最新の《続・読書余論》は、立花隆『農協』1984年・ほか です。

 こんかいの《続・読書余論》は、農業大特集!
 キエフに対してプーチンは、現代の「備中高松城攻め」をやろうとしている。兵糧攻めの飢餓作戦。しかし包囲そのものが完成しないだろう。だからNATO側による「大高城兵糧入れ」が延々と続く。

 現代の国際人道法で兵糧攻めは禁じられているが、そんなの特亜とロシアには関係ねえ。
 すると、日本は大丈夫なのか?

 ……と思った人は、食糧安保について、学びましょう。

 《note》 https://note.com/187326mg/  をごらんください。

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 雑報。

 ウクライナの泥濘期は、あと1ヵ月、続く。

 米国はRPGのクローン「PSRL-1」をライセンス無断で製造しており、このたびマリウポリのウクライナ兵がそれを携えている写真が撮影された。

 露軍の攻撃型UAVが、じつは活躍していた。「Forpost-R」というもの。ウクライナ軍が森林中に隠した指揮通信所などを的確に探し出して、ピンポイント爆撃を加えている。

 露軍の将官が戦死するパターンが分かってきた。非暗号の電話で無線指示を飛ばしているため、その座標を電波標定されてしまうのである。そこへウクライナの長距離砲兵が榴弾を集中する。その結果、幕僚もいっしょに、名誉の戦死を遂げてしまうのだ。

 露軍はけっこうの数の「誘導砲弾」を、152ミリ榴弾砲から発射させている。一箇所で漫然と停止したままのウクライナ軍のトラックは、この餌食になる。観測にはUAVが活躍している。

 以下、私見。
 近年、ロシアで起きているのは「じじい反動」なのかもしれない。国際原油価格が上がる一方だった1960年代と70年代のソ連で青年期を過ごしたじじい世代は発言力をうしないつつあるだろうが、外貨がおびただしくソ連に入っていたその世代が確実に老齢年金を得られて60歳で楽隠居できていた、そんな姿を見て覚えている、それに続行する「新じじい世代」が、いちばん現状に不満で、「昔に戻れるはずだ」というプーチンの幻想宣伝に浸りやすいのだろう。プーチンと同世代の「新じじい世代」が、次々に露軍を駆り立てて侵略戦争を起こさせているのだろう。ソ連隆盛時代を経験もしていない若い世代は、しかし、もうひっかからない。ロシア本国でもドンバスでも、ドンバス分離政権の現実(経済的に少しも良いところなし)が分かってしまったから。ソ連式腐敗経済に未来などなかったのである。だからウクライナ内のロシア系マイノリティーも、こんかいは露軍には協力をしなかった。しても得るものなどないと知ってしまった。隣のドンバス分離政権を見て。これをFSBはプーチンに報告できなかった。それはプーチン世代の全否定になるからだ。

 隣国から侵略される危険を予期する諸国では、ふつう、幹線道路にあらかじめ「爆薬」を仕掛けるための穴と蓋とを用意しておいて、敵軍の侵攻が始まったら即座に舗装道路をクレーターだらけにできるようにしておくものだが、そんな簡単な準備すら、ウクライナ政府と国軍は、していなかった。しかし逆に見ると、だからこそロシア軍は、この泥濘期に戦争を始めても問題はないのだと思い込んでしまったのだろう。まさかポーランド国軍には、そんなぬかりはないよな? 泥濘の代名詞といえばまずポーランドなのだから。

 今、ポーランドに滞留している膨大な数の難民が、3週間後、露軍の敗退後に自宅まで戻ろうとするのに、廉価な「キャンピングカー」が、移動手段として必要になるはずだ。幌付きの軽トラのようなもの、あるいは、中古の自動二輪車でリアカーを曳かせるものでも、役立つはずだ。国境からすぐのポーランド領内に、こうした特殊車両を現地で改造して難民に大量に供給してやれるような「工場」を、日本が建てるべきだ。アナログ技術だけを使うものとすれば修理はユーザーでできるし、職工も全員、現地雇用でいい。「素材」は日本製にかぎらず、全欧から広範に集めればいい。タダ同然で大量に供給されるだろう(エコ規制で売れなくなるはずの型落ちの車両が)。難民救恤用だからEUの排ガス規制等は無視できる。これでポーランド国内には新しいビジネスができることになり、ポーランド政府の苦労も緩和される。これが大事なところだ。なぜかというと、今、中共がポーランドの地政学的な地位に目をつけていて、難民接受でカネに困りそうなところへつけいり、懐柔して取り込まんと、虎視眈々なのだ。それを許してはならぬ。

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 Vladislav Inozemtsev 記者による2022-3-16記事「Russia’s default: believe it or not」。
   ロシアの対外債務は、無視できる額だ。2-18時点で、594億ドル。それはふたつから成る。ユーロ債の額面が181億ドル。外国人が保有するロシア・ソヴリン債が2兆9500万ルーブル。トータルでも、ロシアの2021年GDPの3.35%である。またそれは、開戦前のロシアの外貨準備ならびにGold準備の9.2%である。

 中共の国債の形では1千億ドル、ロシアは保有している。これは元建てである。
 そして2300トンの、貨幣用Gold。ドルにすると今のレートで1454億ドルだ。

 さらに、ドル、ユーロ、ポンドを、ロシア中央銀行は、キャッシュで抱えている。その額は300億ドル~320億ドルくらいだろう。

 これだけで、ロシアの発行したユーロ債の額面の1.5倍以上ある。だから、デフォルトにはなるまい。

 モルガンスタンレーによると、これからロシアは以下のような債券の利払いをしなくてはならない。まず3月16日に、1億700万ドルの利子の支払いが必要になる。また3月31日には、3億5900万ドルだ。4月4日には、1億ドル。

