『大日本国防史』下巻、脱稿。

 短いものでも、通史を達成しますと、やはり感慨がありますね。
 マリタイムニューズの2010-5-28記事「SF Marina USA Dock for U.S. Navy Stiletto」。
 88フィートの『スティレット』は、M字断面の船体を有する、炭素繊維製の沿岸攻撃艇である。これ用の、ハイテク・コンクリート(強化コンクリートとスタイロフォーム)製の浮きドックができた。嵐の中でも何の問題もない。寿命は30~50年である。
 次。
 『Flight International』のLeithen Francis記者による2010-5-27記事「Fuji continues to develop fighter-launched UAV, despite test mishap」。
 富士重工が無人機を開発続行中である。
 ※防衛省のリリースだと担当メーカーがハッキリと分からないのだけれども、やはり富士重工さんなのね。この記者、偉い。
 現在までに2機が製造され、うち1機は、テスト中に失われた。
 日本国内のindustry sources によると、 It has built two so far, but lost one during testing だという。
 その1機の無人機は、F-2の翼下から発進して海に落ちてしまった。
The UAV was deployed from under the wing of an air force Mitsubishi/Lockheed Martin F-2 fighter before plunging into the sea, and was not recovered, the sources say. ※防衛省のいままでのリリースだと、F-15の翼下からということになっているのだが、これは日本の会社員がデタラメを答えたのか???
 富士重工は公式には取材拒否。
 Officials at Fuji have declined to comment.
 富士は、川崎重工よりも小さい。日本で3番目の飛行機メーカーだ。川重は輸送機に食い込んでいる。富士はしょうがないので、近年、UAVに力を入れてきた。
 富士重工は、無人ヘリコプターを3機、陸自に納入している。
It built three forward flying observation system unmanned helicopters for the Japanese army’s artillery units.
 ※トホホ……。まだたったの3機でしたかい……。米陸軍の数千機と比べて、こりゃまた何と言う格差……。韓国軍にすら負けとるわ……。
 これと同じものの民間バージョンが、RPH-2 である。これは殺虫剤をブームの先から撒くことができる。
 次。
 ストラテジーページの2010-5-30記事「Secret Numbers Are Secret No More」。
 フランスは英国よりも早く、同国保有の核弾頭数は300個より少ないと公表している。この数は、シナが保有している核弾頭数とだいたい同じではないか。
 Earlier France admitted that it had less than 300 (about the same number China is believed to possess).
 ※これは後追いの記事。オレは最初の報道を見逃してしまったらしい。
 次。
 2010-5-30記事「What Is Real (about the F-35)?」。
  米海軍は、垂直離着陸機のAV-8や、母艦機のF-18Cを1時間作戦飛行させるのに、目下、平均 $19,000 を費やしている。
 しかるにF-35では、その運用コストが63%増えそうである。
 米海軍は、F-35C(艦上型)×480 機でF-18Cを更新し、また、F-35B(垂直離着陸が可能な型)×340 機で、海兵隊の F-18と AV-8ハリアーを更新してしまう計画であった。
 が、米海軍は、F-35がおそろしいコストになるのは必至と予想し、 F-18Eの追加調達を検討しており、さらに可能性としては、ハリアー AV-8の追加調達すらあり得る情勢に。※どうりで『朝雲新聞』#2914にF-18スーパーホーネットの全面広告が打たれていたわけだ。このままだと、三菱商事に対する伊藤忠商事の大逆転勝利か!?
 米空軍は、F-16とF-15の更新のために、1763機のF-35A(陸上基地型)を買うと言っていた。だが最近では、「1500機以上」に下方修正してきた。
 たぶん、1機の単価は $130 million 以上になりそう。
 そうなると製造数の6割を買うとみられていた外国が次々に手を引く(誘導爆弾の進歩で、攻撃機の機数がそんなに必要ないことも分かっている)ので、さらに単価が上がり…… In any event, it’s likely that F-35s will end up costing about $150 million each.
 ※こりゃもうダメだ。
 次。
 APのJOHN MILLER記者による2010-5-30記事「Bases aim for new combat jets, some fear jet noise」。
 いま、 F-35の単価見積もりは $113 million apieceになっている。
  F-35の Pratt & Whitney engine はうるさいので、”the sound of freedom”と仇名されている。
 米空軍じしんの2008の計測によると、F-35は、離陸時にはF-15Cの2倍うるさく、着陸時には、4倍うるさい。
 ロックマートは2009に、そんなにうるさくないよと言っているが。Air Force officials cite an April 2009 Lockheed Martin study showing F-35s aren’t much louder than existing jets.
  米空軍は、7つの州に11の飛行基地を持っている。さしもの広い米国でも、基地周辺の住民が、騒音ゆえに空軍に敵対するという事態を、このF-35の配備は、招きかねなくなっている。一部の住民が、すでに文句を言い始めた。
 ※米国でコレだったら、日本ではどうなる?


エアバースト擲弾の照準器と .45の三点射を組み合せたら楽しかろ。

 ディフェンス.ORGの2010-5-25記事「Dueling Rifle Rounds: It’s All About the Wound Channel」。
 先月、記者はメリーランド州 Aberdeen Test Centerで、雑談の機会を得た。
  6月からアフガンに配給される新しい5.56ミリ実包は M855A1 という。これには鉛が使われていない。
 そして「ヨー効果」依存を取り除いた。 will get rid of what he called “yaw dependency.”
 現用の M855 (5.56mm) ball round は yaw dependentなのである。
 近距離では「首振り」運動は起こらず、人体をまっすぐに貫通する。
 が、飛翔距離が長くなるにつれて、タマが首振り踊りを始める。
 従来、5.56ミリ弾が、敵兵の体内の骨のどれか一つに当たれば、そのタマは人体を貫通せずに、その人間を倒す。
 いや、この説明は不正確だ。昔の大口径弾が骨を直撃した場合には、その運動エネルギーだけで人は倒れた。が、今では違う。
 人が銃撃されると倒れてしまうメカニズムはこうだ。体内に貫入した弾丸が、体内で出血を起こす。人体は、その出血を止めようとする。その防御反応の結果として、足には血が行かなくなり、人はよろめき、倒れてしまうのだ。
 ※あまりに驚けば人は腰が抜けるのと同じ機序だな。交感神経が『これは大出血と同じくらいの危機だ』と早合点するわけだ。
 この体内出血は、体幹、すなわち頭から下腹部までを縦に通った、巾6インチくらいのセンターライン部分に弾丸が命中したときに、いちばん急激に起こる。つまり、敵兵はただ一発で倒れてくれるのだ。
 別な話題。キミは指揮官で、ある室内に部下の兵隊を突入させようとしている。部下は2人いる。1人は基本教練を受けたばかりの新兵で、M-4自動小銃を手にしている。もう1人は特殊部隊員で何千発もの射撃訓練を積んでいる男だが武器は9ミリ拳銃だけ。さあ、キミはどちらを先にその室内へ突入させるのが正しいか?
 答えは、 a special operations soldier carrying only a 9mm pistol の方である。咄嗟の情況でどこにタマをブチ混んだら良いのか、カラダが覚えているような人間でないと、役に立たんのだ。「正確に当てる」ということが、弾丸の威力以上に重要なのである。
 ※この記事は肝腎な解説を避けているように見える。現用弾丸は、ヨー運動で体内の傷を大きくしていた。ヨー依存がなくなるということは、5.56ミリ弾が遠距離で敵兵の体内を貫通したときの出血が今よりさらに減るわけである。それで良いのかというアメリカ国内からの銃マニアからの批判が予想されるから、その批判者たちに対し、陸軍は、予め反論しようとして、この記者をアバディーンに招いてレクチャーをしたのだろう。すなわち、命中率こそが一番大事なんですよ、と。三十年式歩兵銃の6.5ミリ弾論争がここに蘇ったね。
 そしておそらくもうひとつの説明もあったかもしれない。たぶん新しい5.56ミリ弾は、敵兵の簡易なボディアーマーに対する貫徹力も追求していることだ。しかしその説明がされたのだとしたら、それを記事にしない理由が分からない。外国のボディアーマー会社が対策をとりにくくするためか? まさか旧海軍の91式徹甲弾みたいな秘密の帽子構造が採用されているのか?
 さらにオフレコの説明があったと思う。それは、弾丸の人体内挙動だ。空中でヨー運動が起きないことは、遠距離狙撃をする上で大いに結構なのだが、人体内ではヨー運動が起きてくれた方がよい。西ドイツ軍の5.56ミリ弾は、人体内で弾丸がヨー転動(弾尾が弾頭よりも前に行こうとする)し、真横を向いたところでクランプの溝部分から真っ二つに割れ、被套と鉛芯が細かなフラグメンツとなって人体内で飛散するという、ほとんどダムダム弾もどきの効果を追求していたのは軍事医学界では知られていた。米軍は軍用としてはこういうエグい弾丸を作らないという伝統がWWII前からある。これは米軍が世界に誇って可い価値観である。WWII以前、複数の欧州軍が、対白人用のダムダムもどき弾として、弾頭にアルミを充填して軽くし、人体内でわざとヨー転動が起こるよう狙った実包を造ったのに比べれば……。


