アマゾンで後から頼んだ人も、そろそろ着きましたね? 都内なら即日届く状態です。

 ELLEN KNICKMEYER 記者による2018-8-19記事「US says conserving oil is no longer an economic imperative」。
   トランプ政権は、自動車の燃費についてもう五月蝿いことは言わぬことに決めた。
 なぜなら天然ガスのフラッキング採掘がどんどんできるようになって、輸入エネギーへの依存率が激下がり。シェール・オイルという巨大予備タンクも自国内に確保されているのだから、もはやエネルギー安保を気にして節約する必要など、ないのである。
 地下深くで水平方向へドリルを掘り進ませることができるようになったことも、価格を下げている。
 2008年夏の原油価格は1バレル147ドルだった。今は65ドルだ。
 しかし批判者いわく。でかいデブが、食料品が値下がりしたからといって、ドカ喰いを再開するようなものじゃないか。
 ※これは面白い。ドイツの自動車メーカーのディーゼル部門は、規制が緩められた米国内に製造プラントも研究所もぜんぶ移転してしまうことができるだろう。そうやって投資と雇用を増やすことを狙っているのだとしたらトランプさんも凄いもんだが、たぶんは、そこまでの深慮遠謀は…………?
 次。
 Kyle Mizokami 記者による2018-8-16記事「Is Russia’s Mysterious New Satellite a Space Weapon?」。
    ロシアの人工衛星に近づいて状態を視認するための衛星だ――とロシアが称しているもの。怪しい。
 それは2017-6-23にプレセツク・コスモドロンから打ち上げられた。ロシア国営メディアによれば「コスモス2519」である。
 それは親衛星で、中から子衛星をたくさん放出した。それらの機能はさまざまだという。
 前に打ち上げている衛星に不具合が生じたとき、どこがどのように故障したのかを知りたい。そのためには、査察写真衛星を近寄せて外見を撮影させて画像を地上に電送する方法がある。
 ところで、そのようにしてすぐ近くからカメラの照準を合わせられるということは、そのミニ衛星にカメラの他にレーザー銃やマイクロ波銃などを搭載させておいたら、ついでに対象を破壊もしてしまえるわけである。
 その査察衛星を外国衛星に近寄せれば、そのままASATとなるのだ。
 外国は、他国が打ち上げた査察衛星がASATなのかどうか、平時に判別する方法は無い。
 ※まさに宇宙のグレーゾーン狙い。平時から親衛星を多数周回させておき、有事に一斉に子衛星を放出して通信も偵察もできなくしてしまう。
 ロシアは「ヌドル」という地対宇宙の衛星攻撃兵器を持っている。しかしこれは敵衛星が基地の直上を通過してくれるときにしか使えない。
 ワシントンフリービーコンによれば、露軍はさらに2つのASATを製造中だ。ひとつは「ルドルフ」と呼ばれ、もうひとつは「ティラダ2S」という。また、中共もさまざまなASATを研究中である。
 ※ロシアの技術のうち「フカシ」の部分と「リアル」の部分を嗅ぎ分けねばならない。水中核ミサイルとかマッハ20のハイパーソニックとかは「フカシ」である(前者は計画すらなく、後者は実用段階に達していない)。メディアには宣伝をさせていない分野が、じつは恐ろしいのだ。一例が、彼らが戦前から得意な冶金分野に最新のナノテクを結合させているサーモバリック弾頭。80年代から孜々として研究と改良が継続されていて、その実験はかつてはアフガン、チェチェンにおいてなされ、今はアサド軍にシリアでさせている。北鮮は伝統的にこのアサド政権と武器技術の交流をしてきた。シリア経由でサーモバリックの見本は北鮮へも渡されている。もしサーモバリックがテロの道具に本格的に応用されれば、今の警察の対応はぜんぶ無効になってしまう。詳しくは最新刊『日本転覆テロの怖すぎる手口』を読もう!


