コンテナ貨物が紅海を迂回しようとして、船から船への積み替え仕事が急増したシンガポール港がパンク状態。

 ILLIA NOVIKOV 記者による2024-6-21記事「Ukraine claims three oil refinery strikes inside Russia as Moscow says naval attack thwarted」。
    金曜日のウクライナの発表によると、ロシアの黒海艦隊に給油してやる施設に対して前夜、海空から一斉にドローン攻撃が実施された。精油施設×3箇所が被弾。同期して水上無人特攻艇も襲撃を加えた模様。

 また、ロシアがライセンス生産している「シャヘド」自爆機の貯蔵倉庫がある「Yeysk」町にも複数の無人機が特攻空襲した。

 露側では、特攻機を百数十機撃墜した、とフカしており、このことから、今次戦役で最大規模の無人機空襲が実行されたのだと分かってきた。 ※プー之介がベトナムを訪問したのは6-19で水曜日。北鮮を訪問したのは18~19で火・水曜日。その前の金曜日ということは、この空襲は6-13夜に実施され、14日昼に発表されたのか。

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 Ellie Cook 記者による2024-6-20記事「Russia Approaches Grim Milestone in Reported Tank Losses」。
   火曜日にウクライナ軍が公表した統計を信ずるなら、もうじきロシアは、今次戦役で破壊された戦車のトータルが、8000両の大台に達するだろう。

 発表の時点では、7987両を破壊しているそうである。

 英国のシンクタンク、IISS=国際戦略研究所 の独自の集計では、2024-2月時点で、露軍は3000両以上の戦車を喪失。この数は、2022-2時点で露軍が持っていた現役戦車の総数よりも多いのだという。

 また英国の国防大臣レオ・ドチャティは4月後半に語った。露軍は3000両弱の戦車を失った。装甲車なども含めたAFVトータルだと、1万両以上を失っている、と。

 オランダに活動拠点があるオープンソース解析集団Oryxの見立てでは、2022-2いらい露軍は、すくなくも3139両の戦車を失った。これは写真によって確認ができる車体のみのカウントである。

 2024-1月後半、英政府が推定したところでは、ロシアは現在、月産100両のペースで、戦車を製造できているようだと。

 げんざい、露軍が保有するいちばん性能が確かな戦車は「T-90」だが、それすらも宇軍のFPVドローンで手もなくやられているのは公開動画の数々が示している通りだ。

 ※雑報によると「T-14」の試作車にはげんざい、152㎜砲の搭載が試されているという。最前線に出ることは諦め、はるか後方から野砲弾を発射するプラットフォームにするしかない、との判断か……。

 Oryxによれば、露軍はこれまで144両の「T-90」を破壊されたことが、確認できているという。

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 Defense Express の2024-6-21記事「ATACMS is Better Than Storm Shadow, IISS Says After Seeing Impact of Both in Ukraine」。
   ロンドンのIISS(ミリバラの発行元)の2人の研究者が、結論している。
 クリミア半島での戦果を比較するかぎり、ウクライナに援助して著効があるのは「ATACMS」であつて、「ストームシャドウ/SCALP」空対地巡航ミサイルではない、と。

 ATACMSはすでに、ベルベク飛行場のミグ31×2機を吹き飛ばし、コルヴェット艦『Tsiklon』を撃沈し、ケルチの渡船桟橋を破壊した。

 ストームシャドウは実証された実戦レンジが250kmしかない。ATACMSの方が実用レンジが長い。これが決定的である。

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 2024-6-21記事「Pink Russian MiG-31s spotted in Crimea: What could this color mean?」。
    クリミア半島のベルベク航空基地はこれまで数度、ウクライナ軍による爆撃を蒙っているが、そこに、ピンク色の「ミグ31B」が2機、駐機しているのが民間衛星写真で分かるという。

 これはじつは、迷彩ではない。

 「ミグ31」は、塗装の「下塗り」(プライマー・コート)の一環で、コクピット周辺などに独特のピンク色のシール剤を使うようなのだ。ピンクで下地を塗ったあと、その上から、本格的な迷彩を塗装するのだろう。

 ちなみに、一般に、飛行機のプライマー塗装は緑色か黄色である。

 ※まさかATACMSで破壊したと思われた「ミグ31」が、生存していた?

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Steven Hermans 記者による2024-6-17記事「Can sea lettuce breathe new life into the Philippines’ seaweed sector?」。
   フィリピンの陸上での「アオサ」の養殖産業が、有望である。
 比島で海藻類の養殖が試みられたのは1970年代以降のこと。

 ただし養殖海藻の中でも「あおさ」が比島で着目されたのは2012年以降である。この年、ヨーロッパ市場に向けて、乾燥させた「アオサ」が輸出された。(アオサは「シーレタス」の名で流通中。)

 比島内では、家畜の餌にまぜるものとして需要がある。
 また中国のアワビ養殖場で、その餌にもされる。

 日本では2020年に「あおのり」の供給が止まるほど収穫量が記録的に減り、あわてて某食品会社が養殖場に投資した。

 ※年間平均の海水温が逐次に上昇すると、日本の沿岸養殖業はどうなっちまうのかと心配されるが、そのためにも、比島での養殖に注目する価値がある。つまり、あそこで収量の減らないものを、いちはやく日本にもってきておいたら、海水の温暖化に先手が取れるわけだ。

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 John Kemp 記者による2024-6-19記事「China’s hydropower generation surges and coal ebbs」。
   今年中国には大雨が降ったので、各地のダムは満水となり、それを反映して5月には石炭火力発電量を減らすことができている。

