管理人 より お知らせ[ニコニコ動画 2018/09/28(金) 開演:20:00 兵頭二十八×篠田英朗「AI,核,空母…朝鮮半島危機後の安全保障」 #国際政治ch 33]

管理人 より
お世話になっております。
兵頭[動画]情報です。
兵頭ファンにとっては玉音放送みたいなものです。
どっかの学校の校庭に正座して必見ですよ。
ニコニコ動画 2018/09/28(金) 開演:20:00
兵頭二十八×篠田英朗「AI,核,空母…朝鮮半島危機後の安全保障」 #国際政治ch 33

http://live.nicovideo.jp/gate/lv315651448


「AI大戦」は近い。

 複数のタクシー乗務員さんその他から聞いた話。
 6日はフェリーが動いていたので、フェリーでNHK記者がやってきた。それを未明、函館港から札幌市まで運んだ(さすがに厚真町までは無理だったので)。
 高速は停電以降、不通であったが、地上の国道5号線がフリーハイウェイ状態。誰も走ってない直線道を平均100kmで飛ばした。オービスも停電で作動していなかった。戻るときは、3時間半で来られた。
 このタクシーは燃料が満タンだったのだろう。
 他に何台かのタクシーが函館→札幌の直行に乗り出したようだが、始動時にメーターが少しでも減っている車両を出した者は、途中でガス欠になって、洞爺湖あたりからレッカー車に引かれて戻ってきたそうだ。お客はどうしたのかな?
 もちろん、停電と同時に、タクシー用の液化天然ガスの給油所も機能停止していたので、どうしても給油をするとすれば、「手回しポンプ」を使うしかなかったらしい。
 停電直後は、通信が途絶し、住民が携帯電話でタクシーを呼ぶことも不可能であったことを、証言によって確かめることができた。ただし、タクシー無線用に発動発電機を用意していた会社は、運行無線だけは通じた由。
 函館空港は、停電後も、こちらから内地へ飛ぶ便は、飛んだそうである。しかし、内地からこちらへ来る飛行機は、着陸できなかったと思われる。
 もっとも困った人は、高層マンションに暮らしていた要介護の老人。停電直後、上水も停まってしまい、トイレを流すこともできない。町のケースワーカーも自宅待機であったが、さすがに見かねて、1Fから階段で水を運び上げてやったとか。
 オール電化の家に住んでいる人に頼まれて、いっしょに量販店を回ってポータブルガスコンロを探してやったタクシー乗務員さんもいた。けっきょくどこでも売り切れており、最後に街のプロパン屋さんに相談したら、その家の個人の所有物であるコンロを貸してくれたんだと。
 次。
Will Knight 記者による2018-8-17記事「Fake America great again」。
     ある政治家の政敵が、みっともないことをしているビデオを捏造するのには、それほど、動画編集のスキルは要求されない。時間は数時間かかるが。
 たとえば、動画の人物の顔だけを、別人ととりかえて編集してくれるというソフトが、ダウンロード可能なのだ。フェイス・スワップと言われるもの。
 今は「ディープ・フェイク」の黎明期である。両目だけをハメ込み合成しても、一定の人は、騙されてくれる。しかし将来は、本人も騙されるほどの仕上がりになろう。
 たとえば「OpenFaceSwap」というソフトは無料でダウンロードできる。
 ただしグラフィック関連のハードが強化されたPCでなくては使えず、そのために数千ドルの追加出費が要るかもしれない。
 その資力がない人は、「Paperspace」のようなクラウドサービスをレンタルすれば、1分あたり数セントの料金で、動画加工AIを駆使した作業ができる。
 2017年に、ポルノスターの顔だけセレブ女優にとりかえた合成動画が、セレブ流出映像投稿サイトに投稿された。創ったのは「ディープフェイクス」という人物だ。
 声色を捏造できるソフトもすでにある。ある投稿者は、バラク・オバマとドナルド・トランプの、それぞれ100%創作であるところの偽発言を、もう投稿している。
 人物動画が3D合成かどうかを見破るコツとしては、体内の「脈動」が人物の表皮に現れているかどうか、とか、瞬きが自然であるかどうか、などがある。今のところは。
 リアル映像とそうでない映像を見分けるAI。その裏を掻こうと努めるAI。この2つのマシーンを対立させて学習させ続けると、フェイク動画は極限まで本物らしく整って行く。この技術を「GAN(generative adversarial network)」と呼び、『MIT技術評論誌』は、2018年における10個のブレークスルー技術の1つに挙げた。
 この4月、SNSのワッツアップで流布した動画。BBC風のアナウンスが、ロシアがNATOを核攻撃しはじめたと報じ、映像では、マインツ市とフランクフルト市が吹っ飛んでいる。
 そしてロシア政府は同じ4月、英国政府がシリアにおける化学攻撃の偽映像を根拠にして軍事行動を正当化しようとしていると非難した。
 ※書店で絶賛発売中の『日本転覆テロの怖すぎる手口』。まだ読んでない人は、急いで勉強しよう!
 次。
  Dave Majumdar 記者による2018-9-13記事「Why China’s Stealth Fighter Can’t Touch an F-22 or F-35 in Battle」。
      「殲20」には、第五世代機に必要な「センサー・フュージョン」のソフトウェアが備わっていない。
 「スパイク・マネジメント」もできない。
 F-22やF-35は、飛行中に、敵地または空中のどこからどのようなレーダー波で自機が探索または補足されているか、ディスプレイで一目で承知できるようになっている。
 だからSAM陣地をすりぬけて侵攻することができるのだ。しかし米国メーカーも、このソフトウェアを大成させるのに、何十年も試行錯誤を重ねた。中共メーカーに数年でできる仕事ではないのだ。
 ※「殲20」は電子装備品的には「F-117A」にとても類似していることがわかってきたので、またぞろF-117がオプフォーの殲20役としてひっぱり出されているのか。