放置道標考

 いや~こっちは早くも夏が終わりかけているので、思い余って山登りをしてきました。
 「蝦夷松山」という、函館市街地からは誰もが望むことのできるスカイラインなのですが、誰もそんな山名など意識したこともあるまいと思われる、無名に近いピーク。667m。
 2002年改訂の『北海道夏山ガイド』を片手に、なんとか登頂できました。このガイドブックがなかったら、もうどうしようもなかったです。
 途中に数ヶ所ある分岐点の指導標識が、もののみごとに全滅状態でしたので……。
 陣川温泉の少し上、真言宗神山教会の霊場(そこには硫黄臭のする鉱泉が湧出している)を通り過ぎたすぐ上に、まず最初の重要なY字分岐があるのですが、ここの、右側が登山路であるという標識(10年くらい前にはあった見覚えあり)が、なくなっていました。たぶん、よそから来た人はここでアウトでしょう。
 途中、大きなゴルフ場まで通じているらしい車用林道と十字クロスするところにも、何の案内板もありません。右手へ行けばゴルフ場までエスケープできるという案内があってもいいんじゃないか?
 そのクロスを過ぎた先に1箇所だけ「蝦夷松山登山道→」と書かれた木製の標識看板が丸太の柱頭に固定されて路傍に立っていたのが、唯一、健全な状態の案内標識でした。その先が谷渡りのために下り坂になっているので、疑問を生じてしまうであろう登山者を慮ったのかもしれません。でもこれは分岐点に植立した方が親切ですよ。
 標高510mの最後のY字分岐には、道標の柱だけが残っており、標識看板は地面に落下して草に埋もれた状態でした。そこから頂上までは、ここ半年かそれ以上、刈り払われてないだろうと思われる藪状態。そこを30分前後も縫って行く。岩場のロープ下端まで辿り着かないうちに「おかしい。引き返そう」と、信念が揺らぐ人も多いのではなかろうかと思いました。
 イタリアのRC高架橋崩落事故の映像を見てつくづく思います。上からの荷重(道標の場合、積雪と、春に徐々に融雪するさいのおそるべき引っ張り力)や、横からの強風に、何年も曝され続ける人工構造物は、そこに立っているだけでも常に壊れつつあるんだという認識が必要です。
 「横に長い看板」はさいしょからダメでしょう。「柱と分離する可能性のある板」もダメでしょう。それらは必ず雪圧で脱落するか、風で吹き飛ばされる。
 理想的なのは、担いで登り易いアルミの中空柱で、頂端部の少し下の上下50cmほどが僅かにリセスになっていて、そのリセスが長方形の平面であるものです。その平面上に文字や矢印をレーザーで彫り付けて、1本柱の案内標識とする。
 これならば、風雪や倒木、落下枝の破壊力にも耐えて、何十年も役目を果たしてくれるだろうと愚考します。
 次。
 LOUISA LOVELUCK 記者による2018-8-18記事「The secret app that gives Syrian civilians minutes to escape airstrikes」。
   シリア政府軍の航空基地を見張る一人の男。空軍機が離陸すると、スマホから「空襲警報アプリ」のホストコンピュータに一報を入れる。
 ホストコンピュータは、その予想爆撃目標を推測し、SNSを通じて一斉に警報を発する。
 反政府ゲリラも、民間人エイドワーカーも、ただちに退避壕へ。
 このシステム構築のために、複数の西側政府が資金を出している。
 見張り役は8時間交代。飛行機を視認したら、その位置、飛行方向、そして、為し得れば機種を、ただちに通報する。
 この情報は、複数のリモートセンサーのデータによって補完される。
 センサーは音響を拾うマイクである。樹上やビルの屋上に匿して設置され、航空機の速度や、機種まで判別ができる。
 その上で過去の空襲パターンのデータを参照して、予見される空爆地区と、空爆開始時刻が算定される。
 SNSを通じ警報を受けた区域では、サイレンを鳴らして人々を避難させる。
 当該地区の病院施設では、警告灯が明滅する。
 航空無線を傍受することにより、化学兵器による攻撃の兆候を察知できることもある。
 ※地方の書店でまだ『日本転覆テロの怖すぎる手口』が入荷していないところはあるかな? 神社の御神木に除草剤を注入するといった「隠微なテロ」が日本ではこれから主流になるのです。山の中の道標を意図的に破壊する手合いも現れないとは限らない。日本社会が「社会破壊工作員」たちの後手に廻ってしまわぬように、早く本書によって意識を一新するのだ!


とうだいもとクラッシャー!

 Michael Peck 記者による2018-8-17記事「This Is Where Japan Might Have Gotten the Idea for Pearl Harbor」。
   ※かなり前の記事の再掲らしい。
 英空母による伊タラント軍港に対する奇襲雷撃は、1940-11-11である。夜襲だった。
  たった1隻の空母『イラストリアス』が参加した。護衛は、重巡2、軽巡2、駆逐艦5。
 タラント在港のイタリア軍艦は、戦艦6、重巡9、軽巡7、駆逐艦13。
 イラストリアスが発進させられた航空戦力は、スフォードフィッシュ×21機。
 複座の複葉機。
 速力は140マイル/時と遅いが、航空雷撃にはそれが適しており、じっさい、独戦艦『ビスマルク』もこれで沈めている。
 攻撃隊は2波。まず12機が。つづいて9機が発進。
 各隊とも、半数は魚雷の代わりに照明弾と徹甲爆弾を吊るした。
 イタリア軍は防雷網を張っていたものの、タラント港には水深があり、スウォードフィッシュのリリースした魚雷は、その防雷網の下を潜って駛走した。
 空襲は夜の11時前に始まり、12時前後まで及んだ。
 爆弾は1発も命中しなかった。
 英側の損失は、スウォードフィッシュ2機。乗員2名が戦死し、2名は捕虜になった。
 戦艦3隻に魚雷命中。
 『コンテディカヴール』は着底。終戦まで引き揚げられなかった。
 『カイオデュイリオ』はみずから座礁して沈没を免れた。
 魚雷3本が命中した『リットリオ』もみずから座礁した。
 その返礼にイタリア海軍は、1941-12-19にアレクサンドリア港にミニ潜航艇でフロッグマンを送り込み、仕掛け爆弾によって英戦艦2隻を損壊させた。
 じつは『イラストリアス』には、米海軍のジョン・オピー中佐が観戦武官として同乗していた。
 中佐はただちに報告書を提出している。
 しかし海軍省は顧みなかった。オピーは、真珠湾を訪れて自分の知見を伝えたいともリクエストしたが、却下された。
 米海軍上層は、パールハーバーの海面は狭くしかも浅いゆえ航空魚雷が使用される余地はないとして、防雷網を設置しないことに決めたのである。


