半世紀後にはNHKが祭政一致の「電波独裁幕府」を不動にしていて三権分立の跡形もないだろうと予想する。

 Eric Niiler 記者による2019-5-28記事「The Military Is Locked in a Power Struggle With Wind Farms」。
   テキサス州とオクラホマ州の境あたりは、以前はどこまでも畑しかない地帯で、シェパード空軍基地からのT-38ジェットによる教練には理想的だった。が、現在、風力発電塔が林立して、低空飛行が難しくなりつつある。
 この風力発電会社、いまやオクラホマ州内の電力需要の三分の一を賄っているほか、テキサス州の電力需要の17%も供給しているという、マンモス企業なのだ。
 かつて、低空飛行を訓練するルートは12通り、選び得たものだが、そのうち3ルートは、すでに使えなくなった。さらに発電塔は年々、増えている。
 ノースカロライナ州やニューヨーク州でも、ウインドファームと軍との間の軋轢が持ち上がりつつある。
 米海軍は、加州の太平洋海岸線のほぼ中央にある「Big Sur」市からメキシコ国境に至るまで、すなわち加州海岸の南半分に関して、海上に風力発電塔を建設することを全面禁止してもらいたいと願っている。
 それらは航空機にとってだけでなく、艦船にとっても困った障礙物になりつつあるのだという。
 キャンプ・レジューンを抱えるノースカロライナ州では、州議会に、同基地からヴァジニア州境までの間の海岸線100マイルに風力発電塔を建てることを禁じようという法案が提出された。
 これに対して大資本のウインドファーム側では、退役した地元海兵隊航空隊の将官を顧問に迎えて反論させている。
 彼にいわせれば、108基の風車よりも、年々、基地の近くに建てられる民家の方が、飛行訓練にとっては「脅威」なのだ、と。
 ※100mもある高塔は航空法によって飛行場近辺での建設が規制されるのがあたりまえではないのか? アマゾンの航空宅配UAV構想との相性はどうなんだ?
 次。
 Shawn Snow 記者による記事「Marine and Army squads could get this new 40 mm laser guided grenade round」。
      レイセオン社が海兵隊と陸軍に提案している凄兵器「パイク」。
 40ミリ擲弾なのだが、レーザーによってセミ・アクティヴ誘導される。初弾必中だ。
 威力は、非装甲の車両に対しても有効だという。
 射距離だが、現用のグレネードランチャーがせいぜい400mであるのに比し、パイクは、なんと2kmも飛んでくれる。
 遮蔽展開している敵兵を、敵兵の小火器間合いの外側から、先に制圧してしまえるようになる。
 パイクは、ベトナム戦争中からある古いM79擲弾銃でも使えるし、海兵隊の最新型のM320グレネードランチャーからも発射できる。
 M320は、それまでのM203を更新する、新型ランチャー。
 レイセオン社では2014年からこの弾薬を開発してきた。
 40ミリには非リーサル弾薬のバリエーションもある。
  ※わたしゃえらく昔から《自律センサーで山林内のゲリラをみつけて落下してくれる81mm迫撃砲弾を研究開発しとかにゃダメだよ》と活字で提言をしてきた。けっきょく日本のメーカーにも大学にもそんな気力は無くて、米企業が一段と先を行ってしまうようだ。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-5-29記事。
  韓国の造船所で、フィリピン海軍用のフリゲート艦の1号艦が5-23に浸水した。就役は2020年の予定。フィリピンは2隻、2016年に発注している。2600トン。単価は1億6900万ドル。型は、『仁川』級を小型にしたものという。
 東ウクライナには米軍が「RQ-4 グローバルホーク」を常時、飛ばしている。
 露軍は、このグロホの送受信系統に電子的にハッキングしようと試みている。その新型の機材が「ティラダ2」で、トラック車載。
 次。
 arXiv 記者による2019-5-29記事「Roman amphitheaters act like seismic invisibility cloaks」。
   イタリアは地震域(ユーラシアプレートとアフリカプレートがぶつかる)に位置しているのに、2000年前のローマ人が建造した石積みの円形演技場はどうして崩壊せずに残っているのか?
 次第に、その機序が解明されつつあり。
 共振震動が消えてしまうような部材のサイズや全体構造が、あるのだという。
 メキシコシティにある四角柱形の282mの「ラティノアメリカタワー」。1956年の建築なのに、過去数度の巨大地震にも耐えて残っている。※設計者のオフィスが二十数階のところにあって、マグニチュード8で市街が壊滅する様子を窓から見ていたという伝説もあり。
 同心円構造の、外周部分は損傷しても、センター寄りは無事という建築が有望らしい。
 ※原爆の被弾地でも、円筒状鉄筋コンクリート製煙突の圧倒的な靭強さが示されている(レンガ積みの四角柱煙突はぜんぜんダメだが)。似た様なメカニズムなのか? 東京五輪の競技会場も、フラックタワー構造にして、災害時の避難所を兼ねられるようにしたらよかったのかも……。


