トルコの中層ビルは、地盤ごとに定められている耐震基準を満たしていたのだが、それを上回る加速度で揺さぶられて崩れた。

 その耐震基準の根拠が、《2000年以上残っている古代の城》だったのかもしれない。それが倒壊した。

 次。
 The Maritime Executive の2023-2-6記事「Earthquake Disrupts Oil Exports From Turkey’s Ceyhan Terminal」。
    トルコのジェイハン港は、原油の積み出し港なのだが、そこもやられた。震源からは100マイル未満。
 アゼルバイジャンとイラクの原油は、パイプラインでジェイハン港まで圧送されてきているのだ。それを扱えなくなった。

 ジェイハンには、原油貯油タンクが7基、および、VLCC級タンカーが横付けできる積み込みバースが2箇所ある。平時であれば、この港から100万バレル/日を出荷する。

 港に給電されている外部電力がなくなったので、港の業務も止めるしかなくなった。
 パイプラインそのものに被害はなかった。それは地震対策が十全にできているのだ。

 ※今回の日本政府によるレスキュー隊の派遣はすばらしく迅速で、大いにトルコ国内に於ける日本国の声価を高めたと信じられる。でかした。ちなみに極東からは台湾チームも速かった。韓国・中国は、本案件に関してはニュース的に埋没している。

 次。
 Joseph Trevithick, Tyler Rogoway 記者による2023-2-6記事「U-2 Spy Planes Snooped On Chinese Surveillance Balloon」。
    やはり飛んでいた。「U-2」がバルーンの交信を傍受していた。しかも、バルーンの上方から。

 国防総省によると、支那からのスパイバルーンが米国領空を侵犯したのは1月28日で、場所はアリューシャン列島。
 その2日後、バルーンはカナダ領空へ。

 1月31日、こんどはアイダホ州の北境を南下。

 マニアのコールサイン傍受から、「U-2」は、バルーンが米本土の中西部に侵入した頃から2機、繰り出されていると推定されるそうだ。
 コールサインは「ドラゴン01」と「ドラゴン99」。※U-2の別名がドラゴンレイディー。

 U-2は、高度7万1000フィートを巡航することもできる。今回の高度は不明だが。
 敵の通信を妨害できる装置も、U-2は搭載している。

 昨日、『ポリティコ』が報じたところでは、今回よりも小さな、不審なバルーンが、2020年にヴァジニア州沿岸を飛んでいて、そのペイロードには「レーダー妨害」装置があったという。

 詳細は不明だが、バルーンの中に立方体状のレーダー反射器を封入したものかもしれない。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2023-2-7記事「Kyiv spends thousands of shells daily, there is a shortage of materials」。
    ノルウェーにある大手砲弾メーカー「ナンモ」社の社長いわく、ウクライナ特需で「窒素系原料」の調達が間に合わなくなっているという。つまり砲弾に充填する爆薬の製造が、需要に追いついていない。

 酸化窒素を製造・供給している英国の企業「ケムリング」社いわく。増産体制を準備中だが、設備が稼動するまでには数年かかってしまう、と。

 ところでウクライナの「UkrOboronProm」社が、国外で82ミリ迫撃砲弾の量産を開始したというのだが、それは一体どこの国なのか? どうもチェコ共和国らしい。22年11月19日に両国は、兵器の合同生産について合意をしているので。

 今後、同工場では、120ミリ、122ミリ、152ミリの砲弾も製造するという。

 次。
 2023-2-7記事「Denmark will hand over Leopard 1 tanks to Ukraine」。
   デンマークも「レオパルト1A5」(すべて退役して2010年にFFGというドイツ企業に売られたが、ひきつづきデンマーク国内にモスボールされている)をウクライナへ送ることに決めた。

 FFGが保管している「1A5」の数は、100輛。

 ドイツ連邦政府は、ラインメタル社ならびにFFG社に対して、「レオパルト1」を再輸出していいよ、という許可を与えている。

 ※ここで読者は「常識」というものを働かせて欲しい。ウクライナ軍はもっか、戦車を「野砲」のように運用している。敵の姿が見えない遠距離(数km)から、間接照準射撃を加えているだけなのだ。戦車砲には大きな仰角がかけられないから、地面へのインパクト角も浅い。爆発で生じた破片は、ほとんどが下の地面にめりこむか空中高く吹き上げられておしまいである。こんな火力発揮をさせるためだけに、高額な戦車を動かし、軽油を消費しているわけ。トータルするとこれはたいへんな「人と資源と機会と時間の無駄」、否「浪費」なのだ。それに対して迫撃砲は、同じ口径であれば戦車砲よりも遠くに飛び、しかも弾丸の落角はほぼ垂直なので、破片は着弾点から四方八方へまんべんなく、水平に飛散して敵兵を殺傷し、物資・車両を着実に損壊する。弾丸を製造し、輸送し、発射するプロセスを通しての資源の実用効率、コストパフォーマンスが、桁違いに佳良なのである。「レオパルト1」の105mm砲から発射する榴弾(最大射程3km)よりも、古い「107mm迫撃砲」から発射する迫撃砲弾の砲が、10倍は敵にとってのダメージを与えられると信じられる。おそらくは81㎜迫撃砲でも、105mm戦車砲の榴弾砲撃にひけはとらないだろう。つるべ撃ちをすれば弾量は遜色が無い。値段は迫撃砲の砲が「数十分の一」で済む。同じ比較は、現在の主流重迫たる120ミリ迫撃砲と、「レオ2」の120ミリ戦車砲(滑腔)から榴弾を発射した場合についても成り立つだろう。各国陸軍が現有している120ミリ重迫をかきあつめるのは簡単ではないだろうと想像される。しかし、各国陸軍が使わなくなった107mm中迫をあつめることはむずかしくないはずだ。第三世界にもゴロゴロしているはずだ。中迫や軽迫は、商用のトラックでも迅速に移動させることができる。ドローン観測と連動させれば、精密なヒット&ランもできる。その訓練は、戦車兵訓練とは比較にならず、早く可能である。じっさい、ウクライナ軍はそのメソッドを自力で開発できているのだ。大量の中迫が宇軍陣内に展開すれば、露兵は全線でタジタジとなる。そこでほころびが見えた箇所に、手持ちのAFVを固めて突入させれば突破口が開ける。そこから両翼包囲にも移れる。だがそれにはまず前段階として中迫の数で全線で露軍を圧倒する必要がある。それは、今の西側ならばじゅうぶんに可能なのだ。なのに、それを考えていない。どうも今のNATO上層には、兵站と効率の計算から「決勝援助戦略」を組み立てられるプロが不在なのではないかという印象を受けてしまう。


2200年ものあいだトルコの丘の上に残ってきた「ガジンタプ」城が、こんどの地震で崩壊してしまった。

 Emma Helfrich, Joseph Trevithick, Tyler Rogoway 記者による2023-2-4記事「Why Shooting Down China’s Spy Balloon Over The U.S. Is More Complicated Than It Seems」。
    「バス2台か3台分の大きさ」と伝えられたのは、バルーンのことではなくて、その下に吊るされているのが見えたトラス構造+諸器材のこと。そんなガラクタが高度6万フィートから地表へ落下するのは望ましくなかった。だから陸地での撃墜を避けた。

 ※この種の気球のコースを制御する方法は、上昇&下降によって、狙った風向の風が吹いている層まで遷移すること。そのためには、どの高度でどの方角の風が吹いているのかを、把握できていなければならぬ。それは地上にある気象観測用の特別なレーダーを使うしかないはず。しかも北米大陸は広いから、そうしたレーダーが複数、グリッドを分担して観測している必要があるはず。どこかに、地上の協力者がいたと考えられるのだ。そのヒューマンスパイ網を炙り出すために、泳がせ捜査をしていたのではないかと、私は疑う。

 F-22は、他の戦闘機よりも高い高度で活動できる。6万5000フィートくらいはわけはない。だから遅くとも気球がモンタナ上空にあった時点で、飛ばしていた。

 巨大バルーンは、レーダーの反射信号としては鳥と同じくらいにしか映らない。止まっているも同然な対地移動速度なので、ドップラーレーダーは無視してしまう。

 それゆえ、科学実験用の高々度バルーンには、わざわざレーダー反射材をとりつけてあるのが普通である。

 高々度気球の内部の気圧は、1平方インチあたり1ポンドにもならない。だから小穴があいてもすぐにしぼまない。
 ※気球の頂点に穴が開けば、さすがにヘリウムの漏出は早くなるはずだ。ということは、対戦車ミサイルの「BILL」のような、下向きに爆発する特殊なAAM弾頭が必要になるかもしれない。それで標的の直上を航過させるのだ。近接信管はもちろんレーザーを使うよりあるまい。ミサイル本体にもパラシュートをつけて、地表へのダメージを局限する配慮は可能であろう。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2023-2-6記事「State of Ohio may produce a dozen Abrams tanks monthly for Ukraine」。
    ジェネラルダイナミクス社が公表。
 オハイオ州リマ市にある同社の工場で、ウクライナ向けのM1エイブラムズ戦車を生産する。

 次。
 2023-2-6記事「United States shows how artillery rounds for Ukraine are produced ? NYT」。
   NYT記者もペンタゴンの許可を得て、スクラントンの砲弾弾殻工場を取材したようだ。
 長さ6m、重さ900kgの鋼棒が工場敷地に到着する。

 これを自動ノコギリが切断する。切断された塊を「ブランク」と呼ぶ。
 ロボットアームがブランクを、天然ガス炉に送り込む。1000度になるまで1時間、熱する。

 ついで、3段階の圧延工程を進む。この時、棒状の塊が、細長いコップ状になる。

 そのあとコンベヤーで加熱炉に運び、4時間の熱処理工程。こうすることで、砲弾が炸裂したときに弾殻が適宜のスチール破片となって飛び散るようになる。

 砲弾の肩の絞り。直前に加熱してから絞る。

 銅帯を熔接する。これは人手による作業。

 塗装がおわった半製品は、ミドルタウン工場へ運ばれる。そこで炸薬が充填される。
 充填後、X線で検査される。「す」が入っていないかを確認するのである。

 完成品の一部は抜き取られてアリゾナ州のユマ試射場へ。そこで陸軍がじっさいに榴弾砲から発射して調子をたしかめる。
 OKとなったら、残りのバッチは「合格品」の太鼓判を押される。

 次。
 2023-1-26記事「British MP demands large armaments factory in Poland for Ukraine」。
   英国議会の国防委員会の委員長トビアス・エルウッドが『デイリー・テレグラフ』紙上で提案した。武器弾薬を今のようにウクライナへ贈与し続けられるもんじゃないから、このさいウクライナに隣接したポーランド国内に新工場を建設して、それによって長期的な供給体制を磐石化するのが合理的だろうと。

 英政府はすでにポーランド政府とそれについて協議し、法的な準備を始めている。

 可能性として、そこで「レオパルト2」のライセンス生産もするかもしれない。これは新聞記者の感想。

 ※ひどい動画を見た。ウクライナの歩兵が、対戦車擲弾をとっかえひっかえ、姿の見えない敵に向けて、無照準で無駄撃ちしているのだ。敵には文字どおり何の損害も与えることがないだろう。このような火器の使用法が合理化されるのは、これから部隊が総退却するという場合だけである。練度の低い軍隊にいたずらに高性能武器を与えても、ちっとも問題は解決しない。今のウクライナ陸軍のレベルに最もふさわしい援助兵器は、迫撃砲だ。それは戦車砲より少し遠い間合いから、敵と交戦できる。ドローン観測とコンビで使えば、敵AFVも破壊できる。自動車を使えば陣地転換も速くできる。西側諸国は、4.2インチ=107mmの中型迫撃砲を使わなくなったが、その在庫がどこかにあるのではないか? それを送ってはどうか?

