どなたか『ウイッテ伯回想記』をめぐんで下さらぬか?

 それとは別件ですが、《ユグドア》や《note》で兵頭を直接支援するオンラインの方法がむずかしいとお思いの方々へ。
 そのような場合は、兵頭の過去の単行本(古書ではなく新品)を、アマゾンなどの通販でお買い求めになり、それを、どこか離島もしくは僻地の公共図書館(または学校図書館)の「収書課」宛てに、めいめい郵送してご寄贈ください。
 それによって日本国の軍事系言論の環境が国土の隅々から改善されます。また、小生も、次の新刊企画を出版社に提案し易くなるのであります(新品の売れ行きデータが取次店に記録され、ロングセラーと認識されるからです)。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-11-13記事。
   トルコの兵器メーカーが、新しいロイタリングミュニション「アルパグト」を完成。スペックが凄い!
 弾頭重量が11kgで全重が45kg。

 ※これはもう「うろつき型の155ミリ榴弾」だと言ってさしつかえない。さいしょからそのように意図しているだろう。

 ただし、陸上や艦上からは発射できない。
 「アルパグト」は、「TB2」のような中型無人機からリリースされる、空中発射型のロイタリングミュニションなのである。高空から発射することにより、レンジが60kmに達する。そして発射母機は、敵のSAMの脅威圏外にとどまれる。

 まずトルコ軍が使ってみて問題点を改善する。それから、陸上発射型などのバージョンを計画するであろう。
 メーカーは自慢する。中共の無人機とちがって、うちらの新兵器には他国から盗んだ技術は使用されていないのである、と。
 とは申せ、トルコは過去にイスラエルから「ハロプ」を輸入しているのだが……。

 ※今次ウクライナ戦争で得られた多数のビデオフッテージにより、現代であっても敵の主力戦車を撃破するには十五榴の至近爆発で十分であったことが確認できた。10kgの高性能炸薬を充填できるなら、直撃の必要はなく、したがってHEATにする必要もない。すなわち対戦車を狙うロイタリングミュニションでも、10~11kgの炸薬が充填してあればよく、それ以上の巨大弾頭を運搬させようとするのは無駄だ。発射時に強い加速度もかからないのだから、その弾殻は薄い軽合金でいい。それで浮かせた重量で航続距離を延ばす。この考え方を設計の出発点にして、いろいろなレンジのロイタリングミュニションを、極力安価に製造するのが悧巧というものである。イスラエルは「ハロプ」が高額すぎたという反省から、トラック荷台のカタパルトから打ち出せるその廉価版の「スカイストライカー」を2018にリリースしている。その弾頭炸薬は5kgと10kgを選べるようにしている。ただしイスラエルは、ロイタリングミュニションが破壊目標を発見できなかったときには、呼び戻してパラシュートで回収&再利用するという流儀にこだわっている。そんなのはコスト高でダメだ。イランの「シャヘド136」の割り切りが正しいのだ。GPS座標だけを入力し、動かない目標に対して低速で片道特攻させる。これならカメラも通信機も必要ない。最安値で大量生産できる。途中の数箇所のウェイポイントでのみGPSを参照するようにし、最後のコースはINSだけで自律飛行させることとすれば、もはやスプーフィングも受けない。多数機を次々と投入すればロシアの鉄道は止まる。敵の戦車部隊も夜中に停止して休憩することができなくなる。ウクライナに必要なのは、「シャヘド136」の軽量弾頭型(12kg未満に軽減する)であろう。

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 AFPの2022-11-12記事「X-37B orbital test vehicle concludes sixth mission」。
   米宇宙軍の「無人スペースシャトル」である「X-37B」が地上に帰還した。900日以上も地球を周回していた。

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 Minnie Chan 記者による2022-11-11記事「High hopes of China’s H-20 stealth bomber launch as PLA top brass vow weapon system upgrades」。
   米空軍は次期ステルス戦略爆撃機として「B-21 レイダー」をもうじき飛ばすところまで漕ぎ付けているが、これに対抗した《中共版B-2》といえるのが「轟20」だ。

 中共軍は、「轟20」はもうじき飛ぶ、と言っている。

 ※ほんらいならば、中共党大会、もしくはG20サミットでバイデンと熊プーが面談するタイミングに合わせて「轟20」を初飛行させ、世界に向けてパンパカパーンと宣伝を打ち、米国世論を威嚇して虚勢を張らなければいけなかったところである。中共軍はそれに失敗し、熊プーの希望に添えなかった。おそらく「X-37B」は、「轟20」が試験飛行する兆候があるかどうかを、ずっと監視していたのだろう。それはまずありえないと見極めたので、このタイミングでケネディ基地に回収した。

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 Guy Faulconbridge 記者による2022-11-14記事「Sledgehammer execution of Russian mercenary who defected to Ukraine shown in video」。
   ワグネルを脱走して反露に寝返った55歳の男。10-11にキエフでワグネルに拉致され、大ハンマーで頭を叩きつぶされて処刑されるありさまがSNSの「テレグラム」のチャンネルである「Grey Zone」に投稿されていた。

 この男についてワグネル総帥のプリゴジンは日曜日、「反逆者だ」と語った。

 プリゴジンはまた、私有ジェット機に乗って第三国へ逃亡した金持ち階級のロシア人たちについても「同じく反逆者だ」と警告している。

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 Defense Express の2022-11-13記事「Russians Are Afraid That the Crimean Bridge May Be Struck by a Brander ? the Ministry of Transport And Infrastructure of Turkey」。
   ケルチ橋の下をくぐって黒海からアゾフ海へ入ろうとする貨物船を、11-12からロシアが急に規制するようになった。二度目の爆破工作があると警戒しているらしい。

 10-8に爆破されたケルチ橋の損壊は思ったより酷く、修繕は2023-9までかかるだろうという。

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 The Maritime Executive の2022-11-10記事「EUNAVFOR Seizes Dozens of Armored Trucks Bound for Libya」。
   オランダ船籍の5000トン積みの貨物船が装甲トラックなどを満載してリビアへ向かっていたのだが、EUはその船を拿捕し、積荷を押収した。今年に入って二度目。

 上甲板に15台の装甲トラック(UAEがフォード・トラックを改造したもの)を載せ、まっぴるまにシートカバーもかけず、AISも切らずに航行していた。隠す気がなかったようだ。しかしリビアの交戦団体に武器を輸出することは国連が禁止しているのである。

 いちおうオランダ政府には、臨検していいかと事前に打診。そして公海上で拿捕。同船はマルセイユ港まで連行されつつある。

 UAEは、リビアのハリファ・ハフター軍閥側を後援している。

 この拿捕によって船長が逮捕されることはなく、また船会社が罰金を払うこともない。

 ことしの7月にはイタリア海軍のフリゲートが、1隻の自動車運搬船を拿捕した。これもリビアへ軍用車を届けようとする途中であった。

 ※福岡と釜山の間に就航させる最新鋭の三胴型の高速フェリーについての報道がやはり『Maritime Executive』に出ている。新コロのために完成が2年も遅れていたという。よくわからないのが、それが日本でも韓国でもなく、豪州の造船所製だということ。日本や韓国には三胴船を造るノウハウが無いってことかい?


最新の★《続・読書余論》は、ベルクソンの『物質と記憶』です。

 ザッカーバーグがもし大学生時代にこの本を読んでいたら、「メタバース」などというものに未来の無いことは理解できたはずです。

 この原著の仏語版は1896年に刊行され、それは1911年までに英訳されています。つまり古典です。

 ザッカーバーグ氏に続きたくない人は、《note》 https://note.com/187326mg/  を、ごらんください。

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 Mun Dong Hui 記者による2022-10-21記事「N. Korea finalizes selection of workers to join reconstruction efforts in Russian-occupied parts of Ukraine」。
   北鮮は、11月前半にも、建設労務者をウクライナの露軍占領区へ送り込む。その労務者の選別作業は終わったという。

 労務者の募集は7月に開始されていた。人数は800人から1000人だという。

 派遣される労務者は、30人から60人の小集団として、ドンバスへ輸送される。

 派遣労務者は、北辺の町である羅先にあつめられて、そこから鉄道もしくは高麗航空により、ウラジオストックまで運ばれるという案のほかに、北京経由でモスクワまたはサンクトペテルスブルグまで空輸する案が検討されているという。

 ※ロシアとしては、こいつは鉄道でウクライナまで輸送できるかどうかを試したほうがいいだろう。そのルートで次には弾薬や火砲も「密送」できるからね。

 中共は、トランジットだけなら制裁違反にならないだろうと考えているという。

 かきあつめられた労務者は皆、平壌の郊外の出身という。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-10-22記事「China’s 4th-gen main battle tank may only have a two man crew」。
  CCTVが宣伝ビデオを流した。中共は次の「第四世代」戦車で乗員を2人に減らしてしまうと。

 中共現用の第一線級戦車は、「99式A」と「96式」である。

 96式はT-80相当。99式は米独戦車と同格だと威張っていた。
 99式は2011時点に部隊配備された。650両生産され、今は550両あり。
 96式は2500両あり。

 ※5年に一度の政治イベントにあわせてCCTVもヨイショ・フッテージを放映する必要があった。儒教圏では何でも宣伝第一だ。胡錦涛のじいさんが、髪を黒く染めることもゆるされず、ヨイヨイの態で議場から退席させられるところを、前後を編集カットした上で、延々と放映させていた。最初から「熊プーには誰もさからえないんだぞ」という、誰向けなのかよくわからない「謎演出」。というか日本人にはホントどうでもいい。ロシアが嘘に嘘を重ねつつ惨めに亡びて行くように、中共も、演出に演出を重ねつつ勝手に滅びてくれ。

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 ストラテジーペイジの2022-10-22記事。
   T-62の大砲は115ミリながらスムーズボアなのであまり磨耗が気にならない。
 車内の弾薬は40発。
 当たらなくていいなら、4km先を狙って撃てる。
 路外の最高時速は40km/時。路上でも50km/時。
 車内燃料タンクのみで路上を走った場合は650km動ける。

 すでにウクライナでは200両以上の露軍の「T-62」が、うしなわれたという。

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 John Hardie 記者による2022-10-20記事「China, Russia Deepen Partnership on Satellite Navigation」。
   中共とロシアは9月27日に調印した。北斗とグロナスの地上局を互いに自国領内に受け入れる、と。

 北斗の地上局×3箇所。これがロシア領内に設けられる。
 グロナスの地上局×3箇所。これが中共領内に設けられる。

 中共としては、農業をロボット化させる電波環境と、ロボット自動車運転の電波環境を、GPS抜きで整備する必要を痛感しているところなのだ。

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 Emma Helfrich, Tyler Rogoway 記者による2022-10-21記事「Joint Taiwan-U.S. Weapons Production Considered As China’s Invasion Window Tapers」。
   『ニッケイ・アジア』が伝えたところによと、台湾の国産の対艦ミサイルである「雄風2」と「雄風3」の開発には米国企業が技術提供していて、そうした協力は合法なのだという。

 ※「雄風1」はイスラエルのガブリエル対艦ミサイルのコピーだった。「雄風2」はハープーンのコピー。「雄風3」はラムジェットなので何のコピーでもない。強いて言えば外見がスタンダードミサイルに似ているくらい?

