Tyler Rogoway 記者による2020-2-10記事「The Navy Now Wants To Retire The First Four Of Its Troublesome Littoral Combat Sips」。
米海軍は、LCSの最初の4隻、すなわち単胴型と三胴型が2隻ずつ、すべて早々に予備艦にしてしまいたい。近々、公式アナウンスがあるだろう。
LCSの第一番の就役艦でも艦齢12年。4隻中でいちばん新しいものは就役してからわずかに6年である。
いかに、このLCS艦型というものが、役立たずな艦型であったのかが、これでハッキリした。
SINKEX演習で、LCSはどちらの艦型も、アルミ合金を使い過ぎているため脆弱だと分かってしまった。
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John F. Sullivan 記者による2020-2-11記事「Who was Sun Tzu’s Napoleon?」。
『春秋左氏伝』は紀元前722年から468年までの500以上の会戦をとりあげており、孫子にとっての「ナポレオン戦争」に相当するのは、この記録であったと考えられる。
※『左伝』がいちばん濃厚に影響しているのは、じつは『老子』なのである、と思って書いたのが拙著『日支宗教戦争』(2009)の第4章「老子の兵法」です。興味ある人はご一読ください。
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ストラテジーペイジの2020-2-11記事。
日本政府は馬毛島を1億4600万ドルで買って、日米両軍用の不沈空母にする。九州から32km離れているこの島の面積は8.2km平方。
1980年に最後の住民が出て行き、いらい無人島。
すでに非舗装の滑走路が2本ある。うち1本は4100mで島の長軸を縦貫。もう1本は2200mで、島のいちばん幅の広いところを横貫。
島内の最高標高は海抜71mである。
米海軍と海兵隊の艦上機が、タッチアンドゴー訓練を硫黄島でするのには片道1360kmも飛行する必要があり、遠すぎる。
馬毛島なら、片道400km飛べばいい。
馬毛島から尖閣までは900kmである。
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Charlotte Jee 記者による記事。
ロボットを助手にする外科手術が、好成績。リンパ水腫(広義の乳癌)の患者ばかり20名を集めて、半数ずつに分けて、人間の手技と比較した。
0.3ミリから0.8ミリの血管縫合。これはスーパーマイクロサージェリーに分類され、生身の人間でこれができる外科医となるとどこの国でも非常に限られてしまうが、それをこのマシンなら、人間の手先よりも器用に実行できる。
比較テストを実施したのはマーストリヒト大学。
術式。リンパ管を近くの血管に直結させてしまうことによって、水腫患部をバイパスさせてしまう。
被験者20人のうち、半分には外科医の手技だけ。のこり10人にはMUSA(オランダのメーカーが開発した手術ロボット)を用いた。
ロボット操作者は、鉗子のようなジョイスティックを操作すると、操作者が動かしたモーションが10分の1くらいの長さに縮尺されてロボットの指先で再現される。そのさい、操作者の手の震えなどは、キャンセルされ、反映されない。
比較の結果、ロボットを使ったマイクロ外科治療は安全であることが確認された。術後の治りもロボットの方がほんの少しばかり早いという。
ロボット手術自体は、いまどきめずらしくもない。FDAが「ダヴィンチ」(外科ロボットの世界的ベストセラー)を認定したのは20年も前である。
ただし単価200万ドルでメンテナンス費用も馬鹿高いダヴィンチは、1ミリ以下のマイクロサージェリーはできなかったのである。
そこに、ニッチ市場があった。
※次の開発目標は、人間がボタンを押して指定するだけで血管縫合してくれる、半自動ロボットだろう。日本のメーカーはとっくにそれを目指していると思っていたが、どうも彼らには、先へ先へと進む着想が無いのではないかと、この頃は、疑いたくなる。