難破船員の上陸は国際法上も国内法上も「凶悪犯罪」とは看做せない。それを救助せんとするシナ公船/私船の活動も同様。したがって「ホンモノの漁民」を難破上陸させてしまう手を使えば、わが海保も「毀害射撃」の名分が無い。

 十年以上前に出版したマンガ『2011年 日中開戦』の中で警告させてもらった《離島侵略の手口》に対する方策を、日本政府はロクに考えていなかったようで、がっかりした。

 まず「ホンモノの漁民」を上陸させてしまう――というところがコツなのである。
 それは荒天下に「海難」を偽装すれば、誰にも止めようはないのである。

 「ホンモノの漁民」を救助せんとする中共公船(海警船)の尖閣への接近を、海保が「凶悪犯罪」と看做して毀害射撃を加えることができるかどうか、東大法学部を出ていなくても分かる話だろう。

 海難救助には、海上民兵の船団も参加できる。軍用航空機も参加できる。救難物資を投下すると称して、糧食と弾薬を投下できる。

 1万トン級の海警船は、武警500名を吐き出すことができる。
 武警が漁民も使役して島内にすばやくトンネルを掘り、地下陣地に立て籠もってしまったら、海保には追い出す手立てなどない。

 海保船長の指揮下に「同乗」陸自隊員が入れるようになっている場合だけ、即時に追い出すことができる。

 北京発の「グレーゾーン工作」は、日米海空軍との正面衝突は巧妙にこれを避け、わが海上保安庁の弱みを集中的に衝く。
 だから、もし陸自(およびそれと一体化した海保)によってこれを即時に排除することができぬのならば、尖閣諸島も《第二の竹島》となるのである。

 これを未然に抑止するためには、自衛隊の「陸戦ドクトリン」を大転換する必要がある。
 3月に徳間から刊行する『尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか(仮)』では、したがって、陸自の話だけをしています。

 次。
 『The Maritime Executive』の2021-2-26記事「Explosion on Israeli-Owned Car Carrier in Gulf of Oman」。
 イスラエル人が所有する自動車運搬船。2-25にオマーン湾に入ったところで爆発が起きた。水線上にダメージあり。負傷者は出ていない。同船は点検と修理のためドュバイに引き返しつつあり。

 船名は『ヘリオス・レイ』で2万1000トン。2015に韓国で建造されている。
 爆発海面は、ムスカトの北西44海里。

 自動車7700台を運搬できるキャパがある。
 2-24にサウジのダマン港を出た。AISによれば最終仕向け港はシンガポールで、3-5到着予定であった。

 イスラエルメディアによると、同船の所有者はアブラハム・ウンガル。同国の最大手の自動車輸入業者のひとりだという。

 いまのところ、原因がミサイルかどうか、リムペットマインかどうか、なんとも言えない。

 しかし直径1.5mの破孔が、両舷の乾舷にあいているそうである。
 ウンガル氏いわく、敵は、持ち主がイスラエル人だと知っていて狙ったわけじゃなさそうだ。

 イランは、イスラエルとサウジアラビアが鞏固な同盟関係に入ることを特に警戒している。

 次。
 『The Maritime Executive』の2021-2-25記事「Study: Antifouling May be a Major Source of Microplastic Pollution」。
     ドイツのオルデンブルグ大学の研究者先生。北海沿岸の海洋を汚染しつつあるマイクロプラスチック源の大きな供給犯人は、船舶の水線下に塗布されているフジツボ避け薬剤だ、と。

 これまでの研究者はプラスチック粒子の総量にばかり着目していた。この先生は粒子のタイプと分布をつきとめないと発生源が分らないと考えた。そこで、異なった複数の場所でサンプル海水を採取し、粒子タイプの異同を調べたのだ。

 世間が、海洋プラスチック汚染の犯人だと思い込んでいる一般的な「包装材」のプラスチックは、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレイト)である。
 それらは、海岸線近くの海中で多量に採取された。

 しかるに、北海の沖合いと、エルベ河口域の、商船が頻繁に往来する航路においては、PVCがプラスチック粒子量の「三分の二」以上を占めていることがつきとめられた。

 PVCは、アクリレイト・ポリマー+ポリカーボネイト類である。
 ふつう、包装材にはPVCは使わない。

 フネの底には、海洋生物を付着させないような作用があるコーティングがされている。その、アクリル系塗布剤やエポキシ系塗布剤の中には、結びつけ媒質として、PVCが大量に混ぜられている。

 この先生の計算では、欧州の近海には、毎年、数千トンの船底塗布剤が、あたかも自動車タイヤが道路上ですりへらざるを得ないのと同じように、海水中に、こそぎ落とされている。

 ※タイガー・ウッズの事故現場は、ダウンヒル車両の事故多発地点だった。現代のカーナビは、そこに車両がさしかかったら「いま、事故の名所にさしかかりつつあります」という警告音声を鳴らさなくてはダメだろう。高級車の車内は音楽しか聞こえないから、勾配下りのスピード超過の危機感がドライバーからは奪われてしまう。そこを補正してやらねば。そのくらいのこともできねえのか……って話。