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 Howard Altman 記者による2022-10-21記事「Ukraine Has Received Over A Million Artillery Rounds From The U.S.」。
   米国はウクライナにすでに100万発以上の野砲弾を補給したことが分かった。DoDの公式発表。

 その内訳。
 普通の155粍榴弾が90万3000発。
 M982エクスカリバーが3000発。
 対戦車地雷散布弾RAAMSが7000発。(十五榴1発の中に地雷9個入り。)
 105mm榴弾が18万発。

 この弾薬の重さを合計すれば5万トン以上になるという。

 「HF1」と呼ばれる通常榴弾は、弾丸の重さが103ポンドで、その充填炸薬は23.8ポンド(10.79kg)。炸薬はTNTもしくは「IMX-101」(被弾しても誘爆を起こさぬ最新の鈍感爆薬。威力はTNTと互角)。メーカーはジェネラルダイナミクス社。

 ※米軍としては、古いTNT充填弾をすべて外国軍に援助してしまって、自軍を「IMX-101」充填弾だけで在庫一新してしまえたなら、悪くないだろうね。

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 The Maritime Executive の2022-10-21記事「Tanker Avoids Two “Drone-Driven Explosions” at Port in Yemen」。
   金曜日の午後、30万トン積み巨大タンカー『Nissos Kea』が、無人爆装ボート×2の特攻をかろうじてかわした。イエメン沖で。

 「アシュ・シール」港内の積み込みブイに繋留して原油を呑み込んでいる作業中を襲われたようだ。
 タンカーは遠くからロボット艇の接近を探知し、すばやく反応して港外へ逃れた。

 タンカーはそのままアデン湾へ向かった。

 無人爆装艇がどうなったのかは不明。爆発は観測されていないという。
 下手人はフーシで、ボートはイラン製だろう。

 タンカーの所有はマーシャル諸島。今年3月就役の最新設備船である。スクラバーというタンク内洗浄装置がエコ化されている。

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 『ワイヤード』の2022-10-22記事「Ukraine Could Never Afford to Bet on Starlink」。
   ヒラリー・クリントンはかつて、《ツイッター中毒の人物に権力の座を与えてはいけない》と警告した。イーロン・マスクがそれを実証しつつある。

 ウクライナ軍も米軍も、みずから政治家を気取る株式投資家に支配されている私企業に軍の基礎インフラを依拠するような馬鹿な真似はしないことが吉。

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 Stephen Clark 記者による2022-10-18記事「Russia launches three satellite deployment missions in one week」。
   1週間のうちにたてつづけに、ソユーズ、プロトン、アンガラの3つのロケットが打ち上げられた。航法支援衛星、通信衛星、偵察衛星が軌道投入された。

 まず「ソユーズ2.1b」が10-10にプレセツクから打ち上げられ、1機のグロナスを軌道投入。
 軌道傾斜角は64.8度、高度は19100kmである。

 グロナス衛星も世代進化がある。このたび投入されたのは、「K」シリーズの5機目である。
 重量935kg。前の世代の「M」シリーズより軽い。それでありながら寿命は長いのだ(Mは7年、Kは10年という)。

 この打ち上げにより、グロナスはぜんぶで26機となり、うち22機が機能を発揮する。4機はメンテナンスモードという。
 じつはこのシステム、生きている衛星が24機なければ、サービスは不完全。地上の任意の地点から、常に3機の信号が受信できなくてはならないので。

 プロトン・ロケットは10-12にバイコヌール基地から発射された。「アンゴサット2」という、アンゴラ政府のための通信衛星を放出。
 プロトンは、衛星打ち上げ請負いビジネスの価格競争で「スペースX」に負けた上、国際経済制裁も喰らってしまい、前途は暗澹としている。

 この衛星の打ち上げスケジュールが画定されたのは、今次戦争の開戦より前である。
 だから、通信システムは「エアバス」社製。

 いまから3ヵ月くらいすると、この通信衛星は仕事を開始できる。アンゴラにとっての唯一の生きている通信衛星となるだろう。軌道は静止軌道。設計寿命は15年だ。

 ロシアはアンゴラの海岸に、地上管制局も建設してやり、そこで衛星管制の要員訓練もしてやっている。

 小型の「アンガラ」ロケットは10-15にプレセツクから発射された。
 この1段目のエンジンは3分半、燃焼する。
 明瞭に軍用の偵察衛星を放った。高度は337kmという低軌道。

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 Daily Sabah の2022-10-19記事「Turkiye test-fires domestic ballistic missile over Black Sea」。
   トルコのロケトサン社が開発した短距離弾道ミサイル「Tayfun」が黒海に向けて試射された。
 561km飛翔してシノプ港沖に着水した。

 この以前には「Bora」という短距離SSMをトルコは国産していたが、射程が2倍になった。
 ラーンチャー車体は共有である可能性がある。


★《続・読書余論》アンリ・ベルクソン著、岡部聡夫tr.『物質と記憶』1995年刊


ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍


ノルウェー警察は土曜日に怪しいロシア人のドローン操縦者を飛行場近くで逮捕。今週2人目。

 9月には送電線の近くで怪しい偵察をしていたロシア人をノルウェー警察が逮捕している。

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 2022-10-15記事「Russian Air Defences Break Range Record in Combat: First Kill For the Famed 400km Range 40N6 Missile?」。
   ベルゴロドに展開していた露軍の「S-300V4」が、低空襲来したウクライナ軍の「スホイ27」と「スホイ24」を、レンジ217kmで撃墜した。これは露軍が実戦で成功した長距離撃墜の新記録。それまでの最長記録は、3月にキエフ上空のウクライナ軍戦闘機を150km離れたベラルーシ国境内から撃墜したものであった。

 ウクライナ空軍機は、超低空で敵地に迫り、無誘導のロケット弾複数を、ポップアップしざまに仰角45度くらいで「腰だめ」発射し、すぐにUターンして再び超低空で基地に戻るという対地砲撃を反復していた。ロケット弾は最大レンジで飛翔してくれるが、どこに落ちるかは分からない。

 ※同じ最短直線コースばかり飛ぶから、交信傍受とストップウォッチを組み合わせて、未来位置の見当をつけられてしまったわけだな。不規則なS字飛行で毎回、異方向からアプローチするように気をつけないとね。

 S-300V4は、超地平線での巡航ミサイル迎撃を特に考えてあるもので、S-400より値段が張る。
 発射車両も、装輪ではなく装軌である。

 ※ベルゴロド射場で露人を殺しまくったタジク人は、モスクワで強制徴兵されたのだという噂もある。そうだとすれば動機は自然に聞こえる。

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 Arjun Kharpal 記者による2022-10-13記事「Globally critical chip firm tells U.S. staff to stop servicing China customers after Biden export curbs」。
   オランダのASML社は、最先端集積回路を製造するのに不可欠なシステムを世界じゅうのチップ工場に提供している。

 ASML社は、米国の労務者に対して、爾後、中共のチップ工場のための仕事は止めるように命じた。これは米政府の最新の輸出規制措置に合わせるためである。

 この「米国の労務者」のなかには、米国籍(市民権)を有する被雇用者と、米国政府発給のグリーンカードを保有している非米国籍の被雇用者が含まれる。

 中共メーカーに対して何か製品を輸出することも禁止。サポートをすることも禁止される。

 ASMLは、極短紫外線による焼き付けマシンを、世界中にほぼ独占的に供給している。他社にはマネのできない技術なのである。台湾のTSMCも、このASMLの装置がないと、最先端チップは製造できない。

 バイデン政権の新方針では、今後は、米国人&米国内被雇用者が中共企業のチップ開発を支援するにはいちいち米政府からの許可を必須要件とす。

 日経が金曜に報じたところでは、TSMCは、あと1年だけは、中共内の工場に米国製の機械を搬入してもよいという特別許可を米政府から与えられた。

 『朝鮮日報』によれば、同様の猶予期間は、韓国のサムスンとSKハイニクス社に対しても、与えられた。

 次。
 Ana Swanson and Edward Wong 記者による2022-10-13記事「With New Crackdown, Biden Wages Global Campaign on Chinese Technology」。
   このたびのチップ製造技術移転禁止措置は、中共がステルス技術やハイパーソニック兵器を迅速に開発できないようにする目的がある。また、米国が使っている暗号を中共のスパコンで解読し難くしてやる効果も期待される。

 米政府が今回の規制措置を打ち出す前には、オランダ、日本、韓国、イスラエル、英国の政府とも相談を重ねている。

 理想的にはこれらの与国合同で新方針をブチ上げたいところだったが、さすがに支那市場を失いたくない与国が多くて話はまとまらず、米国単独での実行となった。
 米国以外の諸国は、中共から「報復」され易いため、前面に出るわけにもいかないのである。〔しかし実質、同調する。〕

 今後、米国企業や米国技師は、中共国内にあるチップ工場のソフトウェアをアップデートしてやることもできない。

 与国のメーカーは製品としてのチップを中共に売るのは当面、かまわない。

 これから「自動運転」や遺伝子改造をするときに「AI」やスパコンの性能がモノを言う。中共製のAIが米国製に追いつけないようにしないとまずい。そのために中共が最先端のチップを国産できないように、機微な技術を禁輸するのだ。

