犬を使わない時点で「OSO18」対策は本気じゃない。

 雪が積もったから北海道の羆も穴に入っただろう。放牧牛はとっくに畜舎に収容された。
 道東で、放牧乳牛を散発的に襲撃する羆個体が数年間、駆除されずにいるという、モヤモヤした話。今年のシーズン中も解決しなかったようだが、これまでの対策の内容を見ると、そもそも現地農家に《こいつを駆除しなかったら死活問題だ》という切迫感は無さそうだ。

 それならそれで、緩く安価に実行できる来シーズン向けの対策が、いろいろあるだろう。

 まず試す価値があるのは「人間臭さのスプレー」。
 熊の嗅覚は犬をも凌ぐという。だったらその敏感なセンサーに働きかけることを考えねば。

 ヒトの鼻ではギリギリ感知ができないレベルに抑制した、人間たちの濃密な臭いを、慣れさせてしまわぬ用心として何十種類も用意し、それを数日おきに、デントコーン畑や放牧地に、ランダム曲線を描くように散布する。
 これで深夜向きの「臭いの結界」ができるはずだ。それも数日おきに変わって行くのだ。
 用心深い成獣なら、落ち着いて餌あさりはできなくなるだろう。

 ところで、鼻が敏感な動物は、じぶんの体表に、何か異常な強烈な臭気を付着させられることも、厭うはずである。
 そこで、そうした強烈で非自然的な「異臭」のミストを、センサーと連動して大型獣に対してスプリンクラーで狙撃的に浴びせかける「ブービートラップ」を、樹幹の地上高3mくらいの位置に仕掛ける。

 庭に猫が入ってくるのを撃退する市販装置の応用でいいのだから、1個数千円で製造できるだろう。

 直近の家畜襲撃現場の周辺には特に集中的に。
 あえておびきよせる目的の《ハチミツ餌》の近くに「地雷」的にセットしても可い。

 罠猟ではないので、免許も要らないはずだ。(庭に野良猫が侵入できないようにする仕掛け水鉄砲装置に、免許は必要無い。)

 いうまでもなくこの異臭物質は、「人畜無害」の無毒な成分でなくてはならない。しかし染料のようにいちど体表に付着したら何日もこそぎおとせないような性状のエアロゾルとする必要はある。

 たとえば都市ガスには、ヒトの鼻でもすぐに分かる臭いが、ガス漏れ警告の意味で、つけられている。そもそも無臭の天然ガス成分に、無毒だが「ガス臭い」と感ずる成分を、人工的に混入させているから。
 その原液の臭いが作業員の服地に付けば、体表までしみわたり、何日もその臭気は消せないそうだ。風呂に入っても落ちないという。しかし、とうぜん、無毒。

 このような、人間のバカな鼻でも気になってしまうくらいの強烈な人工臭が、犬の数十倍も嗅覚が敏感という野生の熊の体表に1滴でもついたらどうなるか? おそらくふだんのねぐらへは戻れないだろう。「臭い道」がついてしまうからだ。
 野生羆にとっては、最悪の経験となるだろう。

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 The Maritime Executive の2022-12-1記事「Royal Navy Orders its First Crewless Submarine」。
    英海軍は、長さ39フィート、径7フィート、自重17トンの無人潜水艇を発注した。
 これは貨物船の「40フィート・コンテナ」の中にすっぽりとおさまる寸法である。だから世界のあらゆる場所へ、すぐに搬入できる。

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 Mykhaylo Zabrodskyi, Dr Jack Watling , Oleksandr V Danylyuk and Nick Reynolds 記者による2022-11-30記事「Preliminary Lessons in Conventional Warfighting from Russia’s Invasion of Ukraine: February?July 2022」。
  英国の研究所による、ウクライナ戦争の戦訓抽出。

 すべての軍種が、陸上の「特殊作戦」に奉仕させられている。

 コンバインドアームズなのはよいが、それを機能させるに必要な下級指揮官の能力が不足。

 露軍は偽情報に弱く、すぐひっかかる。嘘によってその場しのぎをすればいいというインセンティヴが文化的にあるので真偽はどうでもよくなっている。

 ※ベラルーシの外相が急死したのは、対露全面協力をのらりくらりとかわしているルカシェンコに対するFSB流の脅しかもしれない。そうだとすれば今度はルカシェンコに、報復としてラブロフを暗殺する動機ができた。

 敵味方識別システムへの無関心。

 砲熕砲兵の数。開戦時点では、露軍2433門、宇軍1176門。ロケット砲兵の数。露軍3547台、宇軍1680台だった。

 もはや「聖域」なし。あらゆる場所が攻撃される。

 ※『フィナンシャルタイムズ』によればジャック・マー氏は日本国内某所に落ち着いているそうだが、外国籍の富豪が日本国内で比較的に安全である場所とはどこだろうか? 複数の目立たない拠点を確保して不定期に転々とするのは当然として、その有力候補地のひとつは三沢市だと思う。米軍の軍用宇宙通信網のハブがあるため、ここでは日米両国による外国人監視は特別に厳しいはず。また土地柄、怪しい東洋人がうろつけば、どうしても目立つ。地元駅も地元空港も小さいので、利用者全員のカメラ撮影が可能である。国際空港からは遠いので、工作員がそこでなにかやらかした直後、いちはやく国際空港へ移動しようとしても、駅でも高速道路でも、監視カメラを韜晦し難い。


膝パッドが支給されていない露兵が、ペットボトルを切り裂いて「脛当て」を自作している。

 足らぬ足らぬは工夫が足りぬ。

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 Thomas Newdick 記者による2022-11-30記事「Russian, Chinese Bombers Land At Each Other’s Airfields After Joint Patrols」。
   中共とロシアの重爆が日本海を合同飛行し、露軍の「ツポレフ95MS」は浙江省の某基地に着陸した。
 そこで給油をうけたのち、また露領のアムール州の「ウクラインカ」空軍基地まで飛び戻った。

 同時に、中共の「轟6K」も、露領内の空軍基地に着陸した。それがどこかは報じられてていない。

 ロイター報によると、空自は「轟6」が2機の露軍のUAVと合同飛行した、と言っているそうである。

 ※ロシアは、中共が台湾を侵略するなら協力しますよ、と言っているわけ。その見返りは、ウクライナ戦争への協力をとりつけること。相当の見返りが、既に与えられている。

 ※雑報によると、「Nazgul5 Evoque F5」という中共製のクォッドコプター(4軸だが、プロペラが3枚翅というところがユニーク)のそっくりそのままの商品が、ロシア国内にて、国産の「Dobrynya」だと称して売られている。

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 Joseph Trevithick 記者による2022-11-29記事「Turkish Laser-Guided Artillery Rockets Could Be Giving Ukraine New Capability」。
   トルコはMLRSと同格性能の地対地ロケット弾を製造しており、それを「TRLG-230」と称している。これはすでにウクライナ軍に供給されつつあり。

 射程70kmで終末GPS誘導、もしくはレーザー誘導もできるという。メーカーは、トルコのロケトサン社。
 ロシア製のトラック車台にとりつけたラーンチャーから複数発、発射できる。

 ※今次戦争で得られている最大の実用知見は、《40トン級のソ連系戦車は10kgのTNTの「至近弾」爆発でも無力化できてしまう》ということ。過去の戦場の事後写真では想像ができていたけれども、今次ウクライナ戦争では、無数の動画フッテージでそれを確認・再認識でき、もはや疑いもなくなった。よって現地では一時的に152ミリ/155ミリの既存の砲熕砲兵が脚光を浴びている。十五榴の砲弾内には7kgから11kgのTNTが入っているからだ。しかし十五榴を撃ちまくれば、摩滅砲身をひんぱんに交換せねばならぬ問題が浮上した。さらに「ランセット」のような安価な特攻ドローンによって最先端の牽引砲M777や高額な155mmSPがやられてしまう危険もあらためて立証されている。「対砲兵戦」をしようにも、相手がランセットでは「暖簾に腕押し」である。そこで目端の利くトルコのメーカーなどは、「十五榴相当の炸薬10kgを充填した胴体に翼を取り付けたロイタリングミュニション」の開発を進めている。将来の対支戦を考えたとき、この方向が最も正しい。あとはその特攻ドローンの量産性である。そこで提案したい。今から急いで研究しなければならないことがあるはずだ。それは、主翼じたいを爆発物でこしらえたUAVだ。TNT10kg相当の炸薬と複合構造材を熔融コンポジットし、その素材によって、自爆型UAVの主翼をこしらえて、大量にストック。それを各種の胴体と組み合わせるようにする。尾翼とエンジンのついたUAVの胴体を、スペックとして狙う射距離に応じて、とっかえひっかえできるようにするのだ。5km以内で特攻させるものから、50km以上も飛ばすものまで、主翼はすべて共用とし、胴体だけ、バリエーションを多様化する。今日では優れた鈍感爆薬が開発されているので、主翼被弾のおそれなどは懸念するにおよばぬ。だから大アスペクト比でいい。このロイタリングミュニションを輸送機によって高空からバラ撒くこともできる。その場合、胴体は極細にできるだろう。なお並行して開発されることが望まれるのは、数百kmの航続運転に耐えてくれる、使い捨てのマイクロ・ターボジェット・エンジンだ。これでプロペラを追放できれば、デンスパックしやすい。

