お詫び:新刊『米中「AI大戦」』の写真キャプションの間違いについて

 129ページの写真キャプション。「防災用に提案されている国産のマルチコプター型テザリング・ドローンの例。」とありますのは、「防災用に提案されているマルチコプター型テザリング・ドローンの例。」に修正をしてくださるようにお願いを申し上げます。
 この写真のドローンは、米国マサチューセッツ州ボストンのベンチャー企業、サイファイ・ワークス社が米軍と共同開発した製品で、「PARC」といい、国境警備に導入されているそうです。日本国内では「田中電気」が代理店になっているとのこと。
 国産ではありませんでした。ご迷惑をおかけした関係各位にお詫びして訂正をいたします。
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 PATRICK MARTIN 記者による2018-12-15記事「Could China squeeze the US out of its only permanent military base in Africa?」
    ジョン・ボルトンによると、ジブチ唯一のコンテナ港「ドラレ・コンテナ・ターミナル」が中共資本に買収されようとしており、それが実現すると、米空軍のジブチの基地も補給を受けられなくなるので、米軍はジブチから出て行くしかないという。
 ジブチの面積はNJ州より小さい。人口は100万人に足りない。紅海南端の立地は他に代替不可能。
 スエズとアジアの間を行き来するすべての船舶がその目の前(バブエルマンデブ海峡)を通る。
 9-11テロ以降、ここにあった仏外人部隊の基地が米国から注目された。イエメンやソマリアのテロリストの立ち寄り中継点にジブチがなっているので。
 基地の飛行場は、ジブチ唯一の国際空港と共用である。
 米軍はこの基地から今年だけでも32回の空襲(無人機)を発起し、1月1日からの爆殺(ソマリアのアルシャバブ・メンバー)トータルは254人である。
 ちなみに2017年の実績は150人。
 10月、国防総省は、ジブチの滑走路を最大の戦略輸送機が利用できるように2億4000万ドルかけて拡張すると発表。
 オバマ政権は2014年に、30年間、毎年6300万ドルの借地料を払うというリース契約をジブチ政府と結んでいる。
 そこへ中共も巨額インフラ・ローンで割り込んできた。
 ジブチの対外債務は2014から雪ダルマ状態。中共からローンを受けたので。
 また中共軍は2017にドラレ多目的港の近くに基地を借りた。
 ドラレコンテナターミナルは2008に運開。もともとUAEの一企業とジブチ政府のJBだったが、ジブチ政府がJBを解消し、9月に国営化していた。
 同政府にいわせると、ジブチ人の事業家が、UAE企業から買収されて不利な契約を結んでいたのだと。
 ところが国際仲裁裁判所(英国)は2016に、この事業家には非がなかったことを裁定した。しかしジブチ政府はそれには従わずに、あらためて港の権利を中共へ売り渡そうとしているわけだ。
 同港はエチオピアにとっても重要な輸入港であるので、中共がエチオピア経済の安全も左右できることになる。
 この問題への注意を喚起したのは、民主党・デラウェア州選出のクリス・クーンズ上院議員と、共和党・フロリダ州選出のマルコ・ルビオ上院議員。二人は連名で、ポンペオ国務長官とマティス国防長官に宛てて書簡を送った。
 下院軍事委員長のマック・ソーンベリー(共和党・テキサス州)は、アフリカの角などを視察していて、やはりこの問題を重視している。
 元アフリカ連合大使だったルーベン・ブリゲティいわく。あと数手で詰みだと読めているチェスの試合のようなものだ。米国が今これを座視すれば中共が確実にアフリカを支配するだけだ。
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 Will Knight 記者による2018-12-14記事「These incredibly realistic fake faces show how algorithms can now mess with us」。
    数名分のセレブの顔を合成してユーザーの理想の顔写真をこしらえる技術が、途方もない完成度。GANという。Nvidia 社がつくった。
 これも、「アラ探し指摘役のAI」と「創作画家AI」とを対決させる技法の応用により、可能になったもの。
 この世に存在しない顔なのに、実在するとしか思えないレベルのクロースアップ写真になる。
 「フェイク・セレブ」の時代がやってきたのだ。
 お好みとあらばニキビを追加してもよい。
 その創った顔を、笑わせたり、加齢させることも、スーパーリアルに可能。
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 Michael Peck 記者による2018-12-15記事「The Air Force Has a Plan to Stop Navy-Killer Missiles」。
      レーダーピケット艦の役割を果たす小型のロボット・ボートを海に放とうというアイディアが空軍から出てきた。
 シー・スキミング巡航ミサイルを早期探知するため。
 ボートのサイズは手漕ぎ舟相当にするという。
 10フィート×2フィート。全重100ポンド弱。
 スウォーム・ピケットだ。
 これができれば、人の乗った軍艦からはレーダー波を出さずに済む。
 特に対策しなければならないのは、ロシア製のジルコン巡航ミサイル。海面スレスレをマッハ5で飛んでくる。


