耕耘機と除雪機を一台で兼務させれば、万人に「買う口実」ができるので、売れる筈じゃ!

 興味があるが、家族に説明できる「口実」がない――。このような理由で調達に踏み切れない消費者は多いのである。
 その「口実」を、メーカーが作ってやらなくてどうするのか?
 口実には、じぶん自身に対する説得、もある。
 隣近所に対する説明、もある。
 それらをすべて、メーカーの方で用意すべし。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-5-27記事。
    中共は固体燃料の「長征11」によって2018-4に、いちどに5つの画像偵察衛星を高度500kmの軌道へ投入した。
 5機のうち4機は、パッシヴ光学センサーが32のスペクトラム帯に分かれているもの。
 これを使うと、地下の石油や天然ガスのありかを見つけることができる。※それだけエネルギー確保に必死だということ。
 解像度は10mである。よって軍隊用ではない。
 5機目のはビデオ画像衛星。他の4機が捉えた有望な資源埋蔵地の地表地形を細密に撮像する。こっちは解像度が90センチメートル。
 航過中の撮像地表幅は、多スペクトラム型が22.5km、ビデオ型が150km。
 多スペトクラム型もビデオ型も重さは90kgぐらい。つまりいちどに400kg強を投入した。
 「珠海1」という34機からなる衛星群計画。その一部を構成する。
 長征11は、LEOに対して最大700kg投入できる。LEOは高度1000kmより低い軌道である。
 長征11は2015-9に最初の1基が打ち上げられた。それを含めて4回成功させ、計17機の衛星を軌道に乗せている。
 長征11を大型化(四段目に小型の液燃ロケットを追加)して衛星打ち上げビジネスに転用するのが「Expace」社の「KZ11」。荷物1kgあたり、1万1000ドル以下の値段で投入してやるよ。しかも発注から24時間以内に!
 高度700kmになら1.5トンを投入可能。1トンの太陽同期衛星なら高度800kmへ投入できる。
 衛星の自重が100kg以下のものは、ミニサットと呼ばれる。今の流行。
 いちどに多数機を投入できるから。


F-35Bは後ろ向きに――艦尾方向へ――飛び出して発艦しちゃ、いけねえのか?

 さすがに今回の本には書かなかったが、これはできるのではないかと思っている。
 すなわち『はるな/しらね』型の格納庫内からエンジンを全開にし、艦尾に向けて Short Take Off。そのとき艦は、普通の空母とは逆に、風下へ向かって微速で走らせておくわけである。
 この逆転の発想によって、『はるな/しらね』型の艦型で、排水量と乾舷高をチョイと大きくしたぐらいのフネが、すべて「F-35B運用艦」に早変わりするんじゃないか。
 『最上』のように、旧型艦の後甲板だけ大改装したっていいのだ。
 ふつうの護衛艦の建造予算で、毎年1隻の好ペースで「空母」が量産できてしまう。
 F-35Bを調達できないシナ軍にはもはや対抗は不能だろう。
 発艦作業を微速ですればいいのなら、これまでのように重い軍艦が風上へ向けてガスタービン全開の全速前進を何十分間も持続する必要がないから、遠洋作戦中のフネの燃料補給計画はずいぶん楽になるだろう。
 それと、発艦作業中の自艦のノイズによってASWに隙ができてしまうという、これまでならばまぬがれ得なかった軽空母通有の不利が、この方式ならば、きっと緩和される。
 拙著・最新刊『空母を持って自衛隊は何をするのか』(徳間書店)は、明日あたりに書店に並ぶはずです。地方の人はAmazonでGETだ!
 次。
 ストラテジーペイジの2018-5-26記事。
   1990年にはGDPの2.7%を国防費に使っていた西ドイツ。それが2000年には1.5%となり、2014年には1.3%に落ち、今は1.2%である。トランプが文句を言うので「ヘイヘイ、2024年までには2%にしますったら」と返答してはいるが……。
 ソ連崩壊以後、2014まではドイツには「脅威」などなかった。だが2014からロシアは堂々たる侵略国家に復帰した。そこでそれまでは政府に忖度して内情を暴露してこなかった独軍人たちが、「じつはブンデスヴェーはこんなにも惨憺たるコンディションに落ちているんだ」と国民に向けてリークするようになった。
 最新のリーク。ルフトヴァッフェ装備の「タイフーン」戦闘機のわずか4%しか、実戦に動員することはできない。
 皮肉にも、冷戦時代の旧型機「トーネイド」対地攻撃機の方は31%の稼働率を維持できている。
 輸送ヘリの「NH90」の稼働率は13%である。
 「タイガー」戦闘ヘリは16%の稼働率。
 ちなみに独軍の装備総数は、タイフーン114機、トーネイド93機、NH90が40機、タイガーが43機也。
 NATOの主要国軍中、ドイツ軍の即応態勢が最低なのであるという、汚名が轟きわたっているところなのである。
 米国はGDPの4%を軍事費に回しており、NATO全体の軍事支出の7割を1国で負担している。文句を言う権利はあるのである。
 ソ連崩壊以前のNATOと今のNATOの大きな違い。かつてはノルウェーとトルコしかソ連領には接壌していなかった。今は東欧諸国がNATOに加盟しているので、接壌国が多い。
 なかでもバルト三国は地勢的にすぐに露軍に占領されるおそれがある。だからVJTFが必要なのだ。
 NATOの予測では、露軍の対西欧侵略は、第一波が30個師団以上によってなされるだろう。その後詰めには、2倍もしくは3倍の師団が充当されるはずだ。ただし、第二波以降は現役師団ではあり得ず、予備・後備の動員が必要である。
 そこでNATOは対露即応部隊を組み立てなおそうとしている。3万人規模。そのうち1万人は、48時間内に露軍と交戦できるようにする。2019年までに。のこりの三分の二は7日以内に完全動員状態にする。
 ※バルト三国は攻撃されれば2日で占領されると言われているので、48時間以内に本格反撃する必要があるのだ。さもないと占領が既製事実化する。
 その対露即応軍の司令官と尖兵部隊VJTFはドイツが出す。その中核が1個装甲旅団なのだが……。主力戦車と主力装甲車が、ほとんど要メンテナンス状態なのだ。装甲旅団の「レオパルト2」戦車と「マルダー」歩兵戦闘車は20%だけが最前線に投入できるコンディション。