 ロシアの大蔵省が中央銀行からGoldを買い、それをユーロボンドを割り引く銀行へ現送したっていいのだ。25億ドルくらいまで余裕だろう。

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 David O’Byrne 記者による2022-3-17記事「No magic tap for Europe to replace Russian gas via Turkey」。
   ロシア産ガスに、天然ガス需要の4割も依存してきた欧州諸国は、代替の供給源と供給路を探さねばならない。
 注目されているのが、アゼルバイジャンのガスをトルコ経由で受け取るというもの。
 そしてもうひとつが、イスラエル沖の、いざというときのために掘らないで温存している「リヴァイアサン」海底天然ガス田を開発しちまおうぜという話。

 イスラエルとトルコとの間にガスパイプラインを敷かねばならないが、その場合、中間地のキプロスがゴネ得(ガス田の領有権主張も)を狙うので厄介である。

 その面倒を回避するには、イスラエルから逆にエジプトへ向けてパイプ圧送し、エジプトにてガスを液化し、LNGタンカーで欧州へ向けて出荷したほうがいい。

 トルクメニスタンは世界第四番目のガス埋蔵量があるのだが、そこからカスピ海底を経てアゼルバイジャンを経てトルコを経て欧州にまでガスを届けるには、新規パイプラインの膨大なインフラ投資が必要になる。

 イラクのクルド人自治区にも、ガス田がある。そこからトルコまでパイプラインを敷くのは、安価で済む。
 ※これはトルコ人が喜ばないだろう。そのガス田はトルコのものだと思っているはずだから。


★《続・読書余論》立花隆『農協』1984年・ほか

《note》の最新Upは、津本陽・著『鬼の冠』平成3年刊・ほか です。

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 Guy McCardle 記者による2022-3-13記事「Stuck In The Mud, The Structure Of The Russian Army May Be The Reason For Low Morale」。

 露軍の弱点は装輪車両のタイヤの質が悪いことだった。これのおかげでスタック続出。兵隊がヤル気をなくしてしまう原因になっている。
 だがもっと根本の問題がある。

 徴兵イジメだ。

 ロシアでは毎年40万人の、18歳から22歳の男子が徴兵されている。彼らは陸軍の他、内務省や国境警備隊などにも、割り振られて赴任する。

 志願兵の比率は露軍全体の70%である。一任期は3年。月給は米ドル換算で1100ドルくらい。もちろん徴兵より厚遇だ。

 これに対して、徴兵の任期は1年。軍事訓練はトータルで16週間しか受けない。将校や下士官からは、かなり酷く扱われる。腐敗した将校は、徴兵の俸給のピンハネすらしている。

 その月給は、なんと25ドルである。250の間違いではない。月に「二十五ドル」しか貰えないのだ。

 新兵いじめ〔ロシア語でDedovshchinaという〕は兵営の日常光景だ。性的虐待すらある。

 2009年には露軍の新兵の、普通ではない死(自殺を含む)が月平均30件あった。2010年以降はデータが非公表となっている。

 トラックによる補給や兵站支援を担当する後方段列は、ほとんどが徴兵をもって充てられている。士気が高かろうはずはない。

 だが第一線に投入される精鋭部隊、たとえば空挺の中にも、「三分の一」の徴兵(新兵)が混ざっているのが、露軍なのだ。

 プーチン自身が以前に出した大統領令によって、徴兵はロシア本土外の作戦に投入してはならないことになっていたので、なんと開戦前夜、これら徴兵はすべて「志願兵」ということに、強制的に身分契約が変更された。だから、クライナの最前線に、レベルの低い新兵もどしどし送られている。

 ※海外SNSに投稿されている根強い疑い。プーチンは末期癌治療の一環として投与されることのあるステロイド剤の影響で、気が立っているのではないかと。兵頭の私見。何かの理由で、「じぶんの持ち時間は限られている」と思い込んでいることはうたがいもないだろう。気長な駆け引きをする気がないのだ。ヒトラーも、自分が遺伝病で短命だと信じ込んでいたので、対英作戦を片付けないうちにバルバロッサ作戦を始めてしまった。要するにそれが彼の人生の最終達成目標だったのだ。

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 indomilitary の2022-3-12記事「Russia Allegedly Using Kh-101 Cruise Missiles, Signs of a Fleet of Strategic Bombers Starting to Exist in the War in Ukraine?」。
   ハリコフに対して「Kh-101」という戦略級射程の空対地ミサイルが発射されたことがビデオ解析で判明している。この発射母機は、ベアかバックファイアーかブラックジャックである。つまり核戦争用のとっておきの戦略重爆を、露軍はもう動員している。

 「Kh-101」の弾頭重量は450kgである。「Kh-102」は、その弾頭を核にしたものである。

 Kh-101は、ターボファンエンジンで飛ぶ。平均速力はマッハ0.58だ。高度は6000mと60mの間の低空。最大レンジは4500km。ブースターがついておらず、戦略重爆からのみ、空中発射される。

 シリアのISに対しては2015年から発射されている。

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 indomilitary の2022-3-13記事「Identity Revealed Kalashnikov KUB-UAV, Russian Kamikaze Drone in War in Ukraine」。
   露軍はキエフ市に対して、「KUB」という新型の自爆型無人機を発射している模様。この無人機はカラシニコフの子会社の「ザラ・アエロ」というメーカーで開発したもの。

 着弾前に撃墜された機体が写真に撮られ、それで判明した。

 形状は、ウイングレット付きの三角翼を高翼に配置し、プッシャープロペラ。それをカタパルトにより地上から打ち出す。大掛かりな装置を使うと、いちどに15機を放射できる。

 この自爆無人機の実戦初投入は、2021-12に、シリアのイドリブ市に対して。それは成功したそうである。

 ウイングスパン95センチ。30分滞空できるように設計されている。時速は130km。弾頭重量は2.7kg。
 リモコン可能な最大距離は65kmという。

 ※とうとう陸上自衛隊は、ダメな露軍にすらUAV装備面で後落してしまった。陸幕は何やってんの?