北海道の「禍を転じて福となす」は、まず「ソーラー式街灯」から

 このブログの2010年からの読者、および「勝手にソーラーライトを愛好する会」の古いメンバー諸兄ならば、ご案内のこと。
 冬期に「夜」が9時間も続く北海道では、一般向けに市販されているガーデン用ソーラーライトのほとんどは、夜明けまでの発光を続けられない。それどころか、宵口の19時頃に、もう放電し切って、消えてしまう。
 しかし稀に良心的な設計のソーラーライトは、たかだか3000円前後の売価帯でありながらも、冬至前後の不良な日照条件日において、しっかりと終夜の連続点灯が持続する。残念ながら、過去のそうした優れた商品は、安さだけが長所の不良商品群によって、いずれも市場から駆逐されて行った。けれども、拙宅に残してある一製品などは、今回のブラックアウト時も、黎明時まで「目印灯」の役目を果たしてくれた。
 これとは別に、赤色LED1灯でしかも明滅式にするなどの、省エネ回路を採用したソーラー標示灯(工事用標識灯よりグレードを落としたもの)も、ロットによって出来のばらつきはあるものの、概ね、終夜点滅が持続する。価格は2000円未満である。
 より高額(5000円前後)の、ソーラー電池式の工事用標識灯に、すぐれた耐久性や耐候性、信頼性があることは、ここでわたしが解説するまでもなく、皆さんの方が御存知だ。(アマゾンで誰でも買えます。ホームセンターでは見かけない。)
 ソーラーライトに、既存の(100~200Wぐらいもある)街灯の「照明」機能を代替させようとしても、それは無理な話。
 昔の30~60Wの裸電球の代わりにもならない。
 それは、わたしがさんざん実験したり観察して得た、現実的な結論だ。
 しかし、ソーラーライトを、街灯が停電したときの「目印灯」として役立てることは、自治体の負担にならないコストで、じゅうぶんに可能なのである。
 この「目印灯」があるとないとでは、大都市の中心市街や一級国道ならともかく、町の辺縁部や、田舎の寂しい山道などでは、たいへんな違いになる。北海道の皆さんは、ようやく「真に光の無い戸外の不安」について、認識をあらたにしてくださったのではないか。
 暗闇は、いろいろと危険なのだ。
 設置は、既存の街灯柱の「笠」より高い位置に、架上するとよい。さすれば、通常の夜間は、既存の電燈とソーラーライトがアンサンブルで光る。ソーラーライトは「電飾」を担当し、地域を演出する。
 そしてブラックアウト時には、ソーラーライトだけが光り、「目印灯」の機能を果たしてくれるわけだ。
 この「目印灯」が普及し、自治体によって大量に需要されるようになれば、やがてしぜんに性能の向上が促されて、じきに、驚くほど安価に、「限定的な照明機能」も備えた「ソーラー電池式街灯」が、自治体に対してメーカーから売り込まれるはずである。
 そうなったら、こんどは、一部の街灯を、ソーラー街灯で徐々に置換して行くことができよう。
 最終的には、北海道の街灯の半数以上を、ソーラー街灯化できるだろう。
 函館山の山頂展望台から夜間に見下ろした街の灯が、すべて発色と発光パターンの異なるソーラーライトであったとしたら、それはどのような光の芸術だろうか? 今の夜景よりも、数等倍、人々を魅惑してくれるはずだ。
 次。
 Mark Galeotti 記者による2018-9-12記事「Don’t Fear the Russian Military」。
   ボストークは「東」。ザーパドは「西」をそれぞれ意味する。
 前回の露軍のヴォストーク演習は2014年だった。こんかいの規模はその2倍。
 この演習は、スウェーデンとフィンランドがNATOに加われば侵略するぞという脅しである。
 昨年のザーパド演習でロシアは動員人数を過少申告して、NATO武官のインスペクションを拒否する姑息な手に出た。
 今回は動員人数を逆に過大宣伝している。30万人も動員されてはいない。15万人前後であろう。それでも巨大だが。
 しかも、将兵の多くは、普段起居している兵舎から遠出することもない。駐屯地内の屋内に開設されている指揮所を手伝うだけ。ザーパドでもそうだった。だから野外に出ているじっさいの人数はいっそう少ない。
 軍事評論家のマイケル・コフマンが指摘してくれたこと。露軍は、旅団内からただ1個の連隊を演習に派出しただけでも、公式には「旅団が参加」と記帳させる。「水増し会計」主義なのである。
 ロシアのGDPは、テキサス州のGDPよりも小さい。
 ロシア政府は歳出の三分の一以上をセキュリティのために投じなければならない。
 他方で老齢年金の支給開始年を逐次に引き上げざるを得ない。
 30万の兵力を西から東へ運送する経費の捻出は、ハナから無理なのである。
 核動力の巡航ミサイルのプロトタイプをロシアは過去4回、テスト飛行させた。どれもクラッシュしたという。
 カーネギーモスクワセンターのアレクザンダー・ガブエフによると、演習に3200人の支那軍を混ぜた理由は、米政府へのメッセージなのだという。アメリカがロシアを追い詰めれば、中共と本格軍事同盟するぞ、という。


