F-35の胴内弾庫にB61水爆×2個を収蔵して飛んでいる写真が公表された。「こっちも準備はできているぜ」というわけだ。

 Joseph Trevithick 記者による2022-9-22記事「New Look At Air Force’s Ship-Killing Smart Bomb In Action, Seeker Details Revealed」。
   2000ポンドのJADAM(GPS誘導爆弾)を、比較的安価に、対艦自律攻撃兵器に変えてしまう「クイック・シンク」という後付けキットを米空軍は開発しており、今年すでに、実艦撃沈実験もなされている。
 その爆発景況のビデオが公表された。すごい。標的廃艦『コースタル・シー』(輸送船)の竜骨がヘシ折れ、文字通りまっぷたつになって轟沈。わざと至近弾として水中にもぐらせ、アンダーキール深度で炸裂させているためだ。爆弾の落角はかなり急で、80度くらいか。

 メキシコ湾の底に沈んだ『コースタル・シー』の残骸の3D描画も公開された。真っ二つ。

 クイックシンクのシーカーは、レーダーと赤外線イメージの二本立てである。それが後付けの「帽子」の中に組み込まれている。

 かたや、JDAMの誘導機能は、投下爆弾の弾尾に後付けされるものだから、二つのシステムは干渉しない。

 なにしろ2000ポンド爆弾の水中爆発であるから、着水点がちょっと離れてしまっても、確実に敵艦を故障させてやることができる。水中衝撃波だけで精密機器は機能不全に陥るだろう。

 2021のシンクエックス演習で沈められた廃艦はフリゲートの『イングラハム』だった。そのときのトドメの1発は「マーク48」魚雷のアンダーキール爆発。景況ビデオを見比べると、クイックシンク爆弾は、長魚雷と互角の破壊力であることが端的に分かるだろう。

 FY2023の予算要求から試算すると、最新の「マーク48・モデル7」魚雷の1本のコストは540万ドル弱だと分かる。

 それに対して2000ポンドのJDAMである「GBU-31/B」は1発20万ドル。これは、もし1000発以上を量産すれば、5万ドルまで低下するであろう。

 現在、世界のほとんどの対艦ミサイルは、1発100万ドル以上する。「クイックシンク」はまちがいなくそれ以下で調達される。

 JDAMの難点は、ちょっと高目の高度から投下しても、レンジは15海里くらいしかないこと。そのかわりF-35Aからも投下はできる。

 次。
 Defense Express の2022-9-23記事「Ukrainian Air Defense Takes Down Four More Iranian Shahed-136 Drones: With Only Two Missiles」。
    南部戦区であらたに4機のイラン製「シャヘド136」の墜落残骸を得た。ウクライナ軍は2発の中射程SAMを発射している。2発で4機が落ちたらしい。

 ミサイルの機種は不明。しかし対ドローン用として最も有効なのは英国から援助された「マートレット」だそうだ。
 ただマートレットのレンジは8kmなので、これは「短射程」だから、違うだろう。

 米国製のNASAMSは、11月後半にならないと戦線意には出てこない筈。

 とするとドイツがくれるはずの「IRIS-T」かもしれない。9月には届くと言っていたので。

 次。
 Defense Express の2022-9-23記事「The Armed Forces of Ukraine Destroyed Six Iranian kamikaze drones at Once」。
   オデーサの政府建物には「シャヘド136」が2機、命中した。民間人1名死亡。

 「シャヘド136」は弾頭重量が50kgもあり、それで1000km飛翔する。その弾頭を軽くすれば飛行距離は2500kmまで理論上は延ばせる。
 飛翔高度は最低60m、最高4000mだ。巡航速度は180km/時。
 エンジンは「MD550」もしくは「3W」。そのノイズは数km先から聴こえるという。
 ステルスではないので普通のレーダーで探知できる。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2022-9-23記事「Confirmed: Russia uses swarming Shahed-136 loitering munition」。
   すくなくとも1機の、撃墜された「シャヘド136」の弾頭は、爆発していない。それが回収できた。

 次。
 Ken Dilanian 記者による2022-9-22記事「Scientists at America’s top nuclear lab were recruited by China to design missiles and drones, report says」。
   NBCニュースが得た民間報告書。これまでの20年間で、米政府のカネで運営される研究機関に所属して給料をもらっていた154人ものシナ人が、その後、中共の先端開発メーカーに就職していると。

 特にロスアラモスの国立核兵器研究所に勤務していた科学者がよく一本釣りされている。

 帰国したシナ人研究者たちは、地中侵徹爆弾や、ハイパーソニックミサイルの開発に従事している。

 次。
 Janis Kincis & Filips Lastovskis 記者による2022-9-20記事「Russian navy was supplied from Germany via Latvian company」。
   ラトビアのリガ市にある1企業が、過去数年間、ドイツのディーゼルエンジンをロシア海軍へ密輸出するための中継役を果たしていた。これはドイツの『Die Welt』紙によるすっぱぬき。

 EUは2014以降、ロシアへの技術提供を禁じている。それに違反する。

 この主機は『Grayvoron』級の軍艦複数に搭載されていることが、昨年、わかっている。
 その軍艦が2022春にオデーサ市を砲撃している。

 エンジンを製造したのはドイツの工場ではない。ドイツは製造ライセンスを河南省のシナ企業に売っており、そこで製造されたものだ。

 エンジン本体はサンクトペテルスブルグの造船所社に搬入された。そしてそれに追加する部品が、ドイツからリガの隠れ蓑会社を経由して納品されている。

 発注した会社「海洋推進シテスムズ」は、もともとサンクトペテルブルグの商社で、2011年まではケルンのドイツ工場と直取引していた。が、いつのまにか会社をリガ市に移転させて「マリン・システムズ」社と名乗り、さらに今年「MSプロダクションズ」と名を変えている。

 「デュアル・ユースなので問題はない」と開き直ってきたが、さすがに今年の5月には店仕舞い体制に入ったようだ。

 次。
 RFE/RL’s Russian Service による2022-9-22記事「Russian Lawmaker Calls For Canceling Military Service Exemptions For Scoliosis, Flat Feet」。
   ロシア国会上院議員のオルガ・コヴィティディ氏(クリミア地方選出)は呼びかける。
 脊柱側彎症や偏平足の若者が徴兵免除になっているのはおかしい。そんな免除はなくするべきだ。