 ※雑報によるとアゼルバイジャンで2022年に製造された120㎜迫撃砲弾や、同国製の82ミリ迫撃砲「20N5」が、ウクライナ軍部隊によって使用されている写真がSNSに出てきた。アゼル人は、よく分かっている。

 次。
 Margarita Assenova 記者による2023-2-2記事「Bulgaria: Russian Oil and Perpetual Elections」。
   ロシアの原油の欧州における最良のバイヤーは、ブルガリアである。全世界でも、支那、インドに次ぐ量を買っている。すなわちトルコよりも多い。

 黒海の港「ブルガス」には、ロシア原油を精製する石油プラント。これを所有するのはロシア企業の「ルコイル」である。原油タンカーはノボロシスクからやってくる。処理能力は19万6000バレル/日。

 ブルガリアには選択肢は他にもあるのに、ロシアの工作員にすっかりやられていて、政府が動けない。
 すなわち、カザフスタン原油をカスピ海パイプラインでノボロシスクで積み取ることは可能なのである。同じくジョージア原油をスプサ港で積み取ることも。

 ようやく1月、暫定ブルガリア政権は、ギリシャとの間で、げんざい機能していない「ブルガス~アレクサンドロポリス」原油パイプラインの再建について相談する覚書を交わした。このパイプラインを使えばブルガリアは、トルコ海峡を迂回してギリシャ経由で原油を輸入できるようになる。

 その場合でも、露企業保有の精油所は問題だ。ドイツ政府はすでに、ロシアのロスネフト社がドイツ領内で保有していた精油プラントをドイツ政府の管轄下に置いた。それと同様の措置をブルガリア政府も早く取ることが西欧諸国から期待されている。

 しかしブルガリア国会内にロシアが操縦するロビイスト議員が多数混じっているため、話は前に進まぬ。

 ブルガリアは2022年のなかば、いちど、ロシア産の天然ガスの代金をルーブルで支払うことを拒否。そしたらプーチンがガスを止め、結果、内閣が崩壊してしまった。ポーランドは、同じ目に遭っても乗り切れているのだが、ブルガリアの政権は4党連立なので、外から揺さぶられると、はなはだ脆い。

 アゼルバイジャンおよび米国からガスを調達しようとした内閣は、ガスプロムの手先の国内企業によって倒壊させられた。

 また、ウクライナに、迂回的に武器と弾薬を提供しようとした内閣も、親露派の議員たちによって、やはり倒された。
 このように、めまぐるしく短命内閣が入れ替わってしまう。ブルガリアでは。

 現在、ロシアからの妨害にもかかわらず、ロシア原油を精製したガソリン、軽油(diesel oil)、エンジン潤滑油(motor oil)が、ブルガリアからウクライナへ有償で輸出されている。その額はブルガリア経済の1%を占める大きさ。
 ということはロシアは、「プライスキャップ」に加わる国へは原油は売らぬ、とイキリながら、淡々と、プライスキャップに加わっているブルガリアへ原油を届け続けているわけだ。

 とはいえ、ウクライナ軍の車両が、元をたどるとロシア原油を精製したブルガリア軽油だとプー之介が知ったら、どうなるだろうか。それは誰も知らない。

 次。
 MUNIR AHMED 記者による2023-2-6記事「Pakistan blocks Wikipedia, says it hurts Muslim sentiments」。
   パキスタン政府のメディア規制部局は、2月6日から「ウィキペディア」をブロックした。すなわち同国内からは閲覧できなくした。禁止の理由は、イスラム感情を傷つけるからだと。

 パキスタンには宗教不敬法という国内法があり、イスラム教を冒涜すると最高刑は死刑になる。

 ※雑報によると、ロシア政府は2-28から「ユーチューブ」をブロックすると宣言している。

 ※雑報によると、かつてコロムビアの麻薬ボスが気まぐれに輸入した8頭の河馬が現地の自然の中でどんどん増えてしまい、いまや140頭の集団になり、コロムビア生態系の頂点に君臨し始めたと。

 ※雑報によると、AIが3Dのヌードモデルを本物レベルのクオリティで描画するようになり、「オンリーファン」で稼いでいたリアルモデルたちが失業の瀬戸際にある、と。

 ※ジェネレイティヴAIの心理戦への応用が低調なので、私は驚いている。軍隊内の私的なチャットを装った偽情報工作ができるはずなのだ。AI同士で会話させておけばいい。それがさりげなく提供し続ける情報は、ぜんぶ「工作」で、敵の本物の将兵の士気を沮喪させてしまうのだ。

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 Defense Express の2023-2-6記事「russian Navy Decommissioned Cruiser Submarine Intended to Take Hundreds of “Kalibr” Missiles」。
    ロシア北海艦隊所属の核動力潜水艦の『ドミトリードンスコイ』(6隻建造された「アクラ級」の最後の生き残り)が、退役工程に入った。
 セヴェロドヴィンスク軍港で解体される。

 この艦は1981就役。2014年からは、SLBMの「ブラヴァ」の発射試験用にひたすら繋留されていた。2020年以降はその任務も解かれていた。

 ※雑報によると、ロシア国外からロシア国内に送金する者(すなわち徴兵忌避逃亡者)が最も増えた国はウズベキスタン。総額はアルメニアからの送金額の4倍を越えていて、ダントツである。アルメニアに次ぐのが、キルギスとジョージア。カザフスタンはジョージアの半分もない。カザフに逃げても安全ではない(いつ送還されるか知れない)と、ロシア青年たちが判断していることが窺える。


みなさま、ご喜捨をどうもありがとうございました!

 電車の吊り広告が出たかどうか知りませんが、『Voice』は発売日が6日ですよね?
 ひさびさに原稿を載せましたので来月はその稿料で少し息をつけそうです。

 2月も初旬を過ぎますれば、函館市内では、みるみる昼間が暖かく体感されるようになります。灯油代の嵩む冬場のピークの危機は乗り切ったかな……と思っております。これもひとえに皆様のおかげでございます。ご支援、ありがとうございました。

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 Megan Eckstein and Stephen Losey 記者による2023-2-5記事「Undisclosed number of Ospreys grounded until clutch-related part fixed」。
    総機数は公表されていないが、米三軍が保有する「V-22 オスプレイ」が臨時に飛行禁止。
 エンジンにつながったギアボックス内に挿入されている「管状の部品」の交換DATEが問題。それをあまり長く交換せずにいると、クラッチの結合を重くしてしまうおそれがあるという。

 海兵隊、海軍、そして空軍がもっているオスプレイは、ぜんぶで約400機だ。

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 SETH J. FRANTZMAN 記者による2023-2-5記事「F-22 performs first-ever air-to-air ‘kill’ – analysis」。
   米宇宙軍は、ウェブサイトで公表した。ヴァジニア州ラングレー空軍基地から発進した第1戦闘機大隊所属の1機のF-22が、AIM-9X サイドワインダーミサイル×1発で、中共のスパイバルーンを撃墜したと。

 撃墜した目標の高度は、6万フィートと6万5000フィートの間であった。
 ミサイル発射時のラプターの高度は、5万8000フィートであった。

 この撃墜をサポートした他の空軍機がある。
 マサチューセッツ州のバーンズ基地(州兵空軍基地)から、複数のF-15が。
 また、複数の空中給油機が、オレゴン州、モンタナ州、南北カロライナ州から離陸している。

 カナダ空軍は、バルーンの飛行経路の追尾に協力してくれた。
 米海軍は、駆逐艦の『オスカーオースチン』、巡洋艦『フィリピンシー』『カーターホール』、また揚陸艦1隻も支援のため展開させた。

 ニュースメディアの『ザ・ドライヴ』によると、地上の民間人が最初にこの気球を目視発見したのは、2月1日のモンタナ州ビリングズ市であった由。

 「フランク01」「フランク02」というふたつのコールサインが傍受されているので、F-22は、2機が飛んでいたとみられる。
 このフランクというのは、1918年にドイツの気球を18機撃墜して議会勲章を授与された、米陸軍航空隊中尉のフランク・ルーク・ジュニアにちなむそうだ。

 FAAは、付近の空港に命じて、民航機の離陸をしばらく停止させている。
 洋上の民間船舶に対してなんらかの警報を出したかどうかは、不明である。

 『ドライヴ』の記事によると、F-22はかつては「AIM-9L/M」を、搭載していた。「9X」ではなく。
 「9X」の「ブロックII」は、F-22から発射後にデータリンクによって標的に空中ロックオンさせることが可能。※だから理論上は真後ろの敵機も攻撃できる。

 こんかい発射した「9X」に通常の爆発弾頭をとりつけていたかどうかは、不明である。

 F-22は2005年に米空軍に実戦配備された。これまで敵機をじっさいに撃墜したことは一度もない。今回が、初手柄である。

 ※なぜF-22が撃墜役に選ばれたのかには、特に謎は無いだろう。「なんで領空侵犯を見逃していたんだ」という米世論と議会からの批判に、米空軍の威信をかけて応える必要があった。万が一にも撃墜に失敗するようなことがあってはならないのである。中共軍は米軍を嘲弄するため、さらに気球の高度を上げさせる可能性もあった。だから上昇力にいちばん余裕があるF-22を選んだまでだろう。もしもサイドワインダーが外れたら、次の手段を何段階にも、準備だけはしていたはずだ。また、こんかい、一切報道は無いが、気球のデバイスからどんな無線信号が送信されているのか、ほどほどの距離からモニターし続けた電子戦支援航空機が、必ず、在空していたはずである。

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 Victoria Bisset 記者による2023-2-4記事「In a world of drones and satellites, why use a spy balloon?」。
   ロンドン大学の東洋アフリカ研究所の所長(支那系)氏が解説する。
 米軍は中共の沿岸域で、恒常的に偵察機を飛ばしている。それと同じことが、シナ軍にはできないものだから、シナ軍は悔しい。世間に対して見栄が張れない。それで、俺たちだって米本土の軍事施設を偵察できているんだぜと、目立つ形で誇示したい。それが数年前からのバルーン飛ばし。実質の偵察能力は、伴っていなくてもいい。視覚的な宣伝になることが、すべて。

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 Sakshi Tiwari 記者による2023-2-5記事「1000 Rounds Fired, Why Canada Could Not Shoot Down This ‘Research Balloon’ Using Best Of Fighter Jets 25 Years Ago?」。
    今回の事件のような高々度用気球は、膜が分厚くタフで、しかも、内部のヘリウムの気圧と外気圧との差がないため、かりに機関砲で穴をあけても、中味のガスはごくゆっくりとしか漏出してくれない。ヘリウムは水素と違って、燃えあがりもしない。

 いまから25年ほど前、逸走した気象観測用の巨大気球を、戦闘機で撃墜しようとしたことがあった。
 そのさい、20mm機関砲の弾丸を1000発以上、貫通させたが、気球は浮かび続けたという。

 APの報道によると、それは1998年8月のカナダでのこと。オゾン層を観測するための気球が、カナダを大陸横断し、大西洋に出て英国領空に到達。さらにそれはアイスラン領空も通過し、ひきつづいて北上しようとした。

 気球がニューファウンドランド上空を過ぎたところで、カナダ空軍のCF-18が2機、これを機関砲で撃墜しようとした。しかし1000発以上を撃ち込んでも、ヘリウムの漏出は緩徐であった。

 その気球の大きさは25階建てのビルに匹敵するものだった。
 しかし、相手は対気速度がゼロ。こっちのCF-18は高速飛行でないと浮いていられない。だから照準と発砲のチャンスが一瞬しかない。それで、てこずった。

 AAMを使用すると、爆発破片のデブリが降り注ぐことになる。下界の住民たちがこころよく思うはずもない。それで、ミサイルの使用は控えるしかなかった。

 他のメディア記事によれば、この1998年の放浪気球には、英空軍機や米空軍機もくらいついたが、撃墜できなかったという。

 ※南米のコロムビア上空を通過中と伝えられた別の支那気球に関しては、続報に接せず。

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 TOC の2023-2-5記事「In the city of Yelabuga, Russia begins Shahed drones production」。
   『WSJ』の報道によると、「シャヘド136」の量産工場はイェラブガという寒村に建設される見通し。年産6000機になるかもしれない。
 1月前半にイラン人技師がやってきたという。

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 2023-2-4記事「Russian oil restrictions could be threat to environment in Gulf of Finland」。
   ロシアから輸出される原油を西側先進国は買わないことにした。制裁として。
 その結果、フィンランド湾にやってくる原油タンカーは、西側先進国が傭船したものではない、いかがわしい素性のタンカーが増えるはず。それらはきっと、バルト海の海洋汚染を増してくれるだろう。

