Unmanned Firepower!?

 はじめに訂正とお詫び。先回の抄訳で出血熱の症状の一つを「目の乾き」だと書いたのは「目の激痛」の誤りです! それから、出血熱の症状で外見的にわかるものは、出血であるということも書き漏らしていました。スイマセン。
 テキサスの陸軍基地フォート・フッドで起きた、2丁拳銃による多数殺傷事件については、あらゆる在米リポーターが喰いついているので、最良の記事はどれか、なんて読み比べてみる根気も起きない。とりあえず、APの記者Allen G. Breed と Jeff Carlton 両氏が2009-11-7付で載せている「Soldiers say carnage【大虐殺】 could have been worse」という記事から、教訓を汲んでみる。
 この記事の段階では死者13人。怪我人30人。※あの韓国人を抜いたわけだ。
 犯人は米国生まれのイスラム教徒で39歳の精神科の軍医少佐【Army psychiatrist Maj.】 Nidal Malik Hasan で、まさにアフガンへの派遣を前にしていたが、それまでにアフガン帰還兵からの恐ろしい話を治療室でさんざん聞かされていた。※ジェンキンズ逃亡兵と同じか。
 IEDというやつは、精神疾患も引き起こすらしい。たとえば、基地の事件現場近くに居た、ジャマイカ生まれの31歳の軍曹も、イラクで路傍爆弾の爆風を浴びていらい、持続性トラウマ脳障害と、トラウマ後ストレス精神疾患に悩まされ、いまだに通院中なのだと。
 ※それじゃベトナム戦争中にB-52の1000ポンド爆弾の絨毯爆撃の爆風を浴びた農村住民たちはどうなるのよ? 地下壕の中にいても衝撃波が伝わってきて着衣が瞬時にボロボロになって全部飛び散って丸裸になったという、〈リアル・ケンシロウ〉エフェクトが観察されたぐらいだったというのに……。
 ※ちなみに米国の軍隊関係記事では、インタビュイーの出身の州がどこかということが意味深い。アラバマ出身の軍曹と聞けば読者は無学だが不真面目ではない貧乏白人の南部訛りの語りを思い浮かべるし、ジャメイカ出身と聞けばレゲニーチャンの発音が脳内再生されてくるでしょう。だから記者は(容疑者ではない)証言者の出身地の紹介も、省略しません。Yes! アメリカではこのような形で出身地や所属階層に関しての「信用度」の偏見は追認されているのです。
 犯人の武器は、1丁がセミオートマチック(装弾数20発)、1丁がリボルバー。※この記事では銃の商品名は不明。
 300名の丸腰の兵隊が、一部屋にギュウ詰めされていたところを襲った。※故に、あの韓国人のときよりも、殺傷の仕事率が高くなったようだ。
 犯人を仕留めた〔射殺ではない〕のは、身長わずか5フィート強の女警官 Police Sgt. Kimberly Munley だ。※ヒラ巡査ではなく警部補。
 警官マンリーは高等射撃教官であり、この基地でテロなどの非常事態が起きたときの「 special reaction team 」の「civilian member」に登録されていた。だから3分で現場にかけつけた。
 2007-4のヴァージニア工科大での乱射事件のあと、彼女は「active shooter」特訓を受けていた。それで彼女は、応援を待つことなく、即座に犯人に向かって行った。
 女警官は犯人と撃ちあいになり、3発撃たれた。左脚に2発(どちらも盲貫)、右手首に1発。しかしハサンには4発を命中させて倒した。
 すべては10秒以内のできごとだった。
 ※これは女ダイハードの映画化決定かもしれませんね。新しいヒロイン像の誕生です。
 ※日本の警察エリートはアメリカ留学組ですから、この教訓はすぐに日本にも反映されるでしょう。持兇器現行犯に遭遇した警察官諸君は、その方針を先取りしてもよさそうですね。
 ※戦前の日本軍将校も、「機動中に敵と不期遭遇してしまったらば、躊躇せず、とにかく突撃しろ」と教えられていました。それがアンブッシュかどうかなど考えていないで、敵に精神的な重圧をかければ、活路がひらけるかもしれない、というわけです。ためらっていれば、敵が精神的アドバンテージをとってしまって、こっちが壊滅する。野生の熊にインプットされているプログラムも同じです。熊(成獣)は、至近距離で急に驚かされたときには、脊椎反射で必ず攻撃します。それが猟師なのか老人ハイカーなのかは選ぶところではない。即時反撃によってイニシアチブをとりかえしてサーバイヴできる確率が、熊の場合は、高いからでしょう。もし300人の丸腰の兵隊たちが、逃げないで逆に一斉に殺到したなら、13人死ぬ前に犯人を制圧できたのではないでしょうか。
 兵頭いわく。最良のファイアパワーは、敵の精神に働きかける。