★《続・読書余論》津本陽・著『鬼の冠』平成3年刊

最新の《続・読書余論》Upは、藤原てい・著『流れる星は生きている』(1976中公文庫版)+ 朝鮮半島特集 です。

 子どもを連れた難民について理解したい人には、この小説をお薦めします。

 《note》 https://note.com/187326mg/  をご覧ください。

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 Mihai Andrei 記者による2022-3-13記事「The other tragedy in Ukraine: animals in zoos and shelters are getting killed. So are their keepers」。
   キエフの動物園にひっきりなしに砲弾が降り注いでいる。動物、大ピンチ。

 何頭かの熊やライオン、虎は、ポーランドの動物園に移し終えたものの、他の動物は、行き場が無い。

 「エコパーク」で飼育されている動物に、3日に1回、餌を与えるために敷地に入った2人のボランティアが、ロシア軍の迫撃砲弾と機関銃弾に狙われて、死亡した。

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 Hanasee Wagh 記者による2022-3-11記事「Why Owls Are a ‘Spirit Animal’ For Engineers Building Quieter Aircraft」。
   フクロウは、同じスピードで飛翔する他の鳥よりも、風切りノイズが18デシベルも低い。
 その秘密は羽根にある。
 翼端形状が、飛翔中、変化し続けているのだ。それを解明しようと、懸命の研究がなされつつあり。

 翼面の上を流れる空気と下を流れる空気が翼の後縁で再合流するときに、少しでも渦状に乱れた挙動となれば、そこからノイズが発生してしまう。ノイズが起きないのは、合流が綺麗に行っているからである。
 その秘密は、どうやら、鋸歯状の翼後縁にあるらしい。

 すでにこの知見は風力発電塔の風車ブレードの後縁形状に応用されている。ハンブルグ市にあるジーメンス・ガメサ社によって。

 ※プロペラ飛行機も、もっと静かになるかもしれないわけである。「ドローン」の語源となった蜂の羽音も、消せるかもしれないわけ。

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 David L. Chandler 記者による2022-3-13記事「How to clean solar panels without water」。
   ソーラーパネルの表面に土埃がたまって、発電効率を悪くしてしまう問題。これを、水を無駄遣いしない方法で解決できないかとMITチームが考えたのが、埃に電荷を与えて、パネル表面にも通電して、瞬間的に電気的に反発させて、埃を跳ね飛ばしてしまうという方法。

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 APの2022-3-13記事「Official: Drone that crashed in Croatia carried a bomb」。
    クロアチアはNATOメンバーである。その首都ザグレブの郊外に墜落した無人機は、ウクライナの戦場上空から飛来した。そして機体を調べたところ、爆装していたことも分かった。

 機体は旧ソ連製である。クロアチアに到達する前に、ルーマニア領空とハンガリー領空も侵犯していた。木曜日の午後。

 墜落と同時に大きな爆発が起き、付近の駐車車両40台が損傷した。さいわい、怪我人なし。

 爆発物は、航空機から投下する正規の爆弾だった。

 地面には大きなクレーターが生じた。その土中から、機体を飛ばした国を特定する証拠の残片を拾い集めつつあり。

 この事件についてのNATOの反応があまりに及び腰で鈍いので、クロアチア政府が怒っている。

 NATOは飛行経路をぜんぶ追跡できているはずなのに、それをクロアチア政府には教えず、クロアチア政府はマスコミ報道によって漸く承知しつつある。

 クロアチアが怒るのも無理はない。いったい、ルーマニアとハンガリーの上空を延々と飛行している間に、なんで撃墜して阻止できなかったんだという疑問。防空が笊すぎるじゃないか。

 機体は「Tu-141」という偵察用の無人機で、1980年代のソ連製。同じ機体は今のウクライナ軍も持っていることになっている。

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 『Portsmouth Daily Times』の2022-3-13記事「DeWine, Ohio National Guard request law enforcement inventory of donatable personal protective gear」。
   オハイオ州のデュワイン知事は、州と郡以下の自治体の警察等、法執行諸機関に書簡を発し、余っている個人防弾装具があればそれを集めて寄贈して欲しい、それをウクライナへ送るから、と呼びかけた。

 この要請は、もっと上級の、連邦州兵委員会からの呼びかけに応じた措置である。特にボディアーマーとヘルメットが求められている。

 ※台湾では、今次ウクライナ戦争の教訓として、予備役兵の訓練召集がいままではお座なりすぎたと反省し、もっとその日数を増やすべきだと政府が考えているのだが、国民は不平顔だ。231万人も予備役がいるのである。

 ※原発の拠点防空用の「フラックタワー」の提案は、『兵頭二十八の防衛白書 2015』にて、していました。


★《続・読書余論》 藤原てい・著『流れる星は生きている』1976年 中公文庫 + 朝鮮半島特集


兵頭二十八の防衛白書2015

「輸8」のASWバージョンが墜ちた。南シナ海に。

 indomilitary の2022-3-10記事「Britain is Ready to Send MANPADS Starstreak Missiles to Ukraine, Missiles That Are Also Mainstays Of The Indonesian Armed Forces Arhanud」。
   英国はすでに3615発もの「NLAW」対戦車ロケット弾をウクライナ軍に供与したが、それに続けて、「スターストリーク」地対空ミサイルも送ることになった。

 ウクライナ軍はすでにNATO諸国から900発以上のMANPADを受け取っている。

 スターストリークは、別名HVM(高速ミサイル)という。世界のどのMANPADSよりも、飛翔体は高速なのである。他のMANPADは一段モーターだが、スターストリークは二段燃焼になっていて、二段目が燃え終わった瞬間には、スピードがマッハ4に達する。