 ※雑報によるとカディロフが泣きを入れ始めた。チェチェン人はすでに他のロシア人の三倍も戦争に協力しているから、これ以上の貢献は無理だ。部分動員は、チェチェン人には適用されない――と。

 ※雑報によると樺太でも部分動員が始まっており、映像をみるかぎりでは中年男もかなりの数、混じっている。彼らは《政治的無関心》が招いた自業自得地獄を味えるはずだ。

 次。
 2022-9-23記事「Police: Some Russian citizens in Estonia voluntarily turning in firearms」。
   エストニア国内に居住するロシア人で、マカロフ拳銃の所持許可を得ている者がいるのだが、その何人かは、自主的に当局へ拳銃を提出しつつあるという。

 エストニア政府は、こうした銃器所持規制の適用を近々――数週間以内に――変更するつもりである。彼らはそれに先立って反応しているのだ。

 いまエストニア国内には1300人を超える住民が、火器の所持許可を与えられている。そのおよそ半数が、ロシア系住民だ。改正法は、このロシア系を狙い撃ちしている。

 法律が変わると、こうした銃器は1年以内に警察署に引き渡すことが要請される。

 エストニア警察はそれらの火器を「市価」で買い取る。

 次。
 Patrick Tucker 記者による2022-9-22記事「The U.S. Military Is Buying Electric Jet-ski Robots」。
    水上バイク(ジェットスキー)を電動化し、且つ、無人で走らせる。それをレスキュー用に使おうじゃないかという試み。

 ある事実。エンジン駆動のジェットスキーとかスノーモビルは、ものすごい排気ガスを出す。だいたい自家用車の200倍も、大気を汚染するのであると。


仮説。もしプーチンが自国史に詳しかったなら、順番としてまず「モスクワ市内に限定した部分動員」を、下令しただろうね。

 1917革命は、王宮所在都市サンクトペテルスブルグに、一時的に46万人もの未訓練徴兵を武装させた状態で蝟集させてしまい、かたわら、近衛兵代わりとなる(ツァーリに忠実で頼りにできる)親衛騎兵聯隊は前線へ派出してしまって、王都の警固をガラ空きにさせるという、ありえない愚挙が必然招致した「自殺点」だった。

 たぶん史家の誰も指摘してないが、これは平時の軍隊倉庫の過度集中(首都一点集中)と、戦時の鉄道輸送力の一時的飽和が、重なったための、避けられない滞留でもあっただろう。
 つまり首都にしか兵食・馬糧の十分なストックがなかったので、とりあえず首都で新編聯隊を編成するしかなかったのだ。

 この歴史はしかし、現代ロシア政府に対しては、面白い教訓となり得たはずだ。

 1917-9のロシア軍(ツァーリ軍)は、輸送手段(馬車)と鉄砲さえ揃えば、東部戦線で勝てる見込みがあった。だからツァーリ政府は大量動員を急ぎたかった。

 それに対して2022-9のロシア軍(プーチン軍)には、戦場で勝てる見込みはもうない。トラックや戦車をいくら与えても、もうダメなのだ。しかしさいわい、核大国&化学兵器大国のロシアは、国境防備には不安はない。ウクライナ軍は「本来の国境線」は越えて進軍できないのだ(越境すれば毒ガスが使われるだろう)。
 ということは、これからはダラダラとした長期戦が続くしかない。
 ならば、当面は、国内の反政府世論をひきしめることも優先事項であるはずだ。

 反政府デモが起きると困る首都モスクワ市内から、デモに参加する気概のある住民を全員、放逐してしまう必要がある。

 その方法は簡単だ。「部分動員は当面モスクワ住民だけを対象とする」と公式に告示すればいいのだ。それで18歳から65歳までの反政府的な男子は全員、旅費自弁で、モスクワを離れてくれるだろう。政府は一文も使わずに治安を維持できる。

 追い出しの手順がある。ツァーリのようにいちどに46万人も徴兵するのではなく、最初は4600人くらいからスタートする。反政府傾向のある二十代後半の男子を狙い撃ちに召集令状を送達。それに反発した街頭デモが発生したなら、ただちにその全員を捕らえ、参加者のうち18歳から65歳までの者は、男女の別なく、最前線送りにしてしまう。

 いっぺんこれを見せ付けておきさえすれば、もうその後は、敢えて首都でデモする者などいなくなるだろう。プーチン政権は安泰だ。

 鞭と同時に飴も与えたらいい。シベリアの鉱山町の永住者は今後も徴兵対象にしない、というアナウンスをしても、政府の懐はいたむまい。それで輸出用の資源開発がはかどる。

 首都の人口が希薄化すれば、首都の物価は下がる。残留した市民はその恩恵を受け、政府を憾まなくなるだろう。
 逆に、首都からの脱出者を受け入れた周辺都市では、物価が上がる。もとからの住民は、モスクワから流れてきた連中を憎む。
 これによって、ロシア全体が団結して「反プーチン」で結束することも、なくなるだろう。

 余談。
 明治38年9月に、日比谷で暴動が起きた。ポーツマス媾和条約の内容が気に食わないというのだ。いったいその元気満々の野郎たちはどうしてそれまで徴兵されず、満洲に送られていなかった?
 これが「輸送(補給)手段の限界」というやつなのだ。当時の日本に馬と輜重荷車が余っていて、軽便鉄道資材も十分にあったなら、それら暴徒たちを余すところなく徴兵して後備兵として満洲送りにしてしまい、最前線警備中の現役兵と交替させて、現役徴兵の帰郷復員を急がせることぐらいは、簡単に実現できたのである。


「ロボット震洋」、ついに爆誕!

