不明瞭座標と、反対に位置バレバレの諸施設について

 昨日の報道によると、竹島の経度が修正されたそうですね。日本政府がこの領土問題をいかに先送りし続けていたかが、分かったような気がしました。
 竹島の東方では、韓国のADIZ、すなわち日本の外側ADIZでもある線が、日本のFIR(すなわち韓国のFIR)の線よりも日本本土側に食い込んでいます。
 竹島の南方23マイルでは、両国FIRと両国ADIZは交差します。
 そして竹島の南西では、こんどはADIZがFIRより韓国側に張り出しています。
 この複雑な位置関係をビジュアルで把握しようと思ってインターネットで検索しても、うまく出てきません。航空会社の人に個人的に頼んでチャートを見せて貰うしかない。それにしても見易い地図ではありません。ADIZやFIRが屈曲するポイントの座標が必ずしも書き込まれていないのです。
 日本政府の公式ウェブサイトで、この関係が一目で分かる地図を掲示すべきではないのでしょうか? 現状では、政府はヤル気を疑われても仕方がないですね。特に、世界の航空界を仕切る米国に対する広報宣伝としては、O点です。
 これに対して防衛庁は真面目に仕事をしてるのは良いんですが、同庁だけが真面目で、政府の危機意識が全般に低いと、困った情報ギャップが起きます。
 たとえば、防衛庁が制作して航空会社に配布している冊子『航空路図誌 低高度用』(平成16年9月15日号)を繙いてみましょう。
 この八九ページから九一ページにかけ「飛行規制」の一覧表が載っているんですが、な、なんと、日本にあるすべての原子炉の炉心位置が、北緯・東経ともに「何度何分何秒」までご丁寧に明記されているのです。
 たとえば九州電力玄海原子力発電所の4号炉は、北緯33度31分00秒、東経129度49分57秒に炉心がある──と、たちどころに判ってしまう。「もんじゅ」や「ふげん」の座標まで載せちゃっている。
 もちろん「ここを避けて飛びなさいよ」という指示なんですが、GPSでミサイルを誘導している時代に、これはマズいんじゃないですか?
 しかも、動力炉だけではない。ウラン加工施設や、廃棄物埋設施設、廃棄物管理施設、再処理施設、研究炉、臨界実験装置まで、悉く座標網羅ですよ。いやあ、けっこう大学の研究炉が町の近くにあったりするんですねえ。しかし、これじゃ北朝鮮のSSM担当者に「これをインプットどうぞ」と進上してるようなモンじゃないんですか?
 もちろんスパイが根気よく調べたなら、こんな座標はいずれ判ってしまうのでしょうけどね。しかし、一体、他の国でも同様なんでしょうか? とても気になります。
 注記によれば、こうした原子力施設の周辺には、黄色の閃光式灯火が設置されているそうですね。てことは、小型特攻機は、光度10万カンデラ、毎分40〜60回点滅の黄色い閃光で囲われた地点を目指して深夜に超低空で接近すればよいわけでしょうか?