軍用機器製造合弁事業体を欧米と組めぬ日本企業の株が安いのは当然

 ストラテジーページの2010-5-25記事「Army Finds One Million Reasons to Cheer its Pilotless Aircraft Fleet」。
  米陸軍は4-14に無人機作戦飛行時間トータル100万2731時間を達成した。
 うち 88 percentは Iraq と Afghanistanの上空。
 イラク作戦で無人偵察機を導入してから13年目である。
 いまでは米陸軍は、 1,000 機以上のUAVs を毎月 25,000 hours 飛ばしている。
 また陸軍ではUAS要員を2012には2000人以上教育する計画。10年前と比べると800倍だ。
 米陸軍の無人機の主力は、 Shadow と Extended Range Multi-Purpose aircraft(スカイウォリア)の2機種である。
 これから5年で陸軍は、この2機種のいろいろなバリエーションを300機以上調達して行く。
 すでに米陸軍の装備表に入っているものは……
 11システムの Sky Warrior(1システムは4機から成る)
 6機〔6システム?〕の Hunters
 89機〔89システム?〕の Shadows
 1,368機〔1368システム?〕の Ravens
 16システムの無人ヘリコプター(同じく4機づつで構成)
 ※これで納得したんだが、「ハンター」は試しに採用してみただけで、けっきょく高くは評価されなかったのだね。あと数年で消えるか。
 陸軍の無人機航空隊は、空軍と競争するつもりはない。
 たとえば空軍のプレデターは「戦域」向きであって、直協機にはなってくれないからだ。
 陸軍は、特定部隊の周囲のリアルタイムの映像がすぐに欲しいのだ。
 たとえば、ある建物に突入せんとするときに、その裏側から敵ゲリラが走り出さなかったか、それをすぐさま教えて欲しいのだ。
 1年以内に、米陸軍は、UAV(シャドウまたはスカイウォリア)のビデオ画像をアパッチ・ヘリの「ブロック3」のコクピットでリアルタイムでモニターできるようにする。しかも、アパッチの側で、その無人機のカメラを自在に操作できるようにする。そのさい、UAVを飛ばしている地上局とは、何のコンタクトもとらなくてよい「シームレス」接続とする。※これは「飛行機酔い」間違い無しだな。
 すでにカイオワ偵察ヘリは、1機のシャドウ無人機と連携して飛行し、カイオワのコクピット内で、シャドウからの視点の画像も確認できる。
 次。
 2010-5-28記事「British Pistols Dying Of Old Age」。
   英陸軍は、9mm Browning Hi-Power automaticピストルのことを「L9A1」と名付けている。
 1954年から、これは英陸軍の制式 sidearm である。※有名なWWII中のパラトゥルーパーの写真があるんだが、あのハイパワーは官品じゃないのか? 謎は記事の後半で解ける。
 1954以前は、 .38 Enfield revolverが制式拳銃であった。※たしか.38じゃなくてもっと特殊なインチ表記のものだ。
 このエンフィールド回転式拳銃は、今でも英陸軍内で見ることができる。ハリー王子もアフガン戦線勤務中の写真でボディアーマーにこいつを縛着しているし。※すごい。26年式拳銃が自衛隊で使われているようなもんスね。
 ハイパワーを英軍が用いた始まりは、WWII中のLRDG (Long Range Desert Groups) である。
 SAS CRW (Special Air Service Counter Revolutionary Wing)は1980年のイラン大使館の人質救出作戦で、このハイパワーを使って神業的な近接射撃戦術が可能であることを世界に示した。
  Hi-Power は今も生産されている。その工場は、米国の Browning 社と、欧州の「 Fabrique Nationale」である。
 ただし英軍では、将兵が支給されるブラウニング拳銃が、その英兵が生まれる前に製造されたものであることは普通である。
 英陸軍が小銃を「 SA80」に、分隊軽機を「 L86A2」にしたときも、拳銃を見直そうという声は上がらなかった。
 それでも1つの軍用拳銃を30年間も野外で使っていたら、それは肝腎なときに致命的なジャムを起こす危険がそろそろ出てくる。
 ※ダブルアクションでないのが残念でしたね。
 それゆえSASは、より小型な「 Sig-Sauer P226 9mm 」に切り替えた。
 Special Reconnaissance Regiment が次の拳銃に何を選ぼうとしているのかは、不明。
 次。
 CHARLIE SAVAGE 記者による2010-5-27記事「U.N. Official to Ask U.S. to End C.I.A. Drone Strikes」。
  いよいよ国連人権委員会に、「CIAは軍隊でもないのに無人機を飛ばしてパキスタン人を爆殺するのは止めろ」と要求する報告書が提出される。
 この偉い人は Philip Alstonで、裁判なしの処刑、略式即決裁判、法の支配によらない処刑に関する国連委員会の報告者である。
 ドローンによる爆殺の権限は、情報機関に付与されてはならず、軍隊に付与されるべきだ、と。
 戦争法では、由緒ある軍隊に属する兵隊たちは、敵軍を戦闘で殺傷したからといって、それを理由に罰せられない特権を有している。
 米国は、グァンタナモ収容所の非人道について批判されると、アルカイダの連中には正規戦闘員としての特権は無いと反論する。なぜなら Geneva Conventions で定められているような軍服を着用していない連中だからだ、と。だが、CIAのdrone operators も、軍服を着用していないではないか。
 オバマ政権は、グァンタナモでの軍法会議を再開させるつもりだ。カナダ人のOmar Khadrは2002のアフガンで1人の陸軍軍曹を殺した、として起訴されている。その時点でKhadr は15歳であった。


片桐氏の御蔭でよい取材ができました。

 ストラテジーページ2010-5-26記事「Too Expensive, Too Short And Too Late To Succeed」。
  GPS guided shells 、とくにMLRS改型が予期以上にすんばらしいので、米軍は他の砲兵の調達をガックシ減らす。
  155mm Excalibur 砲弾 は、それを射って当たる距離までSPが近づくまえに、敵目標が他のタマでかたづけられるので、もういらない。
 当初エクスカリバーは1発 $50,000 ということだったのに現況は $200,000 per shellで高すぎるのも買い控えの理由。
 ※おわったぜ、自走砲の時代はよ……。
 人気は、やはり GPS guided MLRS (GMLRS) rocket である。こいつはGPSだけでなく慣性誘導もしている。※そりゃ ロケットと表記したらおかしい。もうSSMだべよ。
 そもそも陸軍はやたらに Hellfire を AH-64 から射てる立場。だから、わざわざ120ミリのGPS迫撃砲弾なぞも要らんわ。※どっちも、最前線で要請してから発射がなされるまでに1時間くらいかかる。だったらヘリコプターの方がカバーエリアが広いしめんどうくさくない。
  120mm guided shell も高いんだよ。エクスカリバーほどじゃないけどね。
 それにくらべて GMLRS の素晴らしさ。1発たったの $100,000 である。しかも大射程で大パンチ力。弾頭は 89 kg だが、炸薬はその半分の重さである。※これは貴重なデータの開示だ。炸薬量は防衛装備年鑑などには絶対に載らないからな。
 しかもそれを発射するトラック HIMARS rocket launchersがまた、たったの $3 million eachである。
 最初の HIMARS は 2005から部隊配備。 GPS guided rockets は2004から。
 くらべて、 Excalibur は最大射程 37 kilometersだし、 120mm mortars は 7.5 kilometersしかない。
 155ミリの炸薬は6.6キロ。120mm mortar の炸薬は 2.2 kg である。
 参考までに。歩兵携行用の Javelin 小型対戦車ミサイル の弾頭は 4 kg である。コブラから射つTOW対戦車ミサイルの弾頭は 5.9 kg である。アパッチおよびプレデターから発射するヘルファイアは、弾頭が9 kgである。
 そして空軍の小径投下爆弾SDBは全重114キロ、炸薬が23キロである。※元記事が不明なのが残念だが、上記のいずれも貴重な基本データであります。
 次。
 AFPの 2010-5-26記事「Britain Reveals Nuclear Warhead Levels」。
 核の不拡散会議をNYでやるので、イギリスも米国につきあって、保有する核弾頭の数を開示した。
 英政府いわく、英国は今後、225発より多くの水爆弾頭は必要とはしない。しかし、160発の即応弾頭は維持するつもりである、と。
 ※つまり当分は、その2つの値の中間の弾頭数である、ということか。ともかく、こうやってシナの不透明政策に世界の批難を向けさせようというわけだ。
 次。
 APの DYLAN LOVAN 記者による2010-5-27記事「Army’s tank school leaves Fort Knox after 70 years」。
  ケンタッキー州のフォートノックス戦車学校が70年の歴史を閉じ、機甲センターは、ジョージア州のフォートベニングへ引っ越した。
 フォートノックスにある180両以上のM1戦車を含む1000両の車両はこれから1年半かけて基地を立ち去る。
 フォートノックスは、1940のドイツの西方電撃戦をみて、あわてて開設された学校である。
 しかしすでにそこは、機械化騎兵〔コンバットカー=装甲車〕の拠点ではあったし、歩兵学校でもあった。
 やたら広いこと、その中にさまざまな地形があること、そして鉄道と幹線道路が通じていることは、理想的であった。
 米陸軍の組織リストラが2005に策定された。
 「人材コマンド」と、第1師団の第3旅団3400人が、代わりにフォートノックスに移駐する。
 フォートノックスのPatton Museumは残る。モニュメンツ用のAFVも残し置かれる。
 もうひとつ重要なモノ。この基地内には米連邦政府の4600トンの金塊を保管している地下の大金庫がある。これも、引越しはしない。
 次。
 AFPの2010-5-27記事「U.S. Air Force Tests Hypersonic Cruise Missile」。
 米空軍は5-26に超音速巡航ミサイルを試射。それはマッハ6に達し、太平洋に落下した。
 この試作兵器は X-15A Waverider という。飛行時間は 200 seconds以上だった。
 スクラムジェットがこれだけ長時間、機能したことはない。これまでの記録は、NASAの X-43 の12秒であった。
 プログラム・マネジャーいわく。まあ、プロペラ機がジェット機に進化したときと同じよ。これから、タービンの時代も終わるんよ。
 とはいえ本当はもっと長く飛ばすつもりだったのだが、200秒で異常事態が発生したため飛行が終了したのだ。目下、原因探究中。
 今回、Edwards Air Force Base in Californiaから離陸した B-52 によって、太平洋海岸上空 50,000 feet でリリース。
 まず固体モーターがマッハ4.8まで加速。そこで scramjet engine に点火された。
 飛行中に Waveriderは高度 70,000 feet に達したという。
  X-51 は、発射から1時間以内に遠隔地を通常弾頭で攻撃するという “prompt global strike”に適した手段である。
 たとえば北米からイランを攻撃することを考えた場合、通常弾頭のBMだとロシアが核攻撃を受けたと早合点してしまうおそれがあるが、X-51ならそこはOKだ。
 次。
 Nathan Hodge 記者による2010-5-27記事「Inside the Air Force’s Secret PsyOps Plane」。
 心理作戦機 Commando Solo には普通、文民は乗せてもらえぬ。
 わたしは第 193rd Special Operations Wing の3機の EC-130J のひとつに乗せてもらった。この機内にはAM/FMラジオ局とUHF/VHFテレビ局があるのだ。
 こいつはボスニアで、敵の地上局の電波をジャックして国民向けに偽放送を流したり宣伝をした実績がある。
 イラク上空では、英国のBBCニュースを流すだけにした。それはイラク人から最も信頼されているからだ。
 アフガニスタンでは、アフガンのポップ・ミュージックを流している。タリバンはそれらの音楽を禁じているからだ。
 ハイチ地震のときは、プエルトリコの基地から離陸してVOAのクレオール語版放送をライブ中継してやった。
 衛生用品や食糧の配給が今どこで行なわれているかを、難民どもにラジオで知らせてやったのだ。
 もちろんハイチ難民に対しては手回し発電式のラジオ受信機もバラ撒いてあった。
 上から見ていると、新しく教えた場所にすぐ行列ができるのが分かった。
 世界のあらゆる放送電波のフォーマットや television encoding に対応が可能。アンテナもいろいろ用意してある。※セカムとパルとNTSCの違いがあるからな。走査線数も違うし。
 ただしTV放送は、いちどに1波のアナログだけに限定される。
 現状では、デジタル放送には対応不能。
 米国内の周波数との干渉を避けるため、訓練飛行は、米国東海岸から200マイル以上離れた洋上で行なう。電波送信出力は 1,000 watts まで上げられる。※1キロワットということは、僻地の電波塔レベルですね。
 ミッション・クルーは5人。筆頭責任者は Weapons Systems Officer で中尉である。
 長い水平曳航アンテナは、機体の背中から流す。
 C-130J はもちろんグラスコクピット化されている最新製造機だ。
  EC-130J crews は空中給油も受けられなくてはならない。そういう訓練もする。
 次。
 Joe Pappalardo 記者による2010-5-25記事「War Watch: 3 Names that Could Determine the Battle for Kandahar」。
  米軍とカナダ軍とアフガン政府軍警によるカンダハル攻勢が間もなく始まる。そこはアフガン南部にあり、タリバン発祥の地である。
 Arghandab River Valley は穀倉地帯で、人口が100万人もいる。カナダはそこで1950年代のダムを修築中だ。
 Sangisar 集落はカンダハル市の20マイル西にあり、 Omar師の地盤だ。オマルが1994にここで弟子共をあつめてタリバン運動をスタートしたのだ。
 カナダ軍は2006~2007の戦闘でここからタリバンを叩き出してやったのに、そのあとに引き渡したアフガン政府の役人どもが皆腐敗していたために、大混乱。いまではすっかりまたタリバンの出撃拠点と化してしまっているのである。
 Ahmed Wali Karzai はカルザイの兄弟で、カンダハルの王との異名を取るド腐れだ。軍閥、ヤクの密売組織、反政府ゲリラのすべてとつながりがある。
 次。
 2010-5-27記事「Shadows For Sweden」。
 スウェーデンは米国から RQ-7B Shadow 200 UAV units (1ユニットは、4機の無人機と、地上管制/支援機械類からなる)を $31.4 millionで購入する。
 Shadow 200 を4機取り扱う1コ小隊には、22名が必要である。
 米軍の場合、典型的な戦闘旅団は、1個のシャドウUAV小隊を擁する。
 しかしスウェーデン軍はシャドウを戦闘部隊にではなく、 peacekeeping operationsで使うつもり。
 シャドウ200は自重が 159 kg で、単価は $500,000、滞空 5.5 hours 可能である。
 飛行高度は 4,900 meters だが地上からの小火器を避けるには 3,200 meters以上で飛んだらOKだ。
 カメラ類は25.5 kg積める。
 全長 3.5 meters、翼長 4.1 meters、レンジ=作戦半径は 50 kilometers(つまり50キロメートル進出してまた戻って来られる)也。
 米陸軍は、シャドウ200からレーザーを照射させる試験を成功させた。これは、ヘルファイア×1基での武装の可能性に道を啓いた。ただしその場合、燃料を軽くしなければならず、滞空時間は3時間に限定される。
 シャドウ200の空荷重量は 84.5 kgである。最大離陸重量は159 kgで、うち燃料とセンサーは最大45.5 kgである。
 巡航時速は 148 kilometers。
 これまで116 機のRQ-7が米軍に買われたが、2010から数年をかけ、米陸軍においては RQ-7 は RQ-1C(プレデターの陸軍版のスカイウォリア、1.4トン)で更新する予定。すでに更新は始まった。
 それでも海外からの需要があるので、シャドウ200の生産は続けられる。