 Sergio Miller 記者による2022-9-22記事「The graveyard of Russian Tanks」。
    WWII後のソ連戦車の最大の発明をひとつ挙げるなら、それは乗員を3人にしたことだ。
 独特のオートローダーを採用し、乗員を1名減らしたことにより、ソ連戦車は強力な主砲ときょくたんな低姿勢と全重の軽減をともに実現。おかげで低馬力エンジンでありながら高速機動させることも可能に……。

 ソ連の戦車製造拠点は4つだった。ハリコフ、ニジニィタギル、オムスク、チェリャビンスク。そこから毎年3000両が新造されてきたものだ。

 2021年末、ロシアには作戦投入可能な戦車が2600両あった。
 内訳。
 T-72B ×1135両。
 T-72BA ×93両。
 T-72B3 ×558両。
 T-72B3M ×248両。
 T-80U ×186両。
 T-80BV ×248両。
 T-80BVM ×31両。
 T-90A ×186両。

 また2022-2-24までに「T-90M」は26両もしくは27両が軍に納品された。

 この2600両のうち、砲手用の照準システムに「ソスナ-U」がついているものだけが「現代」戦車と呼び得る。すなわちT-72のB3とBM、T-80のBVM、T-90のAとM。

 これらの新鋭型も、車長用の照準装置は旧式だ。しかしフラットスクリーンをモニターすることができるようにはなっている。

 おびただしいビデオ画像で判明したことのひとつ。ロシア戦車は、152ミリ/155ミリの「榴弾の破片」によっても、致命的に破壊されてしまう。すなわち内部に火災が発生し、弾庫の装薬が自爆する。

 証拠画像から8-20までに判明している、ERAのタイプと、砲塔が吹き飛んでしまった戦車の割合の一覧表。

 ※略すが、最新ERAを纏っているはずのT-90Aは9両がやられており、うち3両は砲塔がペプシだそうだ。

 型番が分かる戦車はトータルで407両が完全撃破されていて(損傷遺棄は含まず)、うち203両は砲塔ペプシの状態。
 (この他に、型番の分からない喪失戦車が214両ある。)

 最弱なのはT-80系統である。撃破された戦車の8割が砲塔ペプシのありさま。

 貼り付けられていたERAのタイプが新旧の何型であろうとも、損害程度との相関が少しも看取されない。※すなわち100%無駄な投資だということ。

 結論。ロシア戦車は、カルーセル型弾庫とコンベヤ式オートローダーの組み合わせを廃さぬ限り、どんな被弾であっても装薬に引火してしまって、重量10トンの砲塔を跳ね飛ばすほどの内部爆発が結果される。そこには根本の欠点がある。ERAのとりつけ方とかメンテナンスとかそんな問題じゃない。

 なお、アクティヴ防護システムが装置された戦車は、ウクライナ戦線ではひとつも発見されていない。

 対空遮蔽が不徹底。今日の対空遮蔽は、戦車まるごと納屋/家屋の屋根の下に入るか、橋の下に潜らねばならない。その努力が、なぜか露軍の戦車兵たちにはまったく見られない。摩訶不思議。

 あるウクライナ将校の証言。露軍戦車の乗員は、車体がやられたら、いつでもその戦車を飛び出して降伏できるように「白旗」を各人で用意している。事前に準備していたとしか思えない手際よさで白旗が降られる、と。
 オリックスのデータベースによると、露軍の970両の喪失戦車のうち338両は、まだ戦闘継続可能だったのに乗員が戦車を捨てていたと。

 多くのロシア人のコメンテイターが、今の戦況はWWIに酷似すると指摘している。すなわち1917の「10月革命」に向けて傾斜中なのだ。歩兵と砲兵による戦線膠着を打破できるものがあるとしたら、それは戦車である。

 ※T-14の量産などまずあり得ない情勢なので、T-72系の根本改修を考えるしかない。やり方はこうだ。砲塔の旋回角を制限し――すなわち「突撃砲」化し――、自動装填メカは撤廃し、弾庫に防爆仕切りを設け、内部誘爆した場合のブラストは「床の下」へ逃がすようにする(底鈑の一部をブリキ窓化するので軽量化もできる)。小柄の乗員を1名増やし、装填手にする。防爆弾庫に入りきらない予備の弾薬は、ゲペックカステンとして車体上面に露天固縛する。

 ※こんなアネクドートが流布しているそうだ。ある男に召集令状が手渡された。「あっしは見てのとおり両足がないんですが」。「だから《部分動員》なんだ」。

 次。
 Mark Godfrey 記者による2022-9-21記事「New satellite tools reveal evasive tactics of Chinese squid fleet」。
   ニュージーランドにある衛星ソフトウェア会社の「スターボード・マリタイム・インテリジェンス」社は、中共の無法なイカ釣り漁船がウルグアイのEEZ内で密漁ができないようにしてやれる秘術をウルグアイ政府に与えた。さっそく悪質な1隻を拿捕できた。GPSのスプーフィング装置を搭載していた。

 わざとAISを切ったり、偽AIS信号を出している漁船に衛星画像の解析監視を集中させる。そして、うろついた航跡を過去にさかのぼってあばく。これが基本コンセプト。AIが怪しい「要監視船」を自動で浮かび上がらせてくれる。

 中共漁船は、中共政府の「鵜飼の紐」であるVMSという位置報告システムを取り付けられている。そして2日に1回、ウルグアイ政府にも自船の位置を報告する。

 今回拿捕されたフネはウルグアイの領海にまで入り込んで夜間にイカを釣っていた。ウルグアイ空軍のジェット機が上空を飛んでその現場を押さえた。

 同型のシナ漁船は2020年にガーナ沖でも拿捕されている。

 次。
 H I Sutton 記者による2022-9-21記事「Ukraine’s New Weapon To Strike Russian Navy In Sevastopol」。
   無人の爆装特攻ボートがクリミア半島に流れ着いた。

 推力可変式のウォータージェットで操舵するようだ。エンジンは1基。
 サイズはカヤック程度しかない。これでは水上レーダーではほとんど探知できまい。

 舳先に複数のセンサーがあるところから見て、衝突起爆するタイプのようだ。

 ロシア側はこれを沖まで曳航して爆破処分したという。

 次。
 Kamil Galeev 記者による2022-9-23記事。
   ルシッチという破壊工作請負い集団が「テレグラム」に投稿したネタ。「ウクライナの捕虜をリサイクルせよ」。

 この集団の指揮官のミルチャコフ氏は、2011年に、仔犬を殺して喰う動画をインターネットにUpした有名人だ。

 ルシッチのシンボルはスワスティカに類似。メンバーのTシャツにプリントされている。

 次。
 Defense Express の2022-9-20記事「Answer to the HIMARS in belarus: Four Issues on Their Way to Succeed」。
   ロシアの軍事おたくは、中共とベラルーシが共同開発した「ポロネズ」という多連装自走ロケット砲が、HIMARSに対する回答になるではないかと推奨している。

 6×6の「MZKT-7930」トラックシャシに、径301ミリのロケット弾を8発、載せた物。
 そのロケット弾は中共のCALT社製の「A200」である。射程200kmだが、それを300kmまで延伸した「ポロネズ-M」というバージョンもあり。

