韓国式原発の燃料貯蔵プールは地上中層階にある

 CHAD GARLAND 記者による2019-6-20記事「Iran attack marks first known successful strike on high-flying Global Hawk drone」。
     RQ-4 グローバルホーク は、過去18年間、作戦飛行してきたが、初めて撃墜された。
 落とされたのは空軍のA型で、海上監視に任じていた。
 ※海軍が運用するC型「トライトン」ではないということ。
 グロホの価格は搭載機材にもよるが、最高で1億ドルする。
 空軍の人によると、高度は6万フィート。滞空は34時間。航続は1万5000マイル弱。これが最新の性能値。
 グロホの最初の墜落事故は2001にあり、いらい、すくなくも7機が事故で墜落している。
 2018-6にはスペイン沖で墜落し、それが8機目であるらしい。詳細は非公開。
 UAE内のグロホ基地は、アル・ダーフラである。すべて海洋監視特化タイプで、メリーランド州からやってくるらしい。
 今回の撃墜に使われたイラン製のSAMは、2014に公開されたもの。車両で路上を機動できる。対応できる高度は16マイルから19マイル。水平射距離は45マイル。同時に4目標まで対応できる。いずれもイラン国防省の報道部の公表値。
 イランは2011年に「RQ-170」〔カンダハルビーストと呼ばれたステルス形状のジェット無人機〕を撃墜・鹵獲した実績がある。飛ばしていたのはCIAだった。
 ※撃墜空域はフジャイラ軍港(第五艦隊分遣基地)の沖。タンカー攻撃もすべてそこに集中。イランはどうしても《米軍が先に手を出す》形で開戦にもちこみたいのだろう。そのための続けざまの挑発だ。
 次。
 Nasser Karimi & Jon Gambrell 記者による2019-6-20記事「IRGC Shoots Down U.S. Drone」。
      サウジアラビア20日発表。フーシは夜、サウジ領内の海水蒸留プラントに1発のロケット弾を発射したと。
 センチネルの撃墜は2011-12のこと。CIAはイランの核サイトを偵察させていた。基地はアフガン内にあった。
 ※貫通力実射実験のための「石鏃」を製作してくれる人を探しています。


都内か横浜近くの方で、ある実験企画のカメラ撮影を担当してくれる人を募集しています。まずご連絡ください。詳細をお話しします。

 JON GAMBRELL 記者による2019-6-19記事「US Navy expert: Tanker attack mine resembles Iranian mines」。
   第五艦隊の爆発物の専門家であるショーン・キド中佐。『国華カレジアス』から回収された破片や磁石をマスコミの前に示した。
 キドは強調した。『国華カレジアス』の損傷は、外部から飛来した物体によるものではない。
 『カレジアス』から回収された破片には、アルミニウムと複合金属が含まれている。
 米海軍の会見は、アブダビから210km北東にあるフジャイラ港で行なわれた。
 仕掛けられたリムペット機雷は、6個の永久磁石で船体にくっつけられる。そのうちの1個が現場に残留していた。イラン革命防衛隊が不発弾を回収するとき、その1個だけ残ってしまったのだ。
 この1個の磁石を船体から引き剥がすのに、米水兵はバールを使う必要があったという。
 円錐状の爆弾本体は、重さ90ポンド=42kg強。イラン革命防衛隊の息のかかった研究機関が製造しているものだという。
 このリムペット機雷をイランは、過去の軍事パレードで公開しているのである。一致は明らかだと木戸。
 爆発物をしかけたのが水線よりかなり上なのは、沈めようという意図がなかったからだ。
 検分したダメージは、飛来物によるものではない。リムペット機雷によるものである。
 指紋や手形も採取した。バイオメトリックから捜査が進むだろう。
 もう1隻のノルウェーの『フロント・アルテアー』も、『国華』と同じUAEの東海岸に現在繋留されているのに、そっちの調査がどうなっているのかについては、何の発表も無し。
 その前に5月12日に、4隻のタンカーが、やはりフジャイラの米軍軍港の近くで攻撃を受けている。これもイラン製のリムペットマインだったと分析されている。
 他方、イラク南部のバスラで19日、エクソンモービルの社員居住区にロケット弾(カチューシャ・タイプ)×1が着弾し、イラク人労務者3人が負傷。
 イラク国内には米兵5000人がいる。イラン系の民兵はそれに反発している。
 5月に米外交官のうち枢要でない人員はイラクから退避した。そのあとでバグダッドの米大使館の近くにミサイル1発が着弾している。
 次。
 Tom Rogan 記者による2019-6-18記事「New acting Defense Secretary Mark Esper is bad news for China」。
        マーク・エスパーは軍需産業界の業界人であった。そして対支の姿勢はマティスやシャナハンより強硬である。
 5月のアトランティック・カウンシルで吼えている。
 米陸軍が、中共近くの島々の上に、長射程の精密誘導兵器を保持することが緊要なのである、と。
 米陸軍の長距離ミサイルでシナ軍のSAMや艦艇を動けなくしてやる。それによって米陸軍は、米空軍と米海軍を助けることになる。
 次。
 Leo Shane III , Aaron Mehta , and Joe Gould 記者による記事「Five names to watch as Trump searches for his next defense secretary
      エスパーはレイセオン社のロビイストであった。
 いま56歳。湾岸戦争のとき、陸軍に所属していた。
 除隊後、ヘリテージ財団の幹部に就任していた時期もある。
 1998年成立のヴェイカンシー法、顕職空席規制というのがあって、ほんらい上院の承認が必要なポストが空席となっており、その職務を、代行の形で下位者が実質牛耳っているような状態を、大統領が無限に続けさせることはできない。もし大統領がエスパーを指名するなら、彼のDoD入りは政権発足時からで既に長いので、この規則により、上院の承認が得られるまで、ただちに現職を離れねばならない。