 ちなみにインドネシア陸軍は、スターストリークを、ランドローバーの「ディフェンダー」に装載して使っている。

 スターストリークのミサイルはチューブに入った状態で15年間、品質が保たれる。

 射手がレーザー式照準装置を敵機に向けると、スターストリークが自動的に最適な発射方位角と仰角を計算して飛翔体が飛び出す。400m先でミサイルは音速を超える。そして1段モーターだけでミサイルはマッハ3.5まで加速され、3本のダーツを、榴霰弾式に前方へ放出する。ダーツは長さ396ミリ、径22ミリ。タングステン合金のダーツ1本の重さは900グラムである。

 ダーツの先端には炸薬450グラムが充填されていて、これは遅延信管で作動する。つまり、近接信管ではなくて、ダイレクトヒットで撃墜するのだ。

 最大レンジは7000m。最大射高は5000m。

 ※やっと真打登場だ! 今次戦役で浮かび上がったのは、MANPADで固定翼戦闘機を落とせないわけじゃないがなかなかそれは難しいという、前から予想されていた現実(スティンガーがスホイを落としたのはさすがというしかないが……)。他方でウクライナ兵レベルのずんだれた軍隊が、複雑な通信連携が必要な西側製の「短SAM」をポンと供与されたところで、うまく使いこなせるとは、とても思えなかった。だから、肩SAMと短SAMの中間性能の、歩兵2名ほどにて人力ポータブルな、基筒支持発射式のSAMシステムが、必要だったのだ。それがついにキエフへ送り込まれる。

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 Thomas Newdick 記者による2022-3-9記事「After An Abysmal Start, Here Is How Russia’s Application Of Airpower In Ukraine Could Evolve」。
    おそらくVKS(露空軍)は、各航空基地レベルにおいては、直前まで開戦計画を知らされていなかった。だから、混乱した開戦スタイルになってしまった。

 ○月○日に開戦するとわかっていれば、たとえばメンテナンス計画を調整して初日の稼動機を増やし、兵装搭載も事前に済ませておくことができるが、急に実戦飛行命令が下達されたので、おっとり刀のさみだれ式出撃となってしまった。

 大きな謎。開戦から数日間、ウクライナ空軍所属のミグ29とスホイ27が、各地の都市の上空を低空飛行し、国民の士気を鼓舞した。
 どうしてこれらの戦闘攻撃機は、開戦劈頭の夜間ミサイル奇襲によって地上で破壊されなかったのか?

 ※記者は踏み込まないが、これは米国とNATOがウクライナ空軍にリアルタイムで開戦警報&襲来予報を与えていたことを示唆する。

 VKSはCASが低調である。対して、ウクライナ空軍のスホイ25は活動している。

 おそらく露軍のSAM部隊は、敵味方の識別がうまくできていない。味方に撃たれて撃墜されたVKS機がまじっているはずだ。CASが低調なのは、味方の対空ミサイルが怖いからだろう。

 味方空軍のジェット戦闘機は見境なく撃墜してしまうのに、低速なプロペラ推進の無人攻撃機TB2は発見もできず、墜とせない。ぎゃくに車載SAMがTB2から何両も撃破されている。

 露軍地上部隊は味方のエアカバーなしの侵攻を余儀なくされている。

 開戦劈頭に空軍機から「Kh-31P」ミサイルが、ウクライナの防空レーダー制圧のために発射されたことは残骸証拠があって間違いない。しかしそのあとは、精密誘導兵装の使用が見られなくなり、無誘導兵装による空襲ばかりだ。

 露軍は、ウクライナ機が高空を飛べば、長射程SAMを国境越しに発射して撃墜することができるし、ミグ31を向わせることもできる。だからウクライナ軍機は今、低空だけを飛んでいる。戦闘機が低空を飛ぶ場合、そのシチュエーションアウェアネス(周辺警戒力)は低下する。

 ※この記者はどうしてここで解説を止めてしまうのか? NATOのAWACSからウクライナ軍の地上管制局経由で露軍機の出没情報を逐一教えてもらえるのなら、高空を飛ぶ必要はぜんぜんないのである。またおそらくSAM陣地の位置情報もすべて教えてもらっているはず。

 ロシア国防省は3月7日、スホイ35Sが、対レーダーホーミングミサイルである「Kh-31P」などをフル搭載している映像を公開した。この宣伝の意味が何なのか、西側は悩んでいる。

 ※米軍のAWACSを撃墜するぞという脅しのつもりなのかもしれない。「電波源に勝手にホーミングしたので」といういいわけをする下準備だ。逆に見るなら、それほどNATOの与える「情報協力」がおそろしく「効いている」のだろう。

 露軍の地上部隊にはFAC(最前線航空調整将校)が不同伴であることも確認できている。したがってCASの能率が非常に低い。CASを実施するなら、直協機が低空を飛んでパイロットが目視で地上目標を探すしかない。それではMANPADの餌食になりやすい。※しかも友軍誤爆の危険が大。車種が同じなんだから。

 ※別記事によれば、ウクライナ軍が装備する「S-300」と「Buk-M1」は、露軍のスホイ25×4機と、ヘリ×2機を撃墜した。また、露軍の巡航ミサイルも2発、撃墜している。ウクライナ空軍機は全滅しておらず、CAS任務で作戦し続けている。

 ※すばらしいのは、ウクライナ軍の現在位置や移動情報を暴露するが如きSNS投稿は自粛されていること。「語るな軍機」という戦時スローガンが、何の罰則もないのに、守られている。

 ※おなじみのロシア式宣伝がまた始まった。《ウクライナが野鳥を生物兵器に感染させて放っている》と、何の証拠も挙げずに非難し始めた。こういうときはロシア側でNBCの使用準備を進めているのである。