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 Defense Express の2022-11-30記事「Belgium to Deliver Undewater Drones to Ukraine
   深度100mまで探査できる、有線操縦の水中ロボット艇を、ベルギーがウクライナに寄贈した。「REMUS 100」という。

 海底から2kgのモノを掴んで揚収することができる。

 ※英国はセバストポリ等を奇襲させるUUVをウクライナに与えるくらいお茶の子のはずなのに、それをしないというのには、理由があるのだろう。黒海に関しては露土戦争以降の特殊な国際法適用があるので、英国はそれを攪乱したくないのだろう。だからわざと水上爆装艇を選んだのだと思う。この調子だと機雷攻撃をこっちから仕掛けることもなさそうだ。すくなくとも黒海では。

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 ストラテジーペイジの2022-11-30記事。
   プー之介は500万人の動員が必要だと言い出した。しかしこれは1941動員規模であり、ほぼ不可能である。

 スターリンはインターネットを相手にする必要はなかったし、徴兵対象者に国外逃亡させない方法もあった。それと今とでは、比較にならない。

 プーチンが権力を握った1999いらい、ロシアからはすでに500万人以上が、国外へ転出してしまっている。
 2020にプーチンの終身独裁が法定され、その脱出の波は加速していた。

 ※自衛隊も、足りぬ人手を「リモート・ワーカー」の外部雇用で補えるはず。それによって、向かないデスクワークに効率悪く縛り付けられている本ちゃん隊員に、「本来業務」に回ってもらうことができる。

 ※ロイターによるとマドリッド駐在のウクライナ大使館に手紙爆弾が通常配達された。開けた人が指に軽傷。スキャンしてなかった。

 ※ロシアは相手陣営内の分断・相克を焚きつけようとしている。新手の「ファルス・フラッグ」情報作戦。いわく、ポーランドはウクライナ西部の編合を狙っていると。いわく、ウクライナ兵が反トルコのPKKを支援するSNS投稿をしたと。


固定翼の特攻ドローンを dense pack する方法を早く確立する必要がある。平面シルエットを等しくしつつ、主翼が高翼配置の「甲」型と、主翼が低翼配置の「乙」型をつくり、同数まぜるのが一法と思う。

 垂直尾翼だけは固定にするとデンスパックなど不可能になるので、折りたたみ式とするしかないだろう。

 この「甲」型と「乙」型を、胴体を互いに左右にすこしずらして収納するようにすれば、有限のコンテナ容積内に、最大機数を詰め込めるはずだ。
 もちろん、使用時にはコンテナから直接に射出(つるべ射ち)して、70機以上のスウォームで1目標を襲撃させる。

 今次ウクライナ戦争で得られる重要知見のひとつは、先進諸国にとっても、ミサイルの撃ち合い戦争は金銭的に持続至難に陥るが、低速で非ステルスと性能を割り切った無人自爆機(固定翼)の長駆マッシヴ・アタックはアフォーダブルであり、しかも、それが吸引する敵SAMよりも単価を安くできるので、消耗戦術としてもまことに合理的であることだ。

 イラン人はこれを何年も前から察していたのだから恐れ入るしかない。しかしそのイラン人も、特攻ドローンをコンテナ内にぎゅう詰めにする方法まで考える余裕は、これまで、無かったものと見える。

 「シャヘド136」を車載コンテナから斜め上へつるべ射ちできるようにしているのだけれども、その収納方法がスカスカである。この無駄を解消するには、「高翼型&低翼型」をコンビで開発するのが近道だ。

 あと、「プッシャー式プロペラ配置」と「牽引式プロペラ配置」を同数混合した場合は、どのくらいデンスパックできるかも、CAD上で試行模索してみるべきだ。

 デンスパックすることを設計上の最重要テーマにして、機体の全体と細部を設計する。この着眼に徹した長距離特攻ドローンの完成品はまだどこにもない。だから日本の中小メーカーにもチャンスはある。

 ミサイルと違って低速自爆ドローンの開発は1年以内にできてしまう。われわれがぼやぼやしているなら、周辺国が先に実用化し、大量配備してしまう。そうなったら、自衛隊にSAMが何百基あろうと、もうどうしようもなくなる。空襲合戦は、攻撃側が基本有利だからだ。

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 Defense Express の2022-11-29記事「Air Bridge From China to russia: Can it Be Weapons Or a Different No Less Threatening Cargo」。
    河南省の鄭州市とモスクワの間に、1回に120トンを運搬できる「アントノフ124」や、戦略輸送機「イリューシン76」がしきりに往復している。それは9月には3便だったが、11月には37便(うち24便がアントノフ124)に増えている。

 この特殊な空輸便によって、中共がロシアに対して軍需物資を供給していると考えるのが合理的であろう。

 冬用衣類を送っているのだというしらじらしい宣伝がなされているが、最大積載量の半分としてもこれらの空輸便は1500トンを空輸したことになる。冬着1着が1kgとしたら150万人分だ。

 鄭州はトランジット空港にすぎず、「積荷」は朝鮮半島からも集まっているのではないかというルーモアあり。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-11-29記事。
    イランはどうやってイエメンのフーシにUAVを手渡しているのか。それは漁船やダウ船に、分解してパッケージした状態で隠すのである。
 うまく隠せば、臨検したって、見つけられるもんじゃない。

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 Defense Express の2022-11-29記事「The UK Defense Intelligence States That Russia has Stopped Deploying BTGs Due to ‘Intrinsic Weaknesses’」。
    英軍による分析。過去3ヵ月、露軍はBTGの配備を止めてしまった。有能な敵相手だと、まったくそれは役に立たぬと自覚されたので。

 BTGドクトリンは過去10年間、ロシア軍に採用されてきたのだが、自己満足が甘すぎた。

 ※精鋭な歩兵の価値が見直されている。陸自の普通科にはたいへんな価値があるのだ。精鋭な歩兵がいなければ、あとは多数の大砲に頼るしかない。しかるにBTGは大砲を分散するコンセプトなので、大砲の数的優越を戦場に反映できない。反映するには有能な部隊指揮官が各級に必要だが、それがいない。というわけで、八方塞がり。

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 Defense Express の2022-11-29記事「Despite the “Belligerent Country” Rule, Sweden Says Allowing the Sale of Fighter Jets to Ukraine Is a Good Idea」。
    スウェーデンは「グリペン」戦闘機をウクライナに売る話について、前向きである。

 スウェーデンには、交戦国には武器を売らぬという内規があるのだが、今次ウクライナ戦争ではそれは適用されないと考える。

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 ニッケイアジアの2022-11-29記事「Turkish ‘powership’ group in talks to supply Ukraine」。
   トルコが「洋上火力発電船」を出してウクライナの市民生活を救わんとす。

 カルパワーシップという企業が世界最大の発電プラント船隊を擁している。19隻の「パワーシップ」があり、アフリカやキューバまで出かけて電力を援助してやっている。その一部をオデーサ沖に回航する。

 3隻あれば300メガワット給電できるという。

 同社はMOL(旧三井造船)とともに、こうした洋上火力発電所のためにLNGを補給してやる特殊補給船の開発も進めているそうだ。

 ※代表的な1隻についてウィキで調べると、1983年に三井造船(千葉県市原)が建造したドライカーゴシップを、2010年にトルコが改造した。そしてイラクの南東海岸に移動させて、陸上のパワー・グリッドを支援した実績あり。今はシエラレオネ沖にある。船籍はリベリア(米国国旗とまぎらわしい旗である)。グロストンで2万4729トン。全長188m。幅31m。吃水5.85m。発電機はMANの1万3100馬力ディーゼル。給電力は、126メガワット。


ロシア製の「蝶々地雷」は、軍靴のつまさきで思い切り蹴飛ばしてやると、たちまち炸裂するが無被害。その動画がSNSに出ている。

 The Maritime Executive の2022-11-28記事「Italian Navy Assists Disabled Tanker After Pirates Steal Cargo」。
   ナフサやディーゼル油などの石油製品を運搬する韓国のタンカー『B.オーシャン』は先週(11-23)、ギニア湾にて海賊に乗り込まれ、航行不能になっていた。それをイタリア海軍の警備艇(コルヴェット)『コマンダンテ・ボルシニ』が救助中。