米兵がダニに咬まれて死亡

 『ワシントンタイムズ』2009-11-6付、Sara A. Carter記者の記事「EXCLUSIVE: Rare virus poses new threat to troops」によると、南部アフガン辺境に駐屯していた米陸軍部隊で、エボラ出血熱類似の症状で22歳のアラバマ出身の軍曹が1人死亡した。
 血液サンプルをとるため米本国から医療チームが向かったが、詳細が判明するのは数週間後だ。
 軍曹はダニに足を咬まれていたという。
 出血熱は、黒海沿岸ではめずらしくない病気である。
 クリミアでは1944に報告され、コンゴでは1956に報告された。8年前には、パキスタンの首都クエッタ市で大流行した。
 出血熱は、とつぜん発熱し、筋肉が痛み、目が乾き、光が苦痛になる。
 ダニに咬まれてうつった場合、1~3日で発症する。最長で9日。死亡率は30%だ。
 アフガンには外国人によって豚インフルエンザも持ち込まれている。すでに6人以上のアフガン人が豚インフルで死んでいる。
 ペンタゴンはカタールに注射ワクチン150,000を送っている。現地ではその倍を要求していたのだが。
 医師いわく、とにかく手洗いを励行してくれ、ですと。
 兵頭いわく、ダニは手洗いでは防げまい。こうなったら、DDTを復活させるしかない?
 次。NYT電子版の「Swampland――A blog about politics」コーナー。
 Joe Klein記者が2009-11-6付で「Another Afghan Problem」という記事を書いている。
 アフガニスタン国民の識字率は、タッタの2割しかない。
 しかも、パシュトゥン語が必要な地域にダーリ語しか話せないアフガン兵が配置されたりしている。
 米兵がある村から去ったあと、アフガン軍やアフガン警察が何のフォローもしてくれないのなら、砂の城をつくってるようなもんだ、と。
 これに対する一読者のコメント。彼の息子はマリンで最近アフガンから帰ったばかりだ。
 アフガンに配備されたマリンは、とにかくなにもやらせてもらえない。ROEが厳格すぎて、ほとんど撃てないのだ。兵隊たちは、これにうんざりしているという。親父いわく。敵を皆殺しにしろ! それができないなら、息子たちを本国へ呼び戻せ。
 兵頭いわく。じつにごもっともです。
 次。
 JUNG SUNG-KI記者による2009-11-5付記事「U.S. To Remove N. Korean WMDs in Contingency」。
 韓国軍と米軍の共同作戦計画「OPLAN 5029」は、北鮮国内がもし大混乱したときには、韓国軍が北鮮に100以上あるNBC関連施設をすばやく占領することもオプションに入れている。
 兵頭いわく。米政府の最高のインタレストは、「9.11の核版を予防する」ことにある。すべての外交軍事政策が、このインタレストに基づき、決められている。よって北鮮が内乱状態に陥った場合に、韓国軍に上記の作戦をさせるのはむろんのこと、米軍自身も核関連施設の確保に動く。これは疑う余地なし。
 また兵頭いわく。かつては韓国軍が頼りなさすぎて、沖縄に海兵隊の「後詰め」が必要なように思われた。しかし今日では南北の力関係は完全に逆転し、上記のような韓国軍地上部隊の北進が普通に考えられるようになっているのだ。
 次。
 デジタルジャーナルにStephanie Dearing記者が載せている記事「Canada preparing to pull out of Afghanistan」。
 カナダの参謀総長が、アフガンのカナダ兵に対して撤退準備を命令した。
 カナダはアフガニスタンに3000人近くを派遣している。そして2001いらい、すでにアフガンで133人戦死している。


