鮭の子は鮭。

 Samantha Masunaga 記者による2020-1-13記事「The Battle Against Rust a $3 Billion Problem for the Navy」。
     船の防錆のために昔の西洋人は、羊毛から得られる天然油脂のラノリンを、今のグリスの代わりにしていた。
 1880年代には、シェラックワニス含有石綿布が当てられたこともある。

 軍艦は5年から7年ごとにドライドックに入る必要がある。
 錆びの進行が高速なのは、水線付近だ。塩水と酸素がよくまざるから。

 なぜ水線下のエポキシ系防錆コーティングは赤い色なのか。これはダイバーの目にわかりやすくして潜水作業を助けるためだった。

 錆び落とし作業は、米海軍の艦船オーバーホール費の四分の一近くを占める。2014年の総額だと30億ドル。さいきんの契約例だと、サンディエゴの軍艦2隻の錆び落とし作業をBAE社が1億7000万ドルで受注している。

 側面作業の吊り台のことは「塗装フロート」と呼ぶ。

 ズムウォルト級の艦長をやってた人の証言。錆び落とし作業くらい、考えるたび憂鬱なものはなかった。全身に騒音と汚れを浴びる、危険で疲れる、無限に続く力仕事。真っ暗な狭所の作業も多い。外壁はカンカン照りの太陽に炙られていて、クーラー無し。もちろん粉塵だらけで、特殊マスク越しに息するしかない。誰もあんな作業にかかわりたくはない。しかし、それはどうしても必要な工程なのです。

 ズムウォルト級は、上構部分に、錆びないガラス繊維複合素材を用いるなど、長期の錆び対策を最初から考えてある。それでもだ。

 古いフネだと亜鉛ブロックが鉄板の上に固定されている。しぜんの電気化学反応を利用し、鉄錆を阻止しようとする智恵で、こうすればいいことは19世紀から知られていた。

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 Patrick Howell O’Neill 記者による2020-1-14記事「The NSA found a dangerous flaw in Windows and told Microsoft to fix it」。
      ウインドウズ10の欠陥がNSAにより発見され、警告されている。
 悪党がその欠陥を利用すれば、マルウェアをあたかも正規のソフトウェアのようにみせかけてユーザーのPCへ送り込める。