2011年日中開戦 (SUN MAGAZINE MOOK)

高級車の車体に宣伝ロゴが入っていると、おちついてゆっくり走れないかもしれない。

 Evan Bleier 記者による2021-2-24記事「What Are the Chances Tiger Woods Makes Another Comeback?」。
   ウッズは右足の脛骨と腓骨の両方を、上下2箇所で複雑骨折し、どちらも皮膚から飛び出している。治療として、ロッドを脛骨に入れて、固定させられている。
 他にも脚部と足首の骨の損傷があるが、それはネジとピンのコンビネーションで固定した。
 筋肉などの腫れの圧力を逃がすために、その患部を覆っている筋肉の一部は切除された。

 ウッズは過去に二度、左足の脛骨を疲労骨折している。2008年には、関節鏡手術の途中で左足の十字靭帯が断裂していると診断された。
 したがって左足を庇うために右足ががんばっていたのだが、その右足を今回、破壊されてしまった。

 ウッズは過去に5回、腰も手術している。5回目は顕微鏡手術で、2020-12-23のことであった。
 医者でなくとも予言できる。ウッズがゴルフコースに戻ってくることはもうないだろう。

 もしウッズがプロゴルフトーナメントに今後もう出ないとなると、彼は正式引退になる。
 PGAツアーで82勝したゴルフ・プロは2人しかおらず、ウッズはその1人だ。ウッズはメジャーなチャンピオンシップで15勝した。

 『フォーブズ』によればウッズの昨年の銀行資産は6000万ドル以上。1996年にプロになってから今日まで15億ドルは稼いでいる。もちろん、CM出演などを含めて。
  ※ワンダフル・ワンダ。あれを言わされたのだから、ロゴ入りの車くらいゆっくり走らせてやれよ、とも思うぞ。

 いま45歳であるウッズが完全復活してメジャータイトルを18個取り、ジャック・ニクラウスに並ぶという可能性はゼロになったのだが、本人の長い人生と健康を考えれば、もう休んだ方がいいだろう。

 昨12月にウッズは、12歳の息子のチャーリーとともにPNCチャンピオンシップのエキシビジョンに出場した。キャリアの最後のプレイとしては、それはよかったのではないか?
 2017のどん底から這い上がって2019マスターズでまさかの優勝というミラクルも見せてくれたし。あれほどのカムバック・ドラマは、1回でもう十分だよ。

 次。
 Natalie Parletta 記者による2021-2-25記事「Why don’t whales get cancer?」。
   クジラやイルカは、動物としては異例に長命であり、しかも、癌に罹らない。
 巨体は多くの細胞を抱えているから、それだけ発癌リスクも増えるはずなのに、逆なのである。この不思議は「ピートのパラドックス」と呼ばれてきた。

 最近の研究。クジラ目は、遺伝子をすばやく進化させて、腫瘍を抑制してしまうのではないかと。それができたから、巨体化したのではないかと。


ゆがんだ一句。

 ニューデリーのメディア『Explained』の Desk による2021-2-25記事。
    ロサンゼルス郊外で顛覆したタイガーウッズのSUVの側面には「ジェネシス・インヴテイショナル」のロゴが見える。

 この車両は「Genesis GV80」である。ヒュンダイモータースのラクジュアリーブランド。そしてこれが同社が販売している唯一のSUVでもある。

 ウッズ選手は先週末、PGAツアーの「ジェネシス・インヴィテイショナル・トーナメント」のホストとなり、そこで車のプロモーションに協力していた。
 このトーナメントの優勝者には、「GV80」の新車が1台、贈呈される。
 ウッズは、主催スポンサーのジェネシスが持ち込んだ宣伝用車両群の1台を運転していたのだろう。

 事故現場は、LA圏のパロス・ヴェルデス。起伏がある土地で、坂を下りきったあたりでは過去にも事故が多発していたという。

 2020年に消費者満足度調査会社「JD Power」は、ジェネシスを、北米で「最も信用できる」自動車ブランドだ、と持ち上げていた。
 ※誰もが、その調査会社とやらは、利害関係者からいくら貰ったんだ と思うだろうが、北米には自動車に関する独立系の評価会社が複数あるので、いんちきはないだろうと考えてよい。

 「ジェネシス」は、ヒュンダイのラグジュアリー・ブランドで、要するに、トヨタのレクサス、ホンダのアキュラ、日産のインティニティみたいな高級差異化を狙った。

 2021年初頭における「ジェネシスGV80 スポーツ」のカタログ公示価格は、約5万ドルである。

 車両には10個のエアバッグがついている。車両前方を常にビデオカメラが撮影し、ドライバーに、運転のガイドラインをリアルタイムで提供するナビゲーションディスプレイも実装。

 インドではこの車は2019年から、CKD組み立て工場から出荷されたものが販売されている。

 次。
 Noah Manskar 記者による2021-2-24記事「Tiger Woods crash puts Genesis car brand in an unexpected spotlight」。
    ジェネシスモーター社は、ウッズを同社製品に、ひっかけてつなぎとめ【hitch】たかったであろう。それは意外な形で実現した。

