだと尖閣までは片道420kmもあるため、シナ軍には同等の対抗はまったく不能なのだ。

 ウォレスいわく。リーパーが単価数億ドルするのに比し、TB2は1セット6機と制御装置等コミでわずか数千万ドルだ。たとえるなら、TB2は「戦術無人機のAK-47」なのである。

 WSJ報道によると、2020春にリビアの戦局を逆転させたのもTB2だという。
 ※トルコはトリポリ政府の側について、トルコ軍顧問多数を送り込んでいる。これを攻めるのは、ロシアとUAEがバックアップしているハフター軍閥軍。こっちにはシリア人とアフリカ人の傭兵どもが加わっている。昨年、トリポリ陥落間近かと思われたところで、トルコが介入して、一挙に反政府軍を追い散らした。

 リビアの戦場でトルコは、どうやったらロシア製の「パンツィール」近距離防空戦車を無力化できるか、その戦法を会得してしまった。

 次。

 イスタンブールの DAILY SABAH の記者による2021-6-4記事「Inexpensive Turkish armed drones reshaping warfare」。
  ※やはりWSJ記事の又紹介記事。トルコメディアなのに、独自取材がないのはガッカリだ。

 TB2が世界的に認知されるようになったのは、2020年春の北部シリアでトルコ軍が発起した「オペレーション・スプリング・シールド」からである。電子戦部隊、地上部隊、砲兵、航空戦力が動員された。

 ※ふたつの記事を総合するとオリジナルの(有料会員しか読めない)WSJ記事の内容を概ね推定できる。TB2自体についての解説に新味は無さそう。つまり、この機体について最も詳しく調べてあるのは拙著である。

 次。
 Tom Page 記者による2020-11-18記事「How Amazonians saved a ‘Terminator’ of the fish world」。
   アマゾン川流域には世界最大の淡水魚のアラパイマが棲息する。全長は3m、体重200kgにもなる。
 空気呼吸するため、酸素濃度の低い川でもサバイバルできる。

 うろこがまた強靭で、フレキシブルであるのにピラニアの歯も立たない。それで米空軍が、軽量防弾素材の参考にすべく研究中である。

 アラパイマは、骨が少ないので食用にも適している。
 乱獲で数が減ったことから1990年代以降、保護されている。

 アラパイマは、雨季には水系のすみずみに散らばるが、乾季には湖にあつまる。

 ※マグロの養殖よりもこうした巨大淡水魚の養殖の方が簡単なのではないだろうか? 生態系がどうのとくだらないことを言っていないで、こういうのを世界中の熱地の湖に放流すれば、住民の食糧難がすこしは緩和されるだろう。寒冷地の水系にはアムール河のスッポンを放てばいい。今からぜんぶまぜこぜにしておけば、将来の大気候変動を、どれかがサバイバルして、乗り切れるだろう。



尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか 他国軍の教訓に学ぶ兵器と戦法