HIMARSの射撃が始まった。昨日から。ウクライナで。

 弾着画像はまだSNSに出てきてないが、夜間の発射映像が出ている。
 昼間の弾着映像を早く見たい。70kgの炸薬の炸裂とはどんなものなのか? 十五榴の10発分だぞ。

 SNSにはまた、ロシアのBUKが発射直後にUターンして自陣近くに落下し爆発する動画が出ている。漫画のようなブーメラン・ターン。途中で自爆コマンドを送れないのか? ロシアのミサイルは4割が不良品という話にますます信憑性が加わる。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-6-24記事。
    ウクライナ軍が捕虜情報とあわせて掴んでいること。露軍のBTGの中味が半分に希釈されている。
 BTGに含まれるIFVに、歩兵が乗っていない。つまり、車長以下、固有クルーの3人が乗っているだけなのだ。下車戦闘させる「お客」がいない。たんに砲塔の火器で支援できるだけ。

 ということは、もしこのBTGが前進しようという場合、前面のウクライナ軍は、事前に、長距離砲撃によって全滅している必要がある。
 さもないと敵歩兵の抵抗陣地に遭うから、歩兵無しのBTGではそれを排除しようがない。

 1973年の中東戦争でNATOがびっくりしたこと。戦争にはこのくらいあればいいだろうと前から考えていた弾薬準備量の基準は甘かった。その3倍以上も消費されてしまうのだ、と。

 次。
 Defense Express による2022-6-24記事「Russia Deploys Obsolete T-64A Echelon to Donbas」。
   T-64AとT-64Bは記号がひとつ違うだけだが戦闘力は40%違う。前者は砲手用の光学サイトが旧式(レーザーで測距ができない)で、砲にはロクなスタビライザーがついていない。
 このA型を露軍は無改造のまま、ウラルから列車で運んできてドンバスに支給している。

 次。
 Kamil Galeev 記者による2022-6-24記事。
   1985年のブレジネフの大ヘマ。モスクワの一流大学から学徒を動員してアフガニスタンへ送ってしまった。

 とうじ、ソ連の大学生には軍事教練単位があり、これさえとっておけば、兵隊として徴兵されることがなかった。将来、総動員がかかった場合には、初任で少尉にしてもらえるのである。

 ところがブレジネフはいきなり、エリート家庭の子弟から「徴兵回避」の特権を剥奪したわけだ。
 ソ連国内では誰もアフガン戦争を支持しなくなった。

 さすがにプーチンはこの失敗は繰り返さないだろう。

 次。
 2022-6-24記事「Cities of the future may be built with algae-grown limestone」。
   セメントをつくるときには石灰石を焼く。そのとき石灰の中から二酸化炭素がでてくる。この工程で石炭も燃やすから、セメント工業は世界のカーボン排出の7%にも貢献しちまっているわけだ。

 ところでこの石灰の中の二酸化炭素は、そもそも、大昔の海草が蓄積したものなのである。

 そこで米国の大学の研究室が発想した。石灰をつくり出す海草を光合成させて、いきなりセメント原料を作らせればいいと。それでカーボン・ニュートラル~カーボン・ネガティヴになると。
 バイオ石灰と称する。

 次。
 Amber Wang 記者による2022-6-24記事「Chinese satellites evade US surveillance probe, then stare back, according to report」。
    6-16に公表された事件。今年、2機の支那衛星(Shiyan-12-01 と Shiyan-12-02)が、静止軌道まで上がってきて、1機の米国の衛星(USA 270)に異常接近したと。


チェコ共和国からウクライナに、ロシア製武装ヘリが供与されるという。

 Kamil Galeev 記者による 2022-6-22 記事「How can Putin make stuff?」。
   典型的な誤解。ロシアは中共を味方にしているので米国以上に多量のミサイルと砲弾を量産しているのだと。これはただの空想だ。中共も否定しているし誰も証拠を出せない。
 真実は、ロシアは今までずっと西欧の技術を自由に使えていたから米国以上に多量のミサイルと砲弾をこれまでは量産できたのである。

 90年代のロシアで何が起こったか。経済凋落→政府の軍事支出減→軍需工場の経営危機→設備投資はできなくなる→国内の工作機械産業が壊滅。

 ソ連時代には工作機械を輸出していたほどだったのに、それが死んだのだ。

 これには日本が関係がある。1970年代に日本がCNC、つまり数値制御式の工作機械を製造業界に導入した。ソフトウェアのプログラムで工作機械を精密に動かそうというのだ。ソ連はこれに追随しようとしたが、できないでいるうちに、ソ連そのものが崩壊してしまった。

 ※東芝機械の多軸制御式スクリュー削り出し機の対ソ密輸事件の背景だね。

 そのため、ロシア財政がガス輸出で復活しても、工作機械産業の復活はなかなか難しい話になってしまった。いまさらNC旋盤以前の工作機械を復活させても、しょうがないのだ。NC旋盤以降の現代の工作機械を国産しなければいけないのだが、技術断絶があるために、基盤がゼロ。自力ではどうにも西側とのギャップを越えようがなくなってしまった。

 ここで西側の人は「労働者」について想像して欲しい。
 NC旋盤以前、ソ連の工場では、ブルーカラーの熟練技能工たちが、リスペクトされ、しっかりと高給を貰っていたのだ。
 ところがソ連崩壊後、非数値制御式の古い工作機械の熟練技能工には、大工場は、給与そのものを支払おうとしなくなった。強制リストラである。彼ら熟練技能工は、一斉に、乞食の身分にまでおちぶれた。

 数年間無給でも失業よりマシだからと、少数の技能工はそれでも工場に残ろうとした。しかし、新人工員は入って来ないし、ラインは死んだ状態で何年も放置されたのである。

 NC旋盤なら新人の素人でもプロ並に操作ができる。ところが、NC以前の世代の工作機械は、熟練技能工がいなくなったら、もはや誰にも扱えやしないのだ。ブルーカラー人材の継承が何年もできなくなるということは、業界にとって、全球凍結大絶滅を意味するわけである。

 80年代までは、ソ連には、13歳から入れる少年技能工の育成学校があり、そこを卒業すれば、世間並み以上の就業待遇と老後の安居が確約されていた。成功者コースであり、インセンティヴがあった。
 しかし90年代以降、そのようなキャリアコースは、まったく無意味になった。

 ロシア経済のどん底は、1998年である。そこからV字回復が始まる。
 2000年に入り、石油・ガス収入が巨大化。ようやくクレムリンは、軍事産業を復興しようという気になる。
 だが……。

 予算が増えたロシア軍が国内の工場にあれこれ発注しても、工場ではそのリクエストに答えられなかった。NC旋盤がなく、さりとて、古い旋盤を扱える技能工もいなくなっていたから。

 戦前のスターリンには、分かっていたことがある。スタは「生産のための手段をまず生産しろ」と言った。製造業ならば、これは工作機械のことを意味する。しかしプーチンにはここが分かってなかった。

 旧ソ連時代に熟練工であったブルーカラーは、2005年にはもう老衰していて、2010年にはほぼ消えたと考えられる。
 その技能を継承する若者の人材プールはゼロだった。
 ではどうするか。

 その頃までには、戦車砲の製造すら、国内では難しくなっていたようである。

 こうなっては、もはや、やれることはひとつしかなかった。
 ドイツから最新世代の工作機械をまるごと輸入するのだ!
 かくして、大量の工作機械が輸入され、その85%が、軍需工場に据えつけられた。

 ドイツ製以外では、スイス、イタリア、日本、米国製の工作機械も、据えつけられた。

 豪州製やトルコ製の工作機械だってある。カリニン市にある「S-300」対空ミサイルのラインでは、トルコの「エログル」社の工作機械が大活躍している。

 ここで興味深い事実を話そう。記者は、ロシアが中共製の工作機械を買っている証拠がないものか、ロシア国内で公開されている工場内の画像資料を継続的に調べてきた。結論。ひとつも無し。

 なぜそうなのか?
 証明できない仮説をいくつか語ろう。

 まず、中共の技術にはロシアと同じ弱点(チョークポイント)があるのかもしれない。たとえば超高性能ベアリングだ。中共もそれは西側製品を頼っている。無い技術は、他国へ供給しようがないわけである。

 中共に『科技日報』とかいう国営新聞があるのだが、2018年に、中共はまだ35の分野で外国技術に頼っているという連載記事が載った。それはネットで確かめられる。

 だがそれでも疑問は残る。最先端ではない工作機械なら、ロシアに輸出できるのではないか?

