尖閣諸島の精密3D模型をプラモデル屋かガレージキット屋で量産して売り出して欲しい。

 これがないとイメージが湧かなすぎるので……。
 部屋の中に正確なスケールで離して点在させると、イメージを掴めるはずだ。
 日本人が買わなくたって、中共軍が大量注文してくれる。売り上げは約束されているようなものだ。

 「離島・孤島シリーズ」として、他の島のバリエーションも増やして欲しい。
 旅行に行けないなら、せめて旅行した気分にさせる、そういうプラモデルだ。
 オモチャ屋も、頭を使えや!

 次。
 John Timmer 記者による202-1-23記事「What’s the technology behind a five-minute charge battery?」。
   ストアドット社に、五分で充電できるバッテリーとやらについてインタビューを申し入れたところ、何も答えることはできないとの返事を得た。彼らは『ガーディアン』紙だけにネタを流す宣伝戦略を採用したらしいのである。

 そこでストアドット社のサイトを筆頭に、過去の関連公開情報をつなぎあわせ、推測することにした。

 一般人が誤解しがちなことをまず注意しておく。急速充電にはデメリットがあると考えられる。それは、同じ重量のバッテリーを搭載していても、低速充電した場合より、充電総量が減ってしまうのだ。
 わかりやすくたとえると、5分間充電によって300km走れるようになる自動車バッテリーができたとして、その同じ重量のバッテリーは、もし1時間かけて充電すれば600km走れるだろう。そういうイメージをしてみて欲しい。

 実用上の難関は、放熱問題であろう。みなさんはスマホに充電すればスマホが発熱するのを知覚する。同じことが自動車用バッテリーでも生ずる。急速充電すれば、その急速さに比例して大発熱する。これは不可避の現象である。

 ストアドット社は、バッテリーのセルとセルの間に隙間を設け、バッテリーハウジングに多数の孔をあけ、ファンによる強制冷却エアがそのあいだを流れるように計っている。

 この妥協により、ストアドット社のバッテリーは、在来式のバッテリーよりも、重量あたりの容積は増大する。嵩張るのである。

 いわゆるリチウムイオン電池。炭素からなるグラフェンのシートが多層を成すグラファイト。それがリチウムイオンをやりとりしている。
 もし炭素のかわりに、硫黄やシリコンを使えるならば、リチウムイオンの密度をもっと高めることが可能だと分っている。
 硫黄には厄介な化学反応があり、それが障害。かたやシリコンには危険な化学反応はなさそうだ。

 だがシリコンにリチウムイオンをやりとりさせると、シリコンは膨張と収縮を繰り返す。その物理性情が、電池の構造じたいを破壊してしまうのだ。
 ストアドット社は、シリコンをナノ粒子にし、極薄の電極板の中に散在させることで、この膨張収縮問題を解決し、且つ、電極の表面積を増やして急速充電させやすくしたのであろう。同社はこの方向を2017年にはもう打ち出していた。※ストアドットという社名の由来もそこか。

 ※物理的に膨張&収縮するのなら、それを逆手にとり、シートの「蠕動」によって熱伝導ガスの対流を起こしてやるようにしたら、空冷ファンを回すための余計な電力消費は必要ではなくなるのでは? つまり電池の大部分で充電をしている最中に、電池の一部ではわざと放電をさせるようにし、その放電運動によって冷媒を循環させたら?

 ストアドット社は、自己修復ポリマー薄紙を採用したかもしれない。膨張して裂け目ができても、すぐにくっつく物質だ。そのポリマー紙が電導性かどうかは不明だが。

 『ガーディアン』によるとストアドット社は2018年に中共の一企業に生産を委托することに決めた。

 早く量産にこぎつけるためにメーカーは、課題山積のシリコンの代りに、暫くは、扱いやすいゲルマニウムを使う気かもしれない。しかしその場合、コストは跳ね上がる。

 次。
Antonio Regalado 記者による2021-1-23記事「We could know soon whether vaccines work against a scary new coronavirus variant」。
    ジョンソン&ジョンソン社が今試験評価中のワクチンは、1回射つだけでよく、保管方法もイージーなもので可。
 だから後進国地域では、モデルナやファイザーのワクチンよりも、こっちに期待がかかっている。

 今、合衆国の他に、南アでも、実射テストが進められている。この結果が注目される理由は、南アフリカにはすでに英国変異型の中国ウイルスが流行しているので、両地域での効き目がもし同じならば、JJワクチンは、変異武漢肺炎にも効くのだという証拠になるから。

 南アでは7000人に試射した。
 JJワクチンの試射は昨年9月にスタートし、12月17日までにぜんたいで4万5000人にしており、1月末にはその結果がわかる。

 次。
 Minnie Chan記者による2021-1-26記事「South China Sea: Chinese military deploys ballistic missile’s launchers for training」。
  東風26が山東半島にも配備され、横須賀軍港に停泊中の米海軍艦艇はいつでも中共軍から弾道弾で奇襲され得ることになった。

 ※またしてもわたしの古くからの提案を自衛隊よりも先に中共軍がいちはやく採用して実現してしまった。「対艦弾道弾」なんてものはフェイクだが、軍港の桟橋のGPS座標はすべて既知なので、碇泊中の軍艦に対する脅かしとしては、アリなのである。



