みんな気をつけろ。結婚記念日を覚えていない女房はエイリアンのなりすまし。結婚記念日を覚えている亭主もエイリアンのなりすましだ。

 Derek Woolner and David Glynne Jones 記者による2019-11-15記事「Science, not fiction: modern batteries for modern submarines」。
   記者のウールナーには単著『コリンズ級潜水艦物語』がある。相棒のジョーンズは、最新型電池とその応用に詳しいジャーナリスト。

 豪州内部での潜水艦用電池論争。
 リチウムイオンは艦内火災の危険があるからダメだという代表はポール・グリーンフィールド。すなわち彼らは旧来の「鉛-アシッド」バッテリーを強く推す。

 だが豪州の次期潜水艦が登場する頃には、世界の技術情勢はガラリと変わっている。グリーンフィールドの主張はもう古すぎるのだ。

 自動車産業がリチウムイオン電池技術を牽引している。韓国の計画艦『KSS-3 バッチ2』は、リチウム電池のセルとして、BMWの電気自動車「i3」の最新バージョンの電池セルをそのまま流用する気だ。

 次。
 Matthew Cox 記者による2019-11-14記事「Army Tests Out Drone that Can Fire Grenades into Enemy Hideouts」。
   40ミリ擲弾を3発発射できるマルチコプター型ドローンを、米陸軍は公式にテスト中である。

 機体自重は14ポンド。飛行レンジは2マイル。3発の40ミリ擲弾を射出できる。

 地上からこのグレネードを発射するとせいぜい400mまでしか飛ばせないが、ドローンから落とすならば2マイルも届くわけである。

 遮蔽物の影に隠れている敵ゲリラを制圧する武器として、以前、米陸軍は、小銃型の25ミリ擲弾銃(弾丸は空中爆発する)を考えていたが、これは2年前に放棄された。その代わりに急浮上したのが、ドローンで擲弾を配達するシステムだ。

 このドローンからは、ベトナム戦争末期に開発されたM72対戦車使い捨てロケットLAW(無反動)も発射できることはすでに実験済みである。
 その取り付けは下向きに垂直で、敵戦車の真上にホバリングした状態から発射したという。

 LAWの径66ミリの新弾頭に、破片型も開発されている。炸裂すると4000個の破片が飛び散る。

 次。
 WILLIAM CUMMINGS 記者による2019-11-16記事「Return to sender: Turkish President Erdogan says he gave back Trump’s ‘don’t be a tough guy’ letter」。
     エルドアンは、先月トランプからもらった「タフガイになろうとするな」という手紙をゴミ箱に捨てたのではない。16日にそっくりそのままトランプへ差し戻した。


よほどの特異数字でない限り、結婚記念日を覚えている亭主なんていないよね。そして、よほどの変人でない限り、それを忘れている女房もいないんだ。この世界はおそろしい。

  SETH ROBSON 記者による2019-11-15記事「Marine pilot survived in sea for nearly 10 hours after deadly midair collision, smartwatch shows」。
    2018-12-26の深夜1時44分、日本近海で海兵隊所属のF/A-18とKC-130Jタンカーが空中衝突し、双方墜落。
 このときホーネットからベイルアウトした28歳の大尉が、「ガーミン・フェニックス3」というスマートウォッチを手首につけていた。それが遺体とともに回収されており、データが分析された結果、この大尉は摂氏20℃の海面で約10時間、生存していたことが分かった。その発表が2019-9-26になされた。

 なおタンカー乗員の5人も全員死亡している。F-18の後席の男は、ゴム筏で浮いているところを救助されて、生還。

 スマートウォッチは心拍データを記録している。パイロットは毎分86拍を刻んでいた。1時45分から洋上漂流を開始し、11時30分にその鼓動が止まった。したがって9時間と45分、水の上で生きていたと分かる。

