まめのまめちしき

 小さい子供がいる家庭だと、「常夜灯」が必要です。
 「常夜灯=豆電球」という定義は、そもそも無かったろうと疑うものですが、今日では、5ワットで「ダイダイ色」に光る白熱灯――いわゆる「ナツメ球」――が、イコール「常夜灯」と、照明器具業界では呼ばれているらしい。
 ところで、このナツメ球の明るさが、ひょっとして子供の深い眠りをさまたげているのではないかと思うことが、子育てをしていますと、ときどきあるわけです。
 吊り下げ式照明器具の近傍では、けっこうまぶしいかもしれない。
 それが瞼を透過して網膜と視神経を刺激し続けている蓋然性があります。
 ナツメ球は、5ワットとはいえ、発熱しています。それゆえ、たとえば黒いビニールテープで「ドット」を切り抜き、球の下端に貼り付けるといった、素人流の簡単な「遮光」は講じ難い。いろいろと、不便を感じている親御さんも多いのではないでしょうか。
 それでわたしは以前、「LEDを使って、ナツメ球よりもちょっと暗めの100V豆電球をメーカーはつくってくれないだろうか」とどこかで希望表明した覚えがあります。そのことはすっかり忘れていたんですが、この前、寿命が尽きたナツメ球を買い換えるため、ホームセンターの電気器具売り場に出掛けたら、あの(株)オーム電機さんが、消費電力 0.7Wで、「E12」型口金に嵌合する「常夜灯(黄)」を、390円ぐらいで売っていた!
 この単価は、白熱灯タイプの旧来型の常夜灯のほぼ4倍弱、といったところでしょうか。
 常夜灯はとにかく夜はつけっぱなしなので、旧来の白熱灯タイプのものは、1年ちょっとでもう寿命が来てしまいます(ウチの場合)。LEDならばフィラメントが燃え尽きることもないし、その4倍の寿命は軽くあるでしょう。
 また、消費電力0.7ワットというのは、メーカーの効能書きによれば、毎日8時間点灯しても、1年で¥50円也の電気代にも達しないという。
 なにより、発光ダイオード×3ヶだから発熱が無いに等しい。真下での直視を妨げるような遮光の措置も工夫しやすいだろうと直感しました。
 じっさいにとりつけてみましたら、明るさは、旧来の5ワット常夜灯よりも、やや暗めになっていると思しく、そのまんまでもOKでした。
 さて、豆知識の本題は、これからなんです。
 OHM電機では、この「3LED常夜灯」のラインナップとして、黄色ではない、白色のものも出していました。これが、イイ! 市販の最も明るいタイプのソーラーライトに匹敵する白色光線を、たしかに出してくれやがるのです。
 発熱が無く、電気代をほぼ無視できるということは、真夏でも、自宅を何日間か留守にしなければならないようなときに、この0.7Wの常夜灯を屋内の要所々々で昼夜を通じて点けっ放しにしておいていい――ということではないですか。
 つまり、夜分に窓や戸の隙間から光を漏らして「なかに人がいますよ」と演出してくれる防犯の灯火として、使い勝手がいい。(注意:リモコン式や人感センサー連動の照明器具には、LEDは使えないそうです。なぜそうなるのか、誰かわたしに分かりやすく説明してください。実験したところ、たしかに、「自動的には消えてくれない」という現象が起こるようでした。薄暗くなるだけなのです。初めから最後までつけっぱなしとするならば、問題はありません。)
 げんざい、防犯に関心のあるすべての人に、これをご紹介したいと思いました。