最新の《続・読書余論》は、米海軍大佐G・J・マイヤース著『マイヤース戦略論』(昭和9年刊)です。

 《note》 https://note.com/187326mg/ を ごらんください。

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 ロイターの2022-3-6記事「Russia, without evidence, says Ukraine making nuclear “dirty bomb”」。
   TASSとRIAとインターファクスは、ロシア軍部の匿名の一人の代表者が語ったことを日曜日に報じた。
 いわく。ウクライナはチェルノブイリで核兵器を開発していたと。

 侵攻開始直前には、プーチン自身が、何の証拠も示さずに、ウクライナがソ連のノウハウを使って独自の核兵器を創造していたと声明している。

 ※スターリンはじぶんじしんは秘密警察活動捜査に加わったことはない。ベリヤからの報告を検討するだけだった。プーチンはじぶんじしんが秘密警察の活動歴をもっている。秘密警察の「個癖」は、なにもないところから「容疑」と「証拠」を創り出してしまうことである。彼らの心の世界の中で、それが普通のあたりまえになってしまっているのだ。そのうち、現実と妄想の区別がつかなくなる者も……。江戸幕府は、「与力」をそれ以上は出世させないようにし、政治の中枢に関わらせなかった。いみじくも「不浄役人」と呼んでいたものである。

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 indomilitary の2022-3-5記事「Face Russia, Netherlands Supply Manpack Reconnaissance Radar System and Fire Finder Radar to Ukraine」。

   オランダの追加武器援助。ウクライナに向けて、近距離地上偵察用レーダーを2セットと、対砲レーダーを5セット、送る。

 対地警戒レーダーは、人が担いで運べる重さ。歩兵なら距離10km、戦車なら、ほぼ地平線の限りまで、その動きを把握できる。「SQUIRE」という製品。

 対砲レーダーは「AN/TPQ-36」で、野砲なら18kmまで、ロケット弾なら24kmまで、射点を特定できる。Xバンド波長。2.75トン積トラックで運搬できる。

 ウクライナ軍はすでに「AN/TPQ-36」を2セット、保有している。これは2015-11に米国が援助したもの。
 オランダからの輸送には2週間かかるだろう。
 オランダ国防省直轄の予備作戦部隊の倉庫から送り出すので、常備軍の陣容に穴が開くことはない。

 「SQUIRE」については、一から教育してやる必要がある。ウクライナ軍は未装備なので。教育には3週間かかる。

 ※露軍はいよいよ、世界最大級の巨大自走迫撃砲を、都市砲撃用に招喚したようだ。ますます、やることが過去のドイツ軍とそっくりになってきたよ。

 ※火焔瓶のようなものをみとがめられずに携行するには、雨傘や長靴と一体化させる方法がある。雨傘形だと、バネ式に発射する仕組みとも、相性がよい。

 ※将来、日本政府が、ウクライナのような立場の外国に緊急に空輸によって武器を援助しようとする場合、火薬や発火物をいっさい含有しない製品であることが、航空輸送の安全上、望ましい。日本の評判ということを考慮すると、各国の歩兵銃にユニバーサルに装着ができる簡易な「暗視狙撃スコープ」が、あらかじめ援助用に大量にストックされているのが、理想的だと思う。もうひとつは、ブーツの中敷にでき、対人地雷の毀害力を相当ていど抑制できる、特殊素材のプレートだ。研究すべし。

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 AFPの2022-3-4記事「Beijing wary of extending economic lifeline to Russia」。
    ロシアは中共と通貨スワップ協定を結んでいるので、ルーブルが紙屑化したときは中共の銀行がロシアの輸入決済を助けてくれる。

 今週、ガスプロム社は、中共へ直結する新しいパイプラインの設計を受注した。

 2021年に中共はロシアから790億ドルを輸入し、ロシアへは680億ドルを輸出した。

 中共はウクライナからは鉄鉱石と穀物を買っていた。

 2021統計。中共はロシア産の原油を、毎日、150万バレル、買っている。これは中共の全輸入原油のうち16%に相当する。

 中共がロシアから買っている天然ガスは、中共の全需要量の5%である。※これまでは、敢えて抑制をしてきたことがわかる。ロシアに発するパイプラインのガスに頼ったらとても危ないということが、よくわかっているのである。

 中共が輸入している穀物の三分の一は、ウクライナ産である。

 輸入穀物が値上がりすれば、シナ人の好きな豚肉の値段が上がるだろう。

 中共の証券市場に投資している外国のうち、ロシア人が占めている分は、「四分の一弱」である。

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 Humeyra Pamuk 記者による2022-3-7記事「U.S., Europeans discussing banning Russian oil imports, Blinken says」。
    米欧が協議し模索中。ロシア産の原油の輸入も禁じようじゃないかと。
 と同時に、国際エネルギー供給は続けられなければならぬ。
 ブリンケンがNBCの「ミートザプレス」で語った。

 日曜日、米国内のガソリンの1ガロンあたりの小売値は、4ドル(+)だった。これは2008-6いらいの高値である。

 2021年のEIA統計だと、米国はロシアから原油と石油製品を2040万バレル以上、毎月、輸入している。これは液体燃料の総輸入量の8%である。

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 AFPの2022-3-3記事「Sanctions on Russia add to troubles facing global helium industry」。
   ヘリウムが世界的に不足するだろう。というのもこれまでロシア極東部の天然ガス田から、世界の消費量の三分の一が供給されていたからだ。いまや金融制裁によってそのヘリウムを自由主義諸国へ売ることは不可能。

 ヘリウムガスは、たとえばMRI造影装置の冷却剤に使われている。マイクロチップ工場でも、ヘリウムは不可欠だ。


★《続・読書余論》米海軍大佐G・J・マイヤース著『マイヤース戦略論』昭和9年刊