尖閣侵攻は総理の統帥権で抑止せよ 【Voice S】

予備役兵の注射の順番も考えておかなくてはならない。その家族も。

 J.P. LAWRENCE 記者による2021-1-23記事「COVID-19 vaccination underway for US military in Afghanistan」。
   アフガンには米兵が2500人と、契約軍属が1万8000人いる。
 在アフガンの米軍関係者のうち新コロテストで陽性の者がどのくらいいるのかについては、ペンタゴンは公表しない方針。地域ごとの公表はアフガニスタンに限らず、すべて中止されている。

 武漢肺炎蔓延のため、昨年からずっと、米軍は、アフガニスタン政府軍将兵の訓練をしてやることができなくなっている。対面教育など不可能だからである。
 アフガンに駐留している300人のウガンダ兵の多くも、チャイナウイルスにやられている。

 在アフガンの契約軍属たちは昨年の7月以降、米軍基地から一歩も外に出られず、そのため無給、という窮地に陥っていた。この問題は、彼らぜんいんを12月までに米本土へ送還したことで、解消されている。

 米軍将兵に対するワクチン接種は、米本土内の将兵に対してはファイザーワクチンを射ち、海外の将兵に対しては〔輸送や保管の面倒がファイザーより少ない〕モデルナワクチンを射つことに決まっている。アフガンには1-17にモデルナワクチンが空輸され、翌日から接種がスタートしている。

 次。
 WIRED UK 記者による2021-1-24記事「The Truth About North Korea’s Ultra-Lockdown Against Covid-19」。
    三代目が新コロ恐怖症に罹っている北鮮では、漁業すら、ウイルスの侵入経路になるというので、禁じられている。
 北鮮には住民が2500万人いる。げんざい、毎週700人のペースで陽性検査を受けている。

 「Global Fishing Watch」というNGOは、衛星写真を解析して北鮮漁船の出漁状況を把握している。それによると、昨年は、ロシアのEEZに勝手に入り込んで不法操業する北鮮漁船の数が95%も減った。のみならず、北鮮EEZ内での操業も半減した。
 これは三代目が国外からチャイナウィルスが持ち込まれることをきょくたんに恐れているせいで、国境封鎖措置の一環なのである。

 北鮮の国営TVは病的な《啓蒙》活動をキャンペーン中である。渡り鳥や、降雪までもが、このウイルスの媒介になる――と、人民に対して厳重な注意を促しているのだ。
 雪が素肌にあたれば発病するから、マスク、ゴーグル、帽子で頭部を覆いなさい、と指導しているそうである。

 北鮮ハッカーは昨年11月にアストラゼネカ社の情報を抜こうとした。

 次。
 Jon Hemmerdinger 記者による2021-1-23記事「AeroTec selling Caravan used for all-electric project」。
    「セスナ208B グランド・キャラヴァン」は2020-5-28に、マグニクス社製の「マグニ500」電気モーター(750馬力)でプロペラを回して、電力だけで飛行してみせた。「eキャラヴァン」と称した。

 この機体は今、ふたたび、プラット&ウィトニー社製「PT6-114A」ターボプロップエンジン(675馬力)を搭載して、1500万ドルで売りに出されている。

 その前に、カナダの水上機コミューター会社である「ハーバー・エアー」社との共同実験がある。2019-12-10に、湖から、全電化された「デハヴィランドカナダ DHC-2 ビーヴァー」を初離水させた。動力はやはり「マグニ500」であった。

 次の課題は、電動旅客機で「型式証明」を取ること。会社はこれに集中している。



日韓戦争を自衛隊はどう戦うか

シリーズドラマのキャラクターは最後はどうなったのか、を教えてくれるサイトがあればいいのに……。

 トシを取ると海外ドラマを3シーズン目の途中までぐらいしか見続けることができない。さすがに、うんざりしてしまう。
 「では、あのキャラクターは最後はどうなるのだ?」
 この疑問にスグに答えてくれる一括サイトがあると、アクセスはさぞ多いことだろうよ。

 次。
 Graham Warwick 記者による2021-1-22記事「Podcast: Tech Talk On How Universal Hydrogen Plans To Disrupt Aviation」。
    航空機燃料として「水素」を普及させるためには二つのチャレンジが避けられない。
 まず、水素燃料の世界的供給体制。そして、水素燃料に対する初期需要をビジネスのスタート時点から大きくしないとダメだ。

 燃料電池の会社「プラグ・パワー」。まずフォークリフトで普及させつつある。

 水素燃料は、重さあたりの出力が、核燃料を除くすべての燃料よりも高い。飛行機に原子炉を積むことは今後ありえないので、航空業界のゼロエミッションのホープはまず水素燃料か燃料電池となるわけだ。

 もう1950年代に水素燃料の有人飛行は実現されている。
 またソ連は1980年代に「ツポレフ155」を水素で飛ばしたことがある。

 しかし当時と今とではわれわれの知見は大違い。今はPEM、つまりイオン交換膜を電解質とする燃料電池の技術が使えるんだ。
 PEM技術によって、2020年代なかばには、水を安価かつ大量に電気分解することもできているだろうし、逆に、空中から酸素をとりいれながら水素燃料電池に発電させることも可能なのだ。

