イランをめぐる戦争についてコメントしておく

 イランの無人機母艦『Bagheri』が、なんらかのミサイルに2回ヒットされる動画(遠くの空中から俯瞰撮影)が、米国防省により公表された。ヒット寸前の映像は、わざとらしく編集でカットされていることから、私は、これはLRASMが使われたと想像する。中共に対策研究資料を与えたくないので、当たった直後の景況だけを見せているのだろう。メッセージは、もちろん、中共向けだ。

 前後してトランプが、弾薬は無尽蔵、と発言したのは、「LUCAS」のことだろう。ヘグセスからのそのブリーフィングだけが頭に入っていた。

 LRASMはぜんぶで数百発しかないから、もうイラン相手には使わずに、対中共用に温存しておくだろう。あとは「クイックシンク」のような低廉対艦兵器の実験モードに移行すると思う。

 かたわら、米陸軍としては、PrSM/ATACMS/HIMARSを、対艦用にじっさいに使えることを、今、実証したくてたまらない気持ちになっていると思う。なんとしても適宜のプラットフォームを探し出す気ではないのか。それによって、米国以外に「対艦」の弾道兵器をじっさいに所有している軍隊は地球のどこにもありはしないんだということも、宣伝できる。

 セイロン島南方沖で「マーク48」魚雷の餌食になった1500トンのフリゲート艦『アイリス・デナ』。公開動画からは、爆発が艦尾のキール下で起きたように印象される。これは、潜水艦長が、意図的に、そこをピンポイントで「狙ってみた」のだと思う。標的がもっと大きくタフな軍艦(たとえば中共の空母)だった場合、1本目でスクリューと舵を破壊して行き脚を止めることが最も推奨されるから、その練習(兼・誘導精度実証)をやってみたのだ。1500トン・フリゲートだったなら、起爆箇所など、キール下でさえあれば、どこでも同じ。即沈だ。
 おそろしいのは、潜望鏡(もちろん今はCCD)で動画を撮影していることだ。フリゲート艦のレーダーなどまったく気にせずに、命中寸前に露頂させたのだろう。イラン海軍(このフリゲートはIRGC所属艦ではない)の実力の程度をすっかり見切っていた。

 大きな話もしておこう。
 直近の、最も目の醒める解説記事は、リチャード・フォンテーヌ氏が書いた「トランプ氏の戦い方」。
 いわく。トランプはパウエル・ドクトリンを終わらせた。出口なんか決める必要はない。スタート時に「目標・目的」そのものを限りなく曖昧にいいかげんにしておき、逐次にコロコロと更新して行く限り、大統領は責任を問われないのだ。

 私はこれを「柔軟アカウンタビリティ」と呼びたい。このごろは誰でもAI翻訳を利用できるのだから、私が詳しい要約をしなくてもいいだろう。

 「9GAG」が正鵠を射ることもあり、この戦争が続く限り「エプスタイン醜聞」は掻き消され、米国消費者の苦境はイランのせいだと責任転嫁できる。そうだとするとトランプの立場はプーチンと似てくる。失脚・収獄されたくないので、戦争には永続してもらう必要がある。

 一段と穿った想像をすると、ホルムズ海峡が半永久に「半透膜」化することになれば、中共経済は原油高で急速に破滅に向かい、戦わずして亡びる。とばっちりで日本経済もEU経済も青息吐息となる。ひとり、米国だけがもちこたえているという構図ができあがる。「物価は上がったが、アメリカはひとり勝ちした」と胸を張れるのかもしれない。

 おそらく高性能AIに訊いたのではないか? 戦わずして中共を滅ぼすにはどうしたらいいか、と。

 日本政府がすべきこと。
 地下の石炭を、ほどほど低公害なエネルギーに変えるためのプロジェクトに巨費を投じ、米政府に対しては、それは「防衛費に含まれる」と強弁すること。
 下北半島に横断運河を暗渠として開鑿し、陸奥湾から太平洋へ4ノットの潮流が流れ続けるようにし、その潮流で発電して、データセンターを動かすこと。早くしないと「AI敗戦」が待っているぜよ。