全国の書店に『日本転覆テロの怖すぎる手口』がもう並んでいるでしょう。今日。

 Zach Dorfman 記者による2018-8-15記事「Botched CIA Communications System Helped Blow Cover of Chinese Agents」。
    CIAは中東の作戦では、有線の通信を敵方に対して秘匿することができていた。
 それを、中共相手の作戦でも使っていたところ、中共はその有線秘匿通信を傍受して解読できたらしく、中共内のインフォーマーは全員逮捕され、投獄または処刑された。過去8年で。
 やられた総人数は、30人くらいらしい。1人の見当違いもなく、ピンポイントで次々に正確にやられた。大半が死刑。
 それどころかCIAは油断して、中共内のインフォーマーとの通信回線を孤立させないで、CIAのメインのサーバーにも連結していたという。そのため中共のスパイ機関は、CIAのメインのサーバーまで侵入できた可能性がある。もっか、FBIとNSAが調査中。
 ※まぬけすぎるため、オバマ時代のCIA長官のセキュリティクリアランスが剥奪されたのか。
 窓があけはなたれていた期間は、数ヶ月。
 どうやら中共は、得られた秘密の一部をロシアにも与えたらしい。
 ロシア内のCIAインフォーマーが、突然、監視・警戒されるようになった。
 次。
 ADAM TAYLOR 記者による2018-8-16記事「Why the Korean War didn’t end ? and why it could now」。
   1950~53の期間に北鮮の非軍人の死者は250万人と推測されている。
 トルーマンの後継大統領が1952にアイクに決まったこと、そしてスターリンが翌年に死んだことで、共産側は諦め、休戦が実現した。
 この休戦協定には、国連軍総司令部、中共、北鮮の三者が加わっているが、韓国だけは加わっていない。というのも李承晩は休戦に反対で、継戦を熱望したので。
 1954年には、平和条約を締結するための会議がジュネーブで開かれたが、どちらも、自陣が勝者であると考えていたので、まとまらなかった。
 すぐに仏領インドシナで次の火種が燃え上がった。
 米国は1958に韓国内に核兵器を持ち込むことで、休戦協定の一部を否認した。
 北鮮は1990年代から、もはやじぶんたちは休戦協定には従ってはいないと頻繁に宣言している。
 トランプが、朝鮮戦争を終わらせよう とツイートしたのは2018-4月。熱意が示された。
 6月にホワイトハウスで北鮮高官と会談したときもトランプは記者団に、終戦について語った と言った。
 次。
 Jim Baker 記者による2018-8-15記事「Artificial Intelligence ? A Counterintelligence Perspective: Part I」。
      AIによる技術の変化は速く、広く、また社会的に影響が深いため、そのリスク見積もりも、機会評価も、常人には困難である。
 さいきん『ゼロの軍隊』を公刊したポール・シャールはAIが戦争をぜんぶ変える、という。
 しかしそもそもAIは未だまともに定義すらされていないのだ。
 記者は法律家であって技術屋ではない。
 マシンの定義はできそうだ。しかし「考える」「学ぶ」とは何かの定義が難しい。だからAIを定義する試みは難渋する。
 グーグルは、人のボイスをテキストに変えてくれるソフトを既に提供している。
 限定級のAI(ナンチャッテAI)ではなく、綜合級のAI(人智そのものなのですべてを任せられるAI)が完成し、それを国家の情報戦線の分析官として大量動員できたら? どの先進国も考えていること。そんな技術をもしライバルが有しているのなら、それを盗みたいだろう。
 「説明してくれるAI」。AIの出す結論に到った判断の過程が、人間の頭でも理解できるように示されること。
 このAIができれば、それは倫理問題とのバッティングを回避しやすくなる。
 つまり、AIのブラックボックス問題を解決しながらAIを進展させることが、高優先度の課題なのだ。
 ※世の中、なんでも暴露しながら話を進めることなどできない。他人である男女間で裸の付き合いができるものではなく、裸体、特に男の股間を隠蔽することが倫理的なのだ。かりに黒人やヒスパニックやイスラム教徒を見込み顧客から外すというアルゴリズムになっている私企業の営業ソフトの「選別過程」が倫理的に正しいことを、任意の第三者機関(もしくは全社会)に向けてCEOは説得し得るか? できるわけがない。A氏またはA国が現実的で合理的だと思っていることは、B氏またはB国の価値観や感情とはバッティングすることがある。その場合、A氏/A国は、みずからの夢や希望や信念を秘密にし続けないかぎり、B氏/B国との摩擦を避ける社交/外交はできないはずである。
 ※もうひとつ。高等数学のできない人々は、有名な相対性理論を、いくら砕いた日本語で説明されようとも、せいぜい、わかった気になることができるだけのはずである。AIの全計算を素人にわかるように説明しますよと言ったって、結句、これと同じ無理と自己欺瞞におちつくだけのことじゃないのか。


新刊は都内書店の早いところでは本日の午後には並ぶのでは? 新書のPHPの区画を見過ごすな!