FSX騒動の真相がようやく呑み込めた新刊『主任設計者が明かすF-2戦闘機開発』に拍手。

 並木書房さんから出た快著。故人である三菱重工の神田國一氏の遺稿が陽の目を見た。
 T-2の主脚扉が飛行中になぜか吹き飛んだ事故。亜音速であってもエアインテイク回りから衝撃波が生まれることがあり、その反射のせいだと見当がついて、対策した。その20年後、FS-Xのためフォートワースで初めてF-16の実機を見せてもらったら、その脚扉には、明らかにはるか昔、同じ経験をして対策をしていたのだと思しい意図的なデザインが……(pp.46-7)。
 この下りに鳥肌が立つ。FS-Xは共同開発とはいいながら、GD社から日本側へは、「試験結果を含まない」資料だけが渡されていた。
 それはどういう意味なのかと想像すると、過去のいろいろな飛行機の開発と運用を通じて、米メーカーも米軍もいろいろな事故を経験している。それは「ネガティヴ・データ」集だが、それこそが米国のもつ知的財宝である。その安全対策として、長年、新しい試験項目がたくさん追加されてきたであろう。その試験項目が具体的に分かってしまえば、経験のない外国人技師たちにも、過去に何が原因でどんな事故が起きたのかという想像がついてしまう。それこそ、貴重知財の流出だ。だから「ネガティヴ・データ」独占のアドバンテージを守るために、試験結果(というより試験項目)を教えられないのであろう。
 しからば今の中共はサイバー・ハッキングによってこの「ネガティヴ・データ」を米国から盗取できているか?
 それはとてもできそうもないことも本書から分かるのだ。
 フォートワースでは、細部の技術的な資料は、「GD社の資料」としては整理はされていない。デジタルファイル化がされていないのだ。なんと、紙束、「ジャンク・ファイル」の状態で、属人的に、特定の技術者個人が、抱え込んでいるのだ(p.97)。
 どんなオンライン・ハッカーも、これを盗み取ることはできまい。
 それならば、シナ人スパイがGD/LM社員となって現場に潜り込んだら、技術は盗めるだろうか?
 それも無理であろうと察しがつく。
 GDの設計チームは、ひとりひとり、専任する仕事内容が異常に細分化されていて、隣の技師の担当業務には、誰も決して首を突っ込まない。仕事の境界を厳密に守る。「一人一芸」の集合体なのだ(p.87)。
 だから、もし支那人スパイが正体を隠してLMやボーイングの正社員となりおおせて米軍用機の開発チームに参加できたとしても、そこで何年勤続しようが、ついに「一芸」に関してしかノウハウは蓄積できぬわけだ。その知識をもって帰国しても、軍用機開発プロジェクト全体の指揮官は務まらぬわけである。
 マンハッタン計画が外に漏れなかったのも、隣の部門の所属技師と「交流」することが厳禁されていたからだった、という話を思い出した。
 FS-Xは日本にとって得だったのか損だったのか? 隔靴掻痒&的はずれなマスコミ論説ではモヤモヤ感が拭えなかった真相が、本書でハッキリする。
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 ストラテジーペイジの2018-12-14記事。
    11-25~12-7のNATO演習で米軍のLCUがアイスランド沖の悪天候のためえらい目に遭った。
 フィリピンにはしょっちゅう台風が襲来するので、新人パイロットを育成するのに必要な年に150時間のフライトがなかなか確保できない。
 ※空自がこの比軍パイロットのための訓練場を提供するべきである。実績のある海自の徳島基地でもいいだろう。なんでわが政府にはそういう発想ができないのか。有事には自衛隊機が比島に疎開できる。もちつもたれつだ。
 北鮮はSWIFTへのアクセス権を失っている。
 密輸を止めないのでその制裁として。つまり銀行間の国際決済ができない。
 孟晩舟が逮捕されたのも、SWIFTからはじきだされたイランの苦境を中共企業が助けようとした容疑である。これから北鮮はロシアの密輸業者に頼ることになるが、そのロシア人は国外において孟晩舟のように逮捕されるリスクに怯えねばならない。
 SWIFTが使えない以上、外国の港湾で北鮮の貨物船船長が現金を前払いすることによって64万1000トンの食糧を輸入しないと北鮮は来年、また餓死の巷に戻る。しかしたぶんそんな現金はない。
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 Robin Wright 記者による2018-12-13記事「The Loose “Shoot and Scoot” Missiles and the Threat to Aviation」。
        シリアでは反政府ゲリラがMANPADを使って露軍のスホイ25を1機撃墜している。イドリブ県で2月に。パイロットはイジェクトしたが地上で殺された。
 1978年にMANPADSでターボプロップの民航機が撃墜された事件があった。場所はローデシア。
 民航機がMANPADSで撃墜された初ケースであった。その5ヵ月後、またしてもローデシア航空の旅客機がMANPADS(man-portable air-defense systems)で撃墜された。
 肩射ち式対空ミサイルである。
 米国務省の特別班はこれまで39000基ものMANPADSを30ヵ国の闇市場から回収したという。
 それでもまだ世界で72以上のゲリラ・グループがMANPADSで武装している現実は変わっていない。
 1975年いらい、50機以上の民間航空機に向けてMANPADSは発射され、結果として世界で28機が撃墜されている。
 ただし南北アメリカ大陸に限っては、未だMANPADSが民航機に対して発射されたという事案は1件も報告されてはいない。
 1994年、タンザニアでの和平会議から戻る途中のルワンダとブルンディシの大統領が乗った航空機がMANPADSで撃墜され、それがルワンダにおいて50万人のジェノサイドを発生させた。
 2002年、アルカイダ系のゲリラが、ケニヤのモンバサ空港の近くで2基のSA-7(ストレラ2)を、イスラエルのチャーター旅客機(Bo757、乗客260人)に向けて発射し、ジープで逃走。ミサイルは2発とも外れたが、ケニヤ観光はしばらく回復できなかった。
 2011年のリビアの混乱で、カダフィ政権がストックしていた数千基のMANPADS(大宗は旧ソ連設計系)が闇市場に流出してしまった。
 2014年までに国連は、リビアにあったMANPADSが、チュニジア、マリ、チャド、レバノン、シリアに出現していると報告。
 2003年のイラク占領作戦の直後にも、サダム政権時代のMANPADSストック4000基が行方知れずになっている。
 この他、1機の露軍の輸送機、1機のトルコ軍のヘリコプターが、シリアでMANPADSにより撃墜されている。
 またシリア政府軍の航空機は2011年からこれまですくなくも12機、MANPADSで撃墜されたのではないかと米軍は見ている。
 2014年にシナイ半島では、ゲリラがMANPADSで1機のエジプト軍ヘリを撃墜した。
 1995のボスニアでは、仏軍のミラージュ戦闘機が1機、MANPADSで撃墜されている。
 MANPADSの最大射高は4900m以下。ヘリコプターと与圧のない固定翼機はこの高度より低く飛ぶので最も危ない。与圧のある固定翼機も離着陸時は狙われる。
 2014にISはMANPADSでセベラル機のイラク政府軍ヘリを撃墜した。
 MANPADSの射手は、水平距離にして3マイル離れたところから発射した例が多いそうである。
 拡散したMANPADを使えば全世界テロができてしまう。世界中で同時に民間空港の近くでMANPADを発射する活動を2週間続けるのだ。世界の経済は、麻痺するであろう。
 9-11の直後、パウエル国務長官がイスラマバードに飛んだ。パキスタン当局とアフガン戦争について話し合うために。
 記者(♀)はその飛行機に同乗していたが、下向きの見張り窓にはりついていた空軍の男が何か発見したらしくて、3分間で7000フィートの急降下をしたので驚いた。
 イスラマバードを離陸するときは、記者全員がシートに座る前から地上滑走が始まった。何しろ機体の青白塗装が目立つのだ。
 80年代、米国がアフガンゲリラに供与したスティンガーは、260機以上のソ連機を撃墜したそうである。
 1989からこんどはその余剰のスティンガーを現金で買い戻そうとした。予算は6500万ドルだった。
 けっきょく、スティンガーの元値の4倍額が、ゲリラに支払われねばならなかった。
 ラ米ではベネズエラがやばい。5000基以上のMANPADSがあり、政権はいつ崩壊するかも分からないからだ。ポンペオがCIA長官だった2017に上院公聴会でこれを力説した。
 ※AI時代には、闇夜に耳から聞こえる航空機の音だけを頼りに、ロクに狙わないで斜め上に向け発射しても、シーカーが無差別に空中目標を捜索して追尾するMNPADSが、実現されるだろう。
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 Michael Peck 記者による2018-12-14記事「The Navy Wants Swarm Weapons That Can Do Something Amazing」。
   スウォーム作戦に使うミニドローンはせいぜい30分しか内蔵バッテリーで飛べないだろう。その再充電をどうするのか?
 そこで、米海軍が、戦場で電力源を勝手に見つけて自己充電できるUAVを模索中。
 たとえば電線に止まり、誘導電流を取り込んで充電する。
  ※このアイディアはおそろしく古いぞ。1991年前後の英国製のSF系PCゲームソフトで、宇宙船のエネルギーを補給するためにときどき高圧電線に沿って飛行しなければならない、という枷のかかったものがあった。クソゲーだったので、すぐに中古屋へ売り払ったが。


借家の古い玄関の断熱性は改善できる。2~数千円の投資で。

 すばらしい効能だ。「マドピタシート・レース」というホーム用資材。
 表面がザラついた摺りガラス面であっても、問題なく貼付できる。
 最初から片面に糊がついているので、両面テープなどの用意は必要なし。貼りつき過ぎるということもなく、貼りなおしが可能。
 剥がしても汚れは残らない。
 かなり結露のあるガラス面や、屋内の表面がでこぼこしている金属ドアも、ウエスで湿気を拭き取ってすぐに貼り付ければ、問題なく定着する。
 定着後に激しく結露しても、それで剥がれることはない。強度が絶妙。
 なにより、金属ドア内側の結氷が見られなくなる、劇的な断熱効果が嬉しい。
 フィルム全面に細かなタテヨコの白い罫線が入っている。それを目安に裁ち鋏で切れば、どんな四角形にもピタリと合わせられる。
 いろいろと感心しました。
 北海道の住居は古い借家でもたいがい二重窓がデファクトスタンダード。だが、和室に関しては内側窓がサッシではない古い木枠のガラス窓であったり、玄関構造が気密二重構造にはなっていなかったりする。
 そこでこの「マドピタシート」を貼り付けてみると、ポリエチレンフィルムにバブル状に封入された空気が多重窓と似た断熱増強効果を発揮してくれる。
 屋内の暖房器具をすべて止めた数時間後、夜間の冷気が緩和されたことを体感できる。これが、窓数枚分、数千円にして手に入るのなら安い。
 真冬に、朝起きて北側の玄関にアプローチするときの絶望的な寒さとはもう縁が切れるのかと思うと、感動モン。
 あまりに気に入ったので大型ホームセンターまで自動車で数往復し、あらゆる窓に貼ってしまった。
 実感の上ではこれは、北海道の冬が短くなり、春が早く来るようになる、それと同じことだろう。
 ところで、梱包用緩衝材としてタダで入手できる透明ポリエチレン製の気泡入りシートがありますよね。乞食ハウスみたいに見えてもいいから、あれが使えるじゃないかと思った方に、ご注意。
 数年前、あれを南向きの透明の外窓の裏地に貼って実験してみた。結果。2年たらずして手におえないボロ屑と化してしまった。ガラス1枚では紫外線が透過するのか、それとも結露の氷結が繰り返されるせいなのか、機序は分からない。が、ともかく、永続せぬのである。
 さて、以上とは別にふと考えた。「まどぴた」のような高性能の気泡シート層を二重・三重にして、光透過構造の温室倉庫のライナーとして利用したら、真冬の北海道でハウス栽培すら経営が可能になるのではないかと。
 あるいは畑のマルチングシートやトンネル材に応用したらどうなるのか?
 さらに、こいつをすべて防燃物質(封入ガスは二酸化炭素)でこしらえて屋根裏充填材・床下充填材・壁充填材に転用したら、寒冷地住宅の暖房費はもっと節約できるのではないかと。
 さらに空想する。最初から二酸化炭素バブルがぎっしりつまった不燃性新建材でモノコック構造の住宅を造るようにすれば、もっと良いはずだ。
 家屋のぶあつい壁の中に二酸化炭素が工業的に埋め込まれるのだ。環境中へのCO2排出を劇的に減らしていますという対外宣伝が打てるだろう。
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 Steve Helber & Darlene Superville 記者による2018-12-13記事「Melania Trump Makes First Lady History With Ride in Osprey」。
     12日、メラニア・トランプ夫人がV-22オスプレイに搭乗した。
 ファーストレディがオスプレイで飛んだのは、これが米国史上で、最初である。
 ※どんだけ今まで危険視されてきたんだ、ということ。
 飛行経路は、ワシントンDCのアナコスティア・ボリング共同基地を離陸して、ヴァジニア州ハンプトン市のラングレー・ユースティス共同基地に着陸。メラニア夫人は同基地で空母『ジョージ・H・W・ブッシュ』を訪問した。
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 Erin Winick 記者による2018-12-13記事「Virgin Galactic has reached suborbital space for the first time」。
   ヴァージン・ギャラクティック社が14年かけて開発してきた機体が、高度8万2千680mまで到達した。83キロメーター弱ということ。
 まだカルマン線=高度100kmには届いていないが、米空軍やNASAの基準では、もうその高さは立派な宇宙空間だ。
 このたびの飛行には、NASAの有償のペイロードを乗せた。すなわち会社の初収益も記録。
 「スペースシップ2」の動力はロケット。それを今回は、60秒吹かした。