函館市内の我が借家でも、停電は地震の直後には発生していない。

 本日の『北海道新聞』朝刊に奇妙な記事が出ている。北海道内でも、3時07分の地震の直後に停電した地方と、ブラックアウト発生時である3時25分に停電した地方とがあった、と。そして、函館市内の自動スタート式緊急発電機のある病院は、同紙の取材に対して、地震とほぼ同時ぐらいに発電機が起動したとと答えた模様で、そこから記事は、函館市全体の停電が地震直後だったとミスリードしている。いったい道新の函館支局の当直たちは、その時刻に寝ていたのか?
 わたしはもう老人なので近年では毎日、未明の3時前後に自然に目が醒める(よほど疲れていれば4時半にズレ込むときもあるが、それは稀)。あの9月6日も3時00分前後にはすでに起き出していて、通信用PCの前に座って軍事系英文ニュースを拾い読みし始めていた(いつものパターンではまず「スターズ・アンド・ストライプス」を見、そこから「リアル・クリア・ディフェンス」に行き、それから「ストラテジーペイジ」等へ……。記事はすぐに読むのではなく、まずテキストを範囲指定&コピーをしてその日のテキストファイルに収束しておき、朝メシなどの雑用処理後に自室で精読するのだ)。
 すると隣室で寝ている女房の枕元のスマホが「地震です!」を連呼(だんだん音声は大きくなる)するのが聞こえてきた。どこかで大きなP波が発生したためS波が広がる前に警報を発する自動システムだ。たしかに、微かな縦揺れも感じた。
 たちまち、やや強い横揺れが来た。3時08分くらいだ。後で知ったが、函館市では震度5だったという。ウチは借家の一軒屋という気安さがあるため、このレベルの揺れでは正直、精神的に動揺することは、あまりない(プロパンガスの自動閉塞装置も作動していなかった。後で点検したが、目で見える被害としては、書棚の本数冊が、わずかにズレていた程度)。別室で寝ていた子供も、女房があわてて起こしに行くまでは、目がさめていなかったそうだ。
 わたしはいちおうポータブルラジオのダイヤルをNHKのAM局に合わせて、「リアル・クリア・ディフェンス」の注目記事中の「これは」と興味を惹かれるモノを、テキストコピーのために2、3、展開していたところで、停電が来た。
 記憶するつもりで時計を見たわけじゃないが、その時刻は、3時20分のプラスマイナス3分だと思う。後で報道された「3時25分」で合っているとも思ったがこれはどうにも断言はできない。まさかあんな大停電になるとは、その時点で思うわけがない。だから時計を睨んで正確な時刻をメモせねば、などとも考えなかった。
 ともかく、横揺れがおさまってからすくなくも10分間は、電灯線の給電に異常はなかった。地震と停電の間には、十数分間の時間は確かにあったと証言できる。
 停電になると町の様子が気になる。玄関から戸外に出て周辺地域を見回したが、全方位、真っ暗で、ただ、集合住宅のいくつかの窓がほの明るい。おそらくは懐中電灯などの電池式照明であろう。
 我が通信用のラップトップPCは、さる人から戴いた便利なもので、充電池がビルトインされている。町や家が停電になっても、この画面だけは消えず、文書作業やファイル作業は続行できる。フレッツ光のルーターはダウンするから、それから通信しようとしてもダメだが、すでにPC上のウインドウに展開してある記事画面は、残っている。
 しかしわたしは停電が2分以上も続くのでこれは長時間停電になるかもしれないとだんだんに思い始め、選んだ数本の記事(スターズアンドストライプス紙にはめぼしい記事がなくて、リアルクリアディフェンスには3本くらいコピーをとって読みたい記事があった)は超ナナメ読みで済ませてコピーなどとらずにPCをシャットダウンし(電池の電力保存のため)、兼ねて用意してある十数本の各種LEDライトを点灯して、真っ暗な屋内の各所に設置する作業の方に、とりかかったという次第である。
 いちおう当事者証言として、ここに残しておく。
 次。
 Patrick Tucker 記者による2018-9-10記事「The Military Now Has Tooth Mics For Invisible, Hands-Free Radio Calls」。
     軍隊のVoice通信用の革新的なマイク&スピーカー。なんと奥歯の裏に装着することができる。
 外側からはヘッドセットも送話器も見えない。したがって街中に潜入した便衣偵察者にはうってつけ。
 口の中に超小型のスピーカーを置いて、それでどうして相手の無線の音声が聴けるのか?
 震動が、歯→頭蓋骨[とうがいこつ]と伝わって聴覚神経まで達するからである。
 耳から聴くのと同じ感覚であり、違和感が無いという。
 このマイクを装着してシリアルを食べると、受信した側では、なんとも旨そうな音が聞けるそうである。
 送信の方式だが、ブルートゥースに似た、暗号化された電磁誘導信号だという。これは傍受を困難にし、水中を透過できる。
 ヘリからホイストで下ろされたレスキュー隊員が、首まで水に浸かった状態でも、この口中特殊マイクによってパイロットと普通に交信できることが、2017の「ハリケーン・ハーヴェイ」を利用した実験にて立証されている。
 次。
 Matthew Cox 記者による2018-9-11記事「Army Orders Emergency Fix on Bad Apache Rotor Blades」。
     アパッチ・ヘリコプターのローターブレードは8個の「ストラップ・パック」ナットで固定されているが、悪天候と臨海地方の塩害が、その留め金の疲労を早めることが、今年、米陸軍によって認識された。
 この2月には、整備兵は、アパッチの飛行前と飛行後に、このストラップ・ナットを念入りに時間をかけて点検するように命令された。
 陸軍とメーカーが到達した結論は、「メガ・ナット」と呼ばれる、より安全を確実にできる「輪っか(collar)」を嵌めること。これでブレードが空中で飛散しないようにする。
 しかし全機にこのレトロフィットが行き渡るのは来年夏になりそうだ。
 米陸軍はあと30年はAH-64を使い続ける。