 コートジボアールのアビジャン港を目指しているものの、今週なかばの到着は無理だろう。

 海賊は11-24に同船から去っている。
 船長は韓国の船会社には事件を連絡していた。しかし水曜日から近辺コーストガードとの交信ができなくなっていた。

 伊艦によると、現場に着いたところ、同船はアフリカ本土海岸から300海里沖を漂流していた。エンジンがかからないらしい。

 伊艦からはヘリコプターを使って海兵隊員が同船に乗り込み、状況を確かめた。
 19人の乗組員は負傷はしていないが金品を強奪されたという。

 2022-1にもこの同じ船『B. Ocean』が海賊に襲われ、977トンの燃料を盗み取られたという。今回も同じパターンらしい。今回、海賊は、航法計器と無線機も破壊したそうだ。

 当初は同船は日曜日(11-27)にアビジャン港に至れるのではないかといわれていたが、エンジンがかからない。それで伊海軍は、航洋タグを手配中。11-30にはアビジャンに着くだろう。

 イタリア海軍は2019年からギニア湾の警備に出動している。
 2022-4には、バラ積み貨物船が海賊に襲われかけていたのを、フリゲート艦で護衛した。
 2020には、ベニン沖で海賊に乗り込まれたタンカーを救出するためにヘリコプターで海兵隊員を送り込んでいる。海賊はそれを見て逃亡した。

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 Mike Stone 記者による2022-11-28記事「Exclusive: U.S. weighs sending 100-mile strike weapon to Ukraine」。
    ボーイング社からペンタゴンへ提案中。
 射程150kmで、しかも安価でコンパクトな、地対地ロケットを作れまっせ。これをウクライナに援助したらどうだす?

 ボーイング社では、GLSDB=陸上発射式小径爆弾 と名づける。

 米国はすでに、レンジ297kmのATACMSの供与はしないと決めている。
 その代替案をボーイング社が考えた。

 弾頭部分は、F-35から投下する小径爆弾(SDB)である「GBU-39」をそのまま転用する。そしてロケットモーターには、「M26」という既存のありふれた量産品を組み合わせる。

 ある評者いわく。アフガンから撤収していらい、米軍には、航空機から投下する爆弾が腐るほど余ってしまっている。これを活用しない手はない。しかしウクライナ空軍機から投下させたくとも、あの戦場では有人機は飛べない。だから活用するとしたら、これらのストックの爆弾を、ロケット筒体と組み合わせるのがいい。

 GBU-39は、単価が4万ドルである。
 折畳翼を展張することでグライダーとなり、水平距離で100kmくらい遠くに落とすことができる。GPS誘導により、狙った点から1m以内に落ちる。

 これを航空機からリリースするのではなく、ロケットにとりつけて腰ダメ発射にてまず高空へ到達せしめ、そこで切り離し、滑空させて150km先の露軍陣地を襲撃させればいい。終末誘導だから、ロケットじたいは無誘導でいいのだ。

 ※パラグライダー形の物量傘をGPS誘導化したものがあったよな? あれをストックの爆弾にとりつけて、てきとうなロケットで角度70度くらいで打ち上げて、前方数kmの敵陣に落下させてやれるのではないか? 重迫撃砲の代わりに。塹壕の真上で、火工品の爆発ボルトを発火させてコードを切断すればいい。

 ※雑報によるとウクライナ軍は「Google Meet」というソフトウェアを活用し、DJIの商用UAVが送信してくるライブビデオ画像を諸方で共有している。もし味方砲兵の位置が好適ならばそれを受信しつつ標的の座標を射撃すればよく、もし味方ATGM部隊の位置の方が好適ならばそこに移動して奇襲すればよい。


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 Defense Express の2022-11-28記事「Russians “Stole” the An-2 to Convert It Into an Electric “Partizan”, But Something Went Wrong」。
    古い「アントノフ2」のエンジンはソ連製の「ASH-621R」ピストン発動機だった。これをハネウェル製のターボプロップ「TPE331-12」に換装し、プロペラはハーツェルの5枚羽根にし、機体をカーボンファイバー化したのが「TVS-2TDS」。ウクライナ製のSTOL複葉輸送機。

 それをロシアがまたコピーして「TVS-2MS パロチザン」をこしらえようとしていたのだが、西側部品が調達できなくなり、頓挫している。

 計画性能。荷物2.45トンを満載した場合、レンジ450km。空荷なら、4500km。

 ※雑報によると「殲20」がすでに200機も揃っているという。大増産中。また、各種戦闘機用のエンジンも、いまやすっかり国内製に切り替わりつつあると。

 次。
 Philip Obaji Jr. 記者による2022-11-27記事「Russia’s Secret Recruits Allegedly Abandoned, Starving, and Missing in Action」。
   ワグネルは中央アフリカ共和国の反政府ゲリラをリクルートして8ヶ月前、つまり2月の開戦よりもさらに遡る2021-12から、ドンバス戦区に投入していた。その時点で約100名。
 その成れの果てとみられるアフリカ兵の戦死体がすでに多数、発見されている。ワグネルは死体を回収せずに戦場に遺棄している。

 『デイリー・ビースト』の調べでは、彼らはここ数ヵ月、給料を貰ってないし糧食補給も受けてないという。そのため住民からの略奪によって自活している。

 ※先般来ベラルーシに訓練駐屯させていた露兵は、ウクライナ東部戦域に転送されている模様。露兵は1日に600人戦死している。さらにその奥の露領の市では地下の公共防空シェルターをおびただしく掘っているところだと。

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 Gemini News の2022-11-27記事「First-of-a-Kind Fishing Vessel Gently Vacuums Shellfish off the Bottom」。
    『アークティック・パール』号は、地震探査船を改造し、世界初の装備を搭載した実験漁船である。
 海底からパイプで、ヨーロッパザルガイ(食用二枚貝)を吸い上げんとす〔記事タイトルに「甲殻類」とあるのだが、ノルウェー語から英語に訳した者が貝=シェルフィッシュだと誤解していると疑われる。シェルフィッシュにはエビ、カニの意味しかないはず〕。今、バレンツ海に向っている。

 ノルウェー政府は領海内での底引き網漁を、30年前から禁止している。
 しかしこのシステムなら、底生生物の生態系を破壊しないだろうと期待されている。

 この新システムは、非接触式に海底の貝をウォーターポンプで吸い上げる。選別メカが組み込まれていて、サイズの小さいものや混獲物は海中にて即、リリース。だから漁場を荒らさない。

 開発したノルウェー・チームでは、完成までにこれまで5年を費やした。

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 The Maritime Executive の2022-11-24記事「Startup Plans Alternative to Panama Canal with Automated Maglev System」。
   フロリダ州にあるスタートアップの「ゼルグラトラン」社が提案。
 コロムビア領内の、パナマ運河のちょっと南側に、運河と平行して、コンテナを電磁気浮動方式で移送する特別なトンネル(全長80~100マイル)を建設する。

 太平洋側の港と、大西洋側の港には、特殊な埠頭施設が必要である。満載のコンテナ船から全自動でコンテナを次々に卸下し、トンネル入り口の荷物コンベヤー(リニヤモーター式)に載せる。トンネル出口ではぎゃくに、それを全自動で掬い上げて、待機している空のコンテナ船に積んでやれなくてはならない。

 ゼルグラトラン社によると、リニアモーターの搬送速度は時速400マイルになるので、たったの30分で、反対側の海港にコンテナが届くという。

 ※大間と汐首岬の間にこの専用トンネルを掘るとすると陸地部分も含めて30kmでいいだろう。そこを時速340km以上で搬送するなら、5分とか10分のうちに、津軽海峡を越えて荷物を渡せる。ワープも同然だ。


「刀狩り」には美名が必要だ。海外「民兵」支援を名とすれば、アサルトウェポンの米国市中からの「供出」と「買い上げ」を進めることは可能なはずだ。

 Brendan Rascius 記者による2022-11-26記事「Biden calls for assault weapons ban as support for stricter gun laws decreases」。
   乱射事件の根絶のため、「アサルト・ウェポン」禁止法の制定を、あらためてバイデンは米国有権者に呼びかけた。

 半自動小銃を誰でも買えるようにさせておけという理念は、ひたすら病的である――と大統領は断言。
 わたしはアサルトウェポンを禁止せんとす、とサンクスギビングデイに訴えた。

 アサルトウェポンとは何かは、法的に定義されてはいない。通念では、軍用銃の外観を有する小火器類と、何十発も弾薬が収められる弾倉のことを意味している。

 ことし前半、連邦議会は超党派でひとつの法律を通している。若い買い手や、家庭内暴力の前歴のある者が、銃器を取得できにくくした。

 しかし、それとは別の、「アサルト・ウェポン」を禁止しようという法案は、連邦下院は通ったものの、上院で法案に反対する勢力が有力だったため、止まってしまった。〔中間選挙前の話である。〕