 こんかい、編集部のご方針により、ウィキメディアとウィキペディアの写真については、クレジットはどこにも示されていません。
 次。
 Thomas Pinney 退役海軍大佐による2018-8『Proceedings Magazine』寄稿記事「UAVs: Before Fire Scout There Was DASH」。
    DASH(Drone Antisubmarine Helicopter)は758機製造されたが、米海軍での現役期間は10年に満たなかった。対潜魚雷の他、B57核爆雷も投下できるロボットヘリだった。
 なぜこの発明品は失敗におわったのか。
 当時、アスロックは1万ヤード先へ投射できた。しかしソナーの性能が上がってきて、駆逐艦からもっと遠く離れた海域でソ連潜を探知できることもあった。
 カマン社はまだ有人の軽対潜ヘリ SH-2(ランプスのマーク1となる)を完成していなかった。つなぎが必要だった。しかも、なし得れば、大量にストックのある旧式小型駆逐艦の後甲板を有効利用できるサイズのものが。
 NY州のジャイロダイン社は、ベンディックスの1人乗りヘリコプターをすでに無人機に改造していた。海軍はこれに着目する。
 メインローターが二重反転式なので尾部ローターが要らない。このスタイルは安定していてリモコン向きであり、狭い甲板でも扱い易い。
 マーク44対潜魚雷の他、核爆雷も運用できる仕様だが、海軍の記録では、ダッシュが核爆雷を運んだことは一度もなかったようである。
 DASHを発艦させるには、エンジンをフルパワーにしたあとで、ホールドダウン・ケーブルをリリースする。
 発艦時のリモコンは後甲板から目視でするが、飛翔開始後は、CICルームにて、対水上レーダーの反射画像をモニターしながら操縦する。
 しかし初期のQH-50(=ダッシュ)のレーダー反射は弱く、にもかかわらず、トランスポンダーを搭載していなかったので、CICルームからの操縦は相当に困難であった。
 データのフィードバックが一切ないということは、CICルームの操縦者は、DASHのげんざいの対地速度、高度、向かっている方位を、数値で報告されることはないということ。アナログのレーダー輝点の移動を白色グリスペンでなぞりながら、推測するしかないのだ。
 ケネディ大統領は、1963年後半に、ダッシュから対潜魚雷を投下する訓練を視察している。
 そこから全艦隊への普及が始まったが、1969年には、ダッシュは放棄された。
 米海軍はダッシュを400機以上も、運用中に喪失している。
 じつは1960年代の米海軍内にても、艦政本部系と航空本部系は対立していた。ダッシュの部品は艦政系統が調達していた。それが部品の故障率を著しく高くした。
 加えて、航空系の幹部たちも、ダッシュを冷遇した。海軍において航空系の主流は、「空母派」である。彼らにとって、空母だけが優遇されるべき対象だった。ダッシュが空母の近くをフラフラ飛びまわったり、操縦電波によって空母の無線に干渉が起きることを、彼らは嫌った。
 駆逐艦が空母から十分に離隔していた場合のみ、ダッシュを使った対潜訓練が許可された。
 ベトナム戦争中、駆逐艦長の関心もASWには無かった。
 機関科員たちは、ダッシュが逸走した場合にそれを回収するために4基のボイラーを駆動させねばならぬことを心配していた。
 ダッシュは、通信が途絶した場合は、その場で低空ホバリングを続け、通信回復を待つ仕様になっていた。
 だがじっさいには、あてどもなく逸走し去ることがしばしばあった。
 1965年には、ダッシュに偵察用のビデオカメラが装置され、かつまた、テレメトリー送信機がとりつけられた。これでようやくリモコン操縦者は、ダッシュの現在の速度や高度を逐次に正確に知り得るようになった。
 このように改造されたものは「スヌーピー」と呼ばれ、ベトナムの沿岸偵察および、対地砲撃時の着弾観測機として用いられた。
 ベトナムの陸地で撃墜された味方パイロットをレスキューする道具として QH-50 が使えないかどうか、検討されたこともある。
 ソノブイ投下、チャフ撒布、スペアパーツ配達の機体として実験されたこともあった。
 解役の後、DARPAが、夜間用ビデオカメラ、レーザー照準器、そして機関銃と投下式の手榴弾を、DASHに装備してみたこともある。
 もっと後には、スティンガーSAMの訓練標的曳航機、もしくは標的そのものにされた。
 現在のMQ-8Bファイアスカウト無人艦載ヘリとダッシュを比較すると、主ローター回転面積がダッシュの方が小さいことは目を惹く。ペイロードも、DASHが上回っているが、滞空時間はファイアスカウトの5時間に比して1時間と、あきらかに劣る。速力も倍ちがう。
 だが、価格の上ではダッシュが断然に安いのである。これをどう考えるか。
 なおMQ-8Bはもうじき、ひとまわり大きなMQ-8Cにひきつがれるはずだ。