次の夏までに プール/遊泳場用の監視ソフトが必要だ。浮き輪が反転したり、潜った人が何秒か浮上してこないときに必ず警報を鳴らす。

 定点監視のビデオ画像に刻々と映じ出されるモノの変化をするどくも見逃さないのは、AI技術の身近な安全への応用である。
 中共市場向けには、エスカレーター監視ソフトも売れるだろう。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-9-10記事。
   2017-6-23にロシアはコスモス2519を軌道投入した。同衛星はその後、2回、軌道を変更してみせた。
 2017-8-23に、そのコスモス2519から、子衛星コスモス2521が放出された。ロシアは、それは、衛星監査機だと発表した。
 コスモス2521は、それから2ヵ月間、コスモス2519の周囲を動き回った。
 2017-10月末、コスモス2521から、さらに小型の孫衛星コスモス2523が放出された。この孫衛星は、特別な機動を示さなかった。※他の2機を同一フレーム内におさめて撮影する役目か。
 続いて、2018年1月にかけて、こんどはコスモス2519が、コスモス2521をターゲットとして、さまざまに機動した。
 2018-2に入ると、コスモス2521が再び、コスモス2519の周囲をさまざまに機動した。
 2018-6~7月、コスモス2519がまた機動開始。セベラル回、軌道を変更し、7-19に、おとなしくなった。
 7-20にコスモス2521が軌道を1回変更し、いらい、現在までおとなしくしている。
 ロシアはボリヴィアとメキシコに衛星観測拠点を維持している他、自国内で90年代に閉鎖した拠点も何箇所か復活させている。
 ロシアは米国のデータベースよりも40%多く、宇宙周回物体について登録したものをオンライン公開している。
 米国は非公開データベースを抱えている。そこには各外国衛星の「状態」が仔細に報告されている。
 米国の関心は、中共がこっそりと周回させている秘密衛星の把握にある。※そのためにも日本の地ージス基地にはオーバースペックレーダーを持ち込みたい。
 2013前半にロシアは、1個の衛星が中共のデブリに衝突して損傷したと発表。そのデブリは中共軍が2007のASAT実験で盛大にぶちまけたもののひとつだった。
 2009には米国の生きている衛星が、ロシアの死んでいる衛星にぶつけられて破壊された。
 この衛星は60機あるイリディウム電話通信衛星群のひとつで、高度770km、衝突地点はロシア中央部の上空だった。スラスターは搭載していなかった。
 ぶつけた衛星は1993に打ち上げられた「コスモス2251」で、電源として核崩壊熱利用のアイソトープ発電機を搭載していた。スラスターは使い果たされており、軌道を変えられなかった。
 この2機の衝突により、デブリが600個、軌道上に散った。
 ※マッケンローが破壊し一変させた、英仏流のプロテニスの品格。爾来三十有余年、野獣選手肯定の米流風潮にはつきあえねえというのが、我慢していたBBCの本心の叫びなのだろう。アーサー・アッシュの再来だと。