今朝の雑報集

 APのKimberly Hefling記者による2009-11-4付記事「Shinseki promises help for homeless veterans」。
 退役軍人庁のシンセキ大将が、5年以内に退役軍人のホームレスをゼロにすると演説。
 現在、全米で13万人の退役軍人がホームレスである。ただし6年前の19万5000人よりは減った。しかし米経済が悪化しているので、これから5年で15%増える懸念がある。
 ホームレス男のうち1/3、ホームレス成人男女のうち1/5は軍歴がある。
 全ホームレスのうち3%がイラクとアフガンからの帰還兵である。
 次。米海軍のエロ医師が告発された。
 Erik Slavin記者による星条旗新聞2009-11-6付「Navy doctor accused of assaulting patients in Japan, Kuwait」。
 厚木やクウェートで診察中にすくなくとも15件のおさわり行為をやらかしたとして海軍軍医少佐 Lt. Cmdr. Anthony Velasquez が訴追される。
 軍法会議にかけるかどうかは横須賀の Rear Adm. Richard Wren が、これから決める。
 被害者は二等水兵から中佐にわたる。軍人の妻や、民間契約者も。厚木では2件。
 膝痛、首痛などで受診したところ、へんなところを検査されたり、性的に興奮するようなマッサージをされたとかいう申立て。
 いちおう弁護側の主張。それでも何人かの告発者は、ヴェラスケス軍医から不快な目に遭ったあともなお、ヴェラスケスに会っているではないか。
 これにはむろん反論あり。
 ちなみに米軍の医療機関では、異性の医療者が検査を実施する際には、受診者は第三者の立会いを求める権利がある。それによって医師も濫訴から守られる。しかしこの立会人がほとんど無気力・無関心で役立たずなので、頼まない患者もいるのだ。
 次。アフガンへ行くと背骨を折るぜという記事。
 Gregg Zoroya記者が『USA Today』に2009-11-4に載せた「Spinal injuries up among troops――Sturdy vehicles vulnerable to Afghan roadside bombs」。
 アフガンでは火薬たっぷりのIEDで最新の14トンの耐爆車両MRAPでも数フィートも宙に飛ばされる。このため背骨を傷める米兵が過去5ヶ月で100人以上。ひどいのは背骨を折っている。すくなくも14人は麻痺や感覚喪失の後遺症が残った。
 イラクではこのような症例はゼロであった。
 MRAPは3500両アフガンにあり。
 10月に、軽量タイプの all-terrain MRAP がアフガンに到着し始めた。これは背骨防護のためにシートやハーネスを工夫している。
 兵頭いわく。以前に舞鶴で見学した海自の高速ミサイル艇が特殊なダンパー付きのシートとハーネスを装備していたが、アレみたいなもんか? 元海自の魚雷艇乗りOBに余市でインタビューしたこともあるけど、みんな背骨をやられるみたいだね。ケネディもそれで背骨を悪くしていたのではないか。
 関連して、MILTECH の記事。こっちでは細部が異なる。
 Christophe Schmidt記者の2009-11-4付「Pentagon Touts New, Lighter Vehicle For Afghanistan」。
 新型の耐地雷車は11-4時点で41両到着している。計画ではこれを2010までに5000両調達する。
 軍がウィスコンシン州の Oshkosh Corporation に発注したのが6月。
 そして最初の車両がアフガンに届いたのは9月だ。
 旧来の M-RAP は自重が18143 kgほどあった。新 M-ATV は 25,000 pounds で、しかも独立懸架方式。〔旧MRAPはリジッドサスで旋回半径もでかくてダメだった。〕
 新車両は単価が 1.4 million dollars である。ガナー含めて5人乗り。ハンドルの軽さはもうSUV感覚。
 新 M-ATVの燃費は、 リッターあたり1.7kmだ。燃料槽の容量は 40 gallons 以上。
 アフガンでは、IEDによって、米軍と西側同盟軍将兵が、1~9月だけでも236人殺されている。
 次。
 Michael Abrashoff 退役大佐が2002に書いた『即戦力の人心術』に、こんな記述がある。「〔USS Benfold=DDG-65が中東海域に出動していた湾岸戦争の〕当時、米軍は自分たちの人件費を、じつにさまざまな方法で使用していた。空軍は生活の質に重点を置き、人々は美しい住宅、巨大な基地、すぐれた医療を手に入れていた。陸軍と海軍は、それとはほとんど正反対の態度を取っていた」(吉越浩一郎氏訳、p.176)。
 この事情は、今でもあまり変わらないのだろう。それで嘉手納の米空軍グループとしては、海軍や海兵隊の連中が、じぶんたちの空軍予算とマンパワーで整備されている極上の福利厚生娯楽施設を共同利用することになる「基地統合案」には、とても我慢ができないのだろう。だがそれは日本とアジアの平和と安全には何の関係もない話だ。もちろん「軍事上の理由」でできないなどという米側の反論は日本人を舐めた嘘にすぎない。米支間に「日支韓間の最低レベル均衡構想」および「東京の核の傘は剥ぎ取るかわりにシナは核ミサイルを実質増強しない」という密約もある以上、海兵隊がシナ軍と将来戦闘する可能性などゼロであろう。海兵隊は、ただ日本の納税者から流れ込む多額のカネが惜しいだけなのだ。卑しいカネの亡者たちなのだ。米空軍も、手前たちの福利厚生環境の維持しか念頭に無い。日本のダラ公務員とおんなじじゃないか。
 「日支韓間の最低レベル均衡構想」の帰結として、空自のF-15は、「より劣った性能の飛行機で代置させる」という約束が、米支間ではできているだろう。だったら防衛省も無理をする必要はない。F-35を焦って求める必要など無い。旧式のF-16を米国からリースして使うだけでも充分だろう。ソ連と領空を接するノルウェー空軍は、F-16でずっとやってきた。
 そこで以下の記事も見よ。
 Gerard O’Dwyer記者による2009-11-3付「Proposed Base Relocation May Boost Norway’s JSF Costs」。
 ノルウェー空軍は、北部の主力基地を町から少し遠ざけたい。というのもF-35の離陸時の騒音はF-16と比較してものすごくデカいからだ。
 あらたに、3394mの滑走路を、一部埋め立てして海寄りに新設し、町からは遠ざける。
 一説に、F-35がアフターバーナーを使って緊急発進すると、F-16の4倍もうるさい。
 反論もある。オランダの研究機関が3月に調べたところでは、F-35 と F-16の離陸時騒音には、5デシベルの差しかない、と。
 F-35がアフターバーナーを使わずにミリタリーパワーだけで離陸するときのノイズは 110dB である。これに比してオランダ空軍のF-16は、ミリタリーパワーなら104~107デシベル。アフターバーナーを吹かすと 111~114デシベルだという。
 兵頭いわく。空自がどうしてもF-35を導入したいのなら、赤字の地方空港を活かすことも考えないといけなくなるだろうね。UAV研究用にも、ひとつかふたつ、確保しましょうよ。