 とにかくTSMCが今年すごいチップを完成したので、米政府はもうこれ以上、ぼやぼやしていられないと焦ったようだ。

 日本の企業では「東京エレクトロン」が、多数の中共のチップ工場を顧客として抱えている。その売り上げは減るであろう。

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 Defense Express の2022-10-16記事「Iran to Supply russia With the Fateh-110 and the Zolfaghar Ballistic Missiles (Specifications Included)」。
   『ワシントンポスト』報によると、イランは9月18日に、ロシアに対して短距離型の地対地弾道ミサイルも売ることを決めた。

 すなわち「Fateh-110」と「Zolfaghar」の2種類を、売り渡す。
 それぞれ、レンジは、300km(最新モデル)と700kmである。

 ロシアは開戦前に900発保有していたイスカンデル地対地弾道弾の残りが124発に減ってしまったので、その穴埋めが必要なのである。

 「Zolfaghar」は筒体が非金属の複合素材でできていて軽い。だから射程が長い。「Fateh」は筒体が軽金属なので重い。どちらもGPS信号を参照して終末誘導されるので、命中精度は高いはずだ。

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 Inder Singh Bisht 記者による2022-10-14記事「General Atomics Unveils Long-Range Projectile for 155mm Howitzers」。
  ジェネラル・アトミクスの電磁システム部門は、150km飛翔する155ミリ砲弾を設計し終えたと発表した。
 砲弾にラムジェットが組み込まれている。

 これを発射するための58口径長の加農砲は、米陸軍が開発中である。こっちはまだ完成していない。(普通は39口径長。)

 砲口を出た直後、スピンが毎秒20回転に抑制されるという。(通常は200回転/秒。)

 上反角付きの展張翼と、揚力発生形状の弾体も、射程延伸に空力的に貢献する。

 ※雑報によるとフランスとスウェーデンは、155ミリ弾殻内から2個の弾子が分離して、空中から地上のAFVを自己鍛造弾によって破壊する「BONUS」砲弾をウクライナに供給する。

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 ストラテジーペイジの2022-10-16記事。
   8月にロシアはイランに2000機以上の「シャヘド131」と「シャヘド136」を発注した。あきらかに、ロシア国内でそれらをライセンス生産するという契約も結ばれた。

 ロシア軍人たちは「シャヘド136」の方を好んでいる。全重200kgある。
 「シャヘド131」は135kgで、やや軽い。

 「シャヘド136」は連続5時間、飛び続ける。飛距離は180kmに達するだろう。弾頭重量は、15kg~25kgだと思われる。コストは1機、5万ドルする。そのうちガソリンエンジンの部分だけで3万ドルする。

 シャヘドはトラックの荷台からつるべ撃ち式に射出される。小さなロケットを吹かして空中に舞い上がらせ、上空でエンジンを始動させる。

 巡航姿勢になると同時に、アシスト・ロケットは投棄される。
 GPS航法回路は、射出前にONにされる。

 「シャヘド136」のエンジン音はとてもうるさい。それが低空を飛んでくるので、水平距離にして数キロメートル先から、音が聞こえてしまうという。12.7ミリの機関銃か、20mm以上の機関砲が、「シャヘド」を撃墜するのに向いている。

 次。
 Sean Spoonts 記者による2022-10-17記事「Sanctions Have Russia Building Frankenstein Tanks」。
  チタにあるアタマノフカ戦車工場では、国家の量産要請に応じるため、車体とモデルが異なる砲塔をツギハギで載せてしまうという荒技を採用するようだ。手に入る限りの、ありあわせの戦車ストック・パーツをむりやりに結合させて、1両の兵器に仕立ててしまう。

 ※私見だが、3人乗りをあきらめて4人乗りにすると決めてしまえば、どんな組み合わせも可能になるだろう。鳥籠下の弾庫はとうぜん、全廃。装薬は基本的にすべて砲塔の外側に「吊るし柿」のように露天繋止しておけばいい。そこにRPGを被弾すると派手に燃え上がって、敵の目にはあたかも撃破したように見えるが、どっこい、車内は無傷で、全員、車体底の脱出口から、安全に逃げ出す時間を稼ぐことができる。煙幕を展張するようなものだから、ERAよりもよほど気が利いているはず。従来、自動装填装置が、「次弾」用の装薬を砲尾近くで保持して待機していたために、そこがまっさきにHEATの衝撃で発火したようだ。装薬の発火さえ、車内でゆるさないようにすれば、すくなくともBMPよりはマシな防護力となるだろう。

 次。
 Maya Yang 記者による2022-10-16記事「Alaska cancels snow crab season over population decline」。
   アラスカの漁業者たちは、ベーリング海での今期のタラバガニ漁は、自粛禁漁と決めた。
 昨年の水揚げ量が、過去40年間で最少であった。
 乱獲と海水温上昇が関係しているか。

 ブリストル湾では、秋のタラバガニ漁を自粛した。それに続いて、冬のズワイガニ漁も自粛となる。

 スケトウダラ、ズワイガニ、オヒョウが、どんどん北の海へ逃げている。海水温の上昇を嫌っているのだ。

 タラバガニは2年連続の禁漁となった。雌の成体数が激減していて、資源涸渇の趨勢が明らかなので。要するに濫獲なのである。

 次。
 Robyn Dixon 記者による2022-10-14記事「Russia’s airstrikes, intended to show force, reveal another weakness」。
   露軍は金曜日に対地ミサイルを84発、火曜日には28発の巡航ミサイルを発射した。これにより36人以上の住民が死亡。

 ※WWII中の「V-2号」が、1発ごとに平均5~6人のロンドン住民を殺したと見積もられているのにくらべて、おどろくほど民間人殺害の効率が低い。かりに112発(=84+28)で40人が死んだとしよう。1発あたりでは0.357人殺された計算になる。いまや、1人の敵国民を殺したくば、高額な対地ミサイルを2.8発、発射する必要があるわけだ。最新刊の拙著でも書いたが、現代の不燃化した都市は、非核のミサイルを無尽蔵に吸収してしまえる。現状、軍資金に余裕ある中共ですら、台湾向けの対地ミサイルは2000発未満しか揃えることができていない。その2000発を撃てたとしても期待できる殺害人数は714人?

 専門家氏いわく。ロシアはウクライナ全土の電力インフラと水道インフラを破壊しようと試みたが、いまだにそれも実現できていない。

 これまでのあいだに精密誘導兵器類を都市のアパートや村落などに対してさんざん無駄撃ちしてしまったので、これからあらためて変電所などをピンポイントで狙おうとしても、それに必要なPGM兵器が涸渇してしまっているのだ。

 空中発射式の巡航ミサイルの被撃墜率が高いのも注目されている。火曜日の空襲はほとんどが、航空機から発射する巡航ミサイルだったが、それはイスカンデルに比較して低速なので、途中で墜としてやりやすかった。

 専門家氏いわく。露軍はこれまで、ウクライナ軍の後方兵站線の破壊妨害もできていない。すなわち、橋梁、鉄道、鉄道分岐点を、破壊することができていない。そのぎゃくにウクライナ側がHIMARSを使ってどしどしそれができている。
 これは何を意味するかというと、仮に露軍に今の何倍ものPGM弾薬があったとしても、やっぱり彼らは失敗したであろう。

 キングズカレジロンドンの教授氏いわく。プーチンには軍事的に合理的な目標選別ができないのだ。あたかも社会病質者が幼児的な癇癪を起こして攻撃命令を出している。都市をミサイル攻撃すれば彼の気は済むだろうが、PGMを無駄に捨てるも同然となり、ロシアは戦争に勝ちようもなくなる。

 ※非核のミサイルによる都市攻撃がなぜ軍事的には非合理的であるのに、政治的には「それ一択」のなりゆきとならざるを得ないかについては、拙著最新刊『ウクライナの戦訓』に書いておいたので、読んでみて欲しい。中共の台湾攻撃も、必ず同じパターンとなるだろう。それが「政治」なのだ。

 西部の都市、リヴィウの変電所×6箇所にミサイルが着弾したのは、あきらかに、ウクライナから西欧へ給電されている電力を止めようとした《高等戦略》である。これから冬にかけて電力が得られないようにしてやり、西欧人の心理を動揺させようというわけだ。

 民間アパートが密集する街区を攻撃してはいけないことは戦時国際法の基本。しかしロシアは過去数十年、二度のチェチェン戦争、シリア介入、そしてウクライナでもその他でも、徹底して意識的にこの戦争犯罪を反復してきたし、今もしているのである。

 ※そろそろ書店に『台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍』が並んでいるでしょう。高くて買えないという人は、図書館に購入リクエストを出そう! お金持ちの人は、余計に買って学校の図書館に寄贈してください。



ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍


ポルトガルは二重反転ローターの「カモフ32A11BC」ヘリを6機、ウクライナ軍に寄贈する。

 ウクライナ海軍は同型である「Ka-27」のユーザーである。

 次。
 Emma Helfrich 記者による2022-10-13記事「Ukraine To Receive HAWK, Aspide Surface-To-Air Missiles From Spain」。
   スペインはウクライナに「ホーク」SAMシステムを贈る。フランスは「クロタール」を贈る。

 スペインは「アスピーデ」地対空ミサイルも供与する。19人のウクライナ将兵がその操法を習得した。

 「アスピーデ」はイタリアが1970年代に実用化し、スペイン空軍が運用している。飛翔体はほぼ「スパロー」と考えていい。モデルは新旧4通りあるのだが、そのどれが供与されるのかは不明。

 最新型だとしたら、セミアクティヴレーダーホーミングによる誘導で、水平レンジ25km、弾頭重量35kgというところ。

 ホークはとうぜんながら「インプルーヴド」された「I-HAWK」にリファービッシュ済み。
 なお本家の米陸軍は2002年でホークの運用を終了している。
 最短射程は1マイル未満。最大水平レンジは22マイル。