 答えは、これまた仮説となるが、ロシア工場内でその「決裁」を取るのが、難しいのではないか? つまり中共製の工作機械類には「ブランド」としての信用が無いのではないか。
 何人かの工場幹部がその購入案に反対したときに、その反対を押し切るだけの「説得力」がイマイチ出てこないのではなかろうか? 「安い」というだけでは、もちろん、投資として合理化されないのである。製造機械への投資は、軽い胸算用で踏み切ることが、ゆるされない。

 三番目の仮説。ロシアでは、こと、軍需産業に関しては、政府の上の方から、中共製の機械を買って据えつけることが、禁止されているのかもしれない。製造機械を輸入するときには、かならず、中共以外の国から輸入しなくてはならない、という指導でもあるのだろう。

 ところでロシア人の頭の中には人種序列がある。最上がドイツ人とスイス人。日本人は名誉白人の扱い。しかるに中国人は「サブヒューマン」と考えられている。しかしそんな人種観が理由で、中国製の工作機械をロシアの工場に据え付けさせないのではないだろう。

 ロシア人の頭の中ではタタールも「サブヒューマン」なのに、トルコ製の機械は据えつけられているではないか。
 おそらくロシア人から見てトルコ人は怖くないのだろう。
 中共はどこが怖いか。全体主義体制である。一枚岩として行動する。そこをロシア人は警戒する。ロシア人は支那人を御しやすいと考えていないのだ。西洋人の方がくみしやすいと考えてきた。これまでは。

 ヨーロッパはロシアとの戦争になっても一枚岩になれないだろうとロシアは見ている。だから西欧からの輸入は、ロシアの弱みにはならない。西洋と対決することになっても、ロシアは西欧圏内の分裂に乗じることができると思っていたのだ。

 しかし、ロシアが中共と対決しなくてはならなくなったとき、そうはならない。中共は統制的に行動ができる。ロシアとしてくみしやすくない。だからそのときに弱みを握られないようにしておかなくてはならぬ。それで中共製の機械は買わないという方針があるのだろう。

 ロシアは今、焦っている。まさか西側が一枚岩的に対露の経済制裁を打ち出せるとは思っていなかったからだ。

 こんどばかりは、ロシア指導部が西側から「奇襲」的な反撃を喰らってしまった。一枚岩の経済制裁を、モスクワは予測していなかった。

 ロシアは恐支病を治すときにきたように思われる。

 次。
 Thomas Newdick 記者による2022-6-22記事「‘Kamikaze’ Drones Strike Russian Oil Refinery, Looks Like Model Sold On Alibaba」。
   ロストフのウクライナ国境近くの石油精製施設〔ドネツク方面への補給線の後方に当たる〕にダイブ突入した自爆無人機は、アリババで通販されている中共製をウクライナで改造したもののようだ。

 突入動画はまず「テレグラム」にUpされ、そこから他のSNSへ拡散した。

 ツイン・ブームの後端に、左右連絡水平尾翼。中央胴にプッシャー・プロペラ。垂直尾翼には後退角あり。

 精油工場の声明。2機がノヴォシャティンスクの工業施設に突っ込んだと。
 1機目が現地の朝の8時40分。2機目は9時23分。
 怪我人はいない。

 ウクライナが国産している「PD-1」もしくは「PD-2」ではないかという憶測は否定された。それらはTB2と似た「倒立V形」の水平尾翼であるのに対し、突入機の水平尾翼は山型になってないので。

 ロシア製の「Forpost」の墜落機を再生したという説も否定される。垂直尾翼が後退角形状ではないので。

 いちばんそっくりなのが「アリババ」通販サイトで売られている「Skyeye 5000mm」という商品だ。
 5000ドルから1万ドルで売られていることが分かる。

 宣伝スペックによると、「5000mm」というのは、ウイングスパンが5mだから、らしい。
 全長は3.67m。
 中央胴長は2m。中央胴巾は37.5センチ。
 翼面積は251.6平米。
 ファイバーグラス製。
 飛行最大重量90kg。
 エンジンは「ツイン」〔おそらく2サイクルのこと〕のガソリンで、170cc.~200cc. 型番は「DLE170」。
 空荷重量30kg。
 巡航時速55km。
 最大速度150km。

 水平尾翼はオプションで∧形にもできると謳っている。

 プロペラは32×10、木製。
 サーボは「PY-20AL×11」。「FUTABA3001」をアクセレレーターに使っている。

 ケヴラー製の燃料タンクには27リッター入る。計算するとそれで7時間飛べる。

 最大離陸重量は85kgなので、燃料以外のペイロードは15kgから20kgというところだろう。

 攻撃された精油所と、ウクライナ軍の支配地との間の距離は、最短でも100マイルある。それ以上は飛んだことになる。
 露軍のSAMシステムは、この低速機が2機、飛来するのを最後まで止められなかったわけだ。

 次。
 Sebastien Roblin 記者による2022-6-23記事「Russia Finally Has Its Artillery War in Ukraine. But Can It Win?」。
    ロシアのBTG(大隊戦術グループ)がどんな戦法を目指しつつあるのか、わかってきた。
 「砲兵主体の進撃」を実行させようというのである。
 グループの中軸は、野砲である。
 戦車と歩兵は、その主役である野砲を敵から守るための「スクリーン」(防護壁役)に徹する。
 野砲の目になるのは、ドローンだ。

 野砲が前面の敵を撃砕したら、そのあとから、おもむろに戦車と歩兵が前進する。そしてドローンが次の制圧目標を探す。これを繰り返すのだ。

 「大隊」には意味はない。最前線でアドホックに臨時編成されるので。総勢が2個大隊以上の陣容に膨らむこともあれば、1個中隊に縮むこともあるだろう。だが、「大砲中心」というコンセプトだけは不動である。

 野砲は、直接照準射撃ができるほどには、決して敵に近付かない。最大射程ギリギリで常に敵と交戦するように努める。UAVに観測させて、間接照準射撃。これに徹する。

 げんざい、ロシア軍には、教練を経た「使える歩兵」が足りない。そして将来も精鋭歩兵が足りるようにはならない。この所与環境が、BTG戦法を正当化する。歩兵が足りない軍隊は、砲兵に投資せよ。昔から、このやり方しかないのだ。

 2月24日の侵攻初盤には、ロシアはこの「正しいBTG戦法」を採っていなかった。ウクライナ軍を舐めてかかっていたので。

 露軍のドクトリンでは、戦車に随伴する下車歩兵の数が規定されているが、今次戦争の初盤では、その規定数の三分の一の歩兵しか、随伴させていなかった。

 キエフやハリコフに地上軍が到達する前に、燃料・弾薬・糧食が尽きてしまったのは、露軍の後方兵站が鉄道に依拠しすぎていたから。複数の軸で、しかもあれだけの距離の侵攻をサポートするのに必要なトラックがまるで足りていなかったのに、無理に挙行したから。

 ウクライナの都市は、BTGの前進を止めた。都市に近づくにつれて、歩兵や戦車の直接照準戦闘がどうしても増える。ところがそれに勝つのに必要な練度が、露軍にはなかった。練度ゼロの田舎徴集兵をやみくもに敵方へ向わせて自滅させるばかりだった。

 敵に長距離砲が無い場合、BTG戦術は、一進一退局面で強い。敵の前衛歩兵と車両が、こっちの野砲の間合いに入ってきてくれるので。しかもUAVからよく見えるところに出てきてくれる。おまけに、ウクライナ砲兵はここへ来てタマが切れた。それでこんどはウクライナ軍の損耗が増えているのだ。

 エコノミカルに戦わないと、消耗戦は持続困難である。ウクライナ軍はまだエコノミカルな戦い方を会得できていない。

 これから徐々に、NATOからの野砲寄贈が実り、夏にはウクライナ砲兵のレンジが増し、露軍の後方兵站を脅かすようになるだろう。


弾薬が尽きたら、原発ゴミを「オルラン10」に詰めて飛ばして散布するだけ。それで誰もウクライナの穀物を買わなくなる。

 Nicholas A. Lambert 記者による『プロシーディンクズ』2022-6月号寄稿記事「Look Before You Leap」。
   WWIでトルコはダーダネルス海峡を閉じ、オデッサ港発のウクライナの穀物船は地中海まで出られなくなった。ルーマニアの穀物も同じく黒海から出られない。