コンデンサとディーゼルのハイブリッド! こいつは日本メーカー殺しかもなぁ。

 とうとう雪がチラついて来やがった今日の函館市内……。そしてまた william matthews記者のいつもながらのホットな記事「A Different Kind of Hybrid—Oshkosh Hopes Electric-Powered Truck Will Win Over U.S. Army」2009-11-2付。これはマジヤバそうだと震えたぜ……。
 米陸軍は「ハイブリッド・ハンヴィー」やら燃料電池トラックやら、ここのところ、いろいろ試したが、どうも電気式はモノにはならんわいと失望していたところ、オシュコシュ社が、ついに本命の技術を実現しちまった。
 4輪駆動車の「HEMTT-A3」がその試作品だ。これは各輪に付いた電気モーターのトルクだけで走る。
 ディーゼルエンジンは積んでいるのだが、それは常に電気モーターのための発電のためだけにまわす。したがって完全に定速・定負荷回転のみだから、燃費は理想的に最上ってわけだ。パワートレインも超単純で済む。
 プリウスみたいに、内燃機関のトルクだけで走るモードや、内燃機関のトルクと電気モーターのトルクを併用して走るモードはない。
 兵頭いわく、これはアメリカのディーゼル機関車の伝統だよね。やはり得意分野で勝負に出ようってわけだ。
 最大の特徴は、大きなバッテリーではなく、コンデンサ( soda-can サイズ の24個の ultracapacitors )にブレーキ回生電力を溜め込むようになっていること。
 ブレーキングのときと、下り坂のときに、電気モーターを発電機としてまわすことで、コンデンサに素早く効率的に蓄電ができる。そして急発進時や、大馬力が必要な瞬間に放電ができる。
 コンデンサは、何万回、蓄電&放電を繰り返そうとも、性能劣化はしない。バッテリーのような定期交換は必要ないのだ。ライフサイクルコストを下げられる。
 メーカーのオシュコシュではこれを 「ProPulse diesel-electric」と名付けている。
 「 HEMTT-A3」 はこのような構成にすることで、キャブの容積が増し、総重量もわずかだが、減る。
 この方式は、トラックの軸数が増えても複雑化しない。たとえば、4軸、つまり8輪のトラックにこれを適用することも簡単だ。その場合、 13トン・トラックを時速 65 milesで路上走行させられる。
 Strykers もハイブリッド化できよう。これは平時のみならず、戦時の使用法においても、お徳なのである。
 既存のトラックのエンジンとパワートレインを撤去して、このシステムを後付け搭載することは、容易である。
 60マイル/時走行のときの軍用トラックのディーゼル燃料は24%削減できる。
 停発進をくりかえすモードでは33%の節約になる。
 発電力は 100 kilowatts of “military-grade AC powerだ。これは普通の家庭なら、 several dozen homesに相当する。
 米軍の nontactical vehicles は 186,000 台もある。これがオシュコシュ方式にコンバートされたら……。
 兵頭いわく、アメリカの車両メーカーが逆転ホームランを狙ってきたちゅーわけだよ。
 なおわたしはこうした米四軍の省エネ・脱公害・脱海外エネルギーの取り組みもカバーした『エコ軍備』の本を次に並木書房から出す予定です。ご期待ください。
 11月の大阪講演も、この話をしましょう。やはり防衛省が世界の趨勢に対しすでに周回遅れを喫しているからです。
 それからSINGERの本を頂戴しました。増元さま、どうもありがとう。