 ※日本ではこの技術をまず鉄道のディーゼル機関車の代品として実用化することを考えると楽なのではないだろうか。というのも水素の兵站基地は鉄道会社の工場構内に設ければよく、機関車のうしろに燃料タンク車を連結するというスタイルで、手早い完成は約束されているからだ。北海道にはまだJRが電化されていない区間がある。そこに使える。その実績を以て、こんどは後進国へ輸出すればよい。これまでのJRの機関車開発は、後進国向け輸出のことを最初からぜんぜん考えてなかったから、投資が大きく実らなかったと思う。もちろん水素エンジン機関車を早く完成すれば、米国やカナダの老舗のディーゼル機関車メーカーに一挙に肩を並べることだって夢ではなくなるのだが、それを北米市場向けに輸出するなどという野心を日本人が口にしたがさいご、米加両国の貿易保護主義勢力をいたく刺激することになるだろう。それは不吉である。

 世界には1万7000箇所の商業飛行場がある。そこに水素燃料を配給しなければならない。
 供給は、工場から「カプセル」の形ですることになるだろう。そうすれば途中での漏れがない。

 Roei氏がじぶんのベンチャー会社にて開発中の電気モーター。燃料電池によって回す最大級のモーターで、1.6メガワットを発生する。このモーターができれば、リージョナル・ジェット・クラスの旅客機を電気力で飛行させられる。40人から60人乗りだ。
 ※通産省や三菱重工内に目端の利く者がいれば、とっくにこういうモーター開発に集中投資してたよね? 売るのが激ムズの「機体」なんかじゃなくて……。そうすれば販売努力なんかしなくても、世界中から「売ってくれ~ぃ」ちゅうて来たわけだ。オット、モーターの開発は三菱電機さんの領分かな。

 プラグ・パワー社、トヨタ、ホンダ、そしてバラード・パワー社が、水素燃料電池の実用化の先陣を争って、すごい努力を傾けている。

 プラグ・パワー社はすでにアマゾンやウォルマートと協同してコンセプトを絞り込みつつある。
 ※倉庫内作業機のフォークリフトはプロパン・タンクをとっかえひっかえして走る。ゆえに水素燃料カプセルとの互換はできなくても、デザイン上の親近性がある。

 燃料電池の重量あたり出力エネルギーは、リチウム電池よりも大である。

 2028年までには、内燃機関動力方式よりも、燃料電池動力方式の方が、コストは低くなっているであろう。

 現実的なのは、小ぶりな固定翼旅客機を50マイル~1000マイル、燃料電池で運行させること。だからこれをまず実現する。
 いまのところ非現実的なのは、「ボーイング777」級や「エアバスA380」級を電池モーターで飛ばすこと。そんなのは当面は考えない。

 すでに水上機「デハヴィランド・ビーヴァー」を750馬力=0.5メガワット で飛ばせることは実証した。
 次いで「セスナ・グランド・キャラヴァン」を、電池+0.5メガワットモーターで飛ばす段階にさしかかっている。
 これらは5席~9席の飛行機である。

 これ以上大きい飛行機(40人乗りの「ダッシュ8」)になると、バッテリーでは離陸ができない。水素燃料電池にするしかないのだ。
 とりあえずは高度3000mを与圧なしで運航させる。

 欧州で新コロがおさまったとき、燃料電池へのゴールドラッシュが起きる。



日本の戦争Q&A―兵頭二十八軍学塾

軍病院勤務者と衛生兵は先に射つとして、その家族の接種優先順位はどうするつもりか。国防大臣は早く決めて公表せよ。

 AFPの2021-1-23記事「Spain Defence Chief Resigns For Getting Vaccine Before Allowed」。
   スペイン国防軍のアンゲル・ヴィラロヤ大将(63歳)が、参謀総長職を辞任した。武漢肺炎ワクチンの優先接種リストに載っていなかったにもかかわらず、人をおしのけて接種を受けたのがバレてスキャンダルになったため。

 国防大臣のマルガリタ・ロベルスは辞表を受理した。
 ※ロイター報によると先に国防相の方から「おまえ辞めろ」と要求し、参謀総長はしぶしぶそれに応じたようだ。

 この醜聞に先立っては、スペイン政府の内務大臣も、憲兵隊リエゾンオフィサーの中佐をクビにしている。接種優先者リストに載っていないにもかかわらず、注射を受けたというので。

 スペイン全国では250万人がチャイナウイルスに罹患し、すでに5万5441人が死亡している。

 ※わが国でも、左翼からの不毛な攻撃を事前にはねつける備えとして、防衛省・自衛隊は、全職員・全隊員の、ワクチン接種の優先順位を今から早々と公表しておくべきである。それは、防衛省および自衛隊という組織内の《相対順位》でかまわない。それで国軍としてのスタンスの透明性が確保される。



あたらしい武士道―軍学者の町人改造論

ひょうどう偶懐――米政権交代が済んで

兵頭二十八の放送形式 Plus

 合衆国の連邦首長の交代式が、狙撃や爆発物による不祥な騒ぎもなく、おわったようですね。
 気が早いようですが、いきなり4年後の想像からしてみたいと思います。

 共和党はペンス氏をかつぐのではないかと思います。就任式で彼の挙措が光っていた。
 議事堂に突入した暴徒から命を狙われていたというのが、彼の勲章になりました。上院議長として彼は合衆国憲法に忠実に、トランプを斬った。そのさなかに命を狙われていた。こうなると、「俺はイラクとアフガンで負傷した帰還兵だ」と自慢できる候補者に近い資格がある。