 食糧安保をWWI前から熱心に研究していたのは英国であった。
 彼らは早々と結論した。世界の穀物生産量は足りている。輸送手段もある。だがそれを平常機能させている「世界システム」が変動すると、英国本土は餓死に直面するだろう。

 つまり、「サプライ」サイドに何の問題がなくとも危機はたちまちにして至る。国際経済が高度に相互依存しているために、そのシステム自体が爆弾になり得るのだ。

 げんざい、アメリカ本土で飢饉や餓死が発生するとは誰も考えない。しかし、食糧は国際商品であり、海外でシステムが狂うと、アメリカ国内の食品小売価格がどこまでも値上がりする可能性はあるのだ。

 かつて英国はそのような事態をみずから招いてしまったことがあった。米国はその英国の失敗の歴史に学ぼうではないか。

 1914年末、ながらく英国がおそれていた事態が現実になった。小麦の国際取引価格の暴騰である。

 偶然にも、アルゼンチンでは大雨、豪州では大旱魃のために凶作。北米は寒波のため内陸運河が氷り、カナダの穀物を大西洋岸まで送り出すことができない。

 英国はそこで、インドからの穀物輸出をさしとめさせた。

 ロンドンは、この調子だと世界の小麦価格は4倍になるだろうと予測を立てた。

 オプションは僅かだった。国内価格統制と「食糧配給制」の導入だ。

 若いケインズは市場に流す情報を政府がひそかにコントロールすることで落ち着かせられないかと思って実行したが、無駄だった。

 ついに英国政府――というか若いチャーチル――は、このさいトルコに攻め込み、ダーダネルス海峡を軍事占領すりゃいいじゃん、と内閣を説得する。

 そのあと起きたガリポリ作戦の大失敗は有名なので略す。

 げんざい、カナダでは、小麦の作付けのシーズンに入っている。そして今年の収穫は例年より不作になりそうだという。

 そしてげんざい、こんなことを考えている阿呆が多いのではないか? NATO海軍がオデーサ港から地中海まで穀物輸送船のコンボイを護送してやりゃ、すべて解決じゃね? ……と。

 穀物サプライチェーンのホンの一部だけを見ていて、どうするんだ?

 まず農地からの集荷がある。その集荷物の港までの輸送がある。そこでの貯蔵がある。サイロへの出し入れには巨大マシーンを動かす。それは動くのか? 燃料は? ロシアからのミサイル空爆は? 無人特攻機が突っ込んできたら? バルクカーゴ船への積み込みも同様だ。荷役機械はすべて動くのか? 露軍がミサイル空襲してきても? 貯蔵穀物の山が焼かれたら? 化学物質や放射性物質を撒かれたら? 

 穀物の輸出はプロセスが多く、手間がかかるのである。諸段階のすべてに時間がかかるのである。その時間が、そっくり軍事的な「リスク」なのである。

 ちなみに今次戦争前、世界の「ひまわり種油」の半量を、ウクライナが輸出していた。
  ※ヒマワリ油に漬けたツナ缶をさいきんスーパーで見ないと思ったら、そういうわけ? まあ58キロまで絞ってコレステロールもなくなっただろうから、俺はサラダ油漬けでいいけどね。

 米国では選挙が近いからバイデン政権は、この夏の物価を下げねばという圧力を感じ、米海軍をオデッサに差し向けたくなるだろう。それは、やめれ! せいぜい、たったの2000万トンの穀物が地中海に出てくるだけ。物価的には、何の善い影響もなく、軍事的には途方も無く損だから。その軍事的損失額は、救済した穀物の小売価格を、はるかに上回ってしまう。これが英国が1915に痛切に反省したこと。今から同様の結果は見えているのだ。

 次。
 Defense Express の2022-6-22記事「Ukraine’s UAV Struck russia’s Novoshakhtinsk Oil Refinery Plant in Rostov Region (Video)」。
   現地の朝9時に、1機の無人特攻機がロシア国内の石油精製施設に突っ込み、自爆。大炎上を惹き起こした。

 場所は、ノヴォシャティンスク。

 ※一説に、国境から200マイルも奥だと。このダイブの模様が動画撮影されており、SNSに投稿されている。しかし機種についてSNS上で誰も特定ができていない。ある通販サイトには、それらしいドローンが9509.17ユーロで売られているそうだ(いま1ユーロは1.06ドル)。それに爆装したとしてもせいぜい150万円か。おい、ウクライナ国産の対戦車ミサイル(200万円)よりも安いじゃないか! それで戦略空爆できるのかよ! なんで米国はこういうものを大量に援助してやらない? グレイイーグルとか迂遠な話ばかりしておって。敵のSAMより安い中型ドローンを無数に放てば、ロシアはチップのやりくりがすぐにできなくなるよ。7000発のジャヴェリン(本体だけで17億5000万ドル?)援助予算の一部をまわしただけで形勢逆転するだろう。


火曜日のバイデンの決定。朝鮮半島以外では、米軍は対人地雷を使ってはならぬ。

 韓国でも米軍は使わない。しかし韓国軍が対人地雷を使うのは許容するということ。

 ※視発式のクレイモアは、ここでいう対人地雷には含まれない。
 ※米国は対人地雷禁止条約に署名していないが、民主党政権はその路線を支持してきた。

 次。
 Joe Ritter 記者による2022-6-20記事「Getting Drones Ready for Conventional War」。
    ※記者は「MQ-9 リーパー」を2016年から飛ばしてた現役プロ。実戦でも1年以上運用し、その間、十数回、空対地攻撃した。他にはRC-135にも乗務。

 中高度を低速で飛び、ステルスではない、プレデター・クラスの大きさの無人機が、ゲリラ相手以外にも使い物になり、それどころか、もはや本格戦争にも不可欠な道具であることは、現時点でほぼ立証は済んだと信ずる。

 アフガニスタンでは米軍は二回、無人機で大ヘマをやった。
 一度目は2001年。オマル爆殺失敗。要塞屋敷の内側にいることを情報で掴んでいたのに、「MQ-1 プレデター」はその屋敷の外の自動車を攻撃してしまい、取り逃がした。
 二度目は2021年、アフガンから足抜きするとき、カブール市内の、ゲリラ活動と関係ない人の集まりに「RQ-9 リーパー」が爆弾を落として住民10人を殺害してしまった。

 こういう疑問があった。フーシですら米空軍のリーパーを撃墜できている。イランは高度1万m以上の「RQ-4 グローバルホーク」を2019年に撃墜している。そんなもの現代戦場では生き残れないだろ、と。

 しかしそれをいうなら1999にセルビア軍は古いSA-3によって最新秘密兵器だった「F-117」ステルス戦闘機を撃墜しているのである。要は、戦場の脅威について正しい見積もりをしていなかったら、どんな飛行機でも撃墜され得るのだ。それだけ。

 今次ウクライナ戦役では、TB-2のレーダー反射面積がやはり小さいのだということが確認されている。TB-2によって露軍のSAMシステムが複数、破壊されている。

 ※陸上でのバイラクタルの活躍が5月以降、聞こえてこなくなったような気がする。撃破動画の新投稿がなくなってないか? それに対して蛇島とその周辺海域における、ウクライナ海軍所属のTB-2は一貫して活躍し続けている。

 TB-2は米軍の中型無人機と違って「ライン・オブ・サイト」の距離でしかリモコンをしない。すなわち200マイル未満の範囲でしかデータリンクできない。だから安価なのである。

 ※これは、地上の操縦ユニットが敵の砲撃にさらされ得るということ。だからバイラクタル社は、操縦ユニットを、あたかも民間の工事業者のおんぼろトラックでもあるかのような外貌にみせかける工夫を凝らしていると思う。リモコンユニットの所在位置が上空の敵UAVの目を惹いてしまったら、万事休すなのだから……。

 米軍は、中型無人機に「消耗OK」なラインナップを加えるべきである。それを無数に飛ばしてやることにより、敵の高性能SAMをどんどん無駄射ちさせてやることができる。敵の有人戦闘機も、その警戒対処のために割かれるしかなくなるのだ。

 大量のUAVを「実戦的」に運用する演習は、じつは、米本土の広大な演習場でも、実施が難しい。なぜなら民間航空への危険予防とか、テロ警戒官衙を混乱させないとか、いろいろ配慮して自粛しなくてはならぬ部分が多々あるため。
 そのため有人機ならできる「レッドフラッグ」演習のようなことを、無人機でやることができない。そのため米軍ですら、無人機戦争のおそろしさは、じつは把握できていないのだ。

