現地自作の全木製キックスクーターで荷物200kgを運搬できる、その実例(コンゴ共和国の人になら働きに来てもらってもいいではないかと思うようになった凄い発明)。

 Doug Bradbury 記者による2015-7-28記事「Build a Burly Wooden Scooter That Can Haul Hundreds of Pounds」。
  ※注意。古い記事です。

 2015年の現在からさかのぼること20年。コンゴ共和国の人々は内戦の暴力と隣り合わせである。
 1994年からのトータルですでに300万人が殺されたと見られている。

 国境から60kmの、ルワンダ西部に「キジバ」難民キャンプがあり、1万8000人のコンゴ人たちが、戦乱がおさまるまでそこに退避している。食糧と、煮炊きの燃料にする柴(廃材木)は、毎月、国連で用意してくれるのだが、その運搬と配給は、キャンプの青年たちの役目である。

 この青年たちは、薪運搬のための輸送機械を発明した。「チュークードゥー」(Chukudu)と呼ぶ。

 この無動力の全木製キックスクーター、別名を「コンゴのピックアップトラック」と言う。それは伊達ではない。なんと最大、500ポンド=227kg もの廃材を満載して、平坦な舗装道路上をスイスイと移動できるのだ。

 このスクーター型木製荷車の素材は、ユーカリの木。
  ※豪州原産だが、根が深く、乾燥地でも急速成長するので、サヘル地域にまで移植されているようだ。

 そして、製作の工具は、マシェート(ブッシュナイフ型の鉈)が一丁。それだけである。

 記者氏いわく。これをキミたちの国で自作するとしたら、費用200ドル弱で普通の材木を買い、週末の時間を使うだけで、可能。

  ※記事には、模倣品の製作手順が紹介されているが、略す。むしろオリジナルの細部をもっと知りたいぞ。

 通常型自転車のトップチューブに相当する部品を「デック(デッキ)」と呼ぶ。

 ブレーキは、バイクの廃タイヤを四角くカットし、それに木端を当ててステープルで貼り合わせる。デッキに廃タイヤの端を釘付けしておき、制動が必要なとき、そこを足裏で圧すると、後輪のタイヤ表面を木片がじかに摩擦する。

 ※現地はなだらかな丘陵が連続する地形で、舗装道路がいったん下りにかかるとどこまでも下り続けるゆえ、ブレーキが必須なのである。

 ひっぱりゴムのサスペンションを取り付ける。フロントフォークとデッキの間に。

 ※この記事の存在をご教示くだすった方に深謝いたします。元記事にはインパクトが強烈な実物写真が複数添えられています。そのほかに、関連動画もあり。海外には「車輪を再発明する」という皮肉表現があるのですが、文字通り、われわれはその現場に立ち会う……! 刮目すべし→ ttps://twitter.com/Rainmaker1973/status/1728477272431079520

 ※《ペダルとギアをとりつけない》=「押して歩く」専用にする――という選択をするなら、オーソドックスな鉄管製自転車の構成パーツのうち、ダウンチューブは不要、シートチューブ不要、チェーンステイも不要となり、スチールを半分くらい節約できるはずで、先の大戦中にも統制減産の対象とせずにむしろ国内で増産させるべきだったのだと私は今考えておりますが、それらを「全木製」にできたかどうかには、確信がなかった。しかしこの記事は衝撃的な示唆を与えてくれました。インパールでもガダルカナルでも、現地で手に入る材木だけで、患者後送用の「押して歩く自転車型の荷車」が製作可能だったのです! 史実では、独歩できなくなった傷病兵の後送が、これらの前線では不可能で、そのために国軍史の汚点と呼べる異常な陣没者数を記録することになったのでしたが、それらは、2015年のコンゴ共和国の若者(もしくは1950年代のベトナム人)と同じアタマが日本人にあったなら、違う結果になっていた蓋然性があるのです。

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 Thomas Newdick 記者による2023-11-27記事「Claims Swirl Around Apparent Missile Attack On U.S. Destroyer」。
   紅海にて、イエメン領土から2発の弾道ミサイルが発射され、それが米駆逐艦『メイソン』(DDG-87)の近くに着水した。
 同艦は、海賊に襲撃されつつあった商船『セントラル・パーク』の救援に赴いていた。

 詳細がハッキリしてくれば、軍事史のエポックとなる可能性がある。ひょっとするとASBMの実戦初使用なのかもしれないので。

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 Published Nov 26, 2023 7:55 PM by The Maritime Executive の2023-11-26記事「Report: Suicide Drone Hits Container Ship in Indian Ocean」。
   金曜日、イスラエルの富豪が所有する、1万5000TEUのコンテナ船『CMA CGM Symi』に、「シャヘド136」が1機、突っ込んできたという。乗員に怪我人はいない。

 『Symi』号は、フランスの海運会社が運航している。
 フネを所有している会社は、シンガポールのEPS(イースタンパシフィックシッピング)社。
 その会社のオーナーは、Idan Ofer という。1950年に海運業を始めた先代の息子だ。

 Idanとその兄弟は今、「Zodiac Group」を率いている。
 この二人組の持ち株会社が、船舶を所有している。タンカーもあり。

 その船舶を、イラン系のゲリラがしきりに襲撃している。

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 Matthew M. Burke and Mari Higa 記者による2023-11-27記事「Marine won’t serve jail time for punching Japanese policeman in face」。
    10月29日に沖縄県警の警察官の顔面をパンチして逮捕された21歳のアディソン・モス海兵上等兵に、執行猶予3年付きの判決。量刑は禁錮1年。

