以下、英文サイトの勝手紹介です。大半のソース記者名とかのコピーし忘れ。意訳の上に私見をブレンドしました。よって例によって完全「チラ裏」と思ってください。
▼Asia News on Sunday 5 April 2009, 17:29 PM Bangkok
北鮮になんざ負けちゃいねえ、韓国も衛星を打ち上げるぜ、それも国産ロケットでな!
……と最も早く教えてくれたのが、この記事じゃないでしょうか。4月5日の段階です。
ところがこの記事は大きな事実をスルーしている。それは何かというと、2008に韓国のオフィシャルが、「早ければ2009-4に打ち上げるぜ」と発表したことがあったことです。だから北鮮も焦りまくって4月初旬に発射したんでしょうね。
で、韓国ロケットがなかなか打ちあがらない理由としてこの記事は、「シナ部品が射場に届かない」ことも報じています。おい、ロシアのブースター使うだけじゃなく、シナパーツも必須なのかい!?
韓国自前の固体燃料の観測ロケット〔その実、国産SSM習作〕KSR-IIが 1998-6に達成した高度 138.4 kmが、韓国自前のこれまでの最高記録だそうです。
ちなみに、海洋通信衛星と気象衛星も11月に上げるそうです。こっちは外国に打ち上げを依頼するんでしょうな。
▼10-20-2008 19:16 koreatimes
ロシアに発注していた、KSLV-1 ロケット用の、 ground test vehicle (GTV)が来たよ、という報道。
この報道の時点では、翌年=2009の summer に打ち上げるとしています。
上がれば、韓国が9番目の自前衛星打ち上げ国になる……予定でしたが、2009-2にイランに抜かれちゃいましたね。
韓国人生物学者が4月にソユーズに乗りました。これはアジア人女性としては2人目の宇宙旅行だそう。
Korea Aerospace Research Institute (KARI) は戦々恐々としている。なぜなら失敗確率が exceed 70 percent あるからだ。
韓国、自信ナサス。その理由は、グーグル検索を続けるとだんだん分かってきます。
いやぁ、7月にはこんどこそ海自のSM-3が140トンのデブリを沖縄近海で迎撃しなくちゃならんかもよ! 米軍自前のPAC-3が沖縄に展開したのは、この備えだったのか!
やめてくれよ、そんなあぶねー打ち上げならばよ。
ロケット発射後の万一のときの「自爆装置」も韓国製のがちゃんとできているから、……って、そのざーとらしい言及が、ますます不安を高めてくれるじゃん!
Lee Myung-bak大統領が、ローンチに立ち会うかどうかは確約されない。
そりゃそうでしょう。面子がかかりましょうからね。
一回失敗すると原因究明と対策までに1年以上かかる。
KARI last week【2008-10-20から逆算して】 revealed the 33-meter, 140-ton ground test vehicle (GTV) that is a mock-up of the Korea Space Launch Vehicle (KSLV-1) rocket that will be launched sometime during the second quarter of next year.
この時点では、09年の第2四半期に打ち上げ、と言ってます。
つまり、4、5、6月ですよね。最新報道ではそれが7月下旬にずれ込んでいます。しかし、北朝鮮は、この報道を信じたんでしょうなぁ。
だから4月初旬がタイムリミットだったんだ。いちばん早い可能性で4月があり得たから。もう、面子競争ですよね。
液燃のブースターはロシアの設計。
そのブースターは09-1に韓国に到着予定。
これ、船で運ぶと思うでしょ? ところが違うのだ。検索を続けると分かります。
The first launch is expected as early as April, and if successful, another rocket will be launched from Naro nine months later.