ことしは小吉のはずだったが超吉になるとは……。/はぴべえ(HAPPY兵衛)。

 記事「The 1949 Revolt of the Admirals and Victory at Sea」。
  米国史上、文民政府に対するプロ軍人のもっとも露骨な反乱が1949に起きた。
 この事件の引き金は、1947の空軍独立によって引かれた。
 1945夏。対日戦争は米海軍の勝利であるのに、新聞紙的には原爆の手柄になった。米海軍の不満のはじまりだった。
 『NYT』もVJ-Day論説で、エアパワーによる勝利だとした。海軍提督は、ゆるせないと思った。
 海軍に言わせると、ミズーリ号上で日本の降伏を接受するべきはニミッツなのであって、マックではないはずだ。しかるに田舎人のトルーマンは東部エリートのニミッツを名誉から遠ざけて田舎出身のマックを贔屓した。
 1947年の国家安全保障法。これによって「戦争省(陸軍省)」と「海軍省」が消え、海軍は独自に予算を要求できなくなった。
 「国防省」が、陸軍、海軍、空軍の予算を一括して仕切ることになった。
 陸軍航空隊が空軍になった。だから空軍は陸軍の分身である。空軍将官の多くはウェストポイント卒なのだ。
 陸軍と空軍が対立することはあっても、将官同士の気心は知れている。
 ベルリン空輸も空軍の手柄になった。冷戦は、米海軍の存在感をますますなくするようだった。
 超空母『ユナイテドステイツ』は、1949-4-18にニューポートニューズで起工された。が、数日後に、国防長官ルイス・ジョンソンによってキャンセルされた。
 なぜエセックス級の2倍ものサイズにする必要があったのかというと、当時まだかなりの重さであった核爆弾を吊るした爆撃機を空母から発進させるためには、滑走距離が長くなければいけなかったのだ。核運用可能な空母を持つことで、海軍は空軍と予算権力を張り合える。
 しかし空軍と陸軍が超空母予算に反対したのは当然だった。そんなところに巨額の予算が使われたら空軍と陸軍の取り分がガックリと減るのだ。
 国防費そのものが、1945から1949のあいだに十分の一に削減されていた。
 そしてトルーマンにはそれでも不満だった。国防費110億ドルだけで1949国家予算の30%に近いのだ。他の政策に使える予算が喰われている。
 スーパーキャリアーのキャンセルは、もちろん統合参謀長のオマー・ブラドリーも賛成である。
 ここにおいて海軍提督たちがブチキレた。
 そしてシビリアン・コントロールに公然と叛旗を翻した。
 海軍部内で書かれた弾劾文書がひそかにマスコミに渡された。その文書は、ジョンソン長官と空軍最高幹部らが腐敗していて、公務員として不正だと非難していた。
 ルイス・デンフェルド作戦部長以下、海軍の最高幹部が議会公聴会に呼び出された。海軍将官たちは大いに弁じた。シーパワーを無視するな、と。
 しかしこれが概ね不評だった。ブラドリーは、海軍のやり方は恥だと言った。
 下院軍事委員会も、海軍による非難は理が無く失当だと結論。作戦部長(軍令部長)は即刻馘になり、他の数名の提督たちは早期退役を強いられた。
 政治戦略の大失敗を痛感した米海軍は、1952に、テレビシリーズの『ヴィクトリー・アット・シー』を制作・放映させた。納税者にして有権者たる大衆に直接、シーパーワーの意義を啓蒙することにしたのだ。
 これが、大当たりであった。
 提督にしてハーバード歴史学教授のサミュエル・モリソンの監修した公式米海軍戦史に準拠した、第二次大戦ドラマ。全26回。
 このシリーズ企画は、エミー賞などを総ナメにした。
 音楽は、ミュージカル巨匠、リチャード・ロジャースの作曲である。
 この番組は全米の視聴者に、第二次大戦とは米海軍の戦争だったのであり、第二次大戦に勝ったのは、わが米海軍だったのだ、と信じさせた。
 全26回を通じて、陸戦にスポットを当てている尺は、トータルで1分にも満たない。
 その第25回、沖縄ではバックナー中将が戦死する大激戦となった。こんな陸戦を東京まであと1000マイルも繰り返せるか? だから海軍なんですよ、とドキュメンタリーは訴えた。
 空軍から「宇宙軍」が分離されると、同じ騒動が起きる可能性がある。
 ※その予想を知りたい人は『米中「AI大戦」』を読もう! アマゾンで予約が可能です。
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 Peter Fairley 記者による2018-12-12記事「China’s losing its taste for nuclear power. That’s bad news」。
    中共の総発電量に占める原発の比率は今年、24%に増加した。
 しかし風向きが変わってきた。原発はどうも高額すぎると政府は思うようになってきた。そして民衆も、原発を望んでいないのだ。
 2011の福島第一原発事故がずっと響いている。2017-8の世論調査によると、シナ人民の40%しか、原発建設には賛成していない。
 またブルームズバーグの報道によれば、風力とソーラーによる発電コストは、今では原発より2割安くなっている、と。
 2000年代の中共圏内電力消費は年に10%づつ増加していたから原発を建設しなくてはどうにもならなかったが、今では電力消費は年率4%未満しか伸びていない。
 だとしたら新規原発は無しでもよい。
 福島第一原発事故の北京への衝撃は水爆級だった。類似の事故がもし中共内の原発で起きれば、中共体制は全人民から見限られ、易姓革命につながると真剣に惧れられた。
 福島事故のわずか数日後、全中国の原発建設を、すべて凍結することが命じられた。そして、数ヶ月かけて安全対策が審査された。結果、将来の新プラントは、より安全面で進化した設計にしなくてはならなくなった。
 だが人民は納得しない。
 香港の東に位置する「南?」市に建設予定だった新原発は、2013に住民の反対運動で計画が取りやめられた。
 連雲港に建設予定であった核燃料再処理プラントも、地元民の大反対により、2016に初期工事が中断されたままだ。
 中共中央は、原発施設の建設の前にパブリックヒアリングをしろよと指導した。
 2018-6に米国設計の新原発AP1000が中国内で運開した。福島第一原発は発電機が津波で冠水して電源喪失し、冷却水ポンプが動かなくなってメルトダウンしたのだが、この新原発は炉心よりも高いところに水プールが置かれている。重力によって給水が可能なので、電源なしでも冷却は続くという売り文句である。
 そのかわり、建設コストが高い。AP1000×2基で76億ドルもかかってしまった。これは中国におけるそれまでの原発の建設コストの2倍である。
 このAP1000をてがけたCGN社ですら、同時にリニューアブル発電システムに巨額の投資をして、ヘッジをかけている。安全で安価な新原発ができるのかどうか、中共の原発メーカーも自信が持てないのだ。
 ※「なぜ艦船自前の発電機をすべて水線下の低い層に置く必要がある?」……ナショナルジオグラフィックのサルベージ番組を視ていて沸いた疑問だ。発電機室が冠水すれば発電機は使えなくなる。発電機が使えなければ排水ポンプが動かない。照明も真っ暗のまま。……ダメじゃん? それじゃ浸水からの自力回復不可能でしょ? 福島第一原発事故の再現でしょう。最初から設計思想に欠陥があるんじゃないの? バルクヘッドがあるから発電機室には浸水しない? 近年誰がそんなセールストークを信じるんだっつーの。最低1基の発電機は、上甲板近くに据えておくべきでしょう。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-12-12記事。
   露軍は「オルラン10」UAVの新型バージョンに、最大100kmの携帯電話を不通にしてやれる電波妨害装置を搭載した新システムを使い始めた。「RB-341V」または「Leer-3」という。
 ウクライナ軍は、部隊通信として携帯電話がとても便利だと思っている。中継塔がたくさんある戦場では、確かにそうなのだ。が、露軍の電波妨害があると、話は別となる。
 「オルラン10」は自重15kgだが、固定翼機なので、最大6kgのペイロードを載せられる。
 ガソリンエンジンで、空荷ならば16時間滞空可能。
 3機で1システム。その1システムの値段は50万ドルくらい。
 発進はカタパルトにより、回収はパラシュートによる。露軍では2012年から使われ始め、着実に性能を向上させつつある。
 次。
 Roger McDermott 記者による2018-12-12記事「Moscow Deploys Latest Electronic Warfare Systems in Kaliningrad」。
      ロシアは「サマルカンド」という名の強力な通信妨害システムをカリニングラードに持ち込んだ。
※孟晩舟の逮捕をトランプが知らなかったなどという与太記事を散見するが、一瞬でもその記載を信じたあなたは外交官には向いていない。米支の要人会談時には必ず、双方が何か「奇襲いやがらせ」を発動せしめて臨むのが、普通のことなのである。米ソ冷戦時代からの長い伝統ある「作法」のようなものともいえる。それはたとえば核実験であったり、新型戦略ミサイルの発射であったり、秘密のステルス機のデビューフライトであったり、スパイの一斉摘発であったり、会見場に2時間遅れて現れることだったり、あるいは一切報道されない何かだったりするが、とにかく会談している相手の困惑する顔を見て楽しもうというゲームなのだ。そこで困惑した顔をした側が、貫目が下がるという次第である。


