火曜日に実行された。
ちなみに旧海軍の「回天」の炸薬は1.55トン~1.8トンだったとされる。
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Carlos Roa 記者による2025-6-2記事「How Ukraine’s Drone Strike Changed the Rules of War」。
日曜日のウクライナ軍の一斉奇襲を、米政府はまったく事前に掌握しておらず、政権トップが「カードはないだろ」などと大統領執務室内で罵詈雑言を連ね、天下におのれらの無知をさらけ出した。
一斉攻撃を喰らった基地は、ムルマンスクの Olenya Air Base、イルクーツクの Belaya Air Base、イワノヴォ州の Ivanovo Air Base、リャザン州の Dyagilevo Air Base の四か所。
ウクライナ側の大本営発表を信ずるならば、露軍は、空対地巡航ミサイルの戦略スケールでの運搬手段の34%を喪失させられた。
ウクライナ大統領による戦果発表が、ウクライナ国防相以下の外交団がイスタンブールに到着したタイミングと同じという点でも、こんどの事件は「真珠湾攻撃」を連想させずにおかない。ロシアとの停戦協議が、翌日に予定されていたのだ。
さいぜん、巡洋艦『モスクワ』が撃沈されたり、「ノルドストリーム2」が爆破されたときは、侵略者の側であるロシア政府はますます怒り狂って戦争をエスカレートさせている。こんども間違いなく、停戦とか休戦の気運は、吹き飛ぶだろう。
テクニカルには、「コンテナ戦争」の封印が、解かれてしまった。
外見が、普通の商用の輸送コンテナ。それを、民間の運送業者のトラックによって、敵基地の近くまで運ばせる。そのコンテナの中から、攻撃用の武装ドローンが、リモコンもしくは全自動で飛び出す。
もう何年も前から、商用コンテナに擬装された兵器システムの脳内構想は、あった。そのひとつが、とうとう現実の作戦に結実した。
もはや、長距離攻撃ミサイルを保有していない国や団体でも、小型爆装ドローンと既存のコンテナ物流システムを組み合わせるだけで、地球の裏側の軍事施設だって奇襲的に爆破できるようになったと言えよう。
※発展応用として次の方向が考えられる。民航機に積み込まれたコンテナが敵国の上空で爆発して飛行機の横腹を破って「兵器」が空中にバラ撒かれる。その「兵器」には誘導機械が備わっており、重力と空力とを利用して所定の目標――たとえば防空用レーダー――に向かって降下する。もうひとつ。大型コンテナ貨物船が、他国へ入港する直前の深夜、積み荷のコンテナの蓋が開いて中から「兵器」が静かに大量に射出され、そのひとつひとつが「自爆ドローン」に変態して、他国内の航空基地などを自律的に襲撃する。
攻撃の踏み台として利用された他国船籍のコンテナ船が、中立国の港内や、公海上にあったときは、どうなる? あるいは、「国際海峡」を通航中であったなら? 戦時国際法の学会には、また、あたらしい仕事が増えてしまった。
ある地域で、これから大戦争が始まるかもしれないという緊張が高まっていたとする。そこに、怪しい積み荷の商船があらわれた。積まれているコンテナのどれかの中に、攻撃ドローンの大群が隠されていて、いつでも飛び出して来る可能性がある。……となったなら、その商船が、先制撃沈の対象にされ得るわけだ。これからは。
※雑報によると、6-1攻撃の戦果は、衛星写真で確実に判定されたものは13機にとどまっているそうだ。41機ではなく。
※雑報によると、ドローン奇襲による大戦果の第一号は、2019にフーシが、2万ドル分の固定翼無人機を放ってサウジアラビアのアブキーク精油所に数十億ドルの損害を与えた事件。その翌年が、ナゴルノカラバフ紛争。
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『ディフェンスエクスプレス』の2025-6-3記事。
UGVに、500㎏の航空爆弾を乗せて、敵兵が潜む家屋や壕を爆破する作戦が、すでに実行されているという。宇軍によって。
従来は、UGVには40㎏の爆薬しか乗せられなかった。それでは塹壕に対して効き目がないという戦訓が得られている。