 ブランドを立ち上げたばかりの同社は、火曜日の自動車事故のおかげで、認知度を向上させた。
 ヒュンダイがジェネシスを分社したのは2015年である。いらい、5車種がロールアウトしている。「GV80 SUV」もそのひとつ。

 大衆車メーカーが、メルセデスやアウディやBMWのような高級車を北米で売ってやろうと思ったなら、高級車部門だけ分離して別ブランドを建てるのがいい。トヨタもホンダもそうやってきた。

 ジェネシス社のラインナップは、「JD Power」の初期品質研究では4回連続、ナンバー1にランキングされている。

 しかし北米は楽に勝てる市場ではない。地場には、キャデラックやリンカーンも健在なのだ。

 昨年、米国では1450万台の自動車が販売された。そのうちジェネシス・ブランドが占めたのは1万6000台のみである。しかも、2020-9までの同社製品の1年間の売り上げは、その前の1年間よりも24%減少。

 焦るジェネシス社は、プロモーションのため、複数のスポーツ・イベントのスポンサーになろうとした。そのひとつが「ジェネシス招待ゴルフトーナメント」だった。そのホストにタイガー・ウッズを雇った。

 先週のイベントはLAの「リヴィエラ・カントリー・クラブ」で開催された。

 「GV80」は4万8900ドルのSUVで、2020-10月に新発売されている。

 自動車評論家たちは口を揃える。もしウッズが事故で死んでいたなら、このブランドは終わっていただろう、と。事故車両のフロント部分に、目もあやにジェネシスのロゴが写っているのだ。

 一批評家いわく。ウッズ氏は前にキャデラックに乗っていて事故を起こしている。そのときも、キャデラックには責任は無かった。今回も、ジェネシスの欠陥じゃなさそうだ、と。

 次。
 Nathan Bomey 記者による記事「Was Tiger Woods’ SUV safe? Genesis GV80 involved in car accident calls attention to brand」。
    2019年に全米で3万6000人がカー・クラッシュで死亡している。概して言えることは、10年前の自動車よりも、新しい自動車の方が、衝突したときに安全で、ドライバーはめったに死ななくなった。

 それでも死ぬのは、高速でヘマをした場合である。時速40マイル(64km)ならば今日ではほとんど死ななくなったのだが、さすがに、時速50マイル(80km)以上になると、乗員は死に始める。

 北米における2020年第四四半期の、ラグジュアリーカーの販売実績。優勝はBMWでシェア22%、次がアウディとレクサスでそれぞれ19%、第四位がメルセデスベンツで17%だった。ジェネシスのシェアは6%であった。

 北米では31のブランドが自動車を販売しているが、ジェネシスよりも売れなかったブランドは、フィアットだけであった。2020年において。

 傾向として、北米では、乗用車は売れず、SUVとピックアップトラックが売れる。それでジェネシスは、SUVに起死回生の望みを託したのだった。

 今回のゴルフトーナメントでは、優勝者のマックス・ホーマに「GV80」の新車がプレゼントされた他、ホストに雇われたウッズには、「GV80」が無償貸与されたのである。その車で、ウッズは事故ってしまった。

 IIHSが水曜日に発表した「2021セフティ賞」では、ジェネシスの「G70」と「G90」は最高評価を得ている。「G80」と「GV80」は、発売タイミングの関係で評価が間に合わなかった。


ポーキング博士に訊け。

 Harriet Hall 記者による2021-2-23記事「Stupid Videos Meet Penis Growth Scams」。
  ※記者は米空軍の女医だった人で退職したときの階級は大佐。

 詐欺まがい広告はいろいろあるが、中でもとんでもないのが、「○ニス増大薬」。21世紀の米国で、こんなものが堂々とネット通販されているのである。DMが、ランダムに電子メールで送られてくる。
 そのリンク先には、宣伝ビデオが……。あまりにもくだらなく且つ面白いので、私も無視することができなくなってしもうた。

 アフリカの某部族が、○ニス増大儀式で使っている土着混合サプリメントであると、それらの広告は謳う。14種類くらいのいろいろなモノが混ぜられている由。

 アフリカの某所に島があり、そこの男たちは12インチから18インチの○ニスを持っているという。
 実在の部族名を使っているが、彼らは島になんぞ住んでいないことはウィキペディアで確認ができるだろう。

 ともあれ、彼らの巨根の理由は、秘密の○ニス増大儀式のおかげであり、それに使われているサプリメントがあるのだと。

 誰でもこのサプリメントを服用すれば○ニスの全長が48%伸びる、と。
 あなたもこの丸薬を飲めば、3週間で最低4インチ、息子が伸びるのである、と。

 ビデオで語る人物は、生涯を「おそろしい短小症候群」の克服法発見のために捧げているそうである。
 もちろんそんな症候群は、実在せんのである。

 その人物いわく、女性は最低長さ8インチ、周囲5インチの○ニスを欲しているのであり、それ以下では不満なんである、と。

 彼の再現薬の被験者は全員、○ニスが3インチ以上伸び、しかも、30分以上勃起が持続するようになった、という。

 では彼はなぜこの大発見を大手製薬会社に売らないのか。
 大手製薬会社は悪徳だからである。大手製薬会社は、オリジナルの天然成分をすべて有害な合成成分に置換してしまい、それは副作用を伴うものになるだろう。