 フィンランド湾には、毎週、60隻から80隻ものタンカーが出入りする。それ以外の貨物船は150隻/週というところ。

 国庫歳入の三分の一を原油の輸出代の上納金に頼ってきたロシア政府は、こんごますます、原油輸出に注力するはず。

 ロシア自身は、タンカー船団は保有していない。だから、外国船籍のタンカーを、ロシアの港まで呼び込むことになる。それに応ずる国々は西側先進国ではなく、その差し回すタンカーは、建造年の古いボロ油槽船船が多いだろう。ナビゲーション装備にも不足のあるそれらのタンカーが、流氷だらけの冬のバルト海で、どんな原油流出事故を起こすか、知れない。

 ギリシャの船会社のタンカーが、きっと傭船されるだろう。

 流氷域を航行するタンカーには、特別に分厚い船殻が要求されるのだが、薄い船殻のボロ船が冬にやって来られると、氷との衝突で船槽に穴が開いて原油が漏れ出しかねない。バルト海は浅いし、フィンランド湾は沼袋のような閉じた海水面だから、汚染は超深刻になる。

 フィンランドの専門家の先生いわく。ノルドストリームを爆破したプーチンには、隣国に対する厭がらせとしてタンカーを意図的に沈めて海浜を原油で汚染してしまうくらいは、朝飯前である。複数のタンカーを同時に沈めておいて、ぬけぬけと「偶然の事故だ」と主張するだろう。いまからバルト海沿岸諸国は、そんな環境破壊テロにも備えねばならないのだ。

 次。
 2023-2-5記事「Britain Bans Migrants from Appealing Deportation」。
   英政府は、「国外追放された」と主張して英仏海峡を渡ってくる「ボート難民」の入国は認めない方針を打ち出す。英『タイムズ』紙の報道。

 2022年には、4万5756人もが、小船で英仏海峡を渡ってきやがった。

 次。
 2023-2-4記事「Coating prevents synthetic fabrics from shedding harmful microplastics in the wash」。
   ナイロン、ポリエステル、アクリル繊維、レーヨンなどの化繊衣類を洗濯機に突っ込むと、洗浄槽との摩擦でマイクロプラスチックが剥離し、それが排水といっしょに最終的には海へ、さらには大気循環で全地球を、マイクロプラスチックが充満した環境に変えてしまう。

 このたびトロントの大学研究チームが、化繊をシリコンベースの有機ポリマーでコーティングすることによって、マイクロプラスチックの生成を防止する技術に目処をつけた。

 次。
 AFPの2023-2-3記事「US, Philippines to restart joint patrols in South China Sea」。
   米国防省の発表。米比軍は、海上における合同パトロールを再開した。

 合同パトロールは、前政権のドゥテルテがとりやめていた。

 ※オースティンはフェルディナンド・マルコスに対して「熊プーは2027年に台湾侵攻すると命じた」という機密情報を伝達したのだろう。台湾作戦の前哨は比島になるから、今から大急ぎで米軍を比島内に再展開してもらった方がいいというコンセンサスに、比島指導層の内部が、達したのだろう。



VOICE2023年3月号


党の最高権力者に対して《グレーゾーン作戦》を実行してしまう、それが人民解放軍。

 「2027年までに台湾に侵攻できるように準備しろ」と熊プーから指示されたから、やってるだけですよ――と騒いでいる声が聞こえてくるようだ。

 雑報によるとNORADはバルーンが支那本土で昇騰されてから日本領空を横切り、ついでアリューシャン列島で米国の領空に入って北米本土中西部へ南下するまで、ぜんぶコースをモニターしていた模様。空自は何やってたの? 尖閣領空を初めて支那UAVが領空侵犯したときも、空自は気づかなかったよね?

 次。
 Stephen Bryen and Shoshana Bryen 記者による2023-2-4記事「A Chinese balloon exposes a massive vulnerability」。
    ペンタゴンの発表によると中共製バルーンの米本土領空侵入はもう何年も前からたびたびあったのだと。

 そして今回もペンタゴンは黙っていたが、最初に民航機の乗客が窓からバルーンを発見して騒いだため、世間に隠せなくなったという。

 ペンタゴンは撃墜には反対だという。デブリが民間人を怪我させかねないからだという。だがモンタナ州は過疎州で有名なのだ。

 正確な高度は発表されていないが、7万5000フィートだとすると、2万2860m。F-35は2万m未満でしか飛行できないので、機関砲での撃墜は無理かも。

 次。
 ストラテジーペイジの2023-2-4記事。
   M1に対して打つ手の無いロシアは、「マルケル」という3トンの無人装軌車が切り札だと宣伝し始めた。

 しかしこの試作品、もう6年も前から知られているものなのだ。
 偵察用として機能するか、たしかめられていた。それを、最近、武装させた。量産は、されていない。

 ロシアは2021年には、T-72B3をベースに無人化した「シュトゥルム」という兵器シリーズの研究にも着手している。こっちの方が最新企画といえるのだが、なぜかこっちは宣伝をしない。

 市街戦用の「シュトゥルム」には、短砲身の125粍砲や152㎜砲を搭載させているといわれ、なかなか面白そうなのだが……。

 2016年にロシアは「ウラン-9」という12トンのミニ無人戦車を2台こらえて、シリアで実戦投入してみた。武装は30ミリ機関砲と7.62ミリ機関銃。問題はデジタル無線回線の容量不足だった。最大2800m離れた場所に6×6の装甲トラックを控えさせて、そこからリモコンするつもりであったが、鮮明な画像が得られなかったという。

 けっきょく、リモコン用のトラックは、「ウラン-9」に400mまで近寄らないと、役に立つ映像を無線では得られないとわかっている。

 またロシアの技術では、走行する車両とデジタルデータ通信のリンクを常時維持し続けるのは難しく、映像がブツ切れになった。
 そのレベルだと、路上の障害物を運転手目線で発見するのが遅くなる。それで「ウラン-6」は、簡単に避けられるはずの障碍に当たってすぐに立ち往生するのである。

 30ミリ機関砲を発射すると、その振動のため、偵察センサーは、そのあいだじゅう、使い物にならなくなったという。

 7.62ミリ機関銃も、走行間は照準することができず、使用するときには、まず停車をさせる必要があった。

 「ウラン-6」〔上述の「9」と同じなのか違うのか、例によってさっぱりワカラン〕は240馬力のエンジンを搭載。
 アルメニアでは2020年に爆発物処理ロボットとして使われたという。

 ※戦場用のルーターのようなものを、陸戦用無人車のすぐ後ろの地面に落とさせる。そのルーターまでは有線がつながっている――という方式を当面は工夫するしかないのではないか。ロシアの場合はもっと割り切って、完全な有線操縦を考えた方がいいだろう。

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 Zama LUTHULI and Dinky MKHIZE 記者による2023-2-3記事「No lights, no water: S.Africans fume at cascading crisis」。
   南アフリカでは、毎日4時間の停電がある。
 電力が足りないので、とうとう、上水も止まってしまう地区がでてきた。ヨハネスブルグ市内ですら。

 南阿の発電所は、石炭火発である。かなり老朽の施設だ。

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 ロイターの2023-2-5記事「Fire at Odesa power substation leaves Ukraine port city’s grid on the brink」。
   土曜日の午後、オデーサの変電所が高負荷に耐えかねて燃え上がり、50万人近くの住民が電力を使えなくなった。修理には数週間かかるという。

 ウクライナ政府はトルコ政府に「発電船」を港へ派遣してくれるよう求めるとともに、国内に高性能発電機の在庫があったら1日以内にそれをオデーサへ搬入しろ、と指示している。

 ※火事になる前に計画停電できないというのはおかしな話だ。ユーザーに節電をよびかけていた風もない。この国には奇妙なエピソードが多い。

 土曜日のオデーサの気温はプラス2度であった。※真冬日が続いている函館市内よりも暖かいわけ。

 次。
 2023-2-2記事「Record for Ukrainian Railways: 470 km of new railway in 2022」。
   2022年中にウクライナの交通当局が改築またはオーバーホールした鉄道線路の総延長は470kmに達した。
 それとは別に、82kmの区間を電化した。

 また2月の開戦いらい、69の鉄道橋を破壊されたが、そのうち25は年末までに架けなおした。

 ※この国民はどこかおかしい。現下のロシアの侵略戦争はぜんぜん終っておらず、もし停戦があるとしてもまた何年かすれば再三再四「奴らは来た」となることは必定なのである。恒久的に隣国ロシアからの侵略や変電所空爆を予期しなければならない、エネルギー輸入国が、わざわざ鉄道を電化してどうするのだ? 水力発電ポテンシャルがありあまっているスウェーデンのような土地ならいざしらず……。 それよりもまず欧州標準軌に改軌するのが先ではないのか。この国の鉄道関係者は、ごっそり交替させたがよい。敵の工作員かと疑うレベルである。


今度、中共のバルーンが飛来したら、「グロホ」に上向きレーザーを搭載して、穴を開けてやるしかないだろう。

 米陸軍はストライカーに50KWレーザーを搭載して、飛来する迫撃砲弾を迎撃できたと言っている。
 高度2万mから上向きにレーザーを発射して「逸れ弾」になったとしても、誰にも迷惑はかからぬはずだ。

 ※きのう、BSか何かの録画で視た「廃坑井」の海外特番。ヘキサコプターにMADを吊るしてペンシルベニアの広大な自然公園の潅木帯を捜索させると、磁気変化に感応するので、簡単に、植生に埋もれていた遺棄施設を、発見できてしまう。これは対戦車捜索に使えるじゃないか。

 ※数日前、ケーブルTVのBSだけ信号が入らないという事象が数時間、発生しているのだが、これって例の「スターリンク」のせい?

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 W.J. Hennigan 記者による2023-2-2記事「Inside the US Army Plant Making Artillery Shells for Ukraine」。
   スクラントン陸軍弾薬工廠はペンシルベニア州の北東部にある。1908年創設の民間の蒸気機関車修理工場だったのが、朝鮮戦争の弾薬飢饉に直面して1951年に米政府によって買い取られ、155ミリ砲弾の弾殻の製造ラインに転換された。巨大である。49万5000平方フィート。とにかく内部で発生する熱量が大きい。

 バイデン政権はすでにウクライナ軍へ100万発以上の155㎜砲弾と装薬とを供給済み。

 全長数百マイルの最前線に宇軍が展開できている155ミリ砲(牽引と自走)の総数は、今、約300門である。

 米陸軍は、もっかの155ミリ砲弾生産ペースである月産1万4000発を、この春には月産2万発にひきあげ、さらに2025年には9万発/月に拡大したい。そのために今年のみでも19億ドルの予算がついている。

 スクラントン工廠で請け負っている弾殻の生産数は、毎月1万1040個である。

 この工廠は米陸軍が所有する。しかし運営はジェネラルダイナミクス社に委任されている。
 げんざい、週に5日は24時間稼動。金曜日は週末シフト。土曜と日曜は稼動させていない。

 砲弾の弾丸の殻は、スチールの棒(長さ20フィート、重さ2000ポンド)を圧延鍛造して成形する。
 連日、トラックで敷地内に運ばれてきたスチール棒は、マグネットのホイストで、赤レンガ造りの「鍛造棟」に。

 ロボットのカッターが、20フィートの長い棒を、1フィートずつ切断していく。この切断された1フィート長の塊を「ビレット」と呼ぶ。

 ビレットは、石炭が2000度に燃えている巨大な炉の中で1時間、あぶられる。ロボットアームの作業だ。

 赤熱したビレットは、それから90分のうちに、筒状に穴をあけられ、引き伸ばされ、プレスされて、長さが3フィートになる。

 ついでまだ熱をもっている弾殻は、「サブウェイ」と称される、床下のチェーンコンベアーに乗る。

 地下の無人空間を4時間、ゆっくりはこばれるうちに、熱が下がってくる。
 冷えたら、外観や寸法等を点検される。

 終盤の工程。30ポンドの半製品の表面を削って仕上げる。磨かれたようになる。仕上げの許容公差は「1/1000インチ」である。

 それから塗装。陸軍指定の濃緑色に。ここまで、3日間工程である。

 合格であれば、木製のパレットに梱包されてトラックでアイオワの炸薬充填工場へ送られるが、パレット梱包の前の段階で、セベラル月の時間がおかれるという。

 ※この記事には銅帯についての説明がない。しかしアイオワへ出荷する直前の梱包パレットの写真があり、それをみるに、すでに銅帯はついていて、その銅帯を保護する布(おそらくナイロン+ベルクロ)も巻かれている。あと、木製パレットには吊り上げ用のアイがボルト止めされているようなのだが、その質感がどうもアルミっぽい。おそらく出荷先の火薬工場にて万が一にも火花を発生させぬ用心として、安価な鉄部品は避けているのだと想像ができる。