後ろに目のある者はいない。

 WILLIAM COLE 記者による2019-5-27記事「USS Preble to be first destroyer equipped with HELIOS laser defense system」。
     米海軍で最初にレーザー兵器を搭載するのは『USS プレブル』と決まった。母港はハワイ。
 時期は2021年になるだろう。
 このレーザー兵器をHELIOSと略称する。
 レーザーは、敵高速艇を撃沈できずとも、そのセンサーを破壊・眩惑できる。飛翔物体についても、同様。
 ロックマート社製のヘリオスは現段階では60キロワットぐらい。将来、150キロワットをめざす。
 米海軍はすでに30キロワットのレーザー砲を『USS ポンセ』に搭載して小型無人偵察機「スキャンイーグル」を高角射撃し、撃墜できることを2017年に確認した。
 ※30キロワット砲を軍艦の舷側に5門並べれば、その片舷集中射によって150キロワット級のファランクスと同じことができる道理じゃないか。旧戦艦『山城』級の舷側副砲のようにズラリと並べた方が悧巧ではないのか? ただ問題は、今日の軍艦は敵ミサイルの接近を探知すれば、その方角に艦首または艦尾を向けて、敵眼からのシルエットを最小化することになっておる。そうなると片舷斉射は利かぬゆえ、ここはステルス化潮流には反するけれども、やはり『山城』級のパゴダ艦橋を再現して縦方向にレーザー砲を並べるしかないかもしれぬ。どうしても次の護衛艦は『山城』になってしまうのだ。
 次。
 Frank Chen 記者による記事「Third PLA carrier could be China’s Kitty Hawk」。
       中共海軍として三番目の空母(002型)が上海で建造中だが、衛星写真から、その外形は米海軍の非核動力空母『キティホーク』(すでに退役)に瓜二つであることが分かってきた。
 衛星写真は4月に撮影された。
 失敗作『遼寧』は6万7500トン。それに対して『キティホーク』級は8万3000トンであった。
 ただし、『キティホーク』のカタパルトが2条のみだったのに比し、造船メーカーのCSICが2018-6にSNS上で公開しているイラストによれば、『002』は、船首方向の2条に加えて、アングルドデッキにも1条のカタパルトを備える。「KJ-600」もどきの艦上早期警戒機を、アングルドデッキから発進させたいらしい。
 『キティホーク』はF-18など80機以上も搭載していたものだが、シナ製艦上機「J-15」を運用するとなると2個スコードロン48機がせいぜいだろう。加えて12機のヘリコプターと数機の早期警戒機か。
 カタパルトは目下、陸上にて、スチーム式と電磁式の両方がテストされている。どちらが搭載されるのかは分からないが、大方の視るところ、スチーム式に落ち着くであろう。
 なぜかというと、電磁カタパルトは厖大な電力を食うので、主機と発電機にかなりの余裕がないと、運用は不可能なのだ。しかるに『002』の主機はウクライナ設計の蒸気タービンだと考えられるので、8万トンの船体に30ノットの行き脚を与えられるかどうかもギリギリ。その上で発電にまわせる余裕はとてもなさそうなのである。
 エンジン馬力不足の問題は、軽量化によって解決するしかない。ガタイが『キティホーク』並でも、内実はスカスカとなるであろう。
 『002』は2028年までには就役するだろうと見込まれている。
 次。
 Heather Venable and Clarence Abercrombie 記者による2019-5-28記事「Muting the Hype over Hypersonics: The Offense-Defense Balance in Historical Perspective」。
         ジュリオ・ドゥーエもビリー・ミッチェルも、爆撃機は阻止できない、と主張した。今のハイパーソニック弾についても、同じことが言われている。
 いきなり爆撃機による毒ガス空襲で敵国の大都市を壊滅させてしまえる以上、将来戦は数日間で決着する――と、戦間期には説かれたものだ。
 ところがレーダーが発明されたことによって、WWII前に、攻防のバランスが復活してしまった。
 さすがにクレア・シェンノートはその前から分かっていた。いつまでも対抗されぬ新兵器などというものはなく、爆撃機とて同様である、と。
 おそらくハイパーソニック弾を迎撃する最初の有効手段は、地対空の電磁波ビーム砲になるだろう。センサーと電子回路を内臓し、精密に自己誘導するハイパーソニック弾は、ハイパワーの電磁波ビームからダメージを受ける。特に信管が。
 また、マイクロ・ウェーヴの電磁派ビームはレーザーよりも収束度を疎にできるので、目標の捕捉が早いし、捕捉の後も、的を外さない。
 メリーランド大学での研究。9.5メガワットのマイクロ波のエネルギーは、25マイル離れた場所のハイパーソニック弾頭を毀損するのに十分であると。
 25マイルの距離をハイパーソニック弾が詰めるのに12.5秒かかる。
 高速飛翔体が舵を切るのは〔あるいはコースを正確に維持するのは〕容易なことではない。0.5度の角度変更が、25マイル先では着弾点を1150フィート、ずらす。
 ハイパワーの電磁波には、ハイパーソニック弾頭のコースを0.5度変えるくらいの力がある。
 専門家のリチャード・フィッシャーの議会証言。中共はエネルギー指向兵器がこれから急速に有力化し、30年後にはすっかり戦場を支配しているだろうとの予測の下、大投資中である。米国と同盟国は、中共に支配されないためには、総力体制でこの分野でのブレークスルーを先に成し遂げるべきであると。
 戦車は1970年代には、対戦車兵器の前にすっかり脆弱化したと見られていた。しかし英国で複合装甲が発明されたおかげで、今日まで命脈を保っている。同じことが、ハイパーソニック弾とハイパワー電磁波砲の間にもあるだろう。