 そもそも対中共の公式絶縁宣言を叩きつけたのはトランプ氏ではなく副大統領のペンス氏であったという厳然たる事実も日本人は思い出すべきでしょう。

 民主党の著名人としてはオバマ氏のでしゃばりが目立った。あの老人はまだ現役返り咲き――そして「オバマケア」の完成――の未練を棄ててませんね。精神年齢と肉体年齢が、余っているようです。4年後に向けて、民主党内からかつぎ出す勢力が、現れるかもしれません。

 それと、クリントンの女房は、どこへ消えた? かんぜんに燃え尽きちまったんだな、4年前に。映画界とTV業界は罪つくりなことをした。あれだけアバターを活躍させて、支援射撃があって、それで大落選。《胴上げ殺人》みたいなもん。そして今は、誰もインタビューに行かない。ひでえ………。

●マシーン投票と郵便投票の区別がつかない日本人たち

 ここ数ヶ月で少々あきれましたのが、《郵便投票では大々的な不正がなされる/なされた》という米国トランプ陣営の主張を鸚鵡返しに増幅した日本人の多さでした。中共の情報工作であやつられているんだとしたら、大したもんだと思います。

 わたしは過去記事で数回、ペーパーレスの「マシーン投票」は危険だというMIT系の警告をご紹介してきました(これは大統領選のずっと前からです)。
 ペーパーレスだと、あとから検証しようがないのです。

 しかし郵便投票制度は、「紙」が残されるんですよ。「紙」が現存する以上、あとからチェックすることができます。再集計がいくらでもできる。
 もし「紙」が行方不明になれば、その数量も把握できます。
 その「あやしい」数量が、もし州の投票結果を逆転できるくらいに多ければ、それも隠すことはできません。

 こんな単純な理屈が理解できんという人が多いことに驚いた。
 不正の規模が、州の投票結果を左右できるくらいに多い、という主張を prove できなかったから、トランプ陣営の訴えはすべての裁判所で退けられています。
 紙の証拠力に、負けたのです。

 こんかい騙された人に老婆心ながら忠告したい。あなたはデジタル時代にデジタルに騙されやすいから、できるだけ紙を頼って生きなさい。決済は「日本銀行券」と小銭でしなさい。銀行では常に冊子の貯金通帳を、有料でも惜しまず作ってもらうといいよ。通信環境ではFaxを導入し、維持しなさい。
 いまはデジタルに対応できているとあなたは思っているが、あなたが老人になれば、ついていくことは不可能です。あなたは巧妙な詐欺の被害者になり得ます。
 そんな老後にも安心して頼れるのは、紙だけですから。

 旧通産省系の軽佻浮薄な役人は、ガソリン車を禁止しようというのと同じノリで、ペーパーを禁止しようとするだろう。国民よ、抵抗せよ。騙されるな。トヨタさんも先手を打ってオレを対抗宣伝者として雇用すればよかったんじゃない? 公式に政策化しちまってからじゃ、もう遅いけどね。

●もといじめっこが隣に土地を買って豪邸のあるじになったら?

 無職ニートがトランプファンになるというのは、アリでした。
 しかしその人々にはトランプに投票しない人の心理がわからないだろう。
 《こいつが自分の上司になったら、自分は堪えられるか?》ってことを、有職ホワイトカラーは、頭の中で想像します。そして、それは絶対に無理だと結論されたのです。
 トランプ政権の4年間で次々にクビにされた閣僚や高級スタッフたち。
 この、馘首免黜された面々の心境に、有職ホワイトカラーは、同化できていました。
 その想像ができるグループとできないグループの間の断絶は、埋めようがなかったのです。

 プロスポーツの世界で尊敬されるのは、「グッド・ルーザー」の態度でしょう。実力があった現役スーパースターが、ライバルに遂に負かされるときがくる。プロにとっての真の見せ場は、そこです。敗れて去る者をいかに格好好く、観客に対して自己演出できるか。人々はそこを見ている。
 プロたるもの、ふだんから、そういうことを考えてイメージトレーニングしていないと、ダメなのです。
 ドナルド・トランプにはそれがまったくできないんだということが、ここ数ヶ月で、彼の支持層だった人々の目にも、ハッキリしてしまった。
 それで、これまでは左翼からの悪意ある宣伝だろうと疑われていた話の一部が、じつは真相に近かったんだと信じられるようになった。すなわち、高校~大学時代のトランプは、不正競争し放題の、誰からも尊敬されない、ガタイのでかいいじめっこボスだったという話です。
 勝負に負けたのに負けを認めない奴――です。誰も、そいつと一緒にいたら愉快だろう、とは思いません。

 その性格が、成人しても直っていないとしたら? 有職ホワイトカラーは、そんな人物と同じオフィスにいたくないなと想像するだけです。トランプ氏の4年後のカムバックは考えにくいでしょう。「バッド・ルーザー」の見苦しい姿を、彼はさらしすぎたようです。さようなら。

●ナヴァロさんのこと

 学校時代のいじめっこが町内会長になったら困るでしょうが、他国の外国元首だったなら、そんなの関係ねえ、ですよね。ぜんぜんオッケーだ。
 米国の外交政策のアウトプットが、日本に有利で、儒教圏に不利なら、安全・安価・有利の三拍子で、日本人にとり、まさに大歓迎。何の不満もあるわけがなかった。
 そのアウトプットがでてくるブラックボックスが愉快なものか不愉快なものかなんて、日本人には、どうでもいい話でしょう。