 「クロタールNG」の最大レンジは7マイル。弾頭は28ポンドの「フォーカスト・ブラスト」型になっており、破片が集中する方向を最適にできる。

 ※ホークのレーダーが連続波であるのに対してクロタールはパルスドップラー。したがって露軍機としては一種類のECMでは対応ができない。

 ※露軍は「オルラン-10」をすでにウクライナで100機ちかくも喪失した模様だ。サンクトペテルスブルグに同無人機を製造している「STC」(特殊技術センター)がある。数日前、メドヴェージェフが工場訪問したところを御用プレスに写真撮影させていた。意図として、まだたくさんあるんだぞと示威したかったのであろうが、倉庫には機体ばかりでエンジンが見当たらない。じつは「首なし飛燕」と同じ状況ではないか? いや待て、今日では集積回路のボードが無い「身欠きニシン」状態だということも大いにあり得る。おそらく在外公館のロシア人に市中流通の中華製エンジンや中古チップを必死でかきあつめさせて、なんとか「五式戦」に仕立てる算段中か。

 次。
 Alex Marquardt 記者による2022-10-13記事「Exclusive: Musk’s SpaceX says it can no longer pay for critical satellite services in Ukraine, asks Pentagon to pick up the tab」。
    イーロン・マスクの金曜日のツイッター投稿によれば、スターリンク社はウクライナのために累積で8000万ドルを負担しており、この年末までには、1億ドルを突破するであろうという。

 しかしマスク氏いわく、このような寄付行為は続けられない。ペンタゴンが毎月、数千万ドルを払ってくれないなら、サービスは止める、と。

 CNNが入手した文書によれば、マスクがペンタゴンにこれを要求したのは先月である。
 スペースX社はこれ以上はウクライナに端末を無料寄贈できない、と。

 7月にウクライナ軍はマスクに対して、さらに8000基の端末をくれと求めていた。

 スターリンク端末は2万台、ウクライナに届けられている。その85%については、米政府、英政府、ポーランド政府が資金を出している。

 ウクライナ軍によれば、同軍はこの端末を4000台、支給されているが、毎月、500台は、戦闘で破壊されているという。

 ※世界の国防軍はまた貴重な教訓を学んだ。いくら便利だからといって一種類の通信インフラに依存したら、かならず泣きをみるぞ。

 次。
 GlobalData による2022-10-14記事「HIMARS and Switchblades are part of Lithuania’s military build-up」。
  リトアニアはこれらの弾薬の他にオシュコシュ製のJLTVも買う。

 ハイマーズはすでにラトヴィアやポーランドも買い付けている。それに続いた。

 次。
 The Maritime Executive の2022-10-11記事「Disney Negotiating to Buy Genting’s Largest Cruise Ship Global Dream」。
    香港の資本がドイツの造船所で建造させていた、20万8000グロストンの超巨大客船『グローバル・ドリーム』。75%工事がおわったところで、新コロ恐慌となり、会社は破綻状態に。建造はストップしていた(姉妹船は未成度がまさっていたので、はやばやとスクラップにされている)。

 このたびディズニー社が『GD』号を買い取り、カリブのクルーズに投入する可能性があるという。

 この巨大船、竣工すれば、客9500人が乗り込める。同乗するサービススタッフは2000名以上だ。

 船の中には、船上型として世界最大のジェットコースターが設置される。
 また、巨大なカジノも備わるという。もともと、アジア人顧客を当て込んでいた。

 船体の重さで比較すれば世界一なのはロイヤルカリビアンインターナショナル社が保有する『オアシス』級なのだが、『グローバルドリーム』は乗客人数で世界一になるという。

 ※喉元過ぎれば熱さを忘れる。パンデミックは二度と起きないとでも思っているのか?

 次。
 Jakub Palowski 記者による2022-10-14記事「Poland Concludes a Deal on Hundreds of Korean Multiple Rocket Launchers」。
   ポーランド国防省は、韓国から「K239 チュンムー」多連装ロケット弾を300システム購入することを決めた。いずれ量産はポーランド国内でなされる。

 次。
 Emma Helfrich 記者による2022-10-12記事「Double The Range Rockets For HIMARS One Step Closer To Production」。
  10月6日に、HIMARSから発射するロケットのレンジを倍増させた「ER GMLRS」ロケット弾の試射がおこなわれた。
 今回は短射程の59kmを飛ばして、成功したという。最終的には150kmになる予定。

 ※ポーランドのような立場に置かれた国にとり、こうしたすばらしい性能の未来兵器が輸入可能になるまで何年も気長に待っている余裕などない。今すぐに現物を大量に必要としているのである。それに応えられる西側の軍需企業が、げんじつ問題として、韓国にしかない。じつは韓国にとってこそ、今次ウクライナ戦争は「特需」景気の恵みの雨のはずなのだが、なぜか、その報道がぜんぜん無い。ありふれた砲弾や手榴弾を増産しただけでも、造ったそばから飛ぶように売れるはずなのだが……。あるいは世間的にはひっそりと、弾薬類を満載した貨物船が韓国からバルト海へすでに続々と向かっているのかもしれぬ。



ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍

(管理人Uより)

 本日、発売。兵頭本『ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍』。kindle版も同時発売なので嬉しい。


新刊『(ウクライナの戦訓)台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍』の見本が届きました。

 ……ということは来週後半には書店店頭に並びます。待てない人はアマゾンに発注しよう!

 (メインタイトルの前に入っている小さなサブタイトルのようなもののことを「ツノ」と呼ぶことを、わたしゃこの歳になって初めて知りましただよ。人間、一生勉強だね。)

 次。
 Howard Altman & Tyler Rogoway 記者による2022-10-7記事「Ukrainian Kamikaze Drone Attacks Bomber Base Deep In Russia」。
   大ニュース。バックファイアを2機、飛行場で撃破した。無人機特攻によって。

 攻撃されたのは「Shaykovka」空軍基地。露領のカルーガ州にある。ウクライナ国境の140マイル(350km)北。モスクワの170マイル南である。

 この基地には、第52重爆撃機飛行聯隊が駐留し、機種は「Tu-22M」である。

 ※バックファイアが実戦で破壊されたのはもちろんこれが初めてだろう。これまでさんざん、大型対艦ミサイルを使ってウクライナの民間人を殺してきた酬いがやってきた。なにしろ聖域のベラルーシ上空から発射するという卑劣な流儀であった。

 ※特攻に使われた機種は不明である。

 ※バイラクターは関係していない。ロシアがカミカゼを撃墜したと嘘宣伝したくてアルメニアのフッテージを流しているために誤った情報が飛び交っている。トルコ人も調子に乗ってそれに合わせている。

 次。
 Defense Express の2022-10-7記事「Ukrainian SOF Shows Combat Use of a Switchblade 300 Drone in Offensive」。
   ウクライナ兵が最前線で扱う「スイッチブレード300」の発射から命中までの一連のシークェンスを実写で紹介したビデオが、初めてSNSに投稿された。
 標的は露兵の野営天幕である。

 ウクライナ兵が「スイッチブレード300」を受領したのは今年の4月から5月のあいだである。

 かたや、対戦車攻撃能力が期待されている、より大型の「スイッチブレード600」は、依然として未着らしい。

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 Defense Express の2022-10-7記事「The Kremlin’s Nuclear Stick: What Are the Possible Targets russia Might Find in Ukraine to Use Tactical Nuclear Weapon。
  昔はソ連軍は、203ミリや240ミリの巨砲で戦術核砲弾を発射するつもりだった。今は廃止されている。

 弾道弾「イスカンデルM」用の核弾頭は70発あるという。また巡航ミサイルの「イスカンデルK」用の核弾頭は20発だそうだ。

 もし10キロトンの核弾頭が爆発した場合、爆心から1.5~2km内は壊滅。爆心から8kmまでは、なんらかの破壊を受ける。
 放射性の降下灰は、爆発から15分後にはもう降り始める。

 カリブルは、2600kmまでの目標に使用され得る。
 しかしペトレイアス元CIA長官によると、NATOは黒海やカスピ海のすべての露艦艇の所在を把握しているというので、奇襲にならないだろう。

 Kh-22は、1メガトン弾頭を600km運べる。古いものだが。
 キンジャルは、高空から超音速でリリースすれば3000km届くだろう。

 次。
 Elisabeth Gosselin-Malo 記者による2022-10-6記事「Pakistan, Ukraine, And The Race For Third-Party Ammunition」。
    旧ソ連系の大砲から発射する弾薬は、ウクライナ軍もまたこれを必要とする。特に122ミリ加農である「D-30」が。
 そこでパキスタンに渡りをつけることにした。

 世話しているのは英国。RAF所属のC-17輸送機が、ルーマニアの「Cluj」国際空港もしくはキプロスのアクロティリ空軍基地を経由して、パキスタンの「Nur Khan」空軍基地まで物品受領に飛んだのだ。12往復したという。

 15日間の輸送活動で、合計5万発の各種ソ連規格の砲弾が、パキスタンの工場からウクライナ軍へ補給された。

 パキスタンにはPOFという国立の軍工廠があって、そこで122ミリ砲弾が量産されているのである。この工場は1951年に英国王立工廠が建ててやった。64口径長の105mm戦車砲から発射するタングステン徹甲弾の製造技術も、英国からこのPOFに移植している。

 122粍カノンは最大射程が9.5マイル、初速690m/秒。

 1996年にパキスタン軍は、ウクライナのハルキウ機械工廠製の「T-80UD」を320両、注文したことがあった。

 ウクライナの前線部隊は、中共設計の56式自動小銃や、「HM-19」82ミリ迫撃砲をイランが生産したモデルも、なぜか使っている。謎のルートで取り寄せられているのか?

 ウクライナ軍がイラン製の砲弾も使っていることは2022-9にオリックスが発見した。「OF-462」という122粍砲弾で、やはり「D-30」用。砲弾の製造年は2022だから、工場から出てきたばかりの新品だ。

 可能性。イランがイエメンに貨物船で密輸しようとした武器弾薬を西側海軍が洋上で拿捕した、その積荷が、ウクライナへ譲与されているのではないか?