 このパイロットの漂流遺体が海自の『せとゆき』によって揚収されたのは、12時22分であった。

 大尉の遺体には切り傷や打ち傷があり、頭部も負傷していて、死因はあきらかに溺死であった。

 大尉も、後席員も、耐寒スーツは着用していなかった。

 耐寒スーツは、パイロットたちからは好まれていない。着用すると痛いのだそうだ。だから危険な夜間訓練のときも、普段着でやっている。

 後席員は、エジェクトから4時間後の5時43分に海自のSH-60によって揚収され、「コマツシマ」へ搬送された。

 生存者によると、大尉はさいしょはゴム筏に乗っていたのだが、寒さに凍え、じぶんから海に飛び込んでしまったという。
 生存者いわく、寒い海上では50分以内に救助に来て欲しいと。

 なお岩国の海兵隊航空隊は、捜索救助能力は有していない。それはすべて海自に任せている。
 その決定は西暦2000年に第一海兵航空大隊長によってなされ、海兵隊の自前の救助ユニットは、他所へ転出した。

 海自は、事故の知らせがあれば15分で捜索隊を出せる。ただし、それはスタンバイをしていた場合で、予告なしで要請されたときには、出動までに2時間かかるという。

 事故原因のひとつに、海兵航空隊内での「処方薬」の誤用/濫用もあったようだ。クスリの管理が杜撰であったとされた。

 ※記事にはハッキリ書いてないが、どうやらアメリカさんは海自の出動がノロマすぎると考えているようである。

 在日海兵航空隊は、自前の捜索レスキュー隊を岩国基地内に新編するであろう。

 また、海兵隊航空隊と海自との間に、捜索&救助に関する覚え書きをとりかわすつもりであり、今、その文書作業にかかっている。

 4月には、海兵隊航空隊、空軍、海軍、自衛隊の4者による、捜索救難の机上演習も実施された。

 次。
 CDRSalamander 記者による2019-11-13記事「Let Kennedy be the Last President」。
    米海軍が初めて元大統領の名前を空母につけたのは1945末の『CV42』で、FDRの名であった。

 それから半世紀して『CV67』には、JFKの名が付く。
 さらに『CV79』にはまた『USSケネディ』と付ける。

 カーターの名前はSSNについた。LBJの名はズムウォルト級駆逐艦についている。

 およそ政治家は党派的なものだし、歴史は後から見直されもする。将来、敵国と戦争しようとする海軍将兵をその時点ではちっとも元気付けなくなるような、対敵通牒的もしくは愚劣だったかもしれない政治家の名前を、半世紀以上現役にとどまるかもしれない新鋭空母につけるのは、もう、やめよう。

 フォード級空母の三番艦には『エンタープライズ』とつけられる。これだよ。こういう名前が、海軍軍人の士気を高めるんだ。

 他の候補としては、ホーネット、ラングレー、レンジャー、ワスプ、キティホーク、コンステレーション、サラトガ、がある。こんなに使える艦名が空白となっているのに、くだらない政治家の名前なんか、つけるんじゃねえ!

 俺は『USSクリントン』とか『USS GWブッシュ』『USSオバマ』『USSトランプ』なんていう軍艦は、見たくはない。だがこの調子だと今から10年以内にはそれらは実現しちまうだろうな。

 次。
  Mark Harris 記者による2019-11-15記事「Ghost ships, crop circles, and soft gold: A GPS mystery in Shanghai」。
 中共は、上海周辺で、GPS撹乱システムを2018夏から運用中である。
   そのため商船搭載のAISが上海周辺では狂わされてしまう。危ないったらありゃしない。

 上海の自転車乗りたちが使っているフィットネス目的のスマホアプリも、黄浦江の周囲では不意に妨害されてしまう。したがってこれは対船舶には限定されていない。

 ※そのへんでDJIドローンを飛ばせば、回収不能になるわけか。かわいそうにな。

 この妨害電波は、河川警察や、海警の船艇も、無差別に妨害しているようだ。

 揚子江では、砂金とよばれている資源がある。川砂だ。1980年代からの建設ラッシュは大量の川砂を需要した。それを掘りまくった結果、橋脚や護岸が崩壊するまでになった。だから2000年に、川底の砂掘りが全面禁止されている。