『空母を持って自衛隊は何をするのか』見本落手!

 ワンタイム・ジョークで以前に使ってもらったことのある20代当時の顔写真がまた使われてしまい、奇襲を喰らった。わたしはハゲた現在のじじい顔が嫌いじゃないのだ。が、それを撮影したデータを送ってなかったからな……。今回は著者の写真無しで行くのだとばかり思い込んでましたわい。
 顔写真は不本意にもふざけたものになってしまったが、内容は至って真面目である。
 昨年に写真特集の解説でHMMWVの排気管と吸気管を間違えていた。これを今回の新刊では、あらためて解説し直しています。
 写真提供者の方々と、いろいろ教えてくれた方々へは、直接に〒で発送しました。しばらくお待ちください。


井△コーチはおしゃれひょっとこ?

 Kris Osborn 記者による記事「Air Force F-35 Integrates Precision-Guided B61 Mod 12 Nuclear Weapon」。
  F-35Aは本年中に、B61を運用できるようになる。
 FASによれば、Mod 12は、バンカーバスター・タイプである。
 最小で0.3キロトンにできる。最大だと50キロトンにできる。
 その中間値として、1.5キロトン、10キロトンにも切換可能。
 尾部に動翼を付加することで、GPS精密誘導爆弾にもなる。
 ※これがどれほどの威力を意味するのかは、来週発売の新刊『空母を持って自衛隊は何をするのか』の中に添えてある「核災害早見表」を参照してほしい。同書では〈北鮮が核を放棄するわけないだろ〉と断定しておいたが、当たったようだ。とにかくおもしろいので待ちきれない人は芳賀書店……ではなく書泉グランデへ入荷を問い合わすべし!
 今年発表されたNPRの中にも、B61を運用するF-35が欧州でロシアの侵略を抑止するための基礎になると強調してある。
 次。
 Cipher Brief Staff による2018-5-24記事「Don’t Lose Sight of the Russian Threat to American Democracy」。
      18世紀の話だが、クリミア総督ポチョムキンがエカテリーナ2世の歓心を買いたいと思って、ドニエプル川沿いにフェイク村を急造させた。川を下って来る女帝の船にこぞって手を降った村人たちは、すぐにその村を解体してさらに下流へ移設。同じような「大歓迎」を何度も繰り返し演出したという。
 CIAの元中部ユーラシア部長ダネンバーグいわく。プーチンは少しづつ個人財産を蓄積し、今では凄い富豪になっている。それに倣って彼の政権の高官たちも同じことをしている。
 げんざいこれら高官たちとその子弟が自由に西側に旅行しては巨億の財産を分散隠匿している。これを禁じてしまう対露制裁が、有効なはずである。
 G-8はもちろん、G-20からもロシアを追放すべきである。
 国家ぐるみドーピングをしてきたことが明らかなロシアに、2018ワールドカップサッカートーナメントを主催させるべきではない。
 ちなみにプーチンは糟糠の妻とは離縁し、今は元オリンピック選手をセフレにしているのである。
 ※そしてロシアではホモは許されない。〇上コーチをベンチプレス200kgの腕で抱き締めることはできないのだ。
 次。
 MARCUS FICHTL 記者による2018-5-23記事「Midnight curfew in effect for some soldiers in South Korea」。
   駐韓米軍の第二歩兵師団の将兵たち1万2000名は、深夜の外出を制限される。いつでも呼び出しに応じられるように夜間は室内で待機せよ。
 第二歩兵師団の90%の将兵は、4時間以内に点呼ができること。
 兵隊たちは、部署についていないときは「バトル・バディー」を維持する必要はない。 ※2人1組のこと。特に兵卒。それも若い兵卒……。
 次。
 Tara Francis Chan 記者による2018-5-23記事「Pakistani military allegedly accessed data of US, UK, and Australian officials and diplomats」。
    アンドロイドのスマホからこっそりと全情報を吸い取ってしまうマルウェアを「ステルスマンゴ」という。iOSから吸い取る「タンジェル」というソフトもあり。
 フィッシングメッセージに罠が仕込まれており、それを開くと、アンドロイドのサードパーティのアップ・ストアにリンクして、ただちにダウンロードされてしまう。
 ステルスマンゴがいつ作られたかはわかっていない。しかし開発を指揮したのはパキスタン軍だ。
 フルタイムでアプリケーションソフトを書いている職人が請け負った。その男はかつてシドニーの会社に勤めていたことがある。その会社のバックにパキスタン軍があった。
 パキスタン軍は、同じパキスタンの政府高官、インド、イラク、UAEの民間人、政府高官、外交官、軍人にハッキングを仕掛けて、その情報や行動をスパイしている。IDカードの顔写真も取得できるし、月間予定も知り得るし、その人物が通例どの時間帯にどこへ移動するのかも把握できてしまうのだ。
 ※こんどの徳間の新刊では、〈大災害時に弱者のサバイバルに役に立つ携帯電話としては、どんな機能がなければならないか〉についても真面目に考察し提言しますた。