 2023-5の水力発電量が820億キロワットアワーだったのに対し、2024-5の水力発電量は1150億kWhに達した。逆に言うと、ことし4月以前の河川の渇水が酷かった。

 ちなみに中国で過去、1ヵ月間の水力発電量のレコードが記録されたのは、2022年で、1220億kWhである。その年も、春に大雨があった。


ドリームジャンボタニシ。

 2024-6-19記事「Ukraine Shrinks its Suicide Drones to Match Smaller Russian Targets」。
   黒海のロシア艦隊の活動が低調化し、遊弋する軍艦も小型艇ばかりになってきたので、ウクライナ軍は、これまでの1艇25万ドルする自爆ロボット艇ではなく、6万ドルで製作できる小型の無人特攻艇を開発した。

 エンジンも市販の船外機がとりつけられている。「ストーカー 5.0」と称す。

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 The Maritime Executive の2024-6-19記事「Houthis Show Methods Used to Sink the Bulker Tutor」。
   フーシの商船攻撃がおさまらない。
 派手なビデオも公開された。

 また、今年の1月には、バブエルマンデブ海峡に、フーシの特攻無人ボートが漂着し、それを検分したところ、C4爆薬が25kgと、TNTが50kg、積まれていたという。電気信管は3つ、とりつけられていた。

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 AFPの2024-6-19記事「Senate probe urges France stop importing Russian LNG」。
   ロシアの天然ガスは、パイプライン経由に関してはもはやフランスまでやってきてはいないのだが、シベリアの北極海の港から、LNGタンカーがフランスまで届け続けている。それを買っているのは「TotalEnergies」社だ。
 米国の連邦上院の調査委員会が、これを問題視している。

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 Dmitri Alperovitch 記者による2024-6-19記事「This Is What Would Happen if China Invaded Taiwan」。
    時局モノの新刊が出た。『瀬戸際の世界――いかにしてアメリカは21世紀レースで中共を叩きのめすか』。
 この本は2028年11月に中共が台湾を侵略した場合の予言戦記である。

 著者は、ドミトリー・アルペロヴィッチ。じっさいに台湾の現地を踏査し、要人取材も重ねた上で書いている。

 ※この記事、本の作者本人が、じぶんで紹介をしているのである。

 ことし3月後半、台湾のデータアナリストが気づいた。内モンゴルに中共軍が、台北市の総統府近辺の街路を再現して攻略演習をしていると。

 台湾では11月から3月が、いちおう冬である。この期間、台湾海峡の波は高まる。というのは強い北東風に押された大陸の沿岸流と、北流している黒潮とが衝突するからだ。ということは、サーファーにはこの時期がおもしろい。

 ときおり台風が通りかかるのは、5月から10月まで。
 すなわち、台湾海峡に関しては、「このシーズンなら波が静かなので大規模渡洋侵攻作戦に適する」と前もって言えるような時節は、考えられない。

 台湾海峡の気象統計によると、年に150日は、風速が20ノットを越えている。それは「荒海」を意味し、上陸用舟艇にはキツい海象だ。

 舟艇の着達に適するような限られた海浜には、とっくに台湾軍が要塞式の防備を構築している。

 結論として中共軍は、まずは空挺堡を確保することを考える。空挺部隊が港湾を占領した直後に、船舶集団が台湾本島に着達するようにタイミングを調整する。

 中共軍は、本番の数年前から、次のような手管を展開する。
 多数の民間船艇も徴用し、それに数万人の兵隊を乗せた大規模な上陸演習部隊を、台湾本島から12浬の線まで一斉に前進させて、そこで引き返すのだ。

 これが年中行事化して台湾側が慣れてしまったときに、演習をとつじょ本番へ切り替えるわけである。
 ※フロンティヌスの大昔から知られている韜晦術で、サダトのエジプト軍もこの手でまんまとスエズ渡河に成功したものだ。

 中共軍が最初に確保しようと考えている港湾は、台北港だ。
 首都に近いところで、重装備の大軍が荷解きできるので。

 2028年にはロサンゼルスで夏の五輪が開かれるので、米国政府は、中国と紛擾を起したくないと思う。そこもつけ目である。

 さらに2028-11-7には米国の大統領選挙がある。このとき、上院議員のうち34議席も改選される。外交政策を握る連邦上院もしばらく金縛りになるはずだ。

 大統領選挙が終わり、次の大統領が決まっても、翌年1月までは、政権の移行期間なので、その期間を狙った海外の大戦争に関しては、米国は、「参戦の決断」ができかねる。

 この小説は、中共軍のミサイル攻撃が、嘉手納や岩国やグァムにとどまらず、ミズーリ州の「B-2」の基地にまで着弾すると予想する。


露軍は公式に認めた。2024-2-23に1機の「A-50U」が撃墜され、乗員10名が散華したと。

 Dylan Malyasov 記者による2024-6-18記事「Russia confirms second A-50 downed by Ukrainian missile」。
   ところで、米国の報道機関は、別なA-50Uが撃墜されていると2024-1に報じていた。
 つまり、合計で2機、露軍のAWACSは撃墜されてしまったらしいのである。

 ※ソ連時代にPKKを育てた黒幕であるロシアはクルド人を「対日難民兵器」として送り込む工作を推進中だと疑われる。クルド人入国問題はすでに人道問題ではなく、「対露防衛問題」だろう。

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 Julian Spencer-Churchill 記者による2024-6-19記事「Canada is America’s Least Helpful Ally」。
   カナダの国防大臣ビル・ブレアは、北極圏から飛来する戦略級ミサイルを早期警戒する新しいネットワークについて、それを建設するとすればカナダの防衛予算はGDPの2%を越えてしまう、と言った。