 この兵隊はキャンプ・フォスターで海兵隊の上陸支援空輸部隊に勤務していた。

 沖縄の警察官は二十代。左目の周り、5針縫う裂傷を負わされている。
 とうぜん、公務執行妨害。

 この犯人は深夜の1時39分に民家のドアを叩きまくっていて通報された。

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 Parth Satam 記者による2023-11-27記事「Taiwan ‘Powers-Up’ Iconic US M-60A3 Tanks To Check China While Taipei Awaits ‘Cutting Edge’ Abrams」。
   台湾軍は、保有する「M-60A3」×400両のエンジンを、今の「AVDS-1790-2C」から、「AVDS-1790-8CR」に換装するつもり。

 すでに108両のM1戦車を発注しているものの、それが届けられるのは3年後か、悪くすればもっと遅れる。待っていられない。

 750馬力から1050馬力にUpするだけでなく、デジタル化でメンテナンスも合理化される。
 容積は、変わらない。
 新エンジンは逐次納品される。2028年までに完納見込み。

 台湾軍も人手不足で、BBCの11月6日報道によれば、多くの前線部隊が6割しか充足されていない。

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 Vijainder K Thakur 記者による2023-11-27記事「US-Led NATO Got 200,000 Ukrainians Slaughtered; Ex-Zelensky Advisor Threatens ‘Strong Counterplay’」。
    前の大統領アドバイザーであった、アレストヴィッチのテレグラム投稿によれば、ボリス・ジョンソンは、反転攻勢をかければ2022-3-31までに戦争に勝てるとゼレンスキーを説得して、じっさいに攻勢を発起させた。その結果は、20万人の戦死であった、と。

 この書き込みにより、宇軍の人的損害がすくなくも20万人であることが初めて分かった。

 ※ウクライナ人はWWI を改めて学習させられた模様。せっかくクラウゼヴィッツが有り難い教えを書き遺しているのに、ロシアの周辺国の指導者たちの誰もそれをロクに読んでいないおかげで、無駄な犠牲がこうして幾度でも積み重なる。人間の理性は有限である。特にイギリス人は、クラウゼヴィッツの良い英訳版が80年代にできた後も、依然としてそのエッセンスを掴めていない。リデルハートによる誤読の当時から、進歩していない。

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 Anne Kauranen 記者による2023-11-28記事「Finland plans more measures to stop asylum surge from Russia border」。
    ロシア政府がイヤガラセ(ハイブリッド)としてフィンランド国境に送り込んでいるアサイラム・シーカーズの国籍には、アフガニスタン、ケニヤ、モロッコ、パキスタン、ソマリア、シリア、イエメンが含まれているという。


メルカバを大型トレーラーに積もうとして、もののみごとに天地逆さにしてしまうビデオ。

 乗り上げ口の段差に材木を1~2本敷こうという一手間を惜しむと、こんなことになる。輸送経験者がその場にいないということが伝わってくる。素人に70トン戦車を運ばせているのか。

 じつはイスラエルも「人手不足」のトレンドに、ドはまりちゅうなのではないか?
 それで、あらゆる部局に「油断」も「隙」も生じていたのではないか。

 だとすると、これは他人事ではないぞ。

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 AFPの2023-11-24記事「A nanosatellite and a hot air balloon for emergency broadband anywhere」。

    3Dプリンターを90分、稼動させると製造できてしまう、通信中継衛星の「CubeSat」。これを被災地の上空に「熱気球」に吊るして昇騰させる。

 放球しても、GPS発信機付きなので、後で回収できる。

 このキューブサットをして無線信号を逓伝せしめる。それでLEO衛星群の代わりになる。

 ※長射程の対艦用の無人特攻機群のすぐ後から、大型の無人機を1機、追躡させ、その大型機から点々と、バルーン付きのキューブサットを放出することにより、スウォーム特攻機群からの画像情報を、後方基地までデジタル無線で逓伝できるのではないか?

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 Patrick Hilsman 記者による2023-11-22記事「Autonomous excavator creates 3D map of rocks to build 19-foot-tall wall」。
   チューリッヒにあるスイス連邦公営研究所ETHは、4輪のついた無人のユンボ型重機に、高さ19.6フィート×長さ130フィートの「石壁」を半自動で積み上げさせるという実験に成功した。ユンボの腕の先端は、岩石を摘まんで掬い上げるのに適した巨大な嘴構造。

 このロボット重機は「HEAP」と称する。

 HEAPは、まず地面をスキャンして、転がっている岩石の寸法、形状、重心を計る。アルゴリズムが、その石を、石壁のどこへ位置させればよいかを、自律的に決定する。

 ※写真を見ると、X字状の車軸で、4本のカンチレバーまたはラーメンを、1点から放射させている。4本はそれぞれ独立にタイヤの置き位置を三次元的に調整できると思しい。もちろん4WSであろう。この設計の延長線上には、日本の山林伐採作業の全自動化が見えてくると思う。またたとえば、雑木林の雑木を伐採しつつ、その場で「丸木小屋」を1棟、ロボット重機が組み上げてしまえるようにもなると思う。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-11-25記事「Russia is making chopper UAVs, Medvedev showed their assembly site」。
   ロシアは無人ヘリコプターを量産しているぞという宣伝ビデオが出てきた。

 インド人の軍事専門家氏いわく。この機体は「BAS-200」というモデルだろう。
 もともと、災害対策用に開発した民間の無人ヘリだ。

 自重185kg。ペイロードは50kg。

 ロシア連邦の航空運輸省は「BAS-200」に対して2022年末に「認証」を与えている。

 水平飛行速度は160km/時。高度は3500mまで行ける。滞空は4時間までだろう。

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 Ritu Sharma 記者による2023-11-26記事「China’s 80,000 Ton ‘Super-Carrier’ Fujian Tests Electromagnetic Catapult Launch System」。
   中国の三番目の空母『福建』(8万トン)が、電磁カタパルトの海上試験を始めた。
 『福建』の艦隊配備は2025年が予定されている。