 次。
 寄付金付きのリクエストがあったのでお答えしましょう。
 今後のわが国の原発政策についてです。

 新式原発ではなく、現有原発の再稼動&フル稼働でエネルギーをやりくりするしかないでしょう。

 新式原発のことはなぜ忘れるべきかというと、新式原発には「新型燃料」が伴うものですが、その「新型燃料」の安全性データをとるのに何十年もかかるのです。今(2022年)から2024年くらいまでのエネルギー危機に、とても間に合う話ではない。

 現有原発はいまさら「引越し」できません。地下化もできないし、「舶載化」もできません。そういう空想も、今は忘れましょう。

 日本の政治がつきつけられる、現実的な課題は、原発の「防備」です。

 三菱重工系の加圧水型ならば燃料取扱棟が半地下にあるので、あるていど、敵からのミサイル攻撃にも抗堪力があるのですが、旧役所系(戦前の統制官僚が仕切っていた電力業の流れ)の「沸騰水型」原発は、最新の改善型であっても、「建屋」の壁と天井が「無装甲」であるうえ、よりによって建屋の最上階部分に設けてある燃料棒貯蔵プールに、小型機関砲弾を1発でもくらったなら、即座に「フクイチ」の再現になってしまいます。基本的に、戦乱に弱い、ダメ設計なのです。

 しかし今から原発建物の設計変更(たとえば建屋の装甲化や地下化等)をさせると、その審査にまた数十年もかかってしまい、工事にはさらに10年を要し、2024年までのエネルギー危機から国民生活を救済できないのです。

 ですから、建物に防弾力や耐爆力を付与することは諦めて、原発敷地内の、リアクターや建屋の近傍に「フラックタワー」を建てて、それによって「拠点防衛」を図るしかありません。

 この原発を攻撃から防禦するためのフラックタワーについては、過去の旧著でイラスト付きで提案してありますので、それをご参照ください。(ちょっと手元を探したのですが、どの本だったのか、書いた本人が想い出せず、あい済みませんです。)

 原発やダムを攻撃することは戦時国際法で、タテマエとして禁止されています。が、実戦になったらロシアも中共も韓国もそういうことを平気でやるだろうなという予想は、みんな、内心でしていました。それは遂に証明されたと思います。これで前例もできてしまったので、敷居はますます下がりました。

 もし敵国が日本国内の原発を攻撃したなら、こちらからはソリッド弾頭仕様のSSMによって復仇(同害報復)することあるべしというドクトリンを平時から明瞭に公表しておくことも、必要になるでしょう。その手段についての具体的な提案は「BOOTH」でしていますので、もうお読みくださっていると思います。

 そういう力量がある政治家しか、これからの永田町には、必要ではありません。


BOOTH
くだらぬ議論は止めよ! 敵地攻撃力はこうすればいい!

緊急発売! 「1問1答:ロシアが日本領土に核攻撃を加える場合のターゲットのセットについて。」

ノート を、ごらんください。

有料です。売価は、500円であります。

すいません、ひとつ誤記しました。本文中にAWSとあるのは、ASWのまちがいです。すみません。


1問1答:ロシアが日本領土に核攻撃を加える場合のターゲットのセットについて。(by 兵頭 二十八)

最新の《note》は、「援助」と「同盟」の関係摘録集、ならびに、『日本の名著 12 山鹿素行』昭和46年刊・ほか です。

 大陸と朝鮮で大はやりな朱子学は、とうてい政治真理の学たりえず、モンゴルなどの外国に勝てない偏頗なインテリたちが捏造した、反平等・反自由の自己洗脳のみ、と最初に見破ったのは、「兵学者」を兼業していた、幕藩制初期のわが国の異端者でした。
 中央政庁の有力者から切腹を命じられるかもしれなくても、正しくないことは公けに世間に指摘するのが武士の「誠」だと、素行は確信できたのです。

 特定地域の人間集団がやることなすことは、たかだか百年くらいでは変わりもしないという現実は、ロシア人たちがまのあたりに例証してくれているところです。

 ロシアが自滅的に亡びたあとに来る、儒教圏人との最終決戦に備え、学んでおきましょう。

 https://note.com/187326mg/  をごらんください。

 次。
 Ben Connable 記者による2022-3-9記事「Updated: Russian Occupation of Ukraine Troop-to-Task Estimate」。
   「部隊×任務」分析 という侵攻予想手法があり、それを使って記者は2月前半からさまざま指摘している。
 すなわち、ハリコフからドニエプル下流域にかけて占領するためだけでも、露軍は8万3000人の兵力を必要とする。しかもそれは控えの別の8万3000人によってコンスタントにローテーション交替される必要がある。トータルで16万人いないと成功しない――と。

 16万人なら、常備のロシア陸軍の半分以下の動員で済むのである。

 だがプーチンは、キエフとオデッサの併合までも欲張っている。そこで、記者の分析を更新しよう。

 露軍は、占領した地域の外縁を警備するだけでなく、都市内部の駅、放送局、電話局、電力設備等の枢要拠点についても重点守備が必要である。幹線道路と鉄道のインフラも見張らなくてはならない。

 ドンバス地区には総計33万6000人が必要だろう。
 それだけでも、ロシア常備陸軍35万人の95%である。

 1980年代のアフガン占領中、ソ連軍は対ゲリラ用にピーク時で10万人を張り付ける必要があった。

 イラクでは、2011年末において、対ゲリラ用に、米軍やイラク政府軍など総勢75万人の軍警部隊が展開したものである。

 結論。ウクライナ全土を征服するためには露軍は総計76万人、動員する必要があるだろう。

 次。
 Jacek Siminski 記者による2022-3-8記事「Ukraine: Russians Employing Guided Cluster Rocket Rounds to Target Civilians」。
   露軍がドネツクで発射した、クラスター仕様の地対地ロケット弾の弾頭部の残骸が撮影された。
 新型の「トルナド-S」を、対都市砲撃に意図的に使っていることが判明した。口径300ミリ。