 これが、いつもの《カナダ節》なのである。

 カナダは、「1個旅団」規模を超える兵力を極圏に配備するつもりが、まったく無い。
 NATOの公式統計によれば、カナダ政府は今、GDPの1.33%しか、国防に投じていない。

 そのGDPは世界の第9番目だが、一方的な軍備解体志向に関してならば、世界第1位だ。

 カナダは貧乏国ではない。2015年から、公務員の数を40%増やした。今は35万7000人いる。2019年から2022年にかけて、公務員の人件費予算は30.9%増額している。

 エストニアには1個大隊を送り出している。台湾海峡でのFONOPもやった。それらは最小費用で最大の宣伝効果があった。北極圏向けのレーダー網の改修も、じつは同様の話。アメリカ世論を意識した針小棒大の宣伝なのだ。

 カナダは地勢的に、ロシアとの間に、たのもしい障壁を有している。1867に英帝国が米国に売り渡したアラスカに米軍が常駐警備していることによって、極東ロシアからの渡洋侵攻はまったく心配しなくてもよくなっている。また、グリーンランド(デンマーク領)が大きく横たわっているおかげで、バレンツ海からの艦船や航空機の接近も、気にしなくて済んでいるのだ。他の中間部分は、北極点を挟んだ真の不毛地帯で、大規模な軍隊の作戦など考えられもしない。

 進歩保守党のジョン・ディーフェンバッカーがカナダの首相だったとき(1957~1963)、同内閣は、米軍の核兵器をカナダ領内に展開させようとした。ところが彼は議会で不信任動議をつきつけられて、総選挙で敗北している。これは今でもカナダ政治家の教訓だ。

 次の首相のレスター・ピアソン(1963~68、リベラル党首)が、核兵器導入を実現した。

 しかしピアソンから次のピエール・トルドー(首相在任1968~84)にかけて、冷戦のさなかにカナダ軍を縮小させる流れが創られた。
 ドイツ駐留のカナダ軍部隊は1個旅団にすぎなくなり、2隻あった航空母艦はスクラップに……。

 2015から首相になっているジャスティン・トルドー。彼らの世代のカナダ政治家は、国内経済と「グリーン化」にしか関心がない。必然的に「中共万歳」を唱える。

 トルドーは、WWII前に首相だったリオン・マケンジー・キングを思い出させるだろう。キングは1937に訪独してヒトラー・ドイツに魅せられた。そして、ラインラントの非武装維持やチェコスロバキアの独立のためにカナダは出兵はしないぞ――と英国政府に告げた。

 カナダは、WWI前のベルギーや、WWII前のオランダを教訓とすべきである。
 この2国はいずれも小国ではあったものの、工業先進国であり、カネは十分にあった。もし本気で国防に努めていたならば、ドイツ軍に侵略を思いとどまらせるくらいの軍備ができた。しかし、それをしなかった。

 1913年に英国はドイツの最大の貿易相手国だったのだが、1914に欧州大戦が始まっている。1940に日本工業の対米依存はとても大きかったが、日本から米国を奇襲した。通商は戦争を遠ざけない。今、中共商人に甘い顔を見せているカナダ政府は、きっと、ほえづらをかくだろう。

 ※雑報によると米国製のTOWはすくなくとも1000発、ウクライナへ譲渡されている。


知床半島の「世界自然遺産」と、欧米の「不法移民保護」に共通した偽善。

 どちらも、住民や中流以下の労働者を危険にさらしてかえりみず、政府は得たいのしれない団体から称賛をされながら同時に治安基盤を侵蝕され、奇麗事を語る金満階級はその私邸が厳重に警備されているおかげでまったく危険とは無縁に暮らし、作為した環境から私的な収益を上げ続けられる。

 住民を守れない政府は政府ではない。増やしてはいけない羆をこんなに増やした責任を環境省や文科省は取らねばならない。

 知床の「世界自然遺産」はただちにユネスコに返上し、北海道の羆は皆殺しにする法令を整備しよう。そして知床海岸には高さ600mの電波灯台を建設し、その電源にはアイソトープ電池を使おう。

 (2022年に「Booth」で世に問うた「鳥獣から人間を保護する法律が必要だ」の提言は、今日ますます有意義だと思います。)

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 Boyko Nikolov 記者による2024-6-18 記事「Russian Su-34 NVO wings seem to overheat when launching a missile」。
   17日の速報で、露軍は「スホイ34」の最新型である「M型」もしくは「NVO」型を受領していることが確認された。
 何が変わっているかというと、チタン合金でコーティングした防炎板が、追加された。
 これが意味すること。これまでの型の「スホイ34」からある種のミサイルを発射すると、主翼の特定部分が危険なまでに熱せられていたのではないか?