老人の生産性を高めるには「眼鏡」の飛躍的進歩が不可欠だろうね。

 ストラテジーペイジの2019-5-27記事。
   ガザ地区から風下のイスラエル領に対して、焼夷凧、焼夷風船による経空放火攻撃がなされたのが2018年前半のこと。
 これを小火器で距離数百mから1発で撃墜できる、専用照準器が完成した。「ダガー」という。
 焼夷凧と焼夷風船には小型の時限爆弾がついていて、着地後にはぜるようにセットされている。2018年に数千機が放流された。
 それによって、じっさいに千件以上の火災が発生した。穀物畑を焼かれたケースも。
 小規模な野火であっても消防車が出動しないわけにはいかない。
 イスラエル空軍はそれらのテロ兵器の製造所、貯蔵所、放流基地を繰り返し爆撃している。
 また国境近くの住民たちも数百機のUAVを飛ばして空中で「迎撃」しているという。その詳細は不明だが。
 他方、米国製品の「トラッキングポイント」を参考に、イスラエルのメーカーは「スマッシュ」という狙撃銃用照準システムをつくり、それをさらに改善して「ダガー」にまとめた。
 動いている数百m先の標的に、初弾で命中させることができる。
 ※トラッキングポイントの可能性と限界については『米中「AI」大戦』の中で紹介しているので、未読の人はチェックして欲しい。この商品はスコープだけとりつければよいというイージーなものではない。ユーザーが選んだ特別な銃と一体でカスタムする必要があり、銃本体もコミで販売されるのだ。
 ※トラッキングポイントの次に来るべきシステムは、ヘルメット+バイザー眼鏡がそのまま照準装置になるものだ。こちらは個々人の眼球特性とコミで調整する必要があるだろう。おそらくその技術が民間にスピンアウトし、革命的な老眼鏡も完成するだろう。老人の視力が20歳並に復活したら経済はどうなる? スポーツはどうなる? 文字通り、ビジョンが変わり、世界が変わる。男が女を見る映像すら一変してしまう。日本の大学は軍事技術にはコミットなさらないそうだが、そのツケを日本市場全体で払わされる未来が待っているぞ。
 次。
 Hugh Lessig 記者による2019-5-27記事「Shipbuilder Lends Navy a Hand With Rise of Robot Submarines」。
      ボーイング設計の無人潜航艇である「オクラ」型を、北米最大の造船所「ハンチントン・インガルス工業」――略してHII――が量産する。その準備はすでに2年前から進んでいる。
 2年前、米海軍は、ボーイングとロックマートにそれぞれ4000万ドルを与えて、「オクラ」級を競争試作させた。結果、2019-3にボーイング案が勝利し、さらに5隻が発注された。
 ボーイングが頼りにしている相棒HII(フロリダ州)は、有人の小型潜航艇も研究していて、それを無人運航させるノウハウもある。
 以前にボーイング単独で試作した実験無人潜航機「エコー・ボイジャー」は、全長51フィート、50トン。すでに2500時間以上、海中でテストされている。
 「エコー・ボイジャー」の動力は、バッテリーとディーゼルのハイブリッドである。
 ときおりシュノーケル深度で充電を繰り返しながら、数ヶ月、作戦を続行できる。
 オルカの動力は違う方式だという。
 オルカは洋上で敵艦を攻撃する無人機ではない。当分、そのような無人潜航艇は実現しないのだ。
 物品の運搬、機雷敷設、海底地図作成、海中情報収集が、目下は期待されている。
 それらの仕事を将来、無人潜水艦が代行してくれるなら、有人潜水艦はそれらのミッションからは解放されて、専ら敵艦撃沈のために展開できるわけである。
 有人潜水艦の先導となって前路の機雷原を偵察してくれることも期待されている。