センセーショナル過ぎて語るを許されなかった地下空間爆破テロ

 こんどの新刊で、じつは原稿がカットされた部分があるんです。それは地下空間爆破テロの手口について想像して書いた部分。編集者さんが「これを公刊するのはまずいよ」と判断したらしい。
 北海道弁で「そんなにかい」と、こっちが内心驚いた次第です。
 すべて既知の事実を述べてみましょう。
 都市ガスの成分である天然ガスは、空気より軽い。他方、プロパンガスは、空気より重い。
 風が吹かない閉じた空間内では、プロパンガスは、下の方に溜まる。
 また地中に漏出したプロパンガスは、土の中の隙間を通って水平に100m以上も移動することもある(南米でビルの1Fが大破した爆発事故の例あり)。
 日本では、プロパンガスのボンベとして、住居消費用の他、フォークリフトの燃料用としても、各サイズが揃っている。
 さてここからが想像。
 もし一軒家からプロパンガス入りのボンベが盗まれれば、ガスレンジの火がつかないので、すぐに家人が「おかしい」「盗まれた」と察するだろう。が、もし集合住宅や工場から1本だけ持ち去られたなら、そのボンベが、ガス屋さんとは無関係の人物によって盗取されたのであると認定されるまでには、ずいぶん時間がかかってしまうのではなかろうか?
 テロリストは、このようにしてあちこちから盗み集めたプロパンガスを、何かの作業員風を装うことで、堂々と、地下鉄構内や地下街に搬入できるかもしれない。
 そして目立たないところに安置したうえで、すこしづつ、もしくは時限装置によって急速に、プロパンガスを放散させたとしたら、どうなるのか。
 通退勤時刻や、買い物客でごったがえす時間帯に、特定の地下空間に滞留したガスに、何かの火花が飛んだ場合、記録的な数の死傷者が出てしまうであろう。
 プロパンガスの性質を利用すると、犯人は、大きなボンベを地下空間内に搬入する必要すらもなく、地表の近くから、その地下空間に通じている「隙間」に流し込んでやるだけでも、その目的を達するかもしれない。
 こういう危険が考えられる以上は、想像上の可能性といえどもただちにパブリックに警告されて然るべきであろう。東京五輪まで2年あれば、対策は立てられるはずだから。
 自動換気システムが特に大事なんだということを、『日本転覆テロの怖すぎる手口』の中で再三強調している理由を、読者の皆さんは、あらためて、ご理解いただけたでしょうか。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-14記事。
   米政府機関は、OV-10をまだ6機強、運用中である。
 フィリピンは8機、有しているが、メンテナンス予算が出ないため、飛べない状態。
 そこで米国は、NASAが使っていた2機と、イラクで実験的に使っていた2機を、フィリピンにプレゼントした。
 後者のG型は、グラスコクピット化され、レーザー誘導ミサイルである70ミリAPKWSも運用できる。
 OV-10は、兵装2トンを抱えて4時間滞空できる。
 比島政府は2017年にマラウィ市のIS一味に対し、OV-10で空からも攻撃している。
 米軍の無人機が攻撃すべき座標を夜間に標定してやり、OV-10はそのGPS座標に対して黎明時に無誘導の500ポンド爆弾を正確に投弾した。
 フィリピンは2017末に、6機のA-29スーパーツカノもブラジルに発注済した。2019末までに受領予定。
 ※P-51をターボプロップにすればこんな形になる。亡命ドイツ人技師たちも、マスタングこそ理念形だと認定せざるを得なかったのか。
 基本は練習機だが、固定武装したければ、両翼下に12.7mm機関銃を1門づつポッドとして吊下できる。
 オプションで高額なFLIRを取り付ければ、全天候で地上の画像イメージを克明に得られる。
 ※これがついていれば群馬県の防災ヘリも山腹に激突しないで済んだ。しかしFLIR一式でヒューイの機体価格とタイかそれ以上になるかもしれない。ISR機材の値段がちっとも下がらないというのはAI時代の不思議なパラドックスだ。他方、ISRにカネをかけない防災飛行機に何の価値があるのかと私はいつも思う。
 お値段は1機900万ドルである。
 ※群馬県にも買えるはずである。
 スーパーツカノの巡航スピードは500km/時。それで滞空6時間が可能。
 150km/時まで失速しない。したがってジェット攻撃機よりもおちついて地表を監視できる。
 レーザー誘導の250ポンド爆弾または500ポンド爆弾も複数吊るせる。
 上昇は1万1300mまで行ける。もちろんコクピット内は与圧可能である。
 ※したがって山岳監視を連続数時間も続けてもパイロットは疲労しない。
 スーパーツカノを1時間飛行させるのに要するコストは500ドル。これはF-16戦闘機の十分の一以下なのだ。
 ※なぜブラジルはこいつを「艦上攻撃機」に仕立てて、コンテナ船改装ミニ空母とセットで後進国相手に商売しないのだろう。というかその前に、富士重工や三菱がどうしてこういう「ナンチャッテ練習機」を製造しないんだ? ASEAN諸国に援助してやれば、彼らが海賊漁船団も違法リグも追い払えるじゃないか。どうもホンダ以外の大企業経営陣には、もはやそういう期待を寄せるのも無駄なのかもしれないね。
 続いてイラン関係。
 8-7にイラン革命防衛隊の上級将軍が明かした。イランは7月に、イエメンのシーア派ゲリラに、バブエルマンデブ海峡において、2隻のサウジのタンカーを攻撃するように頼み、それは実施された、と。
 このためサウジはタンカーの運用を1週間、止めるしかなかった。実害は抑制されたが、イエメンのゲリラはイランから機雷や大型対艦ミサイルを供給されているらしい。
 イラン革命防衛隊は、新型の対艦弾道ミサイルを8-5に試射した。場所はホルムズ海峡。このミサイルは射程300kmの固体燃料の弾道ミサイルをベースにしているので、有効射程は250kmと見積もられる。標的は外したらしい。
 8-4にはシリア北西部のマスヤフ市で、化学兵器開発に携わっていた科学者の自動車が爆発し、当人死亡。もちろんイスラエル機関のしわざ。
 アサド軍のヘリから市民の頭上に投下する樽爆弾の製造工場も、マスヤフ市の地下にあるらしい。