新マシン

 Julio Rosas 記者による2019-6-16記事「UK sending Royal Marines to protect ships after oil tanker attacks」。
        英国は、ペルシャ湾の英海軍艦艇と商船を警護するため、ロイヤルマリンズを同地へ派遣する。100人ほど。
 米民主党の連邦下院議員アダム・シフは、タンカー攻撃の背後にイランがいることは間違いない、と日曜日に力強く明言。
 次。
 Sydney J. Freedberg Jr. 記者による2019-6-17記事「Army Buys 9,000 Mini-Drones, Rethinks Ground Robots」。
     将来、米陸軍の小隊は、ブラックホーネットUAVを使う。
 米陸軍の中隊はすでにRQ-11レイヴンを使っている。
 米陸軍の大隊も、レイヴンを偵察に使っている。
 陸軍の旅団は、RQ-7シャドウを使ってきたが、発進にはカタパルト、回収には滑走路が必要で、こんなものはもう捨て時だ。2021にVTOL機で更新予定である。
 陸軍の師団はグレイイーグルを使っている。これも新型が企画されつつある。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-6-17記事。
    ロシアが2014にウクライナを侵略する前、米国は、世界の友邦地域軍にタダで配ってやるために、ロシア企業や中共企業から多数の旧ソ連規格の弾薬類を調達していた。
 ロシアが侵略国となった今、輸出商売の道は断たれたので、ロシアの弾薬メーカーは財務が苦しい。
 古いソ連時代のAK-47小銃用の「7.62×39」実包は、独特だった。まず、カートリッヂが真鍮ではない。鉄製だったのだ。また雷管も安物で、すぐに腐蝕する金属を使っていた。だから倉庫にこの弾薬を長期間保管することは危険だった。錆び始める前に撃って使ってしまわなくてはならない。
 まさに戦時量産向きの弾薬だったゆえ、平時にはとても困る。
 そこである時点から、真鍮製のAK用実包の需要が生じた。ロシアメーカーは設備投資してその需要に応えた。
 その最大の顧客が米政府だった。米政府が真鍮製のAK用実包をロシア企業から買い取り、海外の必要なユーザーに配ったのだ。
 ※まさか1980年代にアフガンゲリラに支給した弾薬はぜんぶソ連製だったとか? 共産主義者こそ、てめえの首を絞めるロープを綯って売ったのか……。
 冷戦後は、AK系弾薬の最大の供給者は中共企業になった。
 2015年から米国は、ロシアからはロシア規格弾薬は調達していない。
 2016年、米特殊作戦コマンドは国内の企業に対し、ロシア規格弾薬の製造を慫慂した。
 今日、ロシア企業でも中共企業でも北鮮企業でもない、旧ソ連規格弾薬の供給網を、世界規模で構築できているのは、オービタルATK社だ。ノースロップグラマン社系列。
 ソ連は他国のパテントを尊重しなかったけれども、AKに関して、いまさらのようにパテント権を主張し始めた。イズマッシュ社が権利を代表している。イスラエルに対してもガリルのライセンス料を支払えと言っているようだ。
 つまりそれだけカネに窮しているということ。
 ※そこでブーズアレンは、宇宙にレーザー砲を置けと提案し始めた。プーチンがしぶといのでもう一回SDIを仕掛けて打倒しちまえという肚だ。サイバーコマンドの長、ポール・ナカソネ大将は、大統領の許可をいちいち貰わずにロシアの電力インフラにマルウェアを送り込んで「報復」できるようになった。この後ろ盾はボルトン氏だ。南米の大停電にロシアが関与しているのかどうかが気になる。