最も早ければ09年4月に発射されるであろう。そして成功すれば9ヶ月後にもう1機のKSLV-1が打ち上げられる。
……そうですか、4月は「第2四半期」だったですか。
▼A Loud But Small First Step というタイトルの koreatimes 記事。
これは韓国のロケット開発史をざっとまとめてくれています。
そもそもパク・チョンヒが70年代に宇宙をやると決めた。
その朴氏が暗殺されると1996まで宇宙の話はなくなった。
1996年にまた韓国が宇宙開発を始めると言い出したので、北鮮が反応して1998のテポドン発射になった。いらい、両者はライバル。
うまいタイミングで、どっちも、ロシア人技師を買い放題だった。
だが韓国がロシアから技術を買うためにはMTCR(Missile Technology Control Regime)に加入する必要があった。それは2001年に実現した。
……これは補足が必要です。MTCR加盟を強制したのはアメリカだったということが、グーグル検索をすると分かります。アメリカは韓国がICBMをつくるんじゃないかと恐れているわけです。今も、恐れています。だからロケット技術を韓国に与えない。それで韓国はロシアに頼っている次第。
韓国は2004に宇宙条約に加盟して、いよいよKSLV始動。
固体モーターは、90年代の国産SSMで技術蓄積してきた。
しかしKSLVは一転してロシアの液燃になった。
あきらめ、よすぎるぜ。
完成しても、低軌道に100kgの衛星しか投入できぬ。
その衛星の寿命は2年で、機能は、自己の無線位置信号を放送するだけ。
……これも補足が必要。宇宙ロケットをICBMにするためには最低でも450kgのペイロードが必要ですが、その能力はないというわけです。これは韓国製の2段目ロケットの能力不足が主因ですが、それだけじゃない事情がある。
しかし2017には1.5トン級を打ち上げたいと願望。
▼Apr 15, 2009 (BBC Monitoring via COMTEX)
BBCのニュース。4月15日です。
韓国ロケットは7月下旬に打ち上げ予定だ。
総重量は140トン。
二段目は固体燃料。
公開されたGTVは、地上チェック用。
……補足しますと、液燃注入のリハーサルが必要なようです。
6月下旬まで準備を続ける。
液体ブースターは6月にロシアから届けられる。
……補足しますと、これは空輸でしょう。
推力は170トン。それで高度170kmまで上がる。衛星は300~1500kmの楕円軌道に乗せる。
発射は早朝か宵である。これはソーラーパネルの発電の関係で。
2号機は2010に上がるだろう。やはりロシアからブースターを買って。
全羅南道の高興に射場あり。
緯度は岸和田市と同じくらいでしょう。失敗しても東京に落ちてくることはなさそうです。下甑島レーダーは大活躍だろう。
▼Jun 6, 2007 の Asia Pulse/Yonhap から。
京城の南方485kmの「ナロ」島に射場をつくる。
羅老島、ですかね?
最大で、年に4回、打ち上げ可能になる。
建設は2003から始まった。2007時点で9割5分完成。
そのさいごの5%が大問題なんじゃないですかね、何事も常に……。
この時点で自前ロケットを宇宙に飛ばした国は12カ国のみ。
韓国はすでに外国に頼んで10基の衛星を上げている。最後のものは「アリラン2」で06-7に軌道投入。
※民間用の偵察衛星の練習作でしたね。
ロシア議会は技術移転になかなかうんといわなかった。
韓露の技術セーフガード合意は06-10月に結ばれたのだが、それを承認しようとしないのだ。
両国は2004-9月には宇宙協働条約に署名し、韓国議会は06-12に批准。
露議会が承認しさえすれば、08年10月までに組み立てとチェックが完了しよう。
……これも補足解説が必要で、韓国はロシアに、ブースターの設計図と製造ノウハウを売れと要求していて、アメリカはそれは渡しちゃならんぞ、とロシアに警告していたわけです。
追跡レーダーと、テレメトリーと光学監視機器などはもう揃えた。
追跡ステーションは「Jeju」島にある。運用はKARI。
韓国 コーストガードのトラッキング専用任務船も東シナ海に展開する。
ランチパッドもロシアの設計。
ロシア衛星の打ち上げ受注も可能に。
KSLV-1シリーズが成功したら、能力を向上させるKSLV-2シリーズは国産技術だけでつくってみる。
