でんせんが切れた日にせんでん。

 8月はぜんぜん本なんか売れ~ん! ……というわけで、PHPさんの『「日本核武装」の論点』は9月1日の発売だそうです。
 しかし朗報! ツナギとして8月中旬発売の『表現者』が核武装大特集だっ。 なんだかボリュームがありやがるし、こいつはかなり楽しめやすぜ。


御礼!

 さっそく硫黄島の写真をご紹介くださりありがとうございます。
 なるほど、外周を船で回るだけでこれほどの撮影ができるのですね。
 やたら参考になります。
 取り急ぎ、御礼まで。


硫黄島を船でぐるっと回るツアーがあるらしい。

 海兵隊大好きのクリント・イーストウッドが硫黄島の映画を公開するというので、それに照準を合わせた出版企画が多いようです。
 じつはわたしも某媒体の企画で関連記事を急に書くことになりました。
 で、調べてみましたら、その原稿の入稿日と重なる9月前半のすばらしく良いタイミングで、小笠原海運さんが、竹芝桟橋から硫黄島まで往復する船旅を6万円弱で募集しているではないですか。(上陸はできない。父島、母島になら1泊できるらしい。全行程5日? 台風が来たらどうするのか不明。)
 そこでみなさんに頼みがあります。東京裁判の資料読みで忙しくてこの船旅に参加できないわたしの代わりに、硫黄島の海岸写真を撮ってきてくれる者はいないか?
 そしてこの掲示板にUPして、わたしの想像力をかきたてて欲しい。
 もちろん、わたしからの報酬は「お礼のことば」だけです。よろぴくぴく
   