防災ジャンプ

 Garrett Reim 記者による2019-6-4記事「Jordan military tries to sell off ‘knock-off’ Chinese drones」。
     ヨルダン王国の陸軍と空軍が、まとまった数の手持ちの航空機を売却したいとネットで表明。
 そのなかには、輸入してまだ間もない、中共CASC社製の CH-4B 無人機〔プレデターもどき〕が6機、含まれている。
 7月1日まで買い手の入札を募るという。
 同時に出品されたのは、エアバスC-295輸送機×2機、CN-235輸送機×2機、C-130B輸送機×1機、BAEシステムズのホークジェット練習機×12機、MD530軽ヘリコプター×6機。
 このヘリコプターは平均31年も飛んでいる古物のはずである。
 かたや無人機の方は2年前に買ったばかりで新しい。しかし2018-11にヨルダン空軍はメディアのインタビューに答え、その性能が不満であるので早くも解役を検討していると語っていた。
 米国がMTCR規制を厳密に適用するため、プレデターやリーパーは、すでにミサイル技術を有している国に対してしか輸出ができない。だから中東諸国はパチモンのシナ製にでも手を出すしかないのである。
 ※モチノキは東北中部より南でしか植栽できないと図鑑にはあるが、近所の川縁の陽当たりの良い場所にモチノキの雌木としか思えない古木が約7mの高さに聳えていて、毎年ヒヨドリの天国になっている。この時期に北海道で枝じゅうに赤実が観察されるような植物は天然では無いはずなので、たぶん内地から移入して植えられたものだろう。また、近辺に同類の樹木が見当たらぬことは、大きくなった成木は越冬できても、実生の幼苗は越冬できないことを示唆しているように思う。


タイヤ カツ

 Paul McLeary 記者による2019-6-14記事「Houthis Say US Reaper Drone Shot Down, Release Video, Pics」。
       2隻のタンカーが襲撃された翌日、イエメンのフーシは、紅海でSAMによってMQ-9 リーパーを撃墜したと発表。ビデオ映像付きである。
 ペルシャ湾の『コクカカレジアス』を護衛するため駆逐艦の『ベインブリッジ』と『メイソン』が向かいつつあり。
 いっぽう、ノルウェーのタンカー『Front Altair』の方は、イランの砲艇に囲まれている。
 ※イランはS-400も有しているが、さすがにイエメンへ密輸出はできまい。
 次。
 Anthony Cordesman 記者による2019-6-14記事「Has Iran chosen hybrid warfare?」
      ペルシャ湾からは、世界の3割の石油と、世界の3割の液化天然ガスが積み出されている。
 イランはタンカー航路の海底に機雷を敷設することもできる。
 ※オマーン湾沖がずいぶん深いのだとすると、オマーンにだけ出入りするタンカーには沈底機雷は利かないことになる。だから代わりに磁石爆弾を仕掛けて(あるいは「砲撃」も加えて)、GCCの誰も海運安全の聖域ではないんだということを強調したかったのか? しかし地図を見ると、アラビア海に出るまでは、ホルムズ海峡東海面はまだまだ浅いようなのだが……。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-6-14記事。
    米国が公開した、不発爆弾をタンカー舷側から剥がして持ち去るイラン小型ボートの映像。これは夜間に撮影された。
 イラン国内の政情は2017から反シーア特権デモが常態化し、不安定。
 ※イスラム教の一大特徴は、聖職者が婚姻して子孫を増やし、その子孫を教会監督とすることで堂々と《世襲の富豪一族》になりおおせること。教会を私的な蓄財手段にすることがおおっぴらに可能なのである。教会は税金も払わなくてよい。鎌倉時代以前の日本で奈良や叡山が憎しみを買ったのと似た構造。石油収入が社会に均霑されているうちは、庶民は特権には目をつぶる。不況と経済制裁に直面すると、庶民は特権を許せなくなる。寺院は特権を防衛するために僧兵を養う。これがイラン革命防衛隊。武闘を経ずして彼らが特権を放棄することはない。


船の水線上に吸着させる爆薬は、ただの「磁石爆弾」にすぎない。ありふれたテロ道具ではないか!