 ※この記事には、砲弾の先端部分の加工の説明がない。しかし出荷直前の弾殻の前端近く(信管のすぐ下)のテーパー部分には、円環状の溶接痕がありありと見えるから、砲弾の「肩」をすこし絞ったあとで、そこに別パーツを継ぎ足し熔接しているのだと思われる。そこには信管取り付け用のネジ切り工作も必要であるはずだ。

 アイオワまでの輸送時間は10時間だという。信管もそこで取り付けられる。

 米議会は、スクラントン工廠と、そこからほど近い姉妹プラントである「ウィルクス – バー」工廠に対して、ライン増強資本として4億2000万ドルの予算を与えた。これで作業棟と機械が増やされる。

 最盛期に米政府は国内に86箇所もの砲弾工場を抱えていた。今は5箇所である。

 米陸軍の調達関係の文官ナンバー2氏によると、テキサス州に新規の155ミリ砲弾工場を建設するほか、カナダへも6800万ドルを投資して、砲弾製造能力を増強してもらうつもり。

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 Alexandra Prokopenko 記者による2023-2-2記事「The Risks of Russia’s Growing Dependence on the Yuan」。
    制裁でSWIFTから排除されたロシア経済は、貿易決裁のいろいろな抜け道を模索したものの、けっきょくクリプトカレンシーと「元」に頼るしかなくなっている。中国依存だ。

 ロシアはドルの威信を弱めたいと欲しているが、「元」に頼れば頼るほど、ドルは逆に強くなる。なぜかというと、中共政府には国際決裁通貨としての「元」の価値を維持する責任が生ずる。具体的には、人民銀行が大量にドルを買って保有しなくてはならぬ。
 今は世界の国際決済に使われる「元」の比率は3%でしかないが、ロシアが「元」を使うことによってこの比率が増してくれば、とうぜん、人民銀行にもドルを買い増す必要が生ずるのだ。ロシアと中共が結託しても、ドルを弱めることはできないのである。

 ロシア中央銀行は今年、「デジタル・ルーブル」の実験にも踏み込むつもりだ。

 次。
 Manuela Andreoni 記者による2023-2-2記事「A Proud Ship Turned Into a Giant Recycling Problem. So Brazil Plans to Sink It.」。
     2000年にブラジルが買った空母。『クレマンソー』級の『サンパウロ』。しかし、もう10年も繋留されたままだ。艦内がアスベストだらけなので、どの国もその解体工事を引き受けてくれない。退役直後にトルコのドックへもちこもうとしたのだが、そこで断られたのがケチのつき始めだった。

 困り果てたブラジル海軍は、もう、どこかの海で沈没させるしかないと考えるようになっている。

 次。
 Thomas Newdick 記者による2023-2-3記事「Germany Now Wants To Send Cold War-Era Leopard 1 Tanks To Ukraine」。
    ラインメタル社は、工場が保管している88両の「レオパルト1A5」を、ウクライナ向けに提供できると言っている。ドイツの一新聞に対して。
 ただし出庫前に再整備が必要。それに必要な時間は不明だ。
 ちなみに工場内の「レオ2」×22両をウクライナに出せるまでに整備するのには1年かかると言っている。

 やはりここでもネックは、105mm砲弾が足りないことであるらしい。大至急、戦車用の105mm砲弾を量産しなくてはならぬ。

 ブラジルが「レオ1」を250両ほども擁しているので、105mm砲弾を売ってくれとドイツ政府が頼んだが、断られている。

 ※どうせ戦車をもらってもウクライナ兵はそれを「野砲」として使うことしかできないんだから、車体を大改造してやる必要はない。しかしタマだけは無限に必要になる。

 ※レオパルト1の105mm砲の砲尾が「水平鎖栓」式だったことを、記事の写真で認識した。レオ1を模倣したはずのわが「74式」は、どうして垂直鎖栓にしてしまったのだろう? 「61式」の水平鎖栓を踏襲すればよかったのではないか? いまだに不思議でならない。あと、そろそろ三菱は教えてくれてもいいだろう。「90式」の砲塔正面の布カバーは、あれで何をしたかったんだ? たんに「継ぎ目」を人目から隠したかっただけですかい?


重さ7.5kgの「TM-62」という対戦車地雷を地面に置いて戻ってこられる力自慢のクォッドコプターを昨年10月から宇軍が駆使していることが分かった。

 雑報による。
 82ミリ迫撃砲弾ならば6発たてつづけに投下できるという。
 82ミリ迫撃砲弾は、NATO某国内の工場にて、ウクライナ企業が量産を開始している。

 次。
 Michael Slavin 記者による2023-2-2記事「Army cavalry exercise in Germany puts novel navigation to the test」。
   米陸軍が導入した最新の、末端兵がアクセスできるウェアラブルな情報システム。「統合戦術ネットワーク」という。
 地図の中に、自分の部隊の位置がリアルタイムで表示される。斥候兵は、それを通じて味方砲兵に、砲撃を要請することができる。キルチェーンが短縮される。

 わかりやすくたとえると、グーグルマップとワッツアップが統合されたようなもの。同じ地図を参照しながらチャットができる。

 南部ドイツで先日実施した「ドラゴンレディ」演習にて、試した。

 このシステムを使えば、偵察部隊は、未知の土地を、いままでの三倍のスピードで前進できる。
 分隊長の胸に、この通信システムは、縛着される。重い電池は背中で支える。電池は17時間以上、もつ。

 その土地の携帯電話の中継塔が、利用される。この場合、マップデータはクラウドでいい。
 もし既存の商用の中継塔が破壊されたりして使えなくなったときは、兵隊の端末が相互に中継局に化ける。
 それもうまくいかぬときは、各端末内にも最小限のマップデータがあるので、それとGPSを組み合わせる。


 次。
 James Lariviere記者による2023-2-2記事「The Unchanging Nature of Russian Combat Methods」。
    記者は退役海兵隊少将。統合参謀本部で「戦略計画・政策立案」担当だった。

 『ジャーマン・リポート(GERMAN REPORT SERIES)』を知っているか?
 膨大な冊数の大部の報告書で、全巻の出版完結は1950年代までかかっている。

 WWII終了時、米陸軍の欧州コマンドと、米陸軍の軍事史センターが合同で、独軍の歴戦将校に、東部戦線のソ連軍について、インタビューしまくった。その貴重なまとめ資料である。

 もちろん米陸軍は、次の相手がソ連軍だと予想したから、下調べに励んだのだ。

 そのシリーズの1冊に『WWIIにおける露軍の戦闘メソッド』というのがある。
 この内容は、今日のウクライナでもまったくあてはまっているように思われる。連中は75年間、進化なんかしていなかったのだ。

 ロシア兵は、個人で考えることもできないし、判断することもできない。人間的なことは一切無視する。死すらも無視する。

 民間人がいてもまったく関係なくふつうに攻撃する。民間人被害についてなんら顧慮することがない。

 下級部隊がイニシアチブを発揮することは政治将校によって禁じられているので、相手軍のより小さな部隊のイニシアチブによって、してやられる。

 自軍の兵隊の命も、顧慮しない。未訓練兵を、支援を与えずに、戦闘に加入させてしまえる。

 1942まで独参謀総長だったフランツ・ハルダー大将の観察はするどい。
 ロシア兵は、森林や沼地の通過能力が、超人的だった。ところがソ連政府が、都市の工場に農民を集中させるようになった結果、かつてのロシア兵のその能力は、低下しつつある、と。

 ※1945の満洲侵攻のスピードとコースがいまだに未解明すぎると私は思っています。機械力があっても越えられない東部の湿地帯をどうやって歩兵が越えてきたのか? 燃料は空輸で届けたことはマリノフスキーが書いているが、鉄道が使えなかったはずなのにどうやって弾薬を補給したのか? 要するに関東軍が弱すぎたのか。それはともかく、ウクライナ政府がとっとと鉄道のゲージを西欧標準軌に改築しておいたなら、露軍参本はもっと侵攻をためらったはずだと思う。たかが鉄道じゃないのだ。

 今日のウクライナ戦線では、戦前ソ連軍の唯一の長所であった超人的な不整地浸透能力のかけらも見られない。ロシア住民の野生の能力は戦後、ロシア全土において、とっくに消失したのだ。ハルダーの予想は、当たった。

 ジャーマンリポートは指摘する。ソ連軍は偵察を1回しただけでどんどん深く進行してくる。追加偵察を省略する癖がある。だから火力ポケットに誘い込んで殲滅させやすい。
 ウクライナでも先遣の前衛が各所で全滅している。同じパターンだ。

 ジャーマンリポートいわく。ソ連軍砲兵は、砲撃目標を1箇所に絞ることがない。広い面積を、ひたすら、等しい密度で砲撃し続ける。
 そんなやりかたでもなんとかなかったわけは、WWIIの末期には、1km正面あたり、250門から300門の野砲と迫撃砲を並べられたからであった。

 ※今は下部条件の逆転により、ウクライナ軍がこの方式を採用できるのである。その条件は揃っているのに、最高指導部に愚か者が多いため、「戦車をくれ」だとか「F-16をくれ」だとか、迂遠な要求ばかりしているのである。プロはいないのかと思う。迫撃砲を増やすのが先だ。それはすぐに増やせるのだから。1kmに300門くらい、西側の工業力をもってすれば、わけはないのだ。そして露軍にはその同質対抗はもはや不可能なのだから。

 英国のシンクタンクは指摘する。「シャヘド136」を都市に対して漫然と突入させた2022-10月の流儀は、WWII中のソ連軍砲兵の流儀そのものだ。プライマリー・ターゲットを決めないで、漫然と、弾薬を射耗してしまうのだ。

 ジャーマンリポートいわく。ソ連戦車のドライバー教育は酷いレベル。窪地や反対斜面を縫って動くことを考えずに、操縦が楽そうに見える、高乾地や稜線を進もうとする。自殺行為である。

 今日の露軍はもっと酷い。戦車が、道路からほとんど離れたがらない。
 これでは、戦車の「数量」を自軍の強みに変換できない。防禦軍の火力によって戦車が漸減させられるばかりである。総数が多くても、意味がないのだ。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2023-2-2記事「UK was left without 155mm serviceable self-propelled artillery」。
    英紙『デイリー・メイル』が伝えるところでは、英国は155ミリ自走榴弾砲の「AC90」を30両、ウクライナにくれてやることに決めており、その結果として、英国陸軍にはすぐに使える自走十五榴がなくなってしまうという。

 しかし英軍には考えがあり、これを装備一新の機会にするのだという。
 穴埋めには、韓国製の「K9」や、スウェーデン製の「アーチャー」を考えているらしい。

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 2023-2-2記事「Switzerland is considering the possibility of transferring tanks to Ukraine」。
   『ブルームバーグ』によると、スイス軍は300両の「レオパルト2A4」を「Pz87」の名で保有している。
 そのうち35両はドイツから輸入したが、残りはスイス国内でライセンス生産したものである。

 そして、山岳地帯のトンネルの中に、100両がモスボールされている。かれこれ10年も。

 ポーランド政府がこれに注目した。そしてリクエストした。
 スイスがポーランドにそれを委譲せよ。さすればポーランドから同量の別なAFVをウクライナへ与えられる、と。
 しかしスイス政府は断ったという。なにしろ連邦国家なので、いろいろな決定は、複数の議会や住民投票でいちいち賛成を得ないと、前に進まない。とても、そんなところに政治体力を注入できない。それが理由。