 問題は、既存の生産数がまったく少数にすぎぬこと。今、ベラルーシ陸軍が6両もっているほか、2020年より前にアゼルバイジャンが10両買ったということだけ分かっている。

 ロシアが輸入したいと言えば中共はよろこんで量産して売る可能性はある。が、それもすぐには不可能だろう。
 ベラルーシ工業には、そもそもこれを量産する能力は無い。

 もちろん公式にそんな輸出をしたら中共は国連の決めた対露エンバーゴを破ることになる。結果、中共が米国から経済制裁を受けるのは必定だ。

 さらに忘れてはならないのは、HIMARSは、ドローンの偵察観測アセットとデジタル通信で融合したほぼリアルタイムの火力指揮通信システムがあって、はじめて高いパフォーマンスを示すもの。その、砲兵のための「半自動照準ソフトウェア」が、中共やロシアには無いのである。


What was the Tulip-Bomb ?

 第一次大戦中、T.E. ローレンスがヒジャーズ鉄道の運行を長期間妨害し続ける破壊工作に最適の方式として最終的に(1918年4月に)たどりついた結論は「チューリップ・ボム」だった。これについて英文サイトを検索しても、ほとんどヒットしない(ひとつだけ、まったく間違った解説文にヒットする)。まさか英軍が《現代の秘伝》としているわけでもないだろうが……。

 さいわい、クリスティアン・ウォルマー氏が『鉄道と戦争の世界史』の中で、James Nicholson の『The Hejaz Railway』(2005) が引用している軍事報告書の亦引用をしてくれているおかげで、われわれもその正体を知ることができる。

 2ポンド(907グラム)の爆薬を、レールの継ぎ目にあたる部分の真下の枕木の下に装填し、点火。その爆圧によって、レールを破砕するのではなく、2本のレールの端部を上向きにへし曲げてしまうのである。

 その、枉げられたレールの外見が、工芸美術品のチューリップ細工に見えるわけだ。

 最小の爆薬量で、2本のレールをいちどにダメにしてやることができる。端部の湾曲は、簡単には矯められない。だから、直すなら、まるごと2本、取り替えるしかない。

 ただし、鉄道の予備レールは、かならず沿線のどこかに山積みされているものである。鉄道管理者は、それを現場まで貨車で運ぶだけでいい。楽ちん作業だ。よって、破壊箇所さえ判明したら、修理はじきにできてしまう。1本のレールは、男手が20人分もあれば、数十m運ぶのに苦労はない。

 「チューリップ・ボム」が狡猾なのは、レールが破壊されているのかどうか、その現場のすぐ近くまでじっさいに汽車が通りかかるまでは、分からなかった――というところにあったのだろう。遠目に見ても、レールには問題など無いように、機関士からは見えがちだったのに違いない。

 気付いたときには、先頭車の脱線はもう避けられない。
 このようにして、ローレンスたちは、妨害時間を、いちばん長く、稼ぐことができた。それも、最少量の爆薬によってだ。

 ローレンス(および副官格で発破オタクのピーク少佐)は、この結論に到達する以前は、40ポンド以上のダイナマイトで大爆破をしたり、多人数でレールを外して投げ捨てたりという、試行錯誤を繰り返していた。しかしどの方法でも、労多くして、じっさいの阻絶時間は短かかった。

 鉄道サボタージュは、「小破壊」を執拗にあちこちで連日連夜、繰り返すしかないのである。

 次。
  Mary Ilyushina and Annabelle Timsit 記者による2022-9-21記事「What Putin’s partial military mobilization means」。
   プーチン演説の直後、ショイグ国防相が声明し、部分動員は30万人くらいだと語った。
 召集令状はすでに送達され始めている。

 ショイグいわく。総動員となれば召集可能な予備役人口は2500万人いる。今回は、その1%強を動員するのである。

 もし本当に30万人に軍服を着せられるものなら、大したものだ。なにしろ2-24の本格侵略を、プーチンはたったの15万人で発起させるしかなかった。その初盤の2倍の兵員を、これから新たに仕立てようというのだ。

 米国のシンクタンク、戦争研究所によれば、ロシアは最大で200万人強の予備役を動員できるだろうと。ただしそのうち、即戦力となるほどに教育訓練ができている者の割合は、非常に小さいはずだと。いちど徴兵されたり契約兵に志願したりして、軍隊を任期満了除隊した者のうち、帰郷後にも定期的に訓練召集に応じている者は、10%くらいだ。

 ※つまり20万人の、いつでも赤紙に応じてもいいですぜ、という中年男子の層が、いちおう、存在したわけだ。

 外交問題研究所のボブ・リーの指摘。露軍は「契約兵」に契約期限が来ても任満除隊をさせないようにする必要があったのだ。さもないとこの冬にも戦線は崩壊するに違いなかった。それで、徴兵と志願兵の双方を含む、下級兵たちが、契約の内容とは無関係にもう軍隊を除隊できなくしてしまう強制措置として「動員令」の下令が必要だったのだろう、と見る。

 米軍ですら、長期戦になったら頼りは予備役だ。たとえばアフガンとイラクに派遣された米軍の半数近くが、州兵か予備軍であった。そして戦死傷者のうち18%が、州兵か予備軍の登録兵であった。

 ショイグは水曜日に驚きの発言をした。ウクライナではロシア兵は5937人しか戦死してない、と公言したのだ。これは3月末に露国防省が公表した「1351人」という数値に続く、久々の公認戦死者数であった。

 ※ノモンハン事件についての公報値とリアル統計値の差異から推定すれば、ざっと十倍して6万人の戦死はもう固いだろうね。

 米国防長官の部下、コリン・カールは、7万人から8万人はもう死んでいるだろうと見ている。これは8月時点での彼の結論。

 プーチン演説の数分後、モスクワの飛行場発の外国行き便の切符は、すべて売り切れた。もちろん、ヴィザ不要の隣国へ飛ぶ航空機だ。
 ロシア内のSNSには、どうやったら国外逃亡できるかの、徴兵避け相談が錯綜している。