官僚の宗教無知を悟れぬ麻生氏はシナに勝てないだろう

 今朝のウェブ版の「東京新聞」記事(共同)と「毎日新聞」記事を拝見したところでは、次の次の首相になりたいと焦り始めた麻生太郎外務大臣は、靖国神社の将来に関し、下記のような軽忽なブレーンのアドバイスを、自分の政策としてぶち上げることに同意してしまったらしい。
一、靖国神社は東京都が認可した宗教法人格を自主的に返上し、解散し、財団法人となるべし。
二、その後、設置法を制定し、特殊法人「国立追悼施設靖国社(招魂社)」とし、国営化する。
三、慰霊対象は、設置法を論じる国会が決める。A級は分祀する。
四、外国首脳も参拝させる。
 兵頭は、麻生氏のブレーンが誰なのかは、いっこう存じません。しかし現役外相なんだから、省内の幹部官僚諸士からは恒常的にアドバイスを受ける立場にあると思うんですが……。
 もしこれを麻生氏が8日の記者会見で発表したら、外務省がアーリントン国立墓地などの西洋の「無名戦士の墓」の性格について、基礎的な理解ができていないことが、天下に曝されるように思われ、まことに心配です。
 百遍でも言いましょう。
 「追悼施設」に外国元首がお参りする義理は、ありません。
 諸国の元首が、他国の「無名戦士の墓」を表敬するのは、それが愛国者の顕彰施設であるために、ぞれぞれ国軍を率いている最高司令官として、相互に儀礼を交換するのが、フェアで高貴な騎士的態度となるわけです。
 これは価値中立の行為です。政治的に何の色もつきません。仏教徒もコミュニストも、愛国者としての表敬行為の時のみは騎士たり得る。しかし、売国官僚に堕して久しい日本の外交官諸君には、この根本は分からないようです。
 たとえばベトナム国にアメリカ大統領が公式訪問したとします。アメリカ大統領は、現ベトナム政権が管理する無名戦士の墓を表敬する義務が、典儀常識上、あるのです。しかし、「ベトナム国営・戦争追悼施設」の類には、アメリカ大統領は立ち寄る義務はないのです。
 なぜなら、「ベトナム国営・戦争追悼施設」に、過去の戦争でベトナム人を殺しているアメリカ国の現大統領がお参りすれば、あたかも過去の自国の戦争行為について誤りを認め、相手国に謝罪したように、見える。
 これはアメリカ合衆国の国益を長期広範に破壊する国家叛逆行為となり得るのです。
 戦争追悼施設への外国元首の参拝は、政治的に価値中立の行為ではあり得ないのです。
 したがって「麻生外相式特殊法人:ヤスクニジンジャ」が出来たとして、アメリカ合衆国元首も、また中華人民共和国元首も、そこを訪れることはあり得ません。
 これが分からぬ外務省のお歴々に箆棒な生涯インカムを与え続けている日本の有権者はそろそろ怒りましょう。
 靖国神社には「理念型」が2つ、考えられます。
 ひとつは「明治天皇が定めていた通りに、永久に引き継いでいくべきである」。
 ひとつは「東京招魂社が靖国神社と改められたときの精神を、時代の流れを考えて延長させるべきである」。
 昭和天皇は、当然、前者の見解でした。近代国家元首の三代目として、昭和天皇の基準は明治天皇しかないのです。
 明治の靖国神社の主役は、あくまで天皇と戦死者の魂であって、ギャラリーは黙って見ていなくてはなりません。
 それを、昭和敗戦後の遺族たちと一部宮司は、すっかり「遺族のための追悼施設」に捻じ曲げてしまいました。明治の靖国神社の「戦死者鎮魂&戦争勝利祈願所」としての性格は、戦後に破壊されました。
 「2ちゃん」バカ右翼には、これが分からず、遺族会=自民党の戦後票とり宣伝戦術に、他愛も無く洗脳されているわけです。神社は寺ではありません。
 遺族会が年金欲しさに盛り上げ、また政治家が票欲しさに便乗してきた8・15イベントは、明治期にはもちろん存在しません。
 毎年、戦敗記念日を盛り上げることを、神社を創った明治天皇や、神社に祀られている明治の戦死者が、嘉[よみ]するわけがないでしょう! それをこれからずっと続けるというのか? ふざけるな! 不愉快だから境内の外でやれ(昭和35年以前の宮司はこの考えだったと想像される)。
 また、明治天皇の遺制では、霊璽簿は天皇の裁可を経なければ正式ではない。ところが宮司と厚生省(旧軍)は、その遺制も破壊しました。晩年の昭和天皇にとって、靖国神社は、もはや「エセ靖国神社」に堕していたのです。そこに関わることは、明治天皇の遺志を継ぐことには反するようになったのです。