明日は峠下古戦場と館城址の写真取材を予定。晴れるとよいが……。

 Olivia Koski 記者による2010-5-25記事「Darpa’s Super Sniper Scopes in Shooters’ Hands by 2011」。
  この前、狙撃の世界新記録をつくった兵隊ハリソンの証言。無風で、視程がよかったんだ、と。
 DARPAは、風が吹いている状態でも、誰もがハリソンのような狙撃ができるようなスコープ・サイトを開発中。そのトータル予算は $7 million也。
 このプログラムは、「たった一発(“One Shot”)計画」という。
 3年後には、時速40マイルの風のある状態で、2000m狙撃を可能にする。
 とりあえず、1年目には、時速18マイルの横風のもと、1100m狙撃を可能にしたい。
 スコープ内臓のレーザーが、弾道コース途中の風や乱気流を読み取ってくれて、そのデータを自動的にインプット。
 Lockheed Martin も $2 million を受け取って研究に参加。
 赤外線を発射するものにはしない。敵がIRゴーグルを持っていると、こちらの狙撃手の位置がバレてしまうから。
 なにもかもが順調に行けば、最初の試作品が2011秋には完成しよう。
 小銃弾のコースを空中で変更させる、という研究もしている。
 次。
 ノヴォスチの2010-5-24記事「Russia may purchase domestic drones if Defense requirements satisfied」。
  ロシアはイスラエルからUAVを15機買ったのだが、その訓練が済んだ段階で、国産品にきりかえるかもしれぬと露国防相 Anatoly Serdyukov。
 そもそも輸入の理由は、ロシア国産品が速度、高度、そして accuracyで軍の要求を満たさなかったため。
 イスラエル機によるトレーニングは2010夏に終了見込み。
  Deputy Defense Ministerの Vladimir Popovkin いわく、ロシア政府はすでに 5 billion rubles ($160.4 million)を UAV開発に投じたもの今のところテストは失敗であると。
 ロシアの軍事専門家いわく、あと数年は外国製兵器のライセンスがいろいろと続くね。ロシアの兵器メーカーに自力で開発させるよりも予算が安くつくので。
 ロシアは装甲自動車の生産もスタートさせるが、どうもこれは先週の露伊会談でイタリアのIveco 社から提示されたものにそっくりだ。
 ロシアはイタリアのベレッタの拳銃をライセンス生産するための話し合いも続けている。他には French Mistral helicopter carriersという大物も。
 次。
 Joe Pappalardo記者の記事「Is the U.S. Prepared to Face Midget Subs?」。
   北鮮とイランがミジェット・サブを使うと厄介なので米軍は早く対策をまとめよ。
 韓国のコルベットを沈めたのは 60-foot しかない北鮮の潜水艦だった。
 それは Yeono-class または alternatively spelled “Yono” という midget submarine である。
 北鮮はもうちょっと大きな豆潜水艇も持っている。これは Sang-O 級といい、すくなくとも1隻は、攻撃が行なわれたときに、北鮮軍港の外に出て遊弋中であった。これは米韓の共同調査〔というか米国の偵察衛星の過去映像の分析だろ? あ、韓国も衛星を持っていたっけか最近は〕で、つきとめられている。こっちの方は15人が乗組む。
 攻撃海面の水深は 150 feet であった。小型潜だからこそ、この浅さで機動ができるのである。
 世界的に、150トン以下の潜水艦は midgetと呼ばれる。
 支援艦がいないと、その行動範囲はごく狭い。
 浅海面では海底の乱反射のためにソナーの効きが悪く、ミジェットは隠れ潜み易い。
 イランもミジェットを運用している。北鮮からミジェット潜を何隻か買ったあと、国産中。※これは想像記事か?
 サルベージの結果、韓国が CHT-02D と命名している北鮮製魚雷が発見された。
 弾頭は 250 kilograms。韓国によると、コルヴェットはソナーを使っていたが、敵潜を探知できなかった。※これは大問題だよね。海自は低周波ソナーの開発予算を少し増やしてもらえるでしょう。それとも、ヘリのディッピングソナーで既に対処可能?
 冷戦後、米海軍はASW訓練を減らしてしまっている。
 冷戦中にソ連潜が通りそうなところには海底ソナーを米国はたくさん仕掛けたが、冷戦後のあらたな紛争予想海域には設置をしていない。これも問題。
 韓国はSOSUSを設置する気になったらしい。 but South Korean officials now say a permanent snooping system will be installed.
 ※それより無人潜航機でブンカーの前に対潜用の沈底機雷を撒いて封じ込めるのが筋じゃないの?
 米国は、浅海面で緊急に展開できるSOSUSの代用物をもっている。これは Advanced Deployable System (ADS)という。
 これは使い捨てできるシステムで、パッシブのアレイ・ソナーで、電池駆動である。ケーブルは、光ファイバー。
 ※『Make』という雑誌の古い記事に、スウェーデンの民間人が、100mまで潜れる潜航艇を過去に複数建造して運航していることが書いてある。個人でも造れるのだ。台湾政府にやる気があるなら、このレベルの国産潜水艇をとっくに造れたはずである。その程度の努力もしていない理由をよく考えてみよう。
 次。
  David A. Fulghum 記者による2010-5-25記事「Okinawa Decision Has Missile Defense Element」。
  シナは Su-27MKK から、高速で長射程の巡航ミサイルを日本に対して発射できる。
 沖縄の米空軍の first wing の装備機は、 F-15Cで、そのレーダーは、AESAの古いモデルである(an older model of active electronically scanned array)。
 AESAは、それまで50マイルであった水平・垂直走査距離を 150 milesにも拡大してくれた。そして、戦闘機が、敵の巡航ミサイルのような小さな目標をも探知し、かつ、それに対してAIM-120C-6 やAIM-120D といったアムラーム(Advanced Medium-Range Air-to-Air Missile) を発射して撃墜することを可能にした。
 F-15でシナ製巡航ミサイルを迎撃する訓練は、アラスカで行なわれている。
 AVIATION WEEK の国防省取材によると、米軍は、 AESA装備の戦闘機をもっとたくさん沖縄に配備して行く方針である。
 しかもまた、そのF-15は、シナからの通常弾頭の弾道弾も、迎撃できるようになる。
 レイセオン社は、アムラームの筒体を延長して直撃型のABMに改造した network-centric airborne defense element (NCADE) というミサイルをF-15から空中発射させて敵のBMを迎撃させるという実験を、米国州兵空軍にさせるべく準備中。
 4月、米国州兵空軍は、これに必要な F-15C の改造を、始めた。
 米本土 homeland の防衛のためだけでなく、in-theater にも新能力を活用したい。※つまりとりあえず沖縄か。余談ですがず~っと前に空自の人から聞いた話。シナ軍から見れば、まず下地島を占領してしまいたいはずだと。それに対する自衛隊の備えが宮古島のレーダーサイト部隊にあるかというと、無い。だから、先島群島に強力な陸自を展開するか、沖縄本島の海兵隊におすがりするか、防衛大臣と総理大臣は、米国から択一を迫られたんじゃないか?
 米空軍の F-22 は、すでにAPG-82(V)4 radars を搭載している。これと同じものを、米空軍の220機の F-15Eに積ませる。
 米国州兵空軍の F-15は、 APG-63(V)3 radarである。
 次。
 Noah Shachtman 記者による2010-5-24記事「‘Joint Strike Fighter’ Really 3 Different Jets, Pentagon Says」。
 JSFの3機種は、その8割の部品は共通にする、とロックマートは請合っていたのだ。だが、もう国防総省はそれを信じていない。
 なんと25%しか共通部品はないことが判明。
 ※つまり3つの新型戦闘機を同時に開発しているようなものなのか。まさに巨大軍需メーカーによる国家規模の詐欺ではないか。ゲイツの頭も痛いはずだよ。
 そして1機の値段が $112 millionになりそうである。
 また、2,443機の値段が $323 or so billion になるかもしれぬ。
 4月、国防総省は議会に説明した。トータルで $388 billion になり得ると。
 値段高騰の主な理由は、共通部品が減ったからだと。
 ※終わったね。F-35。オランダは手を引きそうだし、米海軍も、F-18を2020年代まで延命させる肚をもう括ったみたい。