ロリコップ

 JOHN M. DONNELLY 記者による2018-5-22記事「Navy’s top-dollar stealth fighter may not go the distance」。
   F-35Cの戦闘半径が、必要値よりも短いのではないかと、下院軍事委員会が指摘。
 中共の対艦ミサイルのレンジが長くなっている。空母がいままで以上にシナ本土から遠ざかっていなくてはならない。となるとF-35Cは余計に長距離を往復しなければならない。
 もし空母が敵国沿岸から1000海里離れていなければならないのだとすると、F-35Cはその敵国を空襲して帰投するのに、空中給油が絶対に必要になる。ところがそのタンカーはステルスではないから、大弱点である。
 F-35Cのコンバット・ラディアス(戦闘往復可能距離)は、計画値だが、670海里。
 F-35Cが米空母に配備されるのは2021年以降である。
 中共は十年近く前に「東風21D」対艦ミサイルを完成し、そのレンジは780海里〔1445km〕だと報じられた。
 トマホーク・ミサイルはレンジが1000海里=1852kmである。米海軍はこれの対艦バージョンを四年後から配備する。
 F-35はこれから60年、現役である。その寿命が尽きる前に中共軍やロシア軍が射程1000海里を超える対空母ミサイルを持つであろうことは容易に想像ができる。
 DIAによれば、中共はすでに「CSS-5」対艦巡航ミサイルを有する。レンジは930海里〔=1722km〕。
 また露軍は「キンザール」という超音速の空対艦ミサイルを配備した。レンジは1000海里以上と報じられている。
 F-35工場は全米にあるが、総組み立てラインは、テキサス州のフォートワース市にある。そこは共和党のカイ・グランジャー下院議員の選挙区である。グランジャーは連邦下院の国防歳出予算小委員会の委員長をつとめている。
 次。
 Malcolm Davis 記者による2018-5-21記事「China’s Strategic Strait in the South China Sea」。
      中共がミスチーフとフィエリークロスとスビの3リーフに配備した地対艦ミサイル「YJ-12B」は、レンジ545km、終盤飛翔速度マッハ3という最新型である。
 また「紅旗9B」地対空ミサイルも配備した。これはロシア製の「SA-20」の同格品である。
 中共は次の手として、フィリピン沖の「スカボロ Shoal」に戦術ミサイルを展開する気だろう。
 次。
 Ray Downs 記者による2018-5-22記事「Sweden distributes war pamphlets to public for first time since 1960s」。
       スウェーデン政府が全世帯に非常時パンフレットを配布した。20ページからなる。
 「クライシスまたは戦争が始まったら」というタイトル。
 食料、水、耐爆シェルターはどこにあるのかを指南。
 重大事故、超常気象、IT攻撃、軍事紛争等に備えさせる。
 有事のさいの国民義務も書いてある。16歳から70歳までの男女は、軍への応召、ならびに国営民間奉仕事業への出頭が求められる。
 スウェーデン政府がこのようなパンフレットを最初に全戸に配ったのは1943年であった。
 ソ連軍が西へ押し返してきて、スウェーデンにも入ってくるかもしれなかった。
 それから1961年まで、パンフレットはコンスタントに住民に配布されていた。
 61年から1991年までは、国内全世帯にではなく、地方の官公署にだけ、配布された。
 最新版のパンフレットの一特徴は、インターネット上の「偽情報」に気をつけなさいという注意である。
 「スウェーデン政府が某国に対して降伏した――と伝えるいかなる情報も、嘘である」。
 「もし某国がスウェーデンを攻撃してきた場合、われわれは絶対に降参しない。スウェーデン人によるレジスタンス活動を停止させようとする命令が流布されても、それらはすべて侵略勢力の謀略であり、嘘である」。
 次。
 組織の命令だからという言い訳で重大な国際法違反をやらかしてしまえば、国家国民が破滅する。これが先の大戦の教訓也。
 この破滅の二の舞をしないように戦後教育は組み立てられてきた。
 日大のアメフト部の存在は、戦後教育理念に対する真っ向からのアンチテーゼである。
 このような空間の存在そのものが、文科省管轄下の正規の学校には許されてはならないものだ。
 もし日大学長が同部をただちに廃部にしないならば、文科省は日本大学の正規大学としての資格を剥奪するのが筋だろう。
 文科省がそれをしないなら、文科省をこそ廃止すべきだろう。