 ※雑報によると中共製の60ミリ迫撃砲弾が、アルバニアからウクライナへ譲渡されているらしいという。なお露軍には60mm迫撃砲がそもそも無いのだそうだ。あるデータでは、西側の60ミリ迫撃砲弾は弾重が1.25kgで、炸薬は205グラムという。参考までに、西側の81ミリ迫撃砲弾は、重いタイプで、4.82kg。

 ※雑報によると、インドが修理のためにロシア本国へ一時的に運び込んでいた「T-90」戦車を、ロシアは勝手にウクライナ戦線へ送り出しているという。本当か? これをやったらおしまいだろう。

 次。
 Defense Express の2022-10-7記事「Became Known How Ukrainian Troops Shoot Down Iranian Drones」。
   「シャヘド136」の迎撃に成功したウクライナの高射指揮官によると、このドローンは数マイル先から音が聞こえ、しかも低速なので、比較的に迎撃は簡単だという。

 「SA-8」地対空ミサイルが非常に効果的で、「ゲパルト」も貢献しているという。



ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍


皆様、ありがとうございました。

 管理人さんが目当ての書籍を調達してプレゼントしてくれることになりました。
 他のみなさまのおこころざしのほども、深く感謝いたすのみであります。
 ありがてぇ……ありがてぇ……。

 次。
 Kevin Knodell 記者による2022-10-2記事「Marines make 6,100-mile trans-Pacific flight in Ospreys」。
   ハワイに原隊のある、海兵隊の第268チルトローター・スコードロン。このたび豪州ダーウィンにローテ駐留していたオスプレイ×2機が、6100海里を洋上飛行してハワイまで戻った。

 クインズランド州アムバーレイ空軍基地を離陸したのが9-13。2機のMV-22と、空中給油機のKC-130Jが1機で。

 途中、フィジー、米領サモア、キリバチ共和国に立ち寄り、9-18にカネオエ湾の海兵隊基地に帰還。

 キリバチには中共が外交攻勢をかけていて、2019には台湾と断交した。それでアメリカが手配して今年1月には日本がキリバチに新しく大使館を開設すると発表。7月にはカマラ・ハリスも新大使館の開設と新投資を約束した。

 海兵隊のオスプレイは今年の「バリカタン22」演習で、ハワイから比島まで5000海里を飛べることも見せ付けている。

 ※10月の徳間書店さんからの新刊のタイトルが分かりました。『台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍』で、アマゾンでは予約可能です。台湾が《Z侵略》されたとき、ウクライナの戦訓はどう活かせるか――を徹底的に論じてあります。乞う御期待。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-10-2記事。
   民間会社の衛星画像を解析していたチームは発見した。ロシア本国のあらゆる場所から地対空ミサイル「S300」の発射車両がかきあつめられており、それらをウクライナ国境へ集中させていると。地対地ミサイルがわりに用いようというのである。

 ロシアではとっくのむかしに「S400」という新型SAMができあがっているわけだが、2014のクリミア侵略の結果、西側から制裁をくらったために、ロシア軍にはカネがなくなり、「S300」(NATOコードは「SA-10」)は、ほとんどが更新されずにいまだに現役だ。

 「S300」のアップグレードもなされていない。というのは、「S400」のレンジは「S300」の2倍あり、かつまた、射撃統制ソフトが新式だから、「S400」の1個発射大隊は、「S300」の発射大隊×2個分に相当する。そんな古い「S300」を、いまさらアップグレードする予算などつけていられない。

 それで地対地ミサイルに転用されることになった。
 今日までにすでに500発以上の「S300」が対地攻撃に使われた。しかしさらにまだ7000発くらいは、残っているはずだという。

 露軍が「S300」を地対地ミサイルに転用するテストをしているらしいことは、2022-7月にベラルーシの発表で西側にバレた。
 そもそも「S300」は開発の当初から、対地攻撃にも使えるように考えてあった。そのモードにする場合は、ミサイルの落下直前自爆回路を遮断する。しかし誘導は、発射車両のレーダーを使うしかなかったから、いくらポテンシャルの水平レンジが150kmあるといっても、それを精密に落とすことはできなかった。そこでロシアはことし緊急に、GPS誘導回路を組み込んだのだろうと推定されている。

 なお弾頭重量は100~200kgもあるので、着弾するとハイマース以上の大クレーターができる。先日、民間車列を狙った1発の写真はその傍証である。

 ちなみに台湾軍がもっている「ナイキ・ハーキュリーズ」SAMにも、SSMモードがある。もともと1960年代からそういう設計なのだ。

 ※雑報によると、ロシアの退役中将で国会議員のグルレフが糾弾。ザバイカル軍区にて、帳簿上はあるはずの150万着の冬用戦闘服が、どこにも見当たらない、という。

 次。
 Defense Express の2022-10-2記事「The russian Army to Receive New T-80BVMs, No Further T-72B3 Upgrade Expected」。
    ウラルヴァゴンザヴォド〔このヴァゴンとはワゴンと語源が同じ。つまり車両の意味〕工場は、近代化改修した「T-80BVM」を、まとまった台数〔おそらくは10両未満で、たぶん7両くらい〕、露軍に納品したと広報した。乗員保護を強化したという。

 「T-80BVM」には、「ソスナ-U」という先端的な射撃統制コンピュータがとりつけられる。これはフランスのタレス社の集積回路を使ったものである。ところでこの「ソスナ-U」は、従来、「T-72B3」にもとりつけられていた。西側から制裁を受ける前は、ウラル戦車工場は毎年、最多で50両の「T-80BVM」と、最多で170両の「T-72B3」を、露軍に納品できた。つまり「ソスナ-U」のついた戦車を露軍は毎年200~250両も受領ができたのである。

 ところがフランスのこうした長年の悪徳がついに世界にバレてしまい、2022-2-24以降は特殊軍用チップをロシアに売り渡せなくされてしまったことから、ウラル戦車工場では、「T-72B3」の近代化工事をあきらめるしかなくなった。乏しい在庫のチップをすべて「T-80BVM」に使うことに決めた模様である。

 かつてドイツは1944-12以降、パンターとティーガーI/IIの新造を絞って、3突と4突の増産に生産資源を集約する路を選ぶしかなかった。同じことが、2022のロシアに今、起きているのである。

 ※雑報によるとフランスは、デンマーク陸軍へ納品するはずだった「カエサル」SP×12両を、ウクライナに贈る。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2022-10-2記事「Suspicious drones spy the Ukrainian military training in Germany」。
   10月1日、ドイツ国防省は警報。同国内の「ヴィルトフレッケン」陸軍訓練基地の周辺に、謎のドローンが多数、執拗に飛来していると。

 そこではウクライナ兵が「ディンゴ」APCの操縦訓練を受けている。それをロシアのスパイが覗きたがっているらしい。

 スパイは乗用車を兵舎の近くに駐車し、そこからドローンを飛ばしている。

 ※雑報によると、露軍の捕虜になって先日、捕虜交換されたウクライナ兵たちの証言がすさまじい。なんとメシの時間として毎回「30秒」しか与えられなかったという。しかもわざと、カチコチのパンが出てくる。だから歯を折る者が続出したという。まったく食事を与えないのでは国際法違反だから、30秒に制限して目一杯の嫌がらせを創意工夫しているわけだ。自衛隊は「捕虜にされたときの訓練」を、とうぜんながらやっているだろうね? 新メニューとして「30秒メシ」も加えなくちゃいかんぞ。

 次。
 David Hambling 記者による2022-9-20記事「The Covert Arms Race Between Bombs and Concrete」。
    イスラエルがイランの地下核工場を破壊するのにバンカーバスターが必要だと考えたのは2005年。米国は2009年にそのリクエストに応えて 重さ5000ポンドの「GBU-28」を与えた。これはそれ以前にイスラエル空軍に売られていた重さ2000ポンドの「GBU-31v3」爆弾の四倍の侵徹力があった。

 いまイスラエルは対米要求をさらに引き上げている。
 「GBU-72」をくれと言っている。5000ポンドだが、さらに貫通力を強化したタイプだ。ただし性能の詳細はまったく外部には漏れていない。

 米空軍が最初にバンカーバスター爆弾を導入したのは1985年であった。通常の投下爆弾(汎用爆弾)よりも弾径を細くし、充填炸薬は少ないが、殻が厚い。

 2000年代の前半、米空軍は、「エグリン・スチール」という、専らバンカーバスターの弾殻に用いる特殊な合金を開発した。「エルウッド・ナショナル鍛造会社」の協力を得て。

 「エグリン鋼」は、炭素含有量が少ない。ニッケルも少ない。タングステン、クロム、マンガン、珪素などの元素をそれぞれ微量に含む。

 ながらく、徹甲爆弾用の金属素材としてこれがスタンダードだっが、近年米空軍は「USAF-96」という番号の特殊鋼を調達し始めた。硬さや靭強性は「エグリン鋼」に等しいが、製造コストがより低く、しかも加工しやすいという。

 防弾チョッキのインサートプレートは「ボロン・カーボン」でできたセラミック。やたらに硬いが、至近距離から射たれたタングステン・チップのライフル弾が当たれば、割れる(タマの前進エネルギーはそのかわりに減殺される)。

 地下施設を空爆から防護するための硬化コンクリートも、セラミックプレートに似ている。それは基本的に、割れ易い。コンクリートはそもそも、粘り強い結合をしておらず、引っ張られる力には弱いのだ。

 最新の強化コンクリートのいくつかは、アルミニウムよりも強い。しかし、比較的に割れ易いという特性は、なくすことができない。

 だが、UHPC=ウルトラ高機能コンクリート の性能向上も目覚しい。すでに「1平方インチあたり4万ポンド」の押し圧に耐えられるものがつくられている。多くは、砂利のかわりに強靭な「金属繊維」「特殊繊維」が混ぜられたコンクリートだ。

 繊維が引っ張り力を担任する。それによって「割れ」に抵抗し、もしヒビが生じても、それが拡大するのを阻止する。

 スチールのウィスカーを考えてみよう。これをセメントにまぜればまぜるほど、コンクリートは強靭になる。ところがしかし、もしも重量にして1%よりも多く、繊維を混ぜ込もうとすれば、その繊維素材が互いにくっついてしまう。まずい現象だ。これが、解決至難な、ハードルなのだ。

 1991年1月、米空軍は察知した。バグダッドの周辺に新しい地下の指揮所が建設されていた。それは厚さ数フィートの耐爆コンクリートで囲まれていて、米空軍が持っている2000ポンドのバンカーバスター弾では貫徹は難しいだろう、と。