 後者の見解は、近代国民国家の国民モラールのためには「無名戦士の墓」は当然に必要になるんだということです。
 日本は第一次世界大戦で陸兵を欧州に派遣しませんでした。そこで列強のように何万人もの戦場行方不明者を出すという体験をしませんでしたので、招魂社(長州藩士のみを祀る)から靖国神社(日本国のために死んだ兵士を差別なく祀る)に改めたのに次ぐ、第三の必然的な改革が、先送りされてしまったのです。
 第三の改革とは、要するに靖国神社の「霊璽簿」の廃止(=「無名戦士の墓」化)です。
 霊璽簿方式は、近代国民国家のウォー・シュライン(これは蔑称ではなく聖称です。アーリントンの無名戦士の墓も、れっきとしたウォー・シュラインです)とは相容れません。
 霊璽簿には、入れるべき人が入らず、入れるべきでない人が入るという不都合が、年月とともに蓄積される一方だからです。
 アーリントンの無名戦士の墓にケネディ大統領が祀られている──という人がいますが、大きな誤解です。
 「国立アーリントン墓地」と、アーリントンの「無名戦士の墓」は、結界され、区別されています。「無名戦士の墓」には衛兵も立ちます。ケネディ大統領の墓は、墓地の方にあり、そこに衛兵はいません。
 その国立墓地の墓籍簿は米国政府によって管理されています。つまり靖国の霊璽簿と同じものです。
 各国元首が表敬するのは、特定の旧敵国人または友邦国人が埋葬されているアーリントンの墓地ではなく、価値中立の無名戦士の墓の方です。
 無名戦士の墓には、墓籍簿(=霊璽簿)はありません。霊璽簿(墓籍簿)があったら、無名戦士の墓ではなく、政治的に価値中立ではなくなり、外国元首が表敬できなくなります。
 いまや靖国神社は、明治天皇の遺志に逆らい、昭和天皇からも見放された一宗教法人なんですから、神社の一存で霊璽簿をなくし、「無名戦士の墓」を用意することだって、できるはずです。
 無名戦士の墓に元戦犯が祀られている等と、その価値中立性にクレームをつけることは、いかなる外国元首にも許されません。(もともとシナには国際儀礼は通用しないので、引き続いて文句をつけてくるだろうが。)
 しかし日本国政府が日本の宗教法人にああしろこうしろと命令することもできません。
 去年、靖国神社の宮司が、「また戦前のように国営にしてほしい」との希望を表明したそうですね。これも想像しますに、靖国神社が組織として膨張しすぎており、数十億という年間経費(それって人件費?)に対する歳入(浄財)が不足し、企業であれば倒産目前になっているので、公的支援(税金投入)か、さもなくば特殊法人化してくれ、ということでしょう。
 税金を払わなくてよい特殊法人の理事には、国が役人OBを天下りさせることができます。(財団法人だと税金をきっちり払うので、天下りを拒否可能。)
 つまり、靖国が官庁の利権化します。外国元首が参拝する施設なら、外務省OBが理事となって天下ってもいいかもしれない。年間数十億の人件費ですよ。これに目をつけるとは、さすが役人ブレーンです。厚労省も指をくわえてはいないでしょう。
 靖国神社が、即刻、霊璽簿を廃止したら、「無名戦士の墓」に相当する施設について、国庫補助を検討しても許されましょう。
 しかし自由主義国家の筋としては、いますぐ、国立の「無名戦士の墓」をどこか別な場所に建立すべきなのです。
 それは防衛省の管轄となります。(米国の場合、退役軍人庁が主管。)
 いままで、近代国家なのにこれが無かったことが異常なのです。
 大正時代に、靖国神社の霊璽簿を廃止すべきだったのですが、それをし損なって、事ここに至ってしまったのです。
 明治の遺制を破壊した靖国神社と昭和遺族は、その自己決定に伴う結果を受け入れねばなりますまい。破産をしたくないなら、経済活動を縮小させたら良いでしょう。赤字を補填するために、境内の一部を、国立の無名戦士の墓のために国に売却してはどうですか。
 なおまた、しつこく念を押しましょう。
 「千鳥が淵戦没者墓苑」は「無名戦士の墓」とはなり得ません。日本人ではない者や、非軍人までが祀られているからです。そのような追悼施設は、外国元首にとって価値中立の施設ではなく、国家表敬の対象たり得ません。