ネットで新刊紹介してくれる方に『米中「AI大戦」』をタダで進呈します。

 新刊が出ますと、著者も版元も、あちこちの新聞社や雑誌出版社に「見本」を送って、新刊紹介や書評が載ることを期待して待つんですが、その掲載が3ヵ月後だったり(もう書店の棚に無いわ)、完全な「空振り」だったりして、あんまり効率が良くないんですよね。
 そこでわたしゃ考えた。今回は、軍事系ブロガーの人々にタダで見本を配ったらいいんじゃないか、と。
 名案でしょ?
 ただし、ひとつ、難点があります。わたしどもは、その軍事系ブロガーさんたちの「住所」を、とんと存じ上げない。
 住所がわからなきゃ、ゆうパックも届きようがないじゃないか。
 そこで、いちおう、公募を試みます。
 住所を兵頭に晒してもいいから、『米中「AI大戦」――地球最後の覇権は、こうして決まる』を今週中に入手し、一晩で読み終え、19日の書店発売日より前に新刊紹介をアップロードするぜという奇特な軍事系ブロガーのみなさま。
 ご連絡をお待ちします。(もちろん私は知り得た住所を並木書房さん以外には通知をしません。見本は、並木書房さんから最速で直送されます。すでに見本が刷り上がっています。)
 しかし見本には数に限りがございます。ご決断はお早めに!


中共を打倒する大戦略がないから、敵の「軍備による勝利」政略にまんまとひっかかってしまう。

 PHILLIP WALTER WELLMAN 記者による2018-12-11記事「Afghan air force conducts first nighttime airstrikes」。
   アフガン空軍が米国から供与されたA-29 スーパーツカノによって、対タリバンの夜間空襲を初めて実施した。11日にウルズガン県で。
 COIN機で空襲する場合、昼よりも夜の方が安全だと考えられている。ゲリラからは小型機を視認できないので。
 近い将来、アフガニスタン政府軍には、MD-530F「カイユースウォリアー」軽攻撃ヘリも米国から供与され始める。やはり、夜襲専用機だ。
 ※写真解説によるとアフガンにおけるA-29の夜間の作戦出撃はすでに5-17に実施されていた。今回は精密誘導爆弾を投下したのだろう。夜間作戦のためには後部座席のモニターでFLIRを見ている必要があるので、どうしてもスーパーツカノは複座型でなくてはならない。レーザー照射そのものは地上の誘導員がやったと思われる。COIN機といえどもペイヴウェイ使用が望ましいことは、2017の比島のマラウィ市攻囲で痛感された。比軍のCOIN機は度重なる誤爆で味方将兵多数を殺傷してしまったのだ。したがって陸自が「従来とは抜本的に異なる速度で改革を図る」ためには複座型のスーパーツカノを買わねばならない。F-35はあと十年くらいは戦列化できないが、EMB-314は発注した1年後には練習機×2機が、2年目には1個スコードロン分が届けられるのだから。調達のスピード感がぜんぜん違う。陸自が「少人数化」時代のクロスドメイン改革の主役となる日が来た。
 米国にとってアフガンはとっくに泥沼である。いまでも米軍が提供する航空戦力なくしてアフガン政府はおそらく保ち得ない状況。2018年の米軍機のアフガン国内での投弾量は、過去10年で最も多くなってしまっている。
 だからアフガン政府軍の空軍力の自立が急かされている。しかしCAS自立にはあと1年はかかるだろう。
 シエラネバダ社製の「Embraer/SNC A-29 Super Tucano」の対アフガン援助1号機は、2016-2に引き渡された。
 ※もちろんFMSなんて枠組みを使ってたらダメだ。陸自は国内民間商社を介してエンブラル社製を買うのがいちばん速い。付いているアビオニクスはぜんぶイスラエルのエルビット社製である。モニター表示はしっかりと米空軍式に合わせてくれてある。誘導爆弾もイスラエル製が入手できる。これらは中南米とアフリカのCOIN作戦で何度も成功実績があるので、調べれば不安がないことが判る。イスラエルの兵器関連製品を日本が買えば、イスラエルはそれだけ潤うから、トランプ政権は対イスラエル援助を減額できる。したがってクシュナーがトランプをうまくとりなし、怒らせるどころか、逆にトランプから感謝されるだろう。
 計画では、他にMD-530Fを24機以上と、Mi-35武装ヘリをセベラル機、アフガニスタン政府軍に米国から贈与する予定。
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  Beth Maundrill 記者による2018-12-10記事「British Army demos new Challenger 2 urban operation tank concept」。
   市街戦向きに改良されたチャレンジャー2。外部視察カメラの映像は、戦車兵の所持するアンドロイド・タブレットにてモニターされる。
 複数の固定カメラと、360度警戒できる赤外線パノラマイメージセンサー、砲身先端には左右確認カメラ(曲がり角から砲口だけ突き出して敵兵の有無を視認できる)。しかも戦車の得ている映像を、下車した戦車兵のタブレットでも受像し続けられる。
 ※英陸軍は歩兵戦闘車ウォリアーは無人操縦化するらしい。すでに実験開始した。考えてみれば、歩兵を卸したあとのAPCは、することないもんな。これは「ドラグーン」(乗馬機動歩兵)の発想だ。空馬が勝手に次の収容点に移動してくれるのだ。
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 ストラテジーペイジの2018-12-11記事。
   イスラム・テロリストは、覚醒剤の代用品として「Captagon」という市販薬をほぼ全員が服用しているという。その成分は「fenethylline」である。副作用としては、慢性高血圧など。
 ※急に鼻血が出たりするのかな?
 だいたい1980年代にはどこの先進国でも規制されたが、中東ではガレージで密造されて市販が続いている。テロリストも使うし、政府軍もまた、服用するのだ。
 ネイヴィー・シールズ御用達の睡眠薬は「Ambien」である。音のうるさい輸送機で非常な長時間の移動の後、世界の涯のような田舎に着く。そこで出撃準備し、行動は徹宵になることも多い。出撃前の少ない時節に確実に急いで眠りを稼いでおかねばならない。だから必要。
 米陸軍は2007年に「ステイ・アラート」(気をつけ続けろ)というカフェイン・ガムを戦闘部隊に配っている。
 そして米空軍御用達の覚醒剤もある。「Ambien」という。準覚醒剤的な副作用がある。
 また「Modafinil」を成分とする商品名「Provigil」も9-11以降、使われた。
 謳い文句は、気分が明るくなり、記憶力が強化される、というものだった。
 米軍で実験したところ、確かに、これを飲んだ兵隊と飲まない兵隊とでは、24時間不眠後のパフォーマンスが大違いであった。
 「Modafinil」の覚醒効果は「dextroamphetamine」よりは劣るという。
 しかし「Modafinil」には常習中毒性が少ないメリットがあり、長期的な悪影響は報告されていないという。
 その「dextroamphetamine」より効果が勝るという謳い文句で「CX717」という新興奮薬が登場したので、DoDでテストしたところ、「Modafinil」とあまり差がないことが判明している。
 艦隊勤務の将兵は、見張り上番中に熱いコーヒーをいくらでもふんだんに飲める。しかし歩兵の立哨は蛸壺にコーヒーメーカーがあるわけではなく、また長時間飛行する爆撃機のコクピット内にもコーヒーメーカーは置いてない。したがって陸軍と空軍は、海軍とは違う解決策を模索せねばならない。
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 KIM GAMEL AND YOO KYONG CHANG 記者による2018-12-10記事。
   米国務省によれば、2018-3時点で韓国は年に8億3000万ドル強、米軍駐留費を負担している。
 しかし『WSJ』紙によれば、トランプは韓国に、毎年16億ドルを払えと要求している。
 年内に妥結しなければ、米軍基地で働く韓国人1万2000人の全員を、2019-4-15からスタートして30日間以上、一時解雇すると米側は脅している。この警告は、はるか前からなされていた。
 韓国メディアの飛ばし記事。米国は韓国に、THAADの配備コストも負担せよと迫っている。また、米空母や米空軍機が半島のために展開していることに対する礼金も出せと迫っている。
 2013にもこの負担増交渉は年末までには妥結しなかった。しかし韓国は数週間後に屈して負担金を5.8%増やしたという経緯がある。今回もそのパターンになるであろう。