近未来に必要な小銃とは……。

 ストラテジーペイジの2018-8-13記事。
   これから4万梃以上のソコム用のM4カービンの主要部を、SIG社製に総とっかえし、随意に消音できる火器に変える。
 バレルにサプレッサーがデフォルトで付く。サプレッサー内の隔襞は19枚。
 ガス取り出し量規整子は、2段階を選べる。すなわち、通常弾用と、亜音速特殊弾用。
 夜襲の近接戦闘では、亜音速弾を選ぶ。サプレッサーを飛び出した後も、飛翔する弾丸は、衝撃波を発生させない。これによって高いサイレンス効果が得られる。夜間の突入チームは、敵が状況をまったく把握できないうちに勝利できる。
 じつはこの亜音速弾、米国で害獣猟用に市販されているものだ。農民が、畑を荒らす野豚を駆除するのに役立っているのだ。5.56ミリながら、距離100mまでなら、弾道も安定している。
 豚は頭が良いので、1匹が撃ち殺されると、全集団がその音から危険を察知して遁走してしまう。
 しかし亜音速の5.56ミリ弾をサプレッサー付きの銃から発射すれば、50m以遠であれば銃特有のノイズをほとんど他のブタに聴かれずに済むので、群ぜんたいに気取られる前に、4頭から5頭は仕留めてやることができるという。
 ※おそらく夜間に暗視スコープで狩るのだろう。日本でも法令を改正してヒグマ等排除用に夜間の市街地での発砲を許可せねばならない段階に来ている。まずはパトカー内からの同乗射撃が全面解禁されるべきだろう。
 このたびのSIG社製のレシーバーはガスピストン式。ストーナー式の直接ガスぶちまけ型でないから、レシーバー内がカーボンで汚れることもない。
 イラクやアフガンのような土埃まみれの土地では、ストーナー式は最悪であった。
 4万梃の更新が完了するのは2023年であろう。
 ※チェチェンの都市ゲリラは .22のロングライフル拳銃弾を、ペットボトルをサイレンサー用にかぶせた射的銃から単射して、ロシア兵の顔面を狙って成果をあげていた。市街での対テロ作戦が主流になれば、ますます消音銃や暗視照準器の需要が高まることだけは確実だ。