 ラトヴィア政府は素早く声明した。ロシアからの逃亡者集団に対してわが国が「人道ビザ」を発給することはない。来るんじゃねぇ、と。

 バルト三国は従来、「シェンゲン・ビザ」を持っているロシア人を入国させてきたが、ポーランドとともに、とっくにロシア国籍人の入国は全面禁止としている。
 ※シェンゲン・ビザをもっていれば、そこから西欧のどこへでも移動できる。このシェンゲン条約を承けて、スイスでは予備役兵が自宅にアサルトライフルと実包を保管することが不可能になった。なぜならそこから銃器がEU中に拡散してしまうから。それを放置すればスイスがEUから逆鎖国を受けてしまい、観光産業など成り立たなくなる。

 次。
 Hana Kusumoto 記者による2022-9-21記事「Man arrested on suspicion of carrying gunpowder near US Embassy in Tokyo」。
   吹田市の大学生(26)が、赤坂の米国大使館前で火薬入りのカップを手にしてうろついていたので、爆発物取締法違反容疑で逮捕された。午後9時。

 火薬の量は6オンス。

 男は、大使館敷地に投げ込むつもりだったと話しているとか。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2022-9-21記事「M777 barrels in Ukraine ‘bloom’ ? they will be repaired abroad」。
   M777の修理センターがポーランド領内に設けられる見込み。

 ※開発時の試験ではなんの問題もなかった日本陸軍の新鋭十五榴や十加が、ノモンハンでは自壊続出した。強装薬で撃ちまくるうちに脚が曲がったり閉鎖機が焼きついたり……。だからイラクで何の問題もなかったM777が、ウクライナではさすがにぶっ壊れ始めたとしても、驚くことなどあろうか? これは15榴で長射程を狙い過ぎるという欲張りの、とうぜんの帰結なのだ。それがウクライナ兵による酷使のおかげで判明したことは良いことだ。やはり口径130ミリ以上の長距離砲兵は、カネがかかるようでも、ロケット弾にしておくのが正解なのである。砲熕兵器は、砲身が裂けたらそこでおしまい。残弾が山のように補給されていようと、もはやそれは活用ができなくなってしまう。システムとしての靭強性が不足なのだ。

 ※別報によると、ウクライナ空軍機の8割は無傷で残っているそうだ。


ロシア議会は、敵に投降した者は最高10年の懲役刑に処す、という新法を施行しようとしている。

ロイターの2022-9-20記事「Russian parliament toughens punishment for crimes during military mobilisation」。
 地域に動員令が発令されたあとは、ロシア軍に協力しない住民は、それだけで犯罪となる。

 「外国軍が攻めてきたら降伏すればよい」と公言している人士は、その外国に強制徴用された後から《二度目の降伏》を試みようとしても、かなり難しくなりそうだ。

 ※しかしこの報道の内容には不審な点がある。そもそも軍法では「奔敵」の最高刑は銃殺と決まっているから、対象が軍人であるならば、わざわざこんな規定は要らぬはずなのだ。ということはこれは当面ドンバスの住民に適用し、ついでロシア本国の住民に適用しようという市民法なのだろう。動員令とセットなのだろう。沖縄に多いらしい、中共軍に抵抗せずに、中共の支配をうけいれようと主張する工作員たちにも、とりあえずこんな牢獄が待っている。

 次。
 Joseph Trevithick 記者による2022-9-20記事「This Is What ‘Mobilization’ That Russians Keep Talking About Actually Means」。
   総動員のことをロシア語で「モビリザツィア」と言う。
 動員令がかかると、27歳から60歳までの「予備役」に部分招集がかかる。軍人ではない特技者、特に医師らにも。

 動員宣言下では、一般人の旅行も制限される。特に、国外逃亡は許されなくなる。※それで、今のうちに北欧へ脱出しておこうという自家用車が列をなしている。

 ※ロシア国会がこのたび可決した刑法修正は、戦争宣言=動員下令 がなされたあとは、ロシア国外で暮らしているロシア人も徴兵対象だぞ、と強調したいのだろう。すなわち、その外国からただちに本国へ戻り、留守師団司令部または連隊駐屯地に出頭して応召しなければ、それだけで、懲役刑の対象になるぞ、と脅すわけだ。国民の国外逃亡を抑制するのが目的なのだろう。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-9-20記事。
   8月下旬、ロシアの財務省の文書がリークされた。
 そこには、戦死者に関する軍人恩給の必要額が明記されていた。3610億ルーブルが必要だという。1人あたりの額が約700万ルーブル。その時点でカウントされていた戦死者数は、4万8759人。

 ウクライナ軍将兵は、西側から援助された、なじみが無い多種の兵器類の扱い方を、スマホで「取り説ビデオ」を視聴することによって、手っ取り早く習い覚えているという。

 9-16、ザポリッジア州のメリトポリ市を貫通する鉄道線路を、ウクライナのパルチザンが爆破。

 ※鉄道破壊作戦の肝は、「大破壊」を一回するのではなく、「小破壊」をいたるところで、コンスタントに毎日どこかでやり続けることが大事である。したがってまさにパルチザン向きなのだが、ウクライナ人が真にそれを理解しているかはうたがわしい。もし理解していたなら、開戦の前から、国境近くのレールのいくつかの枕木に「リモコン爆破」の事前の仕掛けをしておいたはずだからである。しかしいまさらそれを言ってみてもしょうがない。今次戦争が終ったあとの再建フェイズでは、レールの欧州標準軌間への改軌作業と並行して、ランダムに「特殊枕木」を用いることを推奨したい。この「特殊枕木」は、外部からの目視ではまったくわからないが、内部に小爆薬を入れておく。その信管はたとえば、平時には、ピエゾ圧電によって列車が通過するたびにコンデンサーに蓄電されて、コマンド信号を待っているが、有事には、デジタル暗号コマンドを無線で受け取り、「地雷」モードとなり、次の列車通過時に爆発するようにするのだ。

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 Kenddrick Chan and Mariah Thornton 記者による2022-9-19記事「 China’s Changing Disinformation and Propaganda Targeting Taiwan」。
   Reddit の偽アカウントから、ユーチューブのフェイクチャンネルへ誘導する、という世論工作を、中共は台湾人向けに大々的に展開している。

 どれかの偽アカ、偽チャンネルが、アドミニストレーター(サイト管理者)によって抹消されても、どれかは生き残り、かたわら、無数の新偽サイトも絶え間なく生み出されるので、《ディスインフォメーションのチェーン》が断たれることは決してない。

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 2022-9-20記事「APS Response to Error in Missile Defense Report」。
   APS=米国物理学協会 は、過去20年以上、ミサイル防衛の研究もしてきた。

 2月、同協会の公報委員会は、北朝鮮からのICBMを迎撃しようとするときの技術課題の詳細について、リポートを公表。この報告書は9人の専門家が目を通し、APSの役員会で承認されている。

 だが公刊後にテクニカルなエラーが2つ発見された。ブースト・フェイズでの撃墜システムに関してだ。
 この誤りはウェブ版ではただちに削除され、議会や行政府の要路にも通告された。


発電させてくれませんか?