新幹線駅にある温泉。

ホテル ラジェントプラザ函館北斗 の2Fにある「天然温泉 北湯路」。なぜかほとんど宣伝してないようなので最近知ることとなったが、非宿泊客の立ち寄り利用が可能なのである。1人500円で。
 外来者の利用可能時間は13時~24時〔事実上は25時だとお見受けした〕。つまり東京駅発の最終便の新幹線「はやぶさ33号」で新函館北斗駅に23時33分かそれよりも少し遅く到着したとしても、利用が可能なのだ。(そのかわり確実に、はこだてライナーの最終便への乗り継ぎはできぬから、それは承知しなければならない。)
 深夜に、新幹線新函館北斗駅前からタクシー(もしくは駅隣接駐車場にとめておいた自家用車)で北斗市内/七飯町内/函館市内等、近郷の自宅に帰宅することになる人々には朗報だ。
 着駅にて入浴を手早く済ませられるのならば、真夜中に家人を起こすことなく、自分もすぐ就寝できるわけだから。
 新幹線駅舎とホテルと立体駐車場(有料)は、相互にほぼ接続している。やや離れた地上駐車場(無料)は2年前よりずいぶん拡張されたが、さすがにGWシーズン中だけは満杯になるかもしれない。
 浴場内には石鹸とシャンプーが置いてあるので利用者が用意する必要ない。タオルがなければフロントに言えば間に合う。料金はフロントに払う。フロントから見えるところが、温泉入り口なのだ。そこに待合室もある。
 ホテルそのものが新築なので、内部もすべて新しい。露天風呂は付属しているものの、ビルの2階ゆえ、外部の眺望は斜め上向きに限定的にあるのみ。サウナは付属していない。
 もしあなたが同ホテルの宿泊者であったならば、早朝の6時から午前9時半まで、この温泉を無料利用できる。まず、0635発・東京行きの始発新幹線「はやぶさ10号」には、間に合わぬ。
 ここにおいてわたしは思った。このホテル経営陣は「分かっていない」と。
 「はやぶさ1号」が新函館北斗に到着する0632から、「はやぶさ33号」の到着後90分の余裕がある25時まで、温泉を17時間半、連続営業しても、ホテル兼営なのだから人件費は増えない。
 到着客が、そのビルの中で消費を完結しても、満足の行くような、中核観光施設としての空間にも、ここは設計ができたはずなのだ。これは惜しい。
 もちろん近郷の住民は温泉リピーターになる。基本的に道南人は皆温泉リピーターなのだ。
 また、国道5号の「峠下」にほど近い立地なのだから、長距離トラックドライバーの深夜休憩拠点にもなるはずである。付近には屋外駐車場のスペースはナンボでもあるのだ。
 惜しすぎる。それだけのポテンシャルを活かしていないので。
 その方向で徐々に規模を拡大すれば、いわき市のスパリゾートハワイアンズを凌ぐ集客だってあり得るのだ。なにしろ新幹線駅に直結なんだから。
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 David B. Larter 記者による記事「Here’s the latest on Lockheed’s massive long-range anti-ballistic missile radar」。
       ロックマートの最新式のMD用・対弾道弾警戒レーダー「LRDR」。
 ガリウム窒素半導体を用いて、旧来より探知距離や分解能が格段に向上する。2020年に1号機がアラスカのクリア空軍基地に納入される。建造はすでに9月にスタートしている。
 このLRDRをスケールダウンしたものが、日本の地ージスの警戒レーダーとなる予定である。
 ※つまり日本政府にとっては北鮮のフェイクミサイルを迎撃できるかどうかはどどうでもよいとみなされており、アメリカに向かって飛ぶ長射程ミサイルの早期トラッキング情報を北米のミサイル防衛庁に電送する体制の確立が、日本の都市防空よりも優先されている。そしてこういう「真相」の情報は「戦略ワトソン」のようなAI顧問システムに、テキストとして「入力」するわけには絶対にいかない(なぜなら後日に人が法的に責任を問われることになるかもしれない証拠が作製されてしまう)。これが、AIが政治を代行することだけはできない理由である。詳しくは19日発売の新刊で。
 ロックマートは、LRDRおよび地ージスのレーダーをめぐってレイセオン社と争い、勝った(41億ドルの受注)。そしてこのLRDR基地を、次はハワイに開局するつもりである。年内に、その政府発表があるだろう。
 LRDRのフェイズドアレイレーダー面は、イージスの「AN/SPY-1」の25倍も広い。しかしメンテナンス性と修理の容易さが特に追究されている。
 なんと、レーダーを停波させることなく、そのまま運用を続けながら、修理したり点検したりできるという。
 いかにしてそれを可能としたか。電波の送信ユニットと、受信ユニットを、小数ずつまとめてブロック化〔弁当箱化〕しているのだ。
 だから調子のわるいブロックだけブレーカーで回路から切断して取り外し、その弁当箱ごと予備品と交換してから、再コネクトすればいい。
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 星条旗新聞の記事の柱「US warns S. Korean workers will be furloughed if no deal reached on military cost-sharing」。
   トランプ政権が韓国政府に米軍駐留費負担の増額を要求しているらしい。もし韓国政府が応じなければ、米軍基地内で働いている韓国人従業員が一時解雇されるという話になっているようだ。
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 Fred Kempe 記者による2018-12-8記事「China’s real endgame in the trade war runs through Europe」。
   2008年に国家破産しかかったハンガリーは、中共に財政の窮地を救われたので、オルバン首相はいまや習近平の尖兵を志願して、欧州の政治的な分断工作に挺身する。
 まずオルバンは2017年3月に、EUが合同でまとめようとした人権侵害(拷問)反対書簡を拒絶した。
 つづいて2017-7には、南シナ海の砂盛島は違法だとするブリュッセル宣言を、ギリシャとともに反対して潰した。
 つまり中共はすでにEUの「拒否権」を掌握してしまった。
 2017年に中共は、EUに対して300億ユーロも投資している。
 シナ人は対北米投資から対欧投資へ切り換えつつある。企業買収に投じられた金額では9倍の差(200億ドル対25億ドル)である。
 今後は、中国内で、これまで買っていた米国製商品を欧州製商品に切り替える動きが進むだろう。トランプ政権は対支絶縁を選好するので。
 欧州には米国のCFIUSに相当する機関がない。中共による特定技術保有企業の買収を行政命令で阻止できる、省庁横断審査機関が。
 しかしEUもそれに近い措置が取れるように、今月から、なっている。
 習近平はアルゼンチンに赴く途次、スペインに立ち寄り、帰路にはポルトガルに立ち寄った。次の国家ぐるみ買収ターゲットはこの2国だ。
 ※西欧は専制主義や侵略者に反対して頑張っている。ところが日本の総理大臣ときたら人類の敵プーチンに秋波を送る、近代世界の没義道漢である。要するに自由主義とは何かが分かっていない御仁なのである。一刻も早く早く退任することを望む。
 次。
 Brendan Nicholson 記者による2018-12-10記事「When Night Becomes Day: F-35s Join the RAAF」。
    F-35で飛んでみた豪州軍パイロットの感想。《これに比べると、スーパーホーネット世代の戦闘機は、夜道をライト無しで走っていたのと同じだ。F-35では、自機の周囲に存在する脅威をひとつひとつ、ディスプレイ上で確かめることができる》。
 敵機が何十km先に居ると分かるだけではない。その敵機の機種名までも、判る。そしてコンピュータが、そいつに対処する方法を複数、パイロットに提案してくれる。パイロットは、それを選ぶだけ。
 同じように、陸上や海上の敵も、「それは何なのか」まで分かってしまう。
 さらに感動的な機能。F-35から、自軍のスーパーホーネットや、駆逐艦、SAM部隊に対して、「この目標に向けてミサイルを発射せよ」とキュー出ししてやることが可能なのだ。
 ※E-2Dの単座機版だと考えるとよい。ならばF-35には「空戦」をさせる必要などないのである。別なミサイルキャリアー(それはF-2やP-1改造機でもいいしスーパーツカノでもいい)を傀儡[くぐつ]師のように操ることに特化すればいいのだ。そうすればF-35は即戦力として完成する。みずから空戦しようとするから、半永久に「戦列化」が遅れてしまう。日本も、戦列化されてない機体を100機も買っても困るだけだろう。
 単に仲間に敵目標のデータを送って、それっきり、ではない。仲間がミサイルを発射し、それが当たるところまで、F-35の側で、統制指揮できるのだ。
 F-35から出すデータ信号は、圧縮されて、短切に、バースト状に、指向的に味方へ送信される。よって、敵のELINTセンサーにも捉えられ難いのである。
 豪州空軍でF-35の教官となる男。これまで3年間、米国内で訓練を受けてきた。



