はるまげ半魚どん ふたたび

 『やっぱり有り得なかった南京大虐殺』の英文ハメコミ作業を小崎さんにしてもらっていた。その仕事がもうじき完了しそうだ。
 このあと、データを、管理人さんにお渡しする。管理人さんも忙しい人だから、アップロード作業がどのくらいかかるのかはちょっと読めないけれども、北京五輪の開会式(8月8日)より前には、なんとか間に合って欲しい。
 日本には、作家・評論家はたくさんいる。マンガ家もたくさんいる。特亜叩きが大好きな暇人もたくさんいる。英語でメシを食っている職人もたくさんいる。しかし、英文で戦前の日支関係史を説明するマンガを作って北京との国際宣伝戦の第一線に立とうという者は1人もいなかった。1億2600万人も人口があったって、これじゃダメだろ? 日本国が今落ち目になってきているのは、国民が高齢化しているからではありません。各人にヤル気がなさすぎるからである。
 小生は、神奈川大学外国語学部英語英文学科卒という、吹けば飛ぶようなケチな英文学士様である。23歳の元自衛隊上等兵の新入生として、最初の1年は、これ以上はやれないというくらいに語学漬けの日々を送ったが、1年次の成績表は惨憺たるもので、自信があったのに落とした単位がいくつもあってガックリ来た。そのレベルの不適格者、自他共にゆるす劣等生である小生が信じ続けたモットーが、「一生、何の役にも立たないのが、真の教養だ」という、どなたかの格言であった。
 今、わたしはこのマンガの英文をでっちあげることで、錆び付きまくりのこの「教養」を実用に役立てようというわけだ。四半世紀近くも昔の学生時代に書籍や雑誌から「将来使えるかもしれない語句」として抜き書きして保存しておいたメモ帳を、今回、ダンボール箱から取り出し、埃を掃って活用し、とうとう使い切り、廃品回収に出してやった。スッキリしたぜ。
 それにしても参ったのは、単純な単語のスペリングや過去形や単複の処理も全部忘れてしまっていることで、一語一語、辞書で確認せねばならなかった。疲れた。わがPCにはスペルチェッカーは入っていない。
 なお、書籍にある自己解題や写真などは、当然ながら、英文版には附録されない。
 日本語版のマンガにご興味のある方は、書籍(ISBN 978-4-89644-673-9、(株)マガジン・マガジン発行、税込定価一千円)をご購入くだされ度い。
 最寄の図書館に「購入希望リクエスト」をしてくださるのも大歓迎。
 オリジナルの日本語脚本(ト書き指定から全部入ったもの)にご興味のある方は、「読書余論」の2008年6月25日配信分(有料:¥200-)で、全文を確認できるようにしてある。このメルマガは、バックナンバーも単発で購読可能だ。詳しくは、メルマガ配信元の「武道通信」のウェブサイト
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でどうぞ。
 さて、泥棒リポートの続きだ。犯人像がとても興味深いために、この事件に関連するいろいろな想像を止めることができない。
 いろいろと地域情報を整理してみると、わが家から半径100m以内でも、毎年1軒は、かならず空き巣狙いの被害があることが分かった。道理で、町じゅう、どこでも、犬を飼っている家の密度が高いわけである。(ちなみに、室外に番犬をつないでいた家も、空き巣にやられていた。防犯のために犬を飼うならば、室内で飼わないと、役には立たないのだろう。室内飼いならば、小型の犬でも十分に役に立つそうだ。)
 確認したわけではないが、北海道では積雪期には、空き巣狙いも活動を停止しているのではないか? なにしろ、道路でも宅地でも、足跡がつきまくりだからね。やっぱり、稼ぎ時は、窓の施錠も緩くなりがちな、初夏から始まるのであろう。逆に言うなら、初夏に防犯警戒ボルテージをピークにもってこなければ、北海道でのホーム・ディフェンスは不可能である。
 最大の謎。
 いったい犯人は、どうして、たまたまその日だけ留守にしている家を、みつけることができるのだろうか?