 だから、このクスリの申し込みは急いでほしい。集めた原材料はすぐに底をつくからだ。もういちど集めるのには相当の時間がかかってしまうだろう。

 しかも、ぐずぐずしているうちに、巨大製薬会社が、この新薬の特許を取り、最強の法律事務所を動員して、類似品を扱う者たちを皆告訴して、業務を差し止め、この新薬の秘密を闇に葬ってしまう。
 だから、この通販でクスリを買えるチャンスは、今を逃したらもう、なくなるのだ。

 ポルノ男優たちやイカサマ薬商人たちも、彼のこの魔法の生薬の存在を憎んでいる。さまざまな妨害をしてくるだろう…………。

 常識をひとつ、呈示しよう。
 平均的なvaginaの深さは3インチから7インチである。
 もし18インチの○ニスがあっても、持て余すしかないであろう。

 フェミニストがこう言っている。魚が自転車を必要とするように、女は男を必要としている、と。その意味を、男どもはよく考えたらいいだろう。

 もうひとつの、常識の数値。平均の○ニスの長さは、弛緩状態で3.61インチ。励起状態で5.17インチである。

 6インチ以上の男根を有する人物など、滅多に居るものじゃない。

 しかし、今回とりあげた宣伝ビデオは、8インチ未満は異常なのだと不安を煽るわけである。悪質である。

 ※パンデミックは終焉に向かうのだから、人々がリモート環境の得難い経験を忘れぬうちに、国営の「通信制大学」を正真正銘、1文の学費もかからない日本独自の制度に充実させる関係法改正の議論を始めるべきだ。基本的にスクーリングは無用とするのだ。子どもの学費がかからないようになれば、《親の失業=世界の終わり》ではなくなるだろう。ほんとうは、トヨタのような民間会社が主唱して実践もしてしまうのが、いちばん健全なのだが……。日本の大企業の社会改造企画のトンチンカンさが、とても残念だ。

 ※地政学講話#6は先日、スカイプを使って試してみましたが、やっぱり双方向の同時会話には難がありますね。なおこの企画はとうぶんのあいだ、ローカル限定で試行錯誤を続けて参ります。


急に必要となったときにマスク代わりになる、かさばらない細長いハンカチが必要だ。

 パンデミックのおわりが見えてきた。
 米国の半年遅れでそれはやってくると予期していいのではないか。

 この遷移期には、独特のマスク需要が発生する。
 ふだんはポケットに入れておけるが、咄嗟に必要になったときに装着できるタイプのマスクが、市場から求められるだろう。

 そのデザインと製造の準備は、いまからした方がいいだろう。

 次。
 Alexis C. Madrigal 記者による2021-2-24記事「A Simple Rule of Thumb for Knowing When the Pandemic Is Over」。
   合衆国内における、7日間の新感染者数が、1月中旬に記録されているピークの74%に減じ、おなじく新入院者数が58%に減じ、おなじく死者数が42%にまで減じたとき、連邦政府は、《パンデミックの「緊急事態」フェイズが終わった》と宣言して可い。

 それまでには、6000万射以上のワクチン接種が米国住民に対して射たれているであろう。

 以上の数値ラインを通過したときに、2020-3以来とられてきた種々の緊急措置は、終了プロセスに入る。

 ある専門家の人の意見。全米で、1日に5000人以下の新規感染者しか見出されなくなり、かつまた、1日に100人以下の人しか新コロで病死しなくなったとき、大衆は、もうこの疫病の流行は終わった、と看做すだろう。

 1日100人の病死というのは、インフルエンザが毎年殺している米国人の平均値である。
 すなわち過去数年、米国では毎年、2万人から5万人が、インフルエンザで病死している。これを365で割れば、1日あたり55人から140人である。
 新コロも、そのくらいの死者数に落ち着いたら、人々は、それを平常の不幸として、受け入れるようになるだろう。

 ただ、インフルエンザ統計と新コロ統計の精密比較は、むずかしい。行政の管轄も違うし、連日実施されている陽性反応テストの数も違うし、偽陽性の出やすさにも違いがあるので。

 ひとつたしかなことは、昨年の春いらい、全米で新コロによって死んだ者が1日に474人を下回ったことはなく、現状では2000人近いことである。
 早くこれを、「100人以下」に、もっていかなくてはならないのである。

 別な専門家たちいわく。現状、新コロ新患者報告数は全米で1日に6万人以上だが、1日に2000人以下となれば、それが、敷居を越えたときだ。

 ワクチン接種の数値的ターゲット。
 65歳以上の老人については80%に接種せねばならず、それ以外の人々には、70%以上に接種しなければ、米国におけるパンデミックは、おさまるまい。