「読書余論」2009-11-25日配信号 の 内容予告

▼ウィリアム・マンチェスター著、宮川毅tr.『ある大統領の死』上巻S42-4、下巻S42-6、原1967
 これを読むと、『ダラスの熱い日』などを信じてしまった若い時のじぶんを殴りたくなる。
▼日暮豊年『戦ふ水雷戦隊』S18-7
 著者は海兵34期でS12予備の海軍少将。
▼篠原・平野・共著『有線放送』S19-12
▼R・ニクソン『ノーモアベトナム』
▼古河三樹『見世物の歴史』
▼『世界週報』1986-8-12、8-19合併号
 レーガン政権はシナにどんな兵器を売ってゐるか。
▼鈴木敬信『暦と迷信』S10-5
▼服部彌二郎『空襲ニ依ル災害ノ治療法』S17-7
▼三好・本城・内藤・共著『戦時下傷者救急法』S18-8
▼東京都青少年団『空襲下の救護法』S18-11
▼鈴木産蔵『図解 空襲と救護』S19-5
 著者は陸軍軍医大尉。
▼市島謙吉ed.『続々 群書類従 第四 史伝部』所収「清正高麗陣覚書」M40-6
▼長岡外史『飛行機ト帝都復興』帝国飛行協会 大12-11
 長岡の先見の明。
▼堺市兵事会ed.『明治丗七八年戦役 堺市奉公録』M40-5、1000部印刷
 四師団も八聯隊も怯兵ではない。
▼フーゴー・ウィンクレル著、松本重彦tr.「西部アジヤ諸民族の興亡」『史論叢録 前』所収、大8-9
▼東亜同文会調査編纂部『支那関係 特種条約彙纂』大6-12
▼田辺平学『不燃都市』S20-8-15、3000部、河出書房
 著者は東工大の先生。爆弾関係の数値データてんこもり。
▼『太陽』臨増第17巻第9号(M40-6-15)
 加藤高明は、部下を算数の能力で計った。
▼北側忠彦『軍記物の系譜』1985
▼『運動大講座』
 六代目尾上菊五郎の「銃猟漫談」を聞け。
▼三橋秀三『新剣道の指導』S19-7
 「新」といっても戦時中の「新」ですからな……。
▼鉄道省『スキーとスケート』大13-11
▼大橋武夫『「戦争論」と戦史』
▼露木松雄『新興球技 ドツヂボール指導の実際』大15-9
 ほんとうは「デッド・ボール」なのに文部省が改名しちまった。
▼下田次郎『運動競技と国民性』大12-6
 英国では釣りもスポーツ。
▼ディヴィッド・カービイ『ワードブック』
▼田辺高雄「宗教音楽」『日本宗教大講座(6)』所収
 台湾原住民の歌に古事記の世界を見る。
▼海軍大学校研究部ed.『文権と武権』S12
▼釋 瓢斎『奥の太道』S15-1
 那須の乃木屋敷観を聞け。
▼ゲルハルト・リッター著、西村貞二tr.『権力思想史』S28
▼本居宣長「馭戎慨言」塚本哲三ed.、大7-1
 宣長は、どうすればシナに勝てるかまでも考えてた。
▼菊池幽芳『琉球と為朝』M41-5
▼金子弘『国家理性と経済政策』S37
▼松川二郎『名物をたづねて』大15-11
▼高木武『太平記と武士道』S15
▼柴田隆『もっとも分り易き 常山紀談の解釈』S7-4
▼木村幸治『マラソンは芸術です』1984
 中村コーチが羅南での凄い憲兵少尉であったこと。射撃のプロだった。
▼中村重治『体育運動の起源と発達』S4-12
▼『ルソー全集 第十一巻』1980所収「言語起源論」竹内成明tr.
▼豊田副武『最後の帝国海軍』S59repr.
▼早川崇『ジョセフ・チェンバレン――非凡な議会人の生涯と業績』S58
▼渡辺国雄『軍刀』S19
▼J.Carmody著『地下建築物のデザイン手法』1983
▼R・チェレーン『領土・民族・国家』S17
▼『鴎外全集・34』岩波
▼岩野正隆『予言第3次大戦』1976
▼松陰 吉田先生 著『左氏兵戦抄』M2、長門 松下邨塾蔵版
▼楠田實『20世紀の遺産』
▼谷壽夫『機密日露戦史』S41
▼I・I・ロストーノフ『ソ連から見た日露戦争』1980
▼横山達三『日本近世教育史』M37
▼井伏鱒二『さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記』新潮文庫
▼ワイルド著、田部重治tr.『獄中記』S25角川文庫
▼ヘンリー・モーゲンソー著、石川清tr.『土耳古に於ける独逸外交秘史』大8(原・大7)
▼Robert K. Merdon著、森東吾tr.『Social Theory and Social Structure』1961
▼ホレース・マン『19世紀のヨーロッパ教育』
▼オットー・ヒンツェ「18世紀におけるプロイセン軍事=官僚国家」『伝統社会と近代国家』所収
▼横山雄偉『世界戦争に現れたる日本陸軍首脳部の無能力』大8
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 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。(配信されるファイルはPDFスタイルです。)
 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。
 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。
 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は200円です。
 バックナンバーも1号分が200円で、1号分のみでも講読ができます。
 2008年6月25日号以前のバックナンバーのコンテンツは、配信元の「武道通信」のウェブサイト
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 ウェブサイトでわからない詳細なお問い合わせは、(有)杉山穎男事務所
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いつになったら「燃えないペンキ」をつくるんだ?