 次。
 Defense Express の2023-2-2記事「Russia Transfers Iskander Missiles to Belarus Violating Two Fundamental International Agreements At Once」。
   ベラルーシの国防省は、ロシアから「イスカンデル」の弾道弾タイプと巡航ミサイルタイプの両方を受領したと画像付きで公表した。
 これはロシアが2つの国際取り決めを破ったことを意味する。

 ひとつはMTCR。300km以上飛ぶミサイルを、その国産技術を持っていない国に譲渡してはいけない。これは多国間協定。

 また、巡航ミサイル型のイスカンデルの委譲は、2019年の米露間の中距離ミサイル全廃条約違反である。

 そもそも「カリブル」「R-500」が、1989年の米ソINF条約違反なのだ。INF条約によって廃棄したはずのミサイルを、プーチンが条約を蹂躙して復活させたのである。

 次。
 Defense Express の2023-2-2記事「How russians Offered to Repair Soviet “Varshavyanka” for Romania in Exchange For Grain, and What Came Out of This Story」。
   2022年にルーマニアはフランスのメーカーからスコルペン型の潜水艦を2隻、5億ユーロで買う契約を結んだ。たぶんもう1隻、追加で必要になるだろう。

 ルーマニア海軍は、1985年に調達したソ連製の古い潜水艦を1隻、捨てずにドライドックで保管している。それは1996年からいちども動かしていない。

 バッテリーが寿命で、充電できなくなっている。バッテリー交換費用は2000万ドル。ルーマニアの財務省は、そんなカネは出せんという。

 ロシアはこれに目をつけて、石油や穀物とひきかえにその動かない潜水艦『デルフィヌル』を売ってくれ、と呼びかけているそうだ。ルーマニア政府は、応ずるつもりはない。

 ちなみにクリミアのドックには『アルロサ』という潜水艦が、やはり、入れっ放し。修理もできずに8年間
放置されているという。

 次。
 Tim Close 記者による2023-2-2記事「Australia must boost investment to ensure strategic fuel security」。
   豪州はエネルギー輸出国であるが、同時に、石油については、輸入にまったく依存している。
 これは国家安全保障上の大弱点だと、10年前ジョン・ブラックバーン空軍少将(退役)が指摘したものだ。

 いま、豪州には、有事に使える68日分のエネルギー備蓄がある。

 米空軍は、最近、ダーウィンに、航空燃料を3億リッター貯油する設備の建設に着手した。2億7000万ドルかける。


空気取調べ室、略して空調。

 Mike Stone 記者による2023-2-1記事「U.S. readies $2 billion-plus Ukraine aid package with longer-range weapons -sources」。
    ロイターが火曜日聞き出したところによれば、米政府がまた20億ドルの対宇の追加軍事支援を決めたが、その中には、長射程のロケット弾が初めて含まれることになる模様。いよいよATACMSを渡すのか?

 米議会が定めた「USAI」というのがある。「ウクライン・セキュリティ・アシスタンス・イニシャティヴ」。総枠17億2500万ドル。もしここから大統領がカネを引き出して使う場合、それを現有の装備や中古武器の転送のために使ってはならない。必ず、米国内の軍需産業に新規に発注して製造させ、新品を納品させねばならぬ。そのような縛り。それでM1戦車の供給も年内には間に合わなくなってしまったのだ。

 ボーイング社とSAABか共同開発した新兵器「GLSDB」も新品発注になるはず。射程は150km。
 それより長射程の兵器としては、300km弱届くATACMS。

 ※新造ということは、また1年かかるわけじゃないか。どうも各国は、今から2年後以降のウクライナ関係の商売スキームを考え始めたようだ。半永久に自国企業が儲かるようなスキームを。さもないと国内政治で足をすくわれるからね。

 米軍の現有装備の中古兵器を他国に供与してやれる枠組みは「プレジデンシャル・ドローダウン・オーソリティ・ファンズ」という。これはしかし緊急事態の場合にかぎられる。

 ※有事となったら弾薬は米国からの補給をたのめばいい……などとのんびり構えていたわが国は、いかに危うかったか。まさしくウクライナが他山の石となってくれていると思う。

 次。
 『The Kyiv Independent』の2023-1-31記事「PM: Greece won’t send Leopard 2 tanks to Ukraine」。
    ギリシャの首相が『ニッケイ・アジア』紙のインタビューに答えた。ギリシャ軍保有のレオ2をウクライナに送ることはない。それらはギリシャの防衛に必要だから。

 ギリシャはすでにウクライナへはAPCを送っている。

 首相はトルコも非難した。ギリシャ国境にはりついてこっちを窺っている。またモスクワに対する制裁には加わろうとせず、むしろ経済協力し、スウェーデンやフィンランドのNATO加盟も妨害している。

 なおフィンランド政府は、コーランを燃やして騒ぎを起こした連中はロシア発の工作の結果だと言っている。


 次。
 Boyko Nikolov 記者による2023-2-1記事「British Gulf War tanks may be modernized and sent to Ukraine」。
   ドイツのラインメタル社は、ヨルダン政府にオファーを出した。
 ヨルダン陸軍が保有する古い「チャレンジャー1」を買い取りたいと。
 それをドイツ国内にてリファービッシュした上で、ウクライナへ提供するつもり。

 ドイツの新聞『ハンデルスブラット』が報じた。
 ヨルダンには「チャレンジャー1」が数十両、まだ残っている(買った数はトータルで402両である)。

 おそらく2023年末までに、ウクライナ軍が手にすることになるだろう。

 ヨルダン軍は2018年に「チャレンジャー1」を引退させて倉庫におさめてしまった。なにしろ、1999年の購入いらい、使う機会はゼロだったという。

 しかし米国製の「M60A3」はまだ使っている。そっちの方がもっと古いのだが、整備性が良好なのだ。
 FCSは、レイセオン社の最新式にアップグレードされている。

 ※チャレンジャー1は湾岸戦争でその120ミリ砲の威力を示し、それで売り込みに成功した。だが施条砲身対応の120ミリ砲弾は英国製を買うしかないのでどうしても割高。しかもエンジンが1200馬力で非力。重すぎるので故障しやすく、故障すると動かすのがたいへん。捨てられた理由はそんなところだろう。しかしなぜ今回、ラインメタルが乗り出したのかは、謎。

 次。
 2023-2-1記事「「Britain purchased 46 M113A1-B for Ukraine」
   ベルギーの民間軍事企業「OIP・ランド・システムズ」社は、その保有する多種多数のAFVのなかから、46両の「M113A1-B」を英政府に売った。英政府はそれをウクライナへ届ける手筈になっている。

 じつはウクライナ領内ではとっくに、同じ「M113A1-B」が目撃されている。それらもOIP社の所有品だったのだろう。

 ベルギーには「フランダース・テクニカル・サプライ」という中古軍需品の買取販売企業もある。2008年にベルギー陸軍が退役させた64両の「M109A4BE」を、そのとき買い入れた。

 それら私企業はいま、ウクライナ景気でうるおっている。
 「M109A4BE」自走砲の場合、英政府やベルギー政府がウクライナ援助用として買ってくれることから、売価は2021年の10倍になっているという。

 次。
 2023-1-31記事「Finnish Armed Forces Obtain Anti-Tank Missiles From Eurospike」。
    ドイツのディール社とラインメタル社、ならびにイスラエルのラファエル社の3者JVである「ユーロスパイク」社。そこが製造しているトラック発射型の長射程対戦車ミサイル「スパイク」を、フィンランド軍が調達することを決めた。

 「スパイク」は射ち放し式。オペレーターは、発射後は、誘導のことは忘れてよい。
 飛翔距離は、短射程型で4000m~5500mというところ。
 フィンランドは、中射程型と長射程型も購入する。

 次。
 CNNの2023-1-31記事「Wagner Commander Who Fled Russia Details Summary Executions 」。
   ワグネルの下級隊長だったロシア人がノルウェーに越境して亡命申請中。
 その証言。
 戦闘を拒否した隊員2名を、他の全員の前に引き立ててきて射殺したのを見た。
 こういうケースはたくさんあるんだと。

 ワグネルはロシア本土に、彼ら専用の墓地を用意している。その拡張ぶりは、衛星でモニターされている。

 この亡命希望隊長、生まれはシベリアのトムスクで、孤児として育ち、何件もの強盗事件にかかわった。ワグネル志願は2022-7である。

 下っ端だったからプリゴジンと直接口をきいたことはない。しかし訓練センターで見かける機会はあった。プリゴジンは何か病的な男だという印象を受けたという。

 次。
 Ashish Dangwal 記者による2023-2-1記事「US Offers MQ-9 Reaper Drones To Ukraine! General Atomics Ready To Sell ‘Cutting Edge’ UAVs For $1 ―― WSJ」。
    ジェネラルアトミクス社が政府に対して積極提案。政府と議会が許してくれるなら、我が社は2機の「MQ-9 リーパー」を総額「1ドル」でウクライナ軍に納品する用意がある、と。

 これは『WSJ』紙が、GA社の書簡を入手して報じた。

 ただし、タダほど高いものはない。GA社は、トレーニングとメンテナンスサービスを有償で提供する。ウクライナ政府は、初度支度金として1000万ドルを寄越さねばならず、また、爾後毎年、800万ドルのメンテナンスサービス料を払いなさい――という、いい気な提案だ。

 次。
 Sakshi Tiwari 記者による2023-2-1記事「1st Time In History, US Deploys F-35 Fighters To Greenland Where Russia & China Are Boosting Military Presence」。
    米空軍はF-35を初めてグリーンランドのトゥール基地に展開した。

 1月31日まで2週間、NORADの演習があって、それに参加した。
 機数が非公開なのだが、常識で考えて4機であろう。

 カナダ空軍はCF-18を参加させたようである。

 次。
 The Maritime Executive の2023-1-31記事「Report: Workers Glued Sheared Bolts Back Together on Nuclear Sub」。
   英海軍のトライデントミサイル潜水艦である『ヴァンガード』の修理にごまかしがあり、英政府は怒っている。下手人はデヴォンポートの王立工廠のバブコックス。

 『ザ・サン』紙が報じた。

 原子炉冷却系のパイプを断熱のために浮かせてあるボルト、すくなくとも7個の頭を、工員が捻りすぎて剪断してしまったのに、そのボルトを交換せずに、接着剤でごまかしていたという。

 次。
 NICK PERRY 記者による2023-2-1記事「US opens embassy in Solomon Islands to counter China」。
   合衆国は木曜日に「ソロモン諸島」に大使館をオープンした。中共の外交攻勢に対抗するため。
 前にも大使館はあったが1993に閉じていた。冷戦後に大使ポストを大削減したため。

 別な朗報。フィジーの新大統領は、それまで続いていた中共との「警察合同訓練」をもう止めると地元新聞に語った。先週。

 次。
 ストラテジーペイジの2023-2-1記事。
    2022年の中共国内でのスマホの販売台数は、2021年より13%少なく、2億8600万台であった。
 はじめて3億台よりも減った。

 全世界では、スマホは、2022年に12億台売られた。それも、前年より11%少ない。

 世界不況よりも中共不況の方が深刻だということ。理由はいくつかある。中共の労働者人口が急激に減りつつある。だから買い手は減り、造り手も足らない。追い討ちをかけたのが、政府。新コロ閉鎖がムチャクチャであった。

 ロシアの独立系メディアはどうやって政府による通信弾圧をかいくぐっているのか?
 「Telegram」という暗号アプリにシフトしたのである。ロシア政府は「テレグラム」のブロックに未だに成功していない。それで、ロシア国民は誰でも閲覧できる。

 ウクライナ国内での露軍の、旅団レベル以下の軍内通信は、スマホ頼りになっている。ウクライナ軍は、それを傍受することができている。
 露軍の部隊長は、戦闘地域では、音声通信はしない。スマホでテキストメッセージをやりとりする。それは電波送信時間を最短化するので、敵から位置を標定されるリスクを局限できる。しかし、内容は、やはり、読まれてしまう。

 専用の、暗号化される軍用無線機を支給すればいいのに、露軍はそれができていない。そんな実態も、独立系メディアが内外に報じている。

 次。
 Maya Villasenor 記者による2023-1-31記事「Why Military Leaders Need to Rethink Battlefield Intelligence in a Smartphone Era」。
    2014年から2016年にかけて、露軍のハッカーは一枚上手だった。ウクライナ軍砲兵隊が持っていたアンドロイドのスマホにマルウェアを仕込み、彼らの刻々の位置を把握できるようにしていたという。


