どうせBUKだろう。

 ウクライナ上空で起きた2014年7月17日のマレーシア航空17便の撃墜事件は「かんたんお任せスイッチ」がついたロシア製地対空ミサイル「BUK」の仕業だった。
 イラン軍がロシアからBUKを買っているという情報は聞いたことがないが、S-300は買っているから、BUKと類似した機能がついた最新バージョンもあるのかもしれない。

 米軍は電波収集衛星を周回させていて、SAMのレーダーはぜんぶ宇宙で捉えている。だから、なんというSAMが発射されたのかは、とっくに分かっているのに、それを公表しないで、イランがどういう説明をするのか、ニヤニヤと見物しているところだ。

 次。
 Brian W. Everstine 記者による2020-1-9記事「State Department Approves Possible Sale of F-35Bs to Singapore」。
     米国務省は、メーカーがシンガポールに12機のF-35Bを売ってよいという認可を出したことを連邦議会へ通知した。商談が成立すれば27億5000万ドルになる。

 12機のあと、8機が追加されるかもしれない。

 ロッキードマーティン社は、トルコに売れなくなった後なので助かると言っている。

 ※A型でなくB型というところが流石である。国土が狭小で、滑走路は開戦直後にまったく使えなくなると予想しているのだ。

 次。
 ストラテジーペイジの2020-1-10記事。
    イランの地対地弾道ミサイル。「ファテー313」という射程500kmのが2015年からあったのだが、その筒体はスチールだった。これをカーボンファイバーに替えただけで、レンジが750kmに増えてしまった。このタイプを「ゾルファガー」といい、2017年からある。
 2019前半には、また新顔が登場。「デズフル」といい、射程1000km。イスラエルによれば、精度は低い。
 イランの宣伝によれば、製造はぜんぶ地下工場でなされているので、空襲を受けても量産続行できる。

 イランには、カーボンファイバー工場や、固体推進薬工場が、たくさんあるわけではない。だから、その少数の工場をもしも地上に出しておいたら、イスラエルからの先制空爆で、一挙にすべての地対地ミサイル製造能力がゼロになってしまう。
 したがってミサイル関連工場を地下化しておく用心は、ハイテク軍需工業基盤の育成が不十分なイランとしては、とうぜんなのである。

 先進的工業の基盤が不十分だから、たとえば誘導系に必要な無数の些細なパーツを、けっきょくは輸入に頼るほかない。だから経済制裁がこたえる。部品の密輸入は可能なのだが、それはコスト高であり、しかも、イランの収入たる石油も売りにくいので、財布がダブルで窮乏する。

 イランが液燃のスカッド系列から固体燃料に路線を変更したのは2002年の「ファテー110」からであった。これは80年代の中共製の「東風11」の劣化コピーで、レンジ200km、弾頭重量500kgだった。

 イランが保有するぜんぶの地対地ミサイルを発射したとして、目標に狙い通りに到達するのは75%にとどまるだろう。

 次。
 Charlotte Jee 記者による記事「Microsoft has created a tool to find pedophiles in online chats」。
    大人が性的動機からチャットルームを利用して子供を誘い出すことを「グルーム」という。
 このような大人の企てを、現在進行中のオンラインチャットの途中で即座に発見できる監視AIツールを、マイクロソフト社が開発した。「プロジェクト・アルテミス」と称する。
 実験では、「見抜き」率8割を示した。

 マイクロソフト社では、探知の手の内を犯罪者どもに教えることになっては回避対策を考えられてしまうので、機能の詳細は伏せている。