 これまでそのブラックボックスを支えてきたのは、ナヴァロさんでした。政権内で厚遇されていたとはいえないが、トランプ氏個人にあくまで忠誠を尽くすという態度を維持したので、最後まで干されずに済んでいます。日本政府はナヴァロ氏に勲章をやらなければダメだ。

 しかしナヴァロ氏個人が払った犠牲は大きかった。《選挙は盗まれた!》という親分の主張をそのままサポートしてました。テレビインタビューで。

 近代空間とは、公人が公的な嘘をついたら恥じなければならない空間です。ナヴァロ氏はその空間から逸脱した。近代人ならば葛藤します。(儒教圏人は近代人ではないので、葛藤しません。)

 しかしこういう「会社役員」の姿にも、有職ホワイトカラーは同情しますよ。『オレにはそこまでできんわ』と思った人が多かったでしょう。
 ボスに忠義を貫かないと、じぶんの昔からの主張を公式の政策にして世の中を変えていくことができない。権力機関のインサイダーとして、ありがちな、板ばさみ。
 ボスがこんなにクレイジーでなければ……と心の中ではナヴァロさんも思っているのでしょう。有職ホワイトカラーはそこには同情したと思います。

 バイデン政権の対支政策ですが、これも、方向を決めるのは「とりまき」です。その「とりまき」の姿はまだ浮揚していません。論評するのは早いでしょう。

●巨大SNS会社は反トラスト法でバラバラにされる

 もし第二のトランプを狙う候補がこれから選挙運動をしていくのならば、じぶんの「テレビ局」をもたないとダメでしょうね。超マイクロTV局でいいはずです。
 その「テレビ局」でまずじぶんの発言を発信し、その動画を、誰でも自由にインターネット空間でコピペ共有していいよ、ということにするのです。
 この流儀なら、ツイッターその他から選挙戦の途中でいきなりアカバンされても平気でしょう。

 あと、日本のカネ余り大企業は、日本国内に「巨大サーバー」を構築する事業に対して投資すれば、それで国際的な大きな商売ができることに気づいたのではないかな?
 巨大サーバーに使われているのは、グラフィックボード。その集合体は「AI」としても機能させることができます。チップの量産工場は、やっぱり必要みたいですね。

 巨大サーバーは冷却コストが馬鹿にならないので、北海道に誘致できるでしょう。オレが夕張市長だったらまっさきに手を挙げて「炭坑跡の地下空間を、サーバー施設に使ってください!」と申し出るよ。

 世界最高速のコンピュータなんてどうでもいいんだ。米国から制肘されない巨大サーバーを複数、北海道内に構築することが大事。これがきっと日本を救うことになると予感します。

(管理人Uより)

 兵頭二十八の放送形式 Plusは当サイトが兵頭先生へお金をお支払いして記事を発注する企画です。激安価格で請け負ってくれた兵頭先生には感謝の一言です。

 右や左の旦那様、兵頭先生にどうかアルバイトご喜捨を……。

 そして、YouTube動画制作が出来て函館市近郊にお住まいの方を変わらず募集しています。経費のいくらかは私が負担するつもりです。
 絶対条件が『函館市内にすぐに行ける方』なのです……。よろしくお願いします。

上院でもオースティン長官承認。反対票2票。

 Mia Sato 記者による2021-1-21記事「“Everyone is impressed by Israeli vaccination, but I don’t think we’re a success story”」。
   最速ワクチン接種実施のモデルとなりつつあるイスラエルが注目されている。
 イスラエル人で、医者と倫理について提言している専門家氏に聞いた。

 イスラエル国民がワクチン注射を受けたいと思ったら自分で当局にメールか電話をすれば、すぐにどこへ行けばいいか教えてくれる。注射前には「適格性」審査が必要だが、それはすぐに終わる。

 イスラエル国内居住者でも、外国人労働者だったりすると、話は早くは進まない。

 イスラエル人はワクチンを概ね信用している。ワクチン陰謀論よりも、武漢肺炎への恐怖の方が、まさっている。

 事前に問題視されたのがユダヤ教のウルトラオーソドクス派。このコミュニティは人口の10%しかいないのだが、新コロに新規感染する者に占める割合だと30%と大きいので、国家予防衛生上の穴になり得る。こいつらがもしソーシャルディスタンスを遵守しないとかワクチンを拒否するとか言い張れば、国民の多くがこの派を敵視するようになり、国内が分断される事態があり得た。だから政府は強力に根回ししている。

 ただし「集団免疫」のセオリーからみると、もしこの集団がぜんいんワクチン接種を拒絶しても、全人口の三分の二に注射をしてしまえば、OK。よって、むりな強制はしない。

 ファイザーのワクチンを入手する見返りに全接種者の個人情報をファイザー社に与えるとした政府の取引については、国民の間に議論がある。三分の一の国民はそれを知らなかった。

 われわれが問題とするのは、その情報をファイザー社だけに売るということ。新薬の副作用などの重要統計は全世界に知らせるべきじゃないのか。なぜならチャイナウイルスとの戦いは全地球的な努力なのだから。

 国家安全省の方針。国内の囚人へのワクチン接種はいちばん最後にする。他の市民と全看守よりも後に射つ。


 次。
 PHILLIP WALTER WELLMAN 記者による2021-1-22記事「Engine failure, pilot error caused crash that killed two airmen in Afghanistan」。
   カブールでボンバルディアのE-11Aが昨年の1-27に墜落した事故。