 あるいは、主翼内にある電子部品が、これまでは、ミサイル発射時の昇熱で壊れることがあったのではないか。

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 Clarence Oxford 記者による2024-6-13記事「Heat-Resistant Metal Alloys Under Study」。
   「デザイン・アロイ」と呼ばれる新合金の模索がせかいじゅうで続けられている。原子レベルで挙動が「見える」ようになってきたので。
 無銹鋼は、鋼鉄にクロムを混ぜることで表面に酸化膜ができ、それ以上の腐食を食い止める。

 この昔からあるステンレススチールをさらに改良強化することで、核融合炉やジェットエンジンの高熱にも耐えられる合金素材を得ようというのが、研究者の野心だ。

 米国の一チームが今、探索しているのは、コバルト、クロム、鉄、ニッケル、マンガンを等量ずつ混ぜた「カンター合金」を出発点としたもの。

 クロムとマンガンは、いちはやく酸化して皮膜となる。鉄とコバルトは膜の下に潜る。ここで、アルミが加えられていると、それ以上の腐食は食い止められ、高温にさらされたときの焼蝕にも強くなるという。

 新世代合金の発見には、これからAIが投入されるようになるだろう。ここでも、競争が始っている。

 ※2024-6-18『北海道新聞』によると、日本製鋼所の社長が2024-6-14日に、5年間の中期経営計画の説明会にて発表。これから5年間で室蘭の子会社に200億円設備投資する。新工場も建てる。防衛装備品や鍛鋼品の受注増を見込んでいる。……これって十五榴の砲弾ラインがとうぜんに含まれるよね? パトリアのMICVも室蘭で造るらしいし、このまま《日本のラインメタル》に大成してくれ!

 次。
 Defense Express の2024-6-18記事「Manufacturer Reveals Specifications of Mace UAS, the Ukrainian Counterpart to Lancet」。
    「ユーロサトリ2024」にウクライナ版ランセットが出展された。
 このロイタリングミュニションは、ウクライナ国内では「ブラヴァ」と称され、輸出営業では「メイス」と名乗っている。

 ※外見は、イスラエルの「HERO-400」とクリソツである。というかそもそもランセットがHERO初期型の図面流用だと私は強く疑う。

 会場の説明看板によれば、メイスのMTOWは11kg。弾頭重量は3.6kg。成形炸薬+サーモバリックの合体にしてある。
 時速100kmで50分、上空ロイタリングを続けられる。
 動力は電池である。
 翼丈1.6m、胴長1.5m。

 センサーは「マシン・ヴィジョン」と一体。昼夜、機能する。

 ※アル・ゴアの豪邸を空撮した写真がSNSに出回っていて、屋根に太陽電池パネルが1枚も見られない。象徴的すぎた。


BOOTH
鳥獣から人間を保護する法律が必要だ──「害獣退治庁(仮)」の組織および装備を提言する


仏南西部の航空基地で「アルファジェット」を使って、ウクライナ人のF-16操縦候補生が練習中。

 Daniel Foubert 記者による2024-6-17記事「Macron introduces Le Pen to Machiavelli」。
   マクロンはマキャベリストなので3年後を読んで行動している。
 マクロンは選挙で一回も選ばれていないのにフランソワ・オランドにひきたてられて経済相にしてもらった。オランドはマクロンがこれを恩に着て、大統領選挙で自分を支持すると期待した。

 が、2年後に大統領になったのはマクロンであり、オランドの2期目はなかった。マクロンは、親分を斬ってのし上がった。

 このほど、マクロンがフランス議会を解散すると決めたのは、発作的な思いつきではない。3年先の計画に沿っているのだ。

 3年後に大統領選挙があるが、マクロンの任期は2027年で終わり(2017に当選し、5年任期×2回がMax)だから、それには出馬できない。
 そこで、この議会選挙後に、ル・ペンを首相に任命して3年やらせる気だろう。

 フランスの投票者は、現に権力をもっている人物の側には加担しない癖があるので、ルペンの党=「国民連合」は、大勝するだろう。

 大統領と首相・議会の方向が違っている場合、今のフランスの制度では、大統領は無力だ。つまりマクロンの意向は3年間、ルペンによって無視される。それを承知でマクロンはルペンを首相にする。そこがマキャベリストなのである。

 ルペンがフランスを混乱させ、人々が、これは失政だと思えば、3年後、マクロンは新大統領から、「首相」として任命される可能性がある。もしそうはならず、しばらく政界から遠ざかる場合でも、WWII直後のドゴールのように、「不在」が大衆人気を再燃させるパターンはあり得る。それはかつてナポレオン1世と3世が使ったマヌーバだ。マキャベリストならそこまで計算する。

 もっとさかのぼると、ルイ14世時代のマザラン枢機卿。彼は2回、フランス王国を離れて、内戦を外部から焚き付け、王宮が困り果てたところで、秩序の回復者として、迎え入れられている。

 議会選挙の2週間後に、パリ五輪が開催される。新首相ルペンは、その内閣のスタートから、いきなり最悪のカオスに翻弄されるだろう。すべてはマクロンの術中なのだ。

 ルペンやその仲間はすべて草莽だから、テロから首都を防衛する方法を知っていない。それを知っているのはマクロンが属する頭脳エリート層だけなのだ。困り抜いたルペンは、マクロンが紹介してくれる頭脳エリート人材を、治安の要所に任用するしかない。

 ※この論者は、ルペンはマクロン一派のサボタージュに遭って3年にして疲弊すると予言するが、果たしてそうかな? 雑報によると、ギリシャのコーストガードは地中海で、ボートで密入国を図るアフリカ人を海に投げ込んで殺している。イタリア沖でもじつは類似の案件があるという。メッスではアフガン「難民」がまた複数人をナイフで刺した。住民の安全を守れない妄想憲法とそれを利己本位に操るエスタブリッシュメントが、草の根から見限られつつあるのではないか?