別宮先生、ありがとうございました。

 『ガーディアン』紙の2010-5-24の新刊紹介記事。
 「how Israel offered to sell South Africa nuclear weapons」「Secret apartheid-era papers give first official evidence of Israeli nuclear weapons」
 イスラエルが核兵器をもっているという最初の公式書類がついに出た。
 アパルトヘイト時代の南アに対して核兵器を売りましょうという申し出が……。
 P・W・ボタは当時、国防相。1975-3-31に会談した。
 ボタはシモン・ペレス国防相にジェリコSSMを売ってくれと求め、ペレスはそれに対して、「three sizes」という符牒を使い、ジェリコ・ミサイルには核・化学・生物兵器弾頭が搭載できることを請合った。
 関係文書は、米人で、両国関係の研究者である Sasha Polakow-Suransky 氏(男性)が発見し、今週発売の同氏の著書『The Unspoken Alliance: Israel’s secret alliance with apartheid South Africa』中に、今の南ア政府がトップシークレットから解除した文書の写真を掲載している。
 アパルトヘイト後の南ア政権が、この研究者からの文書開示要求に応えた。イスラエルは、その開示を阻止しようとした。
 今週NYで開かれる核不拡散の討議に影響があるだろう。
 当時の南アフリカ軍は、周辺国を核ミサイルで攻撃できる態勢をとることで、隣国からの攻撃を抑止したかったようだ。
 その日の会談でイスラエルの役人は公式に、ジェリコSSM(核攻撃専用のミサイルとしてイスラエル国内でストック中)の売却を申し出た。
 その場にいた、 Lieutenant General RF Armstrongが同日中に「トップシークレット」のメモをつくった。そこに、ジェリコを買っても核弾頭が装着できないなら無意味だ、とあり。この文書は前から公開されていたが、それを同日のペレスとの会談に結び付けて考えた者はいなかったのだ。
 またアームストロング中将は書いている。ジェリコを買うのは、前提として核弾頭が装着されるからメリットがあるのである。その核弾頭は、 RSA (Republic of South Africa) が国産する場合と、他国〔イスラエル〕から調達する場合とが考えられる、と。
 ※濃縮ウランが豊富であった南アは1972から広島型の核実験をプリンスエドワード島でやり始め、74年にはほぼ完成したらしい。十回以上の実験をしたが、それが世界に隠せなくなったのは79年9月の実験であった。このように南アは核爆弾を6発前後も手にしながら、それを白人政権末期にアメリカの圧力で完全に放棄し、今の黒人政権は非核である。高濃縮ウランをきょくたんに無駄使いしてしまう広島型までの技術しか開発しなかったために、このような非核化が可能になったとも想像できる。おそらく南ア国産の弾頭は、ジェリコには大きすぎて載せ難かったであろう。
 オファーがなされた2者会談から2ヵ月後の6月4日、ペレスとボタはチューリッヒで会い、以後、売買を相談するジェリコのことを、人に聞かれてもまずくないように、シャレー(Chalet=アルプスの羊飼いの山小屋)と呼び換えることに決めた。
 また、そこに搭載する核弾頭のことは「 correct payload 」と呼んだらしい。※イスラエルは核武装を公式に明かさない立場のため、ふだんから要人は、「核弾頭」という単語は夢にも口に出さぬように、言い換えの慣習を積んでいるのだろう。したがって外国のスパイにもし電話や会話を盗聴録音されても、それは決定的証拠にならないわけである。
 ペレスはチューリッヒで、「correct payload」は available だとボタに言った。ボタはペレスにアドバイスを求めた。
 ボタはコストを考えてこのプロジェクトを放棄した。
 南アの Dieter Gerhardt 海軍大佐はソ連のスパイとなっていたのがバレて 1983に刑務所入り。 黒人政権下で出獄し、次のように説明した。
 シャレー計画には、8基の核弾頭付きジェリコをイスラエルが南アに提供するという話もあったのさ、と。
 イスラエルの核兵器製造については1986にMordechai Vanunu 氏が『Sunday Times』にバラした、 Dimona nuclear site 内部の写真と記述がある。
 次。
 ストラテジーページの2010-5-24記事「Panzer Ost」。
  ドイツ軍はアフガン内での ROE (Rules of Engagement) を変更し、その後、AFVを大量に送り込んだ。
  155mm 自走砲のPanzerhaubitze 2000など。
 また 15両の Marder IFVs も追送され、総計25両となる。
 他の装甲車となるともう無数。 Fuchs やら、200両の Dingo (装甲ハマーの類似品)など。
 ながいあいだ、 4,500人のドイツ兵は、こちらから戦闘を求めることが許されてこなかった。つまり自衛行動のみ。
 しかし2009前半に5人の兵隊が殺されたことで流れが変わった。2008には3人だったのに。
 それでROEが変更され、先に発砲できることになった。
 2008には 245人の German soldiersが現地で PTSD になったと認定された。 過去4年で7万人のドイツ兵がアフガン戦線を体験している。
 いまや彼らは peacekeeping missionを完遂するためなら、また彼らの部隊を安全にするためなら、どんな攻撃でもせよと許可されている。
 こうして大装甲化軍団が東へ、向かうことになったのだ。
 次。
 AFPの2010-5-24記事「First U.S. Patriot Missile Battery In Poland」。
 23日に米陸軍のパトリオット大隊がはじめてポーランドに到着。
 場所は、ポーランド陸軍の第16機械化大隊の駐屯地で、同国の北東。インフラが整っている。マズール湖地帯で、40マイル先はロシアのカリニングラードだが。
 150名弱の米兵が、そこでポーランド兵を教育する。
 次。
 GARY SCHAUB Jr. と JAMES FORSYTH Jr.がNYTに寄稿した2010-5-21記事「An Arsenal We Can All Live With」。
  われら両名は米空軍で働く文民だが、このたび独自に研究し、アメリカはICBMと戦略爆撃機とSLBM用に水爆弾頭が総計311発あればもう十分だと、見積もった。〔戦術爆弾はどうするのか不明。〕
 この311発は、“hardened targets”用である。すなわち敵のミサイル・サイロと、 command-and-control bunkersを破壊するものだ。
 理想的には、うち100発は、 Minuteman III の単弾頭とする。そのICBMを全米に散開して展開する。
 また、オハイオ級のSSBNには、単弾頭化した24基の Trident D-5 missilesを載せる。同SSBNはいま14隻あるが、これを12隻にしてもいいだろう。そのうち常時遊弋させるのは8隻とする。すなわち、海からは常時192発が即応可能とすればよかろう。
 そして、B-2重爆には、それぞれ、たった1発の空中発射巡航ミサイルを搭載する。※阿呆ちゃうか、こいつら。
 B-2はぜんぶで20機あるが、整備のローテーションがあるので、常時即応は19機だ。かくして、100+192+19=311 である。
 現有の核攻撃用の B-52H bombers は、すべて通常爆撃専用に改造する。
 Gary Schaub Jr. は空軍大学校の戦略学の助教授。 James Forsyth Jr. は、School of Advanced Air and Space Studies の戦略学の教授。もうひとり教授。
 次。
 WILLIAM J. BROAD  記者による2010-5-21記事「Surveillance Suspected as Spacecraft’s Main Role」。
  先月フロリダからうちあげられてからずっと周回を続けている、スペースシャトルの後継となる無人機 X-37B を、アマチュアのスペースウォッチャーがとらえた。
 こいつはカリフォルニアに着陸するまでに最長9ヶ月も、軌道上にあると見られている。
 こいつは4日ごとに同じ地点の上を通り過ぎている。これは米国の偵察衛星のよくあるパターン。新偵察衛星のための器材を試験していることは明瞭だ。
 民間チームは、北緯40度より南で6回、この機体を観測した。※つまり軌道傾斜角を緩めにして、高緯度のロシアではモニターし辛くしているのか。
 観測によると X-37B は高度 255 miles で、地球を90分で一周している。これはスペースシャトルと同じ。
  X-37B は翼長が 14 feet 以上、機体は長さ 29 feet で、だいたいシャトルの四分の一である。
 荷物室のドアはピックアップトラックの荷台並。
 シャトルと違っているのは、軌道上でソーラーパネルを展開すること。だから9ヶ月も宇宙に留まれる。
 打ち上げは4-22、打ち上げ機は Atlas 5 rocket 、場所は Cape Canaveral Air Force Station in Florida からで、投入された機体重量は 5.5-ton である。
 Jonathan McDowell氏はそのインターネット上の書き込みで、この打ち上げではもうひとつ、太陽を回る軌道に一つの秘密の衛星が投入された、と疑っている。
 次。
 Nicole Dyer 記者による2010-5-24記事「 Invention Awards: A Video Gun Sight That Keeps Soldiers Out of Danger」。
 新製品 SmartSight は gun-cam system である。
 物蔭から、歩兵が、銃を持った手だけを突き出して、頭と胴体は完全に伏せたまま、小銃の照準をつけることが可能になった。
 もちろん、ドアの中や、コーナーの向こう側も、こちらの身体を遮蔽したままで、射てる。
 開発には10年かかった。
 ビデオカメラはワイヤレス。 M4 or .308 SOCOM carbineの銃身の下、銃口付近にとりつけられる。
 歩兵はヴェストに 受信用computerを装着。防弾ゴーグルに拇指頭大のヘッドアップディスプレイ。画像には遅れがまったくなく、あたかも右目でスコープを覘いているのと感覚が違わない。
 開発者のHagertは、航空機用の機関砲の試験装置をヒューズ社内で担当しているうちに、開発を思いつき、独立した。
 来年、特殊部隊用に試供品をつくる。
 カメラの重さは1.5-pound で、30 frames per secondである。