 衛星経由のデータリンク操縦は、対ゲリラ戦争の局面では、米軍「リーパー」部隊の強みであった。
 しかし、相手がシナ軍、ロシア軍となったら、この長すぎるデータリンクは、むしろ脆弱性だろう。

 地球の裏側の無人機を操縦できる衛星データリンクは、本土の米軍上層部による「リーパー」のマイクロマネジメントを可能にした。対テロ戦争ではこれは必要だが、対支実戦ではこれは害になる。敵の砲兵ユニットひとつを発見してすぐにも破壊できるというときに、中央からの許可を30分も待たされたのでは、こっちが投弾する前から、すべてが手遅れになってしまう。

 この弊害も、「無人機を使う実戦的な訓練が平時からできていない」ことに遠因する。命令を出す側も、それを実行する側も、結果判断をしにくいのだ。

 平時から実戦的な状況の訓練を、上層から末端まで参加して繰り返していれば、実戦では、攻撃判断そのものを、末端に任せてしまうことも可能になる。WWII中のヤーボのように敵を圧迫できる。

 次。
 Defense Express の2022-6-21記事「Ukrainian Artilleryman on His Experience Operating M777」。
    ウクライナ軍でM777小隊を指揮している中尉にAPがインタビューした。
 この中尉は152ミリのD-30なども扱った経験があるが、M777は砲身が低いところについているのでカモフラ偽装しやすいという。水平射ちだと地上高が65センチにしかならぬ。

 ペンタゴンの6-17データだと米からウクライナへはこの砲弾26万発が供給される予定。

 1門のM777は、1日に12回から20回も、陣地変換をしている。砲兵用語で「シュート&スクート」(射ったら走り去れ)と呼ぶ戦技。

 これは対戦車ミサイル班でも同じ注意が必要。1回射撃したら、漫然とその場にとどまっていてはいけない。
 ※露軍がしきりにM777爆破映像をUpしている。それをみるとやはり陣地転換でチンタラとずんだれているウク兵はあっという間にやられて終わりだ。頭上のドローンにまったく気付いている様子がない。これはすべての先進国軍砲兵に対する教訓である。ユビキタスに敵のドローンが飛ぶようになった今日の戦場では、陣地進入に先立って対空遮蔽偽装網を展開する必要がある。その下で放列布置するしかない。もちろん1発撃ったらすぐ退散。

※雑報によるとウクライナ軍も、冷戦期の古い兵器、73ミリの「無反動砲」SPG-9(三脚付きで長いやつ)を持ち出している。これも「はじめに弾薬ありき」だろう。この弾薬が倉庫に豊富に余っていたから、それを発射できる重火器に価値が出てきたのだ。

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 Brett Allen 記者による2022-6-20記事「The best hunting GPS for scouting, stalking, and tracking」。
    狩猟用に携帯するGPS地図表示器材。すごいのは、ガーミン社の「inReach Explorer+」だ。

 電池が長持ちする。スマホと連携でき、スマホ地図も読み込める。

 衛星交信できるということは、キミの家族はキミがどこか辺境で熊に喰われて果てたのではないかと心配しながら帰宅を待つ必要もないというここと

 値段は高い。イリジウム衛星の使用料もかかる。
だから、その土地を知り尽くしている地元ハンターだったら、これは不必要な贅沢だろう。

 価格で選ぶなら、ガーミン社の「eTrex 22x」だ。
 緊急遭難信号の発信には使えない。

 内臓地図の豊富さで選ぶなら、ガーミン社の「GPSMAP 66i」だ。スマホとシンクロできる。

 軽さで選ぶなら、ガーミンの「InReach Mini」。
 アプリで推薦できるのは「onX Hunt Premium App」。
 ボート猟に向くのはガーミンの「Striker 4」。
腕時計型なら、ガーミンの「Instinct Tactical Edition GPS Watch」。

  ガーミンまつりになってしまったが、こういう記事をつくるにあたっての媒体としての指針は、ちゃんと公表している。

 次。
Vera Eckert 記者による2022-6-21記事「Europe may shift back to coal as Russia turns down gas flows」。
   ドイツだけでなく、イタリア、オーストリー、オランダも、石炭火力発電所をバンバン燃やすことで次の冬を乗り切るつもりだ。

 次。
 Thomas Newdick 記者による2022-6-20記事「SM-6 Missile Used To Strike Frigate During Massive Sinking Exercise In Pacific」。
    「ヴァリアント・シールド」演習の最終演目は、SINKEX。実艦撃沈だ。このたびはSM-6を対艦ミサイルとして発射して、除籍艦の『ヴァンデグリフト(FFG-48)』(OHペリー級フリゲート)に当てた。

 スタンダード・ミサイルは、6月17日、イージス駆逐艦の『ベンフォルド』が発射した。1発のみ。

 SINKEXではいつものことだが、ひとつの兵装だけが実験されるわけではない。だから、SM-6だけで『ヴァンデグリフト』が沈んだかどうかは、実験を主宰している部内者しか知らぬこと。

 気になる射程だが、ハープーンのブロック2のレンジが75海里〔138km〕だといわれ、かたやSM-6を対艦に使うと、その2倍だという。

 SM-6の弾頭には大した量の炸薬は入っていない。しかし終速はマッハ3である。このスピードで一定のマスが衝突すれば、敵艦の構造はバラバラだ。


安物のコロコロをストレスなく剥く方法。

 ここでいう「安物のコロコロ」とは、3巻入り袋が200円しない売価のもので、ロールの両端のうち一端にだけ、1cm弱の切れ込みが入っていて、その他には何の細工も無い物である。

 筒の両端、それぞれ数ミリのエッジ帯には、粘着剤は塗布されていない。

 方法。
 ロールをハンドルに取り付けた状態で、ローリング掃除後、全面の粘着力が半減したところで、ロールをあなたの体前に、「縦位置」に保持する。

 すなわち、切れ込みのある端をあなたの体から遠い方、切れ込みのない端をあなたの体から近い方にして、保持する。

 このロールの「皮」を、あなたは、左の方向へ剥いていかなくてはならない。

 初回は、うまい方法はないので、なんとか苦心して紙の終縁部を爪でひっかけて剥き始めるしかない。

 剥き始めて1回転――初回に限って1.5回転ということもある――させると、再び、「切れ込み」が真正面にやってくる。

 ここで、その「切れ込み」の部分から、下に向って破いていくのだが、けっして「ころがりの軸」に沿ってまっすぐ手前へ向かうように破いてはいけない。

 角度にして20度から30度、「ころがり軸」よりも右寄りにズレて行くように、破くのである。

 こうすると、手前に近い方の粘着面は、一枚下のサラな面によって「更新」されず、わずかに、古い、粘着力の落ちている紙の縁が残される。その手前の紙の縁端部は、三角形に尖っていて、つまみ易い。

 次回からは、この、粘着力のない三角形の縁端部を手がかりにして「剥き」に入る。以降は、これを繰り返すだけだ。

 わたしは、この技法に辿り着くまでは、さまざまな高価格帯のコロコロ商品を試したが、真にイライラさせない商品は無いようだと察した。

 次。
 The Maritime Executive の2022-6-19記事「 Russia Disrupts Kazakhstan’s Main Oil Terminal for UXO Clearance」。
   ロシアは、カザフスタンの原油の輸出量の三分の二を担っている、カスピ海底横断パイプラインを止めた。理由は、第二次大戦中の不発弾を除去する作業が必要だからだという。

 カザフスタンは陸封国である。最寄の黒海の港、ノヴォロシスクはロシア領であるが、そこからタンカー船で海外へ輸出するしかない。そこで、ノヴォロシスクまで、パイプラインを敷いていた。この輸出ルートを過去21年、使っていた。キャパは日量140万バレル。世界の原油の海上貿易量の2%強というところ。

 ノヴォロシスク港湾当局によると、先週、3本の魚雷を含む古い不発弾×五十数発を、とつぜん、海底で発見したという。過去21年、発見していなかったのだが。
 これを除去するため6-20から港の一部機能を止める。

 カザフの石油大臣いわく。船積み用のブイの1個は、機能しつづけるので、大問題ではないのではないかと。


 ※雑報によると露軍が市販の「DJI Mavic 2 Pro」に40ミリ擲弾の「VOG-25」をとりつけて自爆攻撃を試みた証拠がウクライナで撮影されている。ヘルシンキ大学は「孔子学院」を閉鎖した。2014からウクライナのEEZ内で違法掘削していたロシアの石油リグが爆破された。砲撃または対艦ミサイルという。