 この週末は品川周辺に屯ろしていますので、御用の方は、都内ででもお目にかかりましょう。
 さて、以前に愛読していた、どなたかの、内航船のブログ(これは写真が素晴らしかった)で、〈韓国貨物船は絶対に針路を譲らない〉、とか書いてあったのを記憶します。そんなんで事故は起きぬのかと思っていたら、やっぱり起きましたかい。
 しかし、旧海軍の三保関事件の艦首切断のときだって、「炎上」はしていないはずだ(ただいま書籍を取り寄せて確認する前段階)。今回、ぜんたいなにゆえに火災が……?
 それに、旧海軍は、ミッドウェーの直後だか、かなり後だかの、負けがこんできた段階で、艦内の塗料をぜんぶ、掻き落としたんじゃなかったっけ? 燃えるものは塗料といえどもダメなのだという、大反省をしたのじゃなかったか? それともあれは米海軍だった?
 この反省の足りない海軍は、いまだに、艦内に木製備品をたくさんしつらえてある――とかの話もどこかで読んだ覚えがあります。
 また、フォークランド紛争のあと、燃えない水性塗料が研究されたとかいう報道も読んだような気がします。
 それが普及しない理由は、「高価だから」と聞いた。そんなの理由になるかよ? 戦争するんだぜ、軍艦は。
 安い不燃ペイントや、それを見苦しく見せずに仕上げる吹き付けロボットを工夫する時間は、いままでに十分にあった。それができていないのは、関係者が怠けていたのだ。
 次。アジアンディフェンスの2009-10-29付、ERIC SCHMITT氏の記事「U.S. Speeds Aid to Pakistan to Fight Taliban」。
  10機の Mi-17 兵員輸送ヘリ、攻撃ヘリのコブラ、暗視ゴーグル、ボディアーマー、ゲリラの携帯電話を探知盗聴する装置などが、米国からパキスタンにどしどし送られている。
 〔なぜ米国製の中古輸送ヘリじゃいけないのかよくわからないんだが、〕わざわざロシア製のミルを米軍がリースしてやる。6月にすでに4機が渡されているという。
 さらにUAVの画像情報をパキ軍に提供してやる。パキ軍のスペックダウン型のF-16のための少々マトモな爆撃照準装置も供給するらしい。
 8月いらい、パキの軍・警察の訓練のため150人の米人がパキ入りしている。ただしその米人は戦闘には加入しない。※オイオイ、ジョンソン政権時代のベトナム向け「軍事アドバイザー」の復活かよ!
 ただし米国は、無人のプレデターと、有人のアパッチヘリの、対パキ軍供与は、求められながら、拒んでいる。
 米のパキ支援は巨額だ。2001-9-11いらい、およそ $12 billion にもなっている。
 ペンタゴンは毎年 $1 billion も、パキ政府の兵力展開経費を補填してやっている。そのカネで10万のパキスタン政府軍兵士が、アフガン国境に展開されているのだ。
 2009だけでも、ペンタゴンは $500 million 以上を、パキに対する武器や対テロ訓練支援のために使った。
 そのうち $13 million 近くは、携帯電話の電波盗聴装置である。
 7月、ペンタゴンはパキスタンに、 200 個の暗視ゴーグル、100個の昼夜兼用スコープ、 600 個以上の無線機、 9,475 着のボディアーマーを補給した。
 パキ将校を米国に招いて対テロの学習をさせるプログラムも強化中、ですと。
 これに関連して面白い記事が、NYT電子版 の Op-Ed にロシア人の VICTOR SEBESTYEN氏が2009-10-28付で載せている記事「Transcripts of Defeat」です。ヒマがないため抄訳しませんけど、いま米軍はアフガンのソ連軍と同じことを反復しているんだぞ、という警告です。
 なるほど、ソ連軍は9年目でやっとこさ面目を保ちつつ撤収したが、それはソ連圏崩壊に直結してしまった。あと1年で米軍は旧ソ連軍に並んでしまうかもしれないのですなぁ。アメリカ帝国の崩壊がそれに続くのかどうかという瀬戸際なのかもしれませんぜ。
 ……で、それについての兵頭のまったく異なった提案は、月刊『正論』12月号(11/1が日曜ですので、たぶん10/31には出る)のクロスラインに載る予定ですから、本屋で立ち読みしてみてください。
 いまの米論壇は、アフガン問題を語るのに、60年代のベトナムの事例を持ち出すか、80年代のソ連のアフガン経験をもちだすかの、2種類のパターンしかありません。軍事と政治の両方に強い、錚々たる執筆陣が、おしなべてそのパターンです。
 〈おまえらアタマがカタくなってるんじゃないのか、そうじゃないだろう〉と、史論の見本を見せようというのが、兵頭の『正論』記事です。日本語でしか書けないのが残念です。


必要なのは超低空用パラシュートではないのか?

 『MILTECH』のスタッフライターによる2009-10-26記事:「Soldiers Test Army’s Newest Parachute」。
 米陸軍が50年以上も使ってきた「T-10」型落下傘が、ついに新型の「T-11」型に更新される。
 キャノピー(傘体)は長方形で、畳めば、よりコンパクト。しかし、面積はT-10より大。よって沈降速度はT-10よりもだいたい4秒遅くなる。
 また、今までより100 pounds 多い重量も吊り下げられる。
 開傘(canopy deployment)はスムーズだし、降下中の動揺は最小である。
 着地がソフトになるから、〔足や背骨の〕負傷も防げる。
 2009-11に最初の部隊がこいつの慣熟訓練を終え、2014に、全陸軍がこの落下傘に切り替わる。
 ……というのだが、昔どこかで聞いた説明では、軍用傘はレジャー用の落下傘よりも沈降速度をわざと大にしてあり、だからこそ、空中で長時間モタモタすることがなく、奇襲任務に適している――んじゃありませんでしたっけ?
 かつて、日航機が御巣鷹尾根に墜落したとき、自衛隊はその夜のうちにヘリから偵察員を先行降下させることができなかった。というのは、当時の自衛隊のヒューイにはIRカメラどころか白色光サーチライトすらなく、夜間のNOEができない。もちろんレーザー高度計などもない。高圧電線のありかも分からない場所だからリペリングどころじゃない。さりとてテキトーな高度から空挺隊員を飛び降りさせるのも、ためらわれた。それはいくら厳重な股間プロテクター、フルフェイス・プロテクターをつけさせたところで、やはり樹木に激突したり、険悪なガレ場に落ちて重症を負わせる危険があったからだ。平時の活動で虎の児の隊員に大怪我させるわけにはいかなかったのだろう――とわたしは想像してます。
 軍用傘の沈降速度を高めに設定しておくことは、地図情報も十分で、暗視装備が充実している米軍ですら、デメリットの方が大きい、と認定されたのでしょうか? だとしたら、自衛隊の需品科も、思い切って「パラフォイル」のようなものを工夫し、夜間にどんなところへ降下を命じても平気なものを研究したらどうでしょう。いまどき、平時の訓練で背骨を傷める空挺隊員を量産し続けるのは、時代錯誤のように見えます。