 長万部の噴出水の勢いが止まらないので、騒音(ジェット轟音)と、付近家屋の塩害防止のため、水柱をかんぜんに封じ込めてしまうつもりらしい。

 せっかく無料の「運動エネルギー」が湧き続けているのだから、そこに「水タービン発電機」、つまり天地逆の水車を仕掛ければ、数十万円の投資で、電球数十個分の発電ができるはず。それをいったん蓄電池に溜め、夜間に街灯でも点けたらいいのだ。

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 Micah Toll 記者による2021-8-31記事「Radical new electric bike drive system requires no chains or belts, entirely ride-by-wire」。
  ドイツのシャフラー社が、自転車のペダルで発電し、それをチェーンドライブを介在させずに、バッテリー、および、動輪軸モーターに、電気コードで給電するシステムを商品化した。「フリー・ドライヴ」という商品名。

 モーターは後輪にのみ取り付けられる。回生ブレーキ付きである。回生ブレーキを活かすにはバッテリーは不可欠。
 もしライダーが求めている前進力以上の発電ができてしまったときには、その余剰電力もバッテリーに蓄積される。だからペダル運動が無駄になることはない。

 ちなみにEUには規定があって、自転車に取り付けられる電気モーターは、出力が250Wを越えてはならない。

 エネルギーの伝達効率は、落ちる。ペダルの運動エネルギーを無駄にしないことでは、チェーンがベストで、ベルトがそれに次ぐ。

 しかしこの開発者にいわせると、「フリードライブ」は、チェーンより5%、エネルギーロスがあるだけだという。
 なにより、後方に大荷物を搭載するカーゴバイクの場合、ペダルから後輪(2輪)までの距離が尋常でなく長い。そうした特殊な自転車の設計自由度を、格段に増すことができるのだ。

 ※この記事が出て1年経つわけだが、大流行していないところを見ると、あまり出来はよくなかったのか。

 ※この「フリードライブ」のコンセプトは、公園の池のペダルボートにこそ応用されるべきだと思う。ギアなしの直結で艇尾のパドルを回す現有のシステムは、効率が悪すぎるのだ。専用の小型ウォータージェットを開発し、中間バッテリーなしで回路を直結すれば、かなりの高スピードが実現するのではないか。後進をかけるときは、別途備え付けの「ミニ・パドル」を両手で操ってもらえばいいだけ。

 ※ウクライナ戦線はこれから冬に入るので、「雪上車」「スノーモビル」を供給してやる必要がある。小型自動二輪車の改造品だっていいだろう。

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 Thomas Newdick 記者による2022-9-19記事「Ukraine Just Captured Russia’s Most Advanced Operational Tank」。
   ほぼ無傷のT-90Mが鹵獲された。別名「プロリェフ3」〔突破3号〕と呼ぶ、最新型の現役戦車。

 ウクライナ国防大臣によれば、ハルキウ戦区に遺棄されていたのだという。
 左側の履帯が外れたので、3人では直せず、放棄したのだろう。
  ※乗員4人なら、直せる。

 回収は別な戦車による牽引だった。してみると自走できない問題が別にあったかも。

 いっそう驚くべきなのは、乗員は車両を捨てるさいに、機微な最新デバイスの破壊すら試みていないこと。

 T-90Mは、2020年春に、モスクワの西側の「第1親衛戦車軍」の「第2親衛カリニン・タマン自動車化歩兵師団」に配備されたばかり。つまり露軍のとっておきの秘蔵戦車。

 露軍はとうとう、虎の子師団を出してきたのだ。それが、ぜんぜんパッとしない。

 T-90Mの砲塔上にはRWSがのっかっている。リモコン式の無人の機関銃塔。

 こんかい鹵獲された車両、照準システムは「PNM-T」であることが、公表内部写真から判明する。これはロシアの国産品で、じつは初期のT-90Mには、フランスのタレス社の製品を積んでいた(ソスナUと称した)。

 T-90Mの爆発反応装甲は、貼り付け型ではなく、埋め込み型。

 こんかいの鹵獲車両は、「RAM」を被せてあった。これは赤外線を遮蔽するだけでなく、レーダー〔おそらくアパッチのミリ波レーダー〕を吸収してしまう。製品名を「ナキドゥカ」という。

 大面積で毛布状になっており、車両だけでなく、集積弾薬の上を覆っても、即席のカモフラとなる。

 ※雑報よるとウクライナ軍は、130ミリ野砲である「M-46」を最前線に持ち出している。弾薬(HE)はクロアチア製だという。

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 Blake Stilwell 記者による記事「5 Surprising Facts About the 1983 Beirut Barracks Bombing」。
   1983年10月23日のベイルート・トラック爆弾テロ事件。米海兵隊司令部の宿舎ホテルを吹っ飛ばした。
 DoDの公式調査報告によると、爆発でビルそのものがいったん、基礎から分離して宙に浮いたという。そのあと、自重によって崩壊したので、ビル内の者の多くはガレキの下敷きになった。

 この爆発は、WWII後における最大の非核爆発だった。トラックに積まれていたTNT爆薬は1万2000ポンド。
 しかしFBI鑑識によると、爆発威力を強化するため、酸素ボンベとプロパンガスボンベがさらに追加されていた。

 ※TNTは「あとガス」が悪い。つまりトータルで酸素マイナスになりがち。その不足分をボンベで補給してやったのだとしたら、異常な威力の説明がつく。これは橋脚破壊に使えるのではないか?