恵山の賽の河原はいっそのこと、野外お化け屋敷にしてしまったらよいのではないか?

 昨日Upした写真特集を見て欲しい。「日本のアフガニスタン」と言える地形が、恵山(えさん)にある。そしてその麓は既に勝手に「地蔵ミュージアム」にされている。だったら徹底的に改造して怪奇の荒れ地墓場を演出したらおもしろいのではないか。
 ここは火山帯なので植生だっていつも荒らされているようなものだろう。
 次。
 JULIANNE STANFORD 記者による2018-5-20記事「Famed mini sub’s control room to become future exhibit」。
   1963に『スレッシャー』が沈没して潜水艦の乗員全員が死亡した遭難事故を承けて、リッコーバー提督が、深海で何時間でも沈船を探索できる有人潜航艇が必要だと考えて実現させたのが『NR-1』だった。
 全長145フィート、胴径13フィートの原子力潜航艇は1969-1-25に進水した。
 『NR-1』はそれから40年間、現役であった。
 公開されているミッションには次のものがあった。
 1976の大西洋におけるF-14探し。
 1986のスペースシャトル残骸探し。
 1995に沈船『ブリタニク』号(タイタニックの姉妹船)探し。
 90年代後半に地中海にて、古代ローマの沈船3隻を発見。また、南北戦争で沈没した鋼鉄蒸気軍艦『モニター』の残骸捜索。
 ※90年代から余裕をかますようになったのがわかる。海底ケーブル工作などの機微なミッションは、90年代にはすでに他の正規SSNが実行するようになっていたと見ていいのだろう。
 2008-11-21に『NR-1』は機能停止させられた。
 船体はピュージェットサウンド海軍工廠に運ばれ、バージ上でずっと解体工事を待っていた。
 解体作業は2017-1からスタートしている。
 その操縦室部分はげんざい、「Naval Undersea Museum」にてレストアされている。
 機微な部品や文書はぜんぶ、撤去済みである。
 元乗員いわく。この艦での勤務は、若くなければできない。当時は面白かったが、もういちどやるかといわれたら断る。そういう環境。
 なにしろおそろしく少ない人数で原子炉系を含むあらゆるメンテナンスをするしかないから、軍港で休暇を楽しむ暇などないのはもちろん、夜に寝る時間すらほとんどない。
 同型艦もゼロなので、出来合いのスペアパーツというものがない。何か部品が壊れたら、僚艦からガメてこい、というわけにはいかない。
 たいがいのモノは、ゼロから工作して創り出すしかなかった。
 『NR-1』は乗員15名。しかし特別なミッションで出航するときには、お客さんが11人も加わることもあった。
 寝台は4人分のみ。シャワー設備は無かった。
 たいていは、通路にマットを敷くか、天井から吊り床を下げて寝た。
 だから通行者は足元と頭上によくよく注意して歩く必要があった。
 原潜なのに、洋上で頻繁に補給してもらう必要があった。特に新鮮な野菜と果物。あとは全部冷凍食品で、それを電気ヒーターか電子レンジで解凍して食べた。15分以内に加熱調理を終われないものは、積まれていなかった。
 原潜なのに、航洋速力が遅すぎるので、現場海域までは、航洋型タグボートで曳航してもらっていた。『Carolyn Chouest』という。平底なので、このボートはひどく揺れた。
 ※……と回想しているということは、曳航中は乗員の一部も曳船の方へ移乗していたのか。
 退官したコーストガードの長官が、戦前の喪失飛行船『アクロン』号の残骸探求に執心だった。この海軍飛行船は1933に強風のためNJ沖のどこかに墜落し、当時は残片すら見つからなかった。
 『NR-1』による探索は、グリッドを決めて精密な海底3D地図をつくる。海中で正確に一定間隔の平行線を描くように往復する必要があるので「原っぱの草刈り運動」と呼ばれる。数日がかりの作業である。
 まさに予定の最終日に、アクロン号の尾部の形状がモニターに現れた。そこを端緒として、胴体部も発見することができた。
 メキシコ湾に沈んだ19世紀のガレオン船の写真を撮影するために2週間潜ったこともある。学者が言うには、あと10年もすれば嵐の作用で跡形もなくなってしまうはずなので、いまのうちに撮影して記録を残しておいてもらいたい、と。
 スラスターを使って表面の堆積物を飛ばし、船体の残骸のクリアな写真をうまく撮ることができた。
 次。