 違法に川砂を掘るには夜がよい。夜の作業にはAISが不可欠だ。当局は、それを妨害したいのかもしれない。

 それにじつは揚子江にも「密輸船」が暗躍している。タンカーが石油をどこからか運んで来るのだ。それを海警が取り締まろうとして、夜間の衝突事故なども起きている。

 ※案外、フロッグマンの挺進偵察防止の実験かもね。


雪が降り始めてしまったけれども、ついに郵送が済んだ。

 H I Sutton 記者による2019-11-12記事「Japanese Navy May Have Gained Tactical Edge With New Submarine」。
       リチウムイオン電池が火災をよくおこすことは、サムスンのギャラクシー・ノート7で頻発した発火事故や、ロシアで14人が焼死した最近の潜水艦事故で周知だが、日本は敢えてそれを鉛バッテリーの代わりに新鋭潜水艦に採用した。

 各国の原子力潜水艦ですら、バックアップバッテリーは、「鉛-希硫酸」型なのである。

 なぜ日本はAIP(スターリング機関)を捨てたか。AIPはパワー不足なのである。水中で設計上の最高速力を出すためには、まったくパワーが足らないのだ。
 それに対してリチウム電池で回す電気モーターならば、水中で原潜並の高速を出すことも夢ではない。

 もうひとつのAIPの欠点。バッテリーに充電するための発電マシンとしても、出力が低すぎた。そのため従来のAIP潜水艦は、鉛バッテリーに充電するために、AIPとは別に通常のディーゼル主機も抱えている必要があったのである。

 三番目のAIPの弱点。液体酸素とか水素とか、潜水艦に内臓するには危ない物質と隣り合わせである。リチウムが危ないというなら、液体酸素だって危ないのだ。

 AIPと鉛電池をとっぱらって、リチウム電池に置き換えることができれば、メンテナンスの手間は激減する。同じ性能なら潜水艦を小型化できる。
 これは、ゲームチェンジャーである。

 次。
 ストラテジーペイジの2019-11-14記事。
    香港警察とは違う動きをする警察部隊。隊員の話し声は北支の方言であり、広東語ではない。すなわち、北支の「武警」(第二中共軍)が動員されて、香港警察に化けて香港に進駐しているのだ。

 香港警察は休日なしで連日12時間の上番を強いられており、士気は低下している。


もうすぐだ。もうすぐ書き上がる。

 STEVE BEYNON 記者による2019-11-13記事「Foreign agents are targeting veterans online, and Senate Democrats want answers」。
    20人の民主党議員が連名で、エスパー国防長官と、ウィルキー退役軍人庁長官に対し、書簡を送った。外国=ロシアのスパイ機関が、在米の〔主としてベトナム戦争従軍の〕元軍人たちに、オンライン経由でディスインフォメーション工作を展開しているのを、なんとかしろ、と。

 次。
 Joseph Trevithick 記者による2019-11-12記事「V-22 Ospreys Still At Risk From Sand And Dust As Navy Attempts Third Engine Filter Redesign」。
    オスプレイのエンジンは砂塵に弱い。砂分離器が、中東では力不足である。その最新リポート。

 次。
 ストラテジーペイジの2019-11-13記事。
    フランス政府のために暗号ネットを駆使してイランの内情をリポートし続けていた、民主主義を信奉するイラン人男。イラン政府にまんまとおびき寄せられてイラク領内で拉致され、イランへ連行されてしまった。「イスラエルのスパイ」としてテヘランのテレビが報道。

 インターネットでは渡せない情報がある、といわれて、その餌に食いついた。
 男は、かなりリッチな生活をしていた。情報提供の代金が収入だったと思われる。


対外宣伝は受け太刀だと無力。こちらから敵国を批難し続け、攻め続けないと……。しかしわが外務省にその才覚はゼロ。

 Niall McCarthy 記者による2019-11-11記事「The U.S. Military Is Experiencing More Cases Of Illness From Extreme Heat」。
      華氏100度は、摂氏37.8度である。今、米四軍の基地が、この華氏100度以上の気温にさらされる日数は、過去に比べて5倍に増えている。

 華氏100度を越えているときに、訓練とか作業をさせるのは、将兵を生命の危険にさらす。だからこれから数十年間、米軍は、訓練計画も作業計画も、抜本から見直さないといけないだろう。