 トラックは1台。ゲートをぶちやぶって司令部ビルの1階にもぐりこんだ。

 この自爆テロの実行組織は、米政府としては、遂につきとめられなかった。謎のままである。
 しかし、イランの手先であったろうことは、強く推定されている。


サンクトペテルブルグの防空ミサイルをどしどしウクライナへ持ち出してしまうものだから、地元議員らが不安がって、プーチンの下野を要求しているらしい。

 ストラテジーペイジの2022-9-18記事。
   ロシア本国では普通の犯罪の取締りに警察の手が回らなくなり、犯罪者たち、大安心。
 というのは、いまや警察力のすべてが「反戦活動市民」の取り締まりに集中投入されているのだ。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-9-18記事「Taiwan shows a local version of the Switchblade loitering munition」。
    台湾企業「JC テック」は台湾軍と10月に契約を結ぶであろう。国産のロイタリングミュニションを納品するのだ。

 すでに自社開発品は仕上がっている。「フライングフィッシュ」という。寸法が3種類ある。
 中間サイズの「フライングフィッシュ200」は、炸薬ペイロード500グラム。その状態で全重2kg、全長1.15mである。

 社長によると、スイッチブレードに刺激されたと。

 単価は1機が3000ドル。安い!

 ※この値段はすごい。

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 Eurasianet の2022-9-17記事「China Signs Major Railroad Deal With Uzbekistan And Kyrgyzstan, Bypassing Russia」。
    中共は、キルギスタンおよびウズベキスタンと合意した。両国を経由する新鉄道線を敷設する。それによって露領を迂回する。
 ロシアが受けている国際制裁のとばっちりを避けるためだ。

 これによってウズベキスタンの立場が強くなる。ロシアに構わずに欧州まで製品を輸出できる。

 中共とキルギスの国境のトルガルトが工事起点になるだろう。すでにそこには道路があるので。

 現状、中共の鉄道は欧州標準軌の1435ミリなのに、旧ソ連圏のキルギス等は1520ミリである。これはそのままか。
 ※ロシアとスペインは、欧州強国に侵略されない用心として、標準より広い軌道を意図的に選んだ。19世紀の話。

 すべて完成すると中共は、イラン~トルコ経由で、いままでより900km短い鉄道輸送により欧州へ商品を搬出できる。

 ※中共主導で、ロシア市場とのデカップリングが進められている。その中共市場は米国主導でデカップリングされつつあるのだが、だからこそ、いまのうちに早く欧州とカップリングしてしまうことで、サバイバルのオプションにしたい。

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 Guy McCardle 記者による2022-9-17記事「Russian Explosive Reactive Armor Explained」。
   第一世代の「コンタクト1」は、HEAT弾に対してのみ減衰効果を発揮する。中身は「4S20」という製品名の2枚のプラスチック爆薬。それが2枚の鋼鈑の間に楔状に固定されている。

 第二世代の「コンタクト5」は、弁当箱の外見がより大面積、且つ、フラットである。
 内部の爆薬量も増えている。コンタクト1はTNT換算で28グラムだったが、コンタクト5は33グラムなのだ。

 内臓の爆薬プレートの製品名は、こっちは「4S22」である。

 ロシアの第三世代のERAは「レリクト」という。2006年からT-72BおよびT-90に貼り付けられている。
 宣伝では、防禦効果は「コンタクト5」の2倍だという。

 「レリクト」の弁当箱は微妙に戦車の表面から浮かせて取り付けられる。

 中味の爆薬板の製品名は「4S23」である。薬量は「コンタクト5」より多い。

 宣伝では、APFSDS弾の貫通力さえ弱めてしまうと称する。

 ロシアの第四世代のERAは「マラチト」という。詳細は分かっていない。

 ウクライナ兵が、戦地に遺棄されたロシア戦車のERAを分解してみたところ、中にただのゴム板が入っているだけというまがい物が頻繁に見つかる。

 これは製造段階でのイカサマではなくて、おそらく受領した部隊が中味を闇市場に転売したのであろう。

 ※プラスチック爆薬を誰が何のために買うのか知りたい。何にも使えないだろ?

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 AFPの2022-9-17記事「France sends latest nuclear shipment to Japan」。
   再処理したプルトニウムを混ぜたMOX燃料。それを運ぶ船がシェルブール港を出た。日本に向かう。

 これは2021-9の便に続くもの。

 輸送船は『パシフィック・ヘロン』と『パシフィック・エグレット』の2隻で、どちらも英国の船会社PNTLの所有船である。

 日本到着は11月になる。

 MOXは、92%の酸化ウランと、8%の酸化プルトニウムを混ぜてある。


イジューム戦区で、中共製の60ミリ迫撃砲弾が、まとまって発見された。

 Defense Express の2022-9-14記事「Ukraine’s Most Valuable Trophies in Kharkiv Oblast: Why Zoopark-1M Radar And Orlan UAV More Precious Than a Tank Company」。
   ウクライナ軍が鹵獲した露軍兵器のうちでまず一等賞だと呼べるのは「1L261」、別名「Zoopark-1M」だ。
 飛来する敵軍の砲弾をレーダーで捉えて、その射点を割り出し、さらに、味方砲兵に対して「撃ち返し」を指示する複合的システム。

 これがまるごと手に入ったということは、露軍の「対砲兵戦」の最新の手順がぜんぶ判明したということ。

 「カリブル」の残骸からは集積回路基盤の調達ルート(西側製品の密輸供給ルート)が解明されつつあり、いずれ米政府による有効な締め付け策が逐次に打ち出されて行くであろう。

 ※『朝雲』2022-9-15号に徳田八郎衛氏の短い証言が載っている。「航空劣勢なのに火力情報をどう入手するのか」という反論をする者がいて、陸自の火砲の最大射程は30kmに自制されてしまった。1970年代に88式地対艦誘導弾の研究を始めたときには、隣国に到達させてはいけないから射程は50kmに自制しろと言う者がいた。「01式ATM」はジャベリンと同じ赤外線画像の自律誘導、トップアタック、タンデム弾頭、屋内発射可、価格2000万円台。赤外センサーの非冷却型は世界初だったと。

 ※どうでもいい雑学。チャールズ新王の第二子は、正式の名はヘンリー・チャールズ・アルバート・デイヴィドと称される。しかし少年時代から「ハリー」と通称され、皆、そっちの呼び方しかしない。昔の名物王「ヘンリー8世」もやはり「ハリー」と呼ばれていた由。もともとフランス人名である「アンリ」を英人が「ヘンリー」ではなく「ハリー」と呼び替えた、古い伝統にしたがっているという。


ロシアはタジク駐留軍の三分の一を引きあげたうえ、タジキスタン政府に対し、無誘導の220mmロケット弾を売ってくれと頼んでいるらしい。

 雑報によるとモルドヴァが西側兵器をこっそりと運び込む秘密通路になっていた。2-24いらいすでに4万500台のトラックが夜間にモルドヴァの道路を通ってウクライナへ軍需品を届けたという。すべて秘密裡に実施され、マスコミにも完全に隠されていた。

 ※蛇島に撃ち込まれたロケット弾も、じつはこのルートで配達されたのではないか?

