ど〜か〜た〜と〜せいの〜おいらが、かけェ〜たァ〜

 もしソクラテスその人が蘇り、ギリシャ都市で独裁政治を始めたとしても、プラトンの理想国家は実現しなかったでしょう。二千数百年間の世界史はこれを教えてくれます。
 昭和十一年に石黒忠悳が書きました。大臣になってから能力が落ちなかったのは、児玉源太郎と陸奥宗光だけだと(『懐旧九十年』)。
 では仮りにこの二人が総理大臣になっていたら?
 これまた歴史の証するところ、野[や]にあって賢であることは、堂に登りて全能であることを、ほとんど意味しません。
 独裁者になるためにも多数派工作が前段階として必要なんです。人をまとめるためにはまず自分から妥協しなければ始まらないのです。
 「妥協ゼロ!」を最初から貫こうという政治家が、独裁者となれる道理はありません。スターリンも金正日も、強い者へは妥協を繰り返しています。妥協をして味方を増やせば、自分が少し強くなる。するとちょっとは自分の好みを政策に反映できるようになる。この繰り返しが政治です。
 弱い者はこの成功者を妬んで「独裁だ」と騒ぐ。笑止です。
 多数派を糾合できなかった勢力は、他者の説得に失敗したのです。それを権力闘争の敗者と言うのではありませんか。
 さて9月中旬以降のはるまげ小泉内閣。旧田中派ねだやし大作戦の次には、何をしなくちゃいけないでしょうか。
 オプションとして、相続税の全廃があります。旧田中派は、ながらく公務員と結託して、「日本国民である限り、家族に一番安心をもたらしてくれる職業は、上級の公務員様だ」という空虚な国家経済を作り上げてしまいました。つまり、家族を思う孝行息子はいかに事業の才能があってもまず官僚をめざし、天下り余生を送ることが美徳になるのです。
 この旧田中派式のネオ社会主義では、やがて外国とは競争・戦争ができなくなってしまいます。有能な人材が自由に腕をふるえない国家ではどうしようもありません。近年、シナが強気に出てきたので、国民にも漸く「これじゃマズい」と分かってきました。
 しかし頭の良い公務員が自分の利権のために結託している牙城を、一代の内閣で簡単に攻略できるほど国内政治は甘くないです。
 そこで、搦め手から攻める。その戦法が、相続税の全廃です。税収は消費税の増税でカバーするのが、パチンコ利権対策にもなり、公平感を増すでしょう。
 次に社会防衛です。警察官を増やさなくてはいけません。警察官を増やすことにより、自衛隊も強化できる。シナ・朝鮮との闘いは、半永久戦争です。
 次に「公明党よりも自民党の方が弱者のことをまじめに考えてますよ」というアピールです。
 地方の養護学校を見直しましょう。養護学校はどうして市心になく、あんな山の中にあるのでしょうか。十歳の子供がどうして毎日バスで1時間も通わなければならないんですか? 少年犯罪者や、キレる児童らとはぜんぜん違うでしょう。養護学校の子供たちは、それ以上悪くなることはないんです。なのに、なぜ刑務所よりも社会から隔離された扱いを受けねばならないのか。自民党がこれを是正しなくてはなりません。
 プロ・コイズミが圧勝すれば、次は創価も切れます。
 狡兎死せば、走狗煮るべし。
 これまでのほとんどの選挙で、一票は無価値でした。しかし、9月11日の衆議院選挙に関しては、誰の一票も、とてつもない価値があります。