中共を打倒する大戦略がないから、敵の「軍備による勝利」政略にまんまとひっかかってしまう。

 PHILLIP WALTER WELLMAN 記者による2018-12-11記事「Afghan air force conducts first nighttime airstrikes」。
   アフガン空軍が米国から供与されたA-29 スーパーツカノによって、対タリバンの夜間空襲を初めて実施した。11日にウルズガン県で。
 COIN機で空襲する場合、昼よりも夜の方が安全だと考えられている。ゲリラからは小型機を視認できないので。
 近い将来、アフガニスタン政府軍には、MD-530F「カイユースウォリアー」軽攻撃ヘリも米国から供与され始める。やはり、夜襲専用機だ。
 ※写真解説によるとアフガンにおけるA-29の夜間の作戦出撃はすでに5-17に実施されていた。今回は精密誘導爆弾を投下したのだろう。夜間作戦のためには後部座席のモニターでFLIRを見ている必要があるので、どうしてもスーパーツカノは複座型でなくてはならない。レーザー照射そのものは地上の誘導員がやったと思われる。COIN機といえどもペイヴウェイ使用が望ましいことは、2017の比島のマラウィ市攻囲で痛感された。比軍のCOIN機は度重なる誤爆で味方将兵多数を殺傷してしまったのだ。したがって陸自が「従来とは抜本的に異なる速度で改革を図る」ためには複座型のスーパーツカノを買わねばならない。F-35はあと十年くらいは戦列化できないが、EMB-314は発注した1年後には練習機×2機が、2年目には1個スコードロン分が届けられるのだから。調達のスピード感がぜんぜん違う。陸自が「少人数化」時代のクロスドメイン改革の主役となる日が来た。
 米国にとってアフガンはとっくに泥沼である。いまでも米軍が提供する航空戦力なくしてアフガン政府はおそらく保ち得ない状況。2018年の米軍機のアフガン国内での投弾量は、過去10年で最も多くなってしまっている。
 だからアフガン政府軍の空軍力の自立が急かされている。しかしCAS自立にはあと1年はかかるだろう。
 シエラネバダ社製の「Embraer/SNC A-29 Super Tucano」の対アフガン援助1号機は、2016-2に引き渡された。
 ※もちろんFMSなんて枠組みを使ってたらダメだ。陸自は国内民間商社を介してエンブラル社製を買うのがいちばん速い。付いているアビオニクスはぜんぶイスラエルのエルビット社製である。モニター表示はしっかりと米空軍式に合わせてくれてある。誘導爆弾もイスラエル製が入手できる。これらは中南米とアフリカのCOIN作戦で何度も成功実績があるので、調べれば不安がないことが判る。イスラエルの兵器関連製品を日本が買えば、イスラエルはそれだけ潤うから、トランプ政権は対イスラエル援助を減額できる。したがってクシュナーがトランプをうまくとりなし、怒らせるどころか、逆にトランプから感謝されるだろう。
 計画では、他にMD-530Fを24機以上と、Mi-35武装ヘリをセベラル機、アフガニスタン政府軍に米国から贈与する予定。
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  Beth Maundrill 記者による2018-12-10記事「British Army demos new Challenger 2 urban operation tank concept」。
   市街戦向きに改良されたチャレンジャー2。外部視察カメラの映像は、戦車兵の所持するアンドロイド・タブレットにてモニターされる。
 複数の固定カメラと、360度警戒できる赤外線パノラマイメージセンサー、砲身先端には左右確認カメラ(曲がり角から砲口だけ突き出して敵兵の有無を視認できる)。しかも戦車の得ている映像を、下車した戦車兵のタブレットでも受像し続けられる。
 ※英陸軍は歩兵戦闘車ウォリアーは無人操縦化するらしい。すでに実験開始した。考えてみれば、歩兵を卸したあとのAPCは、することないもんな。これは「ドラグーン」(乗馬機動歩兵)の発想だ。空馬が勝手に次の収容点に移動してくれるのだ。
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 ストラテジーペイジの2018-12-11記事。
   イスラム・テロリストは、覚醒剤の代用品として「Captagon」という市販薬をほぼ全員が服用しているという。その成分は「fenethylline」である。副作用としては、慢性高血圧など。
 ※急に鼻血が出たりするのかな?
 だいたい1980年代にはどこの先進国でも規制されたが、中東ではガレージで密造されて市販が続いている。テロリストも使うし、政府軍もまた、服用するのだ。
 ネイヴィー・シールズ御用達の睡眠薬は「Ambien」である。音のうるさい輸送機で非常な長時間の移動の後、世界の涯のような田舎に着く。そこで出撃準備し、行動は徹宵になることも多い。出撃前の少ない時節に確実に急いで眠りを稼いでおかねばならない。だから必要。
 米陸軍は2007年に「ステイ・アラート」(気をつけ続けろ)というカフェイン・ガムを戦闘部隊に配っている。
 そして米空軍御用達の覚醒剤もある。「Ambien」という。準覚醒剤的な副作用がある。
 また「Modafinil」を成分とする商品名「Provigil」も9-11以降、使われた。
 謳い文句は、気分が明るくなり、記憶力が強化される、というものだった。
 米軍で実験したところ、確かに、これを飲んだ兵隊と飲まない兵隊とでは、24時間不眠後のパフォーマンスが大違いであった。
 「Modafinil」の覚醒効果は「dextroamphetamine」よりは劣るという。
 しかし「Modafinil」には常習中毒性が少ないメリットがあり、長期的な悪影響は報告されていないという。
 その「dextroamphetamine」より効果が勝るという謳い文句で「CX717」という新興奮薬が登場したので、DoDでテストしたところ、「Modafinil」とあまり差がないことが判明している。
 艦隊勤務の将兵は、見張り上番中に熱いコーヒーをいくらでもふんだんに飲める。しかし歩兵の立哨は蛸壺にコーヒーメーカーがあるわけではなく、また長時間飛行する爆撃機のコクピット内にもコーヒーメーカーは置いてない。したがって陸軍と空軍は、海軍とは違う解決策を模索せねばならない。
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 KIM GAMEL AND YOO KYONG CHANG 記者による2018-12-10記事。
   米国務省によれば、2018-3時点で韓国は年に8億3000万ドル強、米軍駐留費を負担している。
 しかし『WSJ』紙によれば、トランプは韓国に、毎年16億ドルを払えと要求している。
 年内に妥結しなければ、米軍基地で働く韓国人1万2000人の全員を、2019-4-15からスタートして30日間以上、一時解雇すると米側は脅している。この警告は、はるか前からなされていた。
 韓国メディアの飛ばし記事。米国は韓国に、THAADの配備コストも負担せよと迫っている。また、米空母や米空軍機が半島のために展開していることに対する礼金も出せと迫っている。
 2013にもこの負担増交渉は年末までには妥結しなかった。しかし韓国は数週間後に屈して負担金を5.8%増やしたという経緯がある。今回もそのパターンになるであろう。