回転寿司がダメなら「クレーンゲーム寿司」にしたらどうか。

 『タイムズ・オブ・イスラエル』の2023-1-30記事「Mossad carried out Iran defense facility strike for Israel’s own interests ―― report」。
    『NYT』が日曜日に報じたところでは、大型クォッドコプターを使ったイスファハンの工場への特攻自爆攻撃は、イスラエルの安全保障のためにしたことで、ウクライナへ輸出される「シャヘド136」を破壊しようとしたわけではない――そうである。

 実行したのはモサド。これは米国高官も承知している。

 イラン国防省発表。3機のドローンが土曜日に襲来した。うち2機は撃墜したが、1機が工場ビルの天井から突入したと。怪我人はいない。

 住民の目撃情報では、爆発は3~4回、起きたそうである。

 イラン国営TVは、このドローンはクォッドコプターで、小型爆弾を装備していた、と。

 じつはこのようなドローンを使ったイラン国内でのゲリラ攻撃は、2021-6と2022-2にもあった。前者はカラジ市の遠心分離工場。後者はケルマンシャー市のドローン工場が狙われたという。イスラエルの工作員はイラン国内に潜伏しながらドローン作戦を実行できるのだ。

 ※イランが拾ったドローン残骸の映像からマニアが機種を割り出した。2019年にレバノンで捕獲されたものと同じ、重量級のイスラエル製のクォッドコプターらしい。バックパックに隠せるようなサイズじゃない。自動車の後席全部を占領するくらいの大きさだ。

 ※イスラエルは、民間用ながら「防弾仕様」のアンビュランスを3台、ウクライナへ寄贈した。

 ※韓国がNATOからの要請に応えてロケットやミサイルを直接ウクライナへ供給するという雑報あり。ソース未確認。たぶんガセ。

 ※トルコは韓国から2億ドルの武器を買う。1500馬力の戦車のトランスミッション「RENK」が含まれているというのだが、まさかとおもうが、三菱重工のOBは韓国企業に再就職はしていないだろうね? エンジンは「MTU833」だそうだ。

 次。
 『モスクワ・タイムズ』の2023-1-30記事「Russia’s Top Automaker Hit By Car Paint Shortage」。
   「ラダ」を製造しているロシアの自動車会社「AvtoVaz」は、経済制裁のせいでペンキが足りないため、塗装の色を、白、黒、濃緑色の3種類だけに制限することになった。月曜日にロシアの業界新聞『Vedomosti』が報じた。

 「Niva」というモデルだと、濃緑色の1択になる。

 ラダのバイヤーは2022年中は8色の選択が可能であった。

 この自動車会社は2021年より46%少ない自動車しか22年には売れなかったのに、ロシア国内の新車販売の27.4%のシェアを占め、堂々のトップ・セラーである。すべては制裁の結果だ。

 次。
 Kelsey D. Atherton 記者による2023-1-30記事「Mass-market military drones have changed the way wars are fought」。
   バイラクタルTB2には、多数の米国製部品が使われていることが残骸調査で分かっている。
 GPS受信機は「Trimble」であった。搭載のモデム/中継無線機は「Viasat」製であった。ガーミン社製の「GNC 255」も載せている。

 オフザシェルフを徹底活用しているから、システム全体がバカ安いのだ。MQ-9 リーパーが2800万ドルなのに対して、TB2は500万ドルである。

 ISがDJIの「ファントム」から手榴弾を投下したのが2016年だった。

 2018年、ウクライナ軍はドネツクで、改造したDJI「Mavic」から露系民兵の塹壕の上に小型擲弾を投下した。

 ※SNSにUpされるドローンからの爆撃シーンが、ここ数日来は、RPGの弾頭の改造品が多くなっている。以前のような、たんなる破片生成擲弾ではない、本格的なHEAT弾だ。たぶんこの背景には、ロシア戦車があまりこっちに肉薄しなくなって、ウクライナ歩兵がRPGを発射して防戦しなければならない状況が、懸念されなくなっていることをも示唆すると思う。だから、惜しむことなく、RPGを投下爆弾に改造してしまえるのだ。

 次。
 Defense Express の2023-1-31記事「Ukraine Has Already Received 500 Trains with Weapons and Ammunition Sent by the USA, Western Countries」。
   2022年にウクライナは、西側諸国から「500列車」に積載された武器弾薬を受取ったという。
 うち米国分は141列車。残りは他の諸国の物資だ。
 これは米陸軍の鉄道補給専門家のトッド・エリソン大佐が、鉄道運営の国際年次イベントで語った数値。ポーランドのニュースサイトが報じている。

 米本国から船積みした武器弾薬も、どこかの港で貨物列車に載せかえて、ウクライナ領土まで届けているのである。直接、貨物船でウクライナの港に揚陸したりは、していないのだ。

 ※その前に米本土内で、特定の港まで物資を内陸から延々と移送しなければならない。これにも主に鉄道が使われているはず。

 今日でも、軍事貨物の鉄道輸送には「ディーゼル機関車」による運行が最も信頼ができる。しかし西欧の鉄道はほとんどが電気機関車なので、いざというときに、こころもとない。大佐はそれを強く感じた。

 東欧の鉄道の問題は、ネットワーク密度が薄すぎる。これではNATOが東欧で露軍と対決するときに、大いに困るであろう。必要な軍需品を直ちに最前線へ届けられないのだ。
 げんに、ウクライナ軍へ物資を速くとどけようとしても、鉄道で停滞してしまうのである。

 ポーランドの北東国境へ集中する鉄路が疎なのも大問題だ。
 欧州標準軌の1435ミリ・ゲージと、ソ連規格の1520ミリ・ゲージの混在もまずい。西側圏は1435ミリで統一すべきだ。

 ※黒田清隆は明治の初めに米国を鉄道で横断してみて、鉄道網が整備されていれば鎮台や屯田兵は少なくしてもいいのだと確信できた。ところが日本の場合、2つの大問題がたちはだかる。ひとつは、本州の策源から満洲・沿海州まで1本の鉄道で連接することができない。途中で「汽船海送区間」と「鉄道空白荒野」「無橋河」がいくつも挟まるのだ。この条件でプロイセン式の動員速度を実現することは不可能だった。さらに朝鮮政府も支那政府も、日本軍が満州まで急速にかけつけるための鉄道の敷設や運用に、協力する気が無かった。戦前の時代でも、他国の主権領土内に軍用鉄道を維持することは、どの先進大国にとっても、難題だらけであった。けっきょく日本は、満洲に達する鉄道を確実に監理するために、朝鮮を併合する必要があり、また満洲事変も起こさねばならなくなった。しかもそこまでしてもなお、半島や満洲に数個師団を常駐させねばならない負担は、解消されなかったのである。その戦前の日本の苦労に比べたなら、ウクライナの現状は天国だ。軍用鉄道を敷いてやるから土地を出せといえば、今のウクライナ政府はよろこんで出す。そこに標準軌の複線貨物鉄道を敷いてやれ。これなら日本政府もすぐに協力を約束できるはずだ。電化の必要はない。機関車はもちろん、ディーゼルに限る。理想的には、ディーゼルで発電する電気機関車だ。これだと客車もつなぎやすいから。さらにターミナル駅からは、「軽便鉄道」を四通八達させること。その動力は石炭でいい。ハイテクの低公害ボイラーが可能なことを見せつけてやれ。エネルギーを自給できないウクライナの復興は、最も省エネの陸上輸送手段である、鉄道によるべし。

 次。
 Defense Express の202-1-31記事「’Duet’ of Australia and France Will Manufacture 155-mm Shells for the Armed Forces of Ukraine」。
   もっかウクライナ軍は1日に5000発の野砲砲弾を発射中である。
 『ルモンド』紙によると、フランス政府と豪州政府は、もうじき数千発の155㎜砲弾を供与する。

 ※それは「2日消費分」で終るかもしれないわけだ。尤も宇軍の野砲の口径はさまざまなはず。155㎜だけの消費ペースは不明である。戦車砲の榴弾や、迫撃砲や、転用の対戦車砲・高射砲なども「野砲」にカウントしているのかもしれないし。

 フランスでは「Nexter」というメーカーが155㎜砲弾を量産する。豪州からは装薬を供給するという。そこにかけるコストは「数百万ドル」だという。

 1発の155ミリ砲弾は3000ユーロ以上するはず。とすれば、2000発から3000発の155粍砲弾を製造すれば、そのコストは600万ドル~900万ドルとなる。

 ※フランスは150人の将兵をポーランドの基地に派遣し、そこでこの夏からウクライナ軍将兵2000人を訓練してやるという。もう短期戦はあきらめたわけやね。2年を過ぎてからが、長期戦の本番だ。

 ※クラスノダールの有名レストランで、ある親父が、この戦争はダメだという話を声高にしていたら、別のテーブルの客が警察に通報して、その夫婦と9歳の子供がしょっぴかれたという。

 次。
 Kelly Agee and Hana Kusumoto 記者による2023-1-30記事「DOD failed to apprise Japanese medical providers about a potential wave of US patients」。
   米国防省は昨年10月、在日米軍関係の民間被雇者とその扶養家族は、基地の米軍病院ではなく、市中の日本のふつうの病院で診てもらいなさいと示達した。ところが日本の外務省も厚労省もそんな話を事前に相談されていなかった。そこで大トラブルになっている。

 10月1日の示達は、在日米軍の病院がパンクしているため、当日外来を制限するとした。すなわち当日外来を受け付けるのは、急性患者、非再発患者、一時的な軽症発病者に限るとした。それ以外は前日予約するか、日本の市中病院へ行け。

 米軍と日本政府はいろいろな合意を結んでいるものの、ヘルスケアに関しては、日本政府は米軍からなんら、命令は受けない。

 米軍関係の民間軍属が行くであろう市中病院としては、たとえば「NTTメディカルセンタートーキョー」がある。ここはインターナショナルクリニックを標榜している。

 2022-8にヨコタ基地の「第374医療群」は、現役兵の治療を優先するため、小児科サービスや慢性病の通院者に対する治療を停止した。米軍人や軍属が加入する「トライケアー・プライム」という総合保険では、家族が軍病院で診てもらえることになっているのだが。

 横須賀海軍病院では22年9月からそうした非現役将兵以外に対する施療を制限。そして2023-1-1からは、日本国内のすべての軍病院がそれに続いている。

 これによって横須賀基地の周りだけでも4000人のシビリアンが、日本の病院を探さなければならなくなっている。

 代替診療機関がうまくみつからない家族は、米本土に戻ることも検討している。

 次。
 ロイターの2023-1-31記事「EU coal rebound smaller than feared in 2022 energy crunch」。
    2022年の全欧の石炭消費は、21年よりも1.5%増えた。欧州の石炭火力発電は、欧州のすべての発電方式のうちの16%を占めた。

 他の発電方式をみると、天然ガスが20%、風力+ソーラーが22%、水力と原子力が32%である。

 ※欧州の場合、重油火力発電がゼロなのか?

 EUのソーラー発電は、22年は21年より24%増えた。39テラワットアワー。他方、フランスの原発がメンテナンス工事に入ったのと、日照りでダムの水力が減ったので、火発による二酸化炭素排出は4%弱、増えた。

 ※数年前から知られているライフハックで、厳冬期に一晩、露天駐車していた乗用車のフロントウインドウの氷を、翌朝、早く安全に融かしてやるには、熱すぎない温水を満たしたビニール袋で、外側から擦るよい――というのがあるのだが、それがほんとうに有効であるのなら、冬は、特別な「ゴム袋製のワイパー」の中に温水を循環させたらよいのではないか? あと、なんでカーショップは、それに特化したハンディな道具を商品化しないのだろう? たとえば、ホッカイロの酸化鉄の原理で、「鍋掴みミトン手袋」状の袋の内容液を短時間に温水化できるようにし、ユーザーはそれを手袋のようにはめて手動でウインドウ表面を擦ることができる道具が、「物理的氷スクレイパー」の代わりに、車内に常備されていればよいはずだ。その熱源とするフィルムまたはカートリッヂは消耗品で、毎回、使い捨てるのである(熱が勿体無いからとりあえず車内のカップホルダーに冷えるまで安置)。米軍の野外戦闘用レーションは、とっくにこの原理を使って、レトルト袋の中身を野外で温食化できるように工夫されている。それを応用すればいい。


つながってますか?