 そこで5000ポンドの新型爆弾が開発されたのだ。
 フロリダ州エグリン空軍基地内に「空軍弾薬研究本部」があった。そこが1月18日に相談を受けた。

 とにかく時間が無いため、ありあわせの素材として「203ミリ榴弾砲」の砲身を、爆弾外殻として転用することにした。炸薬充填は手作業であった。弾頭部分だけは、ゼロから製造する必要があった。

 1ヵ月もしないで試作品ができた。それを、橇の上に縛りつけ、水平にロケットで加速させてコンクリート標的にぶつける試験にかけたところ、厚さ20フィート以上を侵徹できると確かめられた。

 2月27日、F-111が2機、この爆弾を1発ずつ、イラクの地下指揮所に投弾。
 6秒後、入り口から煙が出てきたので、中味はあらかた片付いたと推定された。

 2012年、米空軍は、UHPC製の防爆壕を貫徹破壊できる新型爆弾の研究開発プロジェクトをスタートした。米空軍はこのために、かれら独自のUHPCをまず製造する必要があった。「エグリン高強度コンクリート」と呼ぶ。

 前後するが、米空軍は2011年に、重さ3万ポンドという「MOP(大型徹甲)」爆弾を受領している。5000ポンドのバンカーバスターでは貫徹できない目標が現れるのではないか、心配だったのだ。

 ちなみに「空気爆発大型爆弾」略して「MOAB」の全重は2万1000ポンドだから、MOPはそれを凌ぐ横綱サイズである。でかすぎるため、B-2爆撃機だけが、これを運用できる。

 トロントにある「先進マテリアル開発会社」のヴァルタノフ博士いわく。UHPCと徹甲弾の勝負は、徹甲弾が「エグリン・スチール」のような「均質合金」の弾殻素材を使う限りは、UHPCの方に分があり、徹甲弾は負ける運命だ、という。
 (その主張の根拠となる数式を、博士が『Aerospace & Defense Technology』誌の2021-2月号に寄稿している。)

 さいきん、中共の研究所が「GFGC」(段階機能性セメント複合材)を研究していることが明らかにされた。
 それは三層からなる。表層は薄い砂利コンクリートのUHPC。中層は分厚い複合素材繊維入りのUHPC。そして最終層はスチールファイバー入りのUHPCだ。

 最終層は特に引っ張り力を強化してあり、固体中を伝導する衝撃波が起こす「スポーリング」(コンクリートの塊が内側壁から剥離して高速で飛び散る現象)を抑止してしまう。

 中共はすくなくも4年間、すでにこの「重層コンクリート構造」による防空壕設計の研究を続けてきていたようだ。

 英国のシンクタンク「RUSI」に所属しているジャスティン・ブロンクいわく。マッハ5で飛翔するハイパーソニック弾に、タングステンの弾芯を仕込み、炸薬なしでバンカーに突入させれば、それは理想的なバンカーバスターになるだろうと。

 敵の指揮所の地下壕を完全破壊する必要はない。入り口にダメージを与え、通気孔や通信線を遮断するだけでも、目的は達成されると。

 ※究極の地下防爆壕構造は、断面が六角形の「コンクリート製土管」を、巨大な集束ケーブルのように束ねて、それを水平に長~く伸ばして埋めてある構造だと思う。つまりおおきなスペースをまるごと包もうとするのではなくて、おおきなスペースを細長く分割して、敵空軍が狙いをつけられないようにしてしまうのだ。この「土管」の下層、もしくは端縁部の内部は、誰が考えたって無傷で生き残るだろう。米空軍は、コンクリートの床の階数をカウントできる、特殊な徹甲弾用のスマート信管をもっているが、六角形土管が積層されている地下構造物が対象となったら、その信管もまた無力であろう。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-10-2記事「Turkey’s newest Ak?nc? UCAV is already on a mission over Syria」。
   バイラクタル社製の最新の攻撃型ドローン「アキンジー」が、北部シリアの上空で作戦飛行を開始した。写真が撮影された。

 アキンジーのエンジンは、「イフチェンコ・プログレス・モトル・シッチ AI-450T」ターボプロップ×2発で、すなわちウクライナ製である。
 最高速力361km/時。巡航速度は240km/時。
 常用高度は9000m。最大上昇限度として1万3000mまで行ける。
 燃料満タンで、航続距離7500km。

 トルコ陸軍はすでに同機を12機、受領済み。

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 2022-9-30記事「Drone crash into powerline “cuts electricity supplies to over 2000 Brisbane residents”」。
   オーストラリアのブリスベーンで、荷物配達用のドローンが送電線を切断。2000戸を停電させ、完全復旧までに3時間かかった。 

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 「Case Study: Multi-Fuel Engine for Long-Range Unmanned Helicopter」という記事。
    ヘリコプター型の無人機「センチネル・ロングリーチ70」が搭載する「DF70LC」エンジンは、70cc.の2気筒で、水冷式。「ヘヴィー・フュール」すなわちJP5〔艦上機用で灯油系〕やJP8〔陸上機用で灯油系〕や「Jet A1」〔民航機用で灯油系〕を、ガソリンと同様に燃焼させることができる。出力/重量比は、抜群である。

 このUAVは、最大離陸重量30kg、最大ペイロード6kg、燃料は10リッター、滞空最大8時間可能、ホバリングだけでも6時間可能。

 ※『道新』の記事によると、デントコーンが高さ2mまで繁茂した畑の中にヒグマがいてもまったく地上からは発見することができず、もし猟銃を発砲してもデントコーンで弾道が邪魔されてしまって、殺せないかもしれないという。現代の「徐州作戦」か!? だからドローンを使って垂直に銃撃する必要があるんだよ。いつまでもしょうもない議論をしていないで、わたしのネットパンフレット『鳥獣から人間を保護する法律が必要だ』を一読したまえ!



ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍

BOOTH
鳥獣から人間を保護する法律が必要だ──「害獣退治庁(仮)」の組織および装備を提言する


どなたか、クライヴ・ポンティング著『世界を変えた火薬の歴史』の古書をご恵与くださりませぬか。

 アマゾンの売価が高すぎて、手が出せねぇ!
 線引きありまくりでも気にしません。わたしには新品は必要ないんです。

 もちろん、noteやユグドアを通じたご喜捨でも、間接的に、この調達ができるようになるのであります。
 先月のご喜捨がほとんどゼロ円でしたので、困窮しております。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2022-9-30記事「Korea supplies arms to Ukraine, incl much-coveted Chiron MANPADS」。
    韓国はチェコの武器会社に「チロン」(神弓)というMANPADSを含む、まとまった武器弾薬を納品する。その代金は米国が韓国に支払う。総額30億ドル近いという。それら韓国製の軍需品は、チェコからウクライナ軍へ援助される筋書きになっている。

 この話をすっぱぬいたのはチェコのメディアの「iDens.cz」。国際マネロンを追っているカレル・H氏の調査報道だ。「秘密貿易だ」という。

 韓国政府は表向きには、ウクライナには武器を供給しないと公言中。そこで、エンドユーザーはチェコ軍だという契約にしてこれらの武器弾薬を納品する。チェコのメーカーはその契約条項を堂々と無視する段取りである由。

 宰領するチェコの会社は「Ceska Zbrojovka」で、猟銃から軍需品まで生産している。その親会社は「Colt CZ グループ SE」という。しかしコルト社ではこの報道を否定している。

 「神弓(Shingung)」、別名「KP-SAM」は、韓国軍が2005年から使っている。メーカーはLIG Nexだ。韓国軍以外では、インドネシア軍だけが購入している。

 1人では発射できず、地上の三脚に載せて、2名で発射する。ミサイルは径80ミリ。

 弾頭重量2.5kg。水平レンジ7km。
 ※日本語ウィキによるとシーカーはロシア製だと。

 チェコはこれまで1600万ドル規模の武器援助をウクライナのためにしていると推定されている。大きなものでは、ヘリコプターや戦車が含まれる。
 そしてEUは、復興資金の名目で、チェコによる対宇軍事援助負担の80%を払い戻してやっている。

 プラハの消息通によれば、ウクライナはチェコに対して20億ドル規模の兵器弾薬を「発注」しているという。


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 Defense Express の2022-9-30記事「Rare Footage of HIMARS work in Ukraine Released: In Some Areas, Up to 70 % Fire Damage is Provided by the American MLR System」。
   『WSJ』の報道によると、南部戦線で露軍に与えている火力損害の70%はHIMARSによるものだと。

 ※ハイマーズの終末誘導ロケット弾である「M30A1/A2」の弾頭部分には1万8200ピースの「タングステン・スチール合金」のペレット破片が仕込んであり、それが飛散してソフトスキン車両を穴ぼこだらけにしてしまう。1弾頭の破片の総重量は50kg前後か?

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 WIB編集部による2022-9-30記事「Zelensky tells Russian conscripts to tattoo their names on their bodies so they can be identified」。
   ゼレンスキーによると、このごろの露兵はドッグタグや兵隊手帳を身につけておらず、軍服に名札すらなく、よって、死体が戦場に遺棄されてしまうと、ウクライナ側ではその身元を知り得ないという。
 そこでゼレンスキーは露兵に対し、戦地に出る前に、肌に直接、じぶんの名前を「入れ墨」しておいてくれ、とよびかけている。そうすれば、親族の元へ返還しやすい。

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 AFPの2022-9-30記事「Europe’s biggest nuclear reactor reaches full power」。
   フィンランドの「オルキルト3」原発がようやく最大出力運転に達した。1600メガワット。こいつは欧州最大の原子炉で、全世界でも第三番目にランクされる。

 オルキルトは1号炉から3号炉まで合計すると、フィンランドの全電力需要の4割を送り出す(1+2で21%、3が19%)。

 3号炉のメーカーは「アレヴァ + ジーメンス」で、竣工が3月であった。

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 ロシアの水中ロボットは、ノルウェーの天然ガスをポーランドまで圧送する「バルティック・パイプ」とのクロス点から500mしか離れていない箇所でノルドストリームを爆破したのだという報道がある。

 どうも「バルチック・パイプ」を破壊する意欲、満々なのだ。

 前にガスプロムの系列会社の役員が謎の自殺だか事故死だかを遂げているのだが、その幹部は、海底パイプライン爆破工作に必要な部外秘情報を提出せよとプーチンから迫られて、それを渋ったのではないか?