発電設備にでなく、「蓄電池」設備世帯を減税優遇すべし。

 過去の拙著で三、四回も強調警告した気がするのだが、自宅の屋根にソーラーパネルなんぞを設置して、発生させた電気を電力会社にすべて「売電」して小銭を儲けた気になっていても、社会インフラである地域送電グリッドがダウンするような非常時には、自分と家族の生存維持のためにその投資から何の助け(電力)も得られることはない。
 それのみか、却って自宅の構造重心は不必要に高くなり、破壊的外力を受けたときの物的損害(目に見えない傷みも)が増してしまう。木造家屋の寿命が縮むのだ。
 こんなものを「エコ」だと唱えている、いかにも経産省的な浅はかな因果教を、北海道民はすぐに棄てるべきである。
 真に家族のためになる投資は、相当な容量の「蓄電池」であるはずなのだ。
 その蓄電池に充電するための電力は、深夜の電灯線からでも、趣味のソーラーパネルからでも、自転車ペダル漕ぎ型運動器連動ダイナモからでも、引き入れてかまわない。
 大事なことは、電気を「かなりの量」×「長い間」溜めておくことができること。そしてある時刻に前触れもなく地域送電グリッドがダウンしたときに、ただちに、その蓄電池から家庭の非常時必需電力(必ずしも100vでなくとも、6v~12vくらいのローボルトでも可い)が取り出せること。そして、9時間から数十時間ぐらいは、その電力取り出しが持続することだ。
 このような家庭用規模の蓄電池が普及していない理由は、ローボルト仕様のものは、まず認知度不足に帰せられるだろう。
 100v仕様のものでは、重すぎて本格工事を要したりと初期投資が甚だ面倒に思われる上に、設置後に年月が経過するにつれていつのまにか性能が劣化したり機能しなくなるなどといった不安も、最新の製品にすらも、つきまとうからだろう。
 つまりシステムを導入するときもだが、先々、それを維持して行くのが、電気の技師でも専門家でもない一般の家庭人にとっては、じつに楽ではない負担だと思えてくる。「便利な家電品」のように、いちど購入しただけではダメというハードルが、高すぎるわけだ。
 買って数ヶ月後に使い物にならなくなって、メンテナンスをそこで放棄した場合には、自宅の一スペースを占有するやたらに重い粗大ゴミとなり、まったく不経済な買い物だったという後悔だけが残るかもしれないなと、さいしょから想像されるほど。
 ゆえに、本格的な家庭用蓄電池は、ほとんどすべての庶民にとって心理的な障壁の向こう側にあるのだろう。
 人々が買わなければ、その商品の性能(信頼性、簡便性、高融通性、メンテナンス不要性、決して感電事故や漏電事故が起きないフールプルーフ性)も、向上しない。悪循環だ。
 だが、この事情は、国が税制を変えるだけで、まったく逆転する。
 すなわち、家庭用規模の蓄電池を購入したり設置している世帯に対して、政府が特別税制によって手厚く多重に報いたならば、今は継子のようにネグレクトされている大容量蓄電池は、かならずやソーラーパネル以上の脚光を浴びる。そして、普及率と製品の信頼度向上とが、相ともなう良循環を開始するはずである。
 「恒久無税」等の「甘味料」が添えられていれば、導入した蓄電池が数年にして機能が劣化してしまったとしても、腹は立つまい。そのうちに、耐久性が向上した新型がメーカーによって開発されてくる。税制を変えれば、こうした、日本社会の福利に資する好ましいインセンティヴが働くのだ。
 全国の、莫大な個人資産をほとんど退蔵させている有産老人たちは、いまさらソーラーパネルなどに投資する意味を見出していないと思う。
 だが、大容量蓄電池が完全無税の設備資産として児孫に遺贈可能なのだと周知されれば、話は変わる。いっせいに、蓄電池を自邸に導入しようとするだろう。
 これは、いかがわしい政商たちが暗躍した輓近のソーラーパネル/風力タービン・ブームなどと違い、震災時にじっさいにその家庭の居住者を助けてくれるのである。
 しかも、すべての自宅保有者に購買の動機があるので、国民的な景気浮揚に直結しやすい。
 ここにおいて、またしてもバブルは可能なのである。蓄電池バブルが。
 家庭用大容量蓄電池は、強風や地震にめっぽう弱い大規模太陽電池や風車等とは違い、実質的に日本国民の安全を向上させてくれる。
 電力会社のパワー・グリッドが予期せぬ大災害でダウンしたときから、各家庭はバックアップ電源(蓄電池)に切り換えられる。テレビは映るし、煮炊きもできるし、携帯電話の充電に困ることもない。そうやって自力のみで罹災初期の数日間を凌ぐことができるのだ。
 世帯ごとに大容量の蓄電池やローボルト家電品があるのもあたりまえとなった暁には、総体で日本経済は一層の省エネ構造にも脱皮しているはずだ。
 というのは、電力会社の水力発電による深夜電力が、かつてなく有効に活用されるようになるからだ。
 ソーラー・パネルを流行らせるよりは、世帯ごとの蓄電池を普及させる方が、公共政策としては、質が良い。救われ、幸せになる人の数が、はるかに多いのである。
 次。
 Andrew Moseman 記者による2018-9-1記事「Cargo Ships Are Turning Back to Wind Power――But Don’t Expect Big Triangular Sails
   貨物船の燃費を向上させるため、「ローター・セイル」という回転タワー状の「機械の帆」を甲板から屹立させるという新案。
 昔風の布製の帆よりも、推進効率は高いのだという。
 バスケットボールに激しいバックスピンをかけてダムの堤上から投げると、落下弾道が大きく変化する、そのような実験がある。
 原理はこれと同じで、タワーを回転させることで「マグヌス効果」を発生させる。
 このたびMaersk社は、高さ100フィートのローター塔を1隻のタンカー『ペリカン』号に取り付けてみた。
 これでタンカーの燃費が10%軽減されるのだという。
 世界的な船会社は、毎年、燃料代だけで30億ドルも支払っている。もしその10%が節約されたなら、3億ドルが浮くわけ。
 ※ロシア軍は、火力発電所を2箇所ばかり爆撃すれば全北海道をブラックアウトさせられるのだと理解してしまった。この対策をどう立てるべきか? JR北海道の新幹線、なかんずく、新青森駅(もしくは八戸駅)から新函館北斗駅の間の《青函》区間用には、むしろ「ディーゼル発電&電池式ハイブリッド機関車」が向いているのではないか。パンタグラフからの給電には一切、依存しない方式にするべきだろう。もちろん、燃費は悪くなるし最高速度も特急並に下がる。しかし、平時の燃費がいくら良くても、非常時に動かないのでは、公共交通機関として意味がない。内地から北海道へ、あるいは逆に北海道から内地へ、兵力や避退者を迅速に機動させなければならぬとき、「停電で動かせません」では話にならないのだ。鉄道の信号と通信に要する電力も、向後は鉄道会社が自前で「発電」して自給をするべきだろう。鉄道会社はじゅうぶんな敷地を持っているから、小型のLNGガスタービン発電所を建設するのに、特に苦しむことはない。既存の電力会社による「政治的妨害」だけが障害だと思う。JR北海道だったら、たとえば「北ガス」と共闘すればいいのだ。