 操縦していたのは46歳の空軍中佐と、30歳の空軍大尉。他には誰も乗っていなかった。

 離陸の2時間後に、左エンジンのファンブレードが折損した。自動的に左エンジンへの燃料供給は遮断された。ところが操縦者は手動で右エンジンの燃料もカットしてしまった。

 操縦者はエンジンの再始動を試みたが不成功。そして無謀にも、無動力状態で265マイル離れたカンダハル航空基地まで戻ろうとした。

 ブレードが折れると振動が生ずる。しかし2人とも、どちらのエンジンの問題なのか、分らなかったという。そして鳥の衝突だと判断した。

 バグラム基地、もしくはカブール空港になら、近かったので、滑空で着陸できた。なのに、滑空には遠すぎるカンダハル基地を選んだのは、片発を再始動できると思ったから。

 ところがこの2名は、壊れた左エンジンを再始動させようと努めたようである。

 彼らは不時着し、機体は壊れ、2名ともに死亡した。

 E-11Aの機能は、ビデオ信号などの戦場通信を遠くへリレーしてやる、空中の中継局である。
 機体はボンバルの「グローバルエクスプレス」の改造品。双発ジェットだ。
 機体&システムの価額は1億2000万ドル。

 次。
 Thomas Newdick 記者による2021-1-22記事「Iranian Supreme Leader’s Tweet Suggests A Revenge Drone Assassination Of A Golfing Trump」。
  辞めたトランプをゴルフ場でドローンを使って暗殺してやるぞというイランからの脅しメッセージ。
 ソレイマニを殺られたことを深く根にもっているようだ。

 ツイッターはこの画像を載せたハメネイのアカウントのうちひとつだけを凍結した。画像はすっかり出回っている。

 ※イランが筑波大学の教授を斬首した事件は忘れられていいのか? 警察と外務省はあれが未解決なのが国家の恥だとは思っていないのか。



日本転覆テロの怖すぎる手口 スリーパー・セルからローンウルフまで (PHP新書)

Splash-free Ladle.

 とっくに発明されていてよいのに未だに存在しないらしく見えるのが、水洗いするときに蛇口の水を跳ね返すことのない形状の「お玉」。
 円の中心点を通る断面をW字形の複雑なウェーヴにすれば、なんとかできそうに思うのだが……。

 水跳ねを制御できる曲面形状についての理解が進めば、いずれはその知見を、防疫目的の透明フェイスシールドや透明仕切り板にも、応用ができるはずである。

 次。
 帝政ローマが大衆統合用の娯楽として完成させた、最も堕落した見世物が、剣闘士どうしの殺し合いだった。
 基本的人権思想が普及した21世紀にリアルには、こんなものを再現できる国家はどこにもない。

 だが、いつか誰かが、「ウォー・ゲーム」ではない「ゲーム・ウォー」をネットで配信してカネを稼ぐようになるだろう。これは予言しておく。
 国際法で傭兵が禁じられていないので、リアルの戦場であれば、殺人がおこなわれていてもそれを裁く統治主権が不在という空間が、生じ得る。そこが利用されるだろう。

 最前線のあっち側とこっち側とにプレイヤーが別れ、申し合わせてリアルの射撃戦を始める。各人の火器の照準サイトに「Go-Pro」と録画デバイスを装置しておいて、あとで編集して商品コンテンツ化する。

 これは「生中継」はできない。ブルートゥースであっても電磁波のエミッションがESMの手がかりになって敵プレイヤーの位置が読まれてしまうからだ。だから、録画を後で編集するしかないであろう。



精解 五輪書 宮本武蔵の戦闘マニュアル

北鮮TV局が募金マラソン。なんと兵隊用の冬物下着の寄附を民間人に求めている。靴下もパンツも支給されていないらしい。

 MK Bhadrakumar 記者による2021-1-19記事「Biden’s CIA director signals a shift to the left」。
    バイデン氏は公約を守ってきた。だから、選挙中に言っていた通りに、新コロ不況下の中流以下世帯の経済支援に注力するはず。

 9月までの失業保険はこれまでの週300ドルから400ドルに増額されるだろう。
 全国最低賃金を1時間15ドルに増やすだろう。

 金満階級の証券取引収入への課税は増やす。所得再分配の専門家であるセルビア系のブランコ・ミラノヴィッチ(元世銀の行員、げんざいロンドン経済大学とNY市立大学の教員)が起用されるだろう。

 彼は『フォーリンアフエアズ』2020-3月号にこう寄稿している。疫病による人命損失の増加は国家が最も考えねばならないコスト。なぜならそれを放置すると、希望、仕事、資産をなくした人々が、それを持っている人々の対立勢力になってしまうからだ。
 したがって武漢ウイルス対策のために政府予算のほとんどをつっこんでも正当化される。
 同記事時点ですでに米国民の3割強が経済窮境においやられている。

 病人集団や貧民集団が、ケアされないことに怒って暴徒化し、それを軍隊で鎮圧するようになったら米国社会はおしまいだ。その社会分断を未然に防ぐ政策が今は唯一重要である。
 金融市場で儲けている人々は、社会の紐帯の恩恵を被っていることに自覚的にならなくてはいけない。それを強化するために金満家は税金を負担せよ。

 ※わが政府御用の大手広告企業さんは五輪中止の尻拭いのために巨額の資金が必要になったのだろうか? ついでに保護者も必要かもね。その有望株はワクチン担当大臣?