……補足解説すると、韓国側発表のこういう「予定」話は、すべて右の耳から左の耳へスルーしておくこと。コロッコロと変わっていきますから。今日は国産と言っても、明日は「やっぱりロシアに協力してもらおう」となります。
ブラジルはまだ、国産ロケット&国産衛星を達成していない。インドは達成。
2008年に最初の韓国人がロシアのロケットで宇宙へ行く。
2名がすでにロシアで訓練中。そのどちらになるかは8月に決まる。
▼KBS報道 April 15th, 2009 at 6:56 am
これから2カ月かけて、燃料注入のプロセスを試験する。
直径は2.9mだ。※あるサイトに3.9mという誤報がある。
▼サイト名とりわすれ。スイマセン。
2005年に、KSLV-1は2007まで飛ばないと発表された。1段目はロシアで開発中の「アンガラ」ブースター。ロケット。
「科学衛星2」の重さは100kgである。
※科学技術衛星2、という名かもしれません。弾道弾開発ではないことを米国に向けてアピールする必要があるので、そっけない名称にするんでしょう。
1段目の燃焼時間は300秒。1段目だけの長さは25m。燃料は液体酸素+ケロシン。
2段目の燃焼時間は25秒。径は42センチ。
▼2005の情報。サイト名とりわすれ。
やたらに詳しい韓国弾道弾開発年表です。
韓国軍はオネストジョン、ナイキハーキュリーズを扱ってきた。固体燃料だ。
このナイキを1990年代に、弾頭1トン、射程400kmの地対地ミサイルにした。
1990設立のKARIは、このミサイルを細長くして燃焼時間を増すことにした。
KSR-Iと KSR-IIが試作された。観測ロケット。
KARIは1997-12にヴァンガード・ミサイルと同寸法の液燃ロケットの開発を進めた。液酸/ケロシンでだ。
2002にKSR-IIIのテスト実施。これをもとに2005までに衛星打ち上げブースターをまとめるつもりだったが……。
どうもムリポと見えたので2004からはロシア技術を買う方針に転換。
2007に打ち上げようということに。2015までは1.5トンの国産衛星を太陽同期軌道に乗せたいと。
ロンチ場所の緯度は34度42分と43分の間か。
2005時点で予算不足とスケジュール遅延のためアンガラ・ブースーターができない。
※補足すると、これはアメリカの妨害のおかげであります。
2005に国産の液燃ロケットは放棄された。
▼2009-4-15最新情報。サイト名とりわすれ。
ロシアのアンガラ・ブースターを10本買うぜと意向を示したのが2005-1のこと。
最大で100kgまでしかLEO投入する気はない。
※ブースターを10本買って7本くらいはリバースエンジニアリングに使うのか?
ついで2010に1トンの軌道投入をめざす。
そいで2015には1.5トンの投入をめざす。
1999-12に決定したのは、2005までに数十キログラムの人工衛星を自前で上げられるようにすること。
打ち上げ施設は2001から建設開始。完成2004年。
ロシアへの設計発注は2004-10-26のこと。
ブースターは2005にテストロンチされる予定だったが2008後半まで延期。
ロシアが技術を渡したがらないのだ。
※アメリカが裏で介入してます。けっきょく、わずか100kgの軽量衛星、それもLEO投入に自制しているのも、「そのレベルでしかないから、ロシアが技術協力してもミサイル拡散にはならないですよ」という世界向けのエクスキューズを得たいわけでしょう。
ロシア議会の批准は2007-6-7だった。
アンガラそのものではなく、その改良型である。※ICBMにできないような改良。これもアメリカの指示でしょう。
ノーズフェアリングも韓国設計。慣性航法システム、制御システムも。
初打ち上げは2007-10を予定していた。
2008-10に打ち上げるともいうが、まあ、それも疑わしい。
2008-4に韓国製の第二段目は完成した。
科学技術衛星2を放出するシュラウドは高度166kmで開き、キックモーターは高度300kmで吹かす。
2008-7-31に韓国の文部科学技術相がKSLV-1打ち上げ検討委員会を開き、見直しを発表。2009の第2四半期に打ち上げ可能だろうと、。
遅れの理由は四川省の地震らしい。なんとシナに射場関係のシステム器材を発注していたのだ。
※いいわけいいわけ。
ブースターは、2008-8-9にアントノフ(AN-124-100)で空輸された!