 自動車に乗ったイランの核技師を爆殺するために、イスラエルの工作機関員が、通勤途上で信号待ち中の乗用車に後ろからオートバイで近づいてさりげなく貼り付ける、短時限爆弾。そのタイプの大型版に過ぎぬとは、恐れ入った話だ。あれのどこが「リムペット」じゃ? 米軍の道路破壊用の成形炸薬に永久磁石をとりつけたというレベルだ。地場のテログループが、特攻自爆ボートで死ぬ若者をリクルートできなくなったのが背景なのか?
 しかし今回の事件は、テロ勢力に新ヒントを与えた。
 標的とする艦船に小型ボートで近づき、船体の中央部よりも前よりの、水線上に「改良型電磁石爆雷」を貼り付ける。10分以内に電磁石の電源電池が切れて爆雷は水中へ落下。水圧センサーにより、深度7~10mまで沈んだところで轟爆する。水圧の力も加勢してくれるので、水線上の密着爆発よりも、標的艦船に与えるダメージは大きくなる。成形炸薬でなくとも、大型タンカーの船底の外板には破孔が開き、多重区画のおかげで油漏れこそしないが、航海は続行し得なくなり、長期のドライドック入りを要する修理の費用と逸失利益は巨額に……。つまり海運会社と荷主と保険会社にとっては、とても痛い。
 「磁石爆弾」と違い、必ず水中に落下する仕組みだから、万一不発におわっても、物証が米軍に確保され難い。
 かつまた、IED対策用の「妨害電波」も、この仕組みならば、無効であろう。
 船員が、舷側にこいつが貼り付けられているのを発見しても、竿でつついて落としてやるわけにはいかない。なぜなら落水後の水圧が起爆の引き金になるからだ。爆発前でも、急いで船から総員退去する他にない。したがって、二、三度、ホンモノが使われた後では、《フェイク爆雷》も流行する。
 西側各国の「消防艇」には、これから新工夫が必要になる。未発の磁石爆弾(または電磁石爆雷)をケミカルタンカーの舷側からこそげ落としてやるための「ウォータージェット」だ。鉄板も切断できるやつだ。
 消防艇から長いホースでつないだ、小型の無人水上ロボット船を、対象船の舷側まで派出し、ロボット船に装備された噴射ノズルを本艇から遠隔操作して、細い強力な水流を下から接着面に当て、剥がし落とす。
 舷側下には「浮き」のついた網を張り、落下した爆発物をキャッチする準備をしておくことは、無論だ。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-6-14記事。
    フーシがサウジのアブハ空港に向けて5機の爆発物搭載のUAVを放ったが、すべて撃墜された。
 イエメンでゲリラが放っているミサイルやUAVはイラン製であると、国連も認めている。
 イランは5月からタンカーの運航妨害を開始した。
 5月15日にペルシャ湾で4隻のタンカーが小被害を受けた。これは、訓練用の魚雷を使って、敢えて大破をさせないように狙った可能性が考えられている。
 6-13の2隻は、爆発が起きたのが、ペルシャ湾のすぐ外。オマーン湾。
 オマーン湾は急に海が深くなるので、海中に沈んだものは証拠として拾われ難い。