 バイデンはあらためて包括禁止法を通したい。

 1990年以降、ギャラップ世論調査によれば、銃器規制法の支持率は2011年において最低(43%)であった。そして2018年において最高(67%)だった。変動が大きいのである。

 さいきんでは、民主党員と共和党員の間で意見の差が大きい。民主党員は86%が銃販売規制強化を支持する派。共和党員だとその率は27%に下がる。

 このたびの中間選挙で当選した議員たちは、来年1月から登院する。上下両院ともに共和党議員が増えるので、銃器規制関係の新法は、さらに通り難くなるだろう。

 過去3年間、全米では、毎年、600件以上の銃乱射事件が発生している。
 世界人口に占める米国人の割合は4.4%なのに、世界の銃乱射事件のうち31%は米国内で発生しているのだ。

 2020年の統計では、米国内の銃器が原因である死亡者のうち54%は、自殺であった。

 ※バイデン政権は、《ウクライナの戦場近隣地域に「自警団」「民間防衛団」の組織を促す》という名目で、国民に対し、アサルトウェポンのドネーションを呼びかけるとよい。膨大な数量があつまるはずだ。それを国務省がとりまとめてウクライナ領内へ搬入する。供出者たちの自負心は、その派手な映像によって満足させられるだろう。ほんの一部を、比島内または沖縄基地内にストックして、中国周辺事変に備えさせてもいい。それでもすごい量になるはずだ。いくらプーチン好きな極右でも、「ミリシャを増やす」という名目の政策には、反対はできない。と同時に、米国内にはあたらしい規制理念の導入も必要だ。「ハンドガンの新規販売・転売は、爾後はリボルバーだけを許可する」「ライフルの新規販売・転売は、爾後はボルトアクション式だけを許可する」とするのがいちばん現実的で実行可能でしかも合理的だろう。この法令によって店頭販売できなくされてしまう、新品の在庫品については、ぜんぶ米政府が買い上げて、すぐにウクライナ等へ海送してしまう。これで、どこからも文句は出ない。銃器業界には、オートマチック拳銃とオートマチック小銃については、軍とローエンフォース機関向けの巨大市場が依然として残されているのだし、他方で、そんなに高度な技術を必要とはしないリボルバーとボルトアクションの大きな新規市場が生じるわけだから、むしろ活況を呈しよう。誰もがうれしい銃器政策だ。こういうことを考え付ける頭の持ち主が、2億人も人が暮らしているあの国から出てこないというのが、私には不思議でならない。

 次。
 ヘルシンキの英字新聞の2022-11-15記事「Winter pause in Ukraine conflict may last up to 6 months: Report」。
  『NYT』によると、露軍の活動は冬季は鈍り、その期間は6ヵ月にも及ぶだろう、とのこと。
 ウクライナ戦線では、毎年11月の後半に、地面が泥濘化する。これ以降、軍隊の動きは悪くなり、次の春の乾季まで、大規模作戦は計画できなくなる。

 よって米国としてはおちついて補給ができる期間である。

 次。
 Defense Express の2022-11-27記事「African Students Learning in russia are Pressed to Fight Putin’s War Against Ukraine」。
   アフリカ諸国からロシアにやってきている留学生たちが、露軍への入営を半ば強制されている。断ると奨学金が断たれ、授業料を多く収めなければならなくなる。

 入営すれば、もちろんウクライナ戦線へ送られてしまう。だから誰もそんな話には乗らない。約束された褒賞金が貰える保証もないのだ。

 ナイジェリアとセネガルから来ている留学生の証言が取れている。強い誘導がある、と。
 しかしじっさいに入営した者がいるという情報は無い。


プー之介が陣没兵士の母たちと面談したとかいうフッテージ。出演者全員、合成だった。

 首から下は役者たちのスタジオ実写。顔は、実在人物からの借り物写真を、ディープフェイク・ソフトで動かしているデータを貼り付けた。それらの顔素材を拾ってきたウェブサイトが特定されている。

 声も勿論、合成にきまっているが、その語りの原稿は、事前にプー之介がチェックを入れて了承している筈だ。すると興味深いのは、「人は皆死ぬ」と語るくだりだろう。やはりプー之介は死病に罹っているという自覚に衝き動かされていて、半ヤケなのか。

 次。
 Defense Express の2022-11-26記事「The US Organized Repair Base for Artillery from Ukraine in Poland – NYT」。
   NYT報道によると、ウクライナ軍砲兵は連日、2000発から4000発を発射している。
 それにともない、砲熕兵器の損耗がはげしい。

 これまでウクライナは西側からおよそ350門の榴弾砲を寄贈されたが、そのうち三分の一が完全破壊もしくは要修理のコンディションとなっている。

 磨耗した砲身の交換はウクライナ国内ではできず、ポーランド国境に設けた工場でする必要がある。

 ※ドローンにみちびかれて、まっぴるまにウクライナ兵の塹壕陣地まで案内されて投降した露兵のフッテージとインタビューがSNSに出ている。

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 TOI staff 記者による2022-11-25記事「Report: Iran developing missiles that could eliminate obstacles to delivering nuke」。
   NYTの木曜日報道。イランが大型の巡航ミサイルを開発しており、これが仕上がれば核弾頭運搬に不自由はなくなるだろうと。

 イランの「フォルド」ウラン濃縮工場は、クォム市の外れ、山中の地下にあり、イスラエルの原爆でもこれを直撃して破壊することは不可能である。

 ※タイワンニュースによると、台湾は「ハーピィ」のコピー品を完成した。対岸のレーダーサイトに自爆特攻させる無人機である。これから量産する。自重6kg、レンジ1000kmだそうだ。

 次。
 AFPの2022-11-25記事「NATO chief says up to Germany if it gives Ukraine Patriot missiles」。
   NATO事務総長のストルテンベルクは金曜日に語った。ドイツがペトリオットをウクライナに供与したいというなら、それは構わない、と。ポーランドがドイツにそうすることを強くすすめていた。

 次。
 Attila Arslaner & Julian Spencer-Churchill 記者による2022-11-26記事「Ukraine Can Beat Russia in the Bombardment War of Attrition」。

  ※しかし「アッティラ」という名前の欧米人がいたとはしらなかった。

 2月からこれまで露軍が発射した戦術ミサイルは1305発。
 弾頭重量として、500kg、700kg、1200kgのものが含まれる。

 90年代のスカッド・ミサイルは985kg、WWII中の「V-2」号は975kgであった。

 「Kh-22」(キッチン)は、50発弱が射耗された。もともと米空母キラー用の空対艦ミサイルであった。

 空襲が持続可能かどうかはコストの読みが決める。
 軍艦から発射するカリブル巡航ミサイルは1発が100万ドルくらい。それを迎撃する「S-300」地対空ミサイルは、1発が100万ドル以上する。ドイツが供与した「アイリスT」SAMだと43万ドルで済むのだが。

 ウクライナは開戦前に250基の「S-300」を保有していた。国内生産はしていない。

 キエフに襲来した「Kh-55」(1発100万ドル)を、品名不明のSAMが撃墜している。もしそのSAMが『NASAMS』だったなら、飛翔体はAMRAAMと同じなので、120万ドルだ。

 おなじくキーウに襲来した「シャヘド136」自爆無人機は、1機がたったの2万ドルである。

 SAMシステムのラーンチャー機材も高額だ。安くても2300万ドル。高ければ1億ドルする。それが「ランセット」のような安価なロイタリングミュニションや、地対地ロケット弾によって、あえなく破壊されてしまうこともある。

 11月15日のミサイル大空襲(90発飛来し、73発を阻止)にさいして、米国供与のNASAMSは、10発を発射し、その全部が標的に命中したと誇っている。しかし、それは持続可能か?