 KIM TONG-HYUNG 記者による2023-1-30記事「NATO chief urges Seoul to send military support to Ukraine」。
   NATOの事務総長、ストルテンベルグが月曜にソウルを訪れ、韓国がウクライナに直接に武器を供与するように要請した。

 もしわれわれが自由を信じ、民主主義を信じるなら、そしてもしわれわれが独裁や恐怖政治が勝利することを望まないのなら、軍事支援をステップアップさせるときだ。ウクライナは武器を必要としている。これがリアリティだ。

 次。
 Marina Aronova 記者による2023-1-29記事「Punished By Western Sanctions, Russia’s Airlines Are Showing More Cracks And More Problems」。
    1月9日、「S7航空」に属する機齢4年の「エアバスA320」がシベリアのブラツクを離陸しモスクワへ向かう途中、トイレットシステムが故障。同機は予定を変更して途中のカザン空港に降りることを余儀なくされた。

 その4日前、「レッドウイング航空」に属するジェット旅客機がカザンからエカテリンブルグ向かって離陸したが、脚が引き込まれず、元の空港へ引き返した。

 太平洋地区の民航責任者は2ヵ月前から、同地の民航線には2023年から新機材が必要になるとモスクワへ訴えていた。

 搭載しているエンジンがカナダのP&W社製である。カナダの対露制裁にともない、そのエンジンの整備をしてもらえないのだと。

 ※カナダのPW社ならターボプロップだから、DHC-6のことだろう。

 西側の経済制裁のため、ロシアの民航機材は、数ヵ月も「共食い整備」を続けている。

 ロシア製のツポレフやIrkutsも、西側製の部品があちこちに用いられているので、ご同様だ。

 カニバリズム整備は平時にもなされることはある。しかし、一国の全航空会社の全機材に大々的にそれが行なわれようなことは滅多にあるもんじゃない。

 2022-12に「テレグラム」の航空チャンネルでこんなリポートがされている。すなわち、ロシア国営の某航空エンジンメーカーが、こういうことを推奨している。スホイ社製の近距離旅客機「スーパージェット100」の汚れた燃料フィルターを、新品と取り替えることは不可能になっているので、ブレーキオイルを使って洗浄して使い続けてくれと。

 「ヤクーティア・エアライン」は、4機の「スーパージェット100」を飛ばすために、2機の「スーパージェット100」から部品をやたらに取った。困るのは、それらの機材はリース品だということ。まともな姿で返せないわけである。

 次。
 David Brennan 記者による2023-1-28記事「The Battle for Ukraine’s Titanium」。
    米国は本土のチタン鉱山が2020年までにすべて閉山してしまっているので、チタニウム合金の原材料を海外に依拠している。
 そしてウクライナは、チタンのスポンジ(原鉱石)を産出する7大国のひとつである。

 2022年の統計。最大のチタニウムスポンジ採掘国は中共で23万1000トン。これは世界の57%である。
 次が日本で17%、その次がロシアで13%と続く。
 カザフスタンは1万8000トン。
 ウクライナは4000トンだ。

 ロシアの「VSMPO-Avisma」は世界最大のチタン輸出企業で、ボーイング社とJVの関係を結んでいた。
 ボーイングは対露制裁の一環として新規輸入を止めたのだが、エアバス社はまだVSMPOからの輸入を続けている。

 米国やNATOの工業国は、モスクワはいずれ、チタン原材料の輸出を禁止することで西側を揺さぶりにかかると見ている。それに備える必要があるだろう。

 ロシアはチタンの産地でありながら、自国内にはスポンジの在庫はない。近年は、スポンジをウクライナから輸入していたという。だからウクライナのスポンジ在庫に無関心のわけがない。それなしでは航空機やミサイルは製造できないのだ。

 2022-2-24の開戦から数ヵ月にして露軍は、ウクライナ国内の2箇所のチタン鉱石の集積所を占領した。
 だがその前から確保作戦は進んでいた。

 富豪の鉱山主、ドミトリー・フィルタシュは今、オーストリアへ逃れ出ているが、2021年に、ザポリッジアにあるチタンとマグネシウムの工場(欧州で唯一のチタンスポンジ精錬工場)の株式の49%を売り払うことを強いられた。この工場は開戦前から露軍のためにチタンを納入していた。
 2022-1にはフィルタシュは、クリミアに保有していたチタニウム工場を、ロシアのチタン関連会社に売却している。

 戦後のウクライナ再建には1兆ドルかかるだろうと見られている。
 この事業は外国にとっては飯のタネにもなり得る。
 ゼレンスキーは、国内のチタン鉱やリチウム鉱を餌にしてなんとか西側から復興事業を誘引したいと思っている。

 ※スマホのワイファイは来ているのに、PCがワイファイにつながらないという事象が、時折発生します。自分ではどうにも解決ができず、何時間も経って調子が戻るというパターン。もう何年も前からです。本日もその事象が起こりました。今回は、スマホで参照したニュースの内容を手書きでメモしました。それで以下は、記事タイトルなどをほとんど省略した形でご紹介します。すみません。(これが起こるたびに、田舎の独居老人に「インターネットはいいですよ」とは勧めがたいと三省させられます。彼らに、PCのトラブルシューティングの精神ストレスをかけるなんて、申し訳なくて、できません。)

 ※露軍の空襲流儀。まず「シャヘド136」を複数放ち、宇軍のSAMを消費させ、あるいは防空資源を分散させてから、巡航ミサイルを放つ。また、大空襲のあと、住民の気が緩んでいるところに、単発で、ミサイルまたは自爆機を放つ。これはウクライナ人の心理を疲弊させるための手口。

 ※ロスコスモスとかスホイなどいくつもの企業の社長を兼ねていた人物が1月26日にモスクワ市内の自宅アパートで焼死体になっているのが発見されたという。

 ※オランダ空軍はポーランドの基地にF-35を8機、移動させる。

 ※ブラジルなど中南米政府は一斉に、国内からウクライナへ武器を送ることを禁ずると声明した。


イスラエルがアゼル領内からイランを無人機攻撃か?

 APの2023-1-29記事「Iran reports drone attack on defense facility in Isfahan」。
   テヘラン時間の土曜夜から日曜日午前にかけ、複数のドローンが、イランのイスファハンにある複数の施設を空襲した。

 イランはドローン×3機を撃墜したといっている。

 イラン国防省は、犯人が誰かについては言及せず。

 イラン国営テレビによると、タブリーズでも空襲による火災が発生している。

 ※これに関連する過去記事を以下に紹介する。

 Dorian Jones 記者による2022-11-29記事。
   イラン政府は、国民の関心を、国外の敵へ向けさせたくて必死である。隣国のアゼルバイジャンは、その対象としてちょうどよい。あとは、イラク内のクルド人。それと、アゼルの背後のトルコやイスラエル。

 トルコとアゼルの間には「シュシャ合意」というのがあって、アゼルがもし攻撃されたりその危険があるときには、トルコが無条件で助力することになっている。

 イラン北部には、多数のアゼル系住民が暮らしている。スパイが国境線を越えるのはどちらにとっても簡単である。

 ※さらに10年以上前の過去記事も見よ。

 Giorgi Lomsadze 記者による2012-12-4記事「Azerbaijan: No Israeli Attacks on Iran Allowed」。
   アゼルバイジャン政府は言明した。わが国は、イスラエル空軍がイランを攻撃するための発進基地にはならぬ、と。
 12月2日、英紙『サンデイタイムズ』が、イスラエルの「ターミネーター」という無人機がアゼル領内から発射されてイランの核施設を空爆できるし、その前にイランのSAMを無駄射ちさせるための囮機を多数、飛ばす算段だ、と報じたことを承けて。

 この時点でイスラエルの「ヘロン」無人機は、米国製のヘルファイアを地上に向けて発射できるようになっている。

 ※もうひとつ、10年以上前の記事も。

 Gabe Fisher 記者による2012-12-9記事「Iran claims Azeri drones are plying its border under Israel’s watchful eye」。
   イスラエルの技術支援でアゼルが組み立てた無人偵察機が、イラン国境内を偵察しているとイランは非難した。機種は「オービター」と「ヘルメス450」だと。

 10月には、イランの工作員となってアゼル内の米国やイスラエル関係のターゲットを攻撃しようとしたとして22人の被告が有罪認定され、懲役刑が宣告されている。

 次。
 Defense Express の2023-1-29記事「Satellite Imagery From the Shahed-136 Factory in Isfahan Appeared After an Alleged Strike」。
    イスラエルのドローンが攻撃したイスファハンの工場には「シャヘド136」の製造ラインが含まれていることが、翌朝撮影の民間衛星「スカイサット」の写真で確かめられた。

 空襲は現地の1月28日の夜23時30分だった。

 ちなみにイラン国内の時刻帯は周辺国とはわざと違えてあり、「UTC+3時間30分」である。

 イランは、ロシアからの「シャヘド136」大量発注に応ずるために、製造ラインを急遽拡大した。飛行機格納庫のような建物が増設され、その中で組み立てられていることが、昨年11月下旬の衛星写真で把握されている。

 通常、イランは、大事な製造プラントは地下に建設する。しかし「シャヘド136」に関してはその時間の余裕がなかったようである。

 ※雑報によるとイランのTVが「損害は小さい」と宣伝するため、その工場建屋や、回収したドローン残骸の写真を公表している。ペラペラのビニールハウスのような外観だ。しかしなんと屋根板のその表面には「スペシャル・メッシュ」。すなわち金網で特攻ドローンの突入を食い止めるという配慮が、もうしてある! 早え! というか、日本が遅すぎるじょ~!

 次。
 Greek NEWS の2023-1-29記事「Greece to send Leopard-2 tanks to Ukraine」。
   ギリシャ政府も「レオパルト2A4/2E EL/2A6」をウクライナに寄付するという。
 14両くらいだという。

 Evrosから積み出す。

 じつはギリシャはドイツ国外では最大の「レオパルト戦車」保有国。レオ2が350両あるほか、「レオパルト1」も500両も持っている。専門家によると、レオ2のうち古い「2A4」型が183両あるから、そこから40両とか80両ばかり、ウクライナにくれてやってもいいんじゃないかという。

 次。
 Jerome Starkey 記者による2023-1-27記事「SHOCK & ROLL Army hammering out emergency plan to keep Putin’s hands off top secret British armour if tanks are damaged in Ukraine」。
    英陸軍は、「チャレンジャー2」が露軍に鹵獲されることは、なんとしても防ぐつもりで、すでに対策を練っている。チョバムアーマーの秘密は絶対に渡さぬつもりだ。

 なんと、民間軍事会社の社員を前線へ特派しておき、「チャレンジャー2」の戦場回収を確実にさせるという案も、検討されている模様だ。

 ちなみに英軍の「チャレンジャー2」の保有総数は227両。うち、すぐに戦場で使えるのは6割だという。
 30両は前からエストニアに置かれている。そこから14両をウクライナに搬入するのだろう。

 かつてイラクで「チャレンジャー2」の120ミリ砲は、敵戦車を射距離2.5マイルで破壊した。これは世界レコードである。

 英国はMBTを縮小する方針で、現有「チャレンジャー2」のうち149両だけを「3」にアップグレード工事させることにしている。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2023-1-29記事「Japan and India may be invited by the UK to join ‘NATO 2.0’」。
   英国議会の国防委員会の委員長、トビアス・エルウッドは、「日本とインドをAUKUSに入れよう」と主張した。AUKUSとは、豪州に核動力潜水艦を持たせるための必要な技術移転をする、英米協働の枠組みである。エルウッドは保守党である。

 ※つまり今や、日本に原潜を持たせたくてたまらないのは、米英なのだ。えらい時代になった。あらかじめ言うが、こんな話に乗ってはいけない。中共が滅亡するペースの方が早いので、日本の投資は逆に未来のお荷物になってしまうから。それと、インドは今次ウクライナ戦争で、ハッキリと《ロシアサイド》だとバレただろう。信用できないにも程があるんだよ。