 たまたまその日だけ留守にしていて、なおかつ用心が悪い家は、夏季の宵の19時以降なら、歩行者は、通りすがりに容易に識別することができるのである。家庭の電燈が、玄関灯も室内灯も、真っ暗だからだ。(ウチもそうでした。トホホ……間抜け過ぎ……)
 ところが問題は、空き巣狙いのプロがそういう家に運良くヒットする確率は、1人で夕方6時台から市内を自転車で行脚するとしても、そうそう高くはないんじゃないかということなのだ。深夜12時過ぎまで行脚を続ければ、なにしろ地方都市は、繁華街を除くと夜の街路などさびしい限りだから、誰かに見咎められてしまう確率が高まるであろう。
 犬連れの散歩にかこつける偵察も、あり得そうにない。逆にそこらじゅうの飼い犬から吠えつかれるだけだろう。袋小路にも入って行けないはずだ。
 わたしを納得させる第一の仮説を以下に述べる。(「第二」以降の仮説は、後日に。)
 犯人は、本番の深夜の侵入実行と、昼頃から宵にかけての「市内偵察係」とが、協働しているのであろう。
 つまり、純然たる単独犯ではない。最低2人で、チームを組んでいるのだろう。
 たまたま留守であることを悟られることがない家とは、常に周囲の家と「様子」が際立って異なるようなことのない家であろう。それとほとんど同様に、「空き巣狙いのための市内偵察係」であることを一般住民に悟られぬ方法としては、「日常的に徘徊していて怪しまれない者」となりおおせていることが、肝要ではないのか?
 だから、もしもわたしがこのような「空き巣狙いビジネス」のアントレプレナーになるとすれば、「市内偵察係」には、老人を雇うだろう。田舎では、老人が昼ひなか、あるいは夕暮れに、自転車で至極ゆっくりと、行く先も定めずにフラフラと街中を横行していても、誰も怪しんでそれを眺める者は居るまい。理想的には、婆さんだとベターかもしれない。世間の一般常識では、「老婆」と「空き巣」は、けっしてイメージ上で結びつくことがないであろうから、人々の「猜疑心」「警戒心」はそれだけ低下させられるに違いない。ときおり、安物の自転車を駐めて、徒歩で「うっかり」と他人の家の庭先に迷い込んでしまう、そんな行動を日常的に繰り返していれば、袋小路の中にあって、泥棒に対する警戒意識の低い家を、重点的に見回ることが可能になるだろう。外見がボケていて、しかしながら、住民から声をかけられたときの会話はちゃんと普通にいなせるばあちゃんならば、あなたは犯罪者だと疑いますか?
 こうした老人もしくは特殊な疑われないキャラクターの「相棒」である偵察係氏が帰宅後に、侵入実行犯に対し、彼が得てきた情報を伝える。その情報には、「留守らしい」というものの他に、「最近引っ越してきたばかりの世帯ハケーン!」というものもあるだろう。そのような家庭は、現地の犯罪情報に疎いから、泥棒に対してノーガードである場合があり得よう。
 こうした情報を、外出せずに得ることのできる相棒の実行犯氏は、どれほど効率的に、且つ、安全に、仕事ができることになるだろうか?