 ラーンチャーは「BM-30 スメルチ」という。クラスター弾頭は「9M55K」という。その中には72個の子弾「9N235」もしくは「9N210」が詰まっている

 興味深い新事実。このたび撮影された弾頭頂部には「9B706」という小さい空力制御板が付いていた。これはグロナス衛星の電波とINSによって飛翔コースを正しく保つ機能である。

 つまり、「終末誘導されるクラスター兵器」なのだ。こういうのを露軍が都市に対して使うことが初めて確認できた。
 飛翔体尾部の空力安定版は動かず、誘導には関わらない。

 座標を入力して自律誘導させる機能付きの弾頭が都市部に落下している証拠写真は、ハーグでの戦犯裁判訴追に使われるだろう。これは「逸れ弾」ではあり得ないからだ。意図的に狙い定めて都市住民をクラスターで攻撃した、ロシア得意の戦争犯罪である。

 ※日本政府は、援助専用の「単発型対装甲ライフル」の量産を急がせねばならない。設計を統一する必要などない。過去に銃身を製造した経験のあるメーカーに、数だけ発注して、設計は各メーカーに自由にさせればいいのだ。それが単発銃の強みである。これと同時に、射手とコンビを組む「スポッター」のための「他撮り棒」を送れ。CCDの軽量電子望遠鏡。ペリスコピック式に使えるのでスポッター自身は地物で遮蔽され、敵狙撃手から撃たれなくて済む。これに録画機能もつけておけば、露兵の戦争犯罪の証拠を確保するのに役立ち、戦果の確認と公報に役立ち、防御側の戦意を鼓舞し、侵略者の戦争犯罪を抑止する。また、対民間援助用の「新・防空頭巾」も必要だ。ヘルメットではなく、顔面から肩までもフリーサイズでカバーする、ケヴラーとノーメックスのフード。これを非戦闘員が被ることにより、破片と火炎が防がれる。核戦場からの住民脱出に役立つはず。国会議員にやる気がなく、政府にスピード感がないのならば、民間有志が主導してクラウドファンドで資金を用意し、米国を拠点にして製造を開始するべきではないか?


★《続・読書余論》 「援助」と「同盟」の関係摘録集

★《続・読書余論》田原嗣郎ed.『日本の名著 12 山鹿素行』昭和46年刊・ほか

最新の《続・読書余論》は、米海軍大佐G・J・マイヤース著『マイヤース戦略論』(昭和9年刊)です。

 《note》 https://note.com/187326mg/ を ごらんください。

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 ロイターの2022-3-6記事「Russia, without evidence, says Ukraine making nuclear “dirty bomb”」。
   TASSとRIAとインターファクスは、ロシア軍部の匿名の一人の代表者が語ったことを日曜日に報じた。
 いわく。ウクライナはチェルノブイリで核兵器を開発していたと。

 侵攻開始直前には、プーチン自身が、何の証拠も示さずに、ウクライナがソ連のノウハウを使って独自の核兵器を創造していたと声明している。

 ※スターリンはじぶんじしんは秘密警察活動捜査に加わったことはない。ベリヤからの報告を検討するだけだった。プーチンはじぶんじしんが秘密警察の活動歴をもっている。秘密警察の「個癖」は、なにもないところから「容疑」と「証拠」を創り出してしまうことである。彼らの心の世界の中で、それが普通のあたりまえになってしまっているのだ。そのうち、現実と妄想の区別がつかなくなる者も……。江戸幕府は、「与力」をそれ以上は出世させないようにし、政治の中枢に関わらせなかった。いみじくも「不浄役人」と呼んでいたものである。

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 indomilitary の2022-3-5記事「Face Russia, Netherlands Supply Manpack Reconnaissance Radar System and Fire Finder Radar to Ukraine」。

   オランダの追加武器援助。ウクライナに向けて、近距離地上偵察用レーダーを2セットと、対砲レーダーを5セット、送る。

 対地警戒レーダーは、人が担いで運べる重さ。歩兵なら距離10km、戦車なら、ほぼ地平線の限りまで、その動きを把握できる。「SQUIRE」という製品。

 対砲レーダーは「AN/TPQ-36」で、野砲なら18kmまで、ロケット弾なら24kmまで、射点を特定できる。Xバンド波長。2.75トン積トラックで運搬できる。

 ウクライナ軍はすでに「AN/TPQ-36」を2セット、保有している。これは2015-11に米国が援助したもの。
 オランダからの輸送には2週間かかるだろう。
 オランダ国防省直轄の予備作戦部隊の倉庫から送り出すので、常備軍の陣容に穴が開くことはない。

 「SQUIRE」については、一から教育してやる必要がある。ウクライナ軍は未装備なので。教育には3週間かかる。

 ※露軍はいよいよ、世界最大級の巨大自走迫撃砲を、都市砲撃用に招喚したようだ。ますます、やることが過去のドイツ軍とそっくりになってきたよ。

 ※火焔瓶のようなものをみとがめられずに携行するには、雨傘や長靴と一体化させる方法がある。雨傘形だと、バネ式に発射する仕組みとも、相性がよい。

 ※将来、日本政府が、ウクライナのような立場の外国に緊急に空輸によって武器を援助しようとする場合、火薬や発火物をいっさい含有しない製品であることが、航空輸送の安全上、望ましい。日本の評判ということを考慮すると、各国の歩兵銃にユニバーサルに装着ができる簡易な「暗視狙撃スコープ」が、あらかじめ援助用に大量にストックされているのが、理想的だと思う。もうひとつは、ブーツの中敷にでき、対人地雷の毀害力を相当ていど抑制できる、特殊素材のプレートだ。研究すべし。