 ※欧米メーカーとしては実戦テスト宣伝の意味があるので、損得勘定は合っていると思う。今のところは。これに反して露側では、「実戦テスト」を続ければ続けるほどにロシア製兵器全般の国際評判が下がるという事態を避けるために、今、全力で「ランセット」を傾斜生産させていると思う。唯一成功している部門に予備の全力を注入してやるというのがソ連流ドクトリンだから。

 都市空襲が空軍資源の無駄であることは1937年にルフトヴァッフェがスペインのゲルニカを空襲して痛感した。貴重軍事資源のこんな無駄遣いを二度としてはならず、空軍はすべて、味方地上部隊の直協に振り向けるべきだという教訓を得て、それが1939の対ポーランド電撃戦に結実しているのである。ドウエ理論が否定されたのだ。

 見積もりでは、ロシアはトータルで1844発しか戦術対地ミサイルは持っていなかったので、すでにその7割を射耗してしまった。残っている有力ミサイルとしては、121発のイスカンデル、248発のカリブル、170発のKh-55ぐらいだろうという。

 これからミサイルを増産しようとしても、西側製のマイクロチップが市場で正規に手に入らないのでは、脳無しミサイル(半製品)が工場ライン途中にどんどん溜まるだけである。

 純然、戦術面の合理主義に徹したいなら、有限のミサイルは、敵砲兵、航空基地、鉄道操車場、補給倉庫に集中するべきである。かたや、敵都市破壊は自国民を満足させるので、そこには政治的な合理性がある。しかし、都市をいかほど破壊してやっても敵国民の戦意は衰えず、戦争を終らせることもできない。

 ドイツは1940年7月にも作戦を誤った。
 ほんらい、まず徹底的にRAFを打撃して英本土上陸作戦に結び付けなくては、いけなかった。それ以外に世界戦争に勝つ望みはなかったのだ。
 ところがルフトヴァッフェは、英本土南部海岸の商船や工場の破壊に熱中してしまったのだ。そこに防空レーダーがあったので、ついでに周囲も爆撃しているうちに、面白くなってしまったのだ。

 英政府は、1940-7月~8月に、RAFの戦闘機を至急増産することを最優先した。そのため、RAFには本土南部の防空をさせなかった。これにドイツは誘導されてしまったのだ。

 8月中旬から9月初旬にかけ、遅れ馳せにルフトヴァッフェはRAFの飛行場と生産工場を狙って空襲したが、戦闘機の返り討ちに遭い、大損害を被ってしまった。

 英国は巧妙だった。8月25日にRAFにベルリンを長駆空襲させたのだ。これでヒトラーが理性を失ってしまった。

 報復が絶叫され、1940-9-7に、1000機の独機が集められて、ロンドンの民間目標を集中爆撃した。

 当時の英軍は米国からの水面下の補給支援もうけており、数週間の時間を稼げれば、戦闘機戦力を回復させることができた。RAFはロンドンの犠牲の上に戦闘機戦力を涵養し、9-15に独機1000機がまたロンドンを空襲してきたのを、手痛く迎撃した。

 これでルフトヴァッフェは深刻に損耗してしまった。ヒトラーは英本土上陸作戦を諦める気になった。かくして、ドイツが世界戦争に勝つチャンスは消えた。

 そのあと独軍は、夜間都市空襲に戦法をチェンジし、コベントリー、バーミンガム、ブリストル、リバプール、サザンプトン、グラスゴー、リーズ、マンチェスター、プリマス、シェフィールド市は炎上した。

 この段階ではヒトラーはもう英本土支配をあきらめていた。ただ感情的な満足を求めて、漫然と都市空襲を実行させたのだ。

 戦争の後半、ドイツはV-1巡航ミサイルとV-2弾道ミサイルを開発した。V-1は、双発爆撃機のたった2%の工場資源で製造できた。ただし迎撃されやすかった。V-2は、双発爆撃機の半額で製造できた。迎撃は不可能であった。
 ドイツはV-1を2万3172発、V-2を3172発、英国に向けて発射した。

 その二種類のミサイルによって、終戦までに、英国住民1万6000人が殺されている。

 先の大戦で、列強がもっともカネを使った技術開発の筆頭は、原爆である。次点が、米英共同のレーダー開発。そして三番目が、独の「V-1/2」であった。

 戦後のロシアが知ったこと。戦術核弾頭の製造コストは、戦術弾道ミサイルの製造コスト以下である。冷戦中、ソ連は、それを運搬するミサイルの数よりも5万5000発も多く、核弾頭を製造した。
 要するに、現代のミサイルは、どの国にとっても、高額すぎるのである。

 2023年の春には、ロシアの手持ちの戦術ミサイルはゼロになるであろう。そうなると、そろそろ核でも使うしかねえか(余ってるし)、という気にプー之介もなる可能性があるわけである。
 それで、あちこちからゼレンスキーに、プーチンとそろそろ交渉しろ、という圧力もかかるわけなのだ。

 ※冬以降のウクライナ戦争は、「米国南北戦争」の境界会戦に似てくるのではないか。鉄道時代の総力動員戦は、銃後の資源の最後の一滴まで絞り尽くせることである。南北戦争は70万人が死ぬまで終らなかった。だから、まだまだ終わらんよ。

 ※WWII中のように米国からトラックを援助される立場なら、カチューシャを傾斜生産すればいい話なのだが、現在は発射車台のトラックの調達ができない。となったら、あとは鉄道貨車を無誘導ロケット弾の発射台にするしかないかもしれない。工場引き込み線で、できたてのロケット弾を貨車に搭載。そのまま前線近くへ移動して発射しては、また工場に戻る。

 ※旧日本軍が本土防衛用に終戦直前に工夫していた「爆弾投射機」(V形樋に砲弾や爆弾を乗せ、それをロケット推薬で斜め上へ飛ばす。射程数百m)も、復活するかもしれない。ちょっと内径の大きい「簡易迫撃砲」を町工場で製造させ、余った榴弾をそこから発射すればいいという発想はダメだ。雑報によると、旧ソ連系の迫撃砲から、今の西側製の迫撃砲弾を発射させようとしたら、腔発したという。想像するに、これは120ミリではなくて、82ミリ迫撃砲で81ミリ迫撃砲弾を発射しようとしたのではないか? あるいはその逆かもしれない。詳報を待ちたい。


Send tons of Solar-Light-bulbs to Ukraine !

 Tanmay Kadam 記者による2022-11-25記事「China Prevented Transfer Of Polish MiG-29 Fighter Jets To Ukraine; Kept Russia Away From Nuclear Escalation」。
   英国の週刊誌『スペクテイター』にオーウェン・マシューズ記者が寄稿しているところによると、北京は裏チャンネルでワシントンに注文をつけ、ポーランド保有の「ミグ29」を米軍基地経由でウクライナ軍に譲渡させるという計画を潰した。

 マシューズが中共軍に取材したところによると、中共の最優先希望は、欧州で核戦争がおっ始まらないこと。できれば休戦してくれること。

 3月にポーランドは、保有する全部の「ミグ29」をウクライナ軍に譲渡しようとした。中共は、そうなれば、ロシアが核を使いたくなるだろうと懸念して、米国に釘を刺した。

 これら「ミグ29 A/B」は80年代に製造された初期型で、もともと東独が保有していたが、あまりの低性能とメンテナンスコスト高が嫌われ、2003年にポーランドに売られた。その値段は22機全部で「22ユーロ」であった。

 この22機がウクライナに引き渡されたところで、露軍の「スホイ30SM」や「スホイ35S」の優勢がくつがえることはない。しかしロシア人は理性的存在ではなく、象徴的な政治宣伝がエスカレーションを呼ぶであろう。
 3月時点の話では、ポーランドがミグ29を米軍基地にてウクライナに渡す代わりに、ポーランドは米国からF-16を受取れる、という話で、米国がこの構想にむしろ乗り気であった。ところが米政府はとつぜん、その態度を変えた。その裏では、欧州の元元首複数が、中共外相から指図を受けて、バイデン政権に警告したのだという。

 また中共はワシントンに対し、そっちがミグ29の移転をやめるなら、こっちは軍と軍のチャンネルでロシア軍を説得して核攻撃を自制させる――と、もちかけた。

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 James Beardsworth 記者による2022-11-25記事「As Winter Sets In, Ukrainian Battlefields Shows Few Signs Of Freezing」。
   ウクライナ軍は真冬の到来を待ち望んでいる。植生が枯れてしまえば、敵軍の所在を偵知しやすくなる。防寒装備も自軍側が万全なので。

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 Kamil Galeev 記者による2022-11-23記事。
   カディロフの車列がチェチェンを通行するときは、5分前から警察が前触れし、一般車両は路側で停止しなければならない。そこを時速200kmで突っ走るという。

 カディロフが安全に眠れる場所はチェチェンにしかないので、かならずチェチェンの域内に戻ってくる。

 カディロフの支配地だけが、新コロ対策としての「ロックダウン」を住民に強制できた。他地域(たとえばダゲスタン)では、誰もそんなものを守っていない。

 ※ワールドカップが中共内でTV放映されるときは、観客席にぜんぶ、ボカシが入っている。誰もマスクを着けていない実態を、人民には見せたくない。

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 2022-11-25記事「Rail freight on Crimea Bridge still restricted, ferries bring cargo across」。
   いま、ケルチ海峡を、フェリーが、鉄道貨車を載せて、往復している。ケルチ橋の軌条が復旧していないのだ。

 片側の1本(単線)は使えるらしい。

 爆破当日、炎上したタンク貨車は、7両であった。

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 Francisco Olmos 記者による2022-11-23記事「Dawn of the Drone Age in Central Asia」。
    9月にキルギスタンとタジキスタンが交戦し、キルギスタンは「TB2」でタジク領内を爆撃した。
 キルギスの発表では、戦車2両、多連装ロケット車1両、弾薬運搬トラック1両を、TB2で爆砕した。