これは「回収」されまぴたね。

 今日のニュース・リリースからして、もう「テポドン2号」は、米潜によって浅海面で拾われてるんでしょう。
 数百キロ飛んでレーダーに探知されていないわけがない。「数百キロ飛んだ」と言ったのは、北鮮と韓国を欺くディスインフォメーションでしょう。深海面ならNR-1でも潜れませんから北鮮も安心して忘れるし、韓国も邪魔してこないと考えたのではないですか。
 しかし浅海面なら回収できる可能性があるわけで、その作業が完了するまで、本当の情報は伏せていたんでしょう。
 ロシアは地上のレーダーで真の落下点を探知していたでしょう。ということは今回は米露共同の回収作戦であったかもしれませんね。
 ミッション、コンプリート……。


ロシアからの報道で背景がクリアに

 韓国の初歩的偵察衛星(地球観測衛星)が、ロシアの宇宙ロケットで打ち上げられたようです。
 これで、先般の北鮮によるミサイル乱打の意味の解釈に、また新たな材料が付け加わりました。彼らの「ファッビョーン!」はいつものこととして、なぜあの時に……の事由は、この韓国偵察衛星の打ち上げスケジュールで、説明できることになったように思います。
 ロシアの軍事ニュースを英語で毎日更新しているウェブサイトがあります。延々とそれをチェックしていれば、たぶん6月かそれ以前に「韓国衛星の打ち上げが近々に迫っている」と承知できたでしょう。
 ……が、あいにく、こちとら現在、「巣鴨プリズンA級容疑者獄中手記全読破」に取り掛かり中のため、とてもそんな宇宙ヲタのような暇はなかったわけであります。まあ、暇があってもロシアのニュースは毎日みるもんじゃないですけど。
 韓国が衛星をロシアに打ち上げさせたのは、衛星写真の情報に関して米国から支配を受けたくないという意思の表われです。
 北鮮の弾道弾の数量を把握するだけなら、韓国政府が欧米の民間企業に高解像度の衛星写真を発注すればたぶん済んでしまう。けれども、それだと、最も機微な部分で、他国政府から「騙される」可能性が払拭できません。(衛星写真を商う私企業は、所属国家の情報機関から監督をされていますので。)
 たとえば、本当に38度線沿いに有力なロケット砲兵部隊が展開しているのか? 兵隊は寝てるんじゃないのか。ソウルが火の海になるなんて、あり得るのか?
 痒いところに手が届かないのです。
 そこで、既製の民間衛星写真よりもいくら悪い解像力であってもよいから、とにかく自前の軍事衛星を持って自前で運用していくことが、アメリカからいいかげんな加工情報(北鮮は核を持っている、の類)を掴まされて踊らされないための担保となるわけです。
 この韓国衛星がうまくいくと、今後、アメリカは、北鮮軍の攻撃力を誇張して世界に伝えることはできなくなるでしょう。日本政府(というか空自必死杉じゃね)は、これまで政治的思惑からアメリカの意図につきあって、北鮮軍の脅威を一緒になって誇張してきました。が、まもなく北鮮の実態は韓国政府によって丸裸にされてしまう可能性が出てきた。
 敵味方両陣営合作の、愉快な幻想が破壊されてしまう!
 それが予測できたので金正日は先手を打って、いままでずっと秘密にしていた長短2種類の弾道弾のスペックを、「準備秘匿なしの実射+テレメートリー」で公開したのでしょう。韓国情報機関によってさらしものにされる前に、自分から性能を白状してスッキリした。
 あらゆる北鮮の弾道弾の数量は、衛星写真で各国政府に知られていました。そしていまや、あらゆる性能も把握された。
 「ぜんぜん大したことないやん!」
 米朝日の共同幻想に加わらないメンバーが一人でも宇宙に参入すれば、もはや、北鮮は軍事的に、ゼロです。腹いせに、この衛星を打ち上げるロシアの近海を狙って演習弾を落としてやったのは、納得ができるでしょう。


あゝ 無策。

 年の初めから予告されていた、北京製南京映画ラッシュの第一弾は、ジョン・ラーべがマンジ腕章をつけて600人もしくは25万人(w)の無辜のシナ人を救済しましたという全欧注目必至の凄いものになりそう。こいつがもうじき公開されます。
 中味を見ていないからこのシンドラー柳の下版はコケるとも当たるとも予言はできんけども、もしこの作品が叩かれても、製作進行中の他の三作(or more?)は分かりませんぞ。フフフ……。
 相変わらず日本の映像業界は何の手も打っていないのでしょう。年の初めに敵の企図が明らかにされている段階で、すぐ対抗作のプランをスタートさせてなきゃ、「進行表」的に間に合わないんだよね。あったりまえなんだけど。
 大衆相手の政治宣伝は「列車動員戦争」と同じで、後手に廻った側が、圧倒されて、負けなんです。しかも、常に攻め続けなきゃならない。シナ人はちゃんとそれが出来てるから偉いよ。
 たてつづけに公開された南京映画を観せられた後から、「こりゃなんとかしなきゃな」なーんて日本人が思ったって、尻尾をネズミに齧られた恐竜じゃあるまいし、もう遅すぎるっての。世界のナウなヤングにインプリントされた視覚イメージは拭えませんからね。
 いやホントに日本人は学習能力が足りないですわ。何度敗けたら気が済むんでしょうか……。
 おそらくパワーに於いてこれに対抗し得るビジュアル・フィクションは、サン出版から出る劇画『2008年 日中開戦!!』だけだという予感がしますな。これも企画スタートが遅くて、完成するのは年末か???
 まあ8月にはPHPから、中西センセイと共著の核武装の本が出るだろうから、とりあえずはツナギにそれでも買っておいて欲しい。久々に小松画伯にイラストを頼み、面白い出来になったと思います。
 ──もっとビジュアルの分かる編集者が増えてくれ! ……つーか、分かんないんだったら企画まるごとオレに任せる度量を示せや!