月末が……。

 ストラテジーページの 2010-5-23記事「Getting The Most Out Of Raven」。
  欧州は飛行機にとっては天候にめぐまれた土地ではないが(晴れた日は米国訓練空域の三分の一しかない)、イラクとアフガンでUAV操作員を多量に必要とする米陸軍は、欧州にその訓練拠点を設けて対応する。
 特に下級指揮官たちに、小型のUAVである Raven (これは小隊長と中隊長をたすける空の目である) になじんでもらいたい。
 米陸軍の RQ-11 Raven UAVs の配備は数千機に達している。
 重さはたったの 2 kilogram で、非戦闘部隊も、宿営地や車列行路の監視の目的のために多用している。
 さいきんは “fail safe” 機能が加えられた。操縦者からの電波が途絶えたときは、ただちに、自動で離陸地点まで舞い戻るようにプログラムしたのだ。
 また、墜落してしまったときには、自動で location beacon 信号を送出する。地上部隊は、それを手掛かりに、墜落機体を探して回収できる。
 また、デジタル・データリンクの進歩により、同時に16機を同一空域で飛ばせられるようになった。これまでは4機だったのだが。
 レイヴンの新型が2種類出た。一つはやや大型 (6~10 pounds) でもう一つはやや小型だ。
 大型版はペイロードと滞空時間が増えた。小型版は持ち運びやすい。
 Raven はすでに 4,000 機以上製造された。
 米空軍と海兵隊も採用しているし、SOCOM (Special Operations Command) も多用している。
 外国ユーザーとしては、 Italy, Australia and Denmarkその他。
 現用モデルは Raven B (RQ-11A)といい、3年前に登場した。単価は$35,000 と安い。滞空時間は 80 minutes である。
 電池駆動で静か。
 センサーは、昼間用のカラービデオ×1、もしくは、夜間用の赤外線カラー・カメラ×2である。
 どちらもリアルタイムで信号をオペレーターに送ってくる。
 コントローラーは手持ち式である。
 ディスプレイには太陽光を遮蔽するシールドがついている。
 飛行時速は 90 kilometers まで出せるがふつうは40km台。
 最大 15 kilometers 先を偵察してくれる。
 たいていはプリプログラムのコースを飛んで戻る。もちろんGPS使用。
 機体の素材は Kevlarである。
 200回着陸するまで、各部が壊れることもない。
 基本システムは、3機のレイヴンとスペアパーツとコントローラーが1セットで、そのお値段は $240,000である。
 機体は簡単に分解して兵隊が担いで行ける。
 オペレーターは、モーターを指導させてから、手で投げる。
 これは走っている車両からでも可能である。
 着陸は、低空に来てからモーターをカットして、なされる。
 夜間、こいつを使うと、敵からは見えないし、聴こえることもない。
 その一点を中心に旋回し続けろ、というコマンドを、簡単に送ることもできる。
 Raven は 2006から使われてきた。
 この上のクラスのUAVは「 Shadow 200 」であり、その上のクラスは「 Predator」である。
 次。
 2010-5-23記事「China And The Illegal Conversion That Does Not Exist」。
  シナ軍が旅客機として買ったボーイング737を勝手に違法改造してAWACSにしていることが判明。
 1年以上前から噂があったが、とうとうブログに写真が出た。
 軍用機への改造はしないというのが輸出時の契約だ。
  54 トンのプロペラ機 Y8 (ロシアの An-12)や Y-7や、157 トンの Il-76 jet やらでは、信頼性がなく整備コストも高いと判断したのだ。
 Boeing 737-800 は79トンである。シナの民航会社(それは空軍の指揮下にある)は737-800 を 1999に採用している。それは市場デビューの翌年であった。
  21トンの双発 Y-7 輸送機にフェイズドアレイレーダーを積んだものもある。
 類似でもっと大きい KJ200 AWACSもある。
  Y-7 は Russian An-24 のコピーだ。
  Y-7 AWACS は米海軍の 23 トンの E-2 艦上機に類似する。おそらく空母に積むつもりなのだ。
 4年前、IL-76 AWACS (ロシアからA-50を買い、レーダーだけ Chinese KJ2000 にしたもの)はダメだと認定。
 それで、国産の Y8 を KJ200 に改造した。
 おそらく Boeing 737-800 改造の AWACS は3機あるだろう。
  KJ200 は2年前から配備された。
 そして単価 $145 million で輸出している。フェイズドアレイは国産だ。
 flight crew ×5と、mission (AWACS) crew ×12人くらいが乗るであろう。
 滞空7時間可能か。
 radar の range は 300 kilometersか。
  737 の軍用機型は西側にもある。そのひとつが米海軍の P-8Aである。
 次。
 2010-5-23記事「A Decade Of Massive Evolution」。
   ベトナム戦争とくらべても、イラクでの米兵の戦死の確率は1/3でしかなく、アフガンではもっと低いのだが、報道のせいで非常にたくさん殺されているという印象がある。
 2003年以降、M1戦車は、勝負すべき敵戦車を見失ってしまった。
 M1戦車はRPGを何発くらっても平気である。しかし他のAFVはそうではない。
 5年前から、米陸軍は、M1戦車の TUSK (Tank Urban Survival Kit) programを推進している。
 米戦車は自動装填ではない代わりに、装填手(loader)がターレット上の12.7ミリ機関銃を操作することになっている。その銃塔に、防弾ガラスで広い視野を確保できる防盾をとりつけた。これは市街戦のために重宝である。
 装填手用銃塔には、いまでは、熱赤外線サイトもとりつけられている。
 また、主砲の120ミリ砲身の上にも、12.7ミリ重機関銃をマウントした。※つまりイスラエルの真似か!
 この重機関銃は、砲手または車長が、主砲用のFCS(火器管制装置)をつかって発射できるのである。
 他のTUSK 装備としては、サイドとリアにリアクティヴ装甲をとりつけたこと。
 底面に 1.5 ton の増加装甲。これは2時間の作業で着脱できる。
 車体の横に電話機もつけた。戦車がすべてのハッチを閉じている buttoned up の状態でも、歩兵が車内と会話できるようにだ。※WWII中に戻ったみたいだな。
 これらの TUSK kit を全部とりつけるのには12時間と  a million dollarsが必要である。
 最近、TUSK にまたアイテムが追加された。
 ひとつはドライバー用の後方監視カメラ。
 もうひとつは CROWS といい、車長が熱赤外線画像をみながら12.7ミリ機関銃を車内からリモコンで操作できるものである。
  TUSK 用に開発中のitems としては、敵狙撃手を探知するシステム、特殊な乗員用 body armor (これは車内では着ている必要はなく、何かの非常事態でクルーが車外へ飛び出さねばならぬときに、瞬時に着用ができる鎧である)。
 戦車兵用のあたらしい戦闘服も開発中。耐火服とする。
 それから、有線のコネクターが〔おそらくIEDの衝撃で〕外れることがあるので、車内無線で乗員同士が会話できるようにする。
  TUSK は3年前からイラクに届けられ始めた。
 次。
 Vago Muradian 記者による2010-5-23記事、海兵隊のGen. James Mattisへのインタビュー。マティス将軍は、 U.S. Joint Forces Command の司令官である。
 35年軍隊にいて分かったことは、どんなに事前に情報を読んでも敵は理解できない。戦闘中に、はじめて理解ができるのだ。
 つまり、キミがそいつとまだ戦闘をしていないのなら、キミはまだ敵を理解してはいない。
 戦闘を開始すると、敵のリズムが分かるんだ。そうなったら、そのリズムを崩してやる方法も工夫できるってこった。
 イスラム教徒の住民は今、米軍の敵を、彼らにとってもやはり敵だと思うようになった。これは住民が米軍を愛しているからではない。住民は、米軍は良い奴であり、ゲリラは悪い奴だと悟ったのだ。
 未来の戦争の指揮で重要なのは、通信テクノロジーではない。あくまで、指揮官だ。
 ネルソンはトラファルガー海戦で、旗旒信号くらいしか命令伝達手段はなかった。しかしそれで大勝し、ナポレオンによる世界史のコースを変えた。
 その英海軍が、WWIのユトランド海戦ではしくじった。通信手段が発達していたので、命令系統のより高いレベルから現場の海戦を指揮しようとしたからだ。
 1945以降、米軍の戦死傷者の85%は、敵の歩兵部隊によって生じている。
 飛行機や船の操縦は、シミュレーターで学べよう。しかし、近接戦闘での戦術的かつ倫理的な意思決定は、シミュレーターを通じては学びにくい。
 しつもん。海兵隊は今後も必要ですか?
Q. Do we still need four services?
 こたえ。必要だよ。
 アフガンでは、この戦争を見ている世界中の人たちの内心を、米軍は、納得させなければならない。それが information warfare ということなのだ。
 われわれは、イラクやアフガンにおいて、われわれの価値観に恥じない行動をしており、戦闘に勝ち続けており、無辜住民をちゃんと守っている、とね。
 米国はいま、10個の「 combatant commands」を擁している。
 その指揮下に120万人の米兵が置かれている。
 次。
 WILLIAM MATTHEWS 記者による2010-5-23記事「An Extra Surge for Ships  USN May Look to Flywheels To Power Electric Weapons, More」。
  艦船で、レーザー砲やレールガンや electromagnetic catapultを使うとなると、瞬時に大電力が必要。それに応ずるには、フライホイールがよい。
 重さ 2,800-pound の中空筒で、素材は炭素繊維とガラス繊維。それが真空の磁界の中で浮いており、1分間に 16,000 回転している。
 電力が必要になったら、発電装置につながれ、瞬時にその運動エネルギーを電気エネルギーに転換する。
 さいきんでは flywheel といわずに rotor と呼ぶそうである。
 高さ 5 feet で、 3 feet wide and hollow.
 それが高さ7-footの円筒ケース(内部は真空)におさめられている。磁力で浮揚していて、機械摩擦は無い。
 外縁の回転速度は音速の2倍だ。 1,500 miles per hourである。
 このたびマサチューセッツ州の Beacon Power社は、軍艦用のフライホイールを $3 million で開発する契約を海軍からとりつけた。
 このフライホイールを回すエネルギーをカットしても、停止するまでに数日もかかる。
 キャパシティは、 25-kilowatt-hour である。
 数秒から15分以内の大電力供給に適した装置だ。
 20年間、メンテナンスフリー。
 寒暑の環境を問わない。
 酸化鉛の蓄電池と違って、有毒の物質も使わない。
 キャパシター(コンデンサー)だと数秒の出力だが、フライホイールは数分にわたって大電力を放出できるのだ。
 艦載するばあいの問題は、ジャイロ安定効果があるために、据付け方をよく考えないと、それが、艦の機敏な操舵を妨害する可能性があること。
 しかしキール上にすえつけることで、ローリングを緩和してくれる。
 こうした船との相性は、これから研究せねばならない。
 電話会社はフライホイールをすでに携帯無線塔のバックアップ電源として採用している。