 米国においては、新コロ死者の35%は長期老人ケア施設内で感染している。だから昨年12月いらい、政府はそこに優先的にワクチンの接種をさせてきた。その効果はもう出ている。新コロ病死者に占める、長期老人ケア施設入所者の比率は、最近6週間で、半分にまで抑制された。ワクチンは劇的に効いているのだ。

 CDCによる試算。すでに8300万人の米国人が新コロに感染したのではないか。(これは政府公認値の2800万人をずっと上回っている。)

 そして440万人のアメリカ人が、すでにワクチンを1射以上、受けた。
 いっかい新コロに罹患して、そのあとからワクチンを接種されたという者も勘定に入れねばならないが、もう、米国では、1億人から1億2000万人が、すでに免疫を持ったと考えられる。
 すなわち、米国人口の「三分の一」が、武漢肺炎の免疫を持つに至っている。

 このまま行けば、数ヶ月後には、1日のチャイナウイルスによる死者数は、100人を切るであろう。

 こうなると専門家の次の心配は、米国庶民が、「駐車場に入る前にブレーキから足を離してしまう」行動に一斉に走るのではないかということ。
 せっかくパンデミックがおわりかけてきたときに、あたら感染しなくてもよかった人間が新規感染してしまい、病死しなくてもよかったはずの人間が病死するという不運が連鎖しないように、社会人には、賢明な行動が要請される。


来年の春、取り残されている国と地域はどこか。

 Joe Pinsker 記者による2021-2-23記事「The Most Likely Timeline for Life to Return to Normal」。
   米本土の新コロはこれからどうなるか?
 この夏になると劇的に事態は緩和されるだろう。秋と冬にはひきつづいての諸注意が求められる、しかし来年の春――すなわち2022年の春――には、2019以前のような生活が戻っている。

 パンデミックの終焉が、やっと、地平線に見えてきた。

 2021年の3月から5月にかけては、ワクチン接種を済ませた人同士の間では、ふつうの交流が戻る。その人の家に行き、マスクなしでパーティができるだろう。

 2021年の5月以降、米国では急速に事態が良くなって行く。夏のあいだには、米国内はノーマルに近づく。
 夏の気温が高ければ、戸外活動はますます安心である。

 全米の人がワクチン接種のオファーを受けた時点以降、徐々に、マスクの必要は、なくなって行く。
 ただし、電車や飛行機の中、食料雑貨品店の中では尚しばらく、人々はマスクを着けることがマナーになるだろう。

 全米のほとんどの人がワクチンを接種されるのは秋までかかる。
 米国内で、大勢の人が集まって騒いでもよくなるのは、秋以降だ。

 もし、変異株による患者増が見られるとしたら、それも秋だろう。夏ではないだろう。
 変異株対応ワクチンは、3ヵ月くらいでできるので、それによるパンデミックは、あまり心配はしないでいい。

 2022年の晩春には、武漢肺炎の脅威度は、インフルエンザ並に低下している。そのとき、米本土の人々の生活は、2019年以前の普通さを取り戻すであろう。

 次。
 John Bolton 記者による2021-2-23記事「Assessing Early Cold War Overestimations of Soviet Capabilities and Intent and Its Applicability to Current U.S.- China Relations」。
   ※記者は前の政権幹部のボルトン氏とはまったく無関係で、現役の陸軍軍人。AH-64の専門家でCGSも出ている。ジョンズホプキンス大学の博士課程(高等国際関係)に在籍。

 記者の基調の主張。歴史的に米国は、敵国の脅威能力を過大に考えすぎる癖がある。そして、すぐに米軍に対敵国の仕事を押し付けて、仕事は終わったと考えてしまう。敵国は軍事でも民生でも多数の弱点を抱えているのが常であり、米政府は敵国の弱点に総合的に乗ずることがうまい対策だ。

 かつて国防長官のゲイツ氏が言った。われわれはベトナム以降、完璧な「予言はずし」の記録を持っている。ただのいちども、次に米軍が関与することになる戦争と戦場を、言い当てられたことはないのだ。

 米国政府の冷戦中のポリシーは、1946年のロシア通の一外交官ジョージ・ケナンによる「長文電報意見」、ならびに彼が1947に匿名で公表した「X論文」の主旨に、ほぼ沿うことになった。

 ケナンは、ロシア人は自然な性格としてパラノイアなのだと説明した。
 その性格は変わることはなく、滅びるときは、政府の機能不全、政体の硬化症によって自滅するのだと言った。

 敵が自滅要因をかかえているのだから、それに対処する米国の正しい政策は「封じ込め」だとケナンは奨めた。ソ連圏を東欧よりも外側に拡げさせないようにしていればいいのだ。

 米国が過去にやらかしている最大の「敵の過大評価」が「ミサイル・ギャップ」さわぎである。1957のスプートニク打ち上げで米国朝野は頭が狂ってしまった。アイゼンハワーだけは、ソ連の現有の長距離核ミサイルごときでは米国にとって脅威ではないと、高々度偵察機や偵察衛星の写真解析によって承知をしていたが、その偵察手段が高度の秘密であったために、政界ライバルのJFケネディらに対して有効な反論ができなかった。ケネディらは、米国はソ連にミサイル戦力で負けている、アイクは弱腰であると批難し続けた。
 ところがJFKが政権を取ると、偵察衛星の写真にアクセスできるので、「ミサイル・ギャップ」などは存在しなかったことを、認めざるを得なくなった。
 マクナマラ国防長官は、このミサイルギャップという神話をつくりだしたのは、超愛国気分の空軍のやつらだと理解した。

