ボストン・ダイナミクス社の人型ロボットが、ようやく、「全関節逆動」機能を実装し始める模様。

 ヒトの関節は1方向にしか曲げられない――あるいは、力をかけられない――のが普通だが、ロボットにそんな制約は無いはずなのだ。そこにメーカーがやっと気付いた。

 関節を180度を越えて無限界に回転させることも、ロボットならば特段、問題がない。床に転んだ状態から立ち上がるのに、股関節を「後ろ旋回」で270度くらい回転させれば、上半身が重いロボットでも、難なく、最速で、起立できるのである。

 ヒトの手には裏表がある。「手のひら」と「手の甲」を、同じように使うことはできない。しかし人型ロボットならば、指関節をすべて反対方向へ可動させることで、「手のひら」と「手の甲」の違いをなくしてしまえる。つまり、人型ロボットには「柔術」は効かない。

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 Hans van Leeuwen 記者による2025-12-9記事「The Beijing data blackout raising alarm bells about China’s economy」。
  いよいよ中共中央は、民間データ機関にこれまで許していた、国内トップ100のデベロッパーによる住宅販売に関する月次データを公表することを禁じた。11月分から。
 中国の世帯は資産の最大70%を不動産に投資するが、地方の不動産の価格は2021年のピーク時より20~40%下落している。こうなったら誰も消費したがらない。
 若年層の失業率は17%を上回っている。
 「三線都市」と総称される、住民1000万人以下の地方都市から、北京、上海、広州、深センへの人口流出が続いている。これは地方自治体の危うい財政をますます救い難くする。

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 Pranay Kumar Shome 記者による2025-12-3記事「Gramsci’s Neo-Marxism and Chinese Hybrid Warfare」。
  戦間期の理論家のアントニオ・グラムシが提唱した「陣地戦」を、今の中共中央は採用しているのだという秀逸な警告記事。
 グラムシ戦術とは。
 捏造の物語によって、大衆の間に新たな階級意識を植え付け、近代的「市民」そのものを幻想の存在にしてしまうこと。市民は芯から無価値だと自覚させること。リアリズムとシニシズムを結合させ、近代市民の道徳的核心を溶解させてしまうこと。
 さすればもう、専制政府には誰も抗戦を維持できなくなる。

 SNSのおかげで、1930年代よりも今のほうが、そんな工作もしやすくなっていると。

 ※米国の場合、住宅コスト上昇が、死ぬまで「持ち家」には手は届かないのだと諦めるしかなくなった「旧中流」の新下層階層と、恵まれた「勝ち逃げ資産持ち」階層や数パーセントの稀少経済エリート階層を、目に見える形で分断しつつあり、革命の下地が整いつつあるわけ。