また月末が近づいてきたな……。

 AFPの LYNNE O’DONNELL 記者による2010-5-22記事「British Defense Minister Calls For Troop Withdrawal From Afghanistan」。
  今月成立した英国のあたらしい連合政権が要人数名をカブールに派遣し、英軍はできるだけ早くアフガンから撤退したいとカルザイに伝えた。
 また彼らはデイビッド・ベッカム選手を同行して英軍駐屯地を慰問もした。ベッカム選手はこの週末をそのキャンプで過ごす。
 アフガンには1万人前後の英軍が駐留。英軍の駐留開始は9年前である。
 訪問前のタイムズ紙のインタビューでも、撤退の加速を強調。もはや英国の努力の限界であると。
 英国は「全世界の警官」ではない。13世紀段階のアフガニスタンの教育改革のために軍隊を駐留させることはない。
 アフガン政府軍の訓練を巻き上げ、英軍は2014以前にも撤退したい。
 タリバン政権を追放した2001年後半いらいの英軍人のアフガンでの死者は、21日の戦闘で286人に増えた。同期間の米軍の戦死は1081名、英米+NATO等計で1778人である。
 米軍を含めたNATOはアフガンに13万人を駐留させており、8月のその数は15万となってピークに達する。 Helmand の8000人の英軍は米軍の指揮下に入る。8月にはラマダンが始まる。
 英国の新連立政権は国防費を最低25%カットすると言っている。
 次。
 JOHN REED 記者による2010-5-21記事「Dutch Lawmakers Vote To Pull Out of F-35 Tests」。
  5月20日にオランダ国会が、F-35 Joint Strike Fighter の test program(評価試験)からは手を引き、その初期調達数も予定の85機よりもカットすると決めた。
 尤も、6-9の総選挙後の新政権がまた見直すかもしれない。
 ※別なニュースではオランダはそのF-16のFCSを換装する。F-16に2020まで頼り続ける気満々だ。
 次。
 ストラテジーページ2010-5-22記事「Amphibians For Vietnam」。
  ベトナム政府はカナダから DC-6 400 Twin Otter 飛行艇(水上機?)を1機輸入した。
 5.6 tonの双発プロペラ機。水上から運用できる。
 翼長さ 21 meter、全長 16.8 meters、乗客 20 人。ただしベトナム政府はこの飛行機にレーダーを取り付けて海岸線を見張らせるつもり。その場合、滞空時間は6時間である。
 次。
 PLA Dailyの2010-5-20記事に基づく記事「Beidou satellite navigation system to cover whole world in 2020」。
   シナ製ナヴィ衛星の北斗は2020までに全地球をカバーするつもり。
 北斗は2000までの第一段階で静止軌道に数機を打ち上げていろいろな慣熟と教育に使った。
 2012までの第二段階では、シナとその周辺に航法情報を提供。
 2020までには、静止軌道に5機+周回軌道に30機を回す。これで地球全体をカバー。
 2010-1-17に3機目の北斗が長征3Cで軌道投入された。※たしか6月にももう1機上がる予定ではなかったか?
 ※『BAN』の川添恵子氏の記事によると、シナ移民に寛容だったカナダすらそろそろブチキレ寸前の様子だ。リッチモンドでは住民の半分がシナ系となり、ダンナはシナ本国で出稼ぎして母子だけカナダに置き、カナダには税金を納めずに福利厚生だけ頂戴しようという輩が増えたと。また『朝雲』新聞に鳥居民先生が寄稿なさっていたが、シナは人口あたりの警察+公安の人数比で、とっくに世界のチャンピオンになっている。軍隊の定員を減らしてひたすら警察に回し続けているらしい。意味するところは、〈暴動恐怖〉だ。人民解放軍は「ミニ戦争」をしたくてたまらない状態なのだろう。そうなると、韓国艇を沈めたのも、じつは中共軍だったりしてな……。いよいよシナ軍の「関東軍」化が始まりつつあるのか?
 次。
 「RAND’s Latest Assessment of China’s Air Forces Modernization」。
  ランド研究所の公聴会。
 単一の「シナ空軍」というものは存在せぬ。複数の空軍が存在している。
 海上航空も空軍だし、BM部隊も空軍だし、地対空ミサイルも空軍の所轄なのだ。
 シナ空軍はいま 1,600 機くらいだが、いまだにその 2/3 は MiG-19 と ミグ21である。
 次。
 APのMichael Hill 記者による2010-5-21記事「Though blinded, soldiers continue to serve」。
 イラクで自動車爆弾によって失明してしまった30歳の陸軍歩兵大尉の Scott Smiley は、今ではスキーもするし登山もするしデューク大学でMBAもとった。彼は2003のウェストポイント卒である。
 イラクやアフガンで全盲または半盲となり、それでもなお陸軍に残っている軍人が、彼の他にも4人いるという。
 スマイリーはいま、ウェストポイント内にある、長期療養中の兵隊たちからなる「Warrior Transition Unit」の指揮官である。
 eメールや書籍やパンフレットは、音声化ソフトウェアによって、彼は閲読することができる。
 よって、点字化されていなくとも、命令書に署名する前に、その内容を承知できるわけである。
 スマイリーは2005-4-6にモスール市内のパトロール中、爆弾でやられた。それはイラクに配備されてから6ヶ月目であった。
 スマイリーは、ストライカー装甲車の最前部ハッチの座席におさまっていた。
 すると、自動車爆弾に使われそうなオペルがやってきた。荷室にかなりの過重がかかっているように見えた。
 スマイリーが地面に警告射をするとその運転手は両手を上げた。そしてオペルは火球と化した。
 破片がスマイリーの左眼を引き裂いて前頭葉に食い込んだ。もう一つの、鉛筆の芯くらいの破片が右眼に貫入した。
 意識を失った彼は治療を受けて命は助かったが、全盲となった上に右半身麻痺。
 しかし、映画の『フォレストガンプ』の中でベトナムで両足を失った Lt. Dan (ダン中尉。演じたのは Gary Sinise)のキャラクターには同意しない。死を願うのではなく、軍にとどまれ。まだ祖国に捧げるべきものが残っているからだ。
 2006にイラクで迫撃砲にやられて視力を失った Ivan Castro 大尉はノースカロライナ州の Fort Bragg の「Special Operations Recruiting Battalion」で働いている。マラソンにも出場している。
 次。
 「Black Fox: Thermal Stealth Suite for Combat Vehicles」という記事。
  イスラエルの企業が、AFVからの赤外線輻射を敵のセンサーに対して遮蔽してしまう板を開発した。
 2006から開発してきた。
 すっかり遮蔽した場合は、敵の暗視センサーのイメージ上は、その板で覆われた部分が真っ黒になり、逆に目を惹いてしまう。
 そこで、このハイテク擬装板は、周辺のバックグラウンド赤外線輻射に、その板の輻射熱を整合させて、背景に溶け込ませるのである。
 またこの板に特定の約束サインを輻射させることによって、IFF(interrogator friend/foe)代わりにできる。つまり味方射ちを予防できるのである。
 さらにまた、多数のパネルを統制的に制御することにより、赤外線イメージ上で、まったく別な車両に「変装」することも可能になる。たとえばM1戦車を敵のロシア製の戦車にみせかけたり、トラックや民間車両に化けさせることができるのである。
 また、背景IRイメージを「コピー&ペースト」することもできる。※忍者の「隠れ蓑」か。これをコロンビア製の半没潜航艇のシュノーケルに張られると、たいへんだね。
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 「The Army’s First Combat Robot – Operational by 2015」という記事。
   Armed Robotic Vehicle-Assault (Light) (ARV-A-L) という6×6の無人戦闘車プラットフォーム。別名 XM1219 。
 ジェネラル・ダイナミクスのロボット部門が完成一歩手前まで漕ぎ付けている。2015にはこの無人戦闘車を実戦配備するぜ。
 軍で考えている用法は、ヘリコプターでこれをスリングして運び、敵の近くで地面に降ろして、そこからは自走させる。自重2.5トン。
 味方の歩兵を支援し、敵の戦車や歩兵と交戦してくれる。
 これも FCS 計画の一環であった。
 6つのタイヤの中にそれぞれモーターがある、電動車である。
 最前の2輪がすこし浮き上がった状態で前進するので、タイヤながら1mの段差も乗り越えられる。