※ロシアはこういうところは大したもんだよ。
The first launch is expected as early as April 2009, and if successful, another rocket will be launched from Naro nine months later. The Russians will participate in a third launch if the first two attempts fail.
早ければ2009-4に打ち上げだ。
※この専門的なサイトでこう予告されちゃ、平壌も焦りますわな。
オール韓国製の Korea Space Launch Vehicle-2 は2008-12に完成。
……しませんでした。
2007の発表では2025には月ロケットを打ち上げたいと。
KSLV-II は2010打ち上げ予定であった。それには韓国製の液燃2段を使う予定で。
KSLV-III は、それプラス韓国製のキックモーターで、2015に予定した。
IIでペイロード1トン、IIIで1.5トンをめざす。
しかし2006-8に方針変更。将来機の2段目もアンガラを使うと。
2007-11にぶちあげ。国産ロケットで2020に月を観測すると。2025には月着陸船だと。
2008-8にはやっぱりサスティナーもロシアに頼もうと。
いよいよソユーズのブースターを使うことになるか。あれなら1500回も打ち上げの実績がある枯れた技術だし。
▼ April 19, 2008 の Yoon Sojung氏のカキコ
※今年でなく去年のカキコですから注意。
韓国初の宇宙ロケットは2008年12月21日に打ち上げ予定。
衛星のソーラーパネルが、日没前後の発電しかできないので、打ち上げは真昼間にはやらない。
このためロンチウィンドーは予見できる。
発射から580秒後には高度は306kmでオーストラリア近くの上空に。そこで衛星を分離する。
分離された衛星は南極を通過してから1500kmの軌道に達する。
地球を一周する周期は103分である。
※極軌道に近いということはやっぱり偵察衛星にこだわるのか?
So far there are seven other countries — the United States, the United Kingdom, Russia, China, Japan, India and Israel — with advanced space technology that have succeeded in launching satellites attached to their own rockets.
※この記者さんには校正さんの相棒が必要だ。イギリスは衛星を自前で打ち上げおらず、フランスが抜け落ちているようです。
▼ 10-19-2008 16:50 Korea Times の Kim Tong-hyung記者。
来年こそ、打ち上げるぞ。
衛星の重さは100kgだ
ロシアから輸入の3機が打ち上げ用になる。
ロシアからは35人の技師が助けにやってきている。
早ければ4月に上がる。
The first launch is expected as early as April, and if successful, another rocket will be launched from Naro nine months later. The Russians will provide the technology for a third launch if the first two attempts fail.
ロシア人との契約は2発目までだが、2連続で失敗したら、3度めも面倒を見る。
当局者いわく、成功率は5割以下だと。※だからやめろって。
KARI officials are realistic, saying that the chance of the first launch being successful is less than 50 percent. The fate of the flight is expected to be determined within 10 minutes from liftoff.
最初の25秒は垂直に上昇する。ついでキックターンをして東へ10度向いた上昇を続け、沖縄上空100kmを通過する。ノーズコーンは225秒で外れ、モーターは消火後13秒で切り離される。
衛星は二段目ロケットが高度306kmの低軌道に乗ってから540秒後に放出される。
▼Daniel A. Pinkston – Monterey Institute Center for Nonproliferation Studies
WMD Insights. May 2007.
※この書き手は、戦略級大量破壊兵器の不拡散を監視する団体の人でしょうか。
韓国の月刊誌によれば、2005-12にロシアはロケット第一段目を完成した。韓国が、その設計と製造技術を移転せよといったがロシアは拒否した。
発射タワーの設計も2006-1にロシアで完成したが、これまた韓国が設計データをよこせというのでストップ。アンビリカル・ケーブル周辺のノウハウが韓国にはないのだ。
アメリカは、韓国が射程180km以上のSSMをつくっていないかどうか、1992、93、95、97、99に査察した。
2001-3に韓国がMTCRに入ったことで、韓国が300kmのSSMまでつくることをアメリカは認めた。
2006末までに74人の韓国技師がロシアに出張して学んだ。
――――以上です。将来が不安になった人、『予言 日支宗教戦争』を読んで、落ち着きましょう。