 Bill Hayton 記者による2018-5-16記事「China’s Claim to the Spratly Islands is Just a Mistake」。
  戦前~戦中のシナ人は、じぶんたちで探査もしないで、英国が作製した地図をもとに勝手な島嶼領有主張を展開した。だから暗礁でしかない2つの海図上の表記が、彼らの脳内で「島」に化けてしまい、それが今日の「南シナ海は全部ウチらのもの」というトンデモ主張に結びついているのである。
 シナ政府のクレームの始まりは1907年である。
 にしざわ・よしじ が、香港と台湾の間にある「Pratas」群島でグアノを採掘しはじめたので。
 フィリピン防衛のために警戒した米国が北京に通牒してやるまで、シナ政府は気付いていなかった。通牒されたあとも何年も放置した。
 1909に日本政府はプラタス諸島の支配権がシナにあると認めた。
 シナ政府は初めて、パラセル諸島が日本から狙われるという可能性に気付いたわけである。
 1931-12にフランスがパラセルの領有権を主張。仏印の範囲だとして。9ヵ月後、シナ政府は抗議。
 フランスは1933-7にはスプラトリーの6つの島も併合したと発表。
 しかるに支那政府は、あきらかに、パラセルとスプラトリーの違いもわかっていなかった。
 支那海軍は支那外務省に、スプラトリー諸島など存在しない、との電報すら打っている。
 ※補足しよう。小倉卯之助『暴風の島――新南群島発見記』(S15-12)によると、S8-7-25に、フランスが、新南群島のうち7島の領有を宣言した。これに国府が抗議し、フィリピンも騒いだと。
 マニラの米政府が地図をめぐんでやり、支那政府は認識し、スプラトリーについてのクレームを放棄した。
 それから支那政府はあわてて、英語名を直訳して島に名前をつけるようになった。
 ちなみにスプラトリーというのは、英国人船長のリチャード・スプラトリーに基づく。
 シナ政府が当時参照したのは、1906の英国の海図だろう。
 シナ人はこのとき、bankもshoalも「灘」と訳した。
 ※記事には古い地図のコピー写真が添えられているのだが「サンズイに堆」であるようにも見える。だとすると読み方は「dui」になるかもしれない。 ベトナム政府が大注目しているというBBCのこの記事は、私をスッキリさせない。
 「ジェームズ Shoal」は、「曾姆灘」(Zengmu tan)になった。
 「ヴァンガード Bank」は、「前衛灘」(Qianwei tan)になった。
 シナ人はじぶんたちで調査せず、とりよせた海図で論じていただけなのだろう。だから海面下の浅瀬が、ことさらとりざたされることになった。
 1936に「中華建設新圖」が制作された。このシナ政府版の海図に、それら暗礁が、島である如く記載されてしまった。
 ※シナ地図では南シナ海を「中國海」と書いているのも分かって面白い。
 1943まで中華民國政府はパラセルより先の島に領土クレームしていない。同政府が1943に公刊している公式シナ案内ハンドブックにも、中国領土は、北はサヤン山脈、南はパラセル群島の「Triton Island」まで、と明記されている。
 中華民國が南洋の島の名前を変えたのは1947である。
 暗礁のことは暗沙と書くようになった。新語である。
 James Shoal は Zengmu ansha になった。
 1948にシナ政府は初めて公式に、James Shoal までのスプラトリー諸島はシナ領である、と主張した。
 ※補足しよう。日本軍が海南島を占領したとき、フランスはあわてて西沙島の領有を確認声明している。これが活きていると思われてはまずいので、蒋介石政府はハッキリさせておきたかったのだろう。
 整理しよう。シナ政府がスプラトリー諸島の存在そのものに気付いたのが1933年7月である。
 また、シナ領土の南端は「James Shoal」であると考えるようになったのは1947-4であった。
 ※補足しよう。S14-4-18に日本政府は新南群島を大日本帝国の領土だと宣言し、それを台湾総督府の管轄下においた。だから蒋介石は台湾逃亡後に、スプラトリー全部が国府のものだと主張したくなった。それに対抗上、中共政府もまったく同じ主張をしないわけにはいかなくなったのだ。尖閣問題と、パターンがよく似ている。主張をひっこめると、そっちの政府の正当性がなくなるように、シナ人には感じられるのだ。
 ※これを機会に漢和辞典で「灘」を調べたら「沿岸につらなる」といった意味もあることがわかった。ならば、難所ではぜんぜんない「熊野灘」という表現にはべつだん矛盾がなかったわけだ。