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 AFPの2022-3-4記事「Beijing wary of extending economic lifeline to Russia」。
    ロシアは中共と通貨スワップ協定を結んでいるので、ルーブルが紙屑化したときは中共の銀行がロシアの輸入決済を助けてくれる。

 今週、ガスプロム社は、中共へ直結する新しいパイプラインの設計を受注した。

 2021年に中共はロシアから790億ドルを輸入し、ロシアへは680億ドルを輸出した。

 中共はウクライナからは鉄鉱石と穀物を買っていた。

 2021統計。中共はロシア産の原油を、毎日、150万バレル、買っている。これは中共の全輸入原油のうち16%に相当する。

 中共がロシアから買っている天然ガスは、中共の全需要量の5%である。※これまでは、敢えて抑制をしてきたことがわかる。ロシアに発するパイプラインのガスに頼ったらとても危ないということが、よくわかっているのである。

 中共が輸入している穀物の三分の一は、ウクライナ産である。

 輸入穀物が値上がりすれば、シナ人の好きな豚肉の値段が上がるだろう。

 中共の証券市場に投資している外国のうち、ロシア人が占めている分は、「四分の一弱」である。

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 Humeyra Pamuk 記者による2022-3-7記事「U.S., Europeans discussing banning Russian oil imports, Blinken says」。
    米欧が協議し模索中。ロシア産の原油の輸入も禁じようじゃないかと。
 と同時に、国際エネルギー供給は続けられなければならぬ。
 ブリンケンがNBCの「ミートザプレス」で語った。

 日曜日、米国内のガソリンの1ガロンあたりの小売値は、4ドル(+)だった。これは2008-6いらいの高値である。

 2021年のEIA統計だと、米国はロシアから原油と石油製品を2040万バレル以上、毎月、輸入している。これは液体燃料の総輸入量の8%である。

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 AFPの2022-3-3記事「Sanctions on Russia add to troubles facing global helium industry」。
   ヘリウムが世界的に不足するだろう。というのもこれまでロシア極東部の天然ガス田から、世界の消費量の三分の一が供給されていたからだ。いまや金融制裁によってそのヘリウムを自由主義諸国へ売ることは不可能。

 ヘリウムガスは、たとえばMRI造影装置の冷却剤に使われている。マイクロチップ工場でも、ヘリウムは不可欠だ。


★《続・読書余論》米海軍大佐G・J・マイヤース著『マイヤース戦略論』昭和9年刊

★《続・読書余論》の最新Up は、ニコルソン著『ナポレオン一八一二年』です。

 1812年のフランス軍によるロシア遠征は、べつに冬のために失敗したのではなく、大軍で長い距離を進むのに最初からスピードを上げすぎて、冬が到来する前の往路において自滅したのだということが、150年以上経って、ほぼ解明されています。

 「長い旅をする者は、急いではならぬ」という古い諺が中東にある。今、露軍の前進スピードは遅々としていますが、ナポレオンやヒトラーの失敗を避けようとしている結果、そうなっているのかもしれません。

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 AFPの2022-3-4記事「How commercial satellites are shaping the Ukraine conflict」。

   キエフ北郊の 40マイル=64km の道路渋滞を写真撮影したのは、民間の Maxar の衛星サービスである。

 マクサーの衛星カメラは「首振り」が利くので、真下でない地面も撮影可能。より細かな注文に応じ得るのだという。

 米国の国家偵察局(NRO)はマクサーの主たる上得意である。「どこを撮れ」という注文のほとんどが米政府から出ている。今はウクライナに集中していると言ってよい。

 米政府は、撮った写真を公開するかどうかをよく考えて決めている。たとえば、ウクライナ軍の塹壕陣地が映っていたら、そんな情報をロシア人に知らせてやるわけにはいかない。そうした写真は、公表させないのである。

 ※風呂なしで連続1週間の野営となると、露兵もそろそろ疲労が溜まって来る頃だろう。

 以下、雑報集。

 フィンランド国境から車で国外脱出を図るロシア人多数。制裁前に有効ビザを取得できていた者に限られるが、空路はもう使えないから、開いている国境はここだけなのだという。
 ただし、プーチンは戒厳令を発してデモを根絶しようとする可能性あり。そうなったらもう陸路旅行も不可能になる。

 3-5時点の露空軍機の損害。スホイ30SM×1、スホイ34×1、スホイ25×2、攻撃ヘリ×2、ミル8輸送ヘリ×1、「オルラン10」無人偵察機×1。

 市街監視のため高層アパートビルの屋上へ至ろうとしてエレベーターに乗り込んだ露軍兵士たちが、外から電源を切られて、エレベータ内に閉じ込められてしまった。

 ウクライナ人は、ボウガンのような仕組みで火炎瓶を飛ばす装置をDIYしつつあり。※スピゴット型がいいかもしれないね。

 ※日本からの緊急援助品だが、核攻撃が起きれば大量の火傷患者が出るから、抗生物質をポーランド領内に分散的にストックさせておくべきではないか。地下鉄のある町が適当だろう。


★《続・読書余論》ナイジェル・ニコルソン著『ナポレオン一八一二年』昭和62年刊

最新の《続・読書余論》は、船田亨二著『ローマ法入門』昭和18年刊・ほか です。

 ローマは三回世界を支配したのだとよくいわれます。その三回目が「法学」です。今日のすべての国がその影響を受けています。

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 John Konrad 記者による2022-3-3記事「UPDATE: NATO MEMBER OWNED SHIP SINKS OFF ODESA ? Russia Used Civilian Ship As A Human Shield」。
   木曜日、エストニアの船会社が所有し運用するパナマ船籍の貨物船『Helt』号ががオデッサ沖で露艦隊に砲撃されて爆発沈没。

