センサー破壊力がある、車載移動式の対衛星レーザー銃が、中共から世界に輸出されるようになるのは、時間の問題だろう。

 Mark B. Schneider 記者による2020-7-11記事「Arms Control, the ICBM Force, and Ballistic Missile Defense」。
      米露の間には「New START」条約という戦略核制限条約があるが、米国はこの条約が穴だらけになっているので、中共も引き入れた新条約をつくりたい。しかしロシアの方はそれに不賛成で、単に「New START」条約を延長させるだけにしたい。

 記者が望む新条項。ICBMやSLBMのランチャーをMD用としては使わない。
 ICBMのロケットをMD用に使うことも禁じたい。

 ミニットマン3をベースに新ABMであるGBSDをつくるという構想は、よくない。
 20年前、クリントン政権は、ミニットマン3をGBIに転用しないことにした。

 ICBMとABMのブースターを共通にすると、発射時の赤外線特性や挙動が同じなので、敵の早期警戒衛星が混同する。

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 Brian G. Chow and Henry Sokolski 記者による2020-7-10記事「U.S. satellites increasingly vulnerable to China’s ground-based lasers」。
     DIAは2019-1に、中共が2020にレーザー砲を設置して衛星を攻撃するだろうと警告した。
 今日、中共領内の5箇所に、対衛星用のレーザー砲の基地がある。

 新疆には4つの大きな建物がある。うち1つは衛星追跡用。3つはレーザー砲台だ。

 大きな5箇所の他に、セベラル個の小規模基地がある。そこにはレーザーによって周回衛星の高度を測る設備がある。また、車載式で移動できるレーザー銃設備も2つある。

 衛星高度を測るレーザーの出力は2.8ワットである。
 上海にあるスペースデブリを観測するレーザーは60ワットである。

 こういう計算がある。1ワットのレーザー銃は、地上から1000回発射すると、衛星のセンサーにダメージを与えられるチャンスがある。
 40ワットのレーザー銃だと、そのチャンスは2倍になる。

 他国の、解像力10cm級の偵察衛星のセンサーを破壊したくば、中共は、撮影されたくない地上施設から10km以内に、威力のあるレーザー高射砲を据えておく必要がある。
 ぎゃくにいうと、レーザー設備が複数所在するエリア内には、中共がどうしても他国から隠したいモノがある。

 2010年にロシアと締結され、2021-2に期限が切れる「New Strategic Arms Reduction Treaty」の次の条約に、こんどは中共を引き込みたいと考える人がいる理由も、このへんにある。相互に核戦力を検証する手段、つまり戦略偵察衛星に対する妨害を禁止するという条項を盛り込みたい。
  ※中共が約束を守ると考えている時点で、非現実的だ。

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 Sebastien Roblin 記者による2020-7-9記事「Missile-Armed Chinese Drones Arrive In Europe As Serbia Seeks Airpower Edge」。
    セルビアは中共から6機の攻撃型無人機「CH-92A」を調達した。
 欧州軍隊として、中共製のコンバットドローンを最初に配備することになる。

 CHは Cai Hong (Rainbow) の頭文字である。6機はイリューシン78輸送機に搭載されて7月1日に届けられた。兵装である「FT-8C」レーザー誘導ミサイルも18発、ついてきた。

 同機は3機がひとくみで運用される。したがって、いちどに飛ばせるのは2組=2機である。
 ことしじゅうにさらに6機のCH-92Aが届けられる。最終的には24機になるだろう。

 セルビアの大統領によれば、セルビアは「Pegaz-011」という国産のドローンを攻撃型に仕上げたい。そのために、セルビア人の技師たちが今、中国留学しているそうである。

 CH-92Aは滞空8時間、上昇限度16400フィート、最高時速124マイルである。
 滑走路に着陸させて回収するのが本義だが、パラシュートで軟着陸することもできる。
 ペイロードは165ポンド。

 FT-8Cは、全重44ポンドのミサイル。レンジは5.5マイルである。もっと小型軽量のFT-18Dというのもある。レンジは3マイルだが、重さ17.6ポンド。

 ところで、1機の CH-92A が、2020-1にカンボジア南部でパラシュート不時着している。いったいそこで何をしていたのかは、不明。

 Pegaz-011 という国産ドローンをセルビアは2011に初飛行させている。サイズはやや小さいものの、外見はCH-92に類似している。双胴でプッシャープロペラ式だ。
 Pegaz は12時間滞空し、高度は9840フィートまで行ける。レンジは62マイル。

 ドローンはできたが、兵装運用技術がなかった。その技術を、中共から移転してもらう。
 将来は、機体をもっと大きくし、ミサイルまでも国産したい。

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 STARS AND STRIPES の記者による2020-7-11記事「Service member tests positive for coronavirus after arriving on Guam via Patriot Express」。
      ひとりの米軍人がシアトルタコマ国際空港からグァム島に赴任したが、アンダーセン基地に到着したところで新コロ陽性と判明。
 この便は米政府のチャーター便だった。他の乗客、全員が、グァムの軍の施設内に隔離されることになった。民間人も含めて。期間は最短14日間である。

 7-4までにグァム島では312人の新コロ陽性が見つかり、5人死んでいる。202人はすでに解放されている。105人はひきつづき症状がある。
 312人のうち軍人が286人、民間人が46人である。