 2018年に米軍の全現役将兵のうち延べ2800人が、熱中症で倒れた。そのうちイラクとアフガンに勤務していた者の率は67%である。
 2014年だと、熱中症は1851件。うち、イラクとアフガンの割合が48%だった。


なんでもあり は なんにもなし と同じ。

 Tyler Rogoway 記者による2019-11-9記事「Mysterious Laser Turret Appears On US Navy Destroyer USS Dewey」。
     アーレイバーク級の駆逐艦『USSデューイ』(事実上の武器実験専任艦)の艦橋の前にある、フライト2A改修型だと何も設置されずに空いている基台デッキ(未改修型だと近接自衛防空火器が据えられていた棚段)に、「オーディン」と呼ばれる、敵の光学センサーにレーザーでめくらましをかける最新型の自衛武器が搭載されている写真が、サンディエゴ軍港で撮影された。

 これは以前に同艦に試験搭載された、対舟艇用のレーザー砲「LaWS」などとは別モノである。

 オーディンは低出力のレーザーで、敵の電子光学/赤外線センサーを盲目化させる。

 次。
 Paul D. Shinkman 記者による2019-11-8記事「Russia Positioning Itself in Libya to Unleash Migrant Crisis Into Europe」。
    今週、NYTは、リビアに展開しているロシア人傭兵〔カネはモスクワが出しているので、事実上の影の露軍部隊〕をリポートしている。

 ウクライナ、シリアの次は、リビアというわけだ。リビアは、全アフリカ流民を西欧へ大量に流入させて社会を大混乱させてやる、その跳躍台とし得る土地である。プーチンはその可能性に言及した。

 遠くは、セネガルやソマリアからも、流民がリビア経由で欧州へ密入国を試みている。シリア難民の一部すらも、リビア経由での欧州行きを選べるのだ。

 傭兵は、悪名高いロシアのワグナー社。ロシア式ハイブリッド戦争の主役を務めてきた。

 次。
 Patrick Tucker 記者による2019-11-8記事「Russia Says It Used Autonomous Armed Strike Drones in a Wargame」。
     またしてもロシアの吹かし宣伝。
 9月の「ツェントル2019」演習にて、「オルラン10」という小型のUAVを、自律操縦によって、自爆攻撃させたとイズベスチヤを通じて発表。
 オルラン10は、自重15kg、ペイロード6kgである。

 この無人機は全部で2000機ほども製造されている。


誰も覚えていないWWI 休戦記念日。

 ストラテジーペイジ の2019-11-10記事。
   ロシアのFSB(旧KGB)の下請けをやっているTurlaというハッカー集団について、英GCHQと米NSAが合同で警告。
 ツーラはイランのハッカー集団APT34と密かにつるみ、イランの知識を利用して中東全域に対するサイバー工作に使っていると。

 ※APTは新型マルウェアの総称でもある。最近では「タージマハル」というのが知られた。

 ツーラとイランのつながりを最初に警告したのは、エストニアとチェコの公安当局であった。
 エストニアには2008年からNATOのサイバー防衛センターが置かれている。


キリシタン猫

 Courtney Linder 記者による2019-11-8記事「Army Creates Super Detailed Skull X-Rays in Search for a Better Military Helmet」。
    高感度X線撮像装置を使い、多数の、損傷した、あるいは無傷の米兵の頭蓋骨の、詳細なデータをビッグデータ化する研究プロジェクトが、米陸軍と米エネルギー省の合同で進んでいる。
 めざしているのは、そこから、最も無駄のない、軽量で安全な、理想的ヘルメットを設計するための基礎資料をコンピュータ・モデル化することにある。

 頭蓋骨を構成する骨片には、非等方性がある。非等方性の例としては、材木の木目がわかりやすい。材木の木目に沿ってナタで叩けば、それは簡単に2つに割れる。しかし木目に直交するように打撃すると、材木は強く抵抗できる。

 テラバイト級の画像ソースを集積することで、頭蓋骨について、その非等方性を細かく解明できる。外から加わったショックが、各骨の中をどのように伝わり、吸収され、または消散するのか。

 新型ヘルメットの採用や更新は、安直にできる事業ではない。NYTが2017に調べた数値によれば、現役の米兵は130万人もいる。予備役など自宅待機組がその他に86万5000人。この全員の生死に関わる変更となるのだから。


雨降っても傘ささない人、だ~れだ?