 つぎの大失敗は、朝鮮戦争からベトナム戦争にかけての、中共は東欧と同じなんだという勘違いである。中共にはソ連のコントロールは及んでいなかった。しかしそれは外側からではわからなかった。

 熊プーが「支那の夢」だとかいろいろイデオロギー風のことを言うが、それは全部、無視していい。連中がやることは、地政学の原理原則に沿って、攻撃しやすいところを攻撃し、すこしずつ近隣を操縦し、世界支配に近づいていくこと。それに尽きているからだ。共産主義とも何とも関係ない。イデオロギーではなく、ただ本能と合理主義の結合なのだ。

 中共はみずからのエクセプショナリズム(一国例外主義。特権独占主義)を追求し続ける。米国人の信奉するイデオロギーを何か別なものに変えようなどという一文の得にもならない思想運動には、関心はないのだ。



封鎖戦 中国を機雷で隔離せよ!

DJIもつらいよ。

 MARCUS KLOECKNER AND IMMANUEL JOHNSON 記者による2021-2-22記事「 US soldier loses appeal to have $1,500 drone returned after taking photos of 2019 Oktoberfest」。
   「フェン」という姓の〔したがって支那系であることが読者には推定されるところの〕米陸軍軍人(衛生系という)が2019年9月にミュンヘンのビールまつり「オクトーバーフェスト」をドローンで空撮したのが地元バイエルンの法律を破る行為であったため、この米兵はドローンとスマホを没収され、その上に500ユーロの罰金を課されていた。

 このドローンの返還を求めてバイエルンの裁判所に訴えていたのだが、ドイツの法令により、ドローンは返却されないことに決まった。

 まず、2019-8-1施行の法令により、オクトーバーフェストは「ノーフライゾーン」となっていた。
 「フェン」いわく、飛行禁止を明示する標識はどこにもなかったじゃないかと。

 まつりの開催期間は9-21から10-6で、630万人もの人出があったという。
 ドローンは「DJI マヴィック」である。1500ドル相当。

 それを操縦するのに使用されたスマホも、ドイツ警察が没収した。飛行高度は群集上150フィートであり、時刻は夜間であった。

 「フェン」は素直に罰金を支払っている。しかし、ドローンとスマホを取り戻すには裁判にしなければならないといわれた。

 このたび、ミュンヘンの裁判所は、スマホの返却については認めたが、ドローンは再犯に直結する懸念があるとして返却要求をしりぞけた次第である。

 じつは、ドイツの法律では、犯行に用いられるなどして没収された品物を警察が犯人に返却できるのは、それが類似の法令違反(軽罪を含む)にふたたび用いられるおそれが無い場合に限られているのである。

 「フェン」が腹を立てているのは、現場上空には6~7機のドローンが飛んでいたのに、その操縦者全員が逮捕されたわけではなかったことだ。

 なお2020のビールまつりは、武漢肺炎のせいで、開催されなかった。これはWWII後では初の事態だ。

 「フェン」も検察側も控訴はしなかった。よって判決は確定した。
 没収したままの1500ドル相当のドローンを、今後、当局がどうするのかは、まったく不明である。

 ※DJIのホビー級のクォッドが、ペイロードとして何グラムの物を吊るせるのかを調べると、新製品になるほど、軽くなっていることがわかる。これは、「手榴弾」(hand grenade)を吊るせなくするように必死の努力をしているからだと、わたしは思っている。西側世界で広く販売したいオモチャなのであるから、決してテロには使わせません、というポリシーを示さねばならないのだ。ところが、機体の全重と最大離陸重量の差(すなわちペイロード値)が小さくなるほどに、その機体には余裕の上昇力もなくなり、したがって飛行管制条件もとてもシビアになってしまうはずである。もちろん余分の電池も積めなくなる。このジレンマを克服するのはDJIの開発陣としてはたいへんなチャレンジだろうと想像する。さらに難問がある。軍用の最小の手榴弾は炸薬が200グラム弱しかない。この炸薬だけを軽量素材のケーシングに詰めなおすことが、テロリストにはできる。ホビー用のクォッドコプターでペイロード値が180グラムを切ったら、それは安全に操縦可能だろうか? 努力も限界に逢着しているのだ。そしてもうひとつの根本の悩み。DJI社はホビー用とは別に業務用のマルチコプターを市販している。このラインナップについては、ペイロードを1kg以下にするなんてことは最初から無意味であり不可能だ。だがペイロードが1kgほどあれば、対戦車用のRPG弾頭から推薬を除いたモノを吊るすことができるのだ。つまり、数十万円で反復使用可能な対戦車ミサイルができてしまうのだ。いま、小荷物配達をドローンにさせようと言っている人たちには、ドローンが爆弾も配達してくれるようになる未来について、いまから悩んでおくことを要求する。DJIの連中は、ずっとその悩みと取り組んで来ているのだ。