北辺がこれほど温暖ということは、西日本にはこの夏は干害の危険がありはしないか。

 ついでに中共内陸の南部にもね。
 次。
 Serenitie Wang and Karla Cripps 記者による2019-5-24記事「China unveils 600km/h maglev train prototype」。
    北京~上海間を巡航時速800~900kmの飛行機で移動すると4時間半かかる。既存高速鉄道だと最高でも時速350kmで、5時間半。しかし600km/h出せる新リニアモーターならば、3時間半で移動できてしまう。
 その試作車ができたという話。
 日本のリニアはすでに2015年に山梨のテスト線で603km/hを記録している。そして中央リニア新幹線の営業速度は500km/時にするつもりだ。
 中央リニアは、計画では2027年にまず東京~名古屋が開通する。今の新幹線の半分の時間で着く。
 中共は2002年に、ドイツ企業の協力を得て上海空港線30km区間にリニアを導入した。これが現今世界最速のリニア鉄道である。最高速力431km/時。
 リニアは世界にほとんど普及していない。取り組んでいるのは日本と中共と韓国しかない。


これからのゲリラ幹部は、超細長く改造したリムジンの後部トランクの隅っこに隠れて移動するようになるのではないか?

 Tobin Harshaw 記者による2019-5-24記事「UN Fires a Shot at America’s ‘Unsinkable Aircraft Carrier’」。
      ディエゴガルシアはインド洋のチャゴス列島中の1島で、赤道のやや南にある。アフリカ大陸からは2000マイル離れている。
 ナポレオン戦争中の1810年、英国はこの島を占領して、東インド会社との通商路を守る拠点にした。1965年にモーリシャスは英国から独立したが、この島だけは英領として残された。
 このたび国連総会は、英国がディエゴガルシア島=チャゴス列島を一刻も早くモーリシャスに返還し、非殖民地化すべきだと決議した。決議に拘束力は無い。
 ※意外! 北のモルジヴの続きなのかと思っていたら、はるか南のモーリシャスのつながりだったのか。これは海流が赤道をまたぎ越さないことと関係があるのだろう。
 多くの国連決議同様、シンボリックな意味しかないので、英政府はまったくこれに従う意思は無い。
 モーリシャスはディエゴガルシアから1400マイル南西である。
 投票結果は賛成116、反対6だった。その6ヵ国とは、合衆国、ハンガリー、イスラエル、豪州、モルディヴ、英国。
 ※やっぱりモルジブはチャゴスが自分らに帰属すべきだと思ってるわけだ。
 フランスとドイツは棄権した。
 次の英首相になるかもしれないジェレミー・コービンは5-23にツイッターで激白。――15年前、チャゴスの島民は、米軍航空基地を建設するために英政府によって立ち退かされた。今週わたしはモーリシャス政府首相と本件を話し合い、22日の国連決議を強く支持することを伝えた――と。
 英外務省が国連へ送り込んでいる手練の大使、カレン・ピアースは、このような決議は望ましからざる先例となり、国連の他の加盟国の領有権紛争を焚きつけるだろうと示唆した。
 ※悪い先例というなら1945の台湾の返還だろう。あれ以来、なんでもありになっているのが分からないのか。
 英国はディエゴガルシアのような遠隔領土を14、抱えている。ちなみに米国も、サモア、グァム、北マリアナ諸島、プエルトリコ、米領ヴァージンアイランドを領有中。
 英国の黒歴史。1965にチャゴス共和国を独立させると同時に、ディエゴガルシアなど3島に2000人いた全島民を、モーリシャスとセイシェルへ移住させてしまった。
 これについてモーリシャス首相は国連で、人道に対する罪だったと演説。
 その後、英政府は、ディエゴガルシアの唯一の産業だったココナッツ・プランテーションを、地権者の英人から買い上げて廃業せしめ、全島を米英合同の空軍基地とするための造成権を米国に与えた。基地使用権は最終的には70年に延長されている(2036年まで)。見返りに米政府は、ポラリスSLBMを英海軍に売ってやった。
 米国は2万5000マイル先のバスケットボールを視認できる、宇宙監視用のハイテク光学センサーを3箇所、有している。そのうちの一つはディエゴガルシアにあるのだ。
 モーリシャス政府は中共とのつながりを深めようとしているところ。ただの領土問題ではないのだ。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-5-29記事。
   爆発しない弾頭のヘルファイアがシリアでゲリラ相手に使われたという最初の報道は2017年前半にあった。
 スマホでそのSUVを撮影した写真がある。天井に大穴は空いているが、車体内で何かが爆発した痕跡はない。
 じつはこの発想は特に新しくはない。TOWの訓練弾を撃っているうちに、イスラエル軍と米軍は、「これ使えばSUV搭乗ゲリラを殺れるんじゃね? コラテラルダメジ 一切なしで……」と思いついたのだ。
 それが、じっさいに、非爆発弾頭のヘルファイア・ニンジャになった。
 ただし、わざわざ6枚刃の「R9X」が開発されたということは、ダミーヘッドそのものでは、狙ったゲリラがSUV内で死んでくれなかったという事例が一度以上あったことを示唆している。
 ※6枚刃の発想は、米国で合法になされている弓猟の、鳥用の、十字ブレード鏃ではないかと思う。七面鳥の首を、まったく気づかれない距離から切断してしまうビデオが、かなり昔、ユーチューブにUpされていた。それを発射していたのはボウガンだったかもしれない。類似の動画をさいきんは見かけないが、あるいは流通・使用が禁止されたか? ……と思ってネット検索したら、あるは あるは……。リボン状の長い3枚刃が風車みたいに回って鳥を切り裂く鏃、6本足のピンで小型鳥を叩き落すもの、鳩狩り専用の花弁形ワイヤー鏃、などなど……。おそるべし。ちなみに日本国内では弓矢猟は禁止のはずだ。
 米空軍と米海軍は、500ポンド投下爆弾を、威力限定型にするにはどうしたらよいかという研究をしている。
 フォカスト・リサリティ・ミュニション=殺傷範囲局限形爆弾。
 弾殻が、カーボンファイバーのコンポジット素材。そして、内部に充填されているのは、通常の27.2kg=280ポンドの高性能炸薬ではなくて、93kgの炸薬を芯に、残りはタングステンの微粒子が取り巻くという構造。
 通常の500ポンド爆弾は、13m以内なら必殺だし、40mまでも致死的な破片をバラ撒く。
 FAM爆弾は、その毀害半径を半減できるのだ。
  ※タングステンじゃ高額すぎるだろ。
 湾岸戦争後、米英軍はイラク上空を制空し続けた。それにときどきイラク軍はSAMを発射した。SAM陣地はわざわざ市街地の真ん中に据えられていた。そのSAM陣地を潰すために米空軍は、189kgの炸薬の代わりにコンクリートを充填した無炸填爆弾を特性して、レーザー誘導で投下している。
 2007年には米空軍は、炸薬を13.6kgまで減じ、残りは非爆発性の物質を充填して全重を同じくした500kgのJADAMを開発している。LCDB弾と称した。