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 Clarence Oxford 記者による2024-6-13記事「New Cargo Drone HH-100 Completes First Flight」。
   中共のAVIC社が開発した大型の輸送無人機「HH-100」が水曜日に初飛行。場所は西安市の藍田空港。
 双発エンジンの固定翼機で、貨物700kgを積める。
 最大速力 300km/時。 ※エンジン馬力の言及無し。

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 2024-6-17 記事「Patria introduced a new FAMOUS caterpillar armored personnel carrier」。
   フィンランドの装甲車メーカー、パトリア社が、「ユーロサトリ2024」に、新型の全地形兵員輸送車「FAMOUS」を出展した。

 幅広履帯によって、積雪地や湿地を踏破できる。

 外観から察するに、エンジンはフロント置き。

 開発の狙いはイマイチ、よくわからない。発表もない。だから想像するしかないが、「装甲防御」の万全は最初から諦めてしまい、むしろ、走破力を重視しているようだ。

 アーマーは、せいぜい、小銃弾を防ぎましょう、というレベルに見える。
 操縦席には大きな「フロントガラス」。そして側面窓。

 おそらくは、フィンランド軍が400両ほどもっている旧ソ連製の「MT-LB」を、これでリプレイスしたいのだろう。

 また、フィンランド軍は、高性能だが高額でもある、前後重連式の浮航可能なスウェーデン製装軌車「バンドヴァーゲン308」も、この新型装軌車でリプレイスしたいのかもしれない。というのは、FAMOUSの方があきらかに安価だから。

 ※新製品の評価はやはり誰かがユーザーとなってから2年以上経たないとわからない。今から2年以上前、ドイツに本拠がある「Worx」社が、「長さ23インチ×幅20インチ×高さ58インチ」の「8徳荷車」を売り出した。これは今、楽天の通販サイトでは「ワークス多機能手押し車 カート」の名で、7万円台で売られている。何が凄かったかというと、車幅の狭い、2輪の手押し車(1輪猫車の2輪版)なのだが、アタッチメントを変えるだけで「サックトラック」になるのだ。すなわち、梃子の原理でジュースの自販機をフォークリフトのように掬い上げてしまう、アレである。しかも、別売りアタッチメントの「排雪ドーザー板」を取り付けると、手押しの除雪マシンにも変身するとの謳い文句だった。これが今、日本の積雪地で活躍しているという話は聞かない。そのような動画にもヒットしない。要するに、雪は甘くない。フィンランド人はそれがよくわかっているはずだ。そのフィンランド人が、バンドヴァーゲンを「ぺらぺら装甲の雪上車」で更新するという。本当にそうなるのなら、注目しないわけにはいかないでしょう。夏でも使える雪上車というものが可能なら、それは北部方面隊にとって朗報だ。「二重装備」を解消できるんだから。


オーバーツーリズムに音を上げて、ギリシャは来年から、クルーズ船の着岸時間枠制限を導入する。

 ストラテジーペイジ の2024-6-16記事。
   米海兵隊がSOCOMのために提供してやっている犬型ロボット「ヴィジョン60」は、自重51kgでペイロード10kg。
 1秒間に3m進むことができる。電池は3時間もつ。
 リモコン無線は10kmくらいまで可能。

 ターゲット探知はAIが半自動で行う。人間のオペレーターが許可を出せば、搭載の火器で射撃する。

 犬型ロボットは階段を昇れるので、建物内を捜索させるのに役立つ。

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 Brian McElhiney 記者による2024-6-14記事「General returns to Okinawa, this time to lead all Marine bases across the Pacific」
   太平洋域の全海兵隊基地を総括する司令官としてブライアン・ウォルフォード少将が沖縄にやってきた。彼はこれで沖縄赴任三度目。

 いま、グァム島に建設中の海兵隊基地は「キャンプ Blaz」という。そこも管轄内。

 ウォルフォードは1987に海兵隊少尉となる。中尉時代は沖縄で自動車輸送に任じた。イラクには3回、アフガンには2回派遣され、バグラム航空基地司令だったこともある。

 ※普天間の大型格納庫には、天井から「雨漏り」する箇所があるという珍しい事実が、梅雨のまっさいちゅうに行われたこの司令官交代式のおかげで、公知となった。


水上艦隊がほぼ潰滅した黒海~アゾフ海の露軍は、残っている4隻の潜水艦のうち2隻を、間欠的に、パトロールに出すようになった。水上艦代わりに。

 Joe Saballa 記者による2024-6-13記事「Russia Now Uses Submarines to Patrol Black Sea Following Naval Losses」。
   ウクライナ軍の南方方面軍の広報官いわく。

 ただしアゾフ海はとても水深が浅いので、潜水艦の行動は限定されてしまうはず。

 次。
 ストラテジーペイジ の2024-6-15記事。
   中共の輸入品のうち5.1%は、ロシアから来る。
 かたやロシアは、中共からの商品には3.3%しか依存していない。

 中共は輸出入ともに、米欧を最大の相手先としている。

 欧米は、ロシアに利益を与える中共の銀行を「SWIFT」(全世界1万1000の金融機関が加盟する地球規模の電信決済システム)から締め出すことができる。

 ロシアは、毎年5000億ドル弱の商品とサービスを輸出し、同時に、約2000億ドルの商品とサービスを輸入している。

 一時、いくつかの中共の銀行が、SWIFTの代替システムを独自に構築してやろうと試みた。だが、数ヵ月にして、手を引いた。

 対露の制裁破りに加担する中共の銀行が、今度は、西側からの制裁対象に加えられてしまうだろう。誰もそんなリスクは冒せないと理解された。

 2022以来、ロシアに対して加えられた制裁のうち、最大のダメージを与えたのが、「SWIFT」からの締め出しである。中共は、その効果のほどを視て、恐れおののいている。

 次。
 Mike Ball 記者による2024-6-10記事「Heavy Fuel Engines for Group 2&3 Tactical UAS」。
  灯油系のレシプロエンジンを無人機用に供給している「オービタルUAV」社が、最新の150馬力内燃エンジンをリリースした。
 垂直離陸して、固定翼で長時間、水平飛行するハイブリッド無人機には、このクラスの馬力が頼もしい。