 次。
 Alex Vershinin 記者による2022-6-17記事「The Return of Industrial Warfare」。
    ロシア国防省は砲弾発射総数を日々発表している。
 露軍の機械化歩兵旅団は3個野砲大隊を抱えており、うち1個が多連装ロケット砲なので、発表数の三分の二が砲熕兵器によると概算してもいいだろう。

 露軍の152ミリ榴弾砲の1個大隊は6門から成る。しかし故障や損耗があるので今は4門で計算していいだろう。

 その1門が毎日4発、発射していると考える。
 合計して、ロシア軍の砲熕砲兵は、1日に6240発を発射しているとわれわれは見積もる。

 この他に、弾薬集積所や弾薬トラックを破壊されたり、陣地転換時に置き去りにされて無駄に捨てられた砲弾が15%あると考えると、日々7176発の消費だろう。
 この数値の誤差は5割あり得ると考える。

 米軍が年々調達している砲弾は、数量はわからないが金額は公表されている。そこから試算すると、ウクライナ戦線でロシア軍がやっているような砲撃をもしも米軍が実施した場合は、10日から3週間にして、1年分の調達分を射耗してしまう

 さいぜん、米英仏が合同で指揮所演習(コンピュータ上のシミュレーションだけの演習)したところでは、英軍は、国家の砲弾備蓄を8日間にして使い果たしてしまうだろうという予測が立った。

 ジャヴェリン・ミサイルはどうか。ウクライナ軍は日々、500発を射耗しているという。米国からはこれまでに7000発が供給された。それは米国内ストックの三分の一であった。ロックマートの製造ペースは年に2100発である。これには増産命令がかかっているが、数年後にせいぜい年産4000発になるというくらいが関の山。どうするのか?

 戦域射程の地対地ミサイルと、対地用の巡航ミサイルはどうか。ロシアはこのカテゴリーのミサイルをこれまで1100発~2100発消費したと見られる。

 それに対して米軍の調達ペースは? 年に、PRISMを110発、JASSMを500発、トマホークを60発という感じ。

 かつてロシアは、どん底の状態だったミサイル増産を2015に号令したが、2016年の生産数は47発だった。米国であっても、ミサイルの大量生産体制は、5~6年かけないと、整わない。

 ※今後、非核の砲弾の在庫が空になった時点でもしプー次郎が隠退させられていないとすれば、残るストックである核を使う戦争に移行させるしかないだろう。

 ロシアのストック量は誰も知らないが、非核用の巡航ミサイルと短距離弾道弾を合計4000発くらいはまだ持っているだろう。

 「カリブル」の動力部のメーカーである「ODK Saturn」は4月、大増産体制に移行しつつあるとアナウンスした。※チップが無いのにどうやって完成品にしますか? ドイツからの工作機械の輸入ができなくされたというのに、増産できるわけがない。工作機械の国産にも集積回路は不可欠なのだ。それがもう無い。

 今次戦争より前、戦争で所要される砲弾数は減る一方だった。誘導武器が砲弾消費をどんどん減らして行くと信じられた。
 ところがその趨勢に逆転が起こった。
 まず序盤の機動戦がすぐに陣地戦と変わり、互いの車両の動きが鈍くなった。
 おかげで、無誘導の15榴砲弾を、UAV観測によって敵AFVの至近に落とすことが容易になった。

 旧ソ連設計の両軍の主力戦車は、15榴の至近弾で中破させられてしまう。

 距離40km以内で十五榴の砲弾がミサイル並の仕事をしてくれるという特異な戦場が出現した。

 有人航空機は、互いの長射程SAMレーダーがしぶといものだから、超低空を飛ぶしかなく、さりとて、ターゲティングポッド無しでは、MANPAD射程内に入るしかないので、CASなど不可能。だから、十五榴に劣る働きしかできない。

 だから今、両陣営は、砲弾の供給で勝利しようと競っている。

 砲弾やミサイルのような軍需品は、買い手が自国政府しかないのが通常である。政府からの注文をカットされると製造ラインは全滅し、復活させたくても数年は無理。そのリスクを考えると、普通のメーカー経営陣なら、砲弾増産のための投資を考えるどころか、早くその商売から遠ざかろうと思う。そういう世界。

 湾岸戦争の立ち上がり局面では、米国は、英国とイスラエルから弾薬を買う必要があった。

 次。
 Ihor Kabanenko 記者による2022-6-3記事「Arsenal of Empire: Russian Naval Construction in Crimea and Its Implications for Black Sea Security」。
    クリミアは造船業になぜ向いているか。気候が良いのだ。だから船が早く仕上がる。
 ロシアは2014いらいクリミア半島を「不沈空母」にすると標榜している。※中曽根か?

 ※露土戦争いらい、ロシアはクリミア一帯をどのようにして一大造船センターにして今に至るか、詳しく紹介している長い記事。略す。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-6-20記事。
   ESB=遠征軍用モビルベース は、2016年に米海軍が発明した。それをこの頃では中共も真似して造っている。
 全長175.5m、2万トンの、浮かぶ補給基地。

 米海軍のESBは商船規格によって建造され、乗員は民間と水兵と半々である。1隻5億ドルというところ。
 その一番艦はタンカー改造で7万8000トンもあり、CH-53が楽々と着艦でき、オスプレイの排気熱も問題なし。

 次。
 Lawrence Chung 記者による2022-6-20記事「Taiwan’s Thunderbolt-2000 rocket system explodes during live-combat training」。
   月曜日、台湾の国産のMLRSである「サンダーボルト2000」が発射演習中に爆発して複数名が負傷した。
 このMLRSは、海岸に上陸してきた中共軍をやっつけるための装備である。


マイクロソフトはロシアのIPのウインドウズのアップデートを止めてしまう。

 今次戦争は絵的な「陣取り合戦」は停滞しているが、戦略的にはもう西側が勝利を決めて「終わった」。
 スキームが定着した。露軍は今後もマイクロチップを調達できない。それが「戦争のコメ」だった。

 小さなものから大きなものまで、スペアのマイクロチップなしでは既存システムの維持もできなくなる。
 新品の製造も無論、まったくできない。

 あとはひたすら時間が経つのを待つだけでいい。ロシアには石器時代がやってくる。

 ※雑報によると国際水泳競技連盟は、思春期性徴をわずかでも経過した元男子の性転換選手は、エリート級レースにはエントリーさせないと評決した。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-6-19。
   MMOとは《多人数がオンラインで同時に参加する》形式のゲームの意味である。

 現代のバーチャル戦場を、現代の仮想兵隊になって参加するものもあり、その場合、ホンモノの現役の兵隊が余暇時間にそれにハマってしまうこともある。

 「ウォー・サンダー 3」は、ハンガリーの企業がクリエイトしたMMOだ。
 このバーチャル戦争ゲームでは、プレイヤーは、シナ軍、英軍、仏軍のどれかを選択する。

 最近の事件は、英軍の「チャレンジャー2」戦車、仏軍の「ルクレール2」戦車に対して、中共軍の戦車がゲームの設定上、威力が弱すぎることに怒った現役の中共軍の戦車兵が、機密情報を投稿して訂正を訴えたというもの。

 あきらかに軍事機密であった。すぐに投稿は削除されたが、ネット空間では、いちど投稿された情報は、誰かがどこかに保存している。すぐに他のサイトに出回った。

 リアルな現代戦争シミュレーションゲームは、ニューヨークの出版社SPIが、オフライン時代に創始した。これは米陸軍歩兵学校から、「第二次大戦史と最新兵器の研究のために、こういうゲームを作ってくれ」「必要な公開されているマニュアル類を資料として与えるから」と慫慂して実現したのである。メーカーは、そんなもの売れるのかと疑っていたが、第一作の『レッド・スター/ホワイト・スター』はバカ売れした。このとき歩兵学校は、部外秘ではない公式典範類を山のように提供したようだ。

 SPIのゲームは、他の陸軍の諸学校でも導入するようになった。やがてペンタゴンの本山でも。

 それから何年もあとのこと。FBIがSPI社を尋ねた。雑誌『ストラテジー&タクティクス』の定期購読者リストを見せてくれという。
 理由は、連邦法では弾薬類を輸出してはならない外国が定められている。そしてSPI社のゲームは、この「弾薬」と看做されるのだ、と言うのである。