存在しないものは出せない。

 「原爆」も「水爆」もそもそも1発も存在しないのだから、米国に提出なんかできるわけがない。
 存在するのは、ビル1棟サイズの「核爆発装置」の残骸のみ。その実情は誰にも絶対に知られたくないので、トンネルを崩壊させて証拠をぜんぶ埋めてしまうつもり。
 次。
 Ralph Savelsberg 記者による2018-5-17記事「Houthi Missiles: The Iran Connection; Scuds Are Not Dead Yet」。
 記者はオランダ人のミサイル防衛専門家。
 シーア派ゲリラのフーシがイエメン領内から発射してサウジの首都リヤドまで到達させた、レンジ950km?の「ブルカン 2-H」とはどんな弾道弾なのか。
 弾頭重量は500kgに減らされているので、サウジ側の受けた打撃はいまのところ僅か。
 しかし飛翔速度が大なので、サウジ軍が展開しているペトリオットでは迎撃ができない。フーシの発射から9分で着弾するのだ。
 サウジ率いる湾岸スンニ政府連合軍は、優勢な空軍力を使ってフーシの弾道弾を地上で爆砕しようと何年も欲しているが、成功できていない。
 フーシが発射している「ブルカン 2-H」は、イラン国内で製造されている弾道弾「キアム 1」とほぼ同じものだろう。イランは船舶によりイエメンへ弾道弾を陸揚げしてフーシを援助している。もともとは、イランが北朝鮮から買った「スカッドB」を、イラン人が小改造したものだ。
 スカッドには大面積の空力フィンがあった。「キアム1」や「ブルカン 2-H」には空力フィンは無い。
 ちなみに北鮮製のスカッドでフィン無しのものはない。
 サウジが回収した弾道弾破片には、イランで部品が製造されたことがわかるロゴの認められる部品が複数あった。
 スカッドの最も一般的なバージョン「SS-1C」または「スカッドB」は、ペイロード990kgで300km飛ぶ。70年も前にデビューした兵器だ。
 300kmではリヤドまで届かない。いったいどうやってレンジを900km以上まで延ばしたのだろうか。
 記者は「Burkan 2-H」の発射直後の上昇段階をとらえている公開ビデオ動画から加速度を解析し、そこから「推力:重量比」を割り出し、これはイラン製のミサイル「Qiam-1」そのものだと結論する。
 前例。北鮮の弾道弾はいかにして射程を増したか? スカッドBをコピーしたのが「火星5」。スカッドCをコピーしたのが「火星6」である。
 火星6は、従来はケロシンと酸化剤(赤煙硝酸=Red Fuming Nitric Acid)が2つのタンクに分けて入れられて、そのタンクが上下直列していたのを、ひとつの長いタンク内にバルクヘッド(隔壁。ただし酸化剤側へ張り出す形のドーム状)を設けて上下に仕切る設計にして軽量化し、さらに弾頭重量も750kgに軽減することで、500kmまでの射程延長を実現している。
 北鮮は1999年に「スカッドD」をリビアへ密輸出しようとしたものの、インドの税関に貨物船『Kowulsan』号を臨検されて失敗している。
 2016-9に北鮮が日本海に撃ち込んだのは、スカッドC/Dより胴径が太い「スカッドER」だった。ERは、エクステンデド・レンジ。射程1000kmと想像される。
 イランの「シャハブ1」とは火星5であり、イランの「シャハブ2」とは火星6そのものである。
 イランの「キアム1」は2010年に存在が知られた。「シャハブ2」よりも改善されている。
 内戦が起きる前のイエメン政府も、北朝鮮から「火星5/6」を買っていた。
 2002年に北鮮の『So San』号が15発の北鮮製弾道ミサイルをイエメンに搬入した。一度はアデン湾(イエメンとソマリアに挟まれた海面)でスペイン軍艦によって臨検されたのだが、当時はそれを抑留できる法的根拠がなかった。
 こうした過去があるから、フーシが発射している弾道弾に北鮮製の火星5/6が混じっていても不思議はない。しかし、火星5/6ではリヤドまでは届かない。
 2016年、イエメンのフーシの「国防大臣」が「ブルカン1」について発表した。それは全長12.5m、全重8トンで、射程が800km、ペイロードは500kgである、と。このスペックは「スカッドD」とピタリ一致する。
 リヤドにフーシのミサイルが1発着弾した最初の日は、2017-11-4である。着弾点は、リヤド市北郊の「キング・ハリド空港」。
 2017-12-19にはもう1発、リヤド市に着弾。2018-3-25には、複数の弾道弾がリヤドに降った。
 3月25日のミサイル空襲についてはサウジが「迎撃」したというビデオをSNS上に公開している。ところがペトリオットの1発目は発射直後に自爆しているし、続いて発射されたもう1発は大きくコースが曲がって地面に着弾している。
 これら迎撃ミサイルの爆発破片も加わって、地上ですくなくとも1名が死亡している。
 フーシはさらに、4月11日、そして5月9日にもリヤドをミサイル攻撃した。
 ブルカン2Hは、胴径は88cmで、これはスカッドC/Dとそのコピー品(シャハブ1/2、キアム1)の共通サイズである。
 スカッド系のミサイルの筒体の外面には、どれも同じように、金属製の配線用ダクト(raceway)が長々と縦に貼り付いているのが見える。これは、孔をあけたりしたくないケロシンタンクと酸化剤タンクを避けて、弾頭部の誘導システムと、尾端部ブースターの推力調節システムを結線するために必要となっているケーブルの経路で、この長さは、「ケロシンタンクの長さ+酸化剤タンクの長さ」とイコールである。
 このダクト長を比較すると、「キアム1」のケロシンと酸化剤は、「火星6/シャハブ2」よりも増量されていることが分かる。タンク全長が、より長い。しかし、胴径そのものはすべて同じと看做して可い。
 フーシのアンサル・アラーという男が2017-12にビデオフッテージを公表した。弾道弾ブルカン2Hが発射されて上昇する初期段階を横から撮影したものだ。
 この動画からは、ブルカン2Hの初期の加速度を計測できる。
 音声と映像がマッチしていることから、動画に細工がされているようには見えない。捏造加工は無いものとする。
 誤差5%で、初期加速度は「12.2m/秒二乗」だと言える。
 ここから、発射時の推力と重量の比は、2.25だと言える。
 スカッドBのモーター燃焼特性は細かいところまで既知である。
 ダクト長および外鈑溶接痕線からタンク長も推定できる。
 不確定要素は、タンクの実際の形状。またタンク内にはいくぶんの空隙を残しておくものだが、その実際の容積。またケロシンを尾端燃焼室まで導くパイプが酸化剤タンクを縦貫しているものだが、その容積。また、バーンアウトさせる時点でどのくらいの燃料を余らせる設定になっているのか、等。
 結論。キアム1およびブルカン2Hは、スカッドBより25%増しの燃料を搭載できる。
 全体寸法と全重はスカッドBとほぼ変わらないと推定ができるので、搭載燃料を増やしたぶん、弾頭重量はトレードオフとして減らしているはずだ。
 スカッドBの筒体にはスチールが使われていた。これをアルミ合金に替えて軽量化する努力もした……としよう。
 空力フィンをなくすることでも軽量化されるし、それは空気抵抗も減らす。
 レンジ300kmのスカッドBの全重を軽量化させ、990kgの弾頭重量を500kgまで減じ、総燃料を増量し、所定残燃料も切り詰めるなどすると、「キアム1」は、レンジ918kmを達成できそうだ。だが、それでもイエメン領内からリヤド市まで届かせるには、ちょっと足りない。
 ただしそれは海抜0mから発射した場合だ。
 フーシはイエメン北西部の山岳地(標高1800mぐらい)からSSBMを発射した。これだと空気抵抗がずいぶん減る。
 さらに重要なのは、イエメン北西部の射点から見れば、リヤド市はほんのわずか「東」寄りなのである。よって、地球の自転力も加味することができる。
 これまで、ブルカン2Hは、北鮮の火星6をブースターに転用したイエメンの国産品だと思われてきた。
 しかし記者は結論する。ブルカン2Hはイラン製である。
 スカッドDでもないし、スカッドERでもない。