世を拗ねる人の八つ当たりと、通行人に吠える犬にはちょっと違いがある。人はじぶんのことを語っているのだ。

 Gordon G. Chang 記者による2021-2-16記事「China’s Genocide Olympics | Opinion」。
   中共は新疆ウイグル自治区でおぞましい人権犯罪を実践中だ。
 IOCはまず、2022冬季五輪の開催他を北京ではない別な国の都市に変更するとともに、中共選手が五輪に参戦することを今すぐ禁止ずるべきである。

 IOCがそうしたくないというなら、米国が与国とかたらって、北京五輪をボイコットするべきである。

 支那全土の、厳重に結界された工場(外国資本のこともある)の中で、ムスリムたちは中共政府によってタダ働きを強制されている。これはふつうの言葉では「奴隷」と呼ぶ。

 その閉鎖空間内で人がコンスタントに死んでいる。システマチックな大量殺人だ。
 収監者の子どもは母親から引き離されて孤児院に収容されている。

 ムスリムは棄教を迫られている。中共はラマダン中に彼らにわざと豚肉を食わせ、飲酒を強いる。

 1948のジェノサイド犯罪の予防と加罰に関する条約。そこにジェノサイドの定義がある。強制堕胎もジェノサイドである。

 南アフリカは1963年のIOC総会(於ドイツ)で、黒人選手に対する人種差別政策をやめないかぎり五輪に参加することを許されない、と議決された。
 これは翌年の東京オリンピックから適用された。1964東京五輪には、南ア選手はひとりも参加できていないのである。
 南ア選手が漸く五輪に戻ることができたのは、1992のバルセロナ大会からだった。

 今日の中共のスポーツ選手たちを見よ。イスラム教徒などマイノリティは、排除されている。中共こそ、現代のアパルトヘイト国家なのである。

 19歳のウイグル人、エルファン・ヘズィムは、サッカーの稀な才能を示したので「葉爾凡」の名で「江蘇足球倶楽部」に所属することができた。
 しかし中共当局は、彼が練習試合目的でスペインとドバイに外国旅行したというので、2008年2月に短期間、投獄した。

 いまのような中共で五輪を開催させることの意味は、1936年のベルリンオリンピックと同じである。それはヒトラーの宣伝に貢献しただけであった。

 2022北京五輪が大成功裡におわったら、中共は、チベットで成功した民族浄化のやり方を、新疆ウイグルにもちこむだろう。どうじにキリスト教会と、香港の運命も、いよいよ暗くなる。

 2008夏季北京五輪の成功は、中共国内の人権事情をすこしも良くしなかった。逆に支配者に弾圧政策の自信を抱かせただけであった。
 つまり今日のウイグル人虐殺に、とうじのIOCは重い責任を負っているのである。

 昨年10月に英国外相が言った。スポーツと政治外交は分けるべきだと考えてきた。だがもはやその分離が不可能な時点に来てしまった、と。

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 ストラテジーペイジの2021-2-21記事。
   朝満国境の慈江道。2020年後半、人々が飲み水にしている将子江で魚が死に、警察が上流を調べたところ、新しく建設された「江界化学工場」が、表向き、塗料やニスを製造していると称しながら、じつは化学兵器を作っていたことが分った。北鮮政府は、すぐ隣の中共住民を刺激しないために、そこで毒ガスを量産しているとは知られたくなかったようだ。


気候変動のおかげで、今後はアリューシャン航路が使い難くなるかもしれない。波が高くなり過ぎて。

 『The Maritime Executive』の2021-2-19記事「Maersk Says Oil Pressure System Led to Container Loss From Boxship」。
  最大でコンテナを1万3100個積載できる貨物船『Maersk Eindhoven』号。
 同船は2月17日に廈門を出港したが、日本の北東45カイリにさしかかったところで、エンジンが4分間止まってしまった。それで、ロサンゼルス行きを諦めて、西へ引き返しつつある。

 荒れた海でローリングが激しかったのが故障原因らしい。
 260個のコンテナが海中に転落した。
 また、65個のコンテナは、デッキ上にはあるものの、破損した。

 どこで修理することになったのかは不明だが、AISからは横浜をめざしているように見えるという。

  ※荒海化が常態化すれば、巨大コンテナ船の設計を考え直さなくてはならないかもしれない。

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 Mandy Mayfield 記者による2021-2-19記事「Army Putting New Infantry Squad Vehicle Through Paces」。
    米陸軍は、新開発の歩兵分隊用の非装甲車「インファントリー・スクォッド・ヴィークル」をテスト中である。GMディフェンス社に設計発注してから、まだ1年経たないのだが、試作車は早々とできていた。
 ISVのファーストバッチは昨年10月に陸軍に納車された。

 陸軍の歩兵分隊は9人。その全員と装備品を1台に搭載できる。要求ペイロードは3200ポンド=1.45トン。最大総重量は5000ポンド=2.2トン。

 ISVの試作がこんなに速かったのは、GMの中型トラックである「シヴォレー・コロラド ZR2」をベースにしているからだ。オフザシェルフの市販品のパーツを多く使ったのである。