 そうだとすると、気になるニュース。ロシアの鉄道会社の幹部が、先日、謎の死を遂げているのだ。もし同じ筋の陰謀なのだとすれば、次にロシアが爆破するのはどこかの鉄道? 「張作霖爆殺」もしくは「柳条溝」事件に似た事件が起きるのか? それとも、鉄道線路に併設された、別なライフラインか?

 原発の送電線に対する破壊工作も、この調子では、ぜったいにあるよね。

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 AFPの2022-9-29記事「Wind turbine maker Siemens Gamesa plans 2,900 jobs cuts」。
   風力タービン・メーカーである「ジーメンス・ガメサ」は、従業員2900人を解雇するつもりであると発表した。全社員の11%である。

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 AFPの2022-9-29記事「After California, New York moves to ban new gas vehicles by 2035」。
   ニューヨーク州知事は、2035年までに、すべての新車(乗用車、ピックアップトラック、SUV)に、ゼロエミッションを要求する。

 EUは2035までにガソリン車とディーゼル車を終らせるつもり。英国は2030年にそれをやると言っている。


兵頭二十八 note

(管理人Uより)

 右や左の旦那様、お世話になっております。ユグドアはご喜捨を兵頭先生が受け取るまで、最短1ヶ月かかります(送金キャンセル・停止もできます)。「先月のユグドアへのご喜捨=兵頭先生が先月受け取る事ができた金額」ではありません(Noteのサポートは私にはわかりません)。
 ですので「あれ? 先月ユグドアのご喜捨したのに?」というお方へ。ちゃんと、ある程度の金額が送金可能になる毎に送金しております(出金時にユグドアへ送金手数料が発生するため、都度都度では勿体無いのです)。ご喜捨やメッセージは兵頭先生も当然、閲覧可能にしています。

 2022年10月2日 追記:兵頭先生には「世界を変えた火薬の歴史」が届くよう、10月1日夜に発注しました。


世界を変えた火薬の歴史


最新の ★《続・読書余論》は、 小林幸雄著『図説イングランド海軍の歴史』2007年刊・ほか です。

 《note》 https://note.com/187326mg/  を ご覧ください。

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 Andreas Kluth 記者による2022-8-4記事「Don’t Let License Plates Start a New War」。
   アレクサンダル・ヴチチ大統領は《セルビアのプーチン》と呼ばれている。じっさい、プーチンの舎弟のようにふるまっている。このたび隣国コソヴォと戦争再開するかのような緊張を演出して、苦境のプーチンを援護射撃した。つまり世界の関心をバルカン半島へ移してやろうというわけだ。

 ここで戦争が再開された場合、NATOはコソヴォの側に立ち、ロシアと中共はスラブ系(且つギリシャ正教会)のセルビアに味方する。

 1990年代、セルビアの独裁者ミロシェヴィッチは、イスラム教徒が多いボスニア国内のセルビア人を助けるという名目で軍事介入。と同時に、当時はセルビア領の一部であったコソヴォに住む多数派のアルバニア人をエスニッククレンジングしようとした。
 NATOがセルビア空爆に踏み切ったのは1999であった。

 ミロシェヴィッチは国連により戦犯裁判にかけられてジェノサイドの罪で死刑になるはずだったが、裁判が結審する前に獄死した。

 NATOの平和維持軍は今もコソヴォに駐留中である。

 そして今、セルビア人の「三分の二」が、ロシアのウクライナ侵略を支持している。

 コソヴォがセルビアから分離独立すると宣言したのは2008だが、セルビアはそれを承認せず、却ってコソヴォと西側の連絡を遮断しようとした。

 セルビアがロシアと異なるのは、EU加盟を望んでいることだ。
 しかしEUには独自の規定がある。公然と領土係争しているような国の加盟は無理である。

 コソヴォ国内に住むセルビア系住民は、セルビア政府が発給するIDカードと自動車ナンバプレートを使ってきた。コソヴォ政府は、新法を立て、それらを、コソヴォ政府が発給するものに切り替えさせようと考えている。
 これにセルビアが怒って、また戦争を始めようとしているのである。

 ロシアはすかさず宣伝で加勢し、コソヴォ政府はセルビア人を虐殺しようとしているぞ、と煽っている。
 セルビア議会内では一議員が、こうなったらセルビア軍がバルカン半島を「非ナチ化」する戦争を開始しなくてはなるまい、と叫んだ。まさにプーチンのレトリックだ。

 欧米の助言により、コソヴォ政府は、自動車ナンバーの切替えの件は9月まで延期すると表明した。
 しかし発砲を伴う暴動は、もう起こっている。

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 The War Zone の 2022-8-4記事「Rare Russian ICBM Carrier Training Vehicle Had A Nasty Accident」。
    露軍には、「トポル」ICBMの運搬発射台トラック「MAZ-7917」の《教習車》がある。ダミーのミサイルを搭載して路上教習するのだが、そこで一般車両と交通事故を起こした現場写真がSNSに出ている。

 ちなみにダミー・ミサイルは《水タンク》構造になっていて、中味は大量の水、もしくは砂である。

 露軍はBMSという、もっと洗練された教習用トラックも作っている。こちらは「重回収車」の機能も兼備する。

 教習車の全重データはない。しかしシャシであるMAZ-7917は、それだけで33トンある。全長は19m、旋回半径は27mという。

 交通事故の詳細は不明なるも、おそらくは、乗用車は先に他の何かと接触事故を起こし、そのはずみで《教習車》の正面に飛び出し、教習車と正面衝突して止まったのであろう。

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 日本国内用のドローン操縦訓練&射爆訓練ができる「フライト・シミュレーター」が開発されるべきだ。地方在住者は奮起せよ! そしてわたしを副社長にしてください。

 日本の通産省の役人は、日本国内から《DJI》のような世界的企業を生み出す方法をまったく考えることができない。まあ、考えることができるくらいならじぶんで起業しているであろうから、それはある意味、尤もである。

 ところでわが国の近未来の防衛を考えるときに、誰も自由にドローンを飛ばせない日本の法環境ははなはだ不利である。
 ガチガチのドローン規制のために、操縦経験者の裾野が広がらず、この分野を得意とするソフトウェア開発者が生まれない。
 それでは、将来の有事のさいに友邦からドローンの現物を援助してもらったとしても、誰も使いこなせないし、今ウクライナの民兵がやっているような、「爆撃機への改造」など思いもよらないではないか。

 そしてわたしが提唱する「ドローンによる敵後方兵站妨害」戦術も、わが国に関しては構想倒れに終わってしまうであろう。敵国だけが実践するようになるであろう。

 それではいけないから、バーチャルな「ゲーム」によって環境を一変させるべきだ。
 VRのシミュレーターでいいのだ。
 現実の日本そっくりの《仮想空間》の中で、ハイブリッド・ドローンを操縦し、高架線にかからないように夜間に鉄道線路上に磁気地雷を敷設して、また戻ってくる。

 あるいは敵のAFVや塹壕陣地に改造爆弾を投下する。

 これをリアルに誰でも《練習》できるようなソフトウェアは、できるはずである。現実世界で実機さえ飛ばさなければいいのだ。
 もちろん、実際に入手可能なドローンのスペックと応答性を、仮想空間内でも再現しなければならない。起き得る通信障害もできるだけ本物らしく再現できることが望まれる。

 だが、最初は、チャチなものでいいのだ。昔のワイヤーフレーム「なんちゃって3D」式の。

 そこからスタートしておいて、だんだんに流行らせて行けばいい。天象、地形、植生、すべてにおいて、みんなで、そのディテールを補正し、充実させ、数年で大成させればいい。

 このようなプロジェクトなら、田舎に住んでいるプログラマーでも参画ができる。それで儲ける方法も考えようじゃないですか!


★《続・読書余論》 小林幸雄著『図説イングランド海軍の歴史』2007年刊・ほか


最新の ★《続・読書余論》は、ブリチェット著『アメリカ憲法入門』1972年刊・ほか です。

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 Defense Express の2022-7-31記事「Why russians Squirm Insede the T-72B3 and Abandon Them on Battlefield so Often」。
  露軍はすでに250両以上の「T-72B3」をうしなっている。そのなかには2011年型と2016年型が混ざっている。
 また100両以上は、半壊か無傷の状態でウクライナ軍に鹵獲されている。

 ふたたび、元戦車教官のミコラ・サラマハ退役中佐に語ってもらおう。

 2016年型はマイナーチェンジされているのだが、砲塔内部のレイアウトに手をつけてない。これが欠陥のおおもとなのだと中佐は言う。

 2011年型では、「TPN-1」という古い夜間用照準器が、主照準器の左側についていた。
 その夜間用照準器が、2016年型では、「ベラルーシ=フランス」製の「Sosna-U」という新型に置換されている。

 T-72の正面写真で見ると、砲塔のむかって右側がガナー席になるが、その頭上、よりセンター寄りに小さい窓付きボックス、より右寄りに大きな窓付きボックスが並んで載っている(さらに隣の右端には可視光サーチライト)。この大きい箱がサーマルサイトなのだ。

 この製品は性能は良いのだが、取り付け位置がぜんぜんよくない。ガナーは、戦場、とくに後方を広く見渡すのと、照準をつけるのとを、同じ表示装置を覗きながら切り替えられない。

 なにしろ、主照準器の「1A40」は、アナログなのだ。それとデジタルの「Sosna-U」はひとつのモニター画面には同居させられない。

 またウクライナ兵が、遺棄された露軍のT-72の車内を捜索しても、テクニカルマニュアルが出てこない。現代兵器の細かいところをマニュアル無しで全部頭の中に入れられるわけがない。

 T-72B3は、主砲を2発射つのに、インターバル時間が20秒から25秒かかる。
 それに対してT-64BVやT-80は、30秒あれば3発射撃可能である。

 おそらく未教育の戦車兵たちは、じぶんが乗っているT-72を戦場に遺棄して逃げ出すチャンスを、待ち構えているのだろう。わずかな被弾・不具合などのきっかけで、彼らは、T-72を捨ててしまう。これさいわいと、鉄の棺桶から逃れ去るのである。