 キルギスがバイラクタルのTB2をトルコから輸入したのは2021後半である。
 あわせてロシアからは「オルラン-10E」偵察無人機を購入している。
 さらにその前には中共から「WJ-100」という偵察無人機を買っている。

 2021春までは国境ではタジクが優勢であった。しかし2021春からキルギスは調子づいてきたという。つまりキルギスは、無人機を導入する前から、タジク国境の戦力を強化していた。

 キルギスは今、バイラクタル社製の最新の攻撃型無人機「アキンジー」と、汎用無人機の「Aksungur」の調達にも動いている。これが進むと、キルギスは中央アジアにおける一大「無人機強国」となるであろう。

 タジクはバイラクタル社の工場を2022に見学している。が、結局、無人攻撃機を購入していない。
 タジクはトルコではなくイランから無人機を買うつもりのようである。

 2022-5にイランは、タジキスタンからの視察団に対して「アバビル-2」無人機の製造ラインを公開している。これは「TB2」には劣る、古い無人機だ。
 しかしイラン製の別ラインの特攻無人機は、ウクライナ戦線で大活躍中である。

 タジクは米国製の「ピューマ」偵察無人機にも興味を示している。

 10月、ウクライナの一ジャーナリストが、ウズベキスタン国内の工場でイラン製の自爆ドローンが組み立てられていて、それを露軍がウクライナ空爆に投入していると騒いだ。
 この記事にウズベキスタンが抗議すると、ジャーナリストは、工場はタジキスタンであったと訂正した。
 しかしタジク政府は、そのような組み立てはしていないし、ドローンをロシアに輸出してもいないと否定している。

 カザフスタンは中共製の「翼竜1」を2016年から買い込み、今では国内で組み立てている。
 しかしカザフはその発展型である「翼竜2」には熱意がない。むしろトルコに期待をかけつつある。

 トルコのTAI社製の「Anka」という無人機だ。
 トカイェフ大統領がトルコを訪れ、2022-5に調印した。カザフ国内でライセンス生産するのだ。

 カザフは、偵察用無人機としては、「オルラン-10E」、イスラエル製の2機種、米国製の「RQ-11 レイヴン」を選んでいる。

 中共はウズベキスタンから天然ガスを買い、その代金の一部を、すくなくとも1機の「翼竜2」で払っている。これについての続報は無い。

 ウズベクはすでにロシア製の「ザラ 421-16E」と米国製「レイヴン」を偵察用に保有している。

 ことし前半、ウズベクがFMSで「ピューマ」を買うという報道が出た。ウズベク国防省はそれを否定した。

 トルクメニスタンは、中央アジア諸国では最初のTB2バイヤーである。2016年には中共から「CH-3A」や「WJ-600 A/D」も買っている。

 トルクメニスタンは、ベラルーシ製の「Busel MB2」という偵察無人機も買っている。このメーカーは特攻自爆機も造っており、たぶん、トルクメニスタンはそれを買っているだろう。

 イスラエル製の「スカイストライカー」というロイタリングミュニションもトルクメニスタンは購入している。

 ※韓国の自走砲の最新型は「K9A2」だが、次の「K9A3」では、155ミリ砲弾の射程が70kmにまで延びるとフカしている。

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 Defense Express の2022-11-24記事「Russian Shipyard Producing Karakurt-class Ships is Facing Potential Financial Hardship」。
   バルト艦隊のための救難捜索にも任ずるラドガ級警備艇を建造しているペラ造船所。

 ロシア国防省が建造途中で仕様を変更させたため、追加の工費が必要になった。それで発注者と受注者の間で訴訟になっている。

 この警備艇、仕様変更がなければ2016-11に納品していたはずだった。
 追加工費が支払われないなら、会社は倒産に直面する。

 ペラ社は12社以上の漁業会社からも訴えられている。発注したトロール漁船を期日までに納品してないというので。

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 Seulkee Jang 記者による2022-11-24記事「North Korea imports Russian food and petroleum products by train」。
   11月前半、北鮮は、鉄道貨車を使ってロシアから食糧と液体燃料を輸入しはじめている。

 国連制裁がかかっている以上、この行為は「密輸」に相当し、違法である。それで従来は、こそこそ取引するのにふさわしい「船舶」が使われていたのだ。それがなぜ列車に切り替わったのか、理由は不明である。

 月曜の北鮮新聞によれば、貨車の積荷の多くは穀物、食用油、チーズ、ディーゼル油、ガソリン、液化プロパンガスだと。

 穀物は全粒で、粉に挽いてない。だから製粉工場へ搬入される。
 北鮮は7月にもロシアから穀物を輸入した。

 三代目は9月の最高人民会議にて、穀物の作付け面積を二倍にして人民の食糧事情を好転せしめよという命令を呼号していたが、それが実行されている形跡は無い。

 『Daily NK』が承知するかぎり、北鮮が食用油を輸入したのは、こんかいが初である。そこに注目すべし。

 この食用油は4.5kg入りの透明プラ容器に詰められた形で、ロシアから送られて来ている。ところがブランド名を表記したラベルがついてない。製造年月日も、産地も、製造業者も、確かめようがないという、おそろしい品物である。

 今月輸入されているチーズやバターは、低品質のもので、すべて、北鮮軍に兵食として納品される。
 北鮮の兵営内でのご馳走は、コメを盛った椀に一匙の「バター・オイル」をトッピングしたものだという。

 こんかいの列車貨物には木材は積まれていないようだ。従来の船便貨物には木材が混じっていたのだが。
 なお北鮮がロシアから輸入する木材は丸太ではなく、製材された厚板である。建設資材だ。

 貨物列車は「羅先」駅にて貨車の中味が空となり、空のまま、露国境内のハサン駅まで回送されているという。

 ※北鮮の無煙炭の炭層は大同江の中流域にあるらしい。だったら北鮮は首都の光熱エネルギー源をぜんぶ石炭に切り替えてしまうのが悧巧であろう。北鮮がいくら石炭を増し焚きしたってグレタは出て来はしない。そしてもうひとつ。北鮮は軽便鉄道の蒸気機関車を国産するべきである。もちろん標準軌で。機関車の軸重と出力だけ《軽便》にするのだ。これなら「I形鋼」のまがいものレールだろうとなんとかなる。また、できるならば、石炭を燃やして火力発電して電気モーターを回す《ハイブリッド電気機関車》だと、移動式発電基地にもなるから、世界に対して威張れるであろう。その北鮮型の軽便貨物列車で、国産の石炭を、国内のすみずみにまで配給してやれよ。それが統治者の責任というものだろう。


ロシアもスイッチブレードのコピー品を製造開始したという。

 たぶんイランが設計したもの。

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 ストラテジーペイジの2022-11-24記事。
   英国のSSBNの老朽化が深刻である。先ごろ『ヴィクトリアス』が米国近海のいつもの演習海域からトライデントSLBMを1発か2発、発射しようと向っていた途中で電気火災が発生し、緊急浮上を余儀なくされている。もちろん発射訓練は中止。

 英国は全部で4杯のSSBNを保有しているが、すべて90年代の建造だ。
 想定寿命は30年であったから、2020年代に寿命が来るのである。
 『ヴィクトリアス』の場合、2025に退役させる予定だった。しかるに後継の『ドレッドノート』級SSBNがちっとも仕上がらず、更新は2030年代に先送りされるであろう。

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 James Kilner and James Crisp 記者による2022-11-24記事「Russia’s Wagner Group sends bloodied sledgehammer to EU」。
  欧州議会がロシアをテロ国家と認定するのに反発し、ワグネル・グループは欧州議会宛てに、血ぬられたスレッジハンマーを郵送した――と露版のSNS上で宣伝をしている。

 大ハンマーはバイオリンケースに入れられているという。
 ※バイオリンの大きさに収まるというのはおかしくないか? チェロの間違いでは?

 大鎚の金属部分にはワグネルのロゴが刻印されている。そこには血はついていない。しかし木柄の下端近くに赤色のヨゴレがついている。

 このSNS投稿ビデオとは別にプリゴジンが声明を発表。彼はこのスレッジハンマーを欧州議会に送ったそうである。プリゴジンはビデオの中には顔を出していない。

 英『The Telegraph』紙が欧州議会に取材したところ、そのようなスレッジハンマーは受領されてはいないそうである。してみると、いつもの嘘?