米中「AI大戦」


とりかえしのつかぬ条約を結ぶ前に安倍晋三を交替させるべきである。ところが後任適任者が一人もいない。大困り。

 ストラテジーペイジの2018-12-9記事。
   国営ロスコスモスは21基のソユーズロケットで英国「ワンウェブ」社のインターネット通信用小型衛星を軌道投入するという商談を、FSBの横槍でフイにしそうである。
 というのはFSBが、地上局のひとつをロシア国内に置くことを求めているから。その地上局をFSBが操作すればシステム全部が破壊されてしまうことはミエミエだ。
 ワンウェブ社の1号衛星は2018年中に打ち上げ予定だったが、2019にずれ込む。
 おそらくワンウェブは衛星の打ち上げを「スペースX」社に委嘱し、ロスコスモス社は大口顧客を失うに至るであろう。
 世界にはワンウェブ社以外にも、衛星によって全地球の超僻地からでもインターネットアクセスができるようにしようという宇宙ISP会社が存在する。スターリンク社、ケプラー社、テルサット社、リンクシュア社、レオサット社である。
 スペースX社から出資されているスターリンク社は、すでに試験衛星を2機、軌道投入済み。
 スターリンクの構想では、軌道上に1万1000個の中継衛星を周回させる。スペースX社は2021年までにはその中継衛星を2000個弱、軌道投入したいとしている。
 リンクシュア社は支那資本である。こちらのビジネスモデルは、インターネット中継衛星の利用者から1銭もカネを取らない。世界の誰にでも無料でワイファイを提供する。そのかわりにユーザーの利用データは全部頂戴する。そのメガデータを企業向けに販売することで儲けようというもの。
 ただし、中共政府の検閲は受け入れるので、アクセスできないHPや、語れないテーマが存在する。
 ※日本の財務省は中共体制に惚れこんでいるんじゃないかと思う。スマホ決済で全人民の商取引を確実にモニターし、徴税コストゼロで間接税を確実に課金することができる。消費税を17%にしようが人民は担税感を抱かず、反対もできない。戦前の革新官僚が夢に見た「統制役人天国」が隣に現存するのだ。財務省の役人とNHK幹部には「自由主義」が分からない。自由主義がわからないと国防もわからない。戦時中の陸軍主流が「日本はソ連と同じになればいい」と願ったのと同じなのだ。侵略者プーチンのご機嫌を取らんがために北方防備体制を一方的に崩しつつ自国の正当な権利まで捨ててしまおうと活動している狂人総理大臣も同じだ。なぜロシアのサイバー輿論工作チームは日本向けには活動する必要などないのか? 外務省要部に露探を扶植し了えているのなら、ミッションはコンプリートされたと同じで、それと別に輿論工作の必要など、日本の場合は、どこにもないからである。
 次。
 Kyle Mizokami 記者による2018-12-7記事「The U.S. Military’s Cryptic Letters, Numbers, and Symbols, Explained」。
        米軍戦車に書かれた記号の読み方。
 車体に「3ID 6-8CAV」とあったら、第3歩兵師団(原駐屯地はフォートスチュワート)の第8騎兵連隊の第6大隊所属車両であることを意味する。
 同じく車体の別なところに「D14」とあったら、それは第4中隊(D中隊)の第1小隊の4号車という意味である。
 米陸軍の戦車部隊は4両で1個小隊。そして小隊長車は必ず1号車である。
 次にテイルコード。
 米空軍のF-15E戦闘機の垂直尾翼にSJと書いてあったら、セイモアジョンソン空軍基地(加州)所属。
 EDなら、エドワーズ空軍基地(加州)。
 HLなら、ヒル空軍基地(ユタ州)。
 LNなら、レイクンヒース空軍基地(英国)。
 法則外のテイルコードとしては、嘉手納基地所属のF-15Cの「ZZ」がある。なぜZZになったのかは、今では誰も知らないのである。
 アラスカ州のエレメンドルフリチャードソン共用基地は、その前はエレメンドルフ空軍基地と申したものだが、ここに所属するF-22には「AK」とテイルコードが描かれている。これも法則外。
 F/A-18 スーパーホーネットの垂直尾翼に「VMFA」と書いてあったら、その意味は V=固定翼機で、M=海兵隊に所属し、F=戦闘機で、A=攻撃機。
 グラウラーの垂直尾翼に「VAQ」と書いてあったら、V=固定翼で、 A=攻撃機で、 Q=電子戦担当 である。
 米海軍機の所属は、2文字のテイルコードで表される。
 頭がAならそれは大西洋に本籍がある。
 頭がNならそれは太平洋に本籍がある。
 米海兵隊は数字4桁のMOS番号で自分の兵種・特技を表現する。
 0311 は小銃兵。
 0317 は偵察狙撃手。
 0351 は教練教官。
 2783 は、ハンガリー語の通訳技能保持者。
 5528 は、軍楽隊でバスーン担当。
  ぜんぶで数百種あるので、覚えられるものではない。
 次。
 David B. Larter and Carl Prine 記者による2018-11-29記事「Early report blames confused watchstanders, possible design flaws for Norway’s sunken frigate」。
    軍艦は水密区画がしっかりできているはずなのに、なぜノルウェーのフリゲート『ヘルゲ・イングスタッド』は傾斜沈底してしまったのか。建造元のナヴァンティア社(スペイン)は針の蓆だ。
 同じ造船所に給油艦2隻を発注している豪州海軍も心配している。
 まず、居住区、艦尾発電機室、倉庫室が浸水した。が、それだけならば沈没はしないはずだ。
 ところが、プロペラシャフトの穴から大量に水が入り、機械室がたちまち水没。そこからバルクヘッドを越えて少しづつ、エンジン室にも浸水。
 水密壁のシャフト縦貫箇所には特に水漏れをさせないような詰め物がしてある(スタッフィング・ボックス構造)はずなのに、それが機能しなかったので、次々にシャフト孔から浸水が進んだのだ。
 タンカー『ソラ TS』号と衝突したとき、フリゲート艦は17ノットで未明4時の海峡を横切っていた。そこは通航頻繁な水域だったのでこの速度は過大である。視界は悪くなかった。『ソラ』号はノルウェーのSture 港から出航した直後だった。
 『イングスタッド』の艦橋見張りは、『ソラ』を埠頭の陸地の一部だと錯覚した。『ソラ』の甲板照明が、航海灯を視認し難くしていたのだ。タンカーの脚は遅く、動いていないようにも見えた。
 衝突の6分前、『ソラ』が『イングスタッド』へ無線で連絡。そっちがコースを変えてくれと。※タンカーは低馬力なので機敏に変針できない。
 ところが『イングスタッド』当直士官は、海峡内の別な船と交信していると思い込んでしまう。
 当直士官は考えた。もし変針するとこの静止物体(ソラ)にぶつかってしまうではないかと。ところがすぐに気付く。静止物体と思ったものが、実はこちらの針路とクロスするように動いているタンカー船なのであり、しかも非常に近づいている。無線を発したのもこのタンカー船なのだと。だがそのときにはもう遅かった。
 次。
 Matt Blitz 記者による2018-12-7記事「Pearl Harbor Still Holds a Few Mysteries」。
   戦艦『アリゾナ』は本土へ航海する予定で150万ガロンの「C重油」を搭載していた。乗員の8割の1177人が12-7の空襲のために死んだ。
 火災は2日続いたが、まだ多くのC重油が残されている。
 いまも毎日2クォートから9クォート〔1クォートは1ガロンの四分の一で、ほぼ1リッター近似〕の燃料が漏出し続けている。
  ※最近米国で出たパールハーバー本の紹介記事だが、酷い内容であることがモロ分かり。人の理性はなかなか進化しないのだ。
 次。
 Alexander George 記者による2018-12-8記事「Are Hobby Drones Dead?」。
   昨年後半、DJI「ファントム4」が陸軍のブラックホークに突っ込んだ事件あり。
 それでFAAがかなり厳しいライセンス制を導入することになった。
 地方、昨年からDJI社は「エアロスコープ」という製品を、世界の警察、スタジアム管理者、空港管理者向けに販売開始している。
 クーラーボックスのサイズで、半径数kmの空域に存在するすべてのDJI社製ドローンの位置をアンテナによってモニターできるものだ。
 この機械を使えば、各ドローンの登録情報や、それを操作している人物の現在位置まで、把握できてしまう。