 これがペルシャ湾内だと、水深が浅いので、UUVで海底を捜索させれば、大抵の物証は見つけ得る。魚雷なのか機雷なのか等。
 イランの動機。
 イランの宗教独裁政権は国民から不人気なので、米国やアラブ湾岸諸国政府との間の国際緊張を起こすことで、自国内世論をひとまとめにしたいと念じている。
 世界があまり平和だと、民衆によってイラン政府は打倒されてしまう。それが困る。
 米国の経済制裁のおかげでイランは原油を輸出しにくい。ペルシャ湾でタンカーが攻撃されると、この海域に入るすべての商船の保険料が値上がりする。しかし貿易がとっくに縮小してしまったイランには、それによるダメージは少ないのだ。
 6月12日のフーシによるアブハ空港(サウジアラビア南西部)攻撃は、建物を直撃しているので、弾道ミサイルではなく、巡航ミサイルを使ったことが確実である。複数発が命中した。
 入院した人8人。その場で手当てを受けた人18人。
 穴の空いた天井は、すぐに塞がれたという。
 シーア派ゲリラが巡航ミサイルを用いたのはそれが初めてではない。2017-12に、UAE内の原発建設工事現場に、巡航ミサイルが着弾している。
 しかしUAEはその攻撃事態が無かったことにしたいようだ。厳しく報道規制されて、ニュースにはならなかった。
 2017-12-3に、複数発射された巡航ミサイルの1発が、途中の砂漠に落下している。その1発は、UAEまで届かなかったのだ。
 フーシが手にしている巡航ミサイルとは、旧ソ連のKH-55空中発射巡航ミサイルを、冷戦後にイランがコピーした製品である。
 イランは2001年以降、ウクライナからこれを調達できた。そして2005年までにリバースエンジリアリングして、地上発射型の巡航ミサイル「ソウマー」を国産した。
 2000km飛ぶと宣伝されたものである。
 2019年にイランは、「ソウマー」のアップグレード型として、さらに信頼性を高めた「ホヴェイゼー」巡航ミサイルを完成する。レンジは1300kmだという。
 オリジナルのKH-55は、全重1.6トン、長さ6m、径514ミリ。小型のジェットエンジン付き。要するに米国製トマホークをソ連が模倣したシロモノ。1981年から製造された。
 イランからイエメンに武器を届けるとき、3トン以上ある弾道ミサイルは船に隠し難いが、このサイズの巡航ミサイルなら、どこにでも隠せる。もちろん、バラバラにして輸送するのである。
 シリアの内戦でも、イラン製巡航ミサイルは使われている。
 アブハ空港での破片残骸を集めて解析すれば、その製造元は判明するだろう。
 6-9にもフーシは無人特攻自爆UAV×2機を、サウジのジザン空港へ向けて放ったが、いずれも探知され撃墜された。
 5-14、フーシは複数の爆装UAVを使い、紅海の石油積み出し施設に通ずるパイプラインのポンプ・ステーション2箇所に突っ込ませた。炸薬量が少なかったのでほぼ損害がなく、石油輸出は阻害されなかった。
 ※サウジと米国を挑発したくてイランは必死、というところか。


