★《続・読書余論》の最新Up は、ニコルソン著『ナポレオン一八一二年』です。

 1812年のフランス軍によるロシア遠征は、べつに冬のために失敗したのではなく、大軍で長い距離を進むのに最初からスピードを上げすぎて、冬が到来する前の往路において自滅したのだということが、150年以上経って、ほぼ解明されています。

 「長い旅をする者は、急いではならぬ」という古い諺が中東にある。今、露軍の前進スピードは遅々としていますが、ナポレオンやヒトラーの失敗を避けようとしている結果、そうなっているのかもしれません。

 《note》 https://note.com/187326mg/  をごらんください。

 次。
 AFPの2022-3-4記事「How commercial satellites are shaping the Ukraine conflict」。

   キエフ北郊の 40マイル=64km の道路渋滞を写真撮影したのは、民間の Maxar の衛星サービスである。

 マクサーの衛星カメラは「首振り」が利くので、真下でない地面も撮影可能。より細かな注文に応じ得るのだという。

 米国の国家偵察局(NRO)はマクサーの主たる上得意である。「どこを撮れ」という注文のほとんどが米政府から出ている。今はウクライナに集中していると言ってよい。

 米政府は、撮った写真を公開するかどうかをよく考えて決めている。たとえば、ウクライナ軍の塹壕陣地が映っていたら、そんな情報をロシア人に知らせてやるわけにはいかない。そうした写真は、公表させないのである。

 ※風呂なしで連続1週間の野営となると、露兵もそろそろ疲労が溜まって来る頃だろう。

 以下、雑報集。

 フィンランド国境から車で国外脱出を図るロシア人多数。制裁前に有効ビザを取得できていた者に限られるが、空路はもう使えないから、開いている国境はここだけなのだという。
 ただし、プーチンは戒厳令を発してデモを根絶しようとする可能性あり。そうなったらもう陸路旅行も不可能になる。

 3-5時点の露空軍機の損害。スホイ30SM×1、スホイ34×1、スホイ25×2、攻撃ヘリ×2、ミル8輸送ヘリ×1、「オルラン10」無人偵察機×1。

 市街監視のため高層アパートビルの屋上へ至ろうとしてエレベーターに乗り込んだ露軍兵士たちが、外から電源を切られて、エレベータ内に閉じ込められてしまった。

 ウクライナ人は、ボウガンのような仕組みで火炎瓶を飛ばす装置をDIYしつつあり。※スピゴット型がいいかもしれないね。

 ※日本からの緊急援助品だが、核攻撃が起きれば大量の火傷患者が出るから、抗生物質をポーランド領内に分散的にストックさせておくべきではないか。地下鉄のある町が適当だろう。


★《続・読書余論》ナイジェル・ニコルソン著『ナポレオン一八一二年』昭和62年刊