M・デイヴィスの電子楽器使用ににも反対した『SJ』誌休刊は仕方がない。

 ジェフ・ベックの『ワイヤード』にも最低の☆しか付けてなかったしね。あの時点でオレは読者をやめましたよ。
 さて、DANNY ROBBINS 記者による2010-5-21記事「AP INVESTIGATION: Texas man faked way into Army」。
  今年、なんの軍歴もないテキサスの男が、陸軍に予備役下士官として登録することに成功した。詐欺。もし戦争になったら、こいつが実際に兵隊を指揮するところであった。
 この26歳の男、Jesse Bernard Johnston III は、ことし2月に陸軍の予備役軍曹として登録。フォートワース海軍基地の 海兵隊の航空支援中隊 Corps Support Airplane Company に配属された。※元海兵隊と偽って陸軍予備役兵となり、あらためて海兵隊の飛行部隊の基地に配属されたようだ。イマイチそのしくみがよくわからん。
 彼のリアルの軍歴らしきものは、2004に大学生だったときに、海兵隊将校となるための12週間のコースを受講したことがあるのみ。※ROTCの一種か。
 しかもその最後の6週間はバックレて途中下車。
 The Corps Support Airplane Company はイラクに出征したこともあり、そのときはIED退治用の飛行大隊のために人員を提供した。
 ジョンストンは、偽の海兵隊の記録に基づいて、陸軍の階級を得た。彼は2002に軍隊に入ったことになっていた。
 米国では復員兵・退役軍人にはいろいろな経済的な特典などがある。つまり詐称をしたくなる誘引がある。そこで2005に連邦議会は、貰ってもいない勲章などを用いることを犯罪とした立法をしている。
 3月までジョンストンは、陸軍航空隊の初級練習部隊があるアラバマ州の Fort Ruckerにいた。
 ジョンストンの妻はリアルに陸軍予備兵であった。そして、二人で陸軍航空隊のパイロットになりたいと夢を語っていた。
 ジョンストンは、元海兵隊としてイラクとアフガンで Bronze Star と two Purple Hearts 勲章も得ていた――と、女に嘘をついていた。
 例のイスラム信者の精神科軍医が13人を射殺した事件もあるだけに、米軍は大丈夫か?
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 G.E. Anderson 記者による記事「Mercedes-Benz Puts the Automobile on Autopilot」。
  人間のテストドライバーがいらなくなってきた。メルセデス社では既にロボットを使用中である。
 衛星経由でSクラスとEクラスを操縦するテストを続けている。
 ロボットを走行テストに使うメリットは、結果を正確に再現できること。
 退屈でしかも危険な仕事を何度でも間違いなくさせられること。
 とにかく高速で正確に何千回でも繰返してくれる。指定したコースから2cmしか外れない正確さ。また、指定したところから3cm以内の誤差で停止してもくれる、という。
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 アジアンディフェンスの 2010-5-21記事「Secret Test Leads To Public Order」。
  インド陸軍は、国産の Arjun 戦車とロシア製 T-90 を比較した結果、国産を 124 両、追加で調達することに決めた。
 これは政治家の強い意向による。軍人はT-90 が最新鋭主力戦車だと思っているのだが。
 マスコミ用の公表データは、機動力、 endurance そして砲力のすべてで Arjun が勝ったとしている。だが真の詳細は秘密である。
  Arjun は 1980sから開発が始められながら、4年前まで総生産数は5両。
 その後、陸軍はいやいやながら 128 両調達した。要するに出来損ない戦車。
 特に火器管制用エレクトロニクスに問題があった。
 エンジンも好調ではなく、しかも重いので current tank transportersで運べないのだ。
  T-90 は 47 tons で 23 feet long ×  11 feet wide  × 7.5 feet highなのにヒシ、Arjun は59 tonsと重く、 34.9 feet × 12.7 feet wideと寸法もデカい。
 2009にインド陸軍は最初の10両の T-90 tanks を装備。これはライセンス生産品だ。部品のいくつかはインドで作り、エレクトロニクスは西側から輸入。それで単価は $3 million である。
 陸軍は4年前からすでにロシア製のT-90を 700 両輸入してもいる。こちらの単価は $3.5 million だ。
 2020までに、インド陸軍は 2,000 両の upgraded T-72と、1,500両以上の T-90と、 Arjunsを含む数百両の他の戦車を有するであろう。
 戦車はヒマラヤでは活躍できない。よってこれらの戦力はすべて対シナ用ではなくて、対パキスタン用である。
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 ストラテジーページの2010-5-21記事「There Is Something Wrong With Our Officers Today」。※元記事があるはずなのだが、ストラテジーページはいつもそのソースを明示しないのである。よって記者名も何もわからん。タイトルは意図的に変えてあるはず。
  1980’s末まで、米海軍の軍艦艦長は、年にその3~4%が解職されるだけであったが、1991冷戦終了後は、そのレートが5%以上に増えている。つまり問題のある奴が出世してしまうというケースが増えている。
 これは昇任委員会に顔の利く有力提督(しばしばその若い将校の指導を担当した者)の贔屓が一因である。ゴマスリ上手が艦を誤るのだ。
 海軍少尉 (officer rank O-1) が100名任官したとして、そのうちだいたい90名が、およそ9年後に、 O-4 (Lieutenant Commander 海軍少佐)まで進級する。
 そのうち67名が、任官から10~12年目にして、 XO (executive officer, the number two officer on a ship 【副長?】) になれる。
 そして69名強が、 O-5 (Commander 海軍中佐)になり、フリゲート艦や駆逐艦であれば、艦長になれる。
 100人の少尉のうち約38名が、任官から18~20年目にして艦長になり、ふつうは、その艦長職を約18ヵ月続ける。
 100人の少尉のうち22人くらいが、任官20~21年目にして O-6 (Captain 海軍大佐) になる。しかし、その大佐たちのうち、わずか 11 人だけが、巡洋艦艦長や、駆逐隊司令として海上に出られるのみ。残余の者は陸勤務。
 軍艦の指揮が上手であると認められた海軍将校は、キャリア30年ほどで退役するまでに、2度か3度、単艦もしくは艦隊を、海上で指揮し得るのである。
 米海軍で急速出世する若い将校は、やはりルックスが良い。これ、事実。
 駆逐艦『Cole』が2000にイエメンの港で爆破されたとき、艦長はすぐには解職されなかった。※やはり艦長は無警戒の責任を問われたか。
 海軍兵曹長 (Chief Petty Officers) にも困ったことが……。
 冷戦終了後、「ゼロ・トレランス」、つまり、ただ一回の失敗でそいつのキャリアは終わりにするぞという人事のムードになったため、海軍士官たちは、多くのことを下士官には委ねずにみずから水兵に細々と指図を与えるようになった。そのために、いまや下士官たちは、水兵や士官に対する影響力、責任、そして艦内の権力をを失ってしまっている。
 WWIのときハルゼーは駆逐艦艦長として事故をやらかしたがWWIIでは提督になっていた。今ならハルゼーは戦争の指揮をとれないわけだ。
 米国がWWIIに突入したとき、海軍は大量の艦長をその艦から下ろして交替させた。提督たちも同様。つまり平時と戦時では求められる人材は違うと分かっていたのだ。
 1930年代、海軍士官の8割は艦隊勤務であった。いまや岡の学校に通っている者の方が多いだろう。それでは下士官や水兵を掌握することはできない。
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 SLOBODAN LEKIC氏による2001-5- 21記事「US rifles not suited to warfare in Afghan hills」。
  イラクではM-4はうまく機能したが、アフガンではダメ銃だ。
 1,000 feet (300 meters) で敵を殺せない。しばしば 2,000 to 2,500 feet (600-800 meters) での交戦となるのがアフガンなのだ。
 5.56ミリ口径だけが問題ではない。M-16は 20-inch barrel だったのに、M-4で 14.5 inches に切り詰めたために、遠射力がなくなっているのだ。※弾丸を、旧西ドイツ製の、体内でバラけ易くつくってあったヤバイ弾丸にすれば?
 英帝国軍は1832~1842 に学んだ。彼らの Jezzail flintlock 小銃は、アフガン人の持っているもっと大口径な Brown Bess muskets に射距離で撃ち負けている、と。※つまりアフガン人は無腔綫銃で英兵に勝っていたのか?
 ソ連軍も1980’sに、AK-47 rifles が、アフガンゲリラの持つWWII時代の Lee-Enfield 小銃に射ち負けた。
 そこで、在アフガンの米軍は、各歩兵小隊の中に9人の sharpshooters を置いて、ゲリラに対抗せんとしている。そしてそいつらには new M-110 sniper rifleを持たせている。口径 7.62 mm で、 2,500 feet (800 meters)までは正確だ。
 家屋から家屋へ、という市街戦では、依然として M-4 は良い銃ですけどね。あと、装甲車の中で銃身が邪魔にならない。
 ベトナム戦争の前半までは、米軍は M-14を使っていた。だが 7.62 mm 弾をフルオートで発射したときの反動が大きすぎたので、1960年代の半ばにM-16にしたのだ。
 米軍は暫定口径として7.62ミリの復活を考えている。
 ※もういいでしょう。結論は、7.62ミリ減装弾を使う我が「Type 64」(六四式小銃)しかないですよ。これを米軍はアフガン用に買い上げるべきなのだ。M-14には無い2脚で、フルオート時も集弾性に問題無し。弾倉は、M-14用をちょっと改造すればそのまま使えるよ。はっきり言って、六四の各部はM-14をビミョーに模倣してるから。
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 KATE BRANNEN 記者による2010-5-20記事「Survivability Ideas Eyed At U.S. Armor Conference」。
  レイセオンとBBN Technologies 社の 「 Boomerang」という狙撃兵探知システムは、敵のタマが飛んできた方角だけでなく、 elevation【俯仰角】まで教えてくれる。装甲車内に居ながらにして、ビルの何階から狙撃されたかが分かってしまう。
 車両の外側にエアバッグをとりつけ、RPGがとんできたらそれを膨らます、というのがTextron 社の「Tactical Rocket-Propelled Grenade Airbag Protection System( TRAPS)」。
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 デンジャールームのEmily Stone 記者による2010-5-21記事「A Drug Cocktail to Chill the Body and Save the Brain」。
 大掛かりな低温維持装置によってではなく、投薬によって、患者の全身の体温を下げてやることができるならば、脳の酸欠による後遺症を回避できる「低体温治療法」がじつに容易になる。
 その方法が発見された。視床下部のなかにある「サーモスタット」を麻痺させてしまう薬だ。
 ※たとえば摂氏0度の水中で溺れた人は、数十分間呼吸がとまっていても、代謝が抑制されているために、蘇生後に脳に後遺症が残らないことがあるのです。
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 『TIME』誌のMark Thompson 記者による2010-5-21記事「One Jet Engine Maker or Two  ―― Gates’ Defense Spending War」。
  ゲイツが必要はないと言っているF-35用の、本来案とは別のもう1種類の新エンジンの採用(=別のメーカーの製造工場での新ラインの立ち上げ)を米議会が押し込んで来ている。初年度でも a half-billion dollars もかかる、とんでもないものだ。
 ゲイツいわく、そんなもの無駄だし、どうせ買えないくらい高くなるし、他の必要なモノが皺寄せを食ってしまう。
 下院軍事委員会は、来年度国防予算$726 billion(このうちイラクとアフガン用の戦費は $159 billion ) に、 $485 million をこの第二エンジンを製造させるために加えろと言っている。
 F-35 fighter は現在でもすでに「the largest defense program in history」となってしまっているのに。
 F-35をもし今後20年で 3,000 機 つくるとしたら、そのうちエンジンの金額は some $100 billion となろう。
 F-35のエンジンはいまのところ、 Pratt & Whitney 社製の新エンジンに決まっており、同社のコネチカット州にある East Hartford 工場でだけ、量産を予定する。
 ところが下院議員どもは、オハイオ州にあるGE社とロールスロイス社のシンシナティ工場にも、そのGE=ロールス製の、別種の新エンジンを、F-35用として製造させろ――と、うるさいのだ。
 これがコスト競争になるというのが議員どもの理屈だがゲイツは2009にその案を殺した。
 ゲイツは、もし議会がそのための余計な予算をつけたらオバマ大統領に拒否権を行使してもらうつもりだ。
 ゲイツいわく。 GE engine は200 hours のテストしかしていない。プラットの方は、 13,000 時間も試験している確かなものなのだ。
 F-35は採用後30年間は現役で使われるだろう。


いすゞ は いつの間に 中共軍に 水陸両用車を輸出していたんだ?