業務上過失国家叛逆罪

 北本連系線の北海道側のDCケーブルが上がってくる海岸が、自宅から12kmくらいのところにあるため、ウチのあたりに限っては、全道ブラックアウトなんて関係ないのさと思っていたのは甘かった。
 北本連系を立ち上げるための外部電源は、七飯町峠下の、北電七飯発電所(水力)の1万キロワットの一部を充当することで、この次からは、なんとかできるんじゃなかろうか? (まさか、1万キロワットでも立ち上げには足らんのか?)
 この小規模水力発電所は、標高の高い「大沼」の水を、山の地下を貫通させた導管によって大野平野に落としてタービンを回す仕組み。通年、この「水甕」が涸渇することは、まず考えられない。
 だから、「北本系起動用」として常に頼りにできるはず。
 もし1万キロワットでは足りないのならば、緊急補助用の小型ガスタービンを増設するしかないだろう。というか、とっくにそのくらいやっとけよ――って話だろ。プンプン。
 もういちど、全道ブラックアウトを想定し、その状態から「北本」を立ち上げてみる、実戦的な訓練をやっておいて欲しい。
 また「プランB」として、森町にある北電の地熱発電所の1.5万KWを充当することによっても北本連系を即座に立ち上げられるかどうか――も、試しておくべきじゃないか。
 それと、北海道新幹線の、海峡トンネルの青森側の今別駅から、北海道側の木古内駅までの区間。せめて、ここに限っては、青森側からの給電だけでも運行が続けられるようにしておいたらどうだい。海峡の連絡補給路だけは止めちゃいかんだろ。
 次。
 Patrick Tucker 記者による2018-9-6記事「It’s Now Possible To Telepathically Communicate with a Drone Swarm」。
   DARPAからの資金援助を受けてでネブラスカ大学で2015年から続けられている研究。脳に小さなチップを1個埋め込み、それによって、たとえば寝たきりのパイロットがF-35をリモコンできるようにする。
 今年は、開発目標を、1人で複数機のジェット戦闘機をリモコン操縦できるところに据え直す。
 ネイサンという本物の身体麻痺者が実験に参加している。
 「ブレイン・ジョイスティックだよ!」
 研究者いわく。航空機の側からも信号をこの人の脳にフィードバックするのだと。
 「航空機とのテレパシー会話と言ってもいい。」
 すでに3機からの信号を同時に受信させている段階。
 DARPAは2007年から革新的な「脳=コンピュータ」直結インターフェイスを委托研究させてきた。
 2012には、非侵襲的な装置によって合成テレパシーを実現してくれ、という課題が与えられている。 ※今回のは埋め込み式なので「侵襲的」である。
 義肢を脳によってコントロールするのが初期の達成目標だった。
 いずれは「記憶修復」も目指す。


「断水デマ」を飛ばした最初の人物を各地で特定しよう!

 まさかと思うが外国からのSNS書き込みじゃないだろうな? 全道の主要都市で同工異曲の流言が飛んでいたなんて、不審すぎるぞ。
 このリアル・ケースで、誰がいつSNSにカキコしたかのビッグデータを洗っておけば、将来、サイバー戦争/ハイブリッド戦争になったときに、防禦策を講じ易くなる。是非とも、やっておくべし。
 こんかいリアルで価値を見直したもの。(とっくに製造中止されている)パナソニックのワンセグTV。3万2000円もしたと思うが、防水であるうえ、停電中でも単三電池×4本で視聴ができたのは、なんともありがたかった。家族の気分の上でね。
 今回は「リスク分散の鉄則」「多重バックアップのありがたさ」が銘肝されたと思う。なんでもひとつに整理すりゃいいってもんじゃないよ。コストよりも大事なポイントがあるだろう。
 公衆電話は残すべし。否、増やすべし。
 ロランCやオメガは日本単独でも復活させておけ。(次はGPSがダウンするから。)
 「電動シャッター」はこれからは売れなくなるだろう。7日の早朝に、あちこちの商店主が困っていたよ。停電で、開けられないので。片付けも準備もできやしねえ。
 ラジオの交通情報アナウンスで、ホントに気が利かぬと思ったこと。
 道路の区間名をズラズラと七個も八個も列挙してから、それが「使える」のか「使えない」のかを教えてくれる。
 そんなリスナーをイライラさせるやりかたをしてどうするんだ。平時じゃないんだぞ。
 道路の区間名1個を読み上げたら、すぐにそれが「使える」のか「使えない」のかを明らかにせよ。
 そしてそれに続けて、二番目の道路区間名を読み上げて、それが使えるのか使えないのかを知らせよ。
 逐次に順番に、それを区間の数だけ繰り返しなさいよ。
 そうするのが、非常時式の、お知らせの方法として、ふさわしい。
 それと、災害直後のラジオ生放送で、5秒以上の無音声時間を作ったらダメだ。そこに気が利くのか利かないのかで、局スタッフの「器量」が判る。
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 Brian Melley & Michael Balsamo 記者による2017-9-7記事「North Korean Charged in Crippling Sony Hack, Wannacry Virus」。
    ソニーピクチャーズから2014年に、近日公開予定の映画作品のデジタルデータ(『フューリー』を含む)などをまんまと盗取し、また、別な年に、ランサムウェアのワナクライで全世界を混乱させた、北鮮のハッカーが特定され、米連邦捜査局によって9-6に起訴された。