 Orbital UAV 社は、「スキャンイーグル」の50cc.エンジンを造っているメーカーだ。
 この50cc.エンジンは、灯油系の燃料を使い、スパークプラグで点火させる、2サイクル空冷式。重さはたったの3kgである。
 出力は3.7馬力=2.8kWで、発電させるなら250Wになる。

 ただ、このクラスの発電力では、固定翼UAVを垂直離着陸させることは難しく、カタパルト発進とせねばならない。

 そこでオービタル社は、75cc.の空冷2サイクル単気筒エンジンも開発した。
 これは重さ4.4kgで、5.2馬力を出す。

 このたび発売した150cc.型は、水平対向の空冷2サイクルで、重さ6.4kgで11.5馬力を出す。発電する場合は300~1000Wが可能。
 離陸時には、この発電力で4軸のモーターを回し、クォッドコプターとして垂直上昇。ほどほどの高度に達したところで、あとは内燃エンジンのみの水平飛行へ移行させる。


前線から150マイル離れたモロソヴィスク空軍基地を、宇軍の70機の無人機が空襲し、複数機の「スホイ34」を灰にした模様。

 APの2024-6-14記事「OpenAI appoints former top US cyberwarrior Paul Nakasone to its board of directors」。
 トランプ時代から今年2月まで、サイバー・コマンドの司令官(陸軍大将)・兼・NSA長官だったポール・ナカソネ(今年退役)を、オープンAI社が即座に、経営重役に招き入れることに決めた。
 「ChatGPT」を、悪用者から守る仕事が期待されている。

 OpenAI社は昨年、内部のゴタゴタがあり、経営陣の再編が図られているところである。

 OpenAI社の重役会議に助言する「保安保全委員会」も社内に創設され、ナカソネはそっちも手伝う。

 次。
 Bonny Lin, Brian Hart, Matthew P. Funaiole, Samantha Lu, and Truly Tinsley 記者による2024-6-5記事「How China Could Quarantine Taiwan: Mapping Out Two Possible Scenarios」。
   CSISの最新リポート。
 中共は台湾に対して「グレーゾーン海上検疫」を試みるかもしれないという。海警と海巡にやらせる。

 2024-5-20に台湾の新総統が選出されてから3日後、中共は海警を混ぜた大演習を挙行した。

 ブロケイドは海軍力を使った封鎖になりがち。対する、検疫(クォロンティーン)は、法を海上警察力が執行するだけというニュアンスで圧迫・強制できる。
 軍隊は海警の一歩後ろで支援することになるだろう。

 2013年に中共が宣言した東支那海上のADIZに米国の民航会社も従っている。

 ナンシー・ペロシ連邦下院議長が2022-8に訪台したとき、中共は公船を繰り出せる海上法執行組織MSAの『Haixun 06』を福建州沖に遊弋させた。

 2023-4に蔡英文が訪米するときも『海巡06』を台湾海峡に出し、「臨検するぞ」とアナウンスした(ただし口だけ)。

 2024-2には金門島周辺で中共のコーストガードが台湾の観光船に乗り込んで臨検の真似事をしている。

 ブロケイドを宣言すると、それを終らせるときが難しくなる。みっともない退散に見えるかもしれない。
 検疫ならば、簡単に中止できる。あまりみっともない敗退には見えないだろう。

 海警は世界最大のコーストガードだ。航洋型船が150隻以上。沿岸用の小型艇が400隻以上。

 台湾のコーストガードは、航洋型船10隻と、沿岸用小型艇160隻。

 海巡=中国海事局=MSAは、2013年以降も海警には統合されないでいる別組織。公船×数十隻を保有。

 「海上民兵」は、大型船が100隻以上。小型艇は3000隻以上だろう。

 台湾の西海岸の港湾でいちばん重要なのは、高雄。
 2022年の統計で、台湾が船舶で輸入した貨物の57%は高雄港から入った。
 コンテナも、石油も、高雄港から入る。
 すぐ近くには、台湾最大のLNG基地もあり。

 シナリオ1。限定的な海上クォロンティーン。

 中共は「検疫」とか「ブロケイド」という言葉は使わずに、実質それと同じことを始めようとするだろう。「税関の機能を拡充する」とかなんとかほざくはずだ。
 台湾の港へ入ろうとする商船はすべて事前に中共当局に申告しなければならない――といった法令を強制しようとするだろう。

 検疫線の位置は公表しないだろうが、まず高雄港を狙い撃ちするだろう。
 海上民兵は24浬線で使われるだろう。

 シナリオ2。本格的な海上クォロンティーン。
 こちらでは軍艦も前面に出し、空母から艦上戦闘機も飛ばす。
 台湾の東海岸までも包囲してしまう。

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 Gabriel Honrada 記者による2024-6-14記事「China’s global military base strategy taking shape」。
   今月、RAND研究書が報告書を公表。中共軍が全世界で海外基地を獲得しつつある動きについてまとめたもの。

 カンボジア、赤道ギニア、ナミビア、ソロモン諸島、UAE、ヴァヌアツが含まれる。タジキスタンには前からパラミリタリーの拠点を置いている。

 『ニューズウィーク』も2024-3に独自に調べている。キューバ、パキスタン、タンザニア、スリランカ、ミャンマー国内の中共軍拠点について。

 『サウスチャイナモーニングポスト』紙は2023-6に、次の中共軍基地はスリランカのハムバントタ港にできると報じている。
 これとパキスタンのグァダル港を組み合わせればインドを東西から挟撃できる。