 Richard D. Fisher, Jr. 記者による2010-5-20記事「China Builds Up Amphibious Forces」。
  中共軍は、「amphibious version of an Isuzu 4 X 4 truck」を装備している。
  1990s後半、中共軍は 18-ton の ZTZ-63A amphibious tank を開発した。
 これは T-63 amphibious tank の後継。 85-mm砲装備でソ連の PT-76 tank もどきだ。
  ZTZ-63A は105-mm の砲安定装置付きの主砲。
 そこからロシア設計の「 Bastion」レーザー誘導砲弾も発射できる。その場合の射程は4km強。
 敵の台湾軍の戦車は M48 と M60 だ。
 中共軍にはType-63C amphibious armored personnel carrier (APC)もある。
 水上ではウォータージェットで時速12km出せるらしい。そして5km以上の航走ができるだろう。
 米海兵隊のなかなか完成しない次期水陸両用戦闘車と違い、シナ軍のは小型であり、要求が少ないので、早く完成したのだ。
  ZTD-05 は 26 tons で travel 40 kph.であるのに対し米国の EFV は 35 tons で 46 kph.である。
 ZTD-05 は 105-mm の低反動砲をもつ。もちろん Bastion antitank missileも。
 ZBD-05 infantry fighting vehicle (IFV)は 30-mm機関砲と low-cost HJ-73C antitank missileだ。
 EFV も 30-mm. cannon である。
 米支ともにクルーは3名。 ZBD-05 が客を 10人のせられるのに比し EFV は17名。
 米海兵隊は2010において人員 180,000-plus 、そしてそれを運ぶ海軍の艦船は、 31 隻の large LHD/LPD (Landing Helicopter Dock/Landing Personnel Dock) transport ships である。
 次。
 ノーヴォスチの 2010-5-20記事「Northern Fleet (NF) flagship heavy nuclear-powered missile cruiser Petr Veliky reached the Far East」。
 2万6000トンの巡洋艦『 Petr Veliky』は空母を除くと世界最大の軍艦である。核動力で31ノットを出す。長さ251 meters × 巾 28.5 meters ×檣高 59 metersで、乗員 800人以上。
 対艦ミサイルの P-700 Granit (3M-45 Shipwreck)を 20 発。これが60度斜め上を向いて、甲板下に並べられている。
 52日間の航海だった。 Severomorsk →地中海→スエズ→……のルートで15,000 浬。途中、シリアに寄港。
 そして moored at Strelok Bay near Fokino
 この海軍基地は Primorsky Krai にあり、ウラジオの隣町である。
 北海艦隊が太平洋艦隊と合流したのは初めて。
 ウラジオストックのGolden Horn Bayに立ち寄ることを拒否されたというネット情報については、そもそも寄港予定がなかったとのこと。そこは国際港であって、原潜も、原子力砕氷船も原子力水上艦も禁止されているからだ、と。
 ※国際港だからという理由は変だね。
 太平洋艦隊には、護衛巡洋艦の『Varyag』、大型対潜艦『 Admiral Panteleev』、駆逐艦『 Bistry』、ミサイル艇複数と陸上航空機がある。
 5月中旬には黒海艦隊の『Moskva』もやってくる。そして日本海で演習を予定。
 『モスクワ』はソ連最初のガスタービン艦6隻の筆頭として1983-2に黒海艦隊に所属した。
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 ストラテジーページの2010-5-20記事「RoboTank In Development」。
 ついにM1戦車の無人化が始動。ANS (Autonomous Navigation System)をとりつける。
 The army also plans to equip existing combat vehicles (M-1 tank, M-2 and Stryker infantry vehicles) with ANS, so they can be sent into very dangerous situations without their human crews.
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 ナショナルディフェンス2010-6月号 Stew Magnuson 記者による記事「Efforts to Field New Kinds of Ground Robots Have Had Little Success 」。
 マイアミで National Defense Industrial Association ground robotics conference があった。
 トラック6台からなるコンヴォイをただ1人の乗員で動かせないかという「convoy active safety technology( CAST)」を陸軍と海兵隊は模索しているが、現況は停滞している。
 MITのロボット工学修士で元指揮官でもある Lynch はこの分野での大御所。彼は2009の Washington unmanned systems conference で、兵隊の命を救う5つのロボット技術を列挙した。
 そのひとつが convoy-leader system の CAST であった。
 陸軍は武装ロボットも2006からイラクで使おうとしたけれども、まだ一度も実戦使用はされていない。
 指揮官たちの懸念は、そのロボットの銃弾がまずい方向に飛んだら責任はどうなるんだということ。
 前線で敵のタマに曝されれば、すぐにもタロンのような武装ロボットを投入すべしという気になるはずなのだが……。御偉いさんはそういう体験をしないから……。
 陸軍研究所および Howe and Howe Technologies社が開発した Ripsaw MS2 は、車両サイズで装軌式。速力 60 mph、ペイロードは 2,500 pounds 、武装は1梃の M240 または M249 7.62 caliber machine gun, または非殺傷の群集鎮圧兵器、または grenade launchers.
 国防予算半減化のトレンドから見て、陸軍用の地上ロボットの単価は $20,000 per vehicle にしないとまずダメだ。量産前にこの単価を実現するには民間技術を転用するしかあるまい。
  2010 Robotics Rodeo は10-12~15にジョージア州 Fort Benningで予定されている。
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 Austin Wright 記者による2010-6月号ナショナルディフェンス記事「Army Lays Out Ambitious Plans to Expand Unmanned Aircraft Fleet 」。
  米陸軍は2012に 2,000人以上の無人機専門 operators と maintainers を教育する予定。
 次の20年の課題は、輸送用ヘリコプターの無人化。
 無人機内に、故障をその発生の24時間以上前に警告するセンサーを組み込むことで、メンテナンスも合理化したい。
 2011から、アパッチAHのコクピット内から他の無人機が操縦できるようにする。そしてその任務を、地上のUAV操縦チームとのあいだで、自在に引き継ぎ交替できるようにする。
 ※つまりAWACSのAH版か。
  Kiowa Warrior 偵察ヘリは、しょっちゅう、 Shadow UAVと一緒に飛んでいる。それによって、カイオワのパイロットは、じぶんの目以外に、地上を見張るための別の視点を得ることができるわけだ。たとえば、自機からは直視できないビル蔭や山蔭を。
 これからの課題は、 Low, slow, small な無人飛行物体をどうやって迎撃するか。現状、これらは探知すら難しい。
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 2010-5-20記事「The Pentagon’s Love-Hate Relationship With Clean Energy」。
 オレゴン州で計画されている米国最大の風力発電所を、国防総省とFAA連邦航空局は、やめさせようとしている。
 理由は、航空管制レーダーを妨害するから。その70マイル先には Fossil空軍基地もあるのだ。
 ペンタゴンは、米国内に 500 箇所のmilitary basesを有する国家最大の地主で、しかもまた、国家最大のエネルギー消費者である。
 ゲイツは、2025までに、軍の 25 percent の電気はrenewable sources から得るべし、と指示している。
 それで陸軍は 500-megawatt solar power generation plant を加州の Fort Irwin に建設中。
 次。
 Jamie McIntyre 記者による2010-5-18記事「CV-22 Lost Due to Pilot Error」。
 2010-4-8~9の夜間にアフガンで墜落した CV-22 Osprey は、地表近くを高速で飛び過ぎたパイロットが悪いと暫定結論。もちろんローター角は飛行機モードだった。
  berm【ちょっとした段丘】にローターが当たって、両翼とエンジンがまず剪断されてしまった。
 これは、実験機ではなく作戦機の最初の喪失だった。
 飛行機はひっくりかえったが、20人乗っていたうち16人は生存。死んだ4人は、空軍パイロットとフライトエンジニア、陸軍のレンジャーと、詳細公表をはばかる文民1名。 ※マジっすか。超頑丈じゃん。だからオバマ大統領も運べたのだな。
 『The Dream Machine: the Untold History of the Notorious V-22 Osprey』の著者であるRichard Whittleは、「こんな事故はどの飛行機でも起きるさ。低空を高速で飛べばね」と、むしろ擁護的。
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 2010-5-20記事「France Builds A Better Predator」。
  フランスのメーカー Sagem 社が、重さ1トンの「 Patroller」 UAVを初飛行させた。
 滞空30時間、高度 8,000 meters。
 18 ヵ月後には実用化してもらいたい。
 同社はもっと小型の「 Sperwer」 UAVもつくっている。それはオランダ、スウェーデン、デンマーク、ギリシャ、カナダ軍で採用され、90年代のバルカン半島平和維持軍派遣時から活躍している。
 カナダ軍は Sperwers をアフガンで多用中。
  $2.6 million の「Sperwer LE (Long Endurance)」は重さ 351 kgでペイロードは 50 kg で長さは 3.9 meters、滞空 12 hoursである。
 地上管制点から 200 kilometers まで遠隔操作できる。
 問題は、エンジンがうるさく、低空では耳で気取られてしまうこと。
 また、熱、埃、風にも弱いので、カナダ軍は、イスラエル製の無人機を代替機として採用してしまった。
 仏メーカーは、この失った顧客を取り戻したいのだ。
 次。
 2010-5-20記事「Americans Flying Russian Gunships In Combat」。
  アフガン人にロシア製の安いヘリを飛ばさせるための訓練を米空軍人がやっている。彼は、ミル24の輸出バージョンである Mi-35に慣熟した。そしてチェコ人やハンガリー人といっしょに、教官になっているのだ。
  Mi-35 は20トン。8人を客として乗せられる。担架なら4つ。
 もともとは Mi-8 輸送ヘリから発達したものだ。
 ミル8の輸出バージョンはMi-17といい、アフガンに多し。キャラクターとしては米国の UH-1似だが寸法と重さは倍あって、荷物は半分しか運べない。1万2000機も製造された。
 それでも Mi-8 は兵隊を 24 人も乗せられる。
 ちなみに UH-60 は10トン、 UH-1 は 4.8 tons。
 UH-60は Mi-8 の2倍の値段だからアフガン政府向きではないと結論されている。
 次。
 Grace V. Jean 記者による2010-6月号ナショナルディフェンス記事「Research Challenge: How to Defend Against Still-Undefined Chemical, Biological Attacks 」。
 将来の兵隊は、特別な毒消しの薬品をあらかじめ素材に吸収させた繊維でできた軍服を着用する。それが、敵の毒ガスを勝手に消毒してくれる。
 この可能性は、金属粉に水素を大量に貯蔵させる研究から、見えてきた。
 もちろん、その特殊な化学金属粉を、消毒剤として地面に撒いたり、空調フィルターに使うこともできるのだ。