 微博に11-26に動画が投稿された。飛行機相当の「錘」を射出した。


露軍は「シャヘド136」を黒色塗装してきた。

 夜間に視認されにくくしようと試みている。

 飛行高度が一定(100~150m)で等速直線運動だから、真下から視認されたら、分隊軽機によっても撃墜されてしまう。

 これに対して宇軍の郷土防衛軍の高射機関砲部隊は、三脚付きのサーチライトと、ピックアップトラック荷台搭載の単装AAGを組み合わせている。

 ※各国メーカーは、「手持ち式のLiDAR(Light Detection And Renging)」というものを開発しなくてはなるまい。それを小銃銃身と同軸にとりつけておけば、歩哨が、「シャヘド136」クラスのカミカゼ・ドローンを夜間でも警戒できる。まっすぐ頭上にやってくるモノは、小銃でも撃墜できるようになるだろう。

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 Alius Noreika 記者による2023-11-25記事「Why Ukraine Isn’t Deploying Abrams on the Battlefield? The Reason is Simple, Experts Say」。
   M1戦車は、戦線1000kmに対して31両で、いかにも数が足りないので、来年春まで前線に出さないという。
 これは、露軍が地雷で陣地を固められる時間が存分に与えられることを意味する。

 事情通によると、ザポリジアに対してM2ブラドリー装備部隊が正面攻撃をかけたものの、大損害を蒙ったのだという。それに懲りたウクライナ兵は、もはや米国製AFVもあまり信用していないという。

 ※すでに現地は土壌表面が凍結し、浅い塹壕は、「斧」でなくば拡張土工ができない。

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 2023-11-24記事「Russia to Transport Dozens of Migrants to Last Open Finnish Border Checkpoint」。
   ロシア政府が、書類を一切もたない中東人とアフリカ人の“難民”に自転車を与えてフィンランド国境に大量に送り込むイヤガラセを続けているので、フィンランド政府は現在、国境のゲートを最北のムルマンスクの1箇所を除いてすべて閉鎖している。

 するとロシア政府はこの最北のゲートに55人の「アサイラム・シーカーズ」をバスでわざわざ輸送してきた。

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 RFE/RL の2023-11-24記事「Russian Gets False Death Certificate To Avoid Returning To War In Ukraine」。
   シベリアのブリヤート地方の住人、ゾリグト・アラブザイエフは2022-11に徴兵されてウクライナ戦線へ送られたが、23年春に帰郷。そのまま部隊に戻らなかったことから軍の係官が自宅を訪れると、息子が出てきて、本人は死んだと述べ、その死亡証明書を見せた。
 この証明書を調べたらニセモノであった。アラブザイエフは逮捕され、懲役5年の判決を受けた。

 ※三峰口か野辺山を起点として、最も標高差が大きくなるような、林道中心の30km~40kmの自転車コースにつき、ご存知の方、ご連絡を請う。悪路ほど可。(ポートモレスビー攻略再現実験の為。)


プー之介は「ファルスフラッグ」としてモスクワで核爆発を起こさせかねない。誰か止めろよ。

 Robert English 記者による2023-11-24記事「Bad history makes for bad policy on Ukraine」。
    いま露兵の毎日の死傷者数はウクライナ兵の3倍になっているが、ロシアには長い伝統がある。死傷者が多いことは何の問題にもされないという国柄なのである。

 WWII中の「クルスクの戦い」。ソ連軍のジューコフ元帥は、86万人のソ連兵を死傷させた。対するドイツ軍の死傷は20万であった。ソ連軍は戦車1500両を喪失。ドイツ側は500両を喪失。
 ソ連ではこの会戦は、偉大な大勝利だったということになっている。

 ペトレアス元CIA長官は予言した。ウクライナ軍がモスクワをドローン攻撃することで流れが変わる。モスクワ市民にとってウクライナ戦争はずっと他人事であったが、モスクワが恒常的にドローン空襲されるようになれば、そうはいかなくなる。ロシア政治を動かしている層の人々が、この戦争は持続できないと理解するので、プーチンはひきずりおろされる。

 80年代のアフガニスタンの泥沼が、西側との関係改善を重視するミハイル・ゴルバチョフに権力を与えた。
 ゴルバチョフは、泥沼からの出口を探せる人として、当時のソ連のエリート層から期待されたのである。

 ポイントはこうだ。
 戦場で多数のロシア兵を殺してもすぐには戦争は終らぬ。
 しかし《今の戦争はロシアにとって無限の泥沼だ》とモスクワ住民に理解させ、《だったらトップの首を挿げ替えよう》というコンセンサスの内圧が高まったときに、ロシアの侵略戦争は、終了に向かう。

 ロシア人に創意工夫は無いのか? そんなことはない。トラック車載の多連装ロケット砲「カチューシャ」を発明したのはロシア人である。ドイツもアメリカも、それを模倣したのだ。

 米国は戦前は世界の民主主義の兵器廠だった。だが今は制約がある。民間企業は「在庫」を避けたがる。最低コストで製造する癖もついている。国外の誰にでも武器弾薬を売ってよい時代ではなくなっている。環境保護にも配慮せねばならない。こうした制約はロシア企業にはまったく無い。だから武器弾薬の量産競争になったら、昔のように米国が断然優勝かどうかは分からない。

 次。
 Jie Gao, Kenneth Allen 記者による2023-11-20記事「PLA Officer Cadet Recruitment: Part 1」。
   中共軍の士官学校を「院校」という。1998年には63校あったが、2017年に34校に減らした。

 高校新卒者を「普通高中卒業生」といい、そこから士官学校コースに進む者を「学員」とよぶ。

 士官学校は、航空機パイロット要員か、それ以外かで、大きく異なる。

 1956年いらい、「全軍院校会議」というのがあり、16の軍学校が方針を話し合う。

 その最後の会議は2017年であった。会議を仕切るのはCMC=中央軍事委員会で、その委員長は胡錦涛だった。今の習近平はまだ一度もこれを開いていない。

 中共軍が、下士官を育成するための軍学校〔旧軍の陸軍教導学校に相当か〕を初めて設けたのは1982年である。

 中国では「下士官」のことを「士官」と呼ぶ(?)。※中国で「士官学校」といったら、それは教導学校のこと?