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 MATTHEW M. BURKE 記者による2018-5-15記事「Marine Corps announces sweeping changes to ground-combat forces」。
  これから5年くらいかけ、米海兵隊の編制や装備定数が全レベルで変わる。
 海兵隊の小銃分隊の定員数は、現行の13名から12名へ減じられる。
 すでに2017年春に沖縄にさまざまな編制を試す部隊が送り込まれ、豪州での夏演習に参加している。
 現行の分隊は、3個の火力チームから成る。各ファイアチームは4名から成る。分隊は1梃の軽機を中心とし、軍曹が率いている。
 火力チームは伍長が組長。彼は擲弾発射器も持つ。その下に上等兵が2名。うち1名は軽機。もう1名はその軽機手の助手。残る1名は1等兵か2等兵の小銃手。
 ※なるほど小部隊指揮官がみずからグレネードランチャーで突撃のきっかけを作為し、それに呼応して一斉躍進を命ずる仕組みなのか。合理的じゃないか。
 新火力チームは、3名となり、全員がヘックラー&コッホ社製のM27歩兵自動銃を手にする。そのM27には、サプレッサーと、デジタル照準器が付く。
 ※軽機というものがなくなり、強力な突撃銃が増やされるのか?
 あたらしい役職ができる。分隊長補佐と、分隊システムオペレーター。
 定数上ではファイアーチームは4名のまま。ただし平時は1名を欠とし、有事に必要があれば1名の小銃手を補充して4名にする。
 M27は、単価1300ドル。これでM4をリプレイスする。
 新分隊の分隊長となる軍曹は、軍歴5~7年の者とし、分隊長としての公式訓練も受けさせる。分隊長の補佐には1人の伍長がつく。
 分隊シスオペには上等兵がなる。
 海兵隊のすべての分隊にはクォッドコプターのドローンが配される。
 小隊には1名の専任ドローン操縦者を置く。
  ※これは軽易なクォッドコプターとは別のシステムと思われる。
 また小銃中隊には、5名からなる「カウンター・ドローン班」も設ける。
 分隊長には、高性能な暗視双眼鏡が与えられる。増光式だけでなく、サーマルにも切り換えられるもの。また分隊長はM320擲弾発射器も持つ。
 いままでのSMAW(マーク153肩射ち多目的火器)は、カールグスタフ(MAAWS=多用途対戦車対人兵器)によってリプレイスされる。
 分隊には、CASを要請するための携帯無線機が支給される。
 ※もちろん大隊レベルでも本格的な空地調整通信を準備する。
 分隊狙撃銃としてはM38が支給される。これにはサプレッサーと、8倍眼鏡が付属する。
 M38は射距離600mぐらいを考えたもので、異常な長距離というわけではないが、スコープで狙っている人物が別人(民間人等)ではないかどうかの判断を確実にしてくれる機能がビルトインされている。
 海兵隊の分隊レベルではない、もっと上級の「スカウト・スナイパー」たちには、「マーク13 Mod7」の長距離狙撃銃が支給される。従来、SOCOMで愛用しているものだ。
 海兵隊の「重火器中隊」には、射程を延伸した「ジャヴェリン」対戦車ミサイルが増加配備される。総数12基。TOWは海兵隊からは消える。その穴を埋める。
 ※AH-1からもTOWは撃たないということ?
 81mm迫撃砲は6門に縮減。従来よりも2門すくなくなるが、弾薬の性能が向上しているので、問題ない。
 デューンバギーのようなATVである「ポラリスMRZR」も増加装備される。