まもなく地方書店に『近代未満の軍人たち』と『有坂銃』が出ます。

 ディフェンスニューズの2009-10-26記事、豪州海軍の制服の親玉 Vice Adm. Russ Crane へのインタビュー。
 なんと提督は、兵曹からの叩き上げだ。掃海の専門家。
 豪海軍は Arabian Gulf に7年間も艦隊を派遣して米国に協力しつつある。
 その豪州海軍もいよいよイージス艦を持つ。ただしMDをやるとは言ってない。
 また、スペインの造船所に2隻の 26,000トンの強襲揚陸艦を発注する。これが豪州で最大の艦となる。強襲艦の導入により、海軍定員を700 人増やさねばなるまい。
 すでにスキージャンプは有しているが、海軍が固定翼機を運用するかどうかは決めていない。F-35がどうなるかもまだあいまい。
 6隻の既存潜水艦は近代化する。
 ところが乗り手が足りない。人数としてホントは半分足りない。
 豪州西部でレアメタル鉱山がブームになっている。そっちの給料がいいから、誰もが水兵になるより鉱夫になろうとするんだ。潜水艦基地も豪州西部なのでとりあいになってしまう。
 米海軍はこれから潜水艦に女を乗せようと計画しているが、なんと豪州海軍は1999から乗せている。水兵もいれば将校もいる。
 ゲイだろうと構わん。complete diversity【多様性】が豪海軍のポリシーだ。
 ※ここを読んで「インザネイヴィ」という歌を思い出した人はわたしだけではないはず。「キミを求む!」「潜水艦でいったいナニすればいいんだよ!?」
 シナ海軍は脅威とは思わん。経済成長に伴っているだけさ。
 次。 ASIAN DEFENCE の2009-10-25の記事「Gulf Air Forces In Review」By Mohammed Ahmedullah氏。
 サウジはロシア製の高性能防空システムを買おうとしている。狙いはひょっとすると、サウジがロシアの良い客になることによって、ロシアがイランに防空システムを売るのを邪魔したいのではないか、という。
 ※正しい「外貨」の使い方でしょう。日本の外務省ではこうはいきません。
 次。タイム誌の2009-10-24「Germany’s New Government to U.S.: Take Away Your Nukes!」という Peter Gumbel 氏の記事。
 ドイツの新内閣は古い原発を廃炉にしないだろう。
 その一方で、新外相は米国の核兵器撤去を求めるだろう。
 ドイツ国内にはまだ20個の核弾頭が貯蔵されているようなのだ。
 新経済相は、1990の暗殺未遂事件いらい車椅子の男だ。
 ※地球温暖化対策の決め手は原発の増設しかないことに、欧米有権者は合意しつつある。腐れサヨクは環境ロビイングで一儲けしようとしたのだが、あにはからんや、それが大原発ブームに結びつこうとは……。日本の現状はここでも周回遅れです。
 余談。
 『サウンド・オブ・ミュージック』のDVDを見て、こういう凝りに凝った映画は若い時にいくら観たって何も把握しちゃいねえもんなんだなぁってことが厭というほどよく分かった。「わたしは今やガウライターなんだ」「バロネス、あなたはマキャベリですな」――こんな台詞も、日本語吹き替えで生かせっこない。おっそろしく集中力のある(つまり伏線を見逃さない)、かつまた教養の深い米国東部インテリに訴えかけようという脚本だ。
 さらにアッと驚いたのは、さいごの音楽祭で二等賞をとった合唱団の成人男子の格好です。戦中の「国民服」は、これのマルパクだったんかよ……と合点が行く。清沢洌ほか複数の戦中日記が、〈なぜ当局は国民服にいちいちゲートル着装をやかましく言うのか〉と不思議がっている。不思議は何もなかったのだ。日本のゲートルはドイツの銃後民間人のソックス/スパッツの代用だったのだ。統制派官僚どもは、そこまでもドイツ人のケツを舐めたかったのだ。1966年まで生き残っていた戦中派のオッサンたちは、きっと映画館でその事を悟っただろう。そして、そんな発見をいちいち若い者に語り聞かせるほどには、若い者がヒマじゃなかっただろう。
 細かいところには凝る一方で、大きな疑問はスルーさせるのがミュージカルの力技だ。ザルツブルグから徒歩で山越えをして、一晩でスイスにまで辿り着けるわけがない。(ついでに言うと、『大脱走』の収容所は何処にあるつもりなんだろうか。ある者はスイスへ、ある者はスペインへ行ける場所とは……?)
 さらに余談。ブロードウェイ版の『アニー』には「N.Y.C.」という耳に残る名曲が入っている。これが映画版ではカットされて、代わりに「レッツゴートゥザムーヴィーズ」が新たに作曲された。あるいはチャールズ・ストラウスは、「N.Y.C.」が、リチャード・ロジャースの「エーデルワイス」に似ていることを、ずっと気にしてたんじゃないか?