 徴兵された兵隊でも、特に秀でた資質があれば、士官学校コースへ行ける。
 下士官からの抜擢コースは「生長幹部」という。

 身体検定のスタンダードのことは「軍隊選抜軍官和文■人員体検標准」という。

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 米空軍大尉 Benjamin Goirigolzarri による『プロシーディングズ』2023-11月号記事「Lighting Up the Maritime Gray Zone」。
    マレーシアのEEZにある「ルコニア礁」は、海底ガス田の存在が見込まれている。そこにCCG(中国海警)の公船がやってきてマレーシアの軍艦にイヤガラセを繰り返している。

 米海大の、海上ゲリラ退治研究プロジェクトの指摘。中共が他国EEZでやっていることは、システマチックな海上の野蛮主義。国際法を蹂躙し、公海の自由の原則を否定する。支那式の序列世界を公海にも他国EEZ・領海にも及ぼさんとする。特に弱い国を狙う。

 ※露軍の簡易型ランセット(新型カミカゼドローン)のアルミ製カタパルトからの発射手順が克明に動画で紹介されている。射出直後に高度が下がってしまうところが恐ろしい。どうもゴム紐式は信用できないという印象を受けた。弓の仕組みを応用するべきだろう。

 ※唐突ですが、「自転車のプラモデル」という趣味はあるのでしょうか? もしあるのなら、市販されていない自転車のスケールモデルを、スクラッチビルドできる人がいるはずですよね。たとえば戦前型の自転車を。そういう方からのご連絡をお待ちします。


ロシア軍が1隻の無人爆装ボートを鹵獲したのを宣伝している。

 写真によると、3枚もの衛星通信アンテナがついている。そのくらい回線を多重にしないと特攻ボートのリモコンはできないのだと想像できる。そしてそこまでしてもこの1隻は、制御から放れて逸走したか、エンジンが故障し、クリミア半島のどこかの海岸に漂着したのであろう。

 この水上特攻ロボットは、船体には大した秘密は無く、衛星通信がカギなのだということが、ロシア人には分かったはず。ということは、模倣は難しい。自前の衛星回線を随意に使えることが前提になるからだ。それは多数のLEO衛星群である必要がある。静止軌道やモルニヤ軌道ではダメだ。(日本の場合は準天頂で可い。ただし衛星数は今の十倍くらいにしとかないと、中共のASATでやられておしまいだろう。)

 余談。ガダルカナルで得られていた戦訓。
 大発は蟻輸送に使えるが、小発は航洋力ゼロ。
 その大発も、駆逐艦の艦尾波を被ると転覆してしまう。

 駆逐艦で大発を曳航する方法はダメ。
 内火艇で大発を曳航する方法は、なんとかなる。

 昼間に空から見つかる船艇は、すべてダメ。大発も見逃されない。
 沖合いの珊瑚礁線の上を越すときには、大発から折畳舟(手漕ぎ)に乗り換える必要がある。

 以上から得られる教訓。
 コロムビア麻薬カルテルの「ナルコサブ」は、離島からの脱出には、屈強のマシンである。これがあったら一人のこらずガ島から転進できた。戦前の技術でも、大発の建造コストと大差ない金額で、製造できただろう。

 太洋をゆっくりと潜水にて横断し、障害物を乗り越え、上陸も自在な生物に「海亀」がいる。この形態と機能を機械で模倣することを考えなくてはならない。もちろん、自爆型。
 ヘンダヘーソン飛行場を海側から牽制するのに、これが有望だった。

 36糎砲の砲弾に25㎜機銃弾を充填することができるのなら、乾パンだって充填できたはずだ。吊光弾の仕組を転用して、戦艦・巡洋艦の主砲で糧食を正確に味方部隊の図上へ打ち出せたはずだ。潜水艦に「ム弾」を載せて、これを実行することもできたはず。

 「液状糧秣」は今日の災害救助用としても開発する価値がある。厚さ数十mの瓦礫の下に閉じ込められた人に対して、細いチューブを到達させれば、液状食糧を補給できるのだから。水分と栄養と薬剤と光源と通話マイクを同時に与えられる。

 次。
 FP Staff 記者による2023-11-22記事「US to deploy ‘missile wall’ in Pacific to checkmate China in 2024; Japan most likely host」。
   『アジアタイムズ』によれば、米陸軍の太平洋方面司令官のチャールズ・フリン大将は、ノヴァスコシアで開催された「ハリファックス国際セキュリティフォーラム」において演説した。米軍は中距離ミサイルを2024年に太平洋に展開する。それにはトマホークとSM-6が含まれると。

 以下は匿名記者の考え。中共に対する「ミサイルの壁」を構築するとしたら、その場所は日本領土しかない。韓国やタイは中共と対決する気はない。フィリピンは弱すぎる。けっきょく日本しかないのである。INFの日本展開もあり得る。

 ※この真相を探らんと、中露のスパイが首相官邸に盗聴器でも仕掛けたか?

