戦時中の磁気信管のメカとしては、コイルド・ロッド式の方が磁針式よりもすぐれていたのだが、素材に銅やニッケルが欠かせぬため、ドイツには量産上のネックがあった。

 最新刊『封鎖戦』は地方書店でも本日あたり、棚に出てくると思います。

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 Francesca Street 記者による2020-8-25記事「Cruise trips are back. This is what they look like now」。
     イタリアではクルーズ船ビジネスが復活。
 8月16日、ジェノヴァ港から、客船『グランディオサ』号が、《地中海1週間の旅》に出発した。
 3000人以上の乗客が搭乗していると見られる。
 このフネには6300人の客を乗せるキャパシティがあるが、新コロ対策を考えて、今回はその6割に抑制して運航しているそうだ。

 米国のCDCはイタリア当局とは違う見解を保持している。米国周辺海域では、すくなくも9月まで、クルーズ船運航の禁止が続く。
 例のプリンセス・クルーズ社は、アジアを含む世界各地へのクルーズ船運航計画を、12月中旬までキャンセルしている。

 ノルウェーの小型クルーズフネ『ロアルド・アムンゼン』号は今月前半、クルーの41名+乗客の21名が、帰港後に、新コロ陽性だと判定された。

 2019年のクルーズ船業界は、3000万人もの客を運んでいた。
 年に1500億ドルを稼ぐ業界であり、雇用も120万人だった。
 世界のクルーズ船運航予定の1%がキャンセルされれば、それは9100人が失業することを意味した。
 おそらく9月末までにこの業界は、770億ドルの稼ぎと51万8000人の雇用(賃金にして230億ドル)をなくしているだろう。

 イタリアの某社の場合、乗客は搭乗前にまず「抗原テスト」を受ける。さらに二度目として「分子テスト」。 ここで陽性と判明した場合、その本人だけでなく、その人のお連れ人たちも、乗船をお断りするという仕組みを同社は採用している。
 のみならず、陽性者と同じヴァンに乗って波止場にやってきた他のお客も、濃厚接触者と考えて、乗船はお断りしている。
 クルーたちも同様で、発航後も定期的に体温チェックが続けられる。
 船内には、病院並の殺菌消毒設備が……。紫外線ライトも多用されている。
 船内のあらゆる催しは、新コロ前の70%の人密度以下に抑制される。

 《途中無寄港&無上陸》のクルーズも一部の会社では企画されている。乗客が外国の港から新コロを貰ってくることもないし、逆に船内の新コロを外国へ伝播させることもない。

 『グランディオサ』号の8-16出発クルーズでは、寄港上陸観光は厳密な計画下に案内された。このとき1家族が、ツアコンの指示を聞かず、逸脱して、計画外地まで行動したため、再乗船は許可されず、その港に置き去りにされた。

 仏領ポリネシアをクルーズしていた『ポール・ゴーギャン』号でも患者1名発生。
 ノルウェーでは『シードリーム1』号で新コロ患者1名確認。

 米政府のクルーズ禁止令は250人以上の乗客数が対象。なので、それ以下で運航していた『ウィルダネス・アドベンチャラー』号。だが、36人の客の中に1人新コロ陽性者が出たために途中中断。そのあとの二度目のテストでこんどは陰性と分かり、クルーズ再開。催行企業としては、てんやわんやであった。

 業界としては、人が新コロ陽性か陰性かの、迅速検査手段の確立を、切望している。
 ワクチンよりも、そっちが、早く欲しい。