銅メッキ時代が来るだろう。昔の株屋なら、Buy a copper! と叫んでいるところだ。

 Antonio Regalado 記者による2020-3-11記事「Here’s how long the coronavirus can live in the air and on packages」。
   モンタナ州にある国立保険研究所のウイルス実験チームが、7種類の、家庭内にありふれた物質の表面で、それぞれ新コロが生存できる日数を比較調査してみた。

 いちばん長くその上で生存してしまう物質は、プラスチックと、ステンレススチールであることが分かった。最大、3日間、その表面で、新コロは生きていた。

 これは何を意味するか。病院にありふれているステンレス製の器具や、地下鉄の吊り革のプラスチック製の環などは、すべて、新コロの媒介物となりかねない。

 ただし、無生物の表面を媒介にした伝染がじっさいに起きたのかどうか、未だ、どの研究者も、確認はできていない。あくまでこれは、可能性である。

 ぎゃくに、銅の金属表面だと、新コロのウィルスは4時間しか生きられないことも分かった。

 ※ただちに予言できること。銅鍋や、銀食器が、これから爆売れするだろう。世界の単純な金満独裁者たちは競って「銀閣」「銅閣」を建てるだろう。内装と屋内装飾をすべて銅メッキするぐらい簡単だから。昔は戦争が始まりそうな気配のとき、弾薬製造に不可欠な銅の株価が急上昇した。こんどの新コロは一過性じゃない。ただざんねんながら、スマホ・ケースを銅メッキすることはできないだろう。電波を遮ってしまうから。

 新コロウィルスは、宅配用の厚紙や段ボールの表面においても、1日以上、生存できる。

 ※もし新聞の印刷所や新聞販売店で新コロ患者が出たら? 郵便局で新コロ患者が発見されたら? 切手や葉書やDMチラシが汚染されていないと言えるのか? ATMから出てくるヨレヨレの札はどうなの? キャッシュカード/クレジットカードのプラスチックは? 商店備え付けの買い物カゴは? セルフ給油の機械表面は? ……面倒な時代になりましたな……。

 ボストン市にあるバイオジェン社では、たったひとりのスーパースプレッダーが、会議室内で咳の空中飛沫によって、70人以上にいちどに新コロを伝染させてしまった。

 しかし、空中に浮揚した状態では、新コロウイルスは3時間ぐらいで死ぬこともわかっている。
  ※とすれば、純然たる屋外での過疎イベントなら、やったっていいだろ?

 インフルエンザの研究によると、ウィルスの付いた物の表面に人がタッチすることで、数秒のうちに100万個近いウイルスを掬いあげることになるという。また別な研究では、人は1時間に20回以上、じぶんの顔に触るという。さらに、低温や乾燥は、ウィルスを長生きさせるという。

 ※いまのところ、温泉は比較的に安全なのか?

 アルコール消毒は有効である。また、希釈された過酸化水素水も新コロには有効である。
 2月にドイツの研究者が伝えたこと。表面消毒をすることで、100万個のウイルスが100個まで減菌されると。

 国立保健研究所によれば、体外に排出されたSARSウイルスと新コロウイルスが生存できる時間は同じくらいである。なのになぜ新コロの方がSARSよりも容易に伝染してしまうのか? 謎。

 理由は二つ考えられる。まず、症状が発現する前に排出されたウイルスに強い伝染力があるという可能性。もうひとつは、新コロウイルスはSARSウイルスよりも少ない数でヒトに感染できるという可能性。

 研究所では今、ヒトの鼻水や唾液の中で新コロが何日生存するか等を調査中である。

 次。
 David Kilcullen 記者による2020-3-11の新刊紹介記事「The end of high-tech war」。
  『The Dragons and the Snakes』という新刊。スネークとはゲリラたちのこと。西側先進国は、彼らとの戦いで技術優位を活かしづらいという。

 2014年以降、スマホさえあれば、敵味方陣地の精密な座標を得ることはもちろん、野砲と迫撃砲の弾道計算に必要なアプリもすべてダウンロードできてしまうので、僻地のゲリラだろうが、最新鋭の弾道コンピュータを持っているのと同じことになっているという。