「AI大戦」は近い。

 複数のタクシー乗務員さんその他から聞いた話。
 6日はフェリーが動いていたので、フェリーでNHK記者がやってきた。それを未明、函館港から札幌市まで運んだ(さすがに厚真町までは無理だったので)。
 高速は停電以降、不通であったが、地上の国道5号線がフリーハイウェイ状態。誰も走ってない直線道を平均100kmで飛ばした。オービスも停電で作動していなかった。戻るときは、3時間半で来られた。
 このタクシーは燃料が満タンだったのだろう。
 他に何台かのタクシーが函館→札幌の直行に乗り出したようだが、始動時にメーターが少しでも減っている車両を出した者は、途中でガス欠になって、洞爺湖あたりからレッカー車に引かれて戻ってきたそうだ。お客はどうしたのかな?
 もちろん、停電と同時に、タクシー用の液化天然ガスの給油所も機能停止していたので、どうしても給油をするとすれば、「手回しポンプ」を使うしかなかったらしい。
 停電直後は、通信が途絶し、住民が携帯電話でタクシーを呼ぶことも不可能であったことを、証言によって確かめることができた。ただし、タクシー無線用に発動発電機を用意していた会社は、運行無線だけは通じた由。
 函館空港は、停電後も、こちらから内地へ飛ぶ便は、飛んだそうである。しかし、内地からこちらへ来る飛行機は、着陸できなかったと思われる。
 もっとも困った人は、高層マンションに暮らしていた要介護の老人。停電直後、上水も停まってしまい、トイレを流すこともできない。町のケースワーカーも自宅待機であったが、さすがに見かねて、1Fから階段で水を運び上げてやったとか。
 オール電化の家に住んでいる人に頼まれて、いっしょに量販店を回ってポータブルガスコンロを探してやったタクシー乗務員さんもいた。けっきょくどこでも売り切れており、最後に街のプロパン屋さんに相談したら、その家の個人の所有物であるコンロを貸してくれたんだと。
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Will Knight 記者による2018-8-17記事「Fake America great again」。
     ある政治家の政敵が、みっともないことをしているビデオを捏造するのには、それほど、動画編集のスキルは要求されない。時間は数時間かかるが。
 たとえば、動画の人物の顔だけを、別人ととりかえて編集してくれるというソフトが、ダウンロード可能なのだ。フェイス・スワップと言われるもの。
 今は「ディープ・フェイク」の黎明期である。両目だけをハメ込み合成しても、一定の人は、騙されてくれる。しかし将来は、本人も騙されるほどの仕上がりになろう。
 たとえば「OpenFaceSwap」というソフトは無料でダウンロードできる。
 ただしグラフィック関連のハードが強化されたPCでなくては使えず、そのために数千ドルの追加出費が要るかもしれない。
 その資力がない人は、「Paperspace」のようなクラウドサービスをレンタルすれば、1分あたり数セントの料金で、動画加工AIを駆使した作業ができる。
 2017年に、ポルノスターの顔だけセレブ女優にとりかえた合成動画が、セレブ流出映像投稿サイトに投稿された。創ったのは「ディープフェイクス」という人物だ。
 声色を捏造できるソフトもすでにある。ある投稿者は、バラク・オバマとドナルド・トランプの、それぞれ100%創作であるところの偽発言を、もう投稿している。
 人物動画が3D合成かどうかを見破るコツとしては、体内の「脈動」が人物の表皮に現れているかどうか、とか、瞬きが自然であるかどうか、などがある。今のところは。
 リアル映像とそうでない映像を見分けるAI。その裏を掻こうと努めるAI。この2つのマシーンを対立させて学習させ続けると、フェイク動画は極限まで本物らしく整って行く。この技術を「GAN(generative adversarial network)」と呼び、『MIT技術評論誌』は、2018年における10個のブレークスルー技術の1つに挙げた。
 この4月、SNSのワッツアップで流布した動画。BBC風のアナウンスが、ロシアがNATOを核攻撃しはじめたと報じ、映像では、マインツ市とフランクフルト市が吹っ飛んでいる。
 そしてロシア政府は同じ4月、英国政府がシリアにおける化学攻撃の偽映像を根拠にして軍事行動を正当化しようとしていると非難した。
 ※書店で絶賛発売中の『日本転覆テロの怖すぎる手口』。まだ読んでない人は、急いで勉強しよう!
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  Dave Majumdar 記者による2018-9-13記事「Why China’s Stealth Fighter Can’t Touch an F-22 or F-35 in Battle」。
      「殲20」には、第五世代機に必要な「センサー・フュージョン」のソフトウェアが備わっていない。
 「スパイク・マネジメント」もできない。
 F-22やF-35は、飛行中に、敵地または空中のどこからどのようなレーダー波で自機が探索または補足されているか、ディスプレイで一目で承知できるようになっている。
 だからSAM陣地をすりぬけて侵攻することができるのだ。しかし米国メーカーも、このソフトウェアを大成させるのに、何十年も試行錯誤を重ねた。中共メーカーに数年でできる仕事ではないのだ。
 ※「殲20」は電子装備品的には「F-117A」にとても類似していることがわかってきたので、またぞろF-117がオプフォーの殲20役としてひっぱり出されているのか。