 次。
 Joseph Trevithick 記者による2023-11-22記事「Jetpack Features Glock Autopistol Aimed By Moving Your Head」。
   ジェットパックで空中浮揚しているとき、人の両手は塞がっており、自衛火器を操作できない。
 そこで、背中のパックから伸びたロボットアームの先端に「グロック7」9㎜自動拳銃をとりつけ、人の視線でその銃口の向きを制御して発射できるようなシステムが、開発されつつある。

 拳銃の左右方向の射界は比較的に限定される。これは空中で人体の向きを簡単に捻ることができるからだ。拳銃の垂直方向の射角は大きく動かせる。


ロシア軍もトルコ軍も、依然としてリビアに駐兵し続けている。

 2023-11-22記事「Ukraine is Finally Catching Up to Russia in Artillery Power」。
    10月13日、今次戦役ではじめて、宇軍が1日に発射した砲弾が、露軍のそれを、数で上回ったと発表された。

 2022年の3月から4月にかけ、露軍は1日に7万発から8万発の砲弾を発射していた。
 それが、去年の5月には、1日に6万発に減った。

 そこから先が、急速な砲弾飢饉を示している。

 露軍にとっての閾値は、1日に6万発の砲弾を射てるかどうかだという。それ以下では、もはや歩兵はその攻撃局面において味方砲兵から十分に火力支援を受けていないと実感するようになるという。

 2023年1月、露軍は1日に2万発を発射していたが、すぐ、1日1万5000発に低下。

 23年夏には、露軍は1日に1万2000発を発射している。

 2023年の第4四半期において、露軍は1日に平均7000発の砲弾を発射している。それに対して宇軍は9000発だという。

 この凋落には、ロシアのトラック不足も関係しているという。

 次。
 Defense Express の2023-11-22記事「Drone-Carrier Quadcopters Can Significantly Increase the Range of FPV Drones」。
    親子マルチコプター。
 新しいアイディアとは言えないが、誰も実用化してなかった。それを宇軍がまず実用化しそうである。

 ざっくり数字を挙げると、大型のヘクサコプターやオクトコプターは、荷物を吊るして10km進出して、荷物をリリースしてまた10km戻って来られる。

 これに対してFPV特攻機たる小型のクォッドコプターは、片道5km以内で使い捨てる必要がある。

 FPV特攻機を単独で送り出す場合、レンジは5km弱にしかならないし、その時間内に敵目標を発見することに失敗すれば、機体はまるまる、無駄となる。

 では大型マルチコプターに単機で特攻させればいいかというと、価額が10倍以上も違うので、割に合わない。それをハイペースで消耗させると、とうてい補充も利かない。

 しかし親子マルチコプターのシステムとすれば、地上目標の捜索半径を数倍に拡大でき、したがってオペレーターは敵火から遠くに位置することができ、しかも無駄がない。目標を発見できなかったときは、子機ともども、戻ってくればいいからである。

 そして、目標を発見できたときには、攻撃半径は15kmにも達するわけである。

 良いニュース。いまのところ、FPVドローン戦力は、宇軍側が、露軍側の3倍、優勢である。数で圧倒できている。

 次。
 「Missiles from Iran」という記事。
    「Noor」はペルシャ語で「トップ」の意味だという。ヌール・ミサイルは、中共の「C-802」対艦ミサイルのコピー品である。C-802も、エグゾセとハープーンの折衷コピー品である。

 ヌールの弾頭重量は165kg、レンジは65浬。サブソニックの巡航ミサイルだ。

 2006年にヒズボラがレバノン沖で「C-701」および「C-802」のコピー・ミサイルを発射し、イスラエルのコルヴェット艇『Hanit』に命中させた。供給したのはイランである。

 噂ではロシア製の「ヤホント」(レンジ186海里)もヒズボラの手に渡っているというのだが、専門家の見立てでは、それはゲリラが運用できるようなシロモノではなく、発射されるとしたら、シリア軍かIRGC(イラン革命防衛隊)が直かに手伝っている場合だ、と。

 イランがハマスにも地対艦ミサイルを供給した可能性は払拭できない。
 2011年に、『ヴィクトリア』という貨物船をイスラエル軍が臨検したところ、船倉から50トンのイラン製の各種の武器弾薬が見つかり、その中に、「C-704」のラーンチャー(イラン製コピー)が2基、Nasr(C-704コピー品)ミサイル×6発が、含まれていた。それら荷物の届け先は、ハマスであった。

 次。
 John Vandiver 記者による2023-11-22記事「Army field-tests AI system that shields wireless network use from foes」。
    ADSR=アドバンスト・ダイナミック・スペクトラム・レコナイサンス は、戦場で味方の旅団が用いる部隊内の無線通信を、敵が探知しにくくなるように、AIがいろいろアドバイスしてくれるという機能。

 思い出そう。ウクライナ戦争の初盤、露軍はスマホを無線機代わりにしていたので、大量のスマホ発信が続いている一点が夜の宿営地だとすぐバレてしまい、そこにHIMARSをブチ込まれた。

 次。
 Sean Carberry 記者による2023-11-21記事「JUST IN: Defense Department Selecting Initial Replicator Candidates in Coming Weeks」。
   DoDがいよいよ「レプリケーター・イニシアチブ」の第一トランシュの候補機を選定する。全ドメインで数千機を一度に放ち、使い捨て消耗が可能な、自動無人機システムである。