吸着機雷の不発弾が物証として押さえられた。これでイランと戦争だ。

 JON GAMBRELL 記者による2019-6-13記事。
 この報道の段階では、2隻のタンカーがどんな兵器によって攻撃されたのか、不明。
 5月に米国は、イランが吸着機雷を使って4隻のオイルタンカーをUAEのフジャイラ港沖で攻撃したと非難していた。
 イラン外相は、もちろん木曜日のタンカー攻撃への関与を否定し、このタイミングが疑わしいと言った。日本の首相がイランの最高アヤトラとテヘランで面談したのが同じ日なのである。
 1987年から88年まで、イランとイラクは「タンカー戦争」を続けた。そのさいイランは機雷を撒いている。米海軍はその折、危険海域でタンカーのエスコートを実施した。
 一報に反応し、原油市場価格のベンチマークである「ブレント」は4%、値が上がった。※ここひと月ほど、ペルシャ湾で「米 vs.イラン」の戦争が始まるのではないかと懸念されていたので。
 攻撃は現地の「夜明け」の時刻に起きた。イラン南岸からは25マイル離れている。
 ※吸着機雷は、破壊対象艦船が港湾に停泊中に、フロッグマンによって吃水線下に仕掛けるものである。タンカーが動き出すと水流によってミニプロペラが回って安全装置が解除され、港を出たはるか後で轟爆する。したがって爆発原因が何なのか、すぐにはわからないのである。犯人も特定し難くなる。しかし一般に、炸薬量は、フロッグマンがなんとかできる重さにすぎないので、大型タンカーを撃沈するほどの力は無い。とはいえ今回、1隻に複数個を吸着させていることがハッキリした。数が多くなれば、最悪、沈没もあり得る。
 1隻はノルウェーのタンカー『Altair』で、UAEからナフサを積み取って台湾へ向けて航海中。
 この船から救難要請無線が発せられた直後、こんどはサウジとカタールからメタノールを積み取ってシンガポールへ向かって航海中の日本の『国華カレジアス』からも救難要請無線が。
 米第五艦隊の駆逐艦『ベインブリッジ』が現場に向かっている。
 ノルウェー・タンカーを運航している会社「フロントライン」によると、タンカーの乗組員は、ロシア人、フィリピン人、ジョージア人など23人。全員、付近にいた『ヒュンダイ・ドゥバイ』という船に移乗した。
 『コクカ』の運航会社であるBSMシップマネジメント社によると、乗っていた21人のフィリピン人たちは全員、『べインブリッジ』に移乗した。
 ところがイラン国営テレビは米セントラルコマンドがそれを発表するより先に、44人の水夫たちがイラン南部ホルモズガーン港に移されたと報道し、話が食い違っている。
 APが、世界の船主で作っている大きな協会「BIMCO」の安全担当の人に尋ねたら、攻撃に使われた兵器は機雷ではないかと。
 魚雷ではないだろう。魚雷ならもっと破壊的だから。ボートで運搬したIEDかもしれないし、吸着機雷かもしれない――と。
 一人の米政府オフィシャルいわく。『Kokuka』を損傷させた兵器はイランの機雷だ。先月にUAE沖でタンカー複数を攻撃したのと同じだ。
 イラン、オマーン、UAEに接する海面はとても広く、夜間は月光しか照明は無い。小型舟艇は夜間であれば、気づかれることなく、簡単に大型貨物船に接近することができるのだ。
 港にも平時から漁船やプレジャーボートも含めて大小無数の船舶が右往左往しているので、その1隻ごとにいちいち監視などしていられない。
 イランは重水も製造しているが、米国の経済制裁により、それを輸出することはできない。
 日本の経済産業大臣は、タンカーは2隻とも日本と関係がある荷を積んでいたと語った。その詳細説明は無し。
 水曜にロウハニ首相と会談したあと安倍は、ワシントンとテヘランの間で緊張が高まっている中、偶発的紛争は防がなくてはならないと語った。そのメッセージの数時間前(夜明け前)に、イランが後援するイエメンゲリラのフーシがサウジアラビアの空港に地対地ミサイルを命中させ、到着ゲートで26人を負傷させた。
 ハメネイのウェブサイトによるとハメネイは安倍にこう言った。もし我々が核兵器を製造しようと計画していたら、米国は何もできなかっただろう。
 次。
 ビジネスインサイダー Ryan Pickrell 記者による2019-6-13記事。
   米海軍は、『Kokuka カレジアス』から、未発の吸着機雷を発見した。
 発見者は駆逐艦『ベインブリッジ』(アーレイバーク級)のダイバー。
 先月イランは4隻のタンカーにこれと同じリムペットマインを仕掛けて爆破している。
 ポンペオの声明。あの周辺にいるゲリラ風情に〔ハイテク機材である〕吸着機雷は使えない。※つまり、犯人はイランである。