 CH-47の機内に入るサイズにまとめることも、至上命題であった。よって、狭隘。

 ※4輪車1台に9人の兵隊を載せると聞いてちょっと記述を疑ったが、本当に詰め込むらしい。ぎっちぎちの窮屈車内でかまわないという、割り切り方だ。

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 ストラテジーペイジの2021-1-20記事。
   イラク政府は、韓国の「Daeji工業」製のMRAPもどき「DAPC-2」を警察用に調達した。ベース車体はフォードの「F550」トラック(4×4)である。

 「F550」は8.8トンある。DAPC-2は軽装甲したので10トンになった。座席はドライバー含めて10人分。

 ※10人乗れる車両は非装甲でも8.8トンある。この数値をみると、ますますISVのスペックが納得できなくなるのだが……?

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 Dov S. Zakheim 記者による2021-2-19記事「National Guard at the Capitol: Too costly ? and not just in money」。
    バイデン政権への移行期の混乱に備えてDCには全土から26000人の州兵(陸軍州兵と空軍州兵)がかき集められた。現在でも6000人が残されている。

 ペンタゴンによると、この人数で3月なかばまで警備を続ける予定だという。
 そのコストは4億8300万ドル。これにはホテル代は含まれていない。総計するとF-35が1機買えてしまう経費なのである。

 そして3月15日以降も5000人は残留するという。
 彼らがDCに駐留し続けると、その費用は週に1450万ドル。
 ちなみに2020年に黒人擁護デモ警備のためDCに州兵5100人が展開したときも、そのくらいかかっていた。

 イラクやアフガニスタンに駐留している米軍の規模と同じほどの州兵が首都に駐留し続けるなんて、アメリカはいつから、クーデターがしょっちゅう起きる後進国になったんだ? 世界に対して恥ずかしいので、すぐに止めるべきだ。

 ※オピニオン記事である。そしてこの記者の真意がよくわからない。《不祥事を何も起こさせないためのコスト》は無駄で有害だと言いたいのか? 少数の警官がトリガーハッピーになればすべてオーライとでも? おまえはどの国の回し者なんだよと疑われるだろ。


此一戦。

 Charlie Lyons Jones & Raphael Veit 記者による2021-2-19記事「The Port Operators Behind China’s Naval Expansion」。
     世界の港湾業務を着々と支配しつつある中共の2大国有企業(SOE)は、「COSCO」と「チャイナマーチャンツ」である。
 COSCOの社員の三分の一は中共党員だ。

 COSCOは全会社員をミリシャにできるようになっている。パラミリタリー組織である。

 南シナ海で勝手に領有宣言している海域に、一般支那人を連れて来て観光ツアーの案内をする、そのような触法的な対外宣伝工作作戦にも、COSCOは便利に動員される。

 ギリシャのピレウス港の拡張土木工事にも、COSCOの人員が投入されている。COSCOは諜報補助組織であり、国家総動員の要であり、グレーゾーン侵略工作の尖兵なのだ。

 豪州、米国、日本は、COSCOの戦略的積極活動に「後手」で反応してきたこれまでの怠惰を反省しなくてはならない。
 我々がぼんやりしている間に彼らは世界の36港をすでに支配下に収めてしまったのである。

 豪州、日本、合衆国は、世界のすべての港湾についての《ミシュラン・ガイド》を作成しなければならない。それを参照すれば、中共支配下のリスクしかない港湾にカタギの民間会社がうっかり関与しないで済むようにすべきである。

 中共の影響力を排除した港湾ネットワークを、三国は積極構築しなければならない。そこに中共が手出しをできないように、「先手」戦略を選ぶ必要がある。

 ※中共に関する最大のパラドクスは「先進国相手の戦争が起これば《セルフ海上ブロケイド》が自動成立して体制は終焉。先進国相手の戦争になりさえしなければ、中共の外洋進軍が半永久に続く」ということ。このパラドクスを衝く最良の戦略は、中共にもし海上で挑発されたなら、先進国はそれに積極的に応戦するようにし、けっして「グレー」段階では事を済まさせないようにすること。そのためにわが国に必要な施策は、海上保安庁の戦力を海自並に増強すること。そのためには陸自の人員・兵器を海保に割愛し、尖閣や小笠原海域で海保に直協できる装備・編制に、残余の陸自をあらためること。

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 Robert D. Kaplan 記者による2021-2記事「Solzhenitsyn & the engine of history」。
   小説家のソルジェニツィンは、歴史が理性によって進展するという考えに反対した。
 むしろ現代史は、非理性によって創られたと主張する。

 ロマノフ家の終焉とレーニンの登場を準備したのは、1914年8月のタンネンベルグ会戦だったとソルジェニツィンは見る。あの大敗さえなければ、ロシアは共産化しなかったと彼は考えていた。つまり、20世紀の歴史そのものが、ガラリと変わっていた。たった一戦が、人類の運命を変えるのだ。