足踏み健康器に乗り損ねると、翌日歩行し辛いほどのダメージに……。情無さス。

 Edward Lucas 記者による2019-4-27記事「Changes in technology, politics, and business are all transforming espionage」。
      スマホ時代には、外国スパイが架空の身分・職業人になりすますことが難しい。
 たとえば《建築学系の大学院生》という触れ込みでスパイをロシアに送り込むとする。ロシアの公安は、その若者の携帯電話をハッキングして調べる。
 建築学が専門なのに、スマホを使って建築系のサイトやSNSにほとんどアクセスしている痕跡がなければ、怪しさこの上なしだ。
 もちろん、誰からその人物によく電話がかかってくるのか、通話内容も含めて、調べはついてしまう。
 そればかりか、携帯電話の基地局をちょっと調べれば、そやつが過去にモスクワ市内のどこへいつ立ち寄っていたか、GPS座標履歴を頼りに、大概、把握できてしまう。
 それならば、バーナー・フォンを使えばどうか?
 これまた不自然きわまりない。今日、自分の携帯番号を敢えて短時間で次々に更新しているやつが、カタギであるわけがないので。
 トドメは買い物履歴。表向きのデザインされたキャラクター属性と、その者が過去にさかのぼってじっさいに購入しているあれやこれやのアイテムは、完全にストーリー的に一致しているだろうか? キャッシュレス手段にて支払われている過去のすべての買い物は、バレバレなのである。
 そのスパイが某地点に居た同じ時刻に、偶然か、ロシアの公務員の誰かがそこに所在していたとする。そいつはインフォーマーじゃないか。そんなことも、すぐに確かめられてしまう。このスマホ時代には。
 いままでオンラインのコンピュータゲームに興味の無さそうであった人物が、急にそれをやり出した。それは、隠語で仲間に連絡する通信の隠れ蓑として利用しているのだと疑われるのがまあ当然だろう。
 次。
 記事「This engineered wood could help keep buildings cool by reflecting heat」。
     材木内のセルロースをくっつけている糊はリグニンである。
 リグニンは熱赤外線を吸収する。
 メリーランド大の研究チームは、このたび、セルロースを熱して加圧し、強化木材を得た。天然材の8倍、強靭。
 リグニンを押し出してしまったから、もはや太陽熱は吸収しない。それのみか、表面が白色を呈し、可視光を大概反射してくれる。
 もしこれをコンクリートビルの外装壁材として張り付ければ、内部熱を外に吐き出す機能もある。
 クーラー代は4割前後も安くなる。
 ただし、価格は高すぎ、耐候性は劣り、可燃であることが、大問題だ。