 答え。自衛官。

 次。
 IMMANUEL JOHNSON 記者による2019-11-8記事「All Marines now allowed to carry umbrellas, ending longtime ban」。
    正装や制服着用中の海兵隊員が、雨の日に傘をさしてもよくなった。初めて、公認された。
 傘は、黒無地でなくてはならない。

 女子の海兵隊員については前から例外として許されていた。

 ただし、迷彩服+傘は、これまでも、これからも、許されない。

 傘は、必ず左手に持つこと。さもないと敬礼できんから。

 次。
 ED McGrady 記者による2019-11-8記事「Getting the Story Right about Wargaming」。
   ウォーゲーム=対抗図上兵棋演習は、その参加者に、何を教えてくれるのか?
 人についてである。兵器や装備についてではなく。
 人の性格についてである。
 人の組織についてである。軍隊のシステムについてではなく。

 図上演習も、実戦と同じで、二度と同じ情況にも展開にもならない。常にユニークである。そのことを思い知るのが有益である。それが、リアルなのだ。

 次。
 Antonio Regalado 記者による2019-11-8記事「The world’s first Gattaca baby tests are finally here」。
    ニュージャージー州のベンチャー企業「ジェノミック・プリディクション」社が、とうとうサービス開始。
 11個の対外受精卵のうち、将来、病気(糖尿病、心臓麻痺、5種類の癌)発現の確率の最も低そうな1個をDNA解析によって前もって見極めて、それを選りすぐることができる。

 親は、凍結受精卵1個1個につき、分析結果のカードを渡される。そのカードの中から、親が、1枚を選ぶ仕組み。
 映画の『Gattaca』が現実になろうとしている。

 ただし警告もされている。そうやって選んだ受精卵が、非常に知能が低い人になる確率も2%ある。


そろそろタイヤ交換が必要。

 これをじぶんでやるためには市販の十字レンチは必須と思う。クルマに附属してくるL字型レンチだけではダメだ。なぜなら梃子の柄の長さが短いので、渾身の力でもなかなかボルトを緩められないことがある。まして体重が軽くて非力な女子だったならばどうなっちゃうんだという話だ。メーカーはあんなのでいいと思っているんだろうか? 信じらんないわ。

 次。
 Kosuke Takahashi 記者による2019-11-6記事「Japan launches second Soryu-class submarine equipped with lithium-ion batteries」。
 進水したSS512『とうりゅう』。AIPをもたず、ディーゼルで発電して、GSユアサ製のリチウムイオン電池に充電する。

 それ以前の『そうりゅう』型は、川崎のV型12気筒ディーゼルエンジンを発電用にもち、AIPとしてV型4気筒のスターリングエンジン(川崎-コックムス)ももち、鉛-希硫酸バッテリーに充電していた。

 次。
 Roger McDermott 記者による2019-11-7記事「Moscow’s Advances in Modernizing Military Communications」。
   露軍はこの秋、戦略レベルの指揮幕僚演習を実施し、露軍に導入が進む、最新の通信装備を試した。

 たとえば、新型のモバイル無線通信システムR-187P1E「アザート」。

 毎秒2万回、ランダムに周波数を変更することにより、NATO軍から電波妨害されないようにするモードも選択可能。
 周波数変更の幅はきわめて広い。
 携帯電話と直通できる他、GLONASS航法衛星をデータ通信衛星として駆使することもできる。

 毎秒7.2キロバイトのデータを送受できる。

 とうぜん、ハードウェア依存ではなく、ソフトウェアによってそれを実現しているので、たとえば戦争中に全軍の通信システムをアップデートして強化しやすい。こうしたトレンドは西側軍が先行して実現したもの。

 シリアで露空軍パイロットの通信を傍受していて分かったことは、緊急時にボイス通信をしたいときにその出力が足りず、基地に届かないという、現状の通信器材に対する不平があること。
 これもアザート系のシステムに更新されると、パイロットのボイス通信には洗練されたスクランブルがかかるだろう。