北海道の「禍を転じて福となす」は、まず「ソーラー式街灯」から

 このブログの2010年からの読者、および「勝手にソーラーライトを愛好する会」の古いメンバー諸兄ならば、ご案内のこと。
 冬期に「夜」が9時間も続く北海道では、一般向けに市販されているガーデン用ソーラーライトのほとんどは、夜明けまでの発光を続けられない。それどころか、宵口の19時頃に、もう放電し切って、消えてしまう。
 しかし稀に良心的な設計のソーラーライトは、たかだか3000円前後の売価帯でありながらも、冬至前後の不良な日照条件日において、しっかりと終夜の連続点灯が持続する。残念ながら、過去のそうした優れた商品は、安さだけが長所の不良商品群によって、いずれも市場から駆逐されて行った。けれども、拙宅に残してある一製品などは、今回のブラックアウト時も、黎明時まで「目印灯」の役目を果たしてくれた。
 これとは別に、赤色LED1灯でしかも明滅式にするなどの、省エネ回路を採用したソーラー標示灯(工事用標識灯よりグレードを落としたもの)も、ロットによって出来のばらつきはあるものの、概ね、終夜点滅が持続する。価格は2000円未満である。
 より高額(5000円前後)の、ソーラー電池式の工事用標識灯に、すぐれた耐久性や耐候性、信頼性があることは、ここでわたしが解説するまでもなく、皆さんの方が御存知だ。(アマゾンで誰でも買えます。ホームセンターでは見かけない。)
 ソーラーライトに、既存の(100~200Wぐらいもある)街灯の「照明」機能を代替させようとしても、それは無理な話。
 昔の30~60Wの裸電球の代わりにもならない。
 それは、わたしがさんざん実験したり観察して得た、現実的な結論だ。
 しかし、ソーラーライトを、街灯が停電したときの「目印灯」として役立てることは、自治体の負担にならないコストで、じゅうぶんに可能なのである。
 この「目印灯」があるとないとでは、大都市の中心市街や一級国道ならともかく、町の辺縁部や、田舎の寂しい山道などでは、たいへんな違いになる。北海道の皆さんは、ようやく「真に光の無い戸外の不安」について、認識をあらたにしてくださったのではないか。
 暗闇は、いろいろと危険なのだ。
 設置は、既存の街灯柱の「笠」より高い位置に、架上するとよい。さすれば、通常の夜間は、既存の電燈とソーラーライトがアンサンブルで光る。ソーラーライトは「電飾」を担当し、地域を演出する。
 そしてブラックアウト時には、ソーラーライトだけが光り、「目印灯」の機能を果たしてくれるわけだ。
 この「目印灯」が普及し、自治体によって大量に需要されるようになれば、やがてしぜんに性能の向上が促されて、じきに、驚くほど安価に、「限定的な照明機能」も備えた「ソーラー電池式街灯」が、自治体に対してメーカーから売り込まれるはずである。
 そうなったら、こんどは、一部の街灯を、ソーラー街灯で徐々に置換して行くことができよう。
 最終的には、北海道の街灯の半数以上を、ソーラー街灯化できるだろう。
 函館山の山頂展望台から夜間に見下ろした街の灯が、すべて発色と発光パターンの異なるソーラーライトであったとしたら、それはどのような光の芸術だろうか? 今の夜景よりも、数等倍、人々を魅惑してくれるはずだ。
 次。
 Mark Galeotti 記者による2018-9-12記事「Don’t Fear the Russian Military」。
   ボストークは「東」。ザーパドは「西」をそれぞれ意味する。
 前回の露軍のヴォストーク演習は2014年だった。こんかいの規模はその2倍。
 この演習は、スウェーデンとフィンランドがNATOに加われば侵略するぞという脅しである。
 昨年のザーパド演習でロシアは動員人数を過少申告して、NATO武官のインスペクションを拒否する姑息な手に出た。
 今回は動員人数を逆に過大宣伝している。30万人も動員されてはいない。15万人前後であろう。それでも巨大だが。
 しかも、将兵の多くは、普段起居している兵舎から遠出することもない。駐屯地内の屋内に開設されている指揮所を手伝うだけ。ザーパドでもそうだった。だから野外に出ているじっさいの人数はいっそう少ない。
 軍事評論家のマイケル・コフマンが指摘してくれたこと。露軍は、旅団内からただ1個の連隊を演習に派出しただけでも、公式には「旅団が参加」と記帳させる。「水増し会計」主義なのである。
 ロシアのGDPは、テキサス州のGDPよりも小さい。
 ロシア政府は歳出の三分の一以上をセキュリティのために投じなければならない。
 他方で老齢年金の支給開始年を逐次に引き上げざるを得ない。
 30万の兵力を西から東へ運送する経費の捻出は、ハナから無理なのである。
 核動力の巡航ミサイルのプロトタイプをロシアは過去4回、テスト飛行させた。どれもクラッシュしたという。
 カーネギーモスクワセンターのアレクザンダー・ガブエフによると、演習に3200人の支那軍を混ぜた理由は、米政府へのメッセージなのだという。アメリカがロシアを追い詰めれば、中共と本格軍事同盟するぞ、という。