既著『米中「AI」大戦』を読んでくださった方々には、今日の事態もすべて想定内でしょう。

 Joseph Trevithick 記者による2019-5-22記事「Boeing To Flight Test CH-47 With Same Monster Engines Found On Sikorsky’s New CH-53K」。
      ボーイング社は、CH-53KキングスタリオンのエンジンであるGE社製T408エンジンを、チヌークに搭載して飛ばすテストを開始したと発表。
 ボーイング、GE、そして米陸軍は、2016年からこの構想を推進してきていた。
 念のため。このテストは、CH-47Fブロック2(最新アップグレード)とは何の関係もない。それとは別な、将来のための試験だ。
 CH-47はエンジンは双発なので、T408も2基とりつけた(CH-53は三発)。
 それによってチヌークの能力がいかほど向上するかの数値を、ボ社は公表していない。ちなみにエンジン1基の軸馬力だけを比較すれば、現行のT55エンジンよりもT408のほうが2500馬力ほども強力である。
 T55とおおむね同格のT64というエンジンがGEにはあるのだが、T408は最新の設計であるために燃費がよく、馬力がそんなに大きいのにもかかわらず、T64とくらべて18%もの省エネになってしまうという。
 CH-53Kはどれほどのことができるか。
 機外に2万7000ポンド(12トン強)を吊下して、真夏の高山上空、コンバットラディアス110マイルを往復することができる。
 ※ノーティカルマイルからメトリックへ換算すれば203km。12トンというのはHIMARSが念頭なのだろう。陸自の15榴+その弾薬少々でも12トンになるだろう。那覇からは尖閣まで15榴を届けられないが、宮古・石垣からなら余裕で届けて戻って来られるわけである。
 米陸軍のCH-47Fだと機外には2万1000ポンド(9.5トン)まで吊るせる。※15榴の本体のみの重量に相当か。
 キングスタリオンのメーカーのシコルスキー社は今や、ロックマートの子会社である。
 ※1993年、クリントン政権のアスピン国防長官が《冷戦が終わった以上、軍需メーカーはとっとと大統合せよ》と促して、それは民間主導で自発的に実行された。たとえばF-15のマクダネルダクラス社はボーイングの子会社になった。英国でもすぐに反応し、ただひとつのBAEに集約させた。欧州諸国もほぼ同様にした。ところがおもしろいことに、戦前の「統制官僚」の根城である通産省が90年代に同じようなことを主唱したときに、航空宇宙関連の国内各社は(おそらく三菱を除いて)徹底的に無視し、日本でのみ、軍需メーカーの経営統合は一歩も進まなかった(資本面での協力は部分的に見られる)。会社の数が少なくなれば、それだけ「重役」のポストも減ってしまう。日本の会社の幹部たちにとって、自分が重役や社長になれることが、至って重要だった。それなくして、働くモチベーションもなくなるのだ。そこが最大級に尊重されてしまう日本の自由主義経済エコシステムのユニークさ。結果として、企業体力の劣る、国際レベルでは「中小級」の軍需企業しか、日本国内にはなくなってしまった。もし中小の分際で世界と競わんとするなら、超世界レベルの独創性か、ねじ一本に至るまでの気転の横溢が必要なのに、これら日本の中小軍需企業内では概して「お勉強バカ」が出世するから、他国の公開リポートの後追いのようなものが、それも遅すぎるタイミングで製造されるのみ。戦場情報も反映されておらず、兵隊の命を考えるならば、実戦で定評獲得済みの完成品を輸入した方がいいだろうという結論に、なってしまうのである。
 米政府がCH-47Fを調達している実勢価額は、1機あたり3000万ドルから4000万ドルである。※45億円ぐらい?
 これに比し、CH-53Kの単価は、1億2000万ドル以上に膨脹しつつある。
 チヌークにT408エンジンを搭載した「商品」が適価で将来、発売されるならば、ドイツ軍およびイスラエル軍という既存のCH-53ユーザーは、チヌークに乗り替えるかもしれない。
 次。
 Gregory Daddis and Jesse A. Faugstad 記者による2019-5-23の書評。とりあげている新刊は Ingo Trauschweizer著『 Maxwell Taylor’s Cold War: From Berlin to Vietnam』。
    かつて米陸軍参謀総長のゴードン・サリバンは、「希望はメソッドではない」と言った。
 だが新刊は主張する。あり得べき結果を達成しようとすること、あるいは避けようとすることこそ、戦略の中心課題ではないのか、と。
 アイクは、秘密作戦、心理戦、集団安保にのめりこんだ。
 大統領は、コミーとの対峙にはオプションはあまり多くないと信じていたのだ。
 アイクの考え。核を使えるときは、報復においてのみだろうと。
 ※マックスウェル・テイラーはウェストポイント卒の正当派エリート大将で、いかにもアイゼンハワーが引きたてそうな人物だった。LBJ政権までも政府の軍事政策に関与し続けたのは、三軍間の予算戦争(ほとんど内戦)に超然としていたからだ。
 テイラーは、戦術核を使った限定戦争は可能だと信じていた。
 テイラーも他のすべての米人と同じようにこう考えていた。もし米国が南ベトナムを見捨てれば、他の諸国も、共産軍の圧迫に対する抵抗を諦めてしまうだろう、と。米国の、海外最前線地域へのコミットについての国際的なクレディビリティに、米政府はいちばん高い価値を置かねばならぬ、と。
 ※中共やイランが片付き、ロシアが再度自滅したあとの世界はどうなるのか? おそらくその後の将来戦は「害獣防禦」のようなパターンが続くのではないか。ただし敵は飛び道具も長い槍も持っている。こちら側陣営の道具の「リーチと貫徹力」もますますハイレベルなものが求められるはず。その要請に応えるレーザー/素粒子兵器開発に日本企業と大学がほとんど貢献していない。
 次。
 James Temple 記者による2019-5-22記事「How scientists unraveled the mystery behind the return of a banned greenhouse gas」。
        昨年、NOAA(米国の気象庁)が『ネイチャー』誌上で公表したショッキングな事実。中共国内で悪役フロンガスの「CFC-11」がおびただしく大気中に放出されつつあると。オゾン破壊防止のために2010モントリオール議定書で国際的に禁止したのに、いつのまにか、また製造していやがったのだ。
 CFC-11は、冷却材の他に、断熱用のフォーミング(泡構造形成)剤としての用途がある。
 観測値が示すところ、CFC-11の量産は2012年以降にシナで再開された。
 放出源は、山東省と河北省。ここから全量の半数以上が出ている。
 北京に近いから中共政府が黙認しているのだろう。
 NYT報によるとCFC-11はビルの断熱材にも使われているだろうと。
 米国はすでに、CFC-11を使っているシナの8つの工場を特定していると。それはいずれも異った地域にある。
 発覚の端緒。まず2013に済州島の観測所がCFC-11ガスを探知した。
 ついで波照間島の観測所も。