 このイニシアチブを推進しているのは、米国防副長官キャスリーン・ヒックス。※元CSISの上級副所長で、その前はオバマ政権の政策担当国防副次官だった。

 11月21日、ヒックスは記者を前に語った。

 どのメーカーに決まりそうかはさすがに、口走らないように慎重であった。

 鍵はどうも、ソフトウェア開発 になりそうだ。
 スウォーム運用なので。

 ※オハイオ級からトマホークをバカスカ射ちまくるタイプの大型原潜は、2030年より前に退役予定という。


ウクライナでは降雪初期の晩秋泥濘季が始まった。

 雑報によると、今年、イタリアの「Conceria Cervinia Spa」社、ドイツの「Neuhaus」社、さらにスペインから、露軍の軍靴製造に必要な皮革、接着剤、製靴機械のスペアパーツ等を総計400万ドル、ロシア向けに輸出している、と。

 ※本日は多忙につき、これでおしまい。


SNS動画によると、宇軍は、大型で大馬力のマルチコプターから、FPV攻撃用の安価なドローンを空中でリリースする戦法を始めた。

 高額&高性能のマルチコプターの損耗を抑制しつつ、FPVドローン攻撃のリーチを延ばせる。上空から敵情を広く偵察し戦果確認に任ずるISRT用無人機は、これらとは別に飛ばす。運搬用大型ドローンは、偵察には関わらず、すぐに引き返す。

 次。
 Joseph Frager 記者による2023-11-19記事「Only Russia could have provided the cyber-weapons that made the Oct. 7 massacre possible」。
    2022-6-20に、プー之介はイランに飛んだ。
 8-16には、プー之介はイラン高官とZoom会談。

 10月7日のハマス奇襲は、すくなくも2年間は準備していたはずの規模。
 「第四次中東戦争=ヨムキプール戦争」の50周年を狙ったのは、偶然ではない。
 ユダヤの祭日を狙うのもアラブの常套戦法。

 ものすごく手際よく、10月8日のタイムズスクウェアで、ハマス支持デモが組織されていた。このデモの組織者もあきらかに、10月7日に大作戦が始まることを予め知っていた。IDFすら知らずにいたことを、そいつは知っていたのだ。

 しかもハマスは10月7日の攻撃を、ロイターの記者と、APの記者に、実況報道させている。その手配も、感心するほど巧妙になされていた。

 『ニューヨークポスト』紙の報道によると、10-8デモを組織した「人民ひろば」に対して2000万ドルもの資金を提供したのは、米国籍を有するハイテク実業家の Neville Roy Singham である。

 Singhamは中国居住のマルクシストで、すくなくも4つの、中共党の宣伝用のニュースサイトに関係している。

 『NYT』によると、「人民ひろば」は、イスラエルを支援している政治家の事務所、企業、投資者などに対して広範な抗議行動を仕掛けよう、と呼びかけた。

 10月7日の奇襲は、イスラエルがガザに向けて設置していた多数の電子的な監視警戒デバイスをすべて一時的に盲目化してしまう、圧倒的なサイバー工作を伴っていた。こんな芸当がアラブ人にできるわけがない。すべてを仕組んだのはロシア人なのである。

 デモの組織くらいなら中共にもやれる。しかしこのレベルの一斉サイバー奇襲は、ロシア人にしかやれない。だから記者は今回の黒幕について、確信できたのである。

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 Aaron-Matthew Lariosa 記者による2023-11-17記事「U.K. Aircraft Carrier HMS Prince of Wales Launches, Recovers Mojave Drone」。
    英国海軍の空母『プリンスオブウェールズ』は、米国東海岸にて、短距離離着陸性能を特に強化したジェネラルアトミクス社製の無人機「モハベ」を、発艦&着艦させる試験に成功した。

 着艦に、アレスティングギアは使わなかった。

 「モハベ」は、MQ-9 リーパーの発展型である。兵装吊下量は2倍だとメーカーは自慢している。

 ※附図によると、モハベの最短の離陸滑走距離は、ISR任務重量の場合、122m(400フィート)弱。ヘルファイア×16発吊下のばあい、304m(1000フィート)強。しかし、この離陸滑走距離を延ばせば延ばすほど、離陸時の燃費が節約され、滞空時間を延ばせる。ヘルファイア搭載時ならば、たとえば1600フィート地上滑走して離陸するならば、10時間滞空可能だが、1200フィート未満で離陸するならば、5時間しか滞空できなくなる。ISR任務重量でも、600フィート滑走で離陸するなら10時間滞空なのに、1400フィート滑走で離陸すれば25時間も滞空ができるのだ。

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 Ritu Sharma 記者による2023-11-20記事「Russia Lost A Staggering 2400 Tanks, 200 Aircraft, 400,000 Personnel In Ukraine War: UK Defense Ministry」。
    ウクライナ国防省による統計では、露軍はすでに戦車2400両、航空機200機を損耗。兵員も40万人戦死した。

 戦車2400両は、開戦前のすべてのストック戦車の15%にあたるという。

 英国防省による統計(開戦から631日目までの)。
 露軍はAFVを7117両、損失した。うちMBTが2475両である。
 有人の固定翼機は93機、ヘリコプターは132機が破壊された。

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 Jonathan Caverley, Ethan Kapstein, and Jennifer Kavanagh 記者による2023-11-16記事「One Size Fits None: The United States Needs a Grand Defense Industrial Strategy」。
    ジャヴェリンのコストは1発17万5000ドルである。
 NLAWは、レンジ800mだが、1発3万3000ドルである。〔それを英国は3600発、プレゼントしている。〕
 カールグスタフM4の弾薬は、1発が500ドルから3000ドルである。
 RPG-7のタマは、コストが1発2500ドルである。

 MQ-9 リーパーは1機が3200万ドルする。意外にも、旧アフガニスタン政府軍に与えていた有人の「スーパーツカノ」は、その半額しかしない。

 「スイッチブレード300」は、マスプロが軌道に乗ったので、1発のコストが6000ドルに下がった。

 2022-2-24の開戦時点で、ウクライナ軍の現役兵は9万人。AFVは3300両だった。
 これに対してロシア軍は現役90万人。AFV1万6000両だった。

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 Thomas Newdick 記者による2023-11-20記事「Russian Glide Bomb Kits Now Adapted For Cluster Munitions」。
    露軍はクラスター爆弾をグライダー爆弾に改造し、それを使い始めた。

