調査船『かいれい』 於・函館港2018-4-21

(2018年5月20日に旧兵頭二十八ファンサイト『資料庫』で公開されたものです)

(兵頭二十八先生 より)

 「函館どつく」の敷地のさらに先に、「海洋研究開発機構」の敷地があり、そこの岸壁で『かいれい』を一般公開するというので、赴いてみた。前回の『かいこう』の公開は、行けませんでしたのでな……。

 機構敷地には十分な駐車場も付帯しているのだが、そこは11時半に近くならないとゲートを通してくれない。
 わたしは2kmも離れた無料駐車場からテクったので、そのゲートを難無くスルーし、早々と、ギャラリーの少ない岸壁の写真を撮ることができた。写真は足で撮れ!(死んだ親父の遺訓。)

 しかし途中の道案内密度は粗すぎるね。余所者ならば、カーナビかスマホなしでは、なかなか辿り着けはすまいと思いましただよ。

 岸壁の警備員さんたちは、救命浮き輪を背負っていた。

 俯瞰写真は、機構ビルの上階の展望窓からの撮影だ。このビルの中にはイカの生態を調べる大水槽などがあり、一部は公開されている。

 『かいれい』の性能については、基本諸元を表示しているパネルの写真をもって代えよう。
 公試運転では17ノット以上出せたようだ。実用は10ノット代前半か?

 全速で前進中にギアをフルアスターン(全速後進)に入れると、フネが停止するまでに2分近くかかり、その間にも船体は0.33海里、先へ進んでしまう――といった数値が興味深い。写真を拡大すればもっといろいろ読めるでしょう。

 『かいれい』の船尾は、さまざまな調査機材を海中に投入したり、引き揚げたりする機能が充実している。最も有名なのは深海調査艇だろう。ただし公開日には、そういうものを搭載している様子ではなかった。多数の海底地震計が積まれていた。

 深海調査艇と本船を結ぶケーブルは光ファイバーではなくメタルなのだそうだ。いっぱいに伸ばせば1万mだが、ふだんは7000mで常用する――と、乗員の1人が話してくれた。しかし巻き取りドラムのところには1万2000mと書いてあったぞ。

 おまけの1枚は、近くの「緑の島」駐車場から見えた、海上保安庁の巡視艇『おくしり』と、海自の掃海艇2杯(687=『いずしま』と689=『あおしま』)が並ぶ岸壁。

かいれい俯瞰

かいれいの基本諸元

かいれいの急ブレーキ性能

かいれい前半

かいれい後姿

かいれいの船首

かいれい全姿

深海探査機のリモコン部屋

機雷のような海底地震計測

最小限の武装艇でこの港は守られている