アブドラに訊け!

 Jyoti Thottam 氏の記事「China Vs. India: Will Rivalry Lead to War?」。
 印支は3500kmの国境を共有する。経済力はシナが2倍以上ある。
 1962の中印国境紛争でシナが圧勝したのは、国境のヒマラヤ山脈まで通ずる良好な道路と橋が、シナ側には整備されていたからだ。〔インド側にはそのインフラが無かった。〕
 他方、62年間、印パ間の係争地であり続けているカシミールのパキスタン実効支配地区には、シナが $2 billion を援助して「Kohala」発電所を造っている。インドは抗議中である、と。
 また、インドの水力発電所の技師は言う。ヒマラヤのインド側斜面にあるダムをシナ軍が爆破したら、どうなるか、と。
 これを読んで兵頭おもえらく。もしこの発電所が「原発」だったらどうなっているだろうか? エンジンの壊れかかっているジャギュア×300機しかないインド軍にそれが可能ならばの仮定だが、もしそこを爆撃しようとした場合、世界はどう反応するだろうか?
 それがカシミールではなく、「竹島」だったらどうだろうか?
 韓国が竹島に原子力研究施設を建築したら、空自はそれを破壊できるだろうか? ちなみに航空法では原子力施設の上空は飛行禁止である。
 さらに韓国がその竹島原子力研究施設の地下で核実験を準備しはじめたなら、日本政府には何ができるだろうか?
 政治家をこころざしている若い読者は、ひとつ脳内シミュレーションをプレイしてみて欲しい。この仮想が現実のものとなる確率は低くはない。
 右寄り新聞の『ワシントンタイムズ』は、普天間問題をめぐる日本側の意向をかなり同情的に報じてきている。
 2009-10-24にAP記者の Malcolm Foster氏は、その記事「Japan yields to pressure on U.S. airfield」の中で、キャンプシュワブ案とは別に、「 Kadena Air Base」もまた、「 another possibility」だとしている。つまり嘉手納への統合もアリだと報じている。
 日本政府はこう言うべきなのだ。〈外国軍の基地のためにカネを払うのは属国と被占領国だけである。日本は米国の属国ではない。また被占領国でもない。よって「思い遣り予算」はただちに廃止する〉。
 これで海兵隊が沖縄にとどまっても何の得することもなくなるから、彼らは勝手に出て行くだろう。彼らはアジアの安全のためなどではなく、ただそこに巨大なカネづるが存在するゆえに、沖縄に基地を残したいだけだからだ。
 バカ右翼がよく言うように、海兵隊が台湾を守るためにシナ軍と戦うような事態は金輪際無いので、バカ右翼は安んじて良い。
 ところで肉屋が細かな解体に使う小型のブッチャーナイフは、たしか「両刃」ではなかっただろうか? しかもかなりの高級鋼を使っていたはずだ。あれがOKで、安い鉄をグラインダーで研ぎ出したような二枚貝捌き用の道具が禁止だとすれば、その理由は何だろうか?


その英語番組、誰がつくるんだよ?

 NHKがAsiaSatから自前の英語TV番組をアジアと豪州向けに衛星放送し、しかもその視聴料はロハであるという、2009-10-23の記事「NHK chooses AsiaSat to enhance distribution in Asia Pacific」。
 捏造&国家反逆の多重犯が、日本人視聴者のチェックの働き難いところで、また一体何をたくらもうとしているのか。
 日本語版『朝鮮日報』の2009-10-23記事「沖縄の米軍基地移転問題、深まる日米対立」によると、「ゲーツ国防長官は訪日期間中、自衛隊による栄誉礼も拒否した」。
 NHKはこれを報じたかな?
  ASIAN DEFENCE の記事「Taiwan to consider proposal to mothball Mirage fighters」によると、台湾空軍の戦闘機パイロットは、月に最低15時間の訓練飛行を義務付けられているという。
 てことはですよ、月に7時間しか飛んでいないシナ空軍って、何? F-15で相手をするのすら勿体無いってことなんですよ。
 あと、2009-10-22の記事「Russia, China draft Kalashnikov copyright deal」という記事。
 ミハイル・カラシニコフは89歳で Izhevsk に存命であるという。
 パテント料が入らなくて、残念みたいですね。でもAK-47のおかげで宿敵の米国は相対的に弱くなった。技師冥利に尽きるでしょう。キュリー夫妻は、科学者は人類に奉仕するのだと言って、放射能の特許を取りませんでした。