『嫌韓流』を読んだ自称評論家のわたしがきましたよ

 人様が働いているときに遊び、人様がゆっくりしているときに働くのが自由業の醍醐味ですが、田舎では家事が増えて参りますとなかなか外に出られなくなるのが辛いところです。というのはどこに行くにも自動車でないと追いつかない。まさか月に一回しか書店に行かない生活が44歳のこのわたくしを待っていたとは、どうして予測できたでしょうか……。
 それで本日、東京から『マンガ 嫌韓流』を送ってくれた人が居た。そう、これも買わねばならん、読まねばならん、と思いつつ、月に一回立ち寄る書店で見当たらないため、困っていたんですよね。ありがとうございます。
 PHPの活字ゲラを見るのも後回しにして、一読しました。いやぁ、たいへんな労作なので、頭が下がりました。
 内容は行き届いているなと感心しました。わたくしは2002年はTV無し生活をしていましたもので、ワールドカップはこんな有様だったのかよと、今更ながら驚きました。
 絵がヘタだとか文句たれてる人がいるんですが(これを送ってくれた人も)、キミたちはもっとマンガ業界の実態を知りなさい!
 昔『メスよ輝け』とかいう医学劇画がメジャーな青年コミック誌であったでしょう。原作のレベルと作画のレベルが全くマッチしていなくて、これじゃ原作者は泣いてるだろうなと同情したものです。(その欲求不満を解消するためか、原作者はあれを小説に仕立直したらしい。小説という活字メディアの良いところは、フィクションの創作が商品としてリリースされるまでの間につきあわねばならぬ介在者が少ないので、ストレスも小さくて済むことです。)
 つまりですよ、メジャーなコミック誌編集部でも、良質の作画専門家を探すのには苦労してるのです。日本では絵が描ける人は同時にストーリーも考えられるんだから、一人だけで売れるなら版元は万々歳、作画家も10%の印税を原作者と山分けする必要がないのですから、面倒くさい分業なんか誰もやりたがらないわけです。
 書き下ろし単行本マンガの作画だけに徹することを納得してくれる手隙の名人職人が見つかったら、それは奇跡です。(その意味で、小松直之さんの偉大さが分かってくれますか、皆さん?)
 どうやらこの本が売れているらしい模様であるのは祝着至極です。江湖に広く推奨したいと思います。(p.s. 版元さんへ。初刷りを送ってくれれば雑誌上で宣伝もできたんですがね……。)
 ところで多忙の余り買ったは良いが読めないでいる新刊(ちくま新書)に、佐藤卓己氏著『八月十五日の神話』があります。拾い読みしたところでは、米国は9月2日をVJ-dayとしている、と書いてあります。
 ところが、タダで視聴できるウェブ版のCBSテレビのニュースは、たぶん現地時間の8月14日の放送で、VJ-day特集をやってるんですよ。一体、いつから米国のテレビは8月15日にこういう特集をやるようになったのか?
 近年からであるとしたなら、それは某外国のウィキペディアあたりの宣伝工作が成功した結果なのでしょうか。はいはい、こわすこわす。