武道通信の在宅スクール企画「読書余論」が開講しました。

 世間が夏休みに入ると同時のはじまりです。入塾方法は武道通信のウェブサイトをご覧ください。
 第一回では次のような文献を取り上げました。
○新井白石著、村岡典嗣校訂『讀史餘論』S11-9刊
○高谷道男『ドクトル・ヘボン』1954-6刊
○スチムソン著『極東の危機』清沢洌 tr.S11-10、中央公論11月号別冊附録
○官永進『帝国造船保護政策論』S3刊
○城戸久『城と要塞』S18刊.
○伊藤政之助『名将ナポレオンの戦略と外交』S2刊
○クラウゼヴィッツ著『千七百九十六、七年戦役(以太利ニ於ケル)』下巻、森知之・重訳
 この他にも数点の古い文献に、短く言及してあります。
 「摘録とコメント」は、特別な意図のある場合を除き、今後は「放送形式」にはUPされず、その事業は、毎月25日配信の「読書余論」の中で継続されるでありましょう。


近衛文麿の合祀年がよくわからない

 わたしも何の第一人者でもない分際で評論家をしてますが、これでカネをとっても許されるのだなあと実感いたしますのが、たとえば靖国問題をめぐる他のプロ言論人の、ほんとうに学習力のない意見に接するときです。
 まだ「分祀」がどうのと言っている人がいる。
 1945~46時点で蒋介石がいちばん許せなかったのは近衛文麿です。こいつに面子を潰され南京を逐われたと蒋は思った。しかも近衛が中共を手助けしたも同然で現在の彼の苦労がある。
 だから戦犯裁判を東京でやるとなったとき、「近衛をさっさと確実に吊るしてくれや」というリクエストが重慶からトルーマン・キャビネットに渡されたはずです。
 で、うまれながらに現実感覚の狂っていた近衛もさすがにとうとう蒋介石の意図を覚り、巣鴨呼び出しタイムリミットぎりぎりで服毒自殺をいたしました。
 これで蒋介石は怒りのやり場がなくなった。しかたなしに広田を近衛の身代りとして血祭りに上げました。もし近衛が自殺せずに東京裁判で吊るされることに決まったら、広田は不起訴か禁錮で済みました。
 広田と松岡と白鳥は文民なのに「米軍に戦争の延長で殺された」と宮司がみなして、戦死と同じ扱いで、軍人専用のはずの靖国神社に合祀されました。他のA級既決囚で吊るされたり獄中死した軍人たちと同一にです。
 現代の軽薄な評論家たちは、そもそも文民が靖国に入っていることのおかしさも問わないで、この14人の合祀をなかったことにすればシナ人が喜ぶと思ってるわけです。 ニワトリ頭!
 この14人とは別に近衛文麿も合祀されています。どうも合祀のDATEが不明なのですけれども。
 アカの恩人の阿呆公家を祀ったままで、日本が過去に持った最良の軍人の一人である松井大将を神社から追い出す? それも、もうすぐ亡びる中共政府の要求で? それが「経綸」だと思っている代議士がいたら、次の選挙で消えて欲しいよ。
 だいたい靖国神社は、追悼や平和祈念の場じゃねーっつーの。あれを8・15イベントの場に捻じ曲げたのは、敗戦直後に軍人恩給が停止されて生活に困った遺族会がマスコミの同情的注目を集めんがための国会向けのエグいキャンペーンだったのです。考えついた人は宣伝企画者として偉大だけどね。そんなマネを許した戦後歴代宮司には大きな罪がありますよ。神社のくせに仏教の盂蘭盆(8・15イベント)やお彼岸(春秋例大祭)に合わせているが、不純だと思わんのかよ。遺族会をいまだに集票マシーンにしている自民党の代議士もいいかげんにしれや。