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 ストラテジーペイジ の2024-6-14記事。
    米海兵隊は、新型の水陸両用装甲車であるACVを、比島での演習に持ち出している。

 40ミリ自動擲弾銃を訓練で発射するときは、その訓練弾には黄色いチョークの粉が詰まっている。この弾薬は、他の火器に対して、目標を示してやるために、実戦で用いられることもある。

 8×8のACVは初期計画では底部がフラットだったが、導入された量産品ではV字断面となっている。
 現下、184両を受領済み。

 ACVの自重は35トンもある。ペイロードは3.3トン。
 お客の兵隊は13人、乗せられる。固有乗員は3名。
 水上では12km/時で浮航でき、しかもそれを21km沖から開始できる。

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 Alex Blair 記者による2024-6-14記事「US Navy explores seabed mapping in push to control rare earth elements」。
   米海軍は、ノルウェーのコングスベルグ社が完成した、海底Mappingに特化したAUV(無人潜航ロボット)「HUGIN」の導入に傾きつつあり。

 HUGENは、15日間、水中に潜りっぱなしでマッピング活動できる。航続距離は2200kmに達する。深度は6000mまで行ける。

 合成開口ソナー、マルチビーム探査エコーなどをフル装備す。
 海底資源の散在状況を早く把握しないと中共との競争に負けてしまう。それで、急ぐ。

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 2024-6-14記事「Japan Develops 155mm Anti-Aircraft System to Combat UAVs」。
   日本の防衛省は「十五榴で遠くのUAVを撃ち払う」という構想に予算をつけた模様。
 公式ウェブサイトにイラストが公開された。

 ※長期的に、対UAVにも155㎜砲弾を用いるのがトータルでは安い、と判断したわけだ。ということは、日本のどこかに、最新鋭の155㎜砲弾を今以上に製造できる工場が、設備投資されるはずだ。それは、どこだ?


5月24日にノフォーク軍港内のロサンゼルス級攻撃型原潜『Helena』の艦内にて、ソナー員の兵曹(22)が感電死しているのが発見されたと。

 Joseph Trevithick, Tyler Rogoway 記者による2024-6-12記事「Does The U.S. Need To Be Building Hardened Aircraft Shelters For Its Combat Aircraft?」。
   軍用機用のシェルターがとてつもなく重要になってきた。これは敵の空爆から防御するためだけではない。小型のドローンでやられてしまう危険が増しているのだ。

 13名の共和党連邦議員が連署して米空軍長官ならびに米海軍長官宛てに送った5月の公開書簡によれば、中共は近年、400棟以上の硬化シェルターを、その軍用機用に全土に築造していると。13名は太平洋戦域の米軍基地の航空機が硬化シェルターで守られているかどうか、情報提供を求める。

 超小型の自爆ドローンの脅威は、海外の米軍基地だけでなく、米本土の航空基地にも簡単に及ぶと予想されるところが、まったくの新事態である。
 いままではテキトーでもよかった米本土の航空基地に、多数の硬化掩体が、これからは必要になるだろう。

 『エアフォースマガジン』によれば、2014年時点で、太平洋域には210棟弱の硬化航空機シェルター(HAS)があり、その多くは在韓米軍基地内である。そしてその数は、12年前と比べて2.5%しか増えていない、と記事は書いている。

 また書簡は、台湾をめぐる米支戦争では、米軍機の9割は空戦ではなく地上に於いて破壊されてしまうだろうというCSISのシミュレーション結果も引用している。

 ※豪州では、有事にいちばん懸念される事態として、中共が海底ケーブルを全部切るのではないかと想定中。まわりが全部海だから、国外のAIサーバーを利用できなくなってしまう。衛星回線ではとても容量が足りない。ところで先の大戦で日本海軍はお粗末にもミッドウェー島に通じる海底ケーブルを放置していて、それでマンマと敵の術中にかかってしまった。中共軍はこの教訓を汲んでいるだろうから、おそらくグァム島に通じる海底ケーブルをまっさきに切断するだろう。

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 Thomas Newdick 記者による2024-6-13記事「Medieval Flame Throwing Trebuchet Is Israel’s Latest Weapon」。
   跳ね釣瓶の梃子の力と遠心力を最大化して岩石を投射した中世の攻城兵器「トレビュシェット」をイスラエル軍が臨時に復活させて、国境の高い壁越しにレバノン領内に「燃える塊」を投げ入れ、植生を焼き払い、それによってヒズボラのゲリラが壁の近くに隠れられないようにしている。

 さいきんヒズボラはイラン製の「Almas」という対戦車ミサイルを受領した。それをレバノン国境のすぐ近くに展開しているIDFの「アイアン・ドーム」のラーンチャーに向けて発射して1基破壊している。イスラエルとしては、その再演を防遏しなければならない。

 投げ込んでいる「燃える塊」の正体は不明だが、可燃ガスを圧搾タンクに詰め、長時間、炎が出続けるようにしたものを、点火してから投擲しているのではないかという説がある。

 ※このような目的に使うには、中華製のリチウムイオン電池入りEV車が、いちばんかも……。消火しようとするすべての努力は無駄なので。トレビュシェットは、普通自動車くらいならば余裕で投擲できる。