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 Danielle Ong 記者による2022-11-23記事「Ukraine Army Bombs Russian Ammunition Depot Killing 50 Soldiers, 50 More Injured」。
   水曜日、ウクライナ軍発表。

 ルハンスク州にて露軍の弾薬集積所を爆破した。それによって50人の兵隊を斃し、別に50人を負傷させたと。

 ※スウェーデンでは冬のあいだ、エネルギー節約に関係なく、僻村の戸建民家は、窓辺に1~2ワットの暖色系照明を、終夜、灯し続ける。これは風物であり観光資源要素ともなっている。のみならず住民の精神衛生上の必然がある。高緯度地方の冬の夜は長い。それが真っ暗では、元気がなくなってしまうのだ。これは北海道住民ならわかるはずだ。これから停電が続くはずのウクライナには「そらだま」を大量に贈ると、比較的にわずかな予算で、大きな宣伝効果があるだろう。もちろん日本の外務省にはそんな気の利いた人材は、ひとりもいないのである。

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 雑報によるとルクセンブルクは2022-8に「プリモコ ONE 150」というチェコ製の固定翼無人機を6機、ウクライナに寄贈していたが、こんどは28両のHMMWVを寄贈すると表明。

 そこで、「ONE 150」のメーカーであるPrimoco社のウェブサイトを見たところ、こんなことが書いてある。

 2022-11-21に同社は、欧州の某国に対して5機、売ることになったと広報している。
 また11-14には某国に対して8機をすでに売ったと広報している。
 しかし8月以前にルクセンブルクもしくは欧州某国が買ったという情報は記載されていない。こりゃいったい、どういうこと?

 プリモコ社の無人機「ONE 150」は、連続15時間滞空でき、無線による直接リモコンは200kmまで可能である。
 離陸と着陸は全自動。したがって操縦スキルは必要ないし、深夜の悪天候時でも関係ない。

 片道フェリーなら2000km飛ぶ。
 滑走路長は、300mあればよい。

 最大離陸重量は 150kg。
 巡航速度は 100km/時~150km/時。
 ペイロードは 30kg。
 高度は3300mまで行ける。

 ※下地島から尖閣までは200km以上あるので、もしもこいつを運用するとしたら石垣島か西表島に持ち込むしかない。300mの直線道路は、どこかで確保できるだろう。

 インマルサットを経由した衛星通信もいちおう可能。2020年にそれを使って、チェコからリモコンしてマレーシア上空でデモ飛行させたことあり。マレーシアは購入している。

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 J.P. Lawrence?記者による2022-11-24記事「Army tests blood delivery drones, applying lesson from war in Afghanistan」。
    遠い戦場で味方陸軍部隊に大量の負傷兵が発生したときに、必要な血液パックをドローンで迅速に届ける。そんな開発中のシステムの問題点をあぶりだすための演習がモハベ砂漠で実施された。

 無人機は「FVR-90」といい、固定翼機の姿で巡航するが離着陸は垂直にできる。それでいて22ポンドの「全血」液を、温度を適確に管理しながら、250マイル先まで配達してパラシュート投下できる。

 特に熱帯の戦場に届けるさいに冷蔵状態を保てるようにしている。

 イラクやアフガンでは、敵ゲリラはほとんどSAMを有しておらず、こっちの救護班は有人機を飛ばし放題にできた。しかし将来戦場ではそうはいかない。たとえばウクライナ戦線のような場所を考えるべし。

 負傷兵をヘリでエバキュエートできないとしたら、逆に後方から血液をドローンで届けるしかなくなるのである。米陸軍では、そこまで考えている。


樺太にUAVの生産工場がオープン。商用級小型クォッドコプターを月産300機、製造するという。

 必要なチップはアリババ通販で輸入するのか?

 次。
 Defense Express の2022-11-23記事「The UK Intelligence Notes That russia Spent All Iranian Kamikaze Drones, Hopes to Get New Batch」。
    11月17日以降、イラン製無人機による都市空襲が観測されていない。
 「シャヘド136」を使い尽くしたと見られる。
 ロシアは追加輸入を欲しているだろう。

 ※雑報によるとぎゃくにウクライナ側の無人自爆機はクリミア軍港を常続的に空襲できるようになった。距離が詰まっているのだ。

 次。
 Sam LaGrone 記者による2022-11-22記事「U.S. 5th Fleet Reveals New Details on Iranian Drone Attack on Tanker」。
  オマーン沖で被弾したタンカーの『M/T Pacific Zircon』(リベリア船籍)に第五艦隊の専門家が乗り込み、破片を集め、イラン製の「シャヘド136」が命中したことは確実だというご託宣。

 船体の外鈑に孔があき、給湯器などが破壊された。命中部位はブリッジではなく船尾の高いところ。

 イランの意図は、ワールドカップに合わせて地域諸国を不安にさせることにあるという。

 「シャヘド136」は2021-7-30にフーシが『Mercer Street』というタンカーを攻撃するのにも使っていて、その事件では乗組員2名が死亡している。

 ※あいかわらず肝腎のことが書いてない記事。どうやって誘導したのか? そのときタンカーは航走中であったのか停止中であったのか? ひとつの可能性。タンカーのスピードは遅いし、頻繁に変針するものでもない。かならず等速直線航海を続ける海面もわかっている。そこで待ち、小型ボートで真後ろに付き、アジマスだけを入力して飛ばす。巡航高度を乾舷高より低目に設定しておけば、どこかで当たるかもしれない。

 次。
 Defense Express の2022-11-23記事「Story About Harsh Tank Battles For a Strategic Object Applying Drones to Correct the Fire」。
  9月のハルキウ州での激戦の戦訓。
 戦車の遠距離間接射撃に味方のドローンによる標定がとても役立つ。おかげでこっちの戦車は1発も被弾することなし。

 ドローンは味方の負傷兵もみつけてくれる。それですぐにエバキュエートしてやることが可能に。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-11-23記事。
   ウクライナが国産している「Snipex Alligator」という14.5ミリの狙撃銃。
 2020年に開発された製品で2021年からウクライナ軍が採用している。
 重さ25kg、タマは最大で7000m飛ぶ。

 ピカティニー・レールがついているので照準器は市販品を適当に選ぶ。

 1500m先で、厚さ1センチの装甲鈑も貫ける。
 箱弾倉には5発入る。ボルトアクション。
 全長2m。二脚付き。

 今月、この銃で距離2710m先の露兵を斃したと主張されている。

 ※米政府はあらたに、暗視照準器をとりつけた12.7ミリ重機をウクライナに送る。それが「シャヘド136」の迎撃に有効なので。あと、おもしろい統計。米国はかくも巨額の対宇軍事援助を続けているのだが、その総額は、米国の国防予算のたった5%に過ぎぬという。わずか5%の工面だけでロシアはもう滅びかかっているのだ。人件費負担のない、純然、軍需物資援助の、国防国策としての高い効率性が知られよう。


今月もご喜捨が乏しく、困り果てております……。

 Boyko Nikolov 記者による2022-11-22記事「Israel to Russia: We’ll supply ballistic missiles to Ukraine if…」。
   モスクワ駐在のイスラエル大使が、ロシア外務省の次官ボグダノフと面談して、最後通告した。
 もしロシア政府が、イランかからドローンやミサイルを輸入するのを止めぬなら、われわれはウクライナ政府に弾道ミサイルを提供することを考慮する――と。

 ※これはアメリカ向けの高等外交だ。いつまでイランを甘やかしておくんだという、アメリカに対する怒りが、このような形で出てきた。イスラエルがウクライナにSSMを提供すれば、こんどはロシアが戦争を対東欧、対北欧にエスカレートさせるであろう。米国としてはそれは困るだろう。そうなるのが厭だったら、さっさとアメリカが直接イランを空爆しろよな、とイスラエルはバイデンに強烈に要求し始めたのである。どっちも選挙が済んだからね。

 次。
 The Maritime Executive の2022-11-21記事「Chinese Forces Seize Rocket Debris From Philippine Navy」。
   土曜日の朝6時45分、フィリピンが領有する「ティトゥ」島の砂洲沖500mに宇宙ロケットの金属破片と思われるものが浮いていたので、島から比島海軍の小舟を出して拾い上げた。

 それにワイヤーをつけて曳航して島に戻ろうとしたら、中共のコーストガード船『Haijing 5203』号が現れ、そのデブリを比島人から強奪したという。

 そのさい海警は、曳航ワイヤーを切断している。

 ここ数ヵ月、フィリピン領海で発見される「長征」ロケットの破片は多い。しかもそのひとつひとつの破片のサイズが西側の宇宙ロケットの破片よりもずっと大きいのである。細かく分裂するように設計されていないのだ。

 『5203』号は2019年にマレーシアの海底油田掘削を妨害しており、このあたりの南支那海では札付きである。
 このデブリ強奪事件は、カマラ・ハリスがマニラに到着する直前に起きた。
 カマラ・ハリスはそのあとパラワン島の比島軍基地も視察した。

 ※そしてどうやらカマラ・ハリスは、この強奪事件について何のコメントもしなかったようだ。役に立たねえにも程がある。下院で民主党が負けたのは、日本にとっては朗報だ。

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 Chris King 記者による2022-11-22記事「Germany agrees to provide Eurofighter jets to patrol Polish airspace」。
   11月21日に政府間で同意した。ドイツ空軍の「ユーロファイター」戦闘機が、ポーランド領空をパトロール飛行する。

 これとは別に、独軍装備のペトリオットをポーランド領内に展開することも決まっている。

 ※ウクライナ軍参謀本部の月曜日発表によれば、露軍はクリミア半島内で密かに「第二次動員」を続行していると。

 ※雑報によると、露軍が退却した地域からは、多数の露兵の戦死者を地面のゴミ集積焼却穴の中で一緒に焼いて、そのまま骨をゴミとまぜて捨てているという証拠がみつかっている。これはぼやぼやしていればウクライナ側の仕業だとロシアから嘘宣伝されてしまうから、証拠確保と検証も急がねばならない。やれやれだ。

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 新刊紹介。
 『「ウクライナ戦争」から日本への警鐘 有事、国民は避難できるのか』2022-10-5国書刊行会pub.