 バイデンは元国務省役人のウィリアム・バーンズをCIA長官に据える気だ。国務省のたたき上げ官吏であったプロ外交職員が、CIA長官となる。これは、米国戦後史上、初の事態。

 バーンズには著書があり、信念は明瞭である。外交官をCIAや軍隊の奉仕者にはさせない。
 ※これは日本にとっては朗報。プロ外交官僚が国際法違反の韓国政府に甘い顔をすることはあり得ないので。それで文左衛門もあわてて外相をとりかえたのだろう。

 そのバーンズを起用したことが、バイデン政権の対外政策の姿勢を象徴しているだろう。

 バーンズの信念。イランに対するマキシマムプレッシャー政策は失敗。NATOの東方拡大は失敗。ロシアとは軍備管理交渉をすすめなければならない。
 ※ここから、“ウクライナ中立化”という話が出てくる。バイデン政権がプーチンの侵略(=満洲事変)の事後承認をする気かどうかに注目だ。



軍学考 (中公叢書)

インド軍との対立線のすぐ近くのチベット高地にあたらしい「村」を中共は建設中。

 James Stare 記者による2021-1 プロシーディングス寄稿記事「Emerging Threats to U.S. Personnel on Okinawa」。
    ※2012に海兵隊を退役した人だそうだが階級がわからない。

 2019年に沖縄防衛局の外構に発火装置が仕掛けられたが、不発におわり、テロリストは失敗した。
 キャンプシュワブ沖の埋め立て工事を再開するなという脅迫だった。

 ペリー艦隊が1853に那覇にやってきたとき、3人の酩酊した水兵が町で狼藉を働き、1名は住民を強姦したので住民によって殺された。
 ※ペリーの遠征リポートの邦訳(岩波)を全部読んだことがあるがこのような事件は書かれていなかったと記憶する。いったいソースは何なのだ?

 数年おきに在沖の海兵隊員による不祥事件が報道されるのは頭の痛いことだが、現実世界でこの種の事件をゼロにする方法はない。

 辺野古基地反対グループは海兵隊員1名の事件が報道されれば海兵隊員全員の外出禁止罰につながることを知っているのでそのような事件を誘導しようとたくらみ、キャンプシュワブの周りを取り囲んで騒いでいる。
 その連中の平均年齢は70歳である。

 米軍基地内で働いている地元民なのにアグレッシブな反基地活動家である者も把握されており、車両のナンバーが割れているので、その車両で基地に入ることはできなくされている。

 シュワブの正門前では活動家は日に三回、米軍車両の行く手を阻む。沖縄県警はゆっくり対応し、その妨害グループを道路脇にどかせる。儀式のように毎日反復されている。

 ここ数年、キャンプシュワブほどドローンの侵入が多い海兵隊基地もない。
 基地では、このドローンを飛ばしている首魁が誰なのかすべて把握しているが、沖縄県警はそいつらの行動を未然には阻止してくれない。

 昨年、基地の周りでドローンを飛ばすことが日本の法律で違法化されているにもかかわらず、沖縄県警は、不法にドローンを飛ばした連中がそのドローンを格納して帰ろうとするときにならないと現場にあらわれないのである。

 2年前から、沖縄県内に住んでいる外国人の最大人数集団は、中国人になった。

 次。
 Cory Graff 記者による2021-1-17記事「The Terrifying History of Russia’s Nuclear Submarine Graveyard」。
   かれこ数十年も、ソ連の原潜墓場はカラ海にある。海水侵蝕が進み、濃縮ウランや使用済み核燃料棒が北極海の環境中に垂れ流されるのは時間の問題にすぎない。

 それらの総放射能量は広島の6.5倍になる計算だというので大したものではない。
 すくなくも14基の原子炉が、解体されずにそのまま海中にぶん投げられている。

 スクラップ化のプロセス。
 原則としてまず、使用済み燃料棒を炉心から抜く。
 1985年に『ヴィクター』級でこの作業をしていたときに爆発事故があり、作業員10人が死亡し、放射性物質が撒き散らされた。

 燃料棒は特殊合金製の樽の中に密封され、陸上の保管地まで耐放射性の特殊列車で輸送される。この貨物貨車はソ連時代に5両だけ製造された。

 核兵器の弾頭も取り外される。ついで発射装置や船体の分解に進む。
 リアクターは1個づつ、または2個づつまとめて、切り離される。それは筒状の浮力のあるコンテナに収められ、数ヶ月から数年間、繋留されたのち、バージに揚収され、陸上の保管基地へ輸送される。

 だがこれは冷戦後の手続きだ。冷戦中はまるごと深海に投棄していた。
 燃料棒を抜く作業もめんどうくさがって、燃料棒を装荷したまま海没させた原潜もあった。

 専門家にいわせると安全な海没深度は3000m以上だそうだが、事故を起こして廃棄を急いだ『K-27』(液体金属冷却炉を搭載したノヴェンバー級の実験艦)の場合、カラ海の深度50mのところに沈んでいるそうである。



無人機とロボット兵器

蚊やブヨの吸血メカニズムを機械で再現すれば、ロボット注射器/自動注射器になるだろう。

 河野氏をワクチン接種担当者にしたのは電通の総合判断なのか? 日本政府のペースでは、変異型ウイルスの蔓延にワクチン接種で先制することはとうていできそうもないだろう。誰がやっても政府が叩かれることになる。だったら誰をテレビの顔にするか。その判断だ。

