ウクライナ軍は、今年の夏には、おそらく戦場の対峙線に縦深20kmの無人地帯が形成されると予測す。敵軍が繰り出すドローンの攻撃から、もはや単独の歩兵すらも逃れることはできず、有人車両もそこでの活動は不可能。

 Defense Express の2025-5-4記事「The Missile Used By Ukrainian Magura Drone For Historic Su-30 Downing Was the AIM-9 Sidewinder」。
    黒海で五月二日夜に宇軍の無人ボートが露軍の「スホイ30」を撃墜したフッテージはすでに評判だが、じつは同夜の作戦では、宇軍は別な1機の「ロシアの航空機」も撃墜したのだという。これはゼレンスキーが語った。ただし誰が何を使って2機目を落としたのかは、不明。

 その後、宇軍の情報部長のブダノフが『War Zone』の取材に答えたところでは、2機目も「スホイ30」戦闘機だった由。

 そのさいブダノフは、「マグラ」から発射した対空ミサイルは、前報にあったような「R-73」(シー・ドラゴン)ではなくて、「AIM-9 サイドワインダー」であった新事実も明らかにした。

 もちろん、サイドワインダーのSAM転用型が実戦でリモコン艇から発射されて敵機を撃墜したのも今回が初ケースだ。

 さらに詳報。今回の作戦に投入された無人艇は「マグラ7」(「V7」とも言うことあり)だった。ブダノフの説明によれば、「V7」は「V5」の派生型で、対空戦闘に特化したバージョンだとのこと。

 そして、H I サットンの解説によると、「マグラV7」は「V5」よりも船体の幅が広く、全長もV5の5.5mよりはずっと長くて8mくらいあるという。

 ブダノフいわく。他にも複数のSAMを試してみたが、「AIM-9」が「マグラV7」に載せるには最善であることを掴んだと。

 5月2日の作戦では、3隻の「マグラ7」が前進して露軍の「スホイ30」を待ち伏せていた。そしてそのうちの2隻が、それぞれ「スホイ30」を1機ずつ、撃墜したのだという。

 ロシア側の報道によると、スホイのパイロットのひとりは、民間のばら積み貨物船によって救助された。もう1機のパイロットは、助からなかったそうだ。

 ※ストラテジーペイジによれば、宇軍は現時点で約1000両の戦車を動かせている。主力はТ-72系。また2025年には300万機のドローンがウクライナ軍に納入される見込み。宇軍の各戦闘大隊は常時、100機以上のドローンを運用する。

 ※別報によると、英国陸軍は、詳細を公表することなく、手持ちの国産の155粍自走砲「AS90」(レンジ25km)をことごとく、ウクライナ軍にプレゼントしてしまった模様。2023年から英軍はスウェーデンの「アーチャー」自走砲(レンジ50km)への切り替えを進めていた。そのアーチャーも2029年には、独英共同開発中の新鋭自走砲で更新する計画。

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 Strategic Natural Resource Group の2025-4-16広報「Revolutionary drone technology for battling wildfires takes major step forward with new partnership Francais」。
  カナダのメーカーが開発した重量級の山火事消火用ドローン「FireSwarm」。巨大なクォッドコプターである。
 その最新型はペイロードが400kgもあり、消火バケットを水利に浸してロープで懸垂し、そのまま現場へ飛んで行ける。

 FireSwarm Solutions 社はブリティッシュコロムビア州のスタートアップ企業。
 山林火災消火に特化した無人機を開発している。

 この夏、メーカーは、カナダ各地で実証テストを繰り返し、来年には本格販売したい。