 14人を外しても満州事変の本庄繁・関東軍司令官は神社に残りますよ。本庄も近衛と同じパターンで、終戦直後には自決しないで、やっぱり巣鴨に入れられると決まってから自決したのですが、合祀されております。生きてたら確実にA級で死刑だったでしょう(その代わりに板垣か土肥原のどっちかはリストから外れたでしょう。全体枠が28人と決まってたんで)。
 また海軍の永野(対米開戦時の軍令部総長。戦後A級容疑で取り調べ中に病死)と山本五十六(対米開戦時の連合艦隊司令長官だが軍令部長と共同謀議関係にあり、開戦の最高責任者。終戦前に戦死)も祀られてるわけです。永野も山本も生きていたらA級有罪は確実ですよ。
 東条と山本は同格なんです。生まれも同じ明治17年。中将昇進も同時で、二人は陸海のホープだった。山本は海軍省全体の未来を背負っていたから、東条以上に有能であることを天下に証明しなければならず、それが真珠湾攻撃です。
 日本の政治家が、個人の政治的な信条に基づいてあの東京裁判を支持したいというなら、永野や山本を祀っている神社に参拝することを、どうアメリカ人に説明するのか? できないでしょ?
 アメリカの軍人戦死者にだって、誇ることのできない、とんでもない悪党がいっぱいいますよ。外国人にとっての仇敵もいるでしょう。しかしアーリントンではそれは問題とならない。なぜか? 「無名戦士の墓」には「霊璽簿」が無いからです。
 アーリントン軍人墓地の個人墓区画の利用に際しては、きびしい資格審査があります。
 しかし、「無名戦士の墓」からは、誰も公式に排除はされない。
 たとえば、アメリカ憲法精神にぜんぜん忠節でなかった元軍人の魂は、そこに入っていると思ってもいいし、入っていないと思ってもいい。お参りする人が、心の中で区別すれば良いのです。だから外国元首も屈託無くお参りができる。
 ところがこれと違って靖国神社は明治以降、天皇に忠節だった「有名」戦死者だけを祀ろうという施設で、そのために霊璽簿があったわけです。
 霊璽簿というのは、新しい戦死者の名前がそこに追記される前に、天皇が裁可承認を与える。そうでなかったら、そんなもの霊璽簿でもなんでもない。宮司の私物ノートにすぎないでしょう。
 敗戦後、霊璽簿の追記について天皇に事前に査閲をいただく慣習が、神社側の意向で一方的に廃止された。この瞬間、霊璽簿は宮司の私物ノートと化したと考えるべきです。また靖国神社も天皇と切断され、宮司たちの私物と化したと考えるべきでしょう。
 ですので靖国神社の正しい性格は、戦後に遺族と宮司がよってたかって破壊してしまい、いまある靖国神社は、ほとんど似非ヤスクニ神社なのです。
 宮司らが、そこにA級戦犯がいるといえばいるのだし、いないといえばいないのでしょう。その程度のものです。
 いま、宮司らは、そこに14人の刑死者は祀られていると主張しているのですから、それを外せとか戻せとか、外部からとやかくいうことはできません。一宗教法人たる靖国神社のご勝手・ご自由です。
 政府としては、アーリントンの無名戦士の墓のような、(霊璽簿無用の)国営施設が日本国内にいつまでもないことが外交儀典上の甚だしい不都合である由、それを粛々と新設することです。
 念のためにいうと、一般に、無名戦士の墓には、外国人や、純民間の戦災犠牲者などが祀られていると考えることはできません。
 また、無名戦士の墓の前で政府の一員が不戦を誓うことは、国家叛逆罪に相当しますでしょう。