 被告は現在は北鮮領内にいるであろう。
 バングラデシュの政府銀行から8100万ドルを盗ったのもこやつだと。
 このハッカー、同じ偽名でロッキードマーチン社などにもスピアフィッシングのメールを送っていることが判明している。
 バングラ銀行以外でも各国合計10億ドルくらいがハッカーに盗まれているので、捜査は続行されている。
 ワナクライを仕掛けた集団は「ラザルス・グループ」とも呼ばれる。
 FBIは、大連市郊外の「Chosun Expo」なる北鮮政府フロント企業がハッカーの巣窟だと睨んでいる。同企業のウェブページは2016-7月頃に消えた。
 2014にオバマ政権は5人のシナ人をハッキング犯罪者として起訴した。また2017には複数人のロシア人ハッカーがヤフーに侵入したとして訴追されている。
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 DREW HARWELL 記者による2018-9-7記事「DARPA says it will boost investment in artificial intelligence programs」。
    DARPAのAI開発五ヵ年計画。
 2019からの5年間で、総額20億ドルを投入するつもりだ。
 問題は、シリコンバレーの超大手が必ずしもペンタゴンの企画に協力的ではないこと。
 グーグルの創立者であるセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジも、DARPAから資金協力を受けていたおかげで大卒ぐらいから結構な研究ができたのだが、この6月にはグーグル社が社員の多数意見として、米軍とは戦争ビジネスの新規契約(途切れなく大量に送信されてくるドローン映像をロボットが淡々と解析するソフトの開発=プロジェクト・メイヴン)をしないと声明した。
 DARPAは、「グーグルがやりたくないのなら他社を探すまで。予算はこれだけあるよ」と言っているわけだ。
 6月にDARPAのナンバー2であるピーター・ハイマンいわく。たぶん数百社が手を挙げるだろう。
 プロジェクトは単一ではない。他には、オンライン上の人の声や面相の映像がフェイク加工品であるのかないのかをAIで見破ってくれるソフトだとか、マシンと人間を「共生」させる環境づくり、などもある。
 すでに米連邦行政の事務がパンクしている、新たに雇ったり昇任させたい職員のセキュリティ・クリアランスお墨付きのための身元調査を、人に代わってしてくれるAI、といった開発プロジェクトもある。
 結論だけをポンと示すのではなくて、その理由を人が分かるように説明もしてくれるAI。この「エクスプレナブルAI」のコンセプトも追究される。
 ちなみに、アップル社のアイホンに搭載されている「Siri」も、DARPAが開発に協力したのである。
 トランプ政権は、米国が先頭を走るべき分野として、製造業・宇宙探検・医療における発明を第一、AIを第二番と位置づけ、その順番で研究開発予算も投入すると6月に発表している。
 ペンタゴン内には、「四軍統合AIセンター」が6月に発足している。これは四軍バラバラのAI開発の無駄を避ける調整をすすめる機関だ。
 FY2017に米政府全体でAIに投じた予算は20億ドルだった。
 中共ではアリババやバイドゥが政府と密接に結託しながら無人自動車運転やヘルスケアや国防へのAI応用を進めている。
 街中の監視カメラで全住民の顔をすべて認識する北京政府のAI国民統制網は着々と完成に近づいている。
 そして2030年までにはAI技術で中共が米国を抜くと豪語している。
 しかしながらマイクロソフトとアマゾンの社員は、移民局や地方警察のための顔認証ソフトの開発には反対だとキャンペーンを張っている。
 ※今次災害で内地の自衛隊は道内の諸都市に何を搬入すべきだったか? リアカーに載せた、スマホ充電端子多数付きの給電バッテリー(燃料電池)。これをヘリから兵隊とともに街の目貫に近い公園へ降ろして、6日の夕方から7日の払暁まで、周囲をLEDで煌々と照らすべきだった。集まった民衆は、ほとんど「神さま」扱いしてくれたはず。その場で隊員募集もしたら1万人くらいもサインしただろう。もう遅いけどね。これから地本が倉庫に用意しておくべきアイテムが、ひとつ、決まったと思う。3トン半トラックで牽引できる、水タンクトレーラーと同サイズの「給電機トレーラー」も新開発しようよ。
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 ストラテジーペイジの2018-9-6記事。
  2018-6に英SASの二人組チームが、普通のM2 キャリバー.50 MGを単射モードにし、精密スコープをとりつけて、IS幹部を距離2300mで狙い撃ったところ、胸に命中。斃した。
 過去には、1967に米海兵隊の狙撃のプロが、スコープを取り付けたM2重機で2250mの単射対人狙撃を成功させた例がある。それに次ぐ快挙。
 狙撃専用の12.7mmライフルだと、2500mくらいの狙撃はできるようになっている。2017-5にはカナダ特殊部隊兵が「TAC50」という専用の狙撃銃を使い、3540mの狙撃距離レコードを樹立している。
 ※もとから保有されていた古資産に、比較的安価な最新のデバイスを装着することで、パフォーマンスが倍増することもある。このようなポテンシャルは日本の自衛隊既存装備のいたるところに探すことができるものだ。ただし組織全体に創意を活用する文化が根付いていなければ、無尽蔵の精神資産も、空費されておわり。残念だが。