海軍麾下の商船/漁船は軍艦並に扱うとの通告は、シナ大陸の商港も漁港も機雷封鎖できると確認した意味がある。ブロケイドへの準備だ。

 商船や漁船であっても、敵軍が指揮し、敵軍が命令し、敵軍が雇い上げ、敵軍が指図していれば、それは敵船/機である。
 沿岸でしか使えない小型漁船や小型ボートを海軍の補助戦力にしてはならない。しかしもしそれらが現に敵軍の補助部隊として活動しているなら、撃沈破してよし。
 以上は、もとからの米海軍の見解だ。
 このたび、それをあらためて確認したのだろう。
 つくづく東郷平八郎は人材だった。現に清国兵輸送に使われており、清国兵が船長を脅迫している状態の高陞号は、英人クルーに避難を勧告してから撃沈してしまっても問題はないのだ。それを一艦長として誰にも相談せずにその場で咄嗟に判断ができたのだから。
 1968プエブロ号は、おそらく北鮮の12海里領海を侵犯していたのだろう。その場合、とうぜん無害通航にはならず、米軍(敵国)の諜報に従事している疑いがあれば北鮮軍警は強制臨検することができ、臨検を拒否するなら銃砲撃しても構わず、公海に離脱してもホットパーシュートをかける権利があった。北鮮はそれをよく理解していたからこそ強く出たのだろう。逆に米側はそれを自覚していたからこそ、強く出られなかったのだろう。F-4の兵装問題なんて関係ない。それは問題の真の所在を匿すための強調だろう。だがもし「P-51」クラスのライトアタック機があったなら、柔軟反撃できたことは確かだ。
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 Joseph Trevithick 記者による2019-5-20記事「Turkey Says It Now Plans On Manufacturing Russia’s S-500 Air Defense System」。
     トルコのエルドアンは、ロシア設計の地対空ミサイル「S-500」をロシアと共同生産するつもりであると発表した。
 S-500はまだ未完成のシステムである。エルドアンは2019-3に、そのプログラムにトルコが協力するかもしれないと示唆していた。
 生産するだけで、自国部隊用には買わない、ということは考え難いだろう。
 S-500はS-400を補完するもので、レンジが300マイルというから世界記録レベルの長射程。10輪TEL上に2本しか載せられない。これだけでかくなってしまうと、もうS-400のリプレイスにはなり得ない。近い距離の小型空中目標に対して、資源の無駄だからである。
 ※INF破りの射程500kmオーバー級のSSMにもすぐ転用できる。というか、むしろそっちからのコンバートではないのか? 車両移動式だし。だいぶ前からこっそり準備していたんだろう。
 トルコ軍は、中距離~近距離SAMとしては、米国製のホークや、英国製のレイピアーに依存している。それらは、もう、いかにも古い。
 ではなぜペトリで代替しないか。トルコは、ペトリのラ国を要望したのだが、レイセオン社としてはトルコに技術移転する気は無い。FMSによる完成品輸入は高額すぎる。だからトルコは厭になった。
 そこでトルコは2013年に中共製のFD-2000(ペトリもどき)を輸入しようとする。しかし米国からの強い圧力により、2年後に白紙化された。
 なおトルコ国内には、欧州NATO軍のペトリ部隊が、以前から展開中である。
 エルドアンは2016から米国は敵だと看做している。2016にエルドアンを退場させようとするクーデター未遂があった。その背後には合衆国がいたとエルドアンは思っているからだ。
 ※西郷は、暗殺団をさしむけられたことで、木戸とは、殺るか殺られるかの関係に入った。西南戦争を始めたときに、木戸一人を「公敵」として名指ししなかったことが、大きな敗因である。敵陣営を一致団結させたら、講和の落とし處もなくなり、薩軍側の勝機などゼロになるのだ。自滅の戦いそれ自体が目的だったのなら、それでもよかろうが。