みなさん、正式発売は今週からです。

  Laura Yan 記者による2018-8-12記事「This AI-Powered Robot Can Find Waldo Instantly」。
    〈ウォーリーを探せ〉のウォーリーは、米国では「ウォルドー」のようであるが、このたびレッドペッパー社は、AIを組み込んだゴムの手が、4.45秒にして絵本の見開き2ページの群像の中からウォルドー君を判別できることをデモンストレートした。
 じつはグーグル社が「オートML ヴィジョン」というAIソフトを売っている。写真を読み込ませて学習させることのできるAIだ。レッドペッパー社は、このソフトを用いた。
 このソフトのユーザーには、プログラミングやコーディングの予備知識などは一切要求されない。画面上でマウスを操作するのみ。
 これからAIがどんなイメージを探してピックアップすればよいのか、マウスだけで、AIに教え込ませることが可能。
 まず、レッドペッパー社の技師、マット・リード君は、グーグルの画像サーチによって、62タイプのウォルドーの面相、およひ、45タイプのウォルドー着装の全身衣装を見つけ出し、それらのイメージを、「オートML ヴィジョン」に片端から読み込ませた。
 リード君はあまり期待をしていなかったが、たったこれだけの「教え込み」だけで、マシーンは驚くべきパフォーマンスを発揮した。
 人の面相認識をさせるためには「ヴィジョン・カメラ・キット」と「オープンCV」というものが要るらしい。
 カメラが撮像したイメージは「AutoML」に送られる。AIは95%の確率で、ウォルドーを指摘する。
 リード君の野望。このAIシステムは、「君にいちばん似ているマンガのキャラは何?」という質問にも答えてくれるだろう。
 また、コミック作品の贋作を暴いてくれるかもしれない。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-12記事。
    ドイツ海軍が6隻保有する『タイプ212』潜水艦が、2017末に、とうとう1隻も出動できない状態になったことは、既に報じられている。
 稼動していた最後の1隻は12月19日にノルウェー沖の海底岩に舵をぶつけて壊してしまったのである。
 残る5隻は、修理中であるか、修船ドックの空き待ち。
 『212』級は高性能で省力的なのだが、スペアパーツ代が高くつく。その金を、ドイツ政府はケチっているようだ。
 冷戦終了後、独海軍は、海戦よりもむしろ平和維持活動に使いよい艦艇を発注して建造させるようになった。
 そして近年では、軍艦のメンテナンスが予算的に優先されなくなっている。戦車や戦闘機と同様に。
 ドイツ海軍がこのようにサボっているということは、バルト海と北海でロシア海軍が強くなってしまうことを意味する。貧乏所帯の露軍を封じ込めることはドイツにならば簡単なのに、現状ではロシア海軍の跳梁をドイツがゆるしているも同然。全北欧諸国が、これに迷惑を感じている。
 それどころかASWに関してはドイツはいまや他のNATO諸国やスウェーデン、フィンランドの努力にタダ乗りをしている。ドイツ商船のシーレーンを、他国が護ってやっている状態なのだ。
 『212』型は、燃料電池使用のAIPだが、浮航時にはディーゼルも使って充電ができる。
 古い『209』型をリプレイスした。
 『212』型は1隻5億ドルと高額である。それでもSSNの三分の一だが。
 クルーも27名だから、人件費は格安だ。
 潜水艦の公試運転の報告は、他国のものでも信じていい。というのはもし嘘の報告をすれば、命の懸かっている乗員が怒ってリークする。
 ※関係ないのだが、豪州に日本の潜水艦を「完成品」として買わせる方法は簡単だった。「買ってくれるなら、御国の畜産品、酪農品の輸入関税と数量規制をゼロにしますよ。ついでにニュージーランドの分もね」と持ち掛けるだけで、即決しただろう(NJ政府が全力で側面援護射撃をしてくれる)。潜水艦の豪州国内工場での製造で雇用される豪州人有権者の人数(票)と、畜産品輸出で懐が潤う豪州人有権者の人数(票)とでは、比較にならない。いったい、そうすることでわれわれ日本人にどんなデメリットがあったのだ? 畜産や酪農は、人にも動物にも決してやさしくはない。その「悪」を他国がよろこんで肩代わりしてくれようというのだ。そのおかげで日本の消費者は、信じられないほど安価に畜肉と乳製品を消費できるようになる。貧乏人が貧乏を少しも感じないで済むようになるのだ。しかもこれは日本の食糧安保構造もいささかも悪くさせることはない。これによって幸せになる人の数は、困る人の数千倍に達するだろう。中共だけが面白くなく、他の国はすべて安全が増す。最大多数の最大幸福を実現できるのが、大政治家だろう。


昨日、書泉グランデで『日本転覆テロの怖すぎる手口』を見つけた人は幸運です。

 なにしろ今回は五冊きりしかございませんでしたのでな……。
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 Dave Majumdar 記者による2018-8-11記事「Russia’s Next Fighter Might Have a New Way to Shoot Down F-22s and F-35s」。
   フォトニックレーダー(光動作レーダー)とは何か。
 これを最初に試作したのはイタリアの大学研究事業団で、2014年のことだった。米国、中共、ロシアはこの新技術の軍隊での実用化に躍起になっている。
 変わるのは回路である。電気信号の代りに、レーザー光の信号が、回路を流れる。
 光学フィルターと、光学ダイオードが介在する。
 こうすることで、非常な広帯域(高いほうは数十メガヘルツから数百ギガヘルツに達するポテンシャルあり)の中から任意の電波信号を、極く精密に、楽々と作り出してやることができる。
 低周波から超高周波までミックスできるから、ステルス機の存在を曝き出すこともできる。もちろん、回収信号をうまく処理する必要がある。都合のよいことに、光回路は電気回路よりも、処理スピードが高い。また、信号に含まれるノイズが少ない。よって遠距離探知が可能。
 ※さっそく貧乏人のロシアは宣伝を始めた。これは、実物の完成にはほど遠いことを意味する。遥かに先行しているのは米GEである。
 ロシア国営TASS通信の宣伝ニュースによれば、ロシア企業のRTIグループが、このレーダーに挑んでいる。送出される波長はXバンドである。
 この技術が洗練されると、従来よりも遠距離において、対象機の姿を三次元画像として把握することすらできる。高解像度なので。
 モックアップは年内にできる。
 セベラル年後には、小型無人機向きの、超軽量で超小型のレーダーのプロトタイプが完成するであろう、とメーカーは吹かしている。
 中共も、この新技術の情報収集にぬかりはない。すでに専任の研究チームがある。
 そもそもイタリアは、港湾監視用のレーダーに光回路方式を考えたようだ。
 いまの船舶レーダーや、航空管制用のレーダーは、1ギガヘルツから12ギガヘルツの波帯を使っている。もっと高周波にすれば、解像度も上がる。巨大な貨物船が入港するよりもはるか前からその形状を認知できる。小さな舟艇を見逃すこともなくなる。
 ※北アフリカ海岸から小船で密入国を狙うヒューマントラフィッカーへの対策として、洋上監視レーダーの高性能化が必要なのか。ところでカルタゴはどうしてローマに敗れたのか? 地中海の海面レベルでは北風が卓越していて、逆に南風は劣勢である。だから動力船が無かった古代、ヨーロッパ海軍がアフリカの海軍におくれをとる道理は無かったのだ。しかし歴史家でここを解説してくれている人が、いないように見える。欧州人にとっては、それはあまりにもあたりまえだから?