 スカイニュースによると、エルウッドは《NATOのインド太平洋版》を夢見ている。

 ※中共は国家大戦略における「スピード」の緊要性を理解できていると思う。敵より遅い政策スピード(optempo をもじって politempo とでも呼ぼうか)では、長期グローバル競争で敗退必至なのだ。ところが案外なことに、米国人の国家安全保障プランナーの中には、ここを理解できてない者がたくさんいるのだ。理解していれば、ウクライナにはM1戦車なんかではなく、無人特攻機をまず援助しようという話がすぐにまとまるはずだ。


 次。
 Dan Lamothe 記者による2023-1-28記事「US general warns troops that war with China is possible in two years」。
    マイケル・ミニハン大将は、米軍の「航空輸送コマンド」の長。国外での輸送機や空中給油機を統括する。

 彼は2月1日に、数千人の部下たちを前に次のような檄を飛ばす気らしい。

 ――間違っていてくれればよいが、オレの全身直感が教えてくれる。2025年だ。2025年に米中は開戦する! 台湾の2024選挙が、熊プーに、米国との開戦理由と機会を与えるのだ。熊プーの幕僚たちはすでに2025に照準を合わせて準備をしているぞ。

 航空侵攻作戦では、兵装の命中精度がすべてだ。敵の頭を狙って殺せ。その腕の練磨を怠るな。

 漫然と訓練するな。始める前に緊張でガチガチになるくらいでなかったら、お前は何のリスクも取ってない証拠だ――。

 このメモをすっぱぬいたのはNBCニュース。メモの日付は2月1日となっている。

 ミニハンはインド太平洋地域にはかかわりが長い。2019-9~2021-8のあいだは、インド太平洋コマンドのナンバー2だった。

 ちなみに2021年にインド太平洋コマンドの長、フィル・デビッドソン提督は、熊プーが台湾侵攻を開始することによって始まる米支戦争は2027年だろうと予言している。これいらい、2027年は「デビッドソン・ウインドウ」と称される。

 ミニハンは、空軍に入ってまずC-130のパイロットになった。そこが経歴のスタート。
 彼は、米国建国いらい、最も多数の敵国人を殺したのは、空軍なのであ~る、と昨年9月に軍人の集まりにおいて演説し、「リーサリティ」をしきりに強調した。

 『タスク&パーパス』誌にはこうも語っている。お前が敵を殺せるとき、お前の人生はすべてOKだ。メシはうまいし、結婚生活はより鞏固になる。
 ……つまりはそういう人らしい。

 次。
 2023-1-29記事「300 wounded Wagner mercenaries brought to hospital in Luhansk Oblast, but ‘doctors refuse to treat them’」。
   ルハンスク州の「Yuvileine」病院にワグネルの負傷兵300人が担ぎこまれてきたが、医師たちは施療を拒否した。理由は、ワグネルの傭兵たちがエイズ、梅毒、結核などさまざまな伝染病を持っていて、接触する医療従事者や他の患者にとって危険であるから。

 いちおう、ワグネルでは、エイズ持ちには赤いリストバンドをさせ、肝炎持ちには白いリストバンドをさせているのだが。

 ※雑報によるとこの9月より、ロシアの中学校で軍事基礎教育が必修になる。AK自動小銃の分解組み立て。手榴弾用法。停止間動作や隊の動作の演練。学科課程名目は「生活安全の基礎」学習だと。

 次。
 GMA Integrated News の2023-1-28記事「No fishing gear found on Chinese vessel rescued in Eastern Samar – PCG」。
    サマール島の東沖の比島領海内で、しごく怪しいシナ船が救助された。漁船形状なのに、漁具が皆無なのである。
 フィリピンの沿岸警備隊が、調査を進めている。

 次。
 Brady Kirkpatrick 記者による2023-1-27記事「How to choose a red dot for your shotgun」。
    購入した散弾銃に、レッド・ドット・サイトを後付けしたい人に、アドバイスする。

 「ホロソン 507c」という商品がある。マルチプル・レティクルである。これは自宅防衛用として、最適なレッドドットサイトだ。
 丸印の表示のひろがりが「32MOA」である。〔ミニット・オブ・アングル は、全周360度の「60分の1」を「1分」と数える単位法。〕

 このMOA値は、家庭用銃撃戦が起こる至近距離に、マッチしている。

 3MOA、6.5MOA、8MOAも、近距離の銃戦に向いている。

 鹿撃ちをするために散弾銃を持っているのなら、常用射程は最大級だから、レッドドットは「1MOA」に表示されるものが理想だ。しかし、もっと安価な「2MOA」を好む人もいよう。

 MOA値以外の機能面では、いざというときに、電池が切れていないと信じられるものがよいぞ。
 レッドドットサイトは高額である。それが、かんじんなときに電池切れで役立たないことがあるのでは、悔やんでも悔やみ切れまい。
 この点にメーカーがどれだけ配慮をしてあるか? それはカタログには現れ難いものだ。

 発射反動で照準機が壊れてしまうことはないか?
 多くの商品は、12ゲージの反動では壊れないようになっている。

 夜間も役に立つか?
 レッドドットは、むしろ夜間において調子がよい。
 標的そのものが見えないとしても、いま自分の銃が、風景のなかのどこを照準しているのか、射手に確かに教えてくれるからだ。つまりは、それだけキミも仲間も安全になるわけ。

 グリーン・ドットの商品もあるが?
 グリーン色は、人間の注意を惹く力が赤色よりも高い。だからそっちを好むユーザーもある。
  ※そのかわり電池の減りが早いはず。

 次。
 Kirill Buketov 記者による2021-1-29記事「Are Russia’s plans to reform its army realistic?」。
    ロシアの徴兵改革。あと35万人増やして総勢150万人にするというのだが、それには根本から制度をいじくらなくてはならない。

 まず、徴兵年齢。現行は18歳~27歳だが、これを、21歳~30歳に変更する。それによって、大学にもぐりこむことによって兵役を逃れるという手を使えなくする。

 法令改正はまず、徴兵上限年齢をこの春から30歳にする。そして後日に、徴兵下限年齢も引き上げる。

 ちなみに新兵は毎年、春か秋のどちらかに入営する。年季は1年だ。

 ウクライナ海軍の軍令部長のリュゼンコはしかし、指摘する。頭数ばかり集めても、今ですら、新兵に渡す兵器・装備・弾薬・被服が欠乏しているのがロシアの実情。どうすんの? そこへ35万人も追加して。

 リュゼンコによると、1人の新入隊員にすっかり軍装を整えてやるためには、8万ドルかかるのだそうだ。

  ※この数字は初めて聞いた。被服とテッポウだけでなく、ボディアーマー、ガスマスク、耐化学外被、アトロピン静注キット、止血キットなどもコミなのか? しかし、暗視装置や軍用無線のような電子デバイスが加わらなければ、数百万円は増えないとも思うが……。おそらくこれは、新兵の年俸総額と事務経費がコミだな。

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 2023-1-29記事「The Ministry of Defense of Ukraine ordered 105 Vector UAVs in Germany」。
   ドイツ政府は、ドイツの予算で、ドイツ製の「Vector」という偵察ドローンを105機、ウクライナにくれてやる。

 ※このニュースの見出しは、あたかもウクライナが「買う」ような書きぶりだが、カネはドイツ政府が出す。


 メーカーは「Quantumシステムズ」である。

 ウイングスパンは2.8m、巡航速度は15~20m/秒、最高速度は72km/時。12mの風が吹いていても、VTOLできる。歩兵1名がバックパックにかついで運び、最前線で組み立て、垂直に離陸させ、固定翼で巡航し、回収は垂直着陸による。
 無線は15kmまで通じる。特別な基地局を使えば25km先まで飛ばしていい。滞空は2時間可能。

 ※写真を見ると、独創的な製品である! メーカーは、これを世界に自慢&宣伝したくて、ウクライナにプレゼントするのだなと分かる。左右の主翼前縁と、垂直尾翼の前縁に、電動のティルトローターがついている。これが90度首を振ることによって、VTOLと水平飛行を両立させる。離着陸時だけ、3軸のマルチコプターとなるわけ。だから「車輪」を備え付ける必要がない。着陸ギアのための「死重」と、空気抵抗を、まるっと追放できるわけだ。これは「コロンブスの卵」じゃないか。なお垂直尾翼前縁のローターの下向き気流と干渉させないように、水平尾翼は垂直尾翼からは大きく離れている。アスペクト比は、ドイツ人が得意なソアラー級のグライダーを彷彿とさせる。モーターグライダーをVTOL化したのだ。設計者のドヤ顔が目に浮かぶようだ。

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 Sabine Siebold and Anneli Palmen 記者による2023-1-29記事「Rheinmetall eyes boost in munitions output, HIMARS production in Germany」。
   ラインメタル社は、弾薬の大増産体制を整える。HIMARSの発射装置も量産するという。

 ラインメタル社のCEOいわく。ウチは120ミリ戦車砲用の弾薬を年に24万発生産することが可能。それだけあれば、全世界の120ミリ戦車砲の需要は満たせるはず。

 またいわく。わが社は、155㎜砲弾については、年産45万発~50万発に拡大できる。その場合、世界最大の十五榴の弾薬メーカーということになろう。

 ちなみに2022年のラ社の製造実績は、120㎜戦車砲弾も155粍砲弾も、6~7万発というところであった。

 ※社長の一声で4倍に拡張できるラインを維持しているのか! 真の「モノづくり大国」はドイツだった……。

 ゲパルトの35ミリ砲弾の量産工場は、今年の半ばに立ち上がるだろう。

 ちなみに独軍はゲパルトを2010年にすべて退役させてしまっている。

 2月中旬にミュンヘンで防衛系の西側要人があつまる年次会合がある。そのときロックマートと話をつけ、ドイツ国内でHIMARSを生産開始するつもり。
 ロケットも、弾頭も、発射台トラックも、ぜんぶ作る。

 東独にあるザクセン州には、火薬工場を新設したい。そのために独政府が7~8億ユーロばかり用立ててくれることを期待する。
 現状、特殊な火薬〔爆薬なのか推薬なのかは不明〕の製造能力が足りず、それが戦車砲弾や野砲榴弾の増産のネックになっているという。

 CEO氏いわく。510億ユーロのドイツの国防予算では、必要なモノは揃わない。特別ファンド1000億ユーロも、インフレを考慮すると、こころもとない。ちなみにその1000億の中に、弾薬調達費は含まれていないのだ。

 ハッキリ言おう。3000億ユーロが必要だ。それでないと、間に合わぬ。

 2021年末の時点でも、ドイツは弾薬の備蓄量が、NATOの掲げた目標値に200億ユーロ分も不足であった。

 弾薬の需給ギャップを埋めるためだけでも、独連邦軍は、毎年、30億ユーロから40億ユーロの支出を必要とする――とCEO氏。

 ※対支有事を数年後に控えているわが国は、これに倍する努力が必要かもしれない。砲弾製造は、かけた国費がぜんぶ日本国内に落ちるから、日本の景気をダイレクトに支えてくれる堅確な財政投資だ。弾薬庫は、前にも書いたとおり、「フクイチ」近傍の地下につくることにすればすぐに完成する。専用桟橋も、フクイチから伸ばせばいい。その間を専用の貨物鉄道で結ぶ。八戸の近くにできるなら、八戸でもいい。米軍のC-17によって飛行場から遠隔地まで搬出しやすいから。どっちにしても財源は震災復興費から出せる。部隊や兵器を増やすわけじゃないので、人件費が膨張してそのまま未来まで固定するという悪いパターンにもならない。もちろん法律の整備は必要だ。自衛隊が当面必要とする以上の砲弾を、年中、休み無く、工場で製造させ続けることが、自国の安全保障上も、自由世界へのわが国の貢献の上でも、とても理に適っているのである。使わずに余る分をどんどん地下の弾薬庫に貯め続ける。そこまでしてでも砲弾の製造ラインを動かし続けることは、将来のいつ起きるかわからない有事の兵站の「弾撥性」を確保するためには必要不可欠で、日本の戦争抑止力を直接的に高め、平時の調達価額を最も合理化する道でもあるんだと、法令の文言の中でさらりと謳うがよい。