どうやら舗装路面上を四輪車が走っただけの場合でも、あとから空撮した轍痕の解析によって、敵指揮官の行く先を把握できるらしい。

 ストラテジーペイジの2021-6-5記事。
   近年は高空から地表を偵察・監視するセンサーが高性能化していて、戦車やMLRSのデコイが、昔のようなただの安っぽいゴム風船では、まったくデコイの意味がなくなっている。

 最近のISRをごまかせるようなデコイは従来型の5倍以上も高額となり、おいそれと数をそろえることもできなくなっている。

 舗装されている道路の上を装軌車両が通ったかどうか、偵察機のセンサーはとっくに履帯痕から見極めることができる。しかし今次のガザ戦争では、装輪車両の「動線」も、轍痕から把握された。

 今次のガザでの戦争は、15日間で決着したので「15日戦争」と呼ぶ。2014のガザ戦争は「51日戦争」であった。

 イスラエル側のデジタル撮像技術とAI分析技術のおかげで、ハマスの指揮官が逃げ込んだ地下バンカーの絞込みが精密化した。おかげで、短時間に壊滅的な損害をハマスに与えることができたのである。

 ハマスは2014年のときの三倍のロケット弾を発射したが、イスラエル側が蒙った人的被害は2014年のときよりも少なかった。

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 Brett Tingley 記者による2021-6-4記事「Quantum Radar Offers No Benefits To The Military Say Pentagon Science Advisors
  やっぱり中共がフカしていた「量子レーダー」は、ただの作り話だった。

 DSB=国防科学委員会 は結論していた。量子レーダーは、今の国防総省の能力を、いささかも増強などすまい、と。
 この結論は5月に、連邦議会調査部CRSによって公刊された。

 他方、量子コンピュータ、量子通信等については、有望な見込みがあるとしている。

 2018に中共は量子レーダーを開発したと宣伝した。
 DSBはそれいらいずっと、この技術についてリサーチし、秘密報告をまとめている。

 中共は衛星と量子レーダーを組み合わせることで米軍のステルス機を無能化できるとも宣伝したが、やはりそれも中味の無い口先宣伝であった。

 DSBは、しかしながら、次の応用は有望だという。量子のたすけをかりることによるGPS精度の改善。磁探感度の改善。地中探査への応用。

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 Ed Cara 記者による記事「FDA Approves ‘Game Changer’ Weight Loss Drug, Likely First in a New Era of Obesity Treatment」。
   金曜日にFDAが「痩せ薬」を正式に承認した。
 これは注射薬である。肥満が深刻な病気の一因となっている患者の、治療薬として開発された。
 製品名は「Wegovy」。

 成人の「2型糖尿病」の患者などに適用する。週に1回、こいつを皮下注射し続ける。もちろん同時に食事制限も課す。

 飢餓感やメタボを調節している「GLP-1」ホルモン。それに似た合成物質。それを射たれた患者は、体内でのインシュリン製造量が増す。

 治験では、68週間で体重が12.4%減ったと。

 ※中共はコウモリの研究先進国のようだから、ついでにコウモリのメタボや皮膚のたるみ方についても調べると、ちっとは人類の美容に貢献することができるだろう。ヒトの場合は加齢とともに下向きの重力に負けて、外貌が老人ぽくなる。では天地真逆に寝ているコウモリの成獣は、加齢とともに「垂れ上がる」という現象に見舞われるのか? それとも短命動物だから老醜化とは無縁なのか。