 ウクライナが陸上で防備を固めているオデッサに近づきたいロシア艦隊が、この貨物船を「タマよけの盾」として使おうとしたものの、船長が従わなかったために、撃沈したっぽい。

 ウクライナ海軍の声明。露艦隊がやっていることは現代の海賊だ。
 『M/V HELT』は汎用貨物船で長さ79m。建造されたのは1985であった。

 エストニアは、NATO加盟国である。

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 indomilitary の2022-3-4記事「Ukrainian President Requests Three Squadrons of A-10 Thunderbolt “Tank Buster”」。
   3-3の『ディフェンスニューズ』によれば、ゼレンスキー氏は米国に対し、「A-10 サンダーボルト II」を三個飛行中隊分、くれ、と要望したのだという。

 WWII初盤の1941-2にチャーチルが「英国に武器を与えよ。われわれはそれでうまくやれる」と演説し、FDRがそれに応えて武器援助法を議会に通した。それを再演して欲しいと。

 ゼレンスキーは当初はNATOが空軍で上空援護してくれと求めていた。しかしNATOは拒否した。

 ゼレンスキーにいわせると、A-10の機体にウクライナ標識をペイントすれば、すぐにも使いこなせるのだそうである。

 ※ウクライナ政府の戦争指導部は素人の集まりか? 有益な助言ができる側近はゼロなのか? 今次の事変がおさまったあと、「予算が無ければ無いなりに自力でできたはずの努力」すらもロクにしていなかったウクライナ国防省、軍幹部、国会議員、そして大統領の責任が、あらためて問われなければならないだろう。


★《続・読書余論》船田亨二著『ローマ法入門』昭和18年刊・ほか

最新の《続・読書余論》は、昭和15年改訂の『應用戰術ノ参考 全』です。

 旧日本陸軍はS15にこっちの方から対ソ戦を始める気でした。営々とそのための準備をしていた。

 その総決算が、士官学校テキストの『應用戰術ノ参考』です。各国戦車の要目の表は空白になっていて、授業で別にメモを取らせたと思しい。
 それはいいのですが、軍用制式トラックや動員予定の民間トラックの燃費データがどこにもない。
 こんなレベルで対ソ戦というのは、チト無理があったでしょう。

 張鼓峰は、むしろソ連の方から関東軍の実力を探ろうとした「威力偵察」だった可能性があります。
 ノモンハン以後は、もう『應用戰術ノ参考』の価値は大いに揺らいだことでしょう。

 関特演が対ソ戦に移行できなかったのも、トラック用の燃料がまったく足りないと、陸軍省で分かっていたからでした。

 まあとにかくおもしろいのでご紹介した次第です。
 《note》 https://note.com/187326mg/  を ご覧ください。

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 Amber Wang 記者による2022-3-2記事「Ukraine invasion: Russian forces face tough resistance and logistical issues, experts say」。

 これまでロシアは380発の地対地弾道ミサイル/巡航ミサイルを、ウクライナに向け発射した。

 これまでロシアは20箇所強の、ウクライナ軍防空陣地を破壊した。

 キエフに続く道路上に、行軍長径60kmにおよぶ露軍車列の大渋滞。
  ※冬だから停まっているだけでも燃料は少しずつ減るし、メシは三度々々必要。こまりましたね。

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 Tyler Durden 記者による2022-3-2記事「These Are Russia’s Most Important Export Partners」。
   世銀のデータによると、ロシア最大の貿易相手は、中共である。ロシアの輸出の13.4%がシナ向けなのだ。

 第二位は? オランダである。そこにロッテルダム港が所在するために、そこで短期間でも船の積荷が卸されれば、統計にカウントされるためだ。
 つまり表向きの数値だけでは欧州諸国の対露貿易はよくわからない。

 そこで統計分析者に聞いたところ、リアルで突出しているのはドイツだという。
 ドイツは主にロシアから原油と天然ガスを、194億ユーロ、買っている。ドイツがロシアから輸入している総額の59%である。他の商品としては、金属、石油製品、コークス、石炭も、ドイツはロシアから購入している。
 ロシアにとって、ドイツの次には、ベラルーシ、トルコ、韓国、イタリア、カザフスタンが、重要な輸出先市場だ。

 はんたいに、英国と米国の市場は、ロシア製品の輸出先としては3.1%を占めるにすぎない。

 ※プーチンは、ステロイド以外に、「若返り」を謳う、超怪しい注射を射っているのかもしれない。それと常用の栄養錠剤が複合して、不期作用を起こしているのではないか。脳内に。

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 Jillian Deutsch 記者による2022-3-2記事「RT, Sputnik content officially banned across European Union」。
   ロシアの官製通信社、RTとスプートニクは、公式に、EU市場から締め出された。

 この2社はEU内にて2つのTVチャンネルを放送できていたが、それは禁止される。
 これら2社からスマホアプリをダウンロードすることもEU圏内ではできなくなる。
 これら2社が流したコンテンツをSNSにシェアする行為も禁じられる。

 今週、ユーチューブ、フェイスブック、インスタグラム、ティクトクは、RTとスプートニクのコンテンツを既に自主的にブロックしている。

 しかしEUの公式決定後は、すべてのプラットフォームが、ロシアプロパガンダの拡散阻止の責任を負わされる。

 ※ジュネーブ条約で、捕虜は公然と辱められてはならぬという一項があるので、もしネットでそのような動画を拾った場合は、顔を隠さずに転載すれば、投稿者は国際法違反になる。だいたい、露兵降人の顔を晒したりしたら、銃後の家族に危険が及ぶおそれがある。それでは対露軍の勧降の目的に沿わなくなる。投降しやすいネット環境をつくってやることにより、露軍の士気と団結を崩してやれるのである。


★《続・読書余論》『應用戰術ノ参考 全』昭和15年改訂