動員可能資源から手段を再定義する

 日本のどこかの大学の先生が苦労して造ったらしいNEETなる呼称は、要するに「本人が望んでなっているプータロー」のことだと思いますが、米人の若い層がよく使う形容詞のNEATと紛らわしく、意味がえらく違って誤解もあり得るので、わたくしはあまり使わないのです。まあ、この大学の先生には、対米宣伝担当の適性はあまり無いだろうと想像します。学問を日本国内で商品化する力量は証明されましたが。
 日本では、正業に就いていない自主的プータローが、そうでない人々よりも特別に犯罪率が高いわけではないでしょう。
 つまり社会の治安コストを押し上げてはいません。
 また、日本経済の対外競争力を阻害してもいません。真に競争している上位5%の層の邪魔を為さないことによって、むしろ日本経済の競争力の維持に貢献しているのです。
 しかも彼らは結婚せず、階級として再生産されないのですから、米国都市のようなスラムができる心配もありません。放っておけば一代限りで消えていくのです。
 ところが「ニートはメシの種になる」と狡猾な役人が思いつき、まったく無意味な「支援」行政のために法令をつくって予算をつけたりしたら、日本経済の競争力はまたもや低下してしまうのです。すなわち何も生産せず社会貢献もしない公務員を増やし、その無駄な公務員を養うための社会コスト(税金)が乗数的に増えるからです。役人の食い扶持のために一度つけられた予算の費目は、永遠に消えません。
 プータローの部分集合に「ヒキコモリ」がいます。ご家族には厄介人です。しかし社会的にはまだ無害でしょう。金銭的に何不自由ない高学歴夫婦の息子なのに両親が反日思想の持ち主であるために不良化して、麻薬を密輸入しようとしたりする、そんな社会の汚染源とは、まだなっていないのですから。
 中共が一人っ子政策をとりはじめたのは1970年代でしたが、その結果、いまではシナの各地にはスーパー級のヒキコモリが増えているそうです。その家族親類縁者にかける迷惑は、日本のヒキコモリの比ではないそうです。精力的に行動するタカリなのです。まあ、政府そのものが、精力的に行動するタカリですけども。雛形は家庭の中にも見られるわけです。
 もともとシナ人は国家が近代化されず国民が近代的平等人となる前からすでにニーチェのいう「ラスト・マン」の資質をたっぷり湛えていました。そして、少子誘導と「革命騒ぎ」の終了によって、近年ではいよいよまともな兵隊のなり手がいないという、北京の支配者層にとっては深刻な事態を迎えています。
 核ミサイルを除けば、シナ軍のハードウェアは時代遅れもいいところです。1930年代から今日まで、シナ軍の強さは「人海戦術ができる督戦機構」にかかっている。それしか頼れるものがありません。しかし兵役適齢国民の「ラスト・マン」化が進んだら、この督戦が無効になるでしょう。どうしたら良いでしょうか?
 それゆえにこそ、北京としては、日本との「擬似戦争状態」が好都合であり、その演出を決して緩めることはしないのです。ポスト・モダンであるシナ大衆が政府の下にまとまってくれるとしたら、それは「決して敗北することがなく、しかし、終わることもない戦争」のジェットコースターが回っている間だけだろうからです。
 仮称・史料英訳会(Siryo−Eiyaku−Kai)による、良質な歴史文献の英訳による対支反駁計画は、この北京の対内向け洗脳政治が、海外、特に米国の識字階級に及ぶのを阻止しようという壮大な雄図ですが、資金の目当てがつかぬままに発足しましても、線香花火に終わってしまう心配があります。
 まず英文と日本文のサンプルHPを立ち上げて、醵金集めから始めることになります。
 しかしこれまでご説明をして参ったように、1冊の完訳には500万円もかかりそうなのですから、プロによるクオリティの高い完訳にこだわっておりましたら、事業そのものがサンプルHPのままで一歩も進捗をみないという、好ましくない展望も考えられます。
 2008年夏開催の北京五輪に世界から集まってきたTVクルーが、シナ全土数百箇所という反日捏造展示館に接待されて洗脳される前に、既に各位よりご推薦をうけております基本的な10冊くらいの反論文献は英訳してアップロードを終えておきたいところです。が、それには1年に2500万円くらい集めなければならぬ計算ですね。
 単純化すると、25人の奇特な方が、一口100万円づつ寄付して、はじめて2500万円になる。それが、次年度も必要である。
 わたくしは会社経営等に関しては無知ですが、これって、ありえるのでしょうか?
 わたくしはこの「正攻法」が2008年の夏までに間に合う可能性を危ぶみます。
 そこで、わたくしは「資金は十分に得られない」最悪の事態を仮定し、なおかつ、時間の要請を最も重視した「拙速法」に、当面注力する肚を決めました。
 これは「正攻法」を放棄するのではなく、並行して進めます。
 ただし、英訳会と「正攻法」に、不測の悪影響をおよぼすことがないよう、「人格」を分離します。
 具体的には、兵頭がいちおうの世話人と申しますか音頭取りになり、全員がボランティアで労力を提供する、英文摘要梗概(Summary)のネット上での蓄積を、促進して参りたいと存じます。
 サーバーとHPは、英訳会とは別なところの大旦那の軒先を、どこか無賃で借りたいと思います。
 いまのところ、こちらの「拙速法」の活動には、定款のようなものを考えるつもりもございません。めいめいの「勝手なちから」が、自由闊達に集束されるのが、理想だろうと愚考しております。
 とりあえず、サマリーは掲示板の方へご寄稿ください。