死を招くしおまねき。

 Ezra Dyer 記者による2018-9-18記事「How the Honda EU2200i Generator Is Getting Me Through Hurricane Florence」。
    記者はノースカロライナにて連続4日間の停電を体験した。ハリケーン「フロレンス」にやられた。
 多くの住民はピックアップトラックを仕立てて遠くの避難地への逃亡を余儀なくされた。だが私は、その前の週に調達しておいたホンダの「EU2200i」発動発電機(重さ22kg)のおかげで、文明生活からまったく遮断されずに済んだぜ。
 ちなみに米国内ではアマゾンがこの商品を999ドルで売っている。2200ワット、120ボルト・AC60ヘルツの超静粛ポータブル・インバーター発電機だ。
 じつは、これ以前に、発電機を買ったことがない。停電のたびに、1台必要だな、とは思うのだが、電力が復旧すると、そのことは忘れてしまう。その繰り返しだった。
 キミたちにアドバイスする。快晴の日に、発電機は買っておけよ。
 そうすればハリケーンが来たとき、量販店の前で5時間の行列を作って並ぶ必要なんてなくなるぜ。
 買うならインバーター式の発動発電機だ。
 このインバーター・ジェネレーターは、消費電力の負荷に応じてエンジンの回転数も自動的に変わってくれる。だから省エネ。
 たとえば、つないでいる先の冷蔵庫のコンプレッサーが作動すると、発発の回転数も上がるのが、分かるよ。コンプレッサーが止まると、発発の回転数も静かになる。したがって消費燃料は最少に抑えられる。
 電気の質も良好だ。インバーターという部品がフィルターになり、交流の波形(サインウェーヴ)やサイクルの乱れを整えてくれるのだ。
 おかげで、電気の質には特に敏感なコンピュータの電源としても、何の問題も起きない。
 もちろん、非インバーター型のジェネレーターがあなたのテレビをオシャカにしてしまう、なんてことは決まっていないのだが、もしテレビが大型の高価なものであったなら、インバーター式の方が、そのテレビにとって望ましい電源であることは間違いない。
 発電機は小型のもので十分だ。最大の電力消費家電である冷蔵庫のコンプレッサー作動時にもせいぜい1200ワット。それ以外のときは200ワットだろうから。
 室内のLED照明は、1灯が数十ワットだ。
 米国では、ハリケーン襲来のたびに、発動発電機の一酸化炭素による中毒事故死者が出る。
 多くの発動発電機は雨ざらし状態で運転することが推奨されない。だからつい、密閉した屋内で運転してしまう。だが停電時には換気扇もストップしている。それで、死が招かれる。
 ガレージの入り口に置いて、排気口が外側を向くようにしていても、風向き次第では一酸化炭素が屋内まで逆流してくるから、できれば雨のかからない屋外に据えて、延長コードを窓から引き込むようにし、人の居室には一酸化炭素警報機を設けるとよい。
 この延長コードは特に線の太いものを用意しておくのが非常時には安心だ。そして端末にコンセントが3つくらい付いたものだと便利だろう。
 EU2200iは、記者の体験では、ガソリンを一回補充しておけば、10時間近く連続して発電してくれる。だから、給油時刻を計算しておけば、夜のまだ暗いうちに燃料補給作業を強いられるような羽目には陥らない。
 発発への給油には、調理用のスポイト式ポンプ(ターキー・ベイスター)がとても便利である。もちろん一回使ったら、もうキッチンへは戻せない。ガレージに置くしかないだろう。
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 Kyle Mizokami 記者による2018-9-19記事「Syrian Air Defenses Downed a Russian Spy Plane with Russian Missiles」。
      昨日シリア軍が誤射して撃墜してしまったのはロシアの情報収集機「イリューシン20M」であった。
 このときイスラエル空軍機は、シリア領内にあるイラン革命防衛隊の先端的兵器システムを空爆中であった。