なぜ原則を枉げるのか? なぜ正則に基づいて制裁できないのか。それは指導者層に知的欠陥があるから。近代未満だから。

 KYLE SWENSON 記者による2019-5-20記事「The US put nuclear waste under a dome on a Pacific island. Now it’s cracking open.」。
    マーシャル諸島エニウェタク環礁は1940年代から50年代まで核実験場だった。米政府は1977から3年がかりで、その表土に堆積していた放射性デブリ7万3000立方メーターをかきあつめ、無人のルニット島のクレーター(1958-5の水爆実験で掘られた)に抛り込んだ。
 そのデブリの山は1980年、厚さ18インチのコンクリートで封をされた。外見は円盤状である。
 当初はこれは一時貯留所とされ、本格的な処理地が別に準備されるはずだったが、その計画は消えた。
 1983年にマーシャル諸島が米国から独立するとき、米国は、核デブリについてのクレームは将来にわたって受け付けないという条約をとりかわしている。
 コンクリートにはヒビが入っており、地下には特別の工事もなされていない。これから海の水位が高まれば、中味は漏出するだろう。
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 WYATT OLSON 記者による2019-5-19記事「West Loch disaster still holds its secrets 75 years after ‘second Pearl Harbor’」。
    1944-5-21に、パールハーバーで大爆発が起きた。
 爆発したのはLST。弾薬、燃料、需品が満載されていた。
 埠頭には29隻のLSTが蝟集していた。
 1隻のLSTにはクルーが120人、航空用ハイオクガソリンのドラム缶が90本、6000立方フィートの弾薬、など。
 最初の爆発は午後3時に『LST963』の船首で起きたと認定されている。同艇は迫撃砲弾を卸下している作業中であった。
 この爆発で飛び散った破片が隣接するLSTの航空燃料に引火した。LSTには上甲板がないからドラム缶は露天状態であった。
 引火と誘爆で計6隻のLSTが沈没。163名死亡。396名負傷。ただし、その他に誰もいなかったかどうか、確かには調べられずじまい。
 一件は報道統制された。ハワイは戦中は戒厳令下にあったので。
 また、事故調査報告書は1960年代まで秘密扱いだった。
 パールハーバーには『LST 480』の錆びた残骸が今も残っている。当時損壊したLSTの1隻だ。
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 Kris Osborn 記者の記事「Air Force Preps Light Attack Plane for Combat Missions in Great Power War」。
       ライトアタック機は、対ゲリラ用と考えられてきたが、空軍内部に、これをロシアや中共相手の本格戦争にも使えやという意見が爆誕。
 最前線、敵中深く進出している味方陸軍歩兵部隊は、友軍の火砲類による火力支援に加えて、航空機によるCASも欲しいからだ。
 スーパーツカノはAGM-65 マヴェリック・ミサイルを運用できる。


草むしりをしようと思う翌日の予報が雨。

 David Grossman 記者による2019-5-16記事「Report: U.S. Police Are Abusing Facial Recognition Technology」。
     ジョージタウン大学法学部の「プライバシー&テクノロジー」センターの報告。
 米国各地で州警察や郡・市警察が、顔認識AIマシーンに、いいかげんに加工したデータを読み込ませて容疑者を捜査している。
 じつはAI顔認証は、入力する顔写真がぼやけていたり、きずのある写真だと、うまくいかない。担当捜査官としては、シャープな完全写真を入力したくなる。そこで、フォトショップ類似のソフトで加工することはよくあるという。
 甚だしいのは、担当捜査官が、自分が思い浮かべた、どことなく似ている役者・有名人の顔写真をグーグルからダウンロードし、それを容疑者のリアル写真の代わりに入力することも……。
 実例。俳優のウッディ・ハレルソンの顔写真が、犯人の類似顔として、捜査マシーンに入力されたことがあった。このケースでは、ニューヨーク市警は、リアルな犯人を逮捕することができたという。
 さらに、メリーランド、ヴァジニア、フロリダ、オレゴン、アリゾナ州内の警察署では、似顔絵(コンポジット・スケッチ)そのものを、AIマシーンに読み込ませている。
 だがロサンゼルス市警等では、似顔絵によるAIサーチは大概、失敗すると結論しているのだ。
 ※断片的な二次元写真から三次元の上半身像を合成してしまう技術もあるそうだ。となると未来の警察は、二次元写真ではなく、三次元ホログラムを参照しながら、容疑者を探すことになるのか。