 この「捜査」はもちろん空振りであった。SPI社はFBIに指摘した。戦争シミュレーションゲーマーたちは国内外の小売店でもこれを手に入れるし、熱心なファンはわざわざ本社ビルまで最新作を買いに来るのだと。つまり特定外国が入手しようと思ったら「定期購読」などという迂遠な方法は採らないだろうと。

 1974年のこと。国連のロシア代表部の者だという若いロシア人が、大部のゲームである『東部戦線』を買いにSPI社まで来た。これは1941~1945の独ソ戦シミュレーションである。

 週末に代表部の者たちがこのゲームで暇つぶしするのだということだった。そのさい、ドイツ軍側になったプレーヤーは、わざと負けるのだと。

 そこでSPIの社員は言った。現代戦をシミュレートできる『レッド・スター/ホワイト・スター』など複数のゲームもありますよと。しかしロシア人は、それらは既に買っているという話であった。

 その後、SPI社は気づいた。中共、韓国、台湾の軍人たちも、SPIの現代戦シミュレーションゲームを買いまくっているようだと。

 70年代後半、ひとつの連邦法ができた。最新の戦場を予測検討するウォーゲームをCIAは用いてはならず、また製作してもいけない、とする内容だった。

 すでにCIAとペンタゴンとウォーゲーム開発業界は、人材がクロスオーバーするようになっていた。

 この人材プールの中から、初期のコンピュータ版の戦争シミュレーションが生み出されるのである。

 1973年10月に第四次中東戦争が起きるのだが、ちょうどその勃発の日にSPI社は、1956年から67年までのアラブ対イスラエル戦争をシミュレートする新作ゲームを準備しているところだった。
 このリリースは延期され、リアルの最新戦例を盛り込むことになった。このとき、国連のイスラエル代表団に属するひとりのファンが、積極協力したという。彼はシナイ半島の地理も知り尽くしていた。イスラエルは国民皆兵なので、やむなく彼は応召のため帰国したが、おそらく部外秘であろう知識を元に、ゲームの精度向上に貢献してくれたという。

 オースティン・ベイは、ストラテジーペイジの常連寄稿者だが、1990当時は陸軍の予備役兵。彼は湾岸戦争を予想する戦争ゲームを公開情報だけを元に組み立て、1990年末の『ストラテジー&タクティクス』誌に間に合わせた。このゲーム『アラビアン・ナイトメア』の予測はすこぶる正確だった。

 次。
 Kamil Galeev 記者による2022-6-17記事。
   トルコとロシアの輸出商売スタイルは正反対。
 トルコでは無数の零細企業がめいめい勝手に輸出して儲けている。

 ロシアでは輸出は原料資源なので、少数の巨大企業が一手扱いする。それら巨大企業は政府と一体であり、すなわちプーチンと一心同体。

 ※よく考えたらカミルとケマルは通じる。タタール系の人なのだね。たいしたものだ。


今のウクライナをなぞらえるなら、むしろ、80年代のアフガニスタンだろう。

 1950~53の韓国だという論者が英文批評圏では出てきたが、当時の韓国に対する米軍需品(日本国内の工場に量産させた砲弾類を含む)の揚陸・追送には、何の苦労もなかった。

 次。
 Zeyi Yang 記者による2022-6-18記事「China wants all social media comments to be pre-reviewed before publishing」。
   中共がネット取締り法をさらに厳しくする。
 あきらかになった条項のひとつ。すべてのコメント欄投稿は、それが表示される前に、内容が検閲されねばならない。

 つまり「事後検閲」から「事前検閲」への切り替えだ。

 ※終戦後の占領中のGHQによる日本国内の検閲環境は、「事後検閲」を連発することによって新聞社の経営にダメージを与えてやり、それによって「自発&事前」のマスコミ検閲に導こうとするスキームだった。しかし、これから導入せんとする中共の検閲は「他律&事前」の検閲である。これは、江戸時代の出版検閲や、戦時中の陸軍省による新聞検閲に近い。

 中共が、民衆相手にコメントを投稿・公開できるインターネット・サービスを取り締まる法令を最初に導入したのが2017年。それから5年が経って、見直しの時が到来した。

 新たに導入する条項では、テキストだけでなく、絵文字、GIF〔先日死んだ発明者はこの発音は「ジフ」だと言っていた由〕、画像、音声、ビデオも、事前検閲の対象である。検閲前に投稿が公開されてはならない。

 ビデオの上のスペースにリアルタイムでコメントが表示されてくる「バレット(弾丸)・チャット」も、当局は非常に気にしているようだ。

 エリック・リューは、前にウェイボで検閲係をやっていた。彼はいまは『チャイナ・デジタル・タイムズ』で中共の検閲制度について研究している。

 中共のデジタルプラットフォーム企業で、社内に数千人もの「検閲係」を社員として抱えているので有名なのは「バイトダンス」。当局にも、一般ユーザーにも、誰の目にも触れぬうちに、問題ありげな投稿を即抹消するようにしているという。

 他の企業だと、「検閲係」をアウトソーシングしている。たとえば検閲係ばかりを多数、抱えている、検閲請負企業があるのだ。その親会社は「人民日報」である。

 それでも検閲漏れで、世の目に曝されてしまう、反政府的な投稿はしばしば発生。そのたびに、プラットフォーム企業は多額罰金を課せられている。

 2017法では、ニュースに対する意見投稿が、取り締まられていた。
 2022法案では、ニュース以外の森羅万象投稿も、「先申後発」の適用となる。

 4月の上海の新コロ・ロックダウンのビデオは、「ウィーチャット」では流れたが「Douyin」(TikTokの二番煎じメディア)ではひとつも投稿が出なかった。これは後者は事前全数検閲を徹底しようとして、物理的に不可能だったから。言うならば、「ウィーチャット」は危い橋を渡っている。

 次。
 Defense Express の2022-6-18記事「Belarus Withdraws T-72’s And Armored Personnel Carriers to Staff Two New Battalions」。
   ウクライナ軍が把握したところでは、5月末までに、ベラルーシ国内の倉庫にあったベラルーシ陸軍の予備部隊用のT-72×39両と、APC×21両が、ロシア軍のために献納された模様。

 これだけあれば、2個大隊を新編できる。

 次。
 Olivia Savage 記者による2022-6-15記事「Eurosatory 2022: Leonardo unveils new tactical multimission radar」。
  ユーロサトリにレオナルド社が出展した、戦術マルチミッションレーダー。特に小型UAV探知を考えてある。CバンドのAESAで、最大探知距離は40km。探知高度は2万3000フィート。
 「マイクロUAS」(おそらく市販DJIを念頭)だと水平距離7km、高度3200フィートで捉えられる。


 次。
 Huw Williams 記者による2022-6-17記事「Eurosatory 2022: Terramil develops AP mine for Estonian military」。

 ユーロサトリに出展された「M-13 対人地雷」。エストニア軍の注文で開発された。
 重さ12kg。
 1200個の鉄球を距離200m、角度60度の扇状に飛ばす。クレイモアの巨大版だ。視発式なので、対人地雷条約には抵触しない。

 ※防衛省が大急ぎで開発しなければならない「ソフトウェア」は、「2機のマイクロドローンを精密編隊として制御して飛ばす」アルゴリズムである。これが完成すると、戦時に急速に掻き集められる市販級ドローン×2機によって、1個の「自己鍛造弾」や「クレイモア」を協働で「宙吊り」して空中運搬させられるからだ。前後にタンデム編隊で飛行するクォッドコプターの間にワイヤーを結び、その中間に兵装を懸吊し、標的近くで空中爆発させる。ワイヤーの長さ・たるみがあるのと、爆発兵装が飛行軸に対して直角向きの指向性であるので、2機のUAV本体は爆風で四散せずに飛び戻ることができる。


ギリシャも「TB2」もどきを国産して、初飛行に漕ぎ付けた。数年越しで開発してきたという。

 Thomas Newdick 記者による2022-6-17記事「Ukraine Claims Harpoon Missile Attack On Russian Navy Ship」。
   ウクライナ海軍発表。
 蛇島に向っていたロシアの航洋タグを撃沈した。本土から20海里沖、蛇島からは20海里東。

 フネは『Vasily Bekh』1200トン。全長187フィート。兵員、兵器、弾薬を輸送中であった。

 ウクライナ軍はこのたび初めてハープーンを使い、成功させた。数秒間隔で2発命中しているビデオが公表されている。このビデオはTB2が撮影した。

 このタグボートは通常、26人の水兵で操船されるが、そこに36人が積荷の手伝いに加わるものだという。

 積荷は地対空ミサイルの「Tor-M2」×1だったとも。

 次。
 Jeff Schogol 記者による2022-6-16記事「Inside the US military’s modern ‘island hopping’ campaign to take on China」。
   先の太平洋戦争と、来る米支戦争は、同じような島の攻防になるか?