 イリューシン20Mは、民航機のイリューシン18Dを改装したものである。製造は1976に終了している。4発ターボプロップ。
 腹の下に対地用のサイドルッキングレーダーを抱える。また地上のレーダーや無線通信の電波を収集し解析するシステムも機内に搭載。
 イリューシン20Mは地中海上空を飛行中であった。任務は、同海域に所在するNATO軍艦艇のレーダー波等を集めて、帰投後に分析することにあった。
 撃墜したのはロシア製の「S-200」、NATO呼称「SA-5」である。中高度用の防空ミサイル。
 『エルサレムポスト』の主張。イスラエル空軍が調べたところ、この撃墜事件は、イスラエル軍機が空襲を終えてイスラエル領空に戻った後で発生しているようである、と。
 シリア兵が見境無く付近の在空機にミサイルを発射したことが想像される。不思議なのは、S-200はロシアからの供与武器であるから、味方のロシア機を識別できるようなIFF装置が備わっていたはずなのに、なぜそれは機能しなかったのか。イリューシン20Mの方で、IFFのリスポンダーを切っていたかもしれない。
 ※機体は旧式だが搭乗していたのは電子戦の精鋭ばかりだったろうから、その人的損失が露軍にとって痛いところだ。10人以上乗り組んでいたとして、それが全滅したのだ。「報復」発言が飛び出したのがそのダメージを裏づける。またこの一件により、イスラエル空軍はロシア製最新SAMを回避できるECMの方法を有していることや、とうぜんにその情報は米空軍に渡っているであろうことが、天下に宣伝されてしまった。
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 Joe Pappalardo 記者による2018-9-18記事「’Fake News’ Is Sparking an AI Arms Race」。
      カリフォルニアにある「ファイアアイ」社は今年、フェイスブックおよびグーグル社に対して、米国人民に影響を与えるべくイランが設定しているフェイク・アカウントの数々を列挙して内報した。
 両社はバックエンドデータ(ユーザーは読むことができない管理情報)を調べて、イランの工作機関がそれらを立ち上げていると認定し、ユーチューブからブログまで、多数のチャンネルやアカウントを取り消した。
 敵の工作機関は、リツイートをAIロボットに自動生産させることにより、宣伝したいと思うコンテンツを急速に人気番付上位へと押し上げ、米人民の眼につきやすくしようとする。
 だが間もなく、コンテンツそのものをゼロから自然にこしらえてしまう強力なAIが、インターネット上の国際宣伝戦に投入される見通しだ。
 宣伝用の高度AIはまた、ターゲットの読み手を「層」分類どころか「個人」の単位で細かく分析し、その個人にまさにぴったりな宣伝文句や画像を揃えてアプローチするはずだ。 ※だからグーグルその他が保持するオンラインユーザーのビッグデータには至大な価値が秘められている。個人のアクセス履歴なくして個人の好み分析などできないから。
 ファイアアイの社長のフォスター氏いわく。われわれは、スプートニクやRT社が本日何を報道したか、なんてことは注目しません。その2社がロシア政府の宣伝軍だという正体は皆、知っていますからね。問題は、アメリカ人になりすました謎のアカウントが、RTやスプートニクの嘘半分の宣伝報道を支持したり、人々に知らせようとしたり、改変して拡散する活動に励むことなのです。それが、敵機関のいま最も注力している情報影響工作なのです。
 AIが制作した偽ニュースを暴くためにも人々はAIの助けを借りるようになるだろう。いたちごっこは、続く。
 ※あなたがもし政治的な秘密を握る人物なら、ある日、あなたの前に理想の女(または男)が現れる。なぜなら敵機関はあなたの画像閲覧履歴から、あなたの個人的な理想像をすっかり把握しており、苦も無くそれに似た工作員を選抜して送り込めるのだ。ところがここに問題がある。AIが発達すると、「お絵かきソフト」も発達する。あなたは理想の女(または男)を、自分の脳の中からPC上に超リアルに投影し創造することができるようになる。それはオフラインだから、敵機関にはあなたの真の理想像は把握できなくなるのだ。