ホルムズ封鎖が長引くと、中共こそが大弱りになって、AI開発ペースが遅くなる。それは米国、ひいては日本の安全保障にとっても悪い話ではないので、当分のあいだ、エネルギー国際価格の高止まりを我慢してくれ――という主旨の説得であろう。
さてそうなるとわが国はボヤボヤしていられない。
標高差のある国立公園内に、急いで「人工池」を無数に開削造成し、そこに雨水と雪を溜めて、湖底の地中パイプから落とした水流で発電する土木事業を、全国一斉に数十箇所で始めるべきだろう。この水力発電は、まず小規模なシステムを「2~3年」の超特急スケジュールで運開してしまって、そのあとから追加工事でどんどん「池」も「タービン・プラント」も大きくして行くという方法を採れるから、エネルギー安保の緊急担保策としては、中期的に最善のオプションと思う。
当然のこととして、国立公園内の「山容」はまさに一変することになる。が、国民の生活水準の維持のためには、これは忍ぶしかないのである。そのくらいの本格的な国難が迫っているのだ。
もうひとつのオプションは、排水量1万トン前後のバージ(自航できない筏)上に、小規模の石炭火発プラントを載せて、そこで起こした電力を、洋上風力発電施設用の海底集電線網に接続すること。
この「沖合バージ火発」は、航洋タグボートによってどこへでも移動させられるので、将来の広域激甚大災害発生直後の電力インフラのピンチを、機動的に救ってくれるだろう。
バージは、コンクリート函を集合させた浮体構造にしてもよい。スチール材料の手当が間に合いそうにない場合、その検討を躊躇すべきではなかろう。
今次イラン事変においてIRGC(イラン革命防衛隊)は、その所管する中距離弾道弾の命中精度が、かなり佳良であることを証明した。
しかも彼らは、弾道ミサイルの7割をまだ温存しているのだという分析もある。
アラビア半島の陸上に敷設されているGCC諸国のパイプラインは、いつでも、イラン発の弾道ミサイル/巡航ミサイル/片道無人特攻機によって直撃され、損壊させられてしまうのだ。この脅しに迫真性が伴っているゆえ、いまやサウジなどは、米軍が自国領空から対イラン空爆作戦を続けることに反対するしかないのだろう。
精油所にミサイルが降って来るのも、もちろんGCC諸国としては痛い。限られた「拠点」を防空ミサイルで厳重に守ることは理論上、不可能ではないが、蒸留塔などの骨幹設備にたった1発(/1機)でも被弾してしまえば、その修繕は半年~数年がかり。だから現実的にはこれからGCC諸国は、外国から中距離ミサイルをおびただしく買い付けて、イランに対する「同害報復能力」をせいぜい構築するしかないはずである。
わが国は、GCC諸国に対して、「大深度に完全地下化したパイプラインの有償工事協力」ができますよ、と申し出ることができるだろう。
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令和八年五月十一日