鎧の小札の鉄板の厚さをマイクロメーターで測ったことのある人、ご連絡ください。

 ストラテジーペイジの2019-6-12記事。
 2015年から18年までの北鮮内での公開死刑は300回以上あった。そのうち少なくも19回は、一度に10人以上が銃殺されたものである。
 公開処刑執行の前に、見物人は金属探知機にかけられる。スマホで撮影させないための用心だ。
 中共だと処刑銃殺はたいてい、スポーツ・スタジアムで執行される。罪人の後頭部に拳銃弾を1発。その屍体はちゃんと遺族に返してくれる。
 しかし北鮮では荒野にて小銃で真正面から射殺し、遺骸は死体捨て場に遺棄されて、家族には引き取らせない。
 6月1日、シンガポールにて米国務長官は王毅に対して奇襲的に、32ページからなる、支那人が経済制裁を破って北鮮に禁制品を持ち込んだリストを手渡した。証拠写真およびテクニカルデータが付随したものである。
 5-27に判明したこと。中共は、PC用の独自OSをLinuxから作る。この事業には、ロシアと北鮮のエンジニアも協力する。
 中共の希望としては、工場で使っているルーターのOSも、米国製依存から脱却したい。
 ※この延長線上にファーウェイ5Gスマホ用の新OS開発がある。基本OSと基本チップが米支でまったく別体系となれば、中共圏のデジタル鎖国は完成だ。その結果がどうなるのかは、拙著『米中AI大戦』を見て欲しい。
 次。
 Karen Hao 記者による2019-6-12記事「Deepfakes have got Congress panicking. This is what it needs to do」。
     ドナルド・トランプと、その政敵のナンシー・ぺロシ下院議長の評判を落とすためのフェイク加工ビデオが大量にネット上に出回っている折、先週、AIで合成したマーク・ザッカーバーグの偽動画がインスタグラムにアップロードされた。親会社であるフェイスブックは健気にも、この投稿を削除することはないと表明している。※フェイクであると示すフラグは貼付する。
 2020年に大統領選挙がある。有名人の顔だけ借りたディープフェイク動画の作製はますますたやすくできるようになった。その趨勢は加速中だから、外国人が米国の政治を左右するための偽動画投稿がこれから波乱を呼ぶことだろう。
 対策の法案がいくつか考えられている。技術的に解決しようとする試み。加工動画には必ず「ウォーターマーク」(透かし模様)が自動的に入るようにするというのではどうか。
 別の案。動画視聴者が簡単な操作で、加工動画かどうかを判断できるような識別ソフトを、SNS会社が置いておけばいいんだと。
 2週間前サムスンは、1枚の写真だけから、動画ビデオを合成できる技術を発表した。今週、某大学と某企業は、タイプしたテキストを、他人の声で自在に語らせることのできるソフトを実演した。
 グーグル社は、ある投稿ビデオの素材になっている動画は何なのかを簡単に視聴者が捜索できるツールを開発すべきだろう。
 次。
 JOHN VANDIVER 記者による2019-6-12記事「Army extends single soldier tours in Europe, Japan to three years」。
     米陸軍は、独身兵が欧州または日本に駐留する場合、これまでその期間を2年としてきたが、3年に延長する。カネを節約するため。6月14日以降に赴任を命じられる兵から適用になる。
 次。
 BRYAN LOWRY 記者による2019-6-12記事「Some military women miss out on maternity leave. A lawmaker’s bill aims to end that」。
    2016年以降、米軍の現役女子将兵は12週間の有給の産休を貰える。ところが州兵や予備役兵にはこの恩典が与えられていない。だから訓練召集と0歳児の世話とどっちを選ぶかで大ジレンマに……。訓練召集に応じないとその分の給料は貰えず、また、軍人恩給(退職年金)の発生する時期も遠ざかってしまうので。


