せんでんせん

 ──山本五十六は、「20ミリ機銃」に執着するあまり、けっきょく「三国同盟」を承認したのではないか? その点では米内とは大いに違う立場ではなかったのではないか? ──といった大きな疑問をもしお持ちの読者がいたら、是非『パールハーバーの真実』の文庫版をお買い求めください。
 三国同盟を陸海軍人に必要視させた最大の理由は、「アメリカから買えなくなった航空機の設計および量産に関連した諸技術をドイツから買えること」です。山下ミッションの山下が山本とこの点について語らった史料が出てこないか、それが気になっていますが、どうも出てきません。
 山本(明治17年生まれ)も山下(18年生まれ)も東條(17年)も、「航空本部長」を無事つとめた上で、首相レースに臨もうとしていました。米内(明治13年生まれ)はそうではありません。この、たった4年の違いは、とても大きな違いだったのです。
 『パールハーバーの真実』は、げんざい、書店の文庫本コーナーにあります。版元はPHPです。