正直、「FMいるか」よ、ありがとう!

 このコミュニティFMのアナウンサーたちの田舎の大学生的な喋り方は正直従来わたしの耳には苦痛であったのだが、このたびの真っ暗な停電期間中(わが街区に限れば、2018-9-6日の未明3時15分頃から、翌7日の午前8時47分までの約29時間半)、いちばん役に立ったメディアは、ポータブルラジオにて聴取できた「FMいるか」であった。
 遠くの地震に起因する長時間停電に陥った地域住民がとりもあえずいちばん知りたいと思っていることは何か? 震度の見直しでも、震源が活断層かどうかでも、閣僚や気象庁の誰彼の公式発言でもありはしないのだ。
 そんな腹立たしく無益な古情報をLP盤の終末トラックのように漫然と繰り返してくれる放送局ばかりが多かった中で、わが函館山の「FMいるか」放送局は、「復旧変電所情報」「通電再開街区情報」「信号再開道路情報」「給油営業中のGS情報」「営業続行中の食料品店情報」「閉鎖病院情報」等を、主に住民や関係者からのタレコミ情報に基づいて(裏は取らずに)逐次に速報してくれた。後半に至り、同局が契約しているフレッツ光の回線が7日朝4時半にダウンし、インターネットSNS配信は断念されたようだが、携帯電話のボイス通信等で収集は続けられたと察する。
 こうしたコミュニティFM局の電界強度は平時からもっと強くしてもいい。特に災害時には出力を上げられるような準備と法規が必要である。発動発電機の燃料が尽きた南茅部~椴法華方面の僻地中継局が数時間にして早々と停波したらしいのは、じつに気の毒であった。僻地こそ電波情報が必要なのに、これでは社会的使命は果たせない。
 停電が実は全道ブラックアウトだと分かった昨日時点ですぐ考えたこと。
 これは米国発のリーマンショックに準ずる経済的な大災厄である。
 よって、消費税増税はもはや許されなくなった。
 ぎゃくに「復興国債」の発行を検討しなければならないだろう。
 十数年にわたり、女房から馬鹿にされつつ、非難されれつつ、さげすまれつつ続けてきた、戸外におけるLED灯設置実験の意味が、ようやく理解してもらえたのは、嬉しかった。
 これからインフラが復旧すると、北海道じゅうの懲りた人々が、LED懐中電灯を購求せんものと、電気店に殺到するかもしれない。
 各種の懐中電灯をランタン代わりに一晩中点灯してあらためて確認できた所見を記す。
 プッシュボタンスイッチでON/OFFする型式の安物LED灯は、放置しているうちに接触不良を起こして消えてしまう率が高い。
 スライドスイッチ式、または、胴体をねじってON/OFFする型式の、売価1000円弱~2000円弱のスイッチ方式のものが安定していると実感した。電池は、単三を1本か2本使うものが、補給面でいちばん安心ができる。
 単3は、スマホ用のモバイル充電器に装填する電池だから、非常時を想像できる、こころがけのよい人なら、多数のストックを保有している。
 ガスカートリッジ式の卓上コンロは、とても重宝する。冬場だったら、これが文字通り、命を救うだろう。
 家族で朝飯~昼飯代わりに一人2~3個のアイスクリームを食べるときが来るとは思わなかった。長期停電となったら、冷蔵庫の中の冷凍食品から、とっとと始末をつけて行く着眼が必要なのだ。他方、常温保存が利く食品は、最後の命綱として、残しておく。
 長時間停電からの復旧後、最初に急いでやらねばならないのが、冷蔵庫内の大清拭だ。ハイターを使わないと、カビが大繁殖するはずだ。……というわけで、我が指先は今、非常に痛む。爪の隙間に塩素が入っちまうんだよね。
 近所のスーパーマーケットの中には、6日のひるま、店の前の駐車場にて、冷凍食品をすべて無料で配布したところがあった。ぼやぼやしていると融けて腐ってしまうからだ。
 彼ら従業員にもこれから、大清掃の一仕事が待っているはずだ。
 陸上の冷凍設備が使えないのでは、地元の漁船だって出漁しない。
 しかしわたしは「こんがり焼き鯵」の干物をストックしていたので、影響ほとんど無し。
 このような大規模長時間停電では、温泉専用施設だけはでなくて、自家発電機がある大きなホテル付属の浴場もダウンするらしい。これは勉強になった。
 必然的に開眼したのが、「水シャワー」の浴び方である。
 まず、びしょぬれのタオルで全身を拭い、ついで、頭を洗う。そのうちに全身から発熱してくるゆえ、最後は冷水の直噴にも堪えやすくなる。修行者の気分になる。しゃがんで洗うのがコツと思った。そして、夕刻前の明るい時刻に済ませるのが安全也。
 家庭用の風呂用の湯沸し器は、燃料は灯油ゆえホームタンクにふんだんにあるのだけれども、その運転には100V電源が必要な仕様であるので、停電中はまるで使えなくなる。
 北海道の地場メーカーよ! 電力は一切必要としない灯油燃焼式の家庭用給湯機の開発を急ぎなさい!
 さもないと、今回懲りた道民は、プロパンガス燃焼式の家庭用給湯機材に、乗り換えるだろう。個人的には、それでもいいんだけどね。
 女満別空港は、発動発電機用の燃料が涸渇して、6日のうちに運用をギブアップしてしまったとラジオで聞いた。
 安いからといって重油を燃料にしていたのか?
 もし今次の災厄から彼らが教訓を汲む気なら、空港の発動発電機は、燃料を「ジェット燃料」に統一しておくべきだろう。さすれば、航空機に給油するための容量の大きな燃料タンクの残量がある限り、飛行場の機能を維持する電力も保つはずだからだ。
 ブラックアウトの危険が伏在することがわかった北海道に限っては、ドラスティックな「燃料行政」の見直し指針も必要と思う。
 北海道用版のディーゼル燃料として「灯油」を普及させるべきだ。
 発動発電機も、ディーゼル乗用車も、トラックも、そしてビル用暖房、戸建住宅用暖房も、基本的に「灯油」かLNGにする。
 燃料の「灯油での統一」は、米陸軍が世界的にやっていることである。彼らはトラックのディーゼルを、ヘリコプター用の灯油(ジェット燃料)で回している。それで、何の問題もないのだ。兵站がとても単純になるので、車両を動かすときの灯油の仕事効率が軽油よりすこし悪くても、補給コストの低さでペイしてしまうのだ。
 北海道もその方針を採用すれば、将来、冬に大停電や大災害が起きたとき、内地から灯油だけを補給すれば、人々は助かる。
 「デマ」が流れたのは新鮮な驚きだった。6日早朝に「本日午前10時で断水する」とかいう流言が広まった。配水施設は標高の高い所にあるし、ウチは平屋なので、理性では、上水の水圧の不足はないはずだと思いつつ、それでも万一に備えねばと、「水溜め」大作業に励んでしまった。
 さっきPCのメールのフォルダーを開けたら、モノやカネを送りましょうかというご提案を多数いただいており、甚だ恐縮した。
 せっかくなので、停電中でも(モデムやルーターを必要としないで)メールを受信したり送信できる機能のついているモバイルPCの中古品でもあったら、何台でも貰います。
 拙著『空母を持って自衛隊は何をするのか』の中でさまざまに提言した防災上の着眼に関し、今回、特に修正の必要を感じたことはなかった。
 しかし、付言したいことは、おかげさまで、たくさん思いついた。それらはまた、ぼちぼちと語って行こう。
 とにかく皆様、ありがとうございました。当方、無事です。