Michael Rybnikov 記者による2025-5-5記事「NATO Chief Rutte Proposes New Defense Spending Model to Meet Trump’s 5% Goal」。
トランプは他のNATO加盟国に、GDPの5%を防衛関連で支出せよと要求し続けている。
ロイターによると、NATO事務総長のルッテは、これを承けて、加盟国に内々に次のように呼びかけたという。まずGDPの3.5%を直接軍事費として支出する。加えてGDPの1.5%を、インフラの近代化、サイバー防禦、戦時の強靭性の向上といった広義の安全保障のために支出しようじゃないか、と。
現状、米国自身もふくめて、GDPの5%を国防に割いているNATO加盟国は存在しない。
ポーランドは4%以上を支出する優等生。米国は3.2%である。いずれも2024実績。
※付表によると、ポーランドの国防費は金額比較ではイタリア、トルコの次に大きい。カナダやオランダやスペインよりも巨額。
6月にはハーグでNATOサミットが予定されている。
次。
ストラテジーペイジの2025年5月5日記事。
ソ連時代の鉄道システムを、プー之介は、2人のオリガルヒに忠誠褒美として分け与えた。ひとつは機関車と貨車・客車。もうひとつは線路施設。
しかし後日、プー之介は、前者の取り分をさらに2分割して、第3の子分のオリガルヒに与えた。
このようにプー之介のきまぐれで、いつ、いったん与えられた持ち株を、また召し上げられるかもわからないことから、こうした資産を手にしたオリガルヒ経営陣としては、長期の投資などもう考えるわけがない。利益の手っ取り早い収奪だけを考える。車両のメンテナンスにあたる労働者を訓練してやろうという気もなかったのは当然だ。
こんな空気は末端社員も汚染した。末端鉄道員は各所で銅線を盗んで横流しするようになった。
プー之介は、2022春の侵略開始の準備として、2021夏から、鉄道の目一杯の稼働を命じた。扱い荷物が2割、増やされた。これは、鉄道車両のベアリング摩耗と線路の傷みの進行速度を2倍にした。
EUの鉄道は今日ではほとんどが「磁気軸受け」(コイル・ベアリング)を使う。この非接触式ベアリングの製造技術はロシアにないのはもちろん、中共にもない。だから、西側諸国が対露経済制裁を発動したことで、ロシア鉄道は、ベアリングをもはやどうにもできなくなっているのだ。
古い接触式のベアリングをどこかから持ってくることは可能だが、それを交換するのは熟練修理工にしかできない。オリガルヒは、そうした技能を有する熟練修理工を社内で養成しなかった。だから、ロシアの鉄道網は今、急速に、自壊消滅に向かって走り続けている。
磁気ベアリングなら、素人でも交換は容易で、しかも交換後の耐久年数は旧型ベアリングの4~5倍ある。それがロシアではもう手に入らない。
2013年以降、ロシア鉄道を拝領したプー之介の子分のオリガルヒたちは、磁気ベアリングの方がランニングコストが低く、初期投資は割高でも10年未満で償却してしまえるため、その採用を進めていた。2022年時点では鉄道機関車と貨車・客車の85%=200万台は磁気ベアリング化していた。これが今、酷使によって急速に自壊しつつある。
開戦後、旧式ベアリングの30万台の鉄道車両は、すぐに運行が不可能になった。
西側製のコイルベアリングも、永久に耐用するものではない。シベリア鉄道のように酷使されると3年で交換が必要になる。
2022年初頭に輸入することができた最後の西側製コイルベアリングも、今の戦時酷使が続けば、2025年夏には壊れる。平時ならば8年はもってくれるが、戦時には寿命が半減するためだ。
※報道写真から理解できた、露軍が戦場に持ち出している「乗用車改造戦場タクシー」の改造ポイント。エンジンのフロント下方のみを鉄板で防弾。車体は後方以外の全周に「蚊帳」を鳥籠式に展張してドローン避けとする。後部座席より後ろの天蓋や壁は切り取ってしまい、「お客」がいつでも瞬時に車両後方の地面へ下車できるようにしておくこと。
※SNSに素朴な質問が上がっていた。クォッドコプター型のドローンよりも、固定翼型のドローンの方が、コスト対パフォーマンス比はよくなるはずなのに、どうして西側は固定翼型をもっと大量生産して宇軍に供給しないのか、と。答えは、マルチコプターのローターは「インチ」刻みで規格化されていて、部品が欲しければ海外自由市場を通じて中共製の安いモノを即座に無尽蔵に調達可能となっているのに対し、他方の固定翼は、あらかじめ規格化のしようがなく、もしそれをマルチコプター並に大量製造させようと思ったら、1機種ごとに「金型」に投資して、専用工場で量産させるしかない。注文に先行してそんな大投資をする民間社長が、いるわけがない。しかも固定翼の形状は、将来、すぐに「仕様変更」されかねない。そしたらまた「金型」から作り直しである。やっていられるかという話なのだ。