 ゴミ出しケージを体重で歪めてしまうくらいの体格をもった男子である彼は、昼間や夕暮れに町内の袋小路を徘徊して、住民から疑われたりするリスクを、まったくゼロにできるのだ。しかも、最も人通りのない深夜の最適な時間帯に、ターゲット・ハウスに直行して、素早く仕事を終わらせ、薄明の前にアジトに戻ることができる。このような協働体制ができていると仮りに考えれば、何年も逮捕をまぬがれて棲息できている事実にもわたしなどは納得ができるのである。単独犯ならば、とっくに「偶然」の「骰の目」の悪い方が出て、掴まってしまっているだろう。彼は、決して偶然に身を任せてはいないのだ。
 わたしは幸運な被害者かもしれない。現地に居住し、同じ市内での空き巣狙いを長年ビジネスにしているこのようなプロ・チームにやられたおかげで、現金「数万円」以外の損害は微少であったからだ。
 山本有氏によれば、もしシナ人など外国人が犯人だったならば、現金どころか手当たり次第の根こそぎに持ち去られたであろうということだ。
 幸い、この侵入実行犯氏は、わたしのもっかのプロファイリングによれば、余計なリスクは冒そうとはせぬ慎重居士である。だから、この犯人チームに関しては、「装置」やステッカーによる防犯は可能だとわたしは思う。つまり、「装置」の存在誇示によって、屋内に侵入しようという企図そのものを自主的に撤回させるに至らしめることも可能であると思っている。
 ちなみに後藤よしのり氏によると、空き巣狙いを「防犯装置」だけで防ぐことなどできず、「町内のそのブロック全体が、余所者に対してガードが固い」と犯人に思わせるのが理想的な防犯になるのだという。江戸時代の長屋は、だから安全だったわけだ。後藤氏いわく、具体的には、常に隣近所が声を掛け合っている関係を築いていなければならない、と。
 ところが、これは実行しにくい。現代の地方都市では、どのブロックにも安アパートや高級アパートがあり、わが家のような貸家も少なくない。つまり「ご近所」の半数くらいは、面子が頻繁に入れ替わり続けるためだ。
 それに、わが家のケースに限って言えば、ひとめで「この一軒は留守だ」と判ってしまうような、夜間の「真っ暗」状態を、袋小路のどんづまりであることに油断して、間抜けにも放置したのが、毎日町内を巡回している敵の偵察係に眼を着けられた端緒だということは自明なのだ。「留守ではないと思わせるような光学的な演出ができる家庭照明システム」さえ準備ができていたら、今回の賊に目をつけられることはなかったであろう。
 そこで以下、いくつかの「装置」について語りたい。今回の経験により、「装置」をいろいろと検討した結果、わたしはまず、日本の家電メーカーに対し、いくつかの不満を持った。
 まず、コンセントなしのつくりつけ(直結配線)で、直管の蛍光管を光らせる玄関灯(戸外)を、電気工事を一切しないで、即座に、タイマー付き、または「薄暮~暗闇センサー付き」に変更することができるような、気の利いた蛍光管商品が無い。これを誰か、すぐにも発明して売り出すべきだと思う。
 本当は、玄関灯の点灯と消灯を屋内から操作する「ON/OFF」スイッチを、タイマー付きに取り替えるのがベストなのである。ところが、それにはタイマースイッチ盤の部品代(1万円台だと思う)だけでなく、電気工事士を呼んで交換作業をしてもらう必要がある。人一人を呼びつけて労働させるのだから、5000円前後は最低でもかかってしまうだろう。しかも借家の場合、引っ越すときに、それらの投資は「置き土産」とするしかないわけだ。
 まあ、家族の安全のためだから、掛け捨て保険だと思って、この工事はいずれしてもらうつもりだが、慾を言えば、蛍光管をとりかえるだけで、タイマーをつけたのと同じことになる、そんな便利グッズがあれば嬉しい。
 つまり蛍光管それ自体の中に、「12時間タイマー」を内臓したものだ。
 このような商品の設計は面倒だろうが、不可能ではないだろう。需要は、かなりあるだろうと思いますよ。
 留守である屋内に、夕方から深夜にかけ、あたかも人が暮らして居るかのようにみせかける装置としては、白熱灯スタンドに普通のタイマーを接続したり、あるいはフカダック(株)の「光センサーコンセント」(受光部に130~170ルクスの、昼間の窓明かりレベルの光が入らなくなれば通電する、中間スイッチ)をつなげば良いであろう。