『米中「AI大戦」』は13日見本、書店売りは19日からの見込み。

 新大綱が閣議で決まる、その翌日の発売となりそうです。
 本書では、いろいろな提言や解説をしています。
 無人機「アヴェンジャー」がなぜ『いずも』の艦上機として好適であるのか、整理して解説しています。
 人手不足がどうにもならなくなることが前々から判っていたのに無人機戦略を今日まで十数年間も構築せずに怠業していた陸幕さんに代わり、現実的な挽回策を提示します。テーザーされたドローンは、陸自の後進性を無理なく逆転させるひとつの道です。その理由。
 「AIにはできないこと」を知ることが死活的に大事です。中共にはDRAMの製造工場すらない。粉のようにふりかければ無から現物が涌出する、そんな魔法のAIは無かったわけです。
 特に深刻なのが軍用エンジンです。珠海の航空ショーは悲惨な内容になりました。国産エンジンが大成せず、ロシア製の輸入になるのかもしれないのなら、メーカーが機体だけ先行して量産させるわけにいくでしょうか? 細部の整合ができないのですから、無理です。(この点、牽引式プロペラ機はエンジンのチョイスが自在。だから首なし三式戦もすぐに五式戦にできた。プッシャー式の双発ジェット、しかも戦闘機用となれば、それは無理。)
 ということは「殲20」は半永久に量産できない状態だと考えていい。ましていわんや「B-2もどき」なんかできるわけがない。
 すでにインターネットは中共圏と非中共圏で分断されています。元グーグル社のエリック・シュミットも予言したネットの世界分断は、とうに現実なのです。
 この分断が、ITとAIの全域に、いよいよグローバルに拡張適用されるでしょう。
 考えてみてください。北京市内でロボット運転カーを走らせるためには、詳細な立体MAPが内外の全メーカーおよび配送サービス会社に提供されなくてはならない。ところが北京市内には、中共要人が庶民や外国人には決して教えたくない秘密の地所がたくさんある。どうしようもないでしょう?
 仮にそのような精密MAPが提供されたとすれば、こんどは爆弾や神経ガスや天然痘をロボット宅配便の中に仕込んだ精密ピンポイントテロに悪用されるだけなのです。それはチベット人の反中共テロかもしれないし、政治局のライバルによる暗殺プロットなのかもしれない。情婦の嫉妬かもしれないし、少年のいたずらかもしれない。
 シナ領域内でもIT/AI環境は多重に分断される。その混戦に強い組織体は何か? わたしは「情報軍閥」だと予言します。超国家規模に成長したプラットフォーマーが地方軍閥・地方公安と結合するのが、最も自然な成り行きでしょう。北京に大災厄が起きた暁には、あるいは日支が尖閣で軍事衝突した暁には、一挙にメタモルフォーゼが起きるでしょう。公安最高幹部の家族による阿呆な消費記録はすべてプラットフォーマーに筒抜けです。過去の消費記録をAIで分析されると一家のプライバシーはまる裸。もはや公安が身を守るためにはプラットフォーマーの会長を人質に取るしかありません。ジャック・マーが見本を示しました。学歴無く、役人と戦いつつ貧困から身を起こし、一代にしてアジアの大富豪になったのに、彼は不本意にも公安の人質なのです。もうアリババ集団も彼のものではありません。まだ50代なのに……。中共圏では、個人が自己実現できるスペースはありません。米国人がこの空間に同居できるわけがない。米支は地球を次世代ソフトウェアで分割します。孫正義氏のようにいったんシナ側についた者は、「二重の罠」に嵌るでしょう。
 次。
 Andy Medici 記者による2018-12-5記事「This local startup is changing how the military uses weapons. It’s almost ready for an exit.」。
    ベンチャーの「T-Worx」社が、米軍小銃向けの「インテリジェント・レール」を8年かけて完成した。「I レイル」と呼ぶ。
 兵隊の小銃の照準器がとらえたデータが無線で部隊司令部に送信される。
 また、兵隊が射耗した弾薬数を機械がカウントし、それも司令部に伝える。
 このレールによって、すべてのテッポウが無線機になる。兵隊は、据銃したままで、あるいはみずから射撃しながら、上級指揮所に現在の状況をボイスで説明できる。それもビデオ動画付きで。
 無線機と小銃が完全一体化するのだ。
 会社オーナーによれば、この機器の市場は100億ドルだろう。
 米陸軍はこのようなシステムの整備のためには250億ドルを投じてもよいと思っている。
 しかし会社は当面500万ドルの事業拡張資金を調達しなければならない。無名・無実績なので。
 ちなみにこの会社はすでに米陸軍の「スモール・ビジネス・イノベーション・リサーチ」プログラムから480万ドルを投資されている。
 これに、民間の投資家たちも、総額1500万ドルを出資して加わっている。
 T-Work社はげんざい社員12名。既に取得した特許は15個。申請中なのが6個。第三者機関によると企業価値は3400万ドル。
 ※とっくに中共が物真似にとりかかっていることだろう。ユーザーから使用料を徴集するビジネスモデルであるらしい。おそらくこれも「5G」が前提になっている。
 次。
 Martin Giles and Elizabeth Woyke 記者による2018-12-7記事「The 6 reasons why Huawei gives the US and its allies security nightmares」。
    Huaweiの機器を早くから深く疑っていたのは英国のGCHQである。2010年から調査していた。
 無線でシステムがアップデートされる仕組みが、危ない。これを利用すれば中共の政府ハッカーによる対外サイバー・スパイは簡単だから。
 2018-5に国防総省は、米軍基地内の売店でHuaweiとZTEの商品を扱うことを禁止した。米軍将兵の現在位置が中共軍によって把握されてしまうので。
 5G通信は、ロボット運転カーや工場内の機器制御に広範に使われるようになるはず。その5Gにシナ人が細工したら米国のインフラも工業も経済活動もある日、一瞬で破壊されてしまう。というわけでシナ製5G機器を自国内に普及させるわけにはいかない。
 オーストラリアとニュージーランド政府も、Huawei製の機材を5G無線インフラストラクチャーに使用することを禁止した。
 今週、ブリティッシュテレコムもHuaweiを禁止する。
 Huaweiの創始者、Ren Zhengfei は、もと人民解放軍の将校である。
 ※一方、ソフトバンク社は、米国が禁止するファーウェイと組んで基地局を作りつつあり。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-12-7記事。
   インド国内で、古いソ連式の23ミリ機関砲弾の爆破処分を進めている。危ないので。ところがその運搬作業中にも爆発事故発生。
 6人死亡。
 2016年には対戦車地雷の炸薬が古くなっていて自爆事故。16人死亡。
 ※高温多湿環境下で長時間貯蔵された硝酸エステルは液状化し、衝撃に敏感になり、自爆事故も招く。しかしそれは過去の話だと思っていた。というか、地雷はTNTだから何十年置こうが液状化せんだろ。信管の問題? 記事は、インドのメーカーの品質管理がなっていないと示唆する。