 「RBK-500」というクラスター爆弾の場合、0.5kgの子弾(ShOAB-0.5M)が565個、詰まっている。
 「Sharikovaya Oskolochnaya Aviatsionnaya Bomba」とは、「ペレット・破片・空中・爆弾」の意味。


FPV特攻ドローンに、LEDのペンライトを取付け、夜間に道路を走行している露軍の弾薬輸送車を後上方から「照射」しつつ直撃する動画がSNSにUpされた。

 搭載のビデオカメラはもとより暗視対応型(IRもしくは増光式)である。だがそれだけでは無灯火で戦地の農道を走っているトラックを追跡し辛い。そこでアプローチの最後の数百mで「照射」をするのだろう。

 この照射は同時に「照準補助」にもなっているように見える。光の環の中央に車両が捉えられ続けているかぎり、そのドローンのコースは、外れてはいないと知ることができるのだろう。

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 Vijainder K Thakur 記者による2023-11-19記事「Russian Military Gets Chinese ATVs For ‘Final Assault’ On Ukraine; US Media, Biden Stunned To Silence」。
    山東省にあるODES工業。ATV=全地形車両「デザートクロス 1000-3」を製造している。30年前からある、レジャーヴィークルのメーカーだという。

 それをすでにロシア軍が輸入して、ロストフの司令部でお偉方に見せている、ビデオフッテージが出てきた。
 ※北米で販売されている車体について、ユーチューブを視ると、運転席には横に3人が並んで腰掛けられる幅がある。エンジンは3000cc.。真っ黒なフロアの中で、フットブレーキだけ、真っ赤な蛍光塗料で塗装して視認性を良くしてあるのは発明だと思う。サスペンションのいちばん前方の鋼管には、飛石避けの鉄板ガードを当ててある。後ろの荷台はダンプ可能。

 縁石重量1050kg。※ジムニーの2022年型より10kg重い。つまりはATVとして相当大型なのである。
 車体後半の荷台には550kgを積める。
 牽引は300kg可能。

 ロシア特殊部隊は「AM1」という国産のATVを装備しているが、それよりも倍近く積めるわけ。※単純に、大型だから。

 露軍はすでに「デザートクロス」を537台、配備している。それらは市販品そのまま。
 さらに1590台を、ロシア軍用カスタム仕様で、追加発注した。そのうち500台は年内に納品される。残りは2024年の第一4半期に納車予定。

 カスタムのポイントは、室内ヒーターと、ウインチ付きの強化バンパー。

 こんなビジネスを堂々と進めている以上、米政府はODES社を経済制裁の対象リストに加えなかったら筋が通らぬわけだが、バイデン政権は、何のコメントもしていない。

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 ISABEL DEBRE and JON GAMBRELL 記者による2023-11-19記事「 Yemen’s Houthi rebels hijack an Israeli-linked ship in the Red Sea and take 25 crew members hostage」。
    日曜の午後、バハマ国旗を掲げた自動車運搬船『ギャラクシー・リーダー』をフーシが紅海で乗っ取り、乗員25名を人質にした。人質の国籍は、ブルガリア、フィリピン、メキシコ、ウクライナ人などで、イスラエル人は含まれていない。
 ただし船主がイスラエル人の富豪Ungar氏なのだという。

 登記上は、この船は英国の会社 Ray Car Carriers の持ち船。そして、運航しているのは日本の会社である。〔日本郵船らしい。〕
 Ungar氏は、Ray Car Carriers の創業者だ。

 Ungar氏が出資しているフネは2021年にもオマーン湾でフーシの爆破工作の的になっている。

 フーシはヘリコプターを使って『ギャラクシー・リーダー』に乗り込んで来たという。

 11-15に駆逐艦『トマス・ハドナー』がドローンを撃墜した海域は、バブエルマンデブ海峡。それはイエメンから発射されたという。

 船の位置信号を辿れる「MarineTraffic.com」をみると、『ギャラクシー・リーダー』はサウジアラビアのジェッダの南西にいた。トルコのKorfez港から、インドのPipavav港へ向かう途中であった。

 紅海ではふつう、海賊に利用されるのを警戒して、商船はAISを切ってしまうことが多いという。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-11-19記事「Russia uses newly produced and without wrapper 122 mm shells」。
    ロシアがこのごろ増産している122ミリ野砲弾には、もはや「円筒ケース」は付いていない。製造工場からすぐに戦地へ送られて、そこで消費されることを予定するので。識別のため、乱雑に緑色のペンキで弾丸を塗布してある。この色の弾丸は、早く発射しないと、錆びたり湿気ったりしてしまうであろう。

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 2023-11-18記事「ADASI Awarded Ministry of Defence Contract to Supply Precision Guided Munition Systems」。
    UAEのメーカーであるADASI社は、このほど、ありふれた迫撃砲弾に、折畳式の滑空翼をとりつけて、COIN機の翼下からリリースすると、照準した目標に正確に命中する「RASH」という安価な改造キットを2種類、同国の国防省に納品するために量産する契約を結んだ。4億8700万ドル。

 対応する迫撃砲弾の種類は24種類にもなるという。
 投下母機は、哨戒機やヘリコプターでもよい。


ノンリーサルの、暴徒撃退用の電波兵器を、熊相手に使っちゃいけないのか?