 リモコン・タイマーでON/OFF予約ができる天井灯は、どれもサイズ(直径)がでかすぎる。かつまた、消費電力が60ワット以上とか、不必要に大きなものばかりだ。メーカーは、もっと小型で省エネの商品を揃えるべきだろう。また「引掛シーリング」でない、旧いバルブ電球用ソケットしかない天井にもとりつけられるような、アタッチメントがあると、ますます可。これも、絶対に需要がある筈だ。
 「人感センサー」とバルブ電球ソケットが一体になった商品がある。これをもう少し改良すれば、トイレや風呂場や玄関内部などにつける「防犯電球」になると思う。
 すなわち、ソケット側の切り替えスイッチで「留守番モード」にできるようにするのだ。このモードの時に、もし、下を動く人の赤外線を感知したときは、通常の電球と、赤色LEDや青色LEDの強烈な点滅が、交互に、いつまでも続くようにするのだ。戸外からは、どうみてもそのトイレや風呂場や廊下で、何か異常事態が起きているように、眺められるであろう。
 その光のハラスメントによって、トイレの窓などから侵入しようとした犯人を、無音裡に、退散させることができるであろう。(当然、バルブは2球、必要だ。が、同時に2灯を点けるわけではない。警報用バルブの中に人感センサーを埋め込んでしまっても良いだろう。)
 なお、後藤よしのり氏によれば、警報装置などものともしない、ヤル気満々な泥棒は、早めに配電盤のブレーカーを落としてしまうという。そこで、もし、このバルブへの通電が断たれた場合には、内臓のボタン電池により、警報音が鳴り響くようになっていれば、一層宜しかろう。犯人は、電球を破壊しても、ソケットをとりはずしても、この音を消すことはできない。廊下や他の室内にもこの「防犯電球」がついていると思えば、もうそれ以上の侵入には嫌気がさすであろう。
 もうひとつ、これは「100均」商品のメーカーさんに対してご提案をしたい。それは、玄関の、いちばん安いドア・チャイム(ピンポン・ブザー)の上から、フタを被せるように接着するだけで、あたかも、「カメラ付きドア・ホーン」であるかのようにみせかけることができる、ダミー・カメラ商品の一種だ。通りすがりに遠くから見て、「あの家の玄関には監視カメラがついているらしい」と気が付けば、おそらく慎重な犯人は、その家の回りをうろつきはしないだろう。
 なおわたしは今回の一件で、ソーラーライトの評価を変更した。これもご報告しなければならぬ。
 暖色のなごみ系のソーラー・ライトは、街灯が無くて薄暗い壁面についている窓から侵入しようと図る盗犯に対しては、威嚇&抑止効果がほとんど無い。これを抑止するには、むしろ、OHMの電池式(単2×4本)センサー・ライト「MS-15S」や、同じように電池で光らせるセンサー・ライトを配置した方がずっといい。このような結論を得た。
 注意点は、常夜灯にしている玄関外部の蛍光灯が、センサー・ライトの昼夜センサーに当たると、「今は昼間である」と認識してしまって、人の動きを感知しても発光してくれないことだ。「MS-15S」は、センサーの向きと、照射する方向を、それぞれ独立に変更できるので、この点、便利(センサーに玄関の蛍光灯がじかに当たらないように向きを調節すればよい)。ただし、人感センサーが斜め下を向いているために、低いところに設置しにくいような気がする。他のセンサー・ライトと混合する必要があると思った。追々、実験をします。
 ソーラー・ライトで防犯しようと思ったら、工事現場用の、多色のLEDが点滅するものがベターかもしれない。(これから試す予定はありません。これからは、センサー・ライトその他に投資するつもりです。)
 つまり、ご近所や通行人の視線と注意を、おのずからその暗がりにひきつけるような「警報色」のソーラー・ライトでなかったら、防犯の意味は、あまり無いだろう。
 要は、夕方から夜にかけて巡回してきた「偵察係」をひるませるようなものでなければダメなのだ。そのために必要なまぶしさを、小面積のソーラー発電パネルでは、とうてい得ることはできない。