北鮮は、「爆弾も埋まりました」と主張するつもりだろう。

 「爆弾」は存在しない。「装置」しかない。しかし米国が「南アフリカ」方式にこだわるのなら、爆弾の現物を進呈しなければならない。それは不可能である。よって坑道を崩壊させ、その中に爆弾も埋めたと主張するのだろう。
 あるいは、過去の地下爆発でできた「球状空洞」の圧壊崩落で、広範囲の落盤が生じ、ストックの「爆弾」の全部または過半が、既に埋まってしまったのだと主張することもあり得る。
 放射性土壌を除去して今からそれを掘り出そうとする者など、いやしないからだ。
 次。
 Jeff Schogol 記者による2018-5-9記事「So Long, 5.56: The Army Is Testing A Bigger Bullet For Its SAW And Carbine Replacements」。
   5.56ミリ・ライフル弾が、そろそろ、敵兵の防弾ヴェストによってストップされるようになってきた。そこで米陸軍は5.56mm口径に見切りを付け、新口径の高速小銃弾により、貫徹力と精度を向上させたい。
 浮上しているのが「6.8mm」の新実包。これをM249分隊軽機(Squad Automatic Weapon)やM4カービンから発射させたい。
 新実包は薬莢が真鍮ではなく軽量な新素材。そのため7.62ミリNATO実包よりはずっと軽い。
 弾丸が超音速で飛翔し続ける距離も長い。よって狙撃が今より正確にできる。
 しかしM4やSAWのバレルを交換するだけでは更新はできない。非金属製の薬莢は、赤熱した薬室内に置かれていると溶けてしまう。この問題を解決しなければならない。解決はもちろん可能である。
 薬室には今以上の腔圧がかかるので、それにも対応させなくてはならない。また、6.8ミリ化した小火器には、デジタルサイトが標準装備される。弾丸の低伸性を戦場でフルに活かすためだ。
 現場からは、先にSAWを6.8mm化してくれ、というリクエストが強い。小銃よりも優先的に。


やはり核兵器は1発も無かった。北鮮はその証拠湮滅のためにトンネル閉鎖を急いでいる。

 核分裂を起こせる「巨大装置」はあっても、「兵器」になるような「弾頭」はけっきょく完成してはいなかった。
 トンネル内のガス残滓を持ち出されれば、そのことが米国にバレてしまう。
 だから協定成立後も誰も中に入れないように、入り口からすっかり崩落させる必要があるのだ。