 ヘリテイジ財団のシナ軍専門家のディーン・チャンいわく。違う。

 先に米軍が飛行場を設定し、そこに支那軍がミサイル空襲を仕掛けてくるのを跳ね除ける。そういう展開になる。

 その島は、開戦の前には、誰によっても守備されていないであろう。

 サイパン島には事前にシナ人工作隊が潜入していて、飛行場を襲撃し、できるだけパイロットと整備員を殺そうとするだろう。

 2012年にアフガニスタンでタリバンが米軍の飛行場を襲撃し、海兵隊員2人を殺し、AV-8B×6機と、C-130×1機を損壊させたことがある。それを上回るゲリラ攻撃になるだろう。


「馬に蹴られて死んだ」と記録されている日本武士は、いない。

 これは何を意味するかというと、「落馬」して死んだと記録されている武士の中には、蹴られて死んだ者が必ず何割か、含まれているのである。
 しかしそれは外聞が悪いから、すべて「落馬」と言い換えているのである。

 「落馬」直後に蹴られるという、複合負傷もあっただろう。

 次。
 Kamil Galeev 記者による2022-6-15記事。
   露軍の地対空ミサイル「S-300」を制御するマシン語プログラムは、独ジーメンス社の「Sinumerik 840D」と「Heidenhahn」社のソフトウェアを使って書かれている。これは少しも秘密ではない。

 ドイツ政府のウクライナ戦争に対する態度が変だと、みんな思っているだろう。
 ドイツ経済とロシア経済は、あきれるほどの相互依存関係にあるのだ。

 プーチンがロシアの軍需産業を再建するときに、ドイツの工作機械と部品が、それを実現した。
 ドイツに次ぐ対露軍事協力者が、じつはフランスである。

 ロシアを他の国になぞらえるなら「鉄道網の発達したブラジル」であろう。
 ロシアでは貨物も旅客もすべて鉄道頼みである。
 ところが新型貨車のためのカセットベアリング(2重リングの中にコロが封入されている)は国産できなくなっており、すべてが西側からの輸入頼みだ。

 西側技術の継続的な輸入なしには、ロシアは、早晩、化石燃料の輸出すらもできなくなる。

 なぜノルドストリーム1のガス送量は40%減ったか?
 コンプレッサーの修理をジーメンスが請け負っていたのだが、カナダが厳密な対露制裁をしている関係で、その修理器材を戻して据えつけることができないのである。

 ドイツ政府はメーカーに対する統制が伝統的に弱い。だからメーカーが勝手にロシアとつるんで、軍需工場用に精密工作機械をバンバン売りまくった。大儲けしたドイツメーカーがドイツの政治家の選挙当落を左右してきた。かくして今のような腐れ縁の関係ができてしまったのだ。

 2014のクリミア占領でドイツはロシアに兵器部品を売りにくくなった。これさいわいとそれにつけこんで儲けようとしたのがフランスだった。だからドイツの次にはフランスが腐っているのである。

 しからばなぜ中共のメーカーは、独仏の代わりにならないか?
 理由は、ロシアの軍需工場も、国家指導部も、それを希望してないから。
 表向きの発言では、ロシアは中共との友好関係を強調する。だがプーチンは、独仏技術の代わりに中共技術を入れるつもりなど、ぜんぜん無い。

 もし、ドイツ製の部品を密輸して「ロシア製です」とごまかしているロシア人がいても、ロシア司法は彼を見逃す。しかし、中共製の部品でそれをやったら、その貿易に関係した者は投獄される。

 これはロシア司法の建前とは関係がない。司法の運用で、そうなるのである。

 カルガとツーラは隣り合った工業地帯だが、カルガは西側部品が手に入らないため、ビジネスが崩壊しつつある。
 ツーラは昔から兵器工廠なので、政府が支えて雇用を保っている。

 この戦争で逆に儲かって景気が好いのは、ロストフ地区の農業だ。

 キミがロシアの労働者なら、軍需工場に就職しているのが安全。民需工場はこれから全滅する。

 戦後のロシアはシナとくっつくのか? そうはなるまい。
 人口の動きが予言的である。人々が皆、ウクライナの東隣にあるクラスノダール(ロストフ地区)に向って移動しているのだ。南西部域である。寒いところではもう生きられなくなると予感しているのだろう。

 ロシアの人口は縮みつつある。その収縮焦点が、まさにウクライナなのだ。ロシア人の集合意識が、ウクライナへの移住を目指している。

 次。
 Kamil Galeev 記者による2022-6-14記事。
   公的空間と私的空間で、それぞれ、どう行動するか。
 これには国民の違いがとても大きい。

 ロシア人は、私的空間での振る舞いで、その人の善悪を判定する。米人はそうではない。

 ロシア人の「正直」は、私的空間での正直さだけが問われる。公的空間では嘘をついても誰もとがめぬ。

 記者は大卒後、数ヵ月だけロシアの公務員であった。
 そこで知った。公務員の上司も、私的空間では政府を平然と批判するのだ。しかし、公的空間でそれをすれば、彼の人生は「詰み」だ。

 だからロシアの公人を、公的発言によって値踏みすることは、誰にもできないのである。公人が嘘をついても可い社会契約になっているので。

 私的空間での嘘も、公的空間での嘘も許さないのは、米国社会が最右翼だ。
 欧州大陸は、地域によって、その程度がいろいろだ。

 次。
 Defense Express の2022-6-16記事「Ukrainian T-Rex: Anti-Materiel Rifle to Help Fight Russians」。
    ウクライナの「XADO ホールディング」社は、ボルトアクションの対物狙撃銃「スナイパーTレックス」を製造している。今次戦争の始まるわずか数ヵ月前に、ウクライナ陸軍に採用され、すでに実戦投入されている。

 重さは25kgある。実包は、ソ連規格の「14.5mm×114mm」弾。
 バレルもサイトもすべて国内製である。

 次。
 Max Hauptman 記者による2022-6-15記事「Ukraine now has killer robots with machine guns」。
   ウクライナのロボット企業「テメルランド」社は、自走台車に7.62ミリ機関銃を載せた「GNOM」という有線リモコン式の移動銃座を開発し、ザポリッジア市付近の戦線に投入するという。

 全重50kg。全長2フィート。
 昨年から試作していた。

 次。
 Svetlana Shkolnikova 記者による2022-6-15記事「Top House lawmaker rebukes ‘too cautious’ approach to Ukraine aid, calls for long-range artillery and sophisticated drones」。
    下院軍事委員長のアダム・スミス(民主党、ワシントン州)が、長距離砲と高性能ドローンを早く贈れと言っている。
 ペースが遅すぎるじゃないかと。これは超党派のコンセンサスだと。

 スミスは、「MQ-1C グレイ・イーグル」を贈るべきじゃないかと言っている。だが補給と訓練がかなり面倒なことになりそうなので難しい。

 榴弾砲×1000、ドローン×1000、装甲車×2000、戦車×500、MLRS×300をくれと月曜日に言ったのは、ゼレンスキーの補佐官のミハイロ・ポドリャクである。ゼレンスキー本人は木曜日に、対戦車ミサイルをくれと言っている。

 オースチン長官は水曜日に、追加の10億ドルの軍事援助を表明。その中に、18門の榴弾砲、2単位の地対艦ハープーンが含まれている。

 次。
 Mallory Shelbourne 記者による2022-6-15記事「New AUKUS Caucus Bill Calls for U.S.-Australia Sub Training Pipeline」。
   米連邦下院の超党派議員は、豪州の潜水艦士官を米海軍の潜水艦学校で訓練してやれるようにする法案を準備した。毎年2名を受け入れる。まず「海軍核推進力学校」に入ってもらい、ついで、「原潜士官基礎コース」に進んでもらい、仕上げとして米原潜に短期配乗させる。

 次。
 Victor Duenow 米海軍中佐による『Proceedings』の2022-6月号記事「Disputing Chinese Sea Control Through Offensive Sea Mining」。
  ※「海軍機雷エッセイ・コンテスト」の一等賞論文。