沖積平野の地上に施設一切を露顕式に設けようなどという考え方がすでに軍人としてアマチュアなのではないか。

 Yaacov Ayish 記者による2019-6-11記事「The Underground Arms Race in the Middle East」。
        ガザのテロリストがトンネルを秘密の通路や出撃基地に使うようになったのは2000-9末からだった。爆発物の隠し場所としても多用された。
 イスラエル軍はガザ地区から2005-9に撤収した。
 2007-6にガザ内で武闘があり、ハマスがファタハから支配権力を奪った。
 イスラエル軍がガザの占領を解いたのは「アイアンドーム」でロケット弾を叩き落とせると信じられるようになったから。
 しかし相手は、トンネルを使った越境奇襲テロをますます重視するようになった。
 2006-6に、イスラエル軍哨所に対する最初の大胆な奇襲が、ハマスによりトンネル経由で実行された。イスラエル兵2人死亡。
 このとき1名の軍曹が拉致された。その交換に、5年後、1027人のパレスチナ人囚人が釈放された。
 2014年に印象づけられたこと。ハマスのトンネルを主用した対イスラエル攻撃は、他のあらゆるテロ攻撃手段(ロケット砲撃、無人機空襲……etc.)よりも、効果があるではないかと。
 なにしろ、今や地下のトンネルネットワークが白アリ級で、いくら潰そうとしても、大半は探知すらできないのだ。その恐怖はガザ地区に近いイスラエル南部の住民だけでなく、北部大都市にも伝播し始めた。というのは、もしレバノンのヒズボラが、ハマス戦術をそっくり模倣したなら、どうなるのだ?
 国連安保理は、リタニ川より南のレバノンにはレバノン正規軍と国連平和維持軍しか所在してはならぬと決めている。2006の第二次レバノン戦争後に。
 しかし地下トンネルを使えば、ヒズボラはリタニ川境界をどんどん越えられる。
 ※第二次レバノン戦争でヒズボラの地下陣地がどれほど優秀であったかについては、拙著『日韓戦争を自衛隊はどう戦うか』を、ご一読くだされたい。
 2012-8にヒズボラは本格演習を実施した。地下トンネルによってイスラエル領内を一斉奇襲し、国境の哨所多数を同時急襲するという内容だった。
 ※ハマスやヒズボラの地下トンネルについてイスラエルの情報収集組織すら匙を投げつつあるということは、イラン本国の核爆弾も、工場からはずっと離れたトンネルのどこかに隠されるであろうことを示唆する。それを破壊することは先制核攻撃に訴えたとしても不可能だ。場所が絞り込めないのではどんなイールドでも無効だから。中共の核弾頭と北鮮の核爆発装置、あるいは北鮮の指揮所も、同様であろう。したがって米空軍が開発させている地下侵徹爆弾にも、大したことが期待できぬ。とうぜんなことに、日本の地ージスも、ABM弾庫と指揮所は無人の山岳帯内に大深度地下構造として秘匿し、レーダーのみ山頂に暴露させるというのが筋なのである。大深度といっても日本は砂漠乾燥圏ではないから、山の中腹以上に坑道を掘らなければ、重力排水ができず、浸水で自壊するだろう。
 2018-12にイスラエル軍はヒズボラの地下トンネル網潰しの大作戦を実行した。
 これらのトンネルはすべてが常時活性状態にあるのではなく、奇襲開戦を計画した日付から数週間前までは放置されているので、わかりにくい。※乾燥気候帯であるおかげで、何年も放置していても浸水しない。38度線だとそうはいくまい。
 次。
 Jen Judson 記者による記事「Active protection systems demo hits dead end for Stryker, Army evaluating next steps」。
       米陸軍は個車自衛システムAPSをすでにM1戦車とブラドリー装甲車には採用したがストライカー装甲車用が未だだった。
 そのストライカー用のAPS2機種をテストした結論が出た。どちらも失格と。
 ストライカー用にテストされていた2候補は、イスラエルのトロフィと、ラインメタル社製のもの。
 その前にヴァジニアにある米国メーカーもアイアンカーテンというAPSをストライカー用に提案していたが、早々と2018に不採用決定されていた。
 トロフィはM1戦車用に先に提案されている。アイアンカーテンはブラドリー用に先に提案されている。
 ストライカー用に有望そうなのはハードキル方式ではない。レーザー光を感知したらスモークを発射するようなソフトキル方式。


イキリかえってペコりんこ

 ストラテジーペイジの2019-6-10記事。
    2003年に米陸軍のペトリオットが友軍機を2機、撃墜してしまった。どうしてそうなったか。
 こちらに向かってくる飛翔物体が、イラク軍のSSMなのか、帰投せんとする友軍の有人機なのか、ペトリのソフトには見境がつかなかった。
 友軍機のIFF信号は米軍のペトリには不感であった。そしてペトリのSSM迎撃モードはクイックリスポンスが必要なので全自動だった。そのため友軍機はSSMと誤認され即座に撃墜されたのだ。
 1991の湾岸戦争では、米軍のペトリは、友軍のごく近くからのECMによって干渉された。多国籍軍の合同作戦では、かつて近接して演習したことのない友軍と異常に近接することになるので、未経験の電子トラブルが起きるのだ。
 自軍の軍種間でも実戦になるとトラブルが発生する。
 1991に、北行する米軍機は、敵支配地の真上に達する前に、対SAMのジャミング・システムが正常に作動するかどうかのテストをすることが手順となっていた。
 ところがそのテストがちょうど味方陸軍のペトリ部隊の上空でなされたものだから、ペトリのソフトは、そのECM発信源は敵機であると認定してしまうのである。
 このケースでは手動での手順が噛んでいたので誤発射は回避された。
 対砲兵レーダーの場合。
 これまでさんざん改善を続けているのだが、いまだに、「誤報・誤探知」をなくすことができない。
 しかしこれは、「不探知」のまま敵砲弾が着弾してしまう事態よりはマシだろうというので、許容されているのだ。