 次。
 Thomas Newdick 記者による2021-1-18記事「The Story Of The Jet That Would Have Delivered South Africa’s Nuclear Bomb」。
   南アフリカは、自国内で原爆を完成し、そののち自国内でそれを廃棄した、唯一の国である。
 アパルトヘイト時代、南アは、ホーカーシドレー社の攻撃機「バッカニーア」を原爆運搬手段にしていた。

 サハラ砂漠以南のどこであれ、これで攻撃できた。
  ※南アは特例的にウラニウムリッチだったので濃縮原料を得るのに苦労しなかった。ウラン素材で原爆を仕上げたなら、実験も《駄目押し確認》程度で済む。他国にはこんな路線は不可能なのである。

 1970年代にまずウラン濃縮燃料による発電を民間主導で考え、そこから軍の核武装計画がスピンオフした。

 今ナミビアになっているところを南ア軍が占領していた。
 またアンゴラにはキューバ傭兵がソ連によって送り込まれていて、南アとの長期戦争状態にあった。
 ザンビアもスワポーの基地になってた。

 南アの核については今日でもまだハッキリしないことが多い。1979年の南極海における「ヴェラ」実爆実験の詳細もそうである。

 ハッキリしていることは、南アは1977年までに、広島型=ガンバレル式 の最初のウラン原爆を完成させた。

 その実爆実験をまず陸上でやろうと櫓を組んでいたとき、ソ連の衛星に嗅ぎ付けられ、米国が干渉してきた。
 最終的に、実戦使用できる量産原爆5発と、実験原爆装置1個が、製造された。

 いつでも使える、かなり洗練された原爆兵器としての最初の1発が仕上がったのが1982年である。6キロトンの威力であった。
 さいごの1発、1989年に製造中だったものは、政府が工程を中断させた。

 すべてガンバレル式であった。
 1985からは爆縮式(ただしコアは濃縮ウラン)も設計され始めていたのだが、実現しなかった。

 運搬手段としては、イスラエルから「ジェリコー2」地対地弾道ミサイルを買うオプションもあった。

 しかし南アの原爆はサイズが小さいので、バッカニーアからリリースする「滑空爆弾」に仕込むことも可能であった。バッカニーアはもともと英海軍の艦上攻撃機である。

 英国は1965から翌年にかけ、南アにバッカニーアを売った。1964には対南アの武器禁輸が始まっていたのだが。

 16機の「バッカニーアS50」は特注品で、南アの暑い陸上基地からの運用のためにいろいろ改造されていた。
 英国は言い訳を考えていた。ケープホーン周辺の商船航海の安全を守るための防御的な兵器である、と。
 しかし、対アンゴラ核爆撃用であることは状況的に隠せないので、英国は追加の14機の売却は断っている。
 バッカニーアの乗員の訓練は英本土で行なわれている。

 バッカニーアの消耗率は高く、1979時点で6機しかなくなっていたという。乗員10名が死亡している。

 南アが開発した滑空核爆弾は「H-2」または「ラプター1」といい、テレビ画像リモコン式だった。レンジは37マイル。データリンクポッドを吊るした友軍機が125マイル以内にいれば、その機に無線誘導をひきついでもらうこともできた。

 航空機からの重力落下式核爆弾の直接投下には専門の面倒な訓練が必要だが、滑空爆弾とするならば、他の通常弾頭兵装と同じ手順が応用できるので、余分な訓練の手間が省けて合理的だった。

 1982から86は、原爆の安全装置開発に注力された。ガンバレル式は原理的に、電子回路なしで起爆可能である。うっかり飛行機から落としてしまったようなときに、衝撃によって核爆発を起こしかねない、けっこう危ない方式なのだ。
  ※もしエノラゲイを撃墜していたら、墜落したところがグラウンドゼロになってたかもしれないのだな。

 滑空爆弾の弾頭にされた量産原爆5発は、出力が20キロトンだったという。

 1989にデクラーク大統領は、核放棄を決定した。
 アパルトヘイト撤廃はすでに動き出していたしソ連は崩壊寸前だ。南アが核武装していることは、その後の対西側外交の邪魔にしかならない。

 南アの核滑空爆弾を1998に洗練した通常弾頭型は、パキスタンとアルジェリアに輸出されている。「ラプター2」と称する。

 南アの技師たちは、パキスタンの核巡航ミサイルの開発も手伝ったらしい。

 次。
 Kristin Huang 記者による2021-1-19記事「China’s military uses new all-terrain vehicle to get supplies to troops in Tibet」。
   チベット高地への補給用に中共軍は、非装甲の前後二連の装軌車を導入。テレビで宣伝した。
 ただし積荷は1.5トン。

 メーカーは、シンガポールのSTK社の中共子会社であるGJKである。型番は「JY813」という。
 時速5kmで浮航することもできる。

 ※前後二連車の強みは湿地で発揮される。単体の水陸両用車だと、湿地で横に傾いたときに絶対に回復しない。前後二連車ならば、どちらかが引っ張り上げることで、喪失を免れる。陸自は北海道では雪上車ではなく前後二連車を採用することにより「夏と冬で別な装備が必要」という「装備の二重投資問題」を解消できる。すでにこの話は既著でしていますよね。わたしの提案をわが自衛隊よりも中国人民解放軍の方が先に採用してしまうパターンが続いています。複座型のステルス機案も同様です。



「新しい戦争」を日本はどう生き抜くか (ちくま新書)