敵の姿が視認できないから、ムダ弾が射耗される。

 ストラテジーペイジの2018-8-10記事。
   中共の民間人事業家がブラックウォーターをモデルにした傭兵警固会社の設立に動いている。もとシールズで、1997に黒水會を立ち上げたエリック・プリンスが招聘されている模様だ。プリンス自身はブラックウォーターの個人所有株を売り払って引退の身。
 じつはブラックウォーターをいちばん重宝して使っているのは外国人ではない。国務省とCIAである。傭兵嫌いのバイアスのかかった欧米マスコミはそこを報じないが、支那人は黒水會のメリットと必要を中立的に見抜いていた。
 プリンスを顧問とすれば、支那版黒水會がうさんくさい反米の工作機関でないことが米政府には筒抜けになる。これも、事業家が狙っているところ。
 新興中共富豪たちが海外のビジネス拠点に出張するとき、身代金目当てに誘拐されたりする危険が増している。彼らはブラックウォーターもしくはそれと同等の護衛組織を雇いたいと、5年前から感じていた。
 治安の悪い地域で米企業がブラックウォーターによってとてもしっかりと安全に守られている様子を、同じ地域に進出している中共企業が、目撃して感銘を受けていたのだ。
 ブラックウォーターの仕事ぶりはとても用意周到で、モデルも完成されている。
 なにしろアフリカやパキスタンの地元の警備機関などでは、シナ人の安全にとって何の役にも立ちはしないと、彼らは切実に痛感させられている。
 中共国内では官僚が何かと邪魔するが、海外でプリンスと組めば速やかにブラックウォーターの支那版コピー企業を育成できる。これは民間事業として政府と無関係に進めねばならない。
 ※「できるシナ人」は、「政府の無い世界」に親近である。日本の左翼より、よっぽどね。
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 CHAD GARLAND 記者による2018-8-10記事「Army’s XM25 program officially goes kaput」。
   米陸軍は、25ミリ擲弾を空中炸裂させる肩射ち式半自動火器「XM25」の開発を投了すると正式に公表した。外野の某試算では、これによって23億ドルもの無駄な予算が使われないで済むという。
 開発受託メーカーはオービタルATK社だが、長年の陸軍との共同開発であったがゆえに、この場合、陸軍の持分であるところの知的財産の扱いが問題となる。その交渉を、陸軍はメーカーとずっと続けてきた。去年の前半から。
 試作品は2010年から2013年にかけてアフガニスタンに持ち込まれてテストされた。しかるに兵隊3人が自爆事故で負傷するという結果におわった。
 あるレンジャー部隊も、この試作兵器を本番の突入作戦に持っていくことをハッキリと拒絶したそうだ。
 最大の短所は、弾倉がやたらと重いくせにたったの36発にすぎず、実戦ではあっというまに空になってしまってシステム全部が役に立たなくなること。これは解決不能な問題なので、外野の専門家たちは2016年に早々と、開発中止を勧告していた。
 ※敵がどこにいるのか、それがアフガンではわからないから、遠間からやたらめったら探り射ちや脅かし射ちをすることになる。敵の位置がしっかりと判明すれば、火器がいくら安物の狙撃銃でも、問題は1発で解決する。だから、火器よりもまず、超小型の偵察ドローンを分隊や個人に持たせる方が優先されるべきなのだ。その次は歩兵銃付属の電子照準器の高性能化に資金を突っ込むことが有益だ。兵隊の命がかかっている歩兵銃サイトが、市販の趣味用の一眼レフ・カメラよりも高倍率ズームのキレが悪いなんてことが、ゆるされて可いわけがあろうか?
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 Greg Torode および Brenda Goh 記者による2018-8-9記事「China’s state firms cementing lucrative role in South China Sea, new research shows」。
   フィアリークロス礁にはすでに3000m滑走路×1と兵舎、ミサイル陣地とレーダーが据えられている。工事費用は11億ドルかかったと見積もられる。
 現在南シナ海にて7箇所の砂盛島の工事が進んでいるところだ。