陣川温泉が復活していた!

 正確には、「白伏[しろふし]稲荷温泉」と改名している。8月に蝦夷松山に登山したとき、すぐ脇を通ったのに、まったく気が付かなかった。どうもその直後に竣工したらしい。
 あわててネットで検索すると、浴場に時計がないだとか、口コミはあまり良いことが書いてない。
 ところがじっさいに行ってみたら、時計はついていたし、高温度の浴槽も完備している等、わたし的には満足が得られたのである。
 陣川温泉は泉源の温度がじゅうぶんに高くないために、重油ボイラーを使って再加熱する必要がある。だからどうしたって料金は500円より下げられまい。それでも油価が変動するので並の経営者では心労に押し潰される(古タイヤを燃料化する新式ボイラーを導入して復活した「あじさい温泉」はレアケース)。それで陣川温泉の旧オーナーは自殺を遂げたと聞いている。だからこの山裾の場所を引き継いで建物をまったく新しく建て直し、館内に多数の高齢者従業員を配することのできている新事業主が、五稜郭公園の近くで不思議な喫茶店を経営している神道系の宗教団体だと聞いて、それは地元には朗報じゃないかと素直に思った。
 この温泉内部の面白さだが、現経営者が資金と「マンパワー」にはそれほど不自由していないが温泉経営は素人なのだと考えるといろいろ納得できた。露天風呂は無い。これは燃料代の節約を考えてだろう。その代わりに2階に展望風呂というのがある。ところが、その2階の浴場へ行くには、いったん脱衣所まで戻り、そこからすっ裸でエレベーターに搭乗するか、やはり全裸のままでエレベーター脇のオフィスビルっぽい階段を登って行くしかない。ヌーディスト村かここは? もしエレベーターの扉が開いたとき、そこが予期に反して大宴会場だったりしたらどうなるのか? コントだろう。また、もし階段の上から下りてきた人がスーツ姿の男女の一団だったら? 逮捕されちゃうじゃないかよ。さすがにエレベーター前には従業員が立ち番をしており、トラブルが起きないように気をつけている風だったが、それすら罠かもしれん。わたしにはとても試す勇気は無かった。が、蛮勇を以って鳴らすわが家族の報告によれば、2階浴場の方が照明を落としてあって落ち着けたと。ただし函館港方向の展望がそれほど佳いわけではなく、向かいの民家から覗かれぬように設けられた目隠し板が邪魔であったと。
 館内の暖房は十分であり、待合スペースで湯冷めすることもなし。これは高く評価されてよい。
 また往々、こうした施設の待合室ではTVの音量が大きいのが迷惑なのだが、ここは音量が控え目で、好感できた。
 女湯の脱衣所に置かれたヘアードライヤーは「100円玉で10分」だそうで、「時間は3分でいい」「100円は高すぎる」との声を聞いた。
 ガチャガチャ引き換えサービスは、オープン当初だけの短期企画ではなく、継続するらしい。ということは、ここに1回やってくるごとに、予備のタオルが1枚増えてしまう可能性があるのか……。
 講評。いまさら設計変更など無理だろうからこれは愚痴なのだが、1階を男湯、2階が女湯、と、上下で分割するレイアウトにするべきだった。週替わりで上下階を入れ替えさせるようにしたなら、地元客も飽きないに違いない。
 上下階ですっぽんぽんの客に自由交通させるなんて、管理要員の人件費を考えただけでもおそろしい話だ。
 しかし、できるだけ多数の従業員を抱えるというオーナーのポリシーでもあるのならば、以上の講評は撤回する。願うところは、この温泉が長く持続してくれることだ。
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 記事「Russia’s controversial 9M729 missile system: A not-so-secret secret」。
    ロシアのINF違反品目、9M729は「ノヴァトール」とも言い、NATO識別称は「SSC-8」である。
 ロシアのINF違反を米国庶民が知ったたのは、2014-7の『NYT』報道が最初だった。オバマがプーチンに、違反を咎める書簡を送ったというすっぱぬき。
 なんと違反実験は2008年前半から続いていたのだという。
 NYT報によればオバマ政権はロシアがINFに戻るよう期待して公然たる非難を控えたという。
 2018-12-4の国務省発表によれば2014から今日まで秘密裡に5回、米露の核兵器担当者同士でこの件が話し合われたものの、ロシアは嘘と韜晦を続け、開発と生産を続行した。
 11-29にトランプ政権のNSCメンバーであるクリストファー・フォードが、DCのウィルソンセンターにて、ロシアのNovator社が「9M729」という違反品目を開発したと公表した。
 ノヴァトール局は、ロシア国営兵器廠アルマス・アンテイの一部門で、これまで、海上発射型のカリブル巡航ミサイルをてがけている。
 国家情報局のダン・コーツによれば、9M729は2000年代なかばから開発がスタートした。諸元は謎である。
 路上機動式のイスカンダル戦術弾道ミサイル(核/非核両用)と、カリブルの技術が応用されているのではないかという。
 開発のための試射は2015年まで熱心に反復された。
 INF条約では、海上発射式または空中発射式であった中距離ミサイルを陸上から発射するテストを行うことも禁じている。が、ロシアは条約を蹂躙し続けた。
 「9M729」の射程については、部外者は誰一人知らない。ブルッキングス研究所の軍縮専門家スティーヴン・パイファーは、過去に2000kmだと見積もったことがある。が、最近は「500km強かも」と自信なさげである。
 ※試射を衛星でモニターできている政権内の情報系高官は、とうぜん飛距離は把握している。だがそれがちっとも漏れて来ない。これは偉い。
 トランプ政権は、9M729は間もなく実戦配備される、そういう段階に来たと信じている。
 2017-2のNYT報道では、ヴォルゴグラード市近郊、カプスティン・ヤールにあるロケット発射場と、別の某所で、ロシアの複数の部隊が新型ミサイルを装備していると。
 コーツによれば、既に装備している部隊がセベラル個あると。その一部はアジア向けかもしれないと。外見は既存のミサイルに似ており、コンパクトで、発射車両による機動が敏捷で、したがって衛星ではリアルタイム追跡をし難い。
 2017-12にロシア外務省は、9M729の存在を認めた。しかしそれはINFに違反していないのだと言い張った。
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  Ben Werner 記者による2018-12-5記事「U.S. Destroyer Conducts FONOP Near Russian Pacific Fleet Headquarters」。
         米駆逐艦『マッキャンベル』(DDG-85)は、ウラジオストックの目の前、ピョートル大帝湾で、FONOPを実施した。
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 ストラテジーペイジの2018-12-6記事。
   シナ人の信条「水に落ちた犬は叩け」を英訳すれば「Attack while the enemy is weak」である。
 10月後半、民間衛星が、『094』型SSBN×2隻が浸水してドックで艤装中であることを探知した。
 げんざい『094』型は4隻就役しているが、かんじんのSLBMが未完成である。