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 Howard Altman 記者による2022-9-15記事「Ukraine Situation Report: Top U.S. Marine Praises Battlefield Lessons Learned」。
   バイデン政権はふたたび、ATACMSをウクライナへは供給しないであろうことを示唆した。

 ドイツはギリシャにマルダーを40両供与する。ギリシャは40両のBMP-1をウクライナへ供与する。
 ※このBMP-1は旧東独のものであった。

 ※ドイツがウクライナに供給した最新155mm自走砲のうち1両が早くもリトアニアまで搬出されてそこで修理を受ける模様。ドイツ人には最初からこうなることはわかっていただろう。ダメな奴らに高度複雑兵器を援助すれば、こういう面倒をあとあとまで引き受けることになってしまう。武器援助品目は、そこまで考えてから決めないとね。詳しくは10月初旬に見本ができる兵頭の最新刊を読んで欲しい。

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 James Kynge, Sun Yu and Leo Lewis 記者による2022-9-15記事「Fortress China: Xi Jinping’s plan for economic independence」。
   2020年に中共は3780億ドルもの半導体を輸入する必要があった。
 半導体製造の川上から川下までをぜ~んぶ一国内で完全完結させようとするのは、さしもの中共でも無理。しかし熊プーはそれをさせようと躍起である。


ドイツは「ディンゴ」4×4MRAPを50両、ウクライナに供給する。

 これまで、かなりの種類および数量の武器・弾薬に訓練サービスまでつけてやっているのに、依然としてウクライナ人は「ドイツは口だけで援助を実行しない」などと文句をブーブー垂れまくりである。それに淡々と対処し続けるドイツ人の忍耐は驚嘆に値するだろう。

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 Defense Express の2022-9-15記事「russia Made a Bunch of Vehicles for Flamethrower Units on a T-72 Chassis Only to Lose Them in Ukraine」。
   ロシアはT-72のシャシを利用した「BMO-T」というモノを10両、製造したのだが、すでにその4両が、戦場でうしなわれてしまった。
 珍しい「重APC」仕様。歩兵は7名まで乗せられる。NBC防護部隊に使わせるつもりで開発したようだ。

 使い捨てロケット弾の弾頭部分が焼夷弾になっている「RPO-A Shmel」という兵器があり、車内にそれを30個積める。
 それで「火炎放射戦車」などと報道されることがある。そんなごたいそうなものではない。

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 ストラテジーペイジの2022-9-5記事。
   15年前、ペルシャ湾で米海軍が使って役に立った、掃海用潜航ロボット「Remus 100」。
 これを英海軍も所有しており、いま、ウクライナ兵に使用法を教えているさいちゅうである。英国から6台が寄贈されている。

 「レムス100」は魚雷形だが全重37kgとコンパクト。長さ1.6m、径19センチ。
 サイドスキャンソナーを両舷に有する。
 時速5kmで、22時間、海底を動き回れる。深度は100mまで対応。

 1~2時間おきに浮上して、GPS信号を受信して自己位置を確認する。

 ロシアが黒海沿岸部の浅い海域に沈底機雷を敷設しているので、それを除去する。

 豪州、ニュージーランドなど、全世界ですでに数百台が活動中。
 1台の値段は、センサーが何なのかによるけれども、35万ドル~50万ドル。

 英国は掃海母艦とするための600トンの『サンダウン』級も2隻、ウクライナにくれてやっている。この掃海艇にも「シーフォックス」というUUVが搭載されており、機雷に爆薬を装着して爆破処分できる。

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 Nergis Firtina 記者による2022-9-14記事「The company of Ukraine’s richest man produces war shelters for Ukrainian soldiers」。
   リナト・アクメドフは、ウクライナの億万長者である。彼はこのたび、チューブ状にコルゲートメタルで構成した、地下埋め込み式のシェルター・モジュールを工夫し、量産し、最前線のウクライナ国軍部隊まで届けることにした。

 いわば「プレハブ地下壕」。彼が経営権を握っている鉄工所「メティンヴェスト」社で製造させる。工場は、ザポリッジア市にある。

 このカプセルトンネルを地下1.5mに埋めておけば、152ミリ榴弾が着弾しても、もちこたえられるという。

 兵隊の寝床に使ってもいいし、食糧貯蔵庫にもなり、また「地下浴場」に仕立てることすら可能である。

 この「需品」の製造には、ウクライナ軍の工兵隊が協力している。

 シェルター内装には材木が必要だが、それはウクライナの諸州から搬入されてくるという。

 いまや最前線におびただしいウクライナ軍将兵が貼り付けられているので、こうしたプレハブ・シェルターの需要は大きい。それを遅滞なく供給せねばならぬ。

 価格は安くない。しかし兵士の人命にはかえられぬ。1カプセルの製作費は5450ドル。それを無償で軍に提供する。

 鉄工所はすでに10個を完成し、8個はすでに前線に埋設された。
 早く、月産20個にもっていきたい。

 メティンヴェスト・グループは、鉄鉱石と石炭の採掘から精錬・製鉄、さらに鉄鋼製品加工まで手がける企業集団である。

 ※これだ。わが国から、げんに防戦中である被侵略国へ緊急贈与するのに、最も適したアイテムは! この埋設式プレハブシェルターを平時から苫小牧港のような無駄に広い空き地に数百個ばかり蓄積しておき、もし、ウクライナ戦争のような新事態が将来、世界のどこかで発生したときには、それをただちに中古のトレーラー(被牽引車)に固縛した状態で自動車運搬船に載せ、そのトレーラーごと、気前よく寄贈してしまう。モノがでかいから、沿道では厭でも目立ち、日本政府がすばやくイイ物を提供していることが、世界に宣伝されるだろう。トラクターヘッドは別途、現地の港付近で調達すればよい。そんなものをわざわざ日本から海送する必要はないのだ。製造は室蘭の鉄工所に発注すれば、おおよろこびで大量生産するだろう。ザポロジアはじめウクライナでは原発に対する本格爆撃がこれからあり得る。核シェルターはぜったいに必要になる。政府はすぐにプロジェクトを始動すべし。