 ※雑報によると、生きて虜囚の辱めを受けることを選んだ結果として案の定、50人ばかり皆殺しにされて拷問の証拠を隠滅されてしまったアゾフ大隊の収容所の爆破跡を見れば、側壁に破片の穴がないので、ロケット弾が落ちたというのはロシアの大嘘であるのは確定した。では何を使ったかだが、気化爆薬の類ではなかろうか。チェチェンの市街戦でビル攻略に昔から用いているので。

 ※SNSに、ウクライナ兵が長い竿を振り下ろし、非舗装の路上に散布されたロシア製の蝶々地雷(PFM-1)を叩いて爆破処理している動画が出た。破片についてはまったく心配する必要がないらしい。

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 Defense Express の 2022-7-31 記事「The Future of Ukraine’s T-64 Tanks, How Many of Them Remain In Service」。
   いま、ウクライナ陸軍はT-64BVを600両ほど維持している。この戦車戦力は今後、2個の戦車旅団に集めるか、古い「機械化歩兵旅団」に分属させるか、どちらかだ。

 ミコラ・サラマハ退役中佐いわく。この戦争はあと半年か1年続くだろう。T-64BVは2017年に近代化工事されたものなので、まだ寿命がある。さらに改修されて、あと10年か15年は現役だろう。

 しかし、戦後はチェコ共和国と、ウクライナ軍用の戦車の生産に関して協力することが望まれる。
 というのもウクライナ人は新AFVを独自に設計することはできても、それを製造するアセットが当分は足りないからだ。

 以下、付表の数値紹介。

 2-24開戦前、ウクライナ軍の戦車戦力は……。
 T-64 BV/BM ×620両。
 T-64 BM BULAT ×100両。
 T-72 A/M ×133両。
 T-80 BV ×34両。
 T-84 OPLOT ×5両。

 これらの戦車のうち400両をすでに損耗。かわりに露軍からT-72×186両鹵獲。友邦から300両貰い。T-80を露軍から60両鹵獲している。

 2-24開戦前、ウクライナ軍の装甲車戦力は……。
 BMP-1 ×213両。
 BMP-2 ×890両。
 BMD ×105両。
 MT-LB ×45両。
 BTR-80 ×102両。
 BTR-70 ×215両。
 BTR-3 ×60両。
 BTR-4 ×105両。
 BRDM ×432両。

 これらの装甲車のうち1300両をすでに損耗。かわりに露軍からBMP-1を30両鹵獲、友邦から100両貰い。BMP-2を露軍から70両鹵獲。BMDを露軍から100両鹵獲。BTR-80を露軍から50両鹵獲、友邦からは35両貰い。M-113 を友邦から316両貰い。

 ※どなたか『物質文化』という学術雑誌の54号をお持ちではないでしょうか? 1990年か91年の刊行物です。その中に日本の中世の鏃の金属素材について書かれている記事があるそうなのですが、そのコピーを見たい。


★《続・読書余論》 ブリチェット著『アメリカ憲法入門』1972年刊・ほか


最新の ★《続・読書余論》は、『日本は世界第5位の農業大国』『永田鉄山 軍事戦略論集』・ほか です。

 《note》 https://note.com/187326mg/  を ご覧ください。

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 John Daniel Davidson 記者による2022-7-29記事「Pay Attention To The Dutch Farmer Protests Because America Is Next」。
   なぜオランダの農民は怒っているのか? EUと政府の気候対策とやらで、酸化窒素の環境放出を減らすためとして、必要な肥料も買えなくされ、家畜頭数は削減を迫られているから。
 この蘭政府と同じことをバイデンの民主党も狙っている。今日のオランダの騒動は、明日のアメリカの騒動なのである。

 ※世界でいちばんひとりあたりカネを稼いでいるのはオランダの農民である。騒いでいるのは「富豪」たちなのである。生産品はほとんど輸出されている。国家にとっても稼ぎ頭の輸出産業を政府が締め付けたら反発を食らうのは当然だ。しかしオランダの立場は弱い。海面レベルが上昇すれば、EUで最初に国が消滅してしまうのだから。富豪農民は、資金があるうちに、国外脱出しろということだね。海に沈みそうにない北国の山の手で、大消費地の近くでもあるような地域に。

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 Anne O. Krueger 記者による2022-7-28記事「Sri Lanka debt crisis is a lesson for all countries」。
    10年前、スリランカの経済はめっちゃ調子よかった。成長率6.5%は世界一だった。それを緩慢な人口増加率の中で達成していた。2019においてもなお成長率は3%を越えていた。

 ところが2019年に政権交替が起きた。この政権は大規模な減税を打ち出した。
 結果はすみやかにあらわれた。2020と2021の政府予算は大赤字。その額はGDPの10%以上だった。
 それまでずっと5%だったインフレ率が、5月には39.1%、7月には54.6%になった。

 追い討ちをかけたのが、2021春に発表した「肥料輸入の禁止」。
 そんなことをしたらコメの収量は20%減るし、茶の輸出も激減するのに。

 新コロのおかげで、海外からの観光客も絶えた。これもあって、同国は外貨が用意できなくなってしまい、必要なものを輸入できなくなった。

 2021年末にはこの国は経済的に終わっていた。5月、デフォルト宣言。

 破綻の淵から立ち戻り、まともな安定成長ができるようになっている先例がある。2002年以降のブラジルだ。IMFに言われる前にやらなくてはいけない「痛い改革」をさっさとやれ。ブラジルを見本にせよ。それ以外に、抜け出す道はないのだ。

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 Sasa Dragojlo 記者による2022-7-26記事「Crashed Plane was Flying Arms for Polish-Owned Bosnian Company」。
   7-17にギリシャ国内のカヴァラ市に墜落した、ソ連時代の古い輸送機「アントノフ12」。乗っていた8人が死亡した。積荷は、セルビア製の兵器だった。行き先はバングラデシュ。その商談をまとめたのは、ボスニアに拠点を置く、ポーランド資本のの武器商社「メタレクスポルト-S」であった。

 積荷は11.5トンあった。セルビア製の弾薬。

 最終的な書い手はバングラデシュ国防省。
 弾薬はサラエボで搭載された。サラエボには、「メタレクスポルトS」の子会社の「BA メタレクスポルト」がある。

 このアントノフ機の運航会社が「メリディアン」というウクライナの企業であったことから、仕向け地はウクライナだったのではないかと人々は思った。しかし、違うという。

 この弾薬売買の商談は2021年にまとまっていたのだ。つまり今次ウクライナ戦争が始まる前。

 弾薬の詳細。60ミリの訓練用の迫撃砲弾。82ミリの訓練用迫撃砲弾。82ミリの照明弾の迫撃砲弾。

 この弾薬の工場出荷価格は60万2790ドル。
 このような小口の荷物を飛行機でバングラデシュまで運ぼうとしたのには合理性がある。今、欧州からコンテナ1個をバングラまで海送すると、15万ユーロもかかってしまうのだ。そんなカネはバングラには無い。小型輸送機で運べるなら、バングラにも払える運賃でおさまるのだ。

 墜落した機体は製造されてから50年も経ていた古いものだった。1973年以降は製造されていない型式である。
 墜落パイロットからの無線連絡によると、双発エンジンのうち1基が火災になったらしい。そして、緊急着陸は、間に合わなかった。

 次。
 AFPの2022-7-27記事「Bangladesh to buy Turkey’s Bayraktar TB2 combat drone」。
   バングラデシュの新聞が報じたところによると、バングラ陸軍は「TB2」を買おうとしている。

 トルコとバングラは1981年から軍事協力関係あり。これまで装甲車、野砲の弾薬、多連装ロケット砲などを売っている。

 次。
 Defense Express の2022-7-29記事「Military Expert Explained Why russians Failed With Their “Terminator” Tank Support Vehicles」。
    ロシアが持ち込んだ10両の「ターミネイター」は、けっきょく、うまく働かなかった。
 その理由を、元戦車隊教官であった、ウクライナ軍の予備役中佐が解説する。

 基本コンセプトが悪い。1人のガナーが、2種類の自動火器を担当する仕組みなのである。これでは七つ道具の持ち腐れだ。しかも、射撃中には弾種の変更ができない。すなわち、徹甲弾とHE弾の切り替えが不可能なのだ。

 これならBMP-2のほうがよっぽど便利である。その自動火器は、AP弾と榴弾をワンタッチできりかえられるから。

 というわけで多くの「ターミネイター」が宇軍の砲撃で損傷したのを理由にはるか後方の整備工場まで戻されたようである。前線の兵隊は、BMP-2を選好し、「ターミネイター」にはダメ出ししたという格好だ。

 ※雑報によるとマケドニアからT-72がウクライナへ搬入されつつある。同国は30両弱を保有しているが、ぜんぶくれてやる気だろう。

 ※SNSに興味深い動画がUpされた。道路から100mくらい離れた畑の中から地雷が、路上の数十m虚空へ飛び上がって、その弾道飛行の途中で自己鍛造弾を下向きに射出。道路を通過走行中の露助のAPCがみごとに天板を貫かれている。なんという兵器なのか、まだ名前が出ていない。

 次。
 2022-7-28記事「Boots complete drone delivery of prescription medicines in UK first」。
   英国の無人機ベンチャー「ブーツ社」。このたび、処方医薬品を届ける無人機の飛行テストを、ポーツマスからワイト島まで、成功させた。

 より正確には、ポーツマス軍港のすぐ近くの海岸にある陸軍のベイカー駐屯地から離陸した。そしてワイト島のセントメリー病院に着陸した。

 このUAVは電動で、離着陸は4軸串形ローターを使って垂直に行ない、途中の巡航はプッシャープロペラを回して主翼の揚力で飛ぶ。最大離陸重量85kg。ペイロードは20kgである。

 ※まさに敵地の鉄道線路内に磁気地雷を置くために設計されたような機体ではないか! ……と思ったら、ポーツマスとワイト島は目と鼻の先だ。しかし、カーゴベイ内に「燃料電池」を予備バッテリーとして搭載し、飛ぶほどにそれは軽くなるようにし、地雷の積荷を10kgに制限すれば、敵地内に80kmくらいも入ってまた帰って来られるのではないか?

 この機体を設計した会社は「スカイリフト」社という。

 ※別記事でたしかめたら、ワイト島までの飛行時間は30分だった由。


★《続・読書余論》『日本は世界第5位の農業大国』と『永田鉄山 軍事戦略論集』・ほか