 第1部の第4章に、台湾の兵役システムの紹介があり、また巻末には戦前の日本軍の予備役システムについて専門的な紹介があり、いずれも有益な資料だ。

 台湾が侵略されるかされないかを占うには、台湾が有事に「挙国一致の抵抗」をするのかどうかを占わなければならない。そのための調査報道/現地調査研究が必要である。残念だが本書にそれは載ってない。専門書なのにその掘り下げは無い。ということは、どうやらそれをしらべている人間が日本国内にはひとりもいないんじゃないかという気がしてきた。
 日本の政府が安全保障政策を考えるときに判断の基礎となる「周辺現地偵察」ができていないのだ。これは深刻な情報空白だと思う。なにをやっているんだという話だ。

 独特の自衛意識に燃えたひとにぎりの国民党系ではない、一般の大多数の青年たちに、台湾国軍がプロとしてどんな軍事義務教練をほどこしているのか? 台湾メディアを読む限り、現状、それはほとんど真面目に実行されていないのである。
 これは、依然として台湾国内が、少数の旧国府軍系と、大多数の旧島民系に国内分裂していることを示しているのである。(CSでみかける台湾軍の宣伝番組は、一般徴兵とは無関係な旧国府系のプロパガンダ。)

 唯一の救いは台湾には国政選挙があることで、この調子であと10年も待っていれば旧国府の残滓は希釈されるだろうから、挙国一致の国防体制を整える下地環境は成熟すると多少は期待できる。

 ロシアや中共は、隣国のうち「挙国一致の抵抗」をしそうにないところを狙って侵略してくる。その廟算が侵略のターゲットと様態を決めるのだ。ところがその肝腎の判断材料の情報が日本にはない。そんなんでゆるされるわけがあるか? 私の最新刊の巻末附録のレベルのネット調査すら、これまで誰もしてないらしい。冗談じゃないぜ。

 79年の中越戦争で【トウ】小平は、あえて挙国一致の抵抗をするとわかっているベトナムを攻撃した。だがこれは、【トウ】小平のこころづもりとしては最初から「一撃離脱」の膺懲だけを考えていたのでOKなのだ。泥沼化する心配がなかった。

 一旦、挙国一致抵抗体制が台湾内にできてしまえば、もはや中共にできることは、あの中越戦争型の「一撃離脱膺懲」だけとなるだろう。

 しかし台湾国内の一般青年の軍事教練が今のような不真面目なレベルのままでこれからも推移するとなると、数年後にも、2022ウクライナ型の侵略が北京政府によって企図され得る。
 そうなるかならないかは、これから1、2年の台湾人の態度が決めることだ。

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 Parth Satam 記者による2022-11-22記事「China Turns Its Fighters Into UAVs; Could Swarm Taiwan From Five ‘Hardened’ Forward Airfields ? Reports」。
   ミッチェル航空研究所というところから、報告書が公表された。
 支那大陸の5つの航空基地から、旧式戦闘機の「J-6/7/8」を無人特攻機に改造したミサイルによるスウォーム攻撃が、台湾に対してなされる可能性があるとする。

 いずれも広東省にある。航空基地の名称は、「Shuimen」「Longtian」「Luocheng/Huian」「Zhangzhou」「Shantou」である。

 このうち「Shantou」だけが南方戦域コマンド。他は東方戦域コマンドの支配下。

 ※航空専門家といってもピンキリだ。まずこの報告書の関係者は「じぶんで疑問出しできない」という点で市井の空想家と同列であろう。古い有人戦闘機を安価に巡航ミサイルに改造できるなら、べつに人さまから提案されなくたって、とっくに実行していると疑わないのか? そこにはできない理由があると思うべきだろう。維持整備のカネと人手間と土地と施設を無駄に占有し、効果のほどは疑問だからである。普通に巡航ミサイルを量産した方が、カネも人も場所も節約できて、使い勝手が好く、しかも有効性も間違いないのだ。

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 Amos Chapple 記者による2022-11-17記事「The Drones Of The Ukraine War」。
    ウクライナ人が国内開発した「アエロロヅヴィドィカ R18」オクトコプターは、さいしょから爆弾投下専用に考えられていた。

 機体を軽量化するため、なんと「脚」はつけていない。
 だから、発進させるときには、運搬用ケースの蓋裏に「支柱」を4本立てて、その先端でアームを支える。
 回収するときは、オペレーターが手でキャッチせねばならない。

 おかげで5kgの爆弾を吊るせる。

 クォッドコプターが被弾して1軸がもし止まったらまず帰還は望み薄。しかしオクトコプターの場合、被弾しても帰投できる可能性が残る。そこが、実戦向き。

 R18は、1チーム20人で飛ばしている。

 ロシア軍が使っている「Kvazimachta」というテーザード・マルチコプター。大型だが4軸だ。
 ケーブルによって下から給電されるので、連続3日間も浮いていられる。
 ただしケーブルの重さがネックとなり、高度は70mまでだ。

 最前線の指揮官が戦場を、高さ70mの高地から俯瞰できる。そのような視察プラットフォームである。同時に、通信アンテナの機能も持っている。

 ※何年も前から私は、有線ケーブル給電式の軽量なマルチコプターを陸自の歩兵小隊に装備させるべきだと主張してきた。このロシア軍のドローンは、有線ケーブル型を軽量化しようとするのには難点があるらしいことを示唆してくれている。

 ※さらに何年も前から私は、現代の歩兵はCCDの「他撮り棒」を持って、敵より数m、「頭を高く」することが、錯雑地形戦場での偉大なアドバンテージになるはずだと主張してきた。しかしこれを実現している軍隊は未だ無いようである。

 DJIの「Mavic」シリーズは、軽い擲弾の投下に使える。ところがDJI社では、この会社の製品のドローンの所在を地上から探知し、さらに、その操縦者がどこにいるかも教えてくれるデバイスを、別売りしている。〔記事ではレーダーと書いてあるが、これはレーダーではなく、全商品の送受信信号の中に固有識別コードが入っているのを利用し、それをパッシブ受信して読み取るのである。位置は三角標定で推定するしかないはず。〕すでにウクライナ兵の中に、このデバイスを利用され、姿を隠していたのにいきなり露軍の砲撃を浴び、戦死した者がいるという。

 ※DJI社としては、これは軍用に売ったつもりはないので、勝手に軍用に改造して戦死したのは良い教訓だと、口には出さずに思っていることだろう。

 「オルラン-10」も、さいきんは「爆撃」をするようになっている。その報告が複数ある。

 「スイッチブレード」の完コピ製品らしきものを10月にイランが飛ばしている。まだウクライナ戦場には出てきていない。

 ※日本経済の調子が悪いのは、中小企業の武器開発と武器輸出がゆるされてこなかったからである。デュアルパーパス商品の解禁と、中小企業による兵器受注ビジネスの奨励が、日本経済を復活させることは疑いもないのだ。だが、その指針とルールを考えつくだけの《道徳力》が、日本の関係省庁に足りない。困ったもんだ。

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 Joseph Trevithick 記者による2022-11-22記事「Navy P-8 Poseidon Can Now Drop Winged Torpedoes In Combat」。
   対潜魚雷の「マーク54」に折畳式の翼をつけて、巡航高度の「P-8A」の胴体下から落下させると、空中で主翼を開いて滑空降下開始。いいところで主翼を分離し、こんどはドログシュートを開いて海面に没入。海中でその傘コードを分離すると、あとはホーミング魚雷となる。
 そのようなシステムをボーイング社は完成し、海軍から量産契約を貰った。

 P-8Aの巡航高度は3万3000フィートである。従来、対潜魚雷はせいぜい高度100フィートから投下するものであった。
 滑空してくれる水平距離だが、米海軍では最低でも20海里、飛んでくれることを期待している。

 ※ちかごろでは敵の潜水艦もSAMを発射してくるおそれが生じているから、有人の対潜哨戒機としてはこのような兵装システムが不可欠になるだろう。



「ウクライナ戦争」から日本への警鐘: 有事、国民は避難できるのか