 人間の居住区に熊がやってくることが問題のアルパでありオメガであるのに、《人家の近くで発砲してはならぬ》《それが特別にゆるされる公務員はいません》というのだから話にならない。

 人家の近くで熊に死の危険を意識せしめることが、彼らを山の中にひきこもらせる。こっちから山に入って銃猟するだけだったら、向こうも人家まで出てくる。なぜなら人家の近くの方が「安全」だし「実入りも好い」んだから。

 暴徒撃退用マイクロウェーブを輻射すると同時に、無害な緑色レーザーも照射するようにすれば、熊は学習し、その緑色レーザーを見ただけでも逃げるようになるはずだ。

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 Ian Urbina 記者による2023-11-16記事「To Project Power Globally, China Has Become the Superpower of Seafood」。
   モンテビデオ港には、中共のイカ釣り船が大量に集まる。漁船乗員はほとんどインドネシア人である。過去10年間、2ヵ月に1件のペースで、中共のイカ釣り船からインドネシア人の死体が下ろされている。

 なんと現代においても、中共イカ釣り船内では「壊血病」(rice disease、ベリベリ)が発生している。インドネシア人は、それにやられるのだ。
 船長は、船倉が満杯になっていないのに、一人の患者のために港に立ち寄ったりはしない。だから、手遅れになり、死んでしまう。

 モンテビデオ港には、インドネシア語の通訳が1人だけいる。

 いまや世界の公海で漁労している中共漁船は、6500隻である。

 およそ遠洋漁業は危険でないことはないが、中共のイカ釣り船は、なかでも最悪との噂。インドネシア人は、借金証文で縛られた債務奴隷である。

 インドネシアでは高卒の若者の失業率が16%と高い。だから中共漁船に雇われる。

 20世紀の世界の漁場は、ソ連、日本、スペインの3国で支配していたようなものだったが、いまやどこでも中共漁船だ。
 2020年に中共漁船は、50億トンの水産物を水揚げした。圧倒的である。

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 Matthew P. Funaiole, Brian Hart, Aidan Powers-Riggs, and Jennifer Jun 記者による2023-11-17記事「Submarine Diplomacy」。
   ベンガル湾。ミャンマーのKyaukpyu港の10km北側には、中共が築造してやった「Poke Taung」海軍基地があり、そこには潜水艦埠頭がある。すでに中共がミャンマーに売った「明」級潜水艦がもやっている。

 ちなみに軍事政権の前の民主政府に対してインドは、ロシア製の「キロ」級を1隻くれてやったことがある。
 Kyaukpyu港には中共が莫大な投資をした。ここにはLNGの荷役施設があり、そこからパイプラインが雲南省まで延びている。

 このパイプラインは、天然ガスを年に120億立方メートル、そして石油を年に2200万バレル、圧送できるという。

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 Trevor Shimulunas 記者による2023-11-17記事「Gliding through A2/AD」。
    記者は海兵隊の現役大佐。
 米海軍と海兵隊は、中共軍のミサイルが届くエリア内の陸地に展開している小部隊に対する補給は、片道使い捨ての無人グライダーにさせようと考えている。

 この使い捨てグライダーはLGIという会社が提供する。MV-22からでもCH-53からでもKC-130からでも空中発進させられる。
 「LG-2K」という機体であれば、ペイロード1800ポンド、滑空距離70海里可能。

 他のメーカーもこの競作に参加している。

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 Sakshi Tiwari 記者による2023-11-18記事「Scalpel UAV: Russia Unleashes New Kamikaze Drone On Ukraine That Is Significantly Cheaper Than Lancet」。
    ランセットをさらに洗練した「Scalpel」は、1機が30万ルーブルだという。※49万8000円か。
 この値段にはペイロードは含まれていないが、それでもランセットより安いという。

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 Paul Goble 記者による2023-11-16記事「Caspian Sea Drying Up, Forcing Coastal Countries to Respond」。
    カスピ海が干上がりつつある。すでに海面は1m以上、低くなった。
 今世紀末にはさらに9mから18m、減るであろうという。

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 Oliver Parken 記者による2023-11-17記事「Japan’s Futuristic Mogami Frigates: Everything You Need To Know」。
    『もがみ』級(最大排水量5500トン、燃弾無しだと3900トン)フリゲートの主機は、ロールズロイスの「MT30」ガスタービン×1基と、MANの「V28/33DD STC」ディーゼル×2基である。

 その5インチ砲は、BAEシステムズ製である。

 また、(株)日本製鋼所が納品した12.7ミリのRWS(リモートウェポンシステム=無人銃塔)が2基ある。

 16セルのVLSはマーク41。ロッキードマーティン社製である。
 03式中SAMは、三菱重工製。

 また、三菱重工製の12式対艦ミサイルを8本。

 SeaRAMは、レイセオン社製である。

 詳細不明だが、この艦は機雷も搭載し、それを敷設できるようになっている。

 AESAは三菱電機製。Xバンドである。IR光学センサーも三菱電機。

 ソナーは曳航式も含めて日立製である。船体には、機雷を探知できるソナーもあり。すべて日立製。

 掃海作業のときには、UUV×2のほか、無人水上艇USVも2隻、発進させる。

 前の『あさぎり』級では220人も必要だった乗員は、『もがみ』級ではたったの90人である。
 ※むかしの「軽巡」クラスを90人でオペレートするのかよ! おそるべし。

 『もがみ』級1番艦と2番艦は、2018年に、1隻が5億ドル弱で発注された。シリーズ建造で工程は合理化され、今は1隻が3億ドル台の前半だと考えられる。これは米海軍の『フリーダム』級のLCSよりも明瞭に安い。

 ※日本の海自がまさか失敗作LCSを猿真似するんじゃないだろうなというのが18中業についての私の憂鬱な懸念であったが、ほぼ別モノをこしらえてくれたようなので誇らしい。それでエエんじゃ!