とうとう「SS-N-6もどき」の実力判明

 今朝の某新聞ウェブ版が「共同」の配信を紹介しており、北鮮の2発の変り種弾道弾は旧ソ連の「SS-N-6」改造型だったらしいと書かれていました。
 テレメートリーも出していたようです。
 だったら日本のP-3Cも信号を録音できたわけだ。
 この新材料をもとに、また想像をするとしましょうか。
 「SS-N-6」の北鮮バージョンらしきものはもう西暦2000年から撮影されていたのですが、何か不具合があるのか、北鮮は今まで1発も試射すらしていませんでした。その謎の性能を、北鮮はとうとうオープンにしたのです。
 この意味は、金正日の米国への屈服でしょう。ありのままを米国中枢にだけは知ってもらうことにした。諸外国および米国内の「外野」向けのブラフと、米国中枢向けの宥和サインを、使い分けようとしているのでしょう。
 ざんねんながら日本の防衛ソフトの現状ではテレメトリの暗号はデコードできないと想像されるところですけれども、NSAは大抵デコードできます。この「SS-N-6もどき」の実力は、こんどの2回連続のサンプルによって、米国中枢には今やほぼ全貌が知られたでしょう。
 つまり、加速度(レーダーでわかる)、発熱量(赤外線でわかる)の遠隔観測データではいまいち解明し切れない部分も、飛翔体自身から出してくれるテレメートリーが、ご丁寧に補完してくれた。
 それで、ペイロードと射程のエンヴェロープがだいたい絞り込まれた。
 4000kmも飛ばないし、1トンも載せられないってことは、はっきりしたでしょう。
 またもし暗号化するほどのテレメートリー内容が無かったとすれば、それもまた、北鮮には核武装なんてまったく無理だという傍証を示したことになる。
 で、マスコミは相変わらず、「SS-N-6もどき」の射程が4000kmもあってグァム島に届くだとか、米国タカ派がずっと前に警告したMax値を右から左へと垂れ流し続けてるんですけど、まあ、確かな数字を見てみましょう。
 元になった弾道弾ですけど、これは旧ソ連が1960年代に開発した「R-27」(ソ連崩壊後に公表された“本名”)で、それを米ソ軍縮交渉の場では「SS-N-6」と“芸名”で呼んできた。
 全長は、先端の単弾頭(再突入体)部分を除くと7.1m、含めると9.7m。太さ1.5m。液体燃料の単段式です。
 液燃というとH-IIや長征のような「液酸・液水」を想像する人がいるんだが、ぜんぜん違います。そんな厄介なものじゃない。もちろんドライアイス状の霧が発生することもありません。
 液体の単段式である限りは、筒体を1~2m延長したって4000kmも飛びません。ハイテクで超軽量(250kg未満)にした水爆をただ1発だけ搭載して、かろうじて3000km飛ばしたというのが旧ソ連での実績です。
 北鮮が遠い将来、原爆を完成できたとして、それは1・5トン以下には収まりますまい。「SS-N-6」は650kgまでの弾頭重量しか載せられないものです。
 これがポラリスみたいに2段式になったら、射程はグンと延びますので、グァム島も危ない。しかし、そんなもんじゃないってことが、こんどの実験で明かされた。
 おそらく実力判明した北鮮の「SS-N-6もどき」は、射程は2500km未満、ひょっとすると2000km弱だったのでしょう。
 この最大射程で東向きに発射しますと、どうしても日本の太平洋岸のすぐ近くへ落ちてしまい、瞬間的に日米安保が発動されて、平壌が米軍によって空爆されるおそれがあった。
 だから日本海の西寄りに撃ち込んだのでしたが、最大射程が1000km未満であると見くびられるのも不本意なので、正規のテレメートリーを放送したのでしょう。「実力は2000kmあるんですよ」という米国に対するメッセージでしょう。
 金正日の意図は、この「SS-N-6もどき」の、じつは大したことのない実力を米国だけには知らせることによって、任期のおわりの近いブッシュ政権から置き土産的に北鮮征伐を仕掛けられないように密かに「懇願」することにあったのではないでしょうか。
 さらに想像をたくましくすると、金正日は「ネオ・テポドン」がまるで完成の見込みがないという報告を現場から事前に受けていたかもしれません。それでもいいから発射しちまえと命じた。運良く成功すれば、新たな対外交渉の活路を探せる。見込み通り、失敗すれば、米国と宥和できる──と思ったかしれません。
 こんどの公開政策によって、北鮮の長射程の「とりあえずさいごまで飛ぶ」多段ミサイルは「旧テポドン」しかないことが明かされた。旧テポドンは弾頭に100kgも搭載できぬもので、武器としてグァム島を脅威できるようなものではなく、数量もごく僅か。
 北鮮はもうテロ国家として生きるしかない、「終わった」国なのです。