 FY2020のデータによると、クイックストライク機雷や、潜水艦から放つ自走敷設機雷は、ライフサイクルコストが8500万ドル以下である。

 攻撃的機雷の調達費用は、米海軍の毎年の兵器調達予算の0.125%でしかない。とても安くて済むのである。

 かたや、2019年の統計によると、金額ベースで、中共の貿易の60%は、海上輸送によった。

 珠江デルタ(シンセンなどがある)の諸港と、黄海の諸港を合計すると、中共の海上交易物の92%はそこを通っている(重量ベース)。交易金額ベースだと55%だ。だから、機雷封鎖をするならば、まずその2エリアだ。

 ※重量ベースが重要である。重さあたりの単価が高くない石油がそこから輸入されていることを意味するからだ。

 中共が国内で生産している原油では、全需要の三分の一しか満たせない。輸入が不可欠だ。

 中共が輸入している石油の80%、すなわち中共が消費している全石油のうちの55%は、タンカーによって海港から搬入されて来ている。

 黄海と珠江デルタに「クイックストライク」機雷を撒くだけで、中共は、現在消費しているレベルの石油の半分以上を、搬入できなくなる。

 結論。米「インド太平洋コマンド」は、来る対支戦では、珠江デルタと黄海に機雷を撒くべきである。


衛星写真によると中共の新空母はもうじき進水する。乾ドックに海水が満たされた。

 SOFREP の2022-6-14記事「Check out the Combat Truck Conversions ‘Car4Ukraine’ is Making for Battle」。
   2020年の比較では、露軍は稼動状態の軍用装甲車両を1万9783両保有していたのに対してウクライナ軍のそれは2870両にすぎなかったという。

 「カーフォーユクライン」というボランティア団体。ドイツ、ポーランド、リトアニア、英国、スカンジナビアから中古のピックアップトラックを調達し、それを武装型に改造してウクライナ軍に納品している。

 元手は、クラウドファンディング。

 車体は4×4で、2000cc.以上のエンジンでなくては基本的にダメだ。
 すなわち、トヨタの「ハイラックス」と「ティンドラ」。
 フォードの「レンジャー」。
 日産の「ナヴァラ」。
 ジープの「グラディエーター」
 マツダの「BT-50」または「B2500」。
 いすゞの「D-Max」。
 三菱の「L200」。

 これらは欧州域で市販されているので、スペアパーツの入手に苦労しない。

 車体を手に入れたら、ウクライナ国内のガレージで、鋼鈑を増着して、運転席の四周と底面を、手榴弾レベルの爆発破片からガードする。さすがに小銃弾を止められるほどの厚さにするのは無理だ。

 一枚の写真。シヴォレーの「コロラド」を改造してある。足回りの「ショック」は、ヘヴィーデューティー仕様に交換してある。さもないと増えた重さを支えられない。

 彼らはすでに60台以上、改造作業を成し遂げた。

 ※東條英機は昭和19年に入るまで、国家総力戦では何をしなければならないか、気付けなかった(気付いたときは下野させられる直前。且つ、国内資源枯渇と同時)。それは「飛行機をもっと作れ」(ほかの物は作るな)ということだった。クリミア半島の「策源」と南部の攻防焦点になっている諸都市を結ぶ鉄道線路を切断するのに、「挺進隊」方式では無効である。こんなことを、ウクライナ軍はようやくに学習しつつある。便衣のレジスタンスですら敵の歩哨線を越えて近寄れぬというのに、ピックアップトラックでどうやって潜行するのか? 数キログラムの爆薬を線路上におろしてやれる、業務タイプのマルチコプター型ドローンか、十数キログラムの爆薬を内臓した固定翼の特攻無人機か、どちらかしか手段はないのだ。しかも10機や20機の散発攻撃ではダメ。100機単位で執拗に爆破をし続けないと、鉄道はたちまちに復旧する(朝鮮戦争はそのデータの宝庫)。クラファンで資材を募り、ガレージで改造するべきなのは、そうした「飛行機」なのだ。その「飛行機」を運搬する車両は、生半可な改造車よりも、無改造の乗用車や軽トラ、オートバイ牽引の荷車が、敵の目を惹かず、ステルス性が高い。ゼレンスキーは、敵が有利な大砲に対してこっちも大砲で応戦しようなどという、芸の無い戦争指導を考えていて、勝ち目があると思うのか?

 次。
 ストラテジーペイジの2022-6-15記事。
   PKKは「クルド労働党」の略で、マルクシストを標榜するが、実態は1970年代にソ連が作った工作組織だった。
 ソ連はトルコの政府を転覆させる暴力部隊としてPKKを駆使してきた。

 このPKKの活動家たちに、フィンランドとスウェーデンは、居場所と資金集めの便宜を提供してきた。トルコとしてはそれはまったく許せないのである。

 特にスウェーデンは露骨だった。
 トルコがPKKを弾圧していることを理由として、トルコ向けの兵器輸出を禁止。のみならず、クルドゲリラに大金をめぐんでやろうとしたという。

 だが、米国製のF-16戦闘機をどうしても買いたかったエルドアンは、しぶしぶ、この件について譲歩せざるを得なかった。
 これが、過去の因縁だ。

 トルコは、スウェーデンは許せないが、フィンランドがPKKなど反トルコのテログループとみなすメンバーを入国させないなら、フィンランドのNATO加盟には反対しないと言っている。
 しかしフィンランドは、1国だけなら辞退すると言っている。

 ある国がNATOから抜けようと思ったら、1年前に通告すればいい。それだけ。
 他方、NATOが特定のメンバー国を除名する方法は、無い。したがってトルコの立場は今、ものすごく強い。

 6月9日、エルドアンは、シリア国境に幅30kmのバッファー帯を設けるつもりだと表明。
 目的は、シリア人難民の流入を阻止するためだが、ついでに、そこからYPGも追い出すことになる。

 YPGはシリアから分離しようとしているクルド族の部隊である。しかしトルコは、YPGはPKKの手先だと看做している。米国はそれに同意していない。米国はYPGを公然支援中である。

 同地にはシーア派住民の町が2つある。そこをトルコ軍が攻撃することになるのは困ると、シーア本山のイランが注文をつけているようだ。

 6月3日に判明。5月のトルコのインフレ率は73.5%で、これは24年前の記録を塗り変えた。
 エルドアンにはこれは衝撃。というのはそもそもエルドアンの政党が大躍進したのは、24年前にトルコのインフレが73.2%になったのが背景だったから。トルコ有権者は、エルドアンが物価を下げるというので支持したのである。

 トルコ駐在のウクライナ大使は、文句を言った。クリミアから5隻の貨物船が、盗んだウクライナの穀物をトルコの港まで運んだと。トルコ政府はその積荷の買い手を犯罪捜査するべきであると。

 6月1日、国連はトルコの呼び方を正式に変えた。発音は「トゥルキイヤイ」である。

 5月17日、ギリシャ首相はワシントンを訪れ、ギリシャにもF-35を売ってくれと頼むとともに、トルコに「F-16 ブロック70」×40機を売ったり、既存の機体を近代化改修するのはやめてくれと注文した。エーゲ海の島と領海を巡って、トルコとギリシャは戦闘機を繰り出し合っている。

 5月12日、トルコ軍はシリア北部の50以上の町を砲撃した。クルドが率いるゲリラが拠点にしているので。
 この地域に関しては2019に露軍と米軍が停戦監視するという合意ができていたが、ウクライナ戦争でどちらの兵隊もいなくなってしまい、また、元通りになったのである。

 トルコはシリアの失業者を傭兵にして、クルド部隊を攻撃させている。そのクルド部隊は米国から支援されている。

 ※イスラエルのラファエル社が、ユーロサトリに出展している、第六世代の「スパイクNLOS」の発射車両のデザインがすばらしい。中型トラックの幌付き荷台の側面から、車体軸方向に沿ってではなく、車体軸の90度左方向に対して、複数の長射程対戦車ミサイルがつるべ射ちされるようになっている。発射直前に幌の左側をちょっとめくりあげるだけでいい。天蓋部分の幌はそのままだ。おかげで、上空のドローンからは、これがミサイル発射車両だとは、ミサイル照準中or誘導中であっても、まず気づけない。ここが重要だ。いまや、戦場はドローンだらけなのである。「中多」のような、どこから見てもミサイル発射車両でしかない外見では、厳重な対空擬装をする前に、目をつけられて先制破壊されてしまうだろう。車両の最高のステルス化策は、「外見の特徴」を極限まで殺すことに尽きる。上から見て、何の特徴もあってはならないのである。