 SNSに6月13日に投稿された別なビデオでは、国境の壁越しにIDFの兵隊が弓矢を使って「火矢」をレバノン領内へ射かけている。

 ※昔ながらの弓矢の「短所」は、道具がコンパクトにならないことだった。ところが近年は「スリングショット」の特殊ゴムの値段が下がってきて、ポケットに入るような「ぱちんこ」からフレシェットを発射できる(おそらくゴムの耐用寿命は1ヶ月)。これは音がしないから、挺進隊員が自活用に野生動物を殺したり、敵の歩哨を沈黙させるのにも使えるのである。ウクライナ戦線では露兵が弓から「炸裂弾頭」付きの鏑矢を発射している。対UAVの自衛装備としても「多用途スリングショット」が考えられるかもしれない。

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 APの2024-6-13記事「Denmark recalls spicy South Korean noodles over health concerns」。
  デンマーク政府の食品監督部門は韓国から輸入されている3種類の激辛ヌードルは毒があるので買った消費者は捨てるか店に返品しなさいと指導している。
 製造元はSamyang Foods社。製品は世界中に輸出されているという。
 3商品名にはいずれも「Buldak Samyang」が頭に付く。

 カプサイシンの含有量が多い。Capsaicin はチリペッパーの成分だが、神経毒でもあるという。
 特に年少者や虚弱成人には、害がある。


極地探検家シャクルトンゆかりの汽船は1962年に沈没していたが、その沈船がソナーで発見された。

 ストラテジーペイジの2024-6-12記事。
   中共の造船所がようやくパキスタンに『ハンゴル II』級潜水艦の1番艦を納品した。ぜんぶで8隻受注している。

 1番艦は2023に引渡される計画だったが、ドイツ製エンジンの第三者輸出をドイツ政府から禁じられてしまい、それで遅れた。

 もともと『ハンゴル』の設計は「MTU396」エンジンを前提にしていた。
 さかのぼるとこれもいかがわしい話で、中共は「水上艦に使う」と説明してこのエンジンをドイツから輸入し、それを潜水艦に載せたのである。

 中共はその前にタイ海軍に「MTU396」を搭載した潜水艦を2017年に売ろうとして、これもドイツ政府から輸出を拒否されて頓挫した。

 そこで中共は、「MTU396」のライセンス生産品(正確には各部の品質が劣る不完全コピー)である「CHD620」を取り付けることにした。

 「CHD620」は運転数百時間ごとに分解整備が必要なもの。作戦中にいつ、故障するか、知れたものではないというレベル。

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 Jamie Hunter 記者による2024-6-11記事「What It’s Like To Fly The F-15EX According To A Boeing Test Pilot」。
   ボーイング社のF-15のテストパイロットであるマット・ギースに『ウォーゾーン』がインタビューした。

 最新バージョンのF-15EX(複座型)は、進化したフライバイワイヤなので、半自動飛行みたいなもの。おかげで後席の電子戦担当者だけでなく前席の操縦者も、「戦術」や「警戒」に全霊を集中できるようになった。以前は飛び方に常に気を配っている必要があったのだが……。

 片翼の下にだけ重い兵装を搭載した状態でスピンさせても、ソフトウェアが介在するフライバイワイヤが平然と安全を保ってくれる。じつに気が楽。

 もし被弾してエルロンやラダーが動かなくなっても、他の生きている部位を駆使して、ソフトウェアが、なんとか飛行を維持させる。片翼が吹っ飛んでも、なんとかするレベル。

 ぎゃくに、機体に無理なGがかかるような操縦をパイロットが試みても、ソフトウェアが、その実行を抑制する。

 コンフォーマルタンクのついた姿で高度4万フィートまで上昇するあいだに、たちまちにしてマッハ2まで加速してしまう。トップ・スピードはマッハ2.497である。

 ミッションコンピュータは「ADCP II」(先進・ディスプレイ・コア・プロセッサー・2)で、これも世界最速である。

 若い搭乗員は、F-15の前に「ボーイング T-7 レッドホーク」練習機に慣熟する。その練習機のコクピットにはF-15の最新版に近似した広面積ディスプレイ(LAD)がついているので、使い方を早く覚えられる。

 ヘッドアップディスプレイは、旧型よりも狭い(C型とは同じくらい)。「ロー・プロファイル・HUD」と称す。つまりは搭乗員の素の視界を邪魔しないためである。

 ※わかりやすい日本語タイトル「【切り抜き動画】ベトナム人民軍における押し歩き自転車の運用」を付けて、訓練Movieをユーチューブに掲載してくれた「Kurobe356」さま、どうもありがとうございます。この動画の冒頭、弾薬箱積載要領を教えているシーンでは、どうも空箱が使われている感じですが、舟艇渡河直後に弾薬箱を自転車に載せ換えて走るシーンでは、中味が入っていそうに見えますね。あとはこの教官の言語に誰か字幕を付けて欲しいと思います。

 ※これまた皆様のおかげにて、インドシナ戦争当時の輜重用自転車のヘッドチューブ前の「駕籠」に入れられている複数の円筒鑵の正体を把握できました。軍人ではない地域住民が、運搬夫として徴用動員された折、軍から糧食は支給されませんでしたので、各自が1日分の手弁当を2kgほども持参しなくては身体がもたなかった。筒の中味は、コメ、焼き塩、挽き肉などを素材に、あらかじめ調理を済ませてある食品だそうです。ここで次のような感情がこみ上げてまいります。これらの携行食料は、炎天下で1日以上、腐敗することがなかったか、あるいは、簡単な再加熱だけで兵糧に供し得た。旧陸軍の経理学校や、陸自の需品科は、そこに関心をもって研究してみたことはないのか? そしてまた暖地であっても、重作業を継続するためには毎日これだけの重さの兵糧が、最低でも必要だったということは、自転車を使わない徒歩兵が背中に担いで行けた全重量を食い